JPH07244012A - 限界電流式酸素センサ - Google Patents

限界電流式酸素センサ

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JPH07244012A
JPH07244012A JP6031296A JP3129694A JPH07244012A JP H07244012 A JPH07244012 A JP H07244012A JP 6031296 A JP6031296 A JP 6031296A JP 3129694 A JP3129694 A JP 3129694A JP H07244012 A JPH07244012 A JP H07244012A
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JP
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solid electrolyte
oxygen
current
cathode electrode
sensor
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JP6031296A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
Takehiko Shigeoka
武彦 重岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ製造時の不良品を簡単な方法で選別で
きる限界電流式酸素センサを提供する。 【構成】 1は板状の酸素イオン電導性固体電解質体で
あり、カソード電極膜2a・2bと、アノード電極膜3
aと3bを両面に2個対で形成した。固体電解質板1の
片側上部に、2個のカソード側電極膜2a・2bを囲む
様に螺旋型スペーサ4を配置した。螺旋型スペーサ4の
上部にシール板5を配置し、酸素拡散通路6を螺旋型ス
ペーサ4の相対向する隔壁と固体電解質体1とシール板
5で囲まれる螺旋型の空間で形成した。前流側のカソー
ド電極膜2aは酸素拡散通路6に近い側にあり、後流側
のカソード電極膜2bは遠い側にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雰囲気中の酸素濃度を
測定するための限界電流式酸素センサに関し、センサ製
造時の不良品発生の有無を簡単な方法で自己診断できる
センサ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の限界電流式酸素センサの断面図を
図6に示す。1は酸素イオン電導性を示す固体電解質板
であり、カソード電極膜2aおよびアノード電極膜3a
が両面に1対形成されている。この固体電解質板1の一
方の面にカソード電極膜2aを囲み、始端と終端がお互
いに間隔を有する螺旋型スペーサ4が配置され、さらに
シール板5がその上部に配置されている。なお、螺旋型
スペーサ4とシール板5で拡散律速体が構成されてい
る。酸素拡散通路6は、螺旋型スペーサ4の相対向する
隔壁と固体電解質板1とシール板5で囲まれる螺旋型の
空間で形成され、酸素は酸素拡散通路6を経由してカソ
ード電極膜2aへ拡散する。また、シール板5には加熱
部7が形成されており、固体電解質板1を加熱して酸素
イオンの電導を良くしている。
【0003】動作について説明する。図6において、加
熱部7に所定の電力を印加し、加熱部7を介して固体電
解質板1を所定温度に加熱する。一方、同様に固体電解
質板1の両面に形成した電極膜2a・3aにも所定の電
圧を印加する。すると、空気中の酸素は、酸素拡散通路
6を経由して流入し、さらにカソード電極膜2aからア
ノード電極膜3aに向かって酸素イオンが流れる。この
酸素ポンプ作用によって固体電解質板1を酸素が移動す
るが、酸素拡散通路6によって酸素分子の流入が制限さ
れるため、酸素濃度に応じた飽和電流(以下、限界電流
と称す)が生じる。この限界電流値を測定することによ
り酸素濃度が判明する。また、この限界電流値は、電極
膜に印加する電圧値に関わらず一定であるため、電圧値
を変化させても一定の電流値が得られることで限界電流
が得られていると判断している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
限界電流式酸素センサは、電圧値を変化させても一定の
電流値が得られることで限界電流が得られていると判断
しているため、センサ製造時の特性検査過程において限
界電流を測定する際、製造品は複数回の電圧電流特性の
測定検査を必ず必要としている。つまり、この複数回の
電圧電流特性測定で、限界電流が得られない不良品を識
別し、不良品を良品から除外している訳である。そのた
め電圧電流特性の測定は、測定電圧値が最低でも2点を
必要とするため、多くの時間を要しセンサ生産性が向上
しない課題がある。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点を解消する
もので、センサ製造品の不良有無を1回の測定で簡単に
自己診断するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の限界電流式酸素センサは、酸素イオン電導性
固体電解質体と、前記固体電解質体の両面に形成された
2対のカソード電極膜およびアノード電極膜と、前記固
体電解質体の片側に位置し前記2個のカソード電極膜を
囲むように配置されかつ流入する酸素分子の移動を制限
する酸素拡散通路を有する拡散律速体とから構成されて
おり、前記2個のカソード電極膜が前記酸素拡散通路に
向かって遠近の関係で配置されている構成とした。
【0007】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
酸素イオン電導性固体電解質体と、前記固体電解質体の
両面に形成された2対のカソード電極膜およびアノード
電極膜と、前記固体電解質体の片側に位置し前記2個の
カソード電極膜を囲み始端と終端がお互いに間隔を有す
るように配置された螺旋型スペーサと、前記螺旋型スペ
ーサの上部に配置されたシール体とから構成されてお
り、螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成し
て、酸素拡散通路を前記固体電解質体と前記螺旋型スペ
ーサの相対向する隔壁と前記シール体とで囲まれる螺旋
型空間に形成するとともに、前記2個のカソード電極膜
を前記酸素拡散通路に向かって遠近の関係で配置してい
る構成とした。
【0008】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
酸素イオン電導性固体電解質体と、前記固体電解質体の
両面に形成された2個のカソード電極膜および1個のア
ノード電極膜と、前記固体電解質体の片側に位置し前記
2個のカソード電極膜を囲み始端と終端がお互いに間隔
を有するように配置された螺旋型スペーサと、前記螺旋
型スペーサの上部に配置されたシール体とから構成され
ており、螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構
成して、酸素拡散通路を前記固体電解質体と前記螺旋型
スペーサの相対向する隔壁と前記シール体とで囲まれる
螺旋型空間に形成するとともに、前記2個のカソード電
極膜を前記酸素拡散通路側に向かって遠近の関係で配置
した構成とした。
【0009】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
アノード電極膜を、2個のカソード電極膜の合計面積よ
り少なくとも同等以上の面積を有する構成とした。さら
に、2個のカソード電極膜を±20%の幅で概略同じ面
積とした構成とし、2個のアノード電極膜も±20%の
幅で概略同じ面積とした構成とした。
【0010】
【作用】限界電流式酸素センサは、限界電流が得られる
領域において、酸素拡散通路に近い電極ほど電流が多く
流れ、酸素拡散通路に遠い電極ほど電流が少ししか流れ
ない性質がある。また、この特性は大きい電圧を印加す
るほど、酸素拡散通路に近い電極に電流が一層多く流れ
酸素拡散通路に遠い電極に電流が一層少ししか流れなく
なる性質がある。逆に、限界電流が得られないと上記特
性は得られない。そこで、酸素拡散通路に近い電極と遠
い電極で得られる電流を測定し、各々の電流値の比率を
算出し、得られる電流比率が上記性質を満たす規格に合
致すれば良品(限界電流が得られる)であり、規格外で
あれば不良品(限界電流が得られない)と判断すること
ができる。
【0011】本発明の限界電流式酸素センサは、2個の
カソード電極膜が酸素拡散通路に向かって遠近の関係で
配置されている構成であるため、酸素拡散通路に近い電
極の電流と遠い電極の電流が各々測定できる。そのた
め、上記の性質を活用して各々の電流値の比率を算出
し、得られる電流比率が規格に合致するか否かで製造時
の不良品の判別が簡単にできる。
【0012】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成し、酸
素拡散通路を固体電解質体と螺旋型スペーサの相対向す
る隔壁とシール体とで囲まれる螺旋型空間で形成してい
るため、酸素拡散通路を構成する螺旋型スペーサや電極
の形成に厚膜印刷を利用できる。そのため、センサが低
コストで製造できる。しかも酸素拡散通路に近い電極の
電流と遠い電極の電流が各々測定できるため、電流比率
の判定で製造時の不良品の判別が簡単にできる。
【0013】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成してい
るため、酸素拡散通路を構成する螺旋型スペーサや電極
の形成に厚膜印刷を利用でき、センサが低コストで製造
できる。さらに、2個のカソード電極膜を酸素拡散通路
側に向かって遠近の関係で配置することで、両者の電極
膜で電流が各々得られ、電流比率の判定で製造時の不良
品の判別が簡単にできる。また、アノード電極膜を1個
とすることでリード線の省略ができ、一層の低コストが
できる。
【0014】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
アノード電極膜を、2個のカソード電極膜の合計面積よ
り少なくとも同面積以上の構成としたため、限界電流が
低電圧から得られ、しかも得られる電流値の精度が高く
不良品判別の精度が向上する。また、2個のカソード電
極膜を±20%の幅で概略同じ面積とした構成とし、2
個のアノード電極膜も±20%の幅で概略同じ面積とし
た構成とすることで、得られる電流値の精度が高く不良
品判別の精度が向上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】図1は本発明の1実施例である限界電流式
酸素センサの断面図であり、図2は同限界電流式酸素セ
ンサの一部切欠き分解斜視図である。1は板状の酸素イ
オン電導性固体電解質体であり、カソード電極膜2aと
2b、アノード電極膜3aと3bが両面に2個対で形成
されている。この固体電解質板1の片側上部に、2個の
カソード電極膜2aおよび2bを囲み、始端と終端がお
互いに間隔を有するように配置された1個の螺旋型スペ
ーサ4が配置されている。そして螺旋型スペーサ4の上
部にシール板5を配置して螺旋型スペーサ4とシール板
5で拡散律速体を構成し、酸素拡散通路6が螺旋型スペ
ーサ4の相対向する隔壁と固体電解質体1とシール板5
で囲まれる螺旋型の空間で形成されるようにした。酸素
は酸素拡散通路6を経由してカソード電極膜2aもしく
は2bへ拡散する。なお、シール板5の上部には加熱部
7が配置されている。一方、カソード電極膜2aと2b
は前流および後流の関係にあり、前流側のカソード電極
膜2aは酸素拡散通路6に近い側にあり、後流側のカソ
ード電極膜3aは酸素拡散通路6に遠い側にある。
【0017】次に具体的実験例にもとずいて説明する。
図1および図2の限界電流式酸素センサにおいて、固体
電解質板1としてZrO2・Y23(Y23の8mol
%添加品)、電極膜2a・2bおよび3a・3bとして
白金、螺旋型スペーサ4として硝子(熱膨脹係数はZr
2・Y23と概略同一であり、所定粒径の耐熱性粒子
を微量含有)、シール板5としてフォルステライト、加
熱部7として白金ヒータを用いた。
【0018】製法について説明する。まず、電極膜2a
・2bおよび3a・3bを固体電解質板1のうえに、さ
らに螺旋型スペーサ4を固体電解質板1のうえに厚膜印
刷技術および焼成技術を用いて形成した。一方、シール
板5のうえに加熱部7を、厚膜印刷技術および焼成技術
を用いて形成した。つぎに、固体電解質板1上の螺旋型
スペーサ4とシール板5とを積層し加熱溶融することで
酸素拡散通路6を形成した。そしてリード線(記載せ
ず)を取りつけて完成である。センサの寸法は10×1
0×0.9mmである。
【0019】2個のカソード電極膜2a・2bは概略同
じ面積(各々18mm2)である。2個のアノード電極
膜3a・3bは概略同じ面積(各々18mm2)であ
り、その総面積(36mm2)は2個のカソード電極膜
の合計面積(36mm2)と同じ面積とした構成であ
る。
【0020】なお、センサは、断熱材で外包しさらにこ
の断熱材をステンレス製金網で外包して実装体とした。
以下、この実装体を用いてセンサ特性と効果を検定し
た。
【0021】(実験1)正常に製造された良品の大気中
における電圧電流特性を図3に示す。センサの全電流
は、印加電圧約0.5V以上において印加電圧に拘らず
一定の電流値を示しており限界電流が得られている。そ
のため、動作電圧1.0Vにおいては充分な限界電流が
得られており、良品である。一方、酸素拡散通路に近い
電極膜2a・3aに流れる電流は、電圧が増加する程多
く流れる。一方、酸素拡散通路に遠い電極膜2b・3b
に流れる電流は、電圧が増加する程多く流れるが、約
0.5Vをピークとしてそれ以上の電圧範囲では電圧が
増加する程減少している。なお、これらの電圧電流特性
は、電極膜2a・3aおよび電極膜2b・3bを同時に
作動させた場合の特性である。
【0022】(実験2)製造された不良品の大気中にお
ける電圧電流特性を図4に示す。センサの全電流は、印
加電圧約1.4V以上において初めて限界電流が得られ
ているが、動作電圧1.0Vにおいて限界電流が得られ
ず、不良品である。また、実験1の良品に比べて限界電
流が得られ始める電圧は高電圧側に移動している。一
方、酸素拡散通路に近い電極膜2a・3aに流れる電流
は、電圧が増加する程多く流れ、さらに酸素拡散通路に
遠い電極膜2b・3bに流れる電流は、電圧が増加する
程多く流れるが、約1.4Vをピークとしてそれ以上の
電圧範囲では電圧が増加する程減少してくる。
【0023】(実験3)上記の良品センサおよび不良品
センサにおいて、電極膜2a・3aに流れる電流と電極
膜2b・3bに流れる電流の比率(電極膜2a・3aに
流れる電流を電極膜2b・3bに流れる電流で除した
値)を、印加電圧ごとに算出した結果を図5に示す。
【0024】良品センサにおいては、電流比率は電圧が
増加する程大きな値を示しており例えば、限界電流が得
られ始める印加電圧0.5vでは電流比率は2の値を、
限界電流が余裕をもって得られた動作電圧1.0Vでは
電流比率9の値を示した。
【0025】一方、不良品センサにおいて、電圧が増加
しても電流比率はほぼ一定であり、動作電圧1.0Vに
おいてまだ限界電流が得られず電流比率は1の値を示し
たままであり、限界電流が得られ始める印加電圧1.4
Vにおいて電流比率は1.5の値を示した。
【0026】この結果より、限界電流が充分に得られる
ための判定基準を、動作電圧1.0Vでの電流比率が2
以上とすると、良品センサはその値は9であり、不良品
センサはその値は1であるため、電流比率の大小で良品
もしくは不良品の区別ができることがわかる。
【0027】また、本構成品は、2個のカソード電極膜
2a・2bは概略同じ面積(各々18mm2)であり、
2個のアノード電極膜3a・3bも概略同じ面積(各々
18mm2)とした。そのため、限界電流が得られない
領域(良品センサにおける0.4V以下、不良品センサ
における1.3V以下)では、電流比率は1となり、そ
の面積比に対応していた。そのため、この各々の面積比
(この場合は1)に対応した値より大きな値の電流比率
が得られた時、限界電流が充分に得られていると判断で
きることが判る。また、電流比率と設定判断基準との差
が大きい程、限界電流が余裕をもって表われることが判
る。
【0028】(実験4)次に、2個のカソード電極膜2
a・2bの面積や、2個のアノード電極膜3a・3bの
面積を各々変化させたセンサを試作した。そして、各々
のセンサの電流比率(印加電圧1.0vにおいて、電極
膜2a・3aに流れる電流を電極膜2b・3bに流れる
電流で除した値)を、求めた。試作したセンサの各々の
電極面積およびその電流比率の結果を表1に記す。な
お、印加電圧1.0vにおいてはいずれのセンサは限界
電流が得られている。
【0029】さて、各々の面積比に対応した値より大き
な値の電流比率が得られた時、限界電流が充分に得られ
ていると判断できることが前述の実験結果から判明して
おり、このことはこの構成品でも確認できた。そこで、
各センサ構造における判断基準をそれぞれの面積比に対
応させ、その値をそれぞれの面積比の値より幾分か大き
い値に設定した。その設定判断基準を表1に記す。なお
カソード電極膜2a・2bの面積およびアノード電極膜
3a・3bの面積が異なる場合は、面積が異なる電極側
の面積比に判断基準を対応させることで、限界電流が得
られる程度が一層明確になるようにした。また、どちら
かの電極面積を0mm2として電極を1個で対応させた
構成品においては、2個で対応させた電極側の面積比に
対応させることで、限界電流が得られる程度が一層明確
になるようにした。
【0030】(表1)に記す様に、センサ1からセンサ
7のいずれの本発明センサ(カソード電極を2個の構
成)は、その電流比率が設定判断基準より大きい値を示
している。また、本発明センサは良好な限界電流が得ら
れる良品であった。このことより、本発明品は電流比率
だけで良品の判別ができることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】センサ1およびセンサ6は、アノード電極
膜3a・3bの合計面積を2個のカソード電極膜の合計
面積と同等もしくはそれ以上とした構成である。このセ
ンサ1およびセンサ6の構成品は、限界電流が低電圧か
ら得られる良品のため、実測の電流比率と設定判断基準
との差が大きい。反面、センサ5は、アノード電極膜3
a・3bの合計面積を2個のカソード電極膜の合計面積
より小さくした構成品である。このセンサ5の構成品
は、限界電流が高電圧から得られるやや不良品気味のた
め、実測の電流比率と設定判断基準との差が小さい。こ
の結果から、アノード電極膜3a・3bの合計面積を2
個のカソード電極膜の合計面積と同等もしくはそれ以上
とした構成が、限界電流が低電圧から得られる良品であ
り、しかも実測の電流比率と設定判断基準との差が大き
いため、電流比率で良品の判別が高精度でできることが
わかる。
【0033】また、センサ7は、アノード電極膜3aを
1個としその面積を2個のカソード電極膜の合計面積と
同等とした構成である。このセンサ7の構成品は、限界
電流が低電圧から得られる良品であり、実測の電流比率
と設定判断基準との差が大きい。この結果から、アノー
ド電極膜3aを1個としその面積を2個のカソード電極
膜の合計面積と同等もしくはそれ以上とした構成は、限
界電流が低電圧から得られる良品であり、しかも実測の
電流比率と設定判断基準との差が大きいため、電流比率
で良品の判別が高精度でできることがわかる。
【0034】センサ2およびセンサ3は、2個のカソー
ド電極膜2aと2bが異なる面積の構成である。このセ
ンサ2およびセンサ3の構成品は、限界電流が低電圧か
ら得られる良品であるが、実測の電流比率と設定判断基
準との差が小さい。この理由は、カソード電極膜2aと
2bが異なる面積であるため、酸素拡散通路に近い電極
ほど電流が多く流れ酸素拡散通路に遠い電極ほど電流が
少ししか流れない特性が得られないためである。そのた
め、2個のカソード電極膜2aと2bが異なる面積であ
ると、電流比率で良品の判別ができにくくなることがわ
かる。
【0035】センサ4は、アノード電極膜3aと3bが
異なる構成である。このセンサ4の構成品は、限界電流
が低電圧から得られるが、実測の電流比率と設定判断基
準との差が小さい。この理由は、アノード電極膜3aと
3bが異なる面積であるため、面積の小さい電極膜(2
bと3b)間と面積の大きい電極膜(2aと3a)間と
に流れる電流が基本的に異なるため、結果的に酸素拡散
通路に近い電極ほど電流が多く流れ酸素拡散通路に遠い
電極ほど電流が少ししか流れない特性が得られないため
である。そのため、2個のアノード電極膜3aと3bが
異なる面積であると、電流比率で良品の判別ができにく
くなることがわかる。参考であるセンサ8(カソード面
積が1個の構成)は、その電流比率が設定判断基準と同
じであり、電流比率で良品の判別ができなかった。
【0036】なお、本実施例において、電極面積のバラ
ツキを調べたところ、電極は厚膜印刷法で得られるため
印刷ペーストの粘度バラツキや印刷冶具の位置ズレなど
からその面積は最大で±20%のバラツキを生じてい
た。そのため、この電極面積のバラツキを考慮すると、
2個のカソード電極膜2a・2bは±20%の幅で概略
同じ面積であり、2個のアノード電極膜3a・3bも±
20%の幅で概略同じ面積である。この電極面積のバラ
ツキを考慮しても本実施例は、実測の電流比率と設定判
断基準との差が大きく、電流比率で良品の判別が高精度
でできた。
【0037】以上の様に、限界電流が得られる良品が製
造されると、2対の電極間に流れる電流の比率が、その
電極面積の比率に対して大きな値を示すため、電流比率
が所定規格に合致すれば良と判断し、規格外であれば不
良品と判断することができ、センサ製造時における良品
検定に活用できる。従って、センサ動作電圧の電流値以
外に各電圧ごとの電流値を数回測定することなしに、動
作電圧における総電流(各電極間電流の合計)の測定と
各電極間電流の比率算出という1回の操作だけで不良品
の判別ができ、センサ製造時の電極不良選別が簡単にで
きる。
【0038】
【発明の効果】本発明の限界電流式酸素センサは、2個
のカソード電極膜が酸素拡散通路に向かって遠近の関係
で配置されている構成であるため、酸素拡散通路に近い
電極の電流と遠い電極の電流が各々測定できる。そのた
め、各々の電流値の比率を算出し、得られる電流比率が
所定規格に合致するか否かの判別が簡単にでき、このこ
とで良品または不良品の区別ができる。従って、センサ
動作電圧の電流値以外に各電圧ごとの電流値を数回測定
する必要がなく、動作電圧における総電流(各電極間電
流の合計)の測定と各電極間電流の比率算出という1回
の操作だけで不良品の判別ができ、センサ製造時の不良
選別が簡単にできる。
【0039】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成し、酸
素拡散通路を固体電解質体と螺旋型スペーサの相対向す
る隔壁とシール体とで囲まれる螺旋型空間で形成してい
るため、酸素拡散通路を構成する螺旋型スペーサや電極
の形成に厚膜印刷を利用できる。そのため、センサが低
コストで製造できる。しかも酸素拡散通路に近い電極の
電流と遠い電極の電流が各々測定できるため、電流比率
の判定で製造時の不良品の判別が簡単にでき、センサ特
性検査に要するコストの低減で、一層低コストのセンサ
製造ができる。
【0040】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成してい
るため、酸素拡散通路を構成する螺旋型スペーサや電極
の形成に厚膜印刷を利用でき、センサが低コストで製造
できる。さらに、2個のカソード電極膜を酸素拡散通路
側に向かって遠近の関係で配置することで、両者の電極
膜で電流が各々得られ、電流比率の判定で製造時の不良
品の判別が簡単にできセンサ特性検査に要するコストが
低減できる。また、アノード電極膜を1個とすることで
リード線の省略ができ、一層の低コストができる。
【0041】また、本発明の限界電流式酸素センサは、
アノード電極膜を、2個のカソード電極膜の合計面積よ
り少なくとも概略同等以上の面積を有する構成としたた
め余裕のある限界電流が得られ、得られる電流値の精度
が一層高くなり、不良品判別の精度が一層向上する。ま
た、2個のカソード電極膜を±20%幅で概略同じ面積
とした構成としたり、2個のアノード電極膜を±20%
幅で概略同じ面積とした構成とすることで余裕のある限
界電流が得られ、得られる電流値の精度が高く不良品判
別の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の限界電流式酸素センサの断
面図
【図2】本発明の限界電流式酸素センサの一部切欠き分
解斜視図
【図3】本発明の限界電流式酸素センサの効果特性図
【図4】本発明の限界電流式酸素センサの効果特性図
【図5】本発明の限界電流式酸素センサの効果特性図
【図6】従来の限界電流式酸素センサの断面図
【符号の説明】
1 酸素イオン電導性固体電解質体 2a 酸素拡散通路に近い側にあるカソード電極膜 2b 酸素拡散通路に遠い側にあるカソード電極膜 3a アノード電極膜 3b アノード電極膜 4 拡散律速体を構成する螺旋型スペーサ 5 拡散律速体を構成するシール板 6 酸素拡散通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 325 N

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン電導性固体電解質体と、前記固
    体電解質体の両面に形成された2対のカソード電極膜お
    よびアノード電極膜と、前記固体電解質体の片側に位置
    し前記2個のカソード電極膜を囲むように配置されかつ
    流入する酸素分子の移動を制限する酸素拡散通路を有す
    る拡散律速体とを備え、前記の2個のカソード電極膜は
    前記酸素拡散通路に向かって遠近の関係で配置されてい
    る限界電流式酸素センサ。
  2. 【請求項2】酸素イオン電導性固体電解質体と、前記固
    体電解質体の両面に形成された2対のカソード電極膜お
    よびアノード電極膜と、前記固体電解質体の片側に位置
    し前記2個のカソード電極膜を囲み始端と終端がお互い
    に間隔を有するように配置された螺旋型スペーサと、前
    記螺旋型スペーサの上部に配置されたシール体とを備
    え、螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構成し
    て、酸素拡散通路を前記固体電解質体と前記螺旋型スペ
    ーサの相対向する隔壁と前記シール体とで囲まれる螺旋
    型空間に形成するとともに、前記2個のカソード電極膜
    を前記酸素拡散通路に向かって遠近の関係で配置してい
    る限界電流式酸素センサ。
  3. 【請求項3】酸素イオン電導性固体電解質体と、前記固
    体電解質体の両面に形成された2個のカソード電極膜お
    よび1個のアノード電極膜と、前記固体電解質体の片側
    に位置し前記2個のカソード電極膜を囲み始端と終端が
    お互いに間隔を有するように配置された螺旋型スペーサ
    と、前記螺旋型スペーサの上部に配置されたシール体と
    を備え、螺旋型スペーサとシール体とで拡散律速体を構
    成して、酸素拡散通路を前記固体電解質体と前記螺旋型
    スペーサの相対向する隔壁と前記シール体とで囲まれる
    螺旋型空間に形成するとともに、前記2個のカソード電
    極膜を前記酸素拡散通路側に向かって遠近の関係で配置
    した限界電流式酸素センサ。
  4. 【請求項4】アノード電極膜を、2個のカソード電極膜
    の合計面積より少なくとも同等以上の面積を有する構成
    とした請求項1、または請求項2または請求項3記載の
    限界電流式酸素センサ。
  5. 【請求項5】2個のカソード電極膜が、±20%の幅で
    同じ面積である構成とした請求項1または請求項2また
    は請求項3記載の限界電流式酸素センサ。
  6. 【請求項6】2個のアノード電極膜が、±20%の幅で
    同じ面積である構成とした請求項1または請求項2記載
    の限界電流式酸素センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508750A (ja) * 1999-08-28 2003-03-04 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ガス混合気中の酸素濃度を規定するためのセンサ部材および該センサ部材を製造するための方法
JP2010145133A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ
US9203046B2 (en) 2003-10-17 2015-12-01 Junji Kido Organic electroluminescent device and production process thereof

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