JPH0724350Y2 - コアチャック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、紙等を巻取る際に巻取芯として使用するコア
を保持するための、コアチャックに関するものである。

［従来の技術］ 紙等を巻取る際には、巻取芯として厚紙製のコアを使用
し、コアの外周に紙等を巻取るのが一般に行われてい
る。

この巻取芯となるコアを保持するために従来から使用さ
れているコアチャックの一例を第３図によって説明する
と、支持軸ａの端部外周には軸受b,cが取付けられてお
り、軸受b,cの外側には円筒状のノーズｄが嵌められて
いる。ノーズｄの外周には段部ｅが設けてあって、第３
図における段部ｅの左側にコアｆを嵌合して支持するよ
うになっている。ノーズｄはコアｆを嵌合しやすくする
ため、先端側に緩やかなテーパｇが付けてあり、コアｆ
の内面には、補強のための口金ｈが取付けられている。

このようにコアｆの内面がノーズｄの外周に嵌合されて
コアｆが保持され、コアｆの外周に紙等が巻取られるの
であるが、コアｆの内面の直径の寸法精度は正確でな
く、所定寸法に対し直径で±1mm程度の製作誤差がでる
こともある。このように内面直径に差のあるコアｆを１
つの一定したノーズｄに嵌合保持させようとすると、ゆ
る過ぎて確実な支持ができなかったり、コアｆをノーズ
ｄに嵌合できずコアｆとノーズｄの間でスリップを生じ
たりする。そこでノーズｄも段部ｅの第３図における左
側の外径が、所定寸法のもの、所定寸法よりも直径が1m
m程度大きいもの、所定寸法より直径が1mm程度小さいも
の、等のように段部ｅの第３図における左側の外径が異
なる３種類位のノーズｄを準備しておいて、コアｆの内
面の直径の大きさに応じて、ノーズｄを取替えていた。

［考案が解決しようとする課題］ ノーズｄを取替えようとすると、ノーズｄは軸受ｂに対
してスリーブｉで係合しているため、軸受b,cも支持軸
ａから取外さないと、ノーズｄを支持軸ａから抜取るこ
とができない。

軸受b,cを支持軸ａから取外し、ノーズｄを異なるもの
に取替えるためには、軸受ｃとノーズｄとを固定してい
るスナップリングｊ、軸受ｃと支持軸ａとを固定してい
るスナップリングｋを除去して軸受ｃを抜取った後、軸
受ｂと支持軸ａとを固定しているスナップリングｌを除
去して軸受ｂと共にノーズｄを支持軸ａから抜取らなけ
ればならなかった。そして異なる外径のノーズｄを支持
軸ａに取付けるためには、異なる外径のノーズｄを軸受
ｂと共に支持軸ａに嵌め込み、、スナップリングｌを取
付けて軸受ｂを支持軸ａに固定した後、軸受ｃを支持軸
ａとノーズｄとの間に嵌め込んでスナップリングj,kを
取付けていた。

このように従来のコアチャックにおいては、コアｆの内
面の直径の大きさに従ってノーズｄを取替える場合に
は、３個のスナップリングj,k,lの着脱と軸受b,cの着脱
を必要とし、非常に手数がかかる欠点があった。

本考案はこのような従来の欠点を改善し、極めて簡単に
ノーズを取替えられるようにしたコアチャックを提供す
ることを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案のコアチャックは、支持軸の端部外周に取付けら
れた軸受の外側に鍔を固定し、外周にコアを嵌合して該
コアを支持する円筒状のノーズを前記支持軸の端部外方
から前記軸受の外側に抜差し可能に嵌合し、前記鍔とノ
ーズとの接合部には互に嵌り合い前記ノーズの前記支持
軸を中心とする回動により前記ノーズを前記鍔に結合す
る突起部と切欠部とを設け、前記ノーズが前記鍔に結合
した状態のとき前記ノーズと鍔とにわたって廻り止め部
材、例えばピンを挿通し得るようにしたことを特徴とす
るものである。

［作用］ ノーズと軸受とを固定している１個のスナップリングを
外してノーズと軸受との固定を解除した後、廻り止めピ
ンを抜取ってノーズを回動すれば、軸受はそのままでノ
ーズのみを抜取って交換することができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すように、支持軸１の端部外周には軸受2,3,
4が取付けられていて、軸受2,3が段部17とスナップリン
グ18により支持軸１の軸心方向の移動を拘束されてお
り、且つ最も奥に位置している軸受２の外側には、鍔５
が固定されている。鍔５の支持軸１端部側は外径を若干
大きくしてコ字状断面部６を形成し、コ字状断面部６の
第１図における左側端面には、第２図に示すように突起
部７と切欠部８とが交互に設けてある。

支持軸１の第１図における左方の端部外側からは、円筒
状のノーズ９を軸受2,3,4の外側に抜差し可能に嵌合で
きるようになっている。ノーズ９の外周には図示しない
コアが嵌合されて保持されるもので、コアを嵌合しやす
くするため、ノーズ９の先端側には緩やかなテーパ10が
付けてある。ノーズ９は嵌合保持するコアの内径誤差に
対応できるように、外径が所定寸法のもの、所定寸法よ
りも直径が1mm程度大きいもの、所定寸法よりも直径が1
mm程度小さいもの、等のように外径の異なる種類のもの
が準備されている。

ノーズ９の第１図における右端は鍔５との接合部になっ
ていて、鍔５の切欠部８を通過することができる形状の
突起部11が外側に向けて突設されている。ノーズ９を支
持軸１の端部外側から軸受2,3,4の外側に嵌合し、ノー
ズ９の突起部11を鍔５の切欠部８の間を通してコ字状断
面部６内に嵌入した後、ノーズ９を支持軸１を中心とし
て若干回動すると、鍔５の突起部７とノーズ９の突起部
11とが支持軸１の軸線方向に重なって、ノーズ９は鍔５
に結合した状態となって、ノーズ９は支持軸１の軸端方
向に抜け出すことができなくなる。鍔５とノーズ９の突
起部11とには、支持軸１の軸芯から同一距離の位置にピ
ン挿入孔12,13が穿設してあって、ノーズ９を鍔５に結
合した状態でピン挿入孔12,13を一直線上に位置させる
ことができるようになっている。そしてピン挿入孔12,1
3に廻り止め部材（ピン）14を第１図に示すように挿通
すると、ノーズ９は鍔５に対して回動できなくなり、突
起部11が切欠部８の方にずれることがなく、ノーズ９と
鍔５との結合状態が維持され、コアを嵌合保持すること
ができる。

支持軸１の最も外方に位置している軸受４はスナップリ
ング15によって支持軸１に固定されており、ノーズ９を
鍔５に結合した時にはノーズ９にスナップリング16を取
付けて、ノーズ９と軸受４とを固定する。

ノーズ９を異なる外径のものに取替える場合には、スナ
ップリング16を取外し、廻り止め部材14を抜取ってノー
ズ９を回動し、突起部11を鍔５の切欠部８を通過させる
ようにしてノーズ９を第１図の左方に引張れば、ノーズ
９を軸受2,3,4の外側から取外すことができ、軸受2,3,4
は支持軸１に取付けられたままになっている。

異なる外径のノーズ９を取付ける際には、異なる外径の
ノーズ９を軸受2,3,4の外側に嵌合し、回動して鍔５と
結合させた後、廻り止め部材14及びスナップリング16を
取付ければよい。

ノーズ９は、外径が異なったものであっても、内径は軸
受2,3,4に密に嵌合するように一致した寸法になってい
る。

［考案の効果］ 本考案の軸受は支持軸から抜取らずに、チャックのみを
軸受の外側から外して交換することができ、１個のスナ
ップリングと廻り止め部材とを除去するだけであるの
で、極めて容易にチャックの交換作業をすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断側面図、第２図は第１
図のII-II断面図、第３図は従来のコアチャックの縦断
側面図である。 図中、１は支持軸、2,3,4は軸受、５は鍔、７は突起
部、８は切欠部、９はノーズ、11は突起部、14は廻り止
め部材（ピン）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】支持軸の端部外周に取付けられた軸受の外
   側に鍔を固定し、外周にコアを嵌合して該コアを支持す
   る円筒状のノーズを前記支持軸の端部外方から前記軸受
   の外側に抜差し可能に嵌合し、前記鍔とノーズとの接合
   部には互に嵌り合い前記ノーズの前記支持軸を中心とす
   る回動により前記ノーズを前記鍔に結合する突起部と切
   欠部とを設け、前記ノーズが前記鍔に結合した状態のと
   き前記ノーズと鍔とにわたって廻り止め部材を挿通し得
   るようにしたことを特徴とするコアチャック。