JPH07243491A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

Info

Publication number
JPH07243491A
JPH07243491A JP3262494A JP3262494A JPH07243491A JP H07243491 A JPH07243491 A JP H07243491A JP 3262494 A JP3262494 A JP 3262494A JP 3262494 A JP3262494 A JP 3262494A JP H07243491 A JPH07243491 A JP H07243491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
wedge
rotating member
driving force
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3262494A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Tamagawa
隆雄 玉川
Hajime Watanabe
肇 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP3262494A priority Critical patent/JPH07243491A/ja
Publication of JPH07243491A publication Critical patent/JPH07243491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ベルトが巻き掛けられるプーリ20に形成した
円錐テーパ面部21と固定部材10の外周面11aとの
間に形成した楔状空間Sにボール30を配置した。回転
数が所定以下の場合、プーリ20からボール30を介し
てキャリア40へ所定の変速比でトルクを伝達する。回
転数が所定を超えると、ボール30が固定部材11から
離れる。このため、プーリ20とキャリア40が一方向
クラッチ50を介して連結され、1対1の変速比でトル
クが伝達される。 【効果】遊星機構の転動体が遠心クラッチの重錘を兼ね
る。スムーズに変速を切り換られる。構造を簡素にでき
装置を小型にできる。安価になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一方の回転部材の回
転を変速して他方の回転部材に伝達する駆動力伝達装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のトルク伝達機構として、例
えば自動車等の補機駆動用変速装置がある。この変速装
置は、エンジンからの回転入力で補機の回転駆動を行う
のに際し、エンジンの始動・低速時には、エンジン側の
回転を増速して補機側の駆動軸に伝達しなければならな
い。
【0003】従来、遊星ギア機構内の所定部の回転を、
電気的な制動手段により拘束することにより、プーリの
回転数に応じて2段階の出力側回転数を得るようにした
装置が提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の制動手
段を作動させるためには、装置外部のバッテリからの電
源入力が必要となり、そのエネルギ消費は、エンジンの
運転上、不都合である。また、外部からの入力による制
動では、タイミングが遅れて、エンジンの始動・低速状
態における補機増速効果が十分に発揮されない。
【0005】さらに、電気的な制動手段としての、例え
ば電磁クラッチ等は、構造が複雑であるうえに変速装置
の大型化を招く。一方、上記の電磁クラッチ等に代え
て、機械式の遠心クラッチ機構等を採用することも考え
られるが、この場合にも変速装置の大型化を招く。ま
た、遠心クラッチ機構では変速に際してのスムーズな切
り換えが困難である。
【0006】そこで、本発明の目的は、小型で安価であ
り且つスムーズな切り換えを行うことができる駆動力伝
達装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る駆動力伝達装置は、第1の回転部材
と第2の回転部材との間に駆動力を伝達する駆動力伝達
装置であって、固定部材、上記固定部材と上記第1の回
転部材との対向面同士の間に形成され、所定の拡がり方
向に拡がった楔状空間、上記楔状空間に配置され、上記
各対向面にそれぞれ転がり接触する反拡がり方向側の伝
動位置と、転がり接触を回避する拡がり方向側の非伝動
位置との間に移動自在な複数の転動体、上記転動体を自
転自在に保持した状態で上記固定部材及び第1の回転部
材に対して相対回転自在な第2の回転部材、上記各転動
体を伝動位置へ付勢する付勢手段、並びに第1の回転部
材と第2の回転部材との間に介在し、両回転部材相互の
逆回転を規制する一方向クラッチを含み、上記楔状空間
の拡がり方向は、転動体の転動に伴う公転によって生ず
る遠心力が転動体を上記拡がり方向へ移動させることが
できるように設定されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】上記発明の構成によれば、転動体を保持した第
2の回転部材が所定の回転数を超えない状態では、付勢
手段による付勢力が転動体に生ずる遠心力に打ち勝って
転動体を伝動位置に付勢している。一方の回転部材の回
転が転動体を介して他方の回転部材に所定の変速比で伝
達され、両回転部材間に駆動力が伝達される。
【0009】一方、第2の回転部材が所定の回転数を超
えると、上記遠心力が上記付勢力に打ち勝ち、転動体
を、楔状空間の拡がり方向側の非伝動位置へ移動させ
る。これにより、第1の回転部材と第2の回転部材が相
互に逆回転しようとするが、この逆回転が一方向クラッ
チにより規制されるため、両回転部材が一体回転し、そ
の結果、1対1の変速比で両回転部材間に駆動力が伝達
される。
【0010】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る駆動力伝達装
置を示す概略断面図である。同図を参照して、本駆動力
伝達装置Aは、エンジン本体E1の所定部に固定され
た二段円筒状をしており、小径円筒部11と大径円筒部
12を有する固定部材10と、伝動体としてのベルト
Dが巻き掛けられた二重筒状をしており、外筒部20a
の内周に円錐テーパ面部21及び円筒面部22とを有す
る第1の回転部材(出力部材)としての筒状のプーリ2
0と、プーリ20の円錐テーパ面部21と固定部材1
0の小径円筒部11の外周面との間に介在した複数の転
動体としてのボール30と、エンジン側の入力軸(図
示せず)にスプライン結合され且つ各ボール30を回転
自在に保持した第2の回転部材(入力部材)としてのキ
ャリア40と、プーリ20の円筒面部22とキャリア
40との間に介在し、両者の相対的な逆回転を規制する
一方向クラッチ50と、プーリ20の所定部とボール
30との間に介在し、ボール30をボール30が伝動に
寄与する位置へ(図において左方へ)付勢する付勢手段
としての皿ばね60とを備えている。
【0011】本実施例では、固定部材10、プーリ2
0、固定部材10及びプーリ20間に介在するボール3
0、並びにボール30を保持したキャリア40によって
遊星機構が構成されており、キャリア40の回転トルク
がボール30を介してプーリ20に伝達される。また、
プーリ20の円錐テーパ面部21と固定部材10の小径
円筒部11の外周面11aとの間に、図において右方向
に拡がった楔状空間Sが形成されている。上記ボール3
0は、上記楔状空間Sに、図において左右方向(プーリ
20の軸方向)に移動自在に配置されている。上記ボー
ル30は、楔状空間Sが狭められる左方に移動した伝動
位置〔図4(a)参照〕で、上記円錐テーパ面部21と
小径円筒部11の外周面11aとにそれぞれ転がり接触
する。一方、ボール30は、楔状空間Sが拡げられる右
側に移動した非伝動位置〔図4(b)参照〕で、円錐テ
ーパ面部21及び小径円筒部11の外周面11aとの少
なくとも一方との転がり接触を回避する。
【0012】固定部材10は、大径部12に連続する環
状フランジ部13を有し、この環状フランジ部13の外
周部が上記エンジン本体E1に固定されている。固定部
材10の大径円筒部12の外周面とプーリ20の内周面
との間、及び固定部材12の大径円筒部12の内周面と
キャリア40の外周面との間には、それぞれオイルシー
ル71,72が介在している。
【0013】プーリ20は、外筒部20a、内筒部20
b及び両者を連続する側壁部20cを有する二重筒状を
している。プーリ20の外筒部20aの外周面20dに
は、上記ベルトDが巻き掛けられるW溝形状の伝動面2
0eが形成されている。プーリ20の外筒部20aの先
端側内周面には、皿ばね60の軸方向への相対移動を規
制するスナップリング81が嵌められている。内筒部2
0bとキャリア40の内周面との間には、オイルシール
73及びニードルローラベアリング74が介在してお
り、両者間の相対回転を許容すると共に両者間を密封し
ている。
【0014】上記皿ばね60とボール30との間には、
公知のスラストローラベアリング90及び環状板91が
介在されている。キャリア40は、内周面に上記入力軸
をスプライン結合させる雌スプライン部40eを形成し
た筒状部40aと、この筒状部40aの一端に形成され
た環状フランジ部40bと、この環状フランジ部40b
の外周部から軸方向よりやや径方向外方へ傾斜した方向
(円錐テーパ面部21の傾斜方向と略平行な方向)に伸
びて形成された複数の柱状部40cとを有している。図
2を参照して、隣接する柱状部40c同士の間に各ボー
ル30を保持するためのポケット部40dが形成されて
いる。各ポケット部40dでは、その軸方向へのボール
30の移動を許容するように柱40c同士の間隔が一様
に設定されている。筒状部40aの外周面と固定部材1
0の小径部11の内周面との間には、ニードルローラベ
アリング75が介在しており、両者の相対回転を許容し
ている。
【0015】上記一方向クラッチ50は、図3に示すよ
うに、スプラグ51を用いた公知の構成のものである。
本実施例によれば、入力側のキャリア40が所定の回転
数を超えない状態では、皿ばね60による付勢力がボー
ル30に生ずる遠心力に打ち勝ってボール30を伝動位
置(図において左方向)に付勢している〔図1及び図4
(a)参照〕。これによりキャリア40からボール30
を介してプーリ20に所定の変速比で駆動力が伝達され
る(図5のd参照)。なお、ボール30が楔状空間Sの
狭い側へ食い込まされる、いわゆる楔効果により、ボー
ル30が滑り難く、したがって、ボール30を介した効
率の良い伝動が行える。一方、キャリア40が所定の回
転数を超えると、上記遠心力が上記付勢力に打ち勝ち、
ボール30を、楔状空間の拡がり方向側の非伝動位置
(図において右方向)へ移動させる〔図4(b)参
照〕。これにより、キャリア40とプーリ20とが相互
に逆回転しようとするが、この逆回転が一方向クラッチ
50により規制されるため、キャリア40とプーリ20
とが一体回転し、その結果、1対1の変速比でプーリ2
0側へ駆動力が伝達される(図5のe参照)。
【0016】本実施例では、固定部材10、キャリア4
0、プーリ20及びボール30により構成される遊星機
構において、上記ボール30に遠心クラッチ機構の重錘
としての役割を果たさせる結果、これらを別構成する場
合と比較して、スムーズな変速切り換えが行えると共
に、構造の簡素化及び装置の小型化が図れ、また、製造
コストを安価にすることができる。
【0017】図1の実施例では、固定部材10をエンジ
ン本体に取り付けると共に入力側をエンジン側の駆動軸
に取り付ける態様を示したが、次の図6に示す実施例で
は、固定部材110を補機のハウジングB1に固定する
と共に補機側の駆動軸にトルク伝達する場合を示してい
る。図6を参照して、本駆動力伝達装置は、補機Bの
ハウジングB1に固定された筒状の固定部材110と、
固定部材110の径方向外方に円錐テーパ面部146
を有し、補機の駆動軸(図示せず)と一体回転される第
1の回転部材としての出力部材140と、出力部材1
40の円錐テーパ面部146と固定部材110の所定部
の外周面111aとの間に介在した複数のボール130
と、複数のボール130を保持するためのキャリアと
ベルトが巻き掛けられるプーリとを兼ねた第2の回転部
材としての筒状の入力部材120と、入力部材120
と出力部材140との間に介在し、両者相互の逆回転を
規制する一方向クラッチ150と、ボール130を図
において右方向に付勢する付勢手段としての皿ばね16
0とを備えている。
【0018】固定部材110は小径円筒部111と大径
筒状部112とを有しており、大径筒状部112の内周
面は円筒面に形成され、外周面は図において右方にいく
にしたがって径の拡がる円錐テーパ面に形成されてい
る。入力部材120は、外周面にベルトが巻き掛けら
れる伝動面124を形成した筒状部121と、この筒
状部121の一端部に連続する環状の側壁部122と、
側壁部122の内周部から図において左方へ延びる複
数の柱状部123とを備えている。
【0019】出力部材140は、軸部141と、軸
部141の一端に形成された環状フランジ部142と、
この環状フランジ部142の外周部から図において左
方に延びる小径円筒部143と、小径円筒部143と
段部144を介して連続する大径筒状部145とを有し
ている。大径筒状部145の外周面と入力部材120の
筒状部121の内周面との間には、一対のニードルロー
ラベアリング171,172が介在している。大径筒状
部145の内周面には、図において右方にいくにしたが
って径が狭められる円錐テーパ面部146が形成されて
いる。この円錐テーパ面部146と固定部材110の小
径円筒部111の外周面111aとの間にボール130
を保持するための楔状空間S1が形成されている。
【0020】また、入力部材120の側壁部122の内
周端縁と小径円筒部111の外周面111aとの間に
は、オイルシール173が介在している。固定部材11
0の大径筒状部112の内周面と出力部材140の軸部
141の外周面との間には、オイルシール174が介在
している。出力部材140の小径円筒部143の外周面
と入力部材120の筒状部121の先端部の内周面との
間には、上記一方向クラッチ150とオイルシール17
5が介在している。
【0021】出力部材140の軸部141には、皿ばね
160の内周縁を支持する断面L字形形状の環状板16
1が嵌められており、この環状板161と出力部材14
0の環状フランジ部142との間には、環状板161と
出力部材140とのスムーズな相対回転を達成するスラ
ストニードルローラベアリング162が介在している。
皿ばね160の外周縁は、ボール130に当接する環状
板163を介してボール130を楔状空間S1の狭まる
方向(図において右方)へ付勢している。
【0022】本実施例によれば、入力部材120の回転
数が所定を超えない場合には、ボール130を介して所
定の変速比で出力部材140側へトルクが伝達される。
入力部材120の回転数が所定を超えた場合には、ボー
ル130に生ずる遠心力が皿ばね160による付勢力に
打ち勝って、ボール130が楔状空間S1の拡がる方向
へ移動し、ボール130を介してのトルク伝達が回避さ
れる。これに伴い、出力部材140が入力部材120に
対して逆回転しようとするが、これが、一方向クラッチ
150により規制されるため、両部材120,140が
一体回転し、1対1の変速比で出力部材140へトルク
伝達されることになる。遊星機構のボール130が遠心
クラッチ機構の重錘としての役割を果たす結果、これら
を別構成する場合と比較して、スムーズな変速切り換え
が行えると共に、構造の簡素化及び装置の小型化が図
れ、また、製造コストを安価にすることができる。
【0023】上述した図1及び図6の実施例は、固定部
材10,110に、ボール30,130を転動させる内
輪としての役割を持たせたが、外輪としての役割を果た
させることもできる。以下の図7及び図8は、それぞれ
その場合の実施例を示している。図7は駆動力伝達装置
が補機に取り付けられ且つ固定部材が外輪の役目を果た
す場合を示している。同図を参照して、本駆動力伝達装
置は、補機のハウジングB1に固定され、内周に円錐
テーパ面部214を形成した筒状の固定部材210と、
固定部材210の径方向内方に円錐テーパ面部214
と対向して楔状空間S2を形成する外周面を有し、補機
Bの駆動軸(図示せず)と一体回転される第1の回転部
材としての出力部材240と、上記円錐テーパ面部2
14と出力部材240の所定部の外周面との間に介在し
た複数のボール230と、複数のボール230を保持
するためのキャリアとベルトが巻き掛けられるプーリと
を兼ねた第2の回転部材としての筒状の入力部材220
と、入力部材220と出力部材240との間に介在
し、両者相互の逆回転を規制する一方向クラッチ250
と、ボール230を図において左方向に付勢する付勢
手段としての皿ばね260とを備えている。
【0024】固定部材210は、筒状部211と環状フ
ランジ部212とを有しており、上記環状フランジ部2
12が補機のハウジングB1にねじ(図示せず)等によ
り固定されている。筒状部211の外周面213は円筒
面に形成され、筒状部211の内周面には、左方にいく
にしたがって径が小さくなる上記円錐テーパ面部214
が形成されている。
【0025】入力部材220は、固定部材210の筒
状部211の外方に位置し、外周面にベルトが巻き掛け
られる伝動面224を形成した外筒部221と、上記
筒状部211の径方向内方に位置する内筒部222と、
外筒部221と内筒部222との一端部同士を連結す
る環状の側壁部223と、内筒部222の先端部に円
周等配に形成された右方へ延びる複数の柱状部224と
を備えている。柱状部224がボールを保持する構成に
ついては、図2の実施例と同様である。入力部材220
の外筒部221の内周面と固定部材210の筒状部の外
周面との間には、ニードルローラベアリング271及び
オイルシール272が介在している。
【0026】出力部材240は、円筒部241とこの円
筒部241の一端に形成された環状フランジ部242と
を有している。円筒部の241の内周面は、補機の駆動
軸(図示せず)にスプライン結合される。円筒部241
の先端部の外周面は他の部分よりも径が小さくされてお
り、この部分と入力部材220の内筒部222との間に
は、入力部材220と出力部材240の逆回転を規制す
る上記一方向クラッチ250とオイルシール273が介
在している。出力部材240の先端部を除く外周面24
1aと固定部材210の円錐テーパ面部214との間に
ボール230が介在している。
【0027】環状フランジ部242の外縁部と固定部材
210の筒状部211との間にはオイルシール274が
介在している。上記オイルシール272,273,27
4により、駆動力伝達装置の内部が密封されている。皿
ばね260の外周縁は、固定部材210の内周の環状溝
に嵌められたスナップリング281により軸方向移動が
規制されている。一方、皿ばね260の内周縁とボール
230との間には、複数のボール230に当接する環状
板261と、この環状板261と皿ばね260の内周縁
との間に介在したスラストニードルローラベアリング2
62が介在している。スラストニードルローラベアリン
グ262の働きで、皿ばね260は回転しないようにな
っている。
【0028】本実施例によれば、入力部材220が所定
の回転数以下の場合は所定の変速比で、所定の回転数を
超えた場合は1対1の変速比で出力部材240へトルク
伝達される。遊星機構のボール230が遠心クラッチ機
構の重錘としての役割を果たす結果、これらを別構成す
る場合と比較して、スムーズな変速切り換えが行えると
共に、構造の簡素化及び装置の小型化が図れ、製造コス
トを安価にすることができる。
【0029】図8は駆動力伝達装置がエンジン本体に取
り付けられ且つ固定部材が外輪としての役目を果たす場
合を示している。同図を参照して、本駆動力伝達装置
は、エンジン本体E1に固定され、内周に円錐テーパ
面部314を形成した筒状の固定部材310と、固定
部材310の径方向内方に上記円錐テーパ面部314と
対向して楔状空間S2を形成する外周面322aを有
し、ベルトが巻き掛けられるプーリを兼ねた第1の回転
部材としての出力部材320と、上記円錐テーパ面部
314と上記外周面322aとの間に介在した複数のボ
ール330と、上記ボール330を保持するキャリア
を兼ね、且つエンジン側の駆動軸(図示せず)と一体回
転される第2の回転部材としての入力部材340と、
出力部材320と入力部材340との間に介在し、両者
相互の逆回転を規制する一方向クラッチ350と、ボ
ール330を図において右方向に付勢する付勢手段とし
ての皿ばね360とを備えている。
【0030】固定部材310は、筒状部311と環状フ
ランジ部312とを有しており、上記環状フランジ部3
12がエンジン本体E1にねじ等により固定されてい
る。筒状部311の外周面313は円筒面に形成され、
筒状部311の内周面には、右方にいくにしたがって径
が小さくなる円錐テーパ面部314が形成されている。
出力部材320は、固定部材310の筒状部311の
外方に位置し、外周面にベルトが巻き掛けられる伝動面
324を形成した外筒部321と、上記筒状部311
の径方向内方に位置する内筒部322と、外筒部32
1と内筒部322との一端部同士を連結する環状の側壁
部323とを備えている。出力部材320の外筒部32
1の内周面と固定部材310の筒状部311の外周面と
の間には、ニードルローラベアリング371及びオイル
シール372が介在している。
【0031】入力部材340は、内周面がエンジンE
側の駆動軸(図示せず)とスプライン結合される円筒部
341と、この円筒部341の一端に形成された環状
フランジ部342と、この環状フランジ部342の外
周部から図において左方へ延びる柱状部343とを有し
ている。円筒部341の外周面と出力部材320の内筒
部322との間には、入力部材340と出力部材320
の逆回転を規制する上記一方向クラッチ350とオイル
シール373が介在している。柱状部343がボールを
保持する構成については、図2の実施例と同様である。
【0032】環状フランジ部342の外縁部と固定部材
310の環状フランジ部312の内周縁との間にはオイ
ルシール374が介在している。上記オイルシール37
2,373,374により、駆動力伝達装置の内部が密
封されている。皿ばね360の外周縁は、固定部材31
0の内周の環状溝に嵌められたスナップリング381に
より軸方向移動が規制されている。一方、皿ばね360
の内周縁とボール330との間には、複数のボール33
0に当接する環状板361と、この環状板361と皿ば
ね360の内周縁との間に介在したスラストニードルロ
ーラベアリング362が介在している。スラストニード
ルローラベアリング362の働きで、皿ばね360は回
転しないようになっている。
【0033】本実施例によれば、入力部材340が所定
の回転数以下の場合は所定の変速比で、所定の回転数を
超えた場合は1対1の変速比で出力部材320へトルク
伝達される。遊星機構のボール330が遠心クラッチ機
構の重錘としての役割を果たす結果、これらを別構成す
る場合と比較して、スムーズな変速切り換えが行えると
共に、構造の簡素化及び装置の小型化が図れ、製造コス
トを安価にすることができる。
【0034】図9ないし図11は、この発明の他の実施
例を示している。図9は要部の縦断面図、図10は図9
のX−X線に沿う断面図、図11は本伝達装置の機構を
図式化して示す骨図である。これらの図を参照して、本
駆動力伝達装置は、エンジン本体E1に固定され、円
錐テーパ面部414を有する筒状の固定部材410と、
固定部材410の径方向内方に配置され、後述する転
動体としての複数の円錐ころ430を保持するキャリア
を兼ね、エンジンE側の駆動軸E2とキー結合される第
2の回転部材としての入力部材440と、上記円錐こ
ろ430を囲繞する箱形断面をしており、ベルトが巻き
掛けられる伝動面424、及び上記円錐テーーパ面部4
14との間で円錐ころ430を収容するための楔状空間
S4を形成する円錐テーパ面部425を有する第1の回
転部材としての出力部材420と、入力部材440と
出力部材420との間に介在し、両者間の逆回転を規制
するスプラグ451を用いた一方向クラッチ450と、
円錐ころ430を楔状空間の狭い方向(出力部材の径
方向内方)へ付勢する付勢手段としての複数積み重ねら
れた皿ばね460とを備えている。
【0035】固定部材410は、円筒部411とこの円
筒部411の両端にそれぞれ形成した一対の環状フラン
ジ部412,413とを有している。一方の環状フラン
ジ部412は、ねじ481によりエンジン本体E1に固
定される。他方の環状フランジ部413は右側面が円筒
部411の軸線と直交するように形成され、左側面は、
上記円錐テーパ面部414に形成され、径方向内方へい
くにしたがって、円錐ころ430側へ近づく断面形状と
なっている。
【0036】入力部材440は、内周面がエンジンE
側の駆動軸E2にキー482により一体回転可能に結合
される内筒部441と、内筒部441の一端から径方
向外方に延びる環状の側壁部442と、側壁部442
の外周部から軸方向に延びる外筒部443と、外筒部
443の先端部外周に円周等配に形成され径方向外方に
延びる支持軸444とを有している。
【0037】入力部材440の外筒部443の外周面と
固定部材410の筒状部411の内周面との間には、す
べり軸受としてのブッシュ部材471、及びオイルシー
ル472が介在している。円錐ころ430は小端部に
は、入力部材440の支持軸444を挿通させる挿通凹
部431が形成され、円錐ころ430は上記支持軸44
4によってニードルローラベアリング473を介して回
転自在に支持されている。円錐ころ430の大端部に
は、入力部材440の径方向外方に延びて上記皿ばね4
60を貫通して保持する円形断面の皿ばね支持軸432
が一体に形成されている。
【0038】出力部材420は、外周面に伝動面を形
成した外筒部421と、入力部材440の外筒部44
3の径方向内方に配置される内筒部422と、外筒部
421と内筒部422の一端同士を連結し、上記円錐テ
ーパ面部425を形成した側壁部423と、外筒部4
21の先端部から径方向内方に延びる環状のカバー部4
24とを備えている。
【0039】出力部材420のカバー部424と固定部
材410の一方の環状フランジ部413の右側面との間
には、スラストニードルローラベアリング474が介在
している。出力部材420の内周面と皿ばね460との
間には、筒状のブッシュ475が介在している。また、
皿ばね460と円錐ころ430の大端端面との間には、
円錐ころ430の回転を皿ばね460に伝達しないため
のニードルローラベアリング476が介在している。
【0040】出力部材420の内筒部422の外周面と
入力部材440の外筒部443の内周面との間には、図
において左側から一方向クラッチ460、ニードルロー
ラベアリング477及びオイルシール478が順次に並
んで介在している。本実施例によれば、入力部材440
の回転数が所定以下の場合にには、皿ばね460の付勢
力により円錐ころ430が楔状空間S4の狭い側(出力
部材の径方向内方)へ移動されており、円錐ころ430
を介して、所定の変速比で出力部材420側へトルクが
伝達される。一方、入力部材440の回転数が所定を超
えると、円錐ころ430に働く遠心力が皿ばね430の
付勢力に打ち勝ち、円錐ころ430が径方向外方へ移動
される結果、円錐ころ430と円錐テーパ面部414,
425との転がり接触が回避される。これに伴い、出力
部材420が入力部材440に対して逆回転しようとす
るが、これが、一方向クラッチ450よって阻止される
結果、両部材420,440が一体回転し、1対1の変
速比で出力部材420側へトルクが伝達される。
【0041】本実施例によれば、遊星機構の円錐ころ4
30が遠心クラッチ機構の重錘としての役割を果たす結
果、これらを別構成する場合と比較して、スムーズな変
速切り換えが行えると共に、構造の簡素化及び装置の小
型化が図れ、製造コストを安価にすることができる。図
11の実施例は駆動力伝達装置をエンジン本体E1に取
り付ける態様を示したが、図12に示すように補機のハ
ウジングB1に取り付けることもできる。本実施例で
は、ベルトが巻き掛けられるプーリ及び円錐ころ430
を保持するキャリアを兼ねた入力部材520から、補機
の駆動軸に連結された出力部材540へトルク伝達され
る。また、円錐ころ430は、固定部材410の円錐テ
ーパ面部414と出力部材540に形成した円錐テーパ
面部525との間に介在されることになる。他の構成に
ついては図11の実施例と同様であるので説明を省略す
る。本実施例においても、図11の実施例と同様の作用
効果を奏する。
【0042】なお、上記各実施例において、各オイルシ
ールで密封される空間内には、遊星機構、一方向クラッ
チ及びベアリングを潤滑するためのグリース等が封入さ
れている。本発明は上記各実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
を施すことが可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、転動体を保持した第2
の回転部材が所定の回転数を超えない状態では、伝動位
置にある転動体を介して両回転部材間に所定の変速比で
駆動力が伝達される。一方、第2の回転部材が所定の回
転数を超えると、遠心力によって転動体が非伝動位置へ
移動され、これにより、両回転部材が相互に逆回転しよ
うとするが、この逆回転が一方向クラッチにより規制さ
れるため、両回転部材が一体回転し、その結果、1対1
の変速比で両回転部材間に駆動力が伝達される。
【0044】固定部材、第1の回転部材及び転動体を保
持する第2の回転部材を有する遊星ローラ機構におい
て、上記転動体に遠心クラッチ機構の重錘としての役割
を果たさせる結果、これらを別構成する場合と比較し
て、スムーズな変速切り換えが行えると共に、構造の簡
素化及び装置の小型化が図れ、また、製造コストを安価
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る駆動力伝達装置の縦断
面図である。
【図2】一方クラッチを示す概略断面図である。
【図3】キャリアの概略平面図である。
【図4】図4は駆動力伝達装置の模式的に示す概略図で
あり、(a)はボールを介して駆動伝達される場合を示
し、(b)は一方向クラッチを介して駆動伝達される場
合を示している。
【図5】キャリアとプーリの回転数の関係を示す図であ
る。
【図6】他の実施例の駆動力伝達装置を示す縦断面図で
ある。
【図7】さらに他の実施例の駆動力伝達装置を示す縦断
面図である。
【図8】さらに他の実施例の駆動力伝達装置を示す縦断
面図である。
【図9】さらに他の実施例の駆動力伝達装置を示す縦断
面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である
【図11】図9の実施例の駆動力伝達装置を模式的に示
す概略図である。
【図12】図11の実施例の変更例に係る駆動力伝達装
置を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
10,110,210,310,410 固定部材 20 プーリ(第1の回転部材) 140,240,420 出力部材(第1の回転部
材) 320 入力部材(第1の回転部材) 30,130,230,330 ボール(転動体) 410 円錐ころ(転動体) 40 キャリア(第2の回転部材) 120,220 入力部材(第2の回転部材) 340 出力部材(第2の回転部材) 50,150,250,350,450 一方向クラ
ッチ 60,160,260,360,460 皿ばね(付
勢手段) S,S1,S2,S3,S4 楔状空間 21,146,214,314,414,425 円錐
テーパ面部(対向面) 11a,111a,241a,322a, 外周面
(対向面)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の回転部材と第2の回転部材との間に
    駆動力を伝達する駆動力伝達装置であって、 固定部材、 上記固定部材と上記第1の回転部材との対向面同士の間
    に形成され、所定の拡がり方向に拡がった楔状空間、 上記楔状空間に配置され、上記各対向面にそれぞれ転が
    り接触する反拡がり方向側の伝動位置と、転がり接触を
    回避する拡がり方向側の非伝動位置との間に移動自在な
    複数の転動体、 上記転動体を自転自在に保持した状態で上記固定部材及
    び第1の回転部材に対して相対回転自在な第2の回転部
    材、 上記各転動体を伝動位置へ付勢する付勢手段、並びに第
    1の回転部材と第2の回転部材との間に介在し、両回転
    部材相互の逆回転を規制する一方向クラッチを含み、 上記楔状空間の拡がり方向は、転動体の転動に伴う公転
    によって生ずる遠心力が転動体を上記拡がり方向へ移動
    させることができるように設定されていることを特徴と
    する駆動力伝達装置。
JP3262494A 1994-03-02 1994-03-02 駆動力伝達装置 Pending JPH07243491A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3262494A JPH07243491A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 駆動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3262494A JPH07243491A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 駆動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07243491A true JPH07243491A (ja) 1995-09-19

Family

ID=12364015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3262494A Pending JPH07243491A (ja) 1994-03-02 1994-03-02 駆動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07243491A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006280101A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nidec Copal Corp ステッピングモータ及びそれを備えるファン
JP2007298127A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd トラクションドライブ変速装置及び車両用操舵装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006280101A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nidec Copal Corp ステッピングモータ及びそれを備えるファン
JP2007298127A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd トラクションドライブ変速装置及び車両用操舵装置
JP4658854B2 (ja) * 2006-05-01 2011-03-23 三菱重工業株式会社 トラクションドライブ変速装置及び車両用操舵装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4511668B2 (ja) 車両用無段変速機
KR0185772B1 (ko) 무단변속기
JP2010106957A (ja) ベルト式無段変速機
JPH10184820A (ja) 遊星歯車機構
JP5203209B2 (ja) 無段変速装置
JP2010127382A (ja) ベルト式無段変速機
JPH07243491A (ja) 駆動力伝達装置
JP2002227947A (ja) 無段変速機用プーリ幅調整装置
JP2002039228A (ja) クラッチ装置
JP2001107988A (ja) クラッチ装置
JPH1172152A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP4082869B2 (ja) 無段変速機
JP3458495B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007263285A (ja) 無段変速機用アクチュエータ
JPH05256349A (ja) 動力伝達装置
JP7109356B2 (ja) オイルポンプ駆動装置
JPH06179333A (ja) 補機駆動装置
JP2005214392A (ja) 遊星歯車機構及びギヤ側レース
KR200201499Y1 (ko) 차량용 변속기어 구동장치
JP2001099197A (ja) オーバーランニング・クラッチ
JP4562410B2 (ja) プーリユニットおよび乾式無段変速機
JP6582550B2 (ja) シングルキャビティ式トロイダル型無段変速機
JP6501224B2 (ja) プーリ装置
JP2004132392A (ja) 無段変速装置
JP2017145888A (ja) 可変慣性フライホイール