JPH07242707A - プロピレン重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン重合体の製造方法

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JPH07242707A
JPH07242707A JP3444894A JP3444894A JPH07242707A JP H07242707 A JPH07242707 A JP H07242707A JP 3444894 A JP3444894 A JP 3444894A JP 3444894 A JP3444894 A JP 3444894A JP H07242707 A JPH07242707 A JP H07242707A
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JP
Japan
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polymerization
hydrocarbon group
component
propylene
propylene polymer
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JP3444894A
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English (en)
Inventor
Harumi Watanabe
春美 渡辺
Koichi Hasebe
公一 長谷部
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒活性及び立体規則性を低下させることな
く、耐熱剛性と成形性のバランスに優れたプロピレン重
合体を得る。 【構成】 (A)固体触媒成分、(B)有機アルミニウ
ム化合物、(C1 )特定のメトキシシラン化合物、及び
(C2 )(C1 )とは異なる特定のメトキシシラン化合
物から成る触媒系を用いて、まず前段重合にて(A)
(B)及び(C1 )を用い、全重合量の65〜95重量
%を製造し、引続き(C2 )を更に添加し、後段重合に
て全重合量の5〜35重量%を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレンの製造
方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、成形性の良好な高い耐熱剛性を有するプロピレン重
合体を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】その成分として少なくともMg、Cl、
芳香族カルボン酸エステル、及びTiを含む固体触媒成
分と、有機アルミニウム化合物及びアルコキシシランか
らなる触媒系を用いて、プロピレンを重合することによ
り、高い立体規則性を有する重合体を高い収率で製造で
きることが、本発明者らにより始めて知られ(特公昭6
0−11924号公報)、その後多数の改良された方法
が提案されている。これらの方法で得られる重合体は一
般に分子量分布が狭く、溶融時の流動性に劣り、立体規
則性が高いにもかかわらず射出成形品の強度が充分に得
られない等の問題があった。
【0003】この問題を解決する方法として、例えば複
数個の重合器を用い、各重合器で異なる分子量を有する
プロピレン重合体を作ることにより分子量分布の広い重
合体を得る方法等が知られている。(特開平3−124
09号公報など)また、単一重合器を用いて重合する際
に、触媒として特定の条件を満たす複数のアルコキシシ
ランを併用添加することにより分子量分布の広いプロピ
レン重合体を得る方法等が知られている。(特開平2−
70708号公報、特開平3−7703号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】触媒活性等を低下させ
ずに、成形加工性に優れた高い耐熱剛性を有するプロピ
レン重合体の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、触媒活
性、立体規則性を低下させずに成形加工性に優れた高い
耐熱剛性を有するプロピレン重合体を得る方法について
鋭意検討を重ねた結果、Mg、Cl、芳香族カルボン酸
エステル、及びTiを含む固体触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物、及びアルコキシシランからなる触媒系を用
いて二段階に重合する際に、前段階における重合時に、
少なくとも1つの芳香族炭化水素基を有するメトキシシ
ラン化合物を添加し重合し、後段階において更に芳香族
炭化水素基以外の特定の炭化水素基を有するメトキシシ
ラン化合物を添加して重合を継続することにより上記課
題が解決できることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち本発明は、(A)その成分として少なくともMg、C
l、芳香族カルボン酸エステル、及びTiを含む固体触
媒成分、(B)有機アルミニウム化合物、(C1 )一般
式 R1 t 2 s Si(OCH34-t-S (式中R1 は芳香族炭化水素基を表わし、R2 は炭素数
1〜3の炭化水素基を表わし、sは0≦s<2、tは0
<t≦2の範囲であり、且つ1≦s+t≦2の関係を満
たす数である)で示されるメトキシシラン化合物、及び
(C2 )一般式 R3 x 4 y Si(OCH34-x-y (式中R3 は分岐鎖状炭化水素基、又は脂環式炭化水素
基を表わし、R4 は炭素数1〜3の炭化水素基を表わ
し、xは0<x≦2、yは0≦y<2の範囲であり、1
≦x+y≦2の関係を満たす数である)で示されるメト
キシシラン化合物、からなる触媒系を用いてプロピレン
を二段階で重合することからなり、前段階において用い
るメトキシシランとして(C1 )を用いて全生成量に対
する割合として65〜95重量%のプロピレン重合体を
製造し、引続いて後段階において更にメトキシシラン
(C2 )を添加して全生成量に対する割合として5〜3
5重量%製造を行なうことを特徴とするプロピレン重合
体の製造方法に関するものであり、得られるプロピレン
重合体として重量平均分子量が10万から60万の範囲
であり、120℃における1,2,4−トリクロルベン
ゼン不溶分の比率が40重量%を超え、且つ数平均分子
量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びZ平均分子
量(Mz)間の関係がMz/Mw≧1.5×Mw/Mn
の関係を満たすことを特徴とするプロピレン重合体に関
するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる(A)その成分として少なくともMg、C
l、芳香族カルボン酸エステル及びTiを含む固体触媒
成分は、例えばマグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
ロゲン化剤及び芳香族カルボン酸エステルを任意の順序
で反応させることによって製造することができる。具体
的方法としては、活性化されたハロゲン化マグネシウム
とチタン化合物及び芳香族カルボン酸エステルを同時に
又は段階的に共粉砕する方法、均一状態にあるマグネシ
ウム化合物に芳香族カルボン酸エステルまたは他の電子
供与体の存在下または不存在下に、ハロゲン化剤、又は
還元剤を作用させることによって得られた析出物に、チ
タン化合物を必要に応じて芳香族カルボン酸エステルの
存在下に接触させる方法などが利用できる。本発明にお
いて、特に好ましい固体触媒成分の製造方法としては、
炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム成分またはヒド
ロカルビルオキシマグネシウム化合物と、H−Si結合
を有するクロルシラン化合物とを反応させることによっ
て得られる有機基含有マグネシウム化合物に、チタン化
合物及び芳香族カルボン酸エステルとを接触させる方法
であり、より詳細には、特公昭60−11924号、特
開平1−213311号、特開平1−259003号、
特開平2−28201号、特開平2−138312号、
特開平2−138313号、特開平4−23811号、
特開平4−216804号各公報記載の方法等が参照で
きる。
【0007】これら触媒成分(A)の製造方法の一例を
以下に簡単に説明する。炭化水素溶媒に可溶な有機マグ
ネシウム成分としては、例えば一般式、(M)i (M
g)j (R5 p (R6 q (OR7 r (式中、Mは周期律表第I族、第II族ないし第III
族に属する金属原子、R5 、R6 及びR7 は炭素数2〜
20の炭化水素基であり、i,j,p,q及びrは次の関
係を満たす数である。0 ≦i, 0 <j, 0 ≦p,
0 ≦q, 0 <r, ki+2 j=p+q+r(ただし
kはMの原子価) で表される、炭化水素溶媒に可溶なアルコキシ基を含有
する有機マグネシウムの錯化合物を利用することができ
る。この錯化合物は、炭化水素溶媒に可溶なアルコキシ
基を含有する有機マグネシウムの錯化合物であり、炭化
水素溶媒に可溶な有機マグネシウム錯化合物と上記R7
で表される炭化水素基を有するアルコールとを反応させ
る方法または、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム
錯化合物と炭化水素溶媒に可溶な上記R7 で表される炭
化水素基を有するヒドロカルビルオキシマグネシウム化
合物と混合する方法により調製できる。
【0008】該アルコキシ基含有有機マグネシウム錯化
合物を調製する際に用いられる炭化水素溶媒に可溶な有
機マグネシウム錯化合物について説明する。一般式、
(M)i (Mg)j (R5 p (R6 q で表される炭
化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム錯化合物における
5 ないしR6 で表わされる炭化水素基は、アルキル
基、シクロアルキル基またはアリル基であり、たとえ
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキ
シル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げら
れ、好ましくはR5 はアルキル基である。
【0009】i>0の場合、金属原子Mとしては、周期
律表第I族ないし第III族に属する金属元素が使用で
き、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリ
リウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられる
が、特にアルミニウム、亜鉛が好ましい。金属原子Mに
対するマグネシウムの比j/iは、任意に設定可能であ
るが、好ましくは0.1 〜30、特に1〜20の範囲が
好ましい。
【0010】記号i、j、p、qの関係は式p+q=k
i+2jで示され、金属原子の原子価と置換基との化学
量論性を示している。これらの有機マグネシウム化合物
もしくは有機マグネシウム錯体は、一般式、R5 2Mg
(R5 は、前述の意味である)で示される有機マグネシ
ウム化合物と、一般式、MR6 k またはMR6 k-1
(M、R7 、kは前述の意味である。)で示される有機
金属化合物とを、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化水素媒体中、室
温〜150℃の間で反応させることにより得られる。
【0011】また、i=0でもある種の有機マグネシウ
ム化合物を用いる場合、例えばR5がsec-ブチル等であ
り、かつR7 が2の位置に側鎖を有するアルキル基の場
合は炭化水素溶媒に可溶であり、このような化合物も本
発明に用いて好ましい結果を与える。本発明に用いる、
一般式、(M)i (Mg)j (R5 p (R6 q (O
7 r において、i=0の場合のR5 、R6 の関係及
びアルコキシ基であるOR7 について以下に示す。まず
i=0の場合のR5 とR6 の関係については、次に示す
三つの群(1)、(2)、(3)のいずれか一つである
ことが推奨される。
【0012】(1)R5 、R6 の少なくとも一方が炭素
原子数4〜6である二級または三級のアルキル基である
こと、好ましくはR5 、R6 がともに炭素原子数4〜6
であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基
であること。 (2)R5 とR6 とが炭素原子数の互いに相異なるアル
キル基であること、好ましくはR5 が炭素原子数2また
は3のアルキル基であり、R6 が炭素原子数4以上のア
ルキル基であること。
【0013】(3)R5 、R6 の少なくとも一方が炭素
原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくは、R
5 、R6 が共に炭素原子数6以上のアルキル基であるこ
と。以下、これらの基を具体的に示す。(1)において
炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基と
してはsec-ブチル、tert- ブチル、2-メチルブチル、2-
エチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルペン
チル、2-エチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2-メチル
-2- エチルプロピル等が用いられ、sec-ブチルは特に好
ましい。
【0014】次に(2)において炭素原子数2または3
のアルキル基としてはエチル基、プロピル基が挙げら
れ、エチル基は特に好ましい。また炭素原子数4以上の
アルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基は
特に好ましい。(3)において炭素原子数6以上のアル
キル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
フェニル基等が挙げられ、アルキル基である方が好まし
く、ヘキシル基は特に好ましい。
【0015】一般にアルキル基の炭素原子数を増すと炭
化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる
傾向であり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いること
は取扱上好ましくない。つぎに本発明に用いる有機マグ
ネシウム成分に含まれるアルコキシ基(OR7)につい
て説明する。R7 で表される炭化水素基としては、炭素
原子数3〜10のアルキル基またはアリル基が好まし
い。具体的には、たとえば、n-プロピル、n-ブチル、se
c-プロピル、sec-ブチル、tert- ブチル、アミル、2-メ
チルペンチル、2-エチルヘキシル、オクチル、デシル、
フェニル基等が挙げられる。
【0016】炭化水素に可溶な有機マグネシウム成分と
アルコールとの反応については、反応を不活性反応媒
体、例えば、ヘキサン、ヘプタンの如き脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式
炭化水素あるいはこれらの混合溶媒中で行なうことがで
きる。反応順序については、有機マグネシウム成分中に
アルコールを加えてゆく方法、アルコール中に有機マグ
ネシウム成分を加えてゆく方法、又は両者を同時に加え
てゆく方法のいずれの方法も用いることができる。炭化
水素に可溶な有機マグネシウム成分とアルコールとの反
応比率については、0.5<r/(i+j)<2.0の
範囲であることが好ましい。この比が0.5以下では得
られる触媒の活性が充分でなく、得られる重合体の立体
規則性も充分でない。更にこの比が2.0以上の場合に
は固体触媒成分中のTi当りの活性を充分高くできな
い。
【0017】次に、H−Si結合を有するクロルシラン
化合物としては、HSiCl3 、HSiCl2 CH3
HSiCl2 2 5 、HSiCl2n- C3 7 、HS
iCl2iso−C3 7 、 HSiCl2 n−C4 9
HSiCl2 6 5 、HSiCl2(4-Cl- C
6 4)、HSiCl2 CH=CH2 、SiCl2 CH2
65 、HSiCl2(1-C107)、HSiCl2 CH
2 CH=CH2 、H2 SiClCH3 、H2 SiClC
2 5 、HSiCl( CH3)2 、HSiCl( C2 5)
2 、HSiClCH3(iso-C3 7)、HSiClCH
3(C6 5)、HSiCl( C6 5)2 等が挙げられ、こ
れらの化合物及びこれらの化合物から選ばれた化合物と
の混合物からなるクロルシラン化合物が利用でき、トリ
クロルシラン、モノメチルジクロルシラン、ジメチルク
ロルシラン、エチルジクロルシラン等が好ましく、特に
トリクロルシラン、モノメチルジクロルシランが好まし
い。
【0018】次に、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシ
ウム成分とクロルシラン化合物との反応について説明す
る。反応に際してはクロルシラン化合物を予め不活性反
応媒体、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環
式炭化水素、あるいは、1,2-ジクロルエタン、o-ジクロ
ルベンゼン、ジクロルメタン等の塩素化炭化水素、ある
いはこれらの混合媒体を用いて希釈した後利用すること
が好ましい。
【0019】反応の温度については特に制限されない
が、反応を促進する上で40℃以上反応媒体の沸点未満
の範囲が好ましい。上記反応によって得られた固体成分
の組成、及びその構造は、出発原料の種類、反応の条件
により変化するが、組成分析の結果から固体成分1g当
り、約0.1〜1.5ミリモルのMg−C結合を有する
か、又は約0.1〜1.5ミリモルのMg−C結合及び
約0.5〜3.0ミリモルのアルコキシ基を有する有機
基含有マグネシウム化合物であると推定される。固体触
媒成分の製造に利用できるチタン化合物としては、例え
ば、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、エ
トキシチタントリクロリド、プロポキシチタントリクロ
リド、ブトキシチタントリクロリド、ジブトキシチタン
ジクロリド、トリブトキシチタンクロリド等が挙げら
れ、特に好ましくは四塩化チタンである。
【0020】芳香族カルボン酸エステルの例としては、
例えば、安息香酸、P-トルイル酸、P-アニス酸等のモノ
カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル等のエ
ステル、及びフタル酸ジメチル、ジエチル、ジn-プロピ
ル、ジiso-プロピル、ジn-ブチル、ジiso-ブチル、ジn-
ヘプチル、ジ2-エチルヘキシル、ジオクチル等のジカル
ボン酸ジエステルが挙げられる。又これらの芳香族カル
ボン酸エステルは単独でも又は混合して用いてもよい。
【0021】本発明における固体触媒成分(A)を調製
する方法としては、前述の特許公報記載の方法が利用で
きるが、例えば(I)該固体成分、チタン化合物、及び
芳香族カルボン酸エステルとを同時に接触させる方法、
(II)まず任意の二者を接触させた後、残りの成分を
接触させる方法、(III)該固体成分、チタン化合
物、及び芳香族カルボン酸エステルとを同時に接触さ
せ、更にチタン化合物と接触させる方法等が利用でき
る。また、接触手段としては、液相又は気相下で接触さ
せる方法、液相又は気相での接触と粉砕とを組合せて接
触させる方法等のいずれの手段も用いることができる。
【0022】得られた固体触媒成分(A)の組成、及び
その構造については、出発原料の種類、接触条件によっ
て変化するが、組成分析値から固体触媒中におよそ1〜
10重量%のチタンを含んだ比表面積50〜300m2
/gなる固体触媒である。本発明に用いられる(B)有
機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセ
スキクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、
更には、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチル
アルミニウムブトキサイド、ジエチルアルミニウムフェ
ノキサイドなどのアルキルアルミニウムアルコキサイド
が利用でき、これらの混合物も利用できる。また、本発
明に利用できる(C1 )一般式 R1 t 2 s Si(OCH34-t-S (式中R1 は芳香族炭化水素基を表わし、R2 は炭素数
1〜3の直鎖状炭化水素基を表わし、sは0≦s<2、
tは0<t≦2の範囲であり、且つ1≦s+t≦2の関
係を満たす数である)で示されるメトキシシラン化合物
の例としてはフェニルトリメトキシシラン、トルイルト
リメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキ
シシラン、フェニルn−プロピルジメトキシシラン、P-
トルイルメチルジメトキシシランが利用できる。 (C2 )一般式 R3 x 4 y Si(OCH34-x-y (式中R3 は分岐鎖状炭化水素基、又は脂環式炭化水素
基を表わし、R4 は炭素数1〜3の直鎖状炭化水素基を
表わし、xは0<x≦2、yは0≦y<2の範囲であ
り、1≦x+y≦2の関係を満たす数である)で示され
るメトキシシラン化合物の例としてはジイソプロピルジ
メトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソ
ブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジsec-ブチルジ
メトキシシラン、ジtert- ブチルジメトキシシラン、te
rt- ブチルメチルジメトキシシラン、tert- ブチルエチ
ルジメトキシシラン、tert- ブチルn-プロピルジメトキ
シシラン、tert- ブチルイソプロピルジメトキシシラ
ン、tert- ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピル
ジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等が利用でき
る。
【0023】本発明における触媒成分(A)、(B)、
(C1 )、及び(C2 )の使用比率は固体触媒成分
(A)1gに対して、(B)は(B)中のアルミニウム
原子に換算して1〜3000ミリモル、好ましくは5〜
1000ミリモルの範囲で、また(C1 )及び(C2
の使用比率としては(C1 )及び(C2 )中のケイ素原
子に換算した合計として0.01〜1000ミリモル、
好ましくは、0.05〜100ミリモルの範囲で用いる
ことが好ましい。(C1 )及び(C2 )の混合比率とし
ては、(C1 )の使用量と(C2 )の使用量とのモル比
として0.9:1から0.1:1の範囲が好ましい。使
用モル比が0.9を超える場合には、充分な成形性の改
良効果が得られない。
【0024】これら触媒成分(A)、(B)、及び(C
1 )は重合時にすべてを接触させて用いてもよいし、ま
た重合前にあらかじめ任意の三者と接触させた後、残り
の一者と接触させて用いてもよく、更に接触においては
不活性ガス雰囲気下あるいはオレフィン雰囲気下であっ
ても良い。また、ポリマーの分子量調節の為、水素等を
添加することも可能である。
【0025】本発明に利用できる重合方法としては特に
制限はないが、液体モノマー中での重合、及び気相重合
を利用することが好ましく、特に気相重合法を採用した
場合に特にその効果が大きい。本発明での重合において
はこれら任意の2つの重合方法を組合せ二段階重合方法
によってプロピレン重合体を製造する。好ましい組合せ
としては、液体プロピレン中での重合に引続き気相重合
を行なう方法及び気相重合に引続き気相重合を行なう方
法が挙げられる。
【0026】懸濁重合は触媒を重合溶媒、例えばヘキサ
ン、ヘプタンのごとき脂肪族炭化水素などとともに反応
器に導入し、不活性ガス雰囲気下にプロピレン等のオレ
フィンを1〜20Kg/cm2 に圧入して、室温ないし
150℃の温度で重合を行うことができる。液体モノマ
ー中での重合では触媒をプロピレン等のオレフィンが液
体である条件下で液体のオレフィンを重合溶媒としてオ
レフィンの重合を行うことができる。例えばプロピレン
の場合、室温〜90℃の温度で、10〜45Kg/cm
2 の圧力下で液体プロピレン中で重合を行うことができ
る。
【0027】一方、気相重合はプロピレン等のオレフィ
ンが気体である条件下で、溶媒の非存在下に1〜50K
g/cm2 の圧力で、室温ないし120℃の温度条件に
おいて、プロピレン等のオレフィンと触媒の接触が良好
となるような、例えば流動床、移動床あるいは攪拌機に
よって混合を行う等の手段を講じて重合を行うことがで
きる。例えば撹拌流動層を有する気相重合装置を利用す
る場合としては、種々のタイプのものが利用できるが、
特に好ましくは、ヘリカル型の撹拌翼を有し、その中心
でのフルード数が1〜3の条件で動かされている微粒状
重合体からなる撹拌床を有し、プロピレン単独またはプ
ロピレン及び水素を連続的又は間欠的に重合帯域に供給
し、触媒の各成分を重合帯域に供給することにより重合
を開始し、得られた重合体は連続的又は間欠的に重合帯
域から取り出されることを基本的構成要件とする気相重
合装置が利用できる。
【0028】その重合条件としては、例えば、40〜9
5℃の温度、及び10〜35Kg/cm2 (ゲージ圧)
の圧力下で、プロピレン単独又はプロピレン及び水素を
連続的又は間欠的に重合帯域に供給し、重合により生じ
る重合熱を除去するとともに、重合によって消費された
プロピレンを補充すること、また未反応のプロピレンは
重合帯域から取り出し液化し、再び液状で重合帯域に供
給されること、更に得られた重合体は連続的又は間欠的
に重合帯域から取り出されることからなる方法によって
重合を継続する方法が用いられる。
【0029】本発明においては、上記気相重合装置を2
基以上連結してプロピレン重合体を製造することができ
る。例えば前段重合においては、その重合温度としては
50〜95℃、重合圧力として17〜35Kg/cm2
の条件で、重合体の平均滞留時間が1.5〜4時間の条
件にてプロピレン重合体を製造し、得られた重合体は引
続き後段重合槽に移され、更に重合を継続する。この
際、例えば前段に対して少なくとも7Kg/cm2 低い
圧力で、重合温度としては50〜90℃の条件で更に重
合体を製造する方法が利用できる。
【0030】また、その際微粉状重合体と同伴するガス
を除去する工程、同伴ガスを除去された微粉状重合体を
加圧する工程、及び加圧された微粉状重合体を後段重合
槽に導入する工程を設けてもよい。より具体的には本発
明者らが先に出願した特願平5−261999号公報に
記載した方法が利用できる。本発明における前段階での
重合における気相中のプロピレンに対する水素のモル比
と後段階における気相中のプロピレンに対する水素のモ
ル比との関係については、後段階において新たに水素を
フィードすることなく重合を継続するか、又は後段階に
おける該モル比が前段階での重合における該モル比より
も小さい条件にて重合を行なうことが好ましい。
【0031】本発明における各重合段での生成量の重量
比率としては、前段生成量と後段生成量との比が65〜
95対35〜5の範囲、好ましくは71〜90対29対
10、更に好ましくは80〜90対20〜10の範囲で
あることが好ましい。後段重合槽での生成量が上記範囲
を超える場合は成形性が低下し、上記範囲より低い場合
には、成形外観が不良となり、成形品の剛性が改善され
ない。この連続気相多段重合法に関しては、米国特許4
012573号、4330645号、4442271
号、及び英国特許第1032945号各明細書に記載の
方法及びその実施例が参照できる。
【0032】本発明で用いる120℃における1,2,
4−トリクロルベンゼン不溶分の測定方法としては、P
olymer Preprints Am.Chem.
Soc.18,182(1977)に記載の方法に準拠
して実施できるが、より具体的には以下の方法により求
めることができる。すなわち所定量のプロピレン重合体
と酸化防止剤を1,2,4−トリクロルベンゼンに加熱
溶解し、この溶液を海砂を満たした160℃の温度に保
持されたステンレス製カラム中に充填した後、30℃ま
でカラム温度を下げて、重合体を析出させ充分に結晶化
させる。このカラムを120℃まで昇温して、この温度
での可溶分が全量溶出するのに充分な量の1,2,4−
トリクロルベンゼンを連続して流す。その後160℃ま
で更に昇温し、同様に充分な量の1,2,4−トリクロ
ルベンゼンを流し、120℃において不溶であり160
℃で可溶な部分を回収する。この1,2,4−トリクロ
ルベンゼン溶液は大量のメタノールを加えることにより
ポリマーを回収する。この回収分の最初に用いたプロピ
レン重合体に対する重量百分率を120℃における1,
2,4−トリクロルベンゼン不溶分とする。この不溶部
の重量分率は得られるプロピレン重合体中の超高立体規
則性を有する重合体の存在比率に対応するものと考えら
れる。本発明においては該不溶分の比率が40重量%を
超えること、好ましくは50重量%を超えることが極め
て重要である。該不溶分が50重量%未満であると得ら
れる成型品の耐熱剛性が充分でなく好ましくない。
【0033】本発明において得られるプロピレン重合体
の特徴として、上記条件を満たすとともに、数平均分子
量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びZ平均分子
量(Mz)との関係が、Mz/Mw≧1.2×Mw/M
nの関係、好ましくはMz/Mw≧1.5*Mw/Mn
の関係を満たすことにより、更に高い耐熱剛性を有する
ポリプロピレンが得られることが挙げられる。
【0034】本発明に用いる数平均分子量(Mn)、重
量平均分子量(Mw)、及びZ平均分子量(Mz)は、
例えば共立出版発行『高分子実験学』151ページに記
載された定義に従い、ゲルパーミエイションクロマトグ
ラフィー(GPC)としてウォータース(株)社製15
0Cを用い、カラムは東ソー(株)社製TOSOHTS
K−GEL GMH6−HT及び昭和電工(株)SHO
DEX AT−807/Sを使用し、溶媒としては1,
2,4−トリクロルベンゼンを使用し、測定温度140
℃にて測定した結果をもとに算出した。尚、検量線は標
準の単分散ポリスチレンを用いて作成した。
【0035】本発明により得られるプロピレン重合体の
重量平均分子量としては、10万〜60万の範囲、特に
好ましくは10万〜30万の範囲であることが好まし
い。10万未満の場合には流動性が高すぎて成形不良が
多く発生し、30万を超える場合には成形性が悪く好ま
しくない。本発明で得られる重合体は、フェノール系安
定剤、有機フォスファイト系安定剤、安息香酸アルミニ
ウム塩系核剤、ソルビトール系核剤、リン酸ナトリウム
塩系核剤及び高級脂肪酸金属塩等の市販の種々の添加
剤、及び核剤を配合したのち、各種成形に用いることも
できる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例中で用いる各測定値は、以下に示す方法に準じ測
定したものである。 〈MFI〉ASTM D−1238 〈沸騰ヘプタン抽出残分〉得られた重合物を沸騰n−ヘ
プタンにより6時間抽出した後の抽出残渣の抽出前ポリ
マーの重量に対する百分率を意味するものである。
【0037】〈スパイラルフロー長さ〉得られた重合体
粉末は、添加剤としてP−EPQ(サンド社製)を0.
05重量%、及びステアリン酸カルシウムを0.1重量
%を加えて230℃の温度で二軸押出機を用いて造粒し
利用した。 測定条件 射出成形機 IS−150EN 成形温度 230℃ 射出圧力 1400kg/cm2 金型 2.5φ半円型 〈熱変形温度〉上記と同様の成形機及び成形温度にて射
出成形したものを30℃にて72時間放置した後、AS
TM D−648に準じて評価した。
【0038】(66psi荷重)
【0039】
【実施例1】 (I)アルコキシ基含有有機マグネシウム成分の合成:
予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムよ
り合成した組成式AlMg6 (C2 5 3 (n−C4
9 12で示される有機マグネシウム錯体成分250ミ
リモル(マグネシウム基準で)を含むn−ヘプタン溶液
を充分に窒素置換された1リットルのフラスコに入れ、
氷浴中で冷却し攪拌しながら、滴下ロートより、n−ブ
チルアルコール27.4cc(300ミリモル) をゆっ
くりと1時間かけて滴下し反応させ、更に室温にて攪拌
下1時間反応させた。比較的粘調な無色透明な溶液が得
られ、分析したところ、溶液中にはMg1モル当りn−
ブトキシ基1.20モル含まれており、マグネシウム濃
度として1.0モル/リットルであった。
【0040】(II)クロルシラン化合物との反応によ
るマグネシウム含有固体の合成:充分に窒素置換された
1リットルのフラスコに、トリクロルシランを1mol
/リットルのn−ヘプタン溶液として500ミリモルを
仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、上記(I)のアル
コキシ基含有有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液
を全量1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下
反応させた。生成した白色固体を濾別し、n−ヘキサン
にて充分に洗浄し乾燥することにより、白色固体(A)
29.5gを得た。この固体物質を分析した結果、固体
1g中、Mg7.45ミリモル、CL14.2ミリモ
ル、ブトキシ基2.82ミリモルを含有しており、BE
T法で測定した比表面積は123m2 /gであった。
【0041】(III)固体触媒成分の合成:(II)
で得られた固体成分10gを入れた、充分に窒素置換さ
れた500ccのフラスコに、四塩化チタン20cc及
びトルエン200ccを加え、更にフタル酸ジ−nブチ
ル2.0cc(7.5ミリモル)を加えて室温にて撹拌
下1時間接触させた。接触後上澄みを除去し、更に四塩
化チタン80ccを加え昇温し、120℃の温度で更に
3時間接触させた。反応終了後固体を熱濾過にて分離
し、100℃に加熱されたトルエン200ccと3回接
触させ、更にn−ヘキサンにて洗浄後、n−ヘキサンス
ラリーとして固体成分(B−1)とした。この一部を採
取して分析したところ、固体成分中のTi含量は1.7
重量%であった。
【0042】[重合]微粉状ポリプロピレン50Kgか
らなる撹拌床を有する、内容積200Lの撹拌機付き反
応器を、2個連結してなるプロセスを用いて重合を行な
った。まず前段の反応器をフルード数2.2の条件での
撹拌下、重合温度85℃、重合圧力27Kg/cm2
条件で保持するようにプロピレン及び水素を連続的にフ
ィードした中、前記固体触媒成分、トリエチルアルミニ
ウム、及びジフェニルジメトキシシランを連続的にフィ
ードし、重合を開始した。その際、第一段でのポリマー
生成速度が20Kg/hr、生成ポリマーのMFIが1
5になるように触媒フィード量及び水素フィード量をコ
ントロールした。また各触媒成分のフィード比として
は、固体触媒成分中のTi量に対するトリエチルアルミ
ニウムのモル比が1:400、ジフェニルジメトキシシ
ランとトリエチルアルミニウムのモル比が1:10の条
件で重合を行なった。
【0043】第一段で重合された重合物の一部は、プロ
ピレンガスとともに断続的に第二段の反応器へ送られ、
新たに水素を添加することなく、ジシクロペンチルジメ
トキシシランを更に前段でフィードしたジフェニルジメ
トキシシランのフィード量に対して1.5倍量添加し
て、80℃、18Kg/cm2 の条件にて重合を継続し
た。最終ポリマー生成量は24kg/hrであった。気
相中の水素モル濃度は第一段の1/2であった。第一段
と第二段とのポリマー生成量の比は5:1であった。固
体触媒成分1g当り得られたプロピレン重合体の生成量
は45.2Kgであり、得られたプロピレン重合体の沸
騰n−ヘプタン抽出残率は98.9%であり、120℃
における1,2,4−トリクロルベンゼン不溶分は5
4.2重量%であった。又、Mw/Mnは4.5、Mz
/Mwは7.8であった。スパイラルフロー長さ及び熱
変形温度の測定結果を表5に示した。
【0044】
【比較例1】実施例1において第二段にジシクロペンチ
ルジメトキシシランを追加添加しなかった以外は実施例
1と同様に重合した。固体触媒成分1g当り得られたプ
ロピレン重合体の生成量は39.8Kgであり、得られ
たプロピレン重合体の沸騰n−ヘプタン抽出残率は9
8.0%であり、120℃における1,2,4−トリク
ロルベンゼン不溶分は35.9重量%であった。又、M
w/Mnは5.2、Mz/Mwは5.5であった。
【0045】その結果をそれぞれ表2、表4、及び表6
に示した。
【0046】
【比較例2】実施例1において第二段にジシクロペンチ
ルジメトキシシランを追加添加せずに、第一段にジフェ
ニルジメトキシシランとともにジシクロペンチルジメト
キシシランを添加した以外は実施例1と同様に重合し
た。固体触媒成分1g当り得られたプロピレン重合体の
生成量は41.8Kgであり、得られたプロピレン重合
体の沸騰n−ヘプタン抽出残率は98.2%であり、1
20℃における1,2,4−トリクロルベンゼン不溶分
は38.9重量%であった。又、Mw/Mnは6.0、
Mz/Mwは6.2であった。
【0047】その結果をそれぞれ表2、表4、及び表6
に示した。
【0048】
【比較例3】実施例1において、第一段に添加するアル
コキシシランとしてジフェニルジエトキシシランを用
い、第二段に添加するアルコキシシランとしてジシクロ
ペンチルジメトキシシランを添加した以外は実施例1と
同様に重合した。固体触媒成分1g当り得られたプロピ
レン重合体の生成量は41.5Kgであり、得られたプ
ロピレン重合体の沸騰n−ヘプタン抽出残率は97.7
%であり、120℃における1,2,4−トリクロルベ
ンゼン不溶分は35.2重量%であった。又、Mw/M
nは7.0、Mz/Mwは10.2であった。
【0049】その結果をそれぞれ表2、表4、及び表6
に示した。
【0050】
【実施例2〜6】用いるメトキシシランを表1又は表2
に示した組合せ、及び使用モル比に変更し、更に第一段
でのポリマー生成量と第二段でのポリマー生成量の比
を、実施例2では5:2に、実施例3では4:1に、実
施例4では3:1に、実施例5では7:1に変更する以
外は実施例1と同様に実施した。
【0051】評価結果を表1〜表6に示した
【0052】
【実施例7】微粉状ポリプロピレン50Kgからなる撹
拌床を有する、内容積200Lの撹拌機付き反応器を、
2個連結してなるプロセスを用いて重合を行なった。ま
ず前段の反応器をフルード数2.2の条件での撹拌下、
重合温度87℃、重合圧力27Kg/cm2 の条件で保
持するようにプロピレン及び水素を連続的にフィードし
た中、実施例1で利用した固体触媒成分、トリエチルア
ルミニウム、及びジフェニルジメトキシシランを連続的
にフィードし、重合を開始した。その際、第一段でのポ
リマー生成速度が20Kg/hr、生成ポリマーのMF
Iが20になるように触媒フィード量及び水素フィード
量をコントロールした。また各触媒成分のフィード比と
しては、固体触媒成分中のTi量に対するトリエチルア
ルミニウムのモル比が1:400、ジフェニルジメトキ
シシランとトリエチルアルミニウムのモル比が1:10
の条件で重合を行なった。
【0053】第一段で重合された重合物の一部は同伴ガ
スを除去する工程及び再度窒素ガスにて加圧される工程
を経て断続的に第二段の反応器へ送られ、新たに水素を
添加することなく、ジシクロペンチルジメトキシシラン
を更に前段でフィードしたジフェニルジメトキシシラン
のフィード量に対して1.5倍量添加して、80℃、1
8Kg/cm2 の条件にて重合を継続した。最終ポリマ
ー生成量は24kg/hrであった。気相中の水素モル
濃度は第一段の1/50であった。第一段と第二段との
ポリマー生成量の比は5:1であった。固体触媒成分1
g当り得られたプロピレン重合体の生成量は44.8K
gであり、得られたプロピレン重合体の沸騰n−ヘプタ
ン抽出残率は99.2%であり、120℃における1,
2,4−トリクロルベンゼン不溶分は58.7重量%で
あった。又、Mw/Mnは4.8、Mz/Mwは12.
6であった。スパイラルフロー長さ及び熱変形温度の測
定結果を表6に示した。
【0054】
【参考例1】実施例1で得られた固体触媒成分を用い、
実施例1〜5、及び比較例1及び2で用いたメトキシシ
ランをそれぞれ単独に用い、且つ気相中の水素濃度を
0.1mol%の条件にて前段のみにて重合する以外は
実施例1と同様の重合条件にてプロピレンの重合を実施
した。
【0055】得られたプロピレン重合体のMFIを表7
に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】本発明の方法により得られるプロピレン
重合体は、成形性と耐熱剛性とのバランスに優れたもの
であり、従来の知見からは全く予想できないことであ
り、比較例、参考例にも示したように、単なる二種類の
アルコキシシランの併用効果とは全くことなるものであ
る。本発明によると、触媒活性及び立体規則性を低下す
ることなく、高効率に耐熱剛性と成形性のバランスに優
れたプロピレン重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明、プロピレン重合体の製造方法の一例を
示すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)その成分として少なくともMg、
    Cl、芳香族カルボン酸エステル、及びTiを含む固体
    触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物、(C1 )一
    般式 R1 t 2 s Si(OCH34-t-S (式中R1 は芳香族炭化水素基を表わし、R2 は炭素数
    1〜3の炭化水素基を表わし、tは0<t≦2、sは0
    ≦s<2の範囲であり、且つ1≦s+t≦2の関係を満
    たす数である)で示されるメトキシシラン化合物、及び
    (C2 )一般式 R3 x 4 y Si(OCH34-x-y (式中R3 は分岐鎖状炭化水素基、又は脂環式炭化水素
    基を表わし、R4 は炭素数1〜3の炭化水素基を表わ
    し、xは0<x≦2、yは0≦y<2の範囲であり、1
    ≦x+y≦2の関係を満たす数である)で示されるメト
    キシシラン化合物、からなる触媒系を用いてプロピレン
    を二段階で重合することからなり、 前段階において用いるメトキシシランとして(C1 )を
    用いて全生成量に対する割合として65〜95重量%の
    プロピレン重合体を製造し、引続いて後段階において更
    にメトキシシラン(C2 )を添加して全生成量に対する
    割合として5〜35重量%製造を行なうことを特徴とす
    るプロピレン重合体の製造方法。
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