JP2001114815A - オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法及びオレフィン重合体 - Google Patents
オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法及びオレフィン重合体Info
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Abstract
ン重合体を与える新規なオレフィン重合触媒を提供す
る。 【解決手段】(A)(a)四塩化チタンとマグネシウム
化合物とフタル酸ジアルキルを接触させて得られる固体
触媒成分と(b)有機金属化合物と(c)Si−O−C
結合を有する有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類
を接触させた予備重合触媒成分、(B)有機金属化合物
及び(C)下記一般式(1)の有機ケイ素化合物からな
るオレフィン重合触媒。 【化1】 (R1は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2は炭素
数3〜20の分岐状炭化水素基、R3は炭素数1〜20
の炭化水素基を示す。)
Description
媒、オレフィン重合体の製造方法及びオレフィン重合体
に関し、詳しくは重合活性が高く、少量の水素により溶
融流動性の高いオレフィン重合体を与える新規なオレフ
ィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法及びオレフ
ィン重合体に関する。
としてマグネシウム、チタン、塩素及び電子供与性化合
物を含有するものが多く開示されている。さらには有機
アルミニウム化合物と共にSi−O−C結合を持つ有機
ケイ素化合物を用いると、高立体規則性のα−オレフィ
ン重合体が得られることが知られている。一般にこれら
の触媒を用いα―オレフィン重合体を製造する場合、水
素等の連鎖移動剤を使用しポリマーのメルトフローレー
トを高める方法がとられているが、上記の有機ケイ素化
合物を用いた触媒系は水素使用量に対する生成ポリマー
の溶融流動性の依存性が小さい為溶融流動性の高いポリ
マーを製造するには不利である(特開平4−22770
7号公報、特開平6−122716号公報)。例えば、
気相重合プロセスにおいて溶融流動性の高いポリマーを
製造するためには多量の水素を使用する必要があり、水
素分圧の増加とともにモノマー分圧が低下し生産性が低
下する問題がある。また、その他に有機ケイ素化合物を
用いてポリオレフィンを製造する技術が、特開平6−3
06115号公報や、特表平8−509263号公報に
提案されている。しかしながら、前者は特殊なアルミノ
キサンを用いることを特徴としているが、アルミノキサ
ンは高価であるために、製品のコストが高くなるデメリ
ットがある。また後者は、バルク重合のため、得られる
ポリマーの立体規則性が低いという欠点がある。
びメルトフローレート(MFR)を調節することがで
き、なおかつ触媒あたりの生産性が高く、立体規則性も
高いプロピレン重合体の製造方法が望まれていた。
らなされたものであり重合活性が高く、少量の水素によ
り溶融流動性の高いオレフィン重合体を与える新規なオ
レフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法及びオ
レフィン重合体を提供することを目的とする。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(A)四塩化
チタン、マグネシウム及び電子供与性化合物を接触させ
て得られる固体触媒成分と有機金属化合物と共にSi−
O−C結合を持つ有機ケイ素化合物の存在下、オレフィ
ンを予備重合させて得られる触媒成分と(B)有機アル
ミニウム化合物及び(C)特定の有機ケイ素化合物から
なるオレフィン重合触媒が本目的を達成できることを見
出し、これに基づき本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、以下のオレフィン重合触媒、オレフィン重合
体の製造方法及びオレフィン重合体を提供するもので
る。 1. (A)(a)四塩化チタンとマグネシウム化合物
とフタル酸ジアルキル(アルキル基は炭素数3〜20の
直鎖状炭化水素基または分岐状炭化水素基である)を接
触させて得られる固体触媒成分と(b)有機金属化合物
と(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物の
存在下、オレフィン類を接触させて得られる予備重合触
媒成分、(B)有機金属化合物及び(C)下記一般式
(1)で表わされる有機ケイ素化合物からなるオレフィ
ン重合触媒。
化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、
R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) 2. マグネシウム化合物がアルコキシマグネシウムで
ある上記1記載のオレフィン重合触媒。 3. R1がシクロヘキシル基またはシクロペンチル基
である上記1または2記載のオレフィン重合触媒。 4. 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物がシ
クロヘキシルイソブチルジメトキシシランである上記1
〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。 5. 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物がシ
クロペンチルイソブチルジメトキシシランである上記1
〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。 6. 上記1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合触
媒の存在下、オレフィンを気相重合させるオレフィン重
合体の製造方法。 7. 上記6記載のオレフィン重合体の製造方法により
得られるオレフィン重合体。 8.オレフィンがプロピレンである上記6記載のオレフ
ィン重合体。 9. DSC測定による融解吸熱量ΔH(J/g)とテ
トラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η]
(デシリットル/グラム)が下記の関係を満たす上記8
記載のオレフィン重合体。 ΔH>123.1×[η]-0.079 −4.5
媒、オレフィン重合体の製造方法及びオレフィン重合体
について詳しく説明する。 〔I〕オレフィン重合触媒 本発明のオレフィン重合触媒は、(A)(a)マグネシ
ウム化合物と四塩化チタンとフタル酸ジアルキル(アル
キル基は炭素数3〜20の直鎖状炭化水素基または分岐
状炭化水素基である)を接触させて得られる固体触媒成
分と(b)有機金属化合物と(c)Si−O−C結合を
有する有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類を接触
させて得られる予備重合触媒成分、(B)有機金属化合
物及び(C)下記一般式(1)で表わされる有機ケイ素
化合物からなる触媒である。
化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、
R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) 以下、各触媒成分について説明する。 (A)成分 (A)成分は、下記の(a)固体触媒成分と(b)有機
金属化合物(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物の存在下、オレフィン類を接触させて得られる予
備重合触媒成分である。 (a)固体触媒成分 固体触媒成分は、四塩化チタンとマグネシウム化合物と
フタル酸ジアルキル(アルキル基は炭素数3〜20の直
鎖状炭化水素基または分岐状炭化水素基を示す)を接触
させて得られるものである。 (1)四塩化チタン 四塩化チタンとしては特に制限は無く、その純度にも特
に制限はない。
(2) MgR4R5 ……(2) で表されるマグネシウム化合物を好ましく用いることが
できる。上記の一般式(2)においてR4およびR5は、
炭化水素基、OR6(R6は炭化水素基)またはハロゲン
原子を示す。ここでR4、R5及びR6の炭化水素基とし
ては、炭素数1〜12個のアルキル基、炭素数3〜12個の
シクロアルキル基、炭素数6〜20個のアリール基、炭
素数7〜20個アラルキル基等を、R4およびR5のハロ
ゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素を挙げ
ることができる。また、R4、R5及びR6は同一でも異
なってもよい。
ム化合物の具体例としてはジメチルマグネシウム、ジエ
チルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブ
チルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチ
ルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ジフェニ
ルマグネシウム、ジシクロへキシルマグネシウム、ブチ
ルオクチルマグネシウム等のアルキルマグネシウムやア
リールマグネシウム;ジメトキシマグネシウム、ジエト
キシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブト
キシマグネシウム、ジヘキシロキシマグネシウム、ジオ
クトキシマグネシウム、ジフェノキシマグネシウム、ジ
シクロヘキシロキシマグネシウム等のアルコキシマグネ
シウムやアリロキシマグネシウム;エチルマグネシウム
クロリド、ブチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグ
ネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリ
ド、イソブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグ
ネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、ベ
ンジルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロ
ミド、ブチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシ
ウムクロリド、ブチルマグネシウムイオダイド等のアル
キルマグネシウムハライドやアリールマグネシウムハラ
イド;ブトキシマグネシウムクロリド、シクロヘキシロ
キシマグネシウムクロリド、フェノキシマグネシウムク
ロリド、エトキシマグネシウムブロミド、ブトキシマグ
ネシウムブロミド、エトキシマグネシウムイオダイド等
のアルコキシマグネシウムハライドやアリロキシマグネ
シウムハライド;塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム等
を挙げることができる。
ネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、アルキル
マグネシウムハライドが好適に使用できる。特に好まし
くは、アルコキシマグネシウムである。
ウム、またはマグネシウムを含有する化合物から調製す
ることができる。
ンおよびアルコール類を接触させる方法が挙げられる。
ここで、ハロゲンとしては、ヨウ素、塩素、臭素、フッ
素が挙げられる。これらの中ではヨウ素が好ましい。ア
ルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、オクタノール等が挙げられる。
表されるマグネシウムアルコキシ化合物(式中、R7は
炭素数1〜20個の炭化水素基を示す。)にハロゲン化物
を接触させる方法が挙げられる。
素、四臭化ケイ素、四塩化スズ、四臭化スズ、塩化水素
等が挙げられる。これらの中では四塩化ケイ素が好まし
い。
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロ
ヘキシル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基等の
アルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の
アリール基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等
のアラルキル基等が挙げられる。これらの中では特に炭
素数1〜10個のアルキル基が好ましい。
アルミナ、ポリスチレン等の担体に担持されても良い。
以上のマグネシウム化合物は単独で用いても良いし、2
種以上組み合わせて用いても良い。また、ヨウ素などの
ハロゲン、珪素、アルミニウム等の他の元素を含有して
も良く、アルコール、エーテル、エステル類などの電子
供与体を含有しても良い。 (3)フタル酸ジアルキル フタル酸ジアルキルは電子供与性化合物として用いる。
アルキル基としては、炭素数3〜20の直鎖状炭化水素
基または分岐状炭化水素基を示す。具体的には、フタル
酸のn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、
2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチ
ルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エ
チルブチル、2−エチルブチル、n−ヘキシル、n−ヘ
プチル、n−オクチル、n−ノニル、2−メチルヘキシ
ル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エ
チルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エ
チルペンチル、3−エチルペンチル等のジアルキルエス
テルが挙げられる。
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチルなどを好
ましく挙げることができる。また、これらの化合物はそ
れぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
に制限はなく公知の方法で接触させればよい。例えば、
特開昭53−43094号公報、特開昭55−1351
02号公報、特開昭55−135103号公報、特開昭
56−18606号公報等に記載の方法が挙げられる。
具体的には、(1)マグネシウム化合物またはマグネシ
ウム化合物と電子供与性化合物との錯化合物を、電子供
与性化合物および所望に応じて用いられる粉砕助剤など
の存在下に粉砕して、チタン化合物と反応させる方法、
(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物と
液状チタン化合物とを、電子供与性化合物の存在下にお
いて反応させて、固体状のチタン複合体を析出させる方
法、(3)前記(1)または(2)で得られたものにチ
タン化合物を反応させる方法、(4)前記(1)または
(2)で得られたものに、さらに、電子供与性化合物お
よびチタン化合物を反応させる方法、(5)マグネシウ
ム化合物またはマグネシウム化合物と電子供与性化合物
との錯化合物を、電子供与性化合物、チタン化合物およ
び所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在下で粉砕
したのち、必要に応じてハロゲンまたはハロゲン化合物
で処理する方法などが挙げられる。
6−166205号公報、特開昭57−63309号公
報、特開昭57−190004号公報、特開昭57−3
00407号公報、特開昭58−47003号公報等に
記載の方法よっても、前記(A)の固体触媒成分を調製
することができる。
であってもよい。具体的には、周期律表II〜IV族に
属する元素の酸化物、例えば酸化ケイ素、酸化マグネシ
ウムなどの酸化物または周期律表II〜IV族に属する
元素の酸化物が少なくとも1種含まれる複合酸化物、例
えばシリカアルミナなどに前記マグネシウム化合物を担
持させて得られる固形物と電子供与体とチタン化合物と
を、溶媒中で、0〜200℃、好ましくは10〜150
℃の範囲の温度にて2分〜24時間接触させることによ
り、担体に担持された固体触媒成分を調製することがで
きる。
グネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通
常、0.5〜100モル、好ましくは、1〜50モルの
範囲にするとよい。また、上記の電子供与体の使用量
は、上記のマグネシウム化合物のマグネシウム1モルに
対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは、0.
05〜0.15モルの範囲にするとよい。さらに、ハロ
ゲン化物として四塩化ケイ素を添加してもよい。
℃、好ましくは、20〜150℃の範囲にするとよく、
接触時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは、10
分〜6時間の範囲にするとよい。
えば、各成分を炭化水素などの不活性溶媒の存在下で接
触させてもよいし、予め炭化水素などの不活性溶媒で各
成分を希釈して接触させてもよい。この不活性溶媒とし
ては、例えば、n−ペンタン,イソペンタン,n−ヘキ
サン,n−ヘプタン,n−オクタン,イソオクタンなど
の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレンなど
の芳香族炭化水素またはこれらの混合物を挙げることが
できる。
い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に
十分担持させるとよい。
は、炭化水素などの不活性溶媒で洗浄してもよい。この
不活性溶媒としては、上記のものが挙げられる。また、
この固体触媒成分は、乾燥状態で保存することもできる
し、また炭化水素などの不活性溶媒中でも保存するがで
きる。 (b)有機金属化合物 有機金属化合物としては特に制限はなく、例えば有機ア
ルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛
化合物等が挙げられる。なかでも、有機アルミニウム化
合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としてはアル
キル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基を含有
するもの、アルミノキサンおよびそれらの混合物を好ま
しく用いることができる。具体的には、トリメチルアル
ミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピル
アルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオク
チルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエ
チルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミ
ニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド等のジア
ルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアルミニウム
セスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライ
ド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等を
挙げることができる。これらの有機アルミニウム化合物
の中では、炭素数1〜5個の低級アルキル基を有するト
リアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウ
ム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウ
ム及びトリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、
これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 (c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物 Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物としては、
特に制限はないが、以下の化合物が好ましい。後に述べ
る一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物群に加え
て、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピ
ルジメトキシシラン、シクロペンチルターシャリブチル
ジメトキシシラン、テキシルシクロペンチルジメトキシ
シラン、テキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジ
イソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキ
シシラン、ジターシャリブチルジメトキシシランが挙げ
られる。好ましくは一般式(1)で表わされる有機ケイ
素化合物群およびジシクロペンチルジメトキシシランで
ある。特に好ましくはシクロヘキシルイソブチルジメト
キシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシ
ラ、およびジシクロペンチルジメトキシシランである。
オレフィン類を接触させることにより(A)成分が得ら
れる。オレフィン類としては、特に制限はないが、一般
式(3) R8−CH=CH2 ……(3) で表されるα−オレフインが好ましい。
原子または炭化水素基であって、炭化水素基は飽和基や
不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有
するもの、あるいは環状のものであってもよい。具体的
にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができ
る。これらのオレフィンは1種用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。予備重合は、前記
(a)、(b)、(c)の存在下、オレフィン類を通常
1〜100℃の範囲の温度において、常圧〜5MPa
(Gauge)の圧力で重合させればよい。重合時間は
1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。予
備重合量は、固体触媒成分に対して通常、0.1〜10
00重量%、好ましくは1.0〜500重量%重合させ
ればよい。 (B)成分 (B)成分の有機金属化合物は、前記の(b)で述べた
有機金属化合物と同じである。 (C)成分 (C)成分は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物である。
化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、
R3は炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基を示す。) 具体的には、R1としては、シクロプロピル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロへプチル基、シクロオクチル基、1−ノルボルニル
基、2−ノルボルニル基等の炭素数3〜12脂環式炭化
水素が挙げられ、特にシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基が好ましい。R2としてはイソプロピル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチ
ル基等の炭素数3〜20の分岐状炭化水素基が挙げら
れ、特にイソプロピル基が好ましい。R3としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキ
ル基、シクロヘキシル基、アリル基、プロぺニル基、ブ
テニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キ
シリル基等のアリール基、フェネチル基、3−フェニル
プロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの
中では特に炭素数1〜10個のアルキル基が好ましい。
化合物としては具体的に、シクロプロピルイソブチルジ
メトキシシラン、シクロプロピルイソペンチルジメトキ
シシラン、シクロプロピル−2−メチルブチルジメトキ
シシラン、シクロプロピルネオペンチルジメトキシシラ
ン、シクロプロピル−2−メチルへキシルジメトキシシ
ラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シク
ロブチルイソペンチルジメトキシシラン、シクロブチル
−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロブチルネ
オペンチルジメトキシシラン、シクロブチル−2−メチ
ルへキシルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチ
ルジメトキシシラン、シクロペンチルイソペンチルジメ
トキシシラン、シクロペンチル−2−メチルブチルジメ
トキシシラン、シクロペンチルネオペンチルジメトキシ
シラン、シクロペンチル−2−メチルへキシルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルイソペンチルジメトキシシラン、シ
クロヘキシル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シ
クロヘキシルネオペンチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロ
へプチルイソブチルジメトキシシラン、シクロへプチル
イソペンチルジメトキシシラン、シクロへプチル−2−
メチルブチルジメトキシシラン、シクロへプチルネオペ
ンチルジメトキシシラン、シクロへプチル−2−メチル
へキシルジメトキシシラン、シクロオクチルイソブチル
ジメトキシシラン、シクロオクチルイソペンチルジメト
キシシラン、シクロオクチル−2−メチルブチルジメト
キシシラン、シクロオクチルネオペンチルジメトキシシ
ラン、シクロオクチル−2−メチルへキシルジメトキシ
シラン、1−ノルボルニルイソブチルジメトキシシラ
ン、1−ノルボルニルイソペンチルジメトキシシラン、
1−ノルボルニル−2−メチルブチルジメトキシシラ
ン、1−ノルボルニルネオペンチルジメトキシシラン、
1−ノルボルニル−2−メチルへキシルジメトキシシラ
ン、2−ノルボルニルイソブチルジメトキシシラン、2
−ノルボルニルイソペンチルジメトキシシラン、2−ノ
ルボルニル−2−メチルブチルジメトキシシラン、2−
ノルボルニルネオペンチルジメトキシシラン、2−ノル
ボルニル−2−メチルへキシルジメトキシシラン等が挙
げられる。好ましくは、シクロペンチルイソブチルジメ
トキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシ
ランが挙げられる。
方法によって合成することができる。代表的な合成経路
は、下記のとおりである。
i(OMe)3 は有機ケイ素化合物から公知のアルキル
化、アルコキシ化反応等により得ることができる。更
に、R 1Si(OMe)3に対して、公知のグリニャール
反応により、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
を得ることができる。
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。成分の有機金属化合物は、前記の(2)で述べた有
機金属化合物と同じである。 〔II〕オレフィン重合体の製造方法 本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記のオレフ
ィン重合触媒の存在下、オレフィンを重合させる方法で
ある。触媒の成分の使用量については、特に制限はない
が、(A)成分の固体触媒成分は、チタン原子に換算し
て、反応容積1リットル当たり、通常0.0005〜1
ミリモルの範囲になるような量が用いられ、(C)成分
の有機金属化合物は、金属/チタン原子比が通常1〜1
000、好ましくは10〜500の範囲になるような量
が用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒
活性が不十分となることがある。また、(C)成分の有
機ケイ素化合物は、(C)有機ケイ素化合物/(B)有
機金属化合物モル比が、通常0.02〜2.0、好まし
くは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられ
る。このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性
が得られないことがある。本発明に用いられるオレフィ
ンとしては前記一般式(3)で表わされるα−オレフィ
ンが挙げられる。前記α−オレフィンの中で、特にプロ
ピレンが好適である。また、本発明のオレフィン重合体
の製造方法としては、プロピレンの単独重合でもよい
し、プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン
等のα−オレフィンとの共重合であってもよい。さら
に、ブタジエンなどのジエン類、その他各種のオレフィ
ン類も必要に応じて用いることができる。
ける重合形式については特に制限はいが、特に気相重合
が好ましい。さらに、重合方式としては回分式重合や連
続重合のどちらであってもよく、また異なる条件での2
段階重合や多段重合も適用可能である。
限はなく、通常、大気圧〜8MPa(Gauge)、好
ましくは0.2〜5MPa(Gauge)、重合温度
は、通常、0〜200℃、好ましくは、30〜100℃
の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料のオレフィンの
種類や重合温度によって左右され一概に定めることがで
きないが、通常、5分〜20時間、好ましくは、10分
〜10時間程度である。
水素の添加を行うことで調節することができる。また、
窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。前記の触媒及
び該触媒を用いる本発明のオレフィン重合体の製造方法
によれば、従来のマグネシウム、チタン、ハロゲン及び
電子供与性化合物からなる触媒系に比べ、少量の水素量
で容易に高溶融流動性のオレフィン重合体が得られる。
例えば、プロピレン単独重合体で示せば、プロピレン単
独重合体のテトラリン溶媒中135℃にて測定した極限
粘度[η](デシリットル/グラム)と重合時の水素分
圧(MPa)と全圧(MPa)の関係が好ましくは [η]≦−2.7975×([水素分圧]/[全圧])+1.
80 より好ましくは [η]≦−2.7975×([水素分圧]/[全圧])+1.
68 を満たす。
(A)成分と(B)成分と(C)成分とを所定の割合で
混合し、接触させたのち、ただちにオレフィン類を導入
して重合をおこなってもよいし、接触後、0.2〜3時
間程度熟成させたのち、オレフィン類を導入して重合を
行ってもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やオ
レフィン類などに懸濁して供給することができる。
により行うことができる。すなわち、気相重合法におい
ては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、
その中に含まれるオレフィンなどを除くために、窒素気
流などを通過させてもよいし、また、所望に応じて押出
機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に
失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加す
ることもできる。 〔III〕オレフィン重合体 本発明のオレフィン重合体は前記のオレフィン重合体の
製造方法により得られる重合体である。なかでも、プロ
ピレン重合体が好ましく、さらに好ましくはプロピレン
単独重合体である。プロピレン単独重合体としては、通
常JIS−K7210に準拠し、230℃、2.16k
gにて測定したメルトフローレート(MFR)が0.0
1〜1000(g/10min)、好ましくは0.1〜
500である。また、ゲルパーミエイションクロマトグ
ラフィーにより測定したMw/Mnが通常3.5〜5.
0、好ましくは3.5〜4.5である。特に、DSC測
定による融解吸熱量ΔH(J/g)とテトラリン溶媒中
135℃にて測定した極限粘度[η](デシリットル/
グラム)が下記の関係を満たすプロピレン単独重合体
は、引張り弾性率や耐衝撃強度が高く、かつ溶融流動性
に優れるので好ましい。 ΔH>123.1×[η]-0.079 −4.5 なお、ΔHと[η]の測定方法については実施例にて述
べる。
ルの攪拌機付三つロフラスコにジエトシマグネシウム1
6gを投入する。更に脱水処理したオクタンを80ミリ
リットル加えた。40℃に加熱し、四塩化珪素2.4ミ
リリットルを加え、20分間攪拌し、フタル酸−ジ−n
−ブチル(DNBP)を3.4ミリリットル加えた。溶
液を80℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを摘下ロ
ートを用いて77ミリリットル滴下した。内温を125
℃として2時間接触させた。その後、攪拌を停止して固
体を沈降させ、上澄みを抜き出した。100ミリリット
ルの脱水オクタンを加え、攪拌しながら125℃まで昇
温し、1分間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降さ
せ、上澄みを抜き出した。この洗浄操作を7回繰り返し
た。更に四塩化チタンを122ミリリットル加え、内温
を125℃とし、2時間接触させた。その後、125℃
の脱水オクタンによる洗浄を6回繰り返し固体触媒成分
を得た。 (予備重合)窒素で置換した内容積0.5リットルの攪
拌機付き三つ口フラスコに固体触媒成分を6g投入す
る。更に脱水処理したヘプタンを47ミリリットル加え
た。トリエチルアルミニウム1.8ミリリットルとシク
ロヘキシルイソブチルジメトキシシラン(CyiBuS
i)0.9ミリリットル加えた。内温を50℃とし、こ
れにプロピレンガスを常圧で流通させ2時間反応させ
た。その後、固体成分は脱水ヘプタンを用いて充分洗浄
を行い触媒Aを得た。 (重合方法)窒素ガスで充分乾燥し、次いでプロピレン
ガスで置換された内容積5リットルの攪拌装置付きステ
ンレス製オートクーブを70℃に保ち、プロピレンガス
で0.05MPa(Gauge)に昇圧した。この状態
で水素ガスを0.67MPa(Gauge)張り込み、
更にプロピレンガスで2.8MPa(Gauge)まで
徐々に昇圧した。次いで、窒素ガスで置換された60ミ
リリットルの触媒投入管にヘプタン20ミリリットル、
トリエチルアルミニウム4ミリモル、シクロヘキシルイ
ソブチルジメトキシシラン(CyiBuSi)1ミリモ
ル、触媒AをTi原子当たり0.02ミリモルをそれぞ
れ採取後、オートクーブに投入して120分間重合し
た。その後、外気圧まで降圧し、常温まで降温した後、
オートクレーブを開放し、生成ポリマーパウダーを回収
した。以上の触媒及び重合条件を表1に示す。
剤として、ステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)
製)を1000ppm、DHT−4A(協和化学(株)
製)を1500ppm、酸化防止剤としてP−EPQ
(クラリアント(株)製)を750ppm、イルガノッ
クス1010(チバ・スペシヤルティケミカルズ(株)
製)を1500ppm、結晶核剤としてPTBBA−A
l(大日本インキ化学工業(株)製)を2000ppm
加え、よく混合させた後、20mm単軸混練押出機にて
溶融混練造粒し、ペレットを作成した。ペレットの一部
用いて物性測定を行い、得られた結果を表1に示す。 〔実施例2〕プロピレン重合時の水素圧を0.35MP
a(Gauge)としたこと以外は実施例1と同様に行
った。 〔比較例1〕触媒調製時の内部ドナー種フタル酸ジ−n
−ブチル3.5ミリリットルをフタル酸ジエチル(DE
P)2.5ミリリットルに変えたこと以外は実施例1と
同様に行った。 〔比較例2〕予備重合時及び本重合時のドナーをシクロ
ヘキシルイソブチルジメトキシシランからジシクロペン
チルジメトキシシラン(DCPDMS)に変えたこと以
外は実施例1と同様に行った。
の水素により溶融流動性の高いオレフィン重合体を効率
よく製造することができる。
態様を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 (A)(a)四塩化チタンとマグネシウ
ム化合物とフタル酸ジアルキル(アルキル基は炭素数3
〜20の直鎖状炭化水素基または分岐状炭化水素基であ
る)を接触させて得られる固体触媒成分と(b)有機金
属化合物と(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物の存在下、オレフィン類を接触させて得られる予
備重合触媒成分、(B)有機金属化合物及び(C)下記
一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物からなるオ
レフィン重合触媒。 【化1】 (式中、R1は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2
は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、R3は炭素数1
〜20の炭化水素基を示す。) - 【請求項2】 マグネシウム化合物がアルコキシマグネ
シウムである請求項1記載のオレフィン重合触媒。 - 【請求項3】 R1がシクロヘキシル基またはシクロペ
ンチル基である請求項1または2記載のオレフィン重合
触媒。 - 【請求項4】 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化
合物がシクロヘキシルイソブチルジメトキシシランであ
る請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触
媒。 - 【請求項5】 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化
合物がシクロペンチルイソブチルジメトキシシランであ
る請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触
媒。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のオレフ
ィン重合触媒の存在下、オレフィンを気相重合させるオ
レフィン重合体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載のオレフィン重合体の製造
方法により得られるオレフィン重合体。 - 【請求項8】 オレフィンがプロピレンである請求項6
記載のオレフィン重合体。 - 【請求項9】 DSC測定による融解吸熱量ΔH(J/
g)とテトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度
[η](デシリットル/グラム)が下記の関係を満たす
請求項8記載のオレフィン重合体。 ΔH>123.1×[η]-0.079 −4.5
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