JPH0723874Y2 - 電磁継電器 - Google Patents

電磁継電器

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JPH0723874Y2
JPH0723874Y2 JP16211288U JP16211288U JPH0723874Y2 JP H0723874 Y2 JPH0723874 Y2 JP H0723874Y2 JP 16211288 U JP16211288 U JP 16211288U JP 16211288 U JP16211288 U JP 16211288U JP H0723874 Y2 JPH0723874 Y2 JP H0723874Y2
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秀明 辻
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Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の分野〉 この考案は複数極の接点機構を有する電磁継電器に関す
るものである。
〈従来技術と課題〉 一般に、接点構成が複数極の場合、複数極の接点で電源
開閉を行なうと、接点間の電位差により接点極間でアー
ク短絡が起こり、過大電流が流れて接点部位の焼損を招
く。
このため、従来では、第7図に示すように左右に並設さ
れた複数の接点機構101,102間に位置して、カバー103の
上壁内面および端子ベース104の内面に、前後方向に延
びて、互に先端部同志が嵌合する絶縁壁105,106を形成
してあり、可動鉄片107の駆動力を可動接触片108に伝達
する合成樹脂製のカード109を上記両絶縁壁105,106の後
方に配置し、このカード109の前面に一体に突設された
棒状の駆動片110の先端部を可動接触片107に係合した構
成が採られている。
しかし、上記従来のものは、絶縁壁105,106の後方にカ
ード109が配置されているので、該絶縁壁105,106の前後
方向の長さを十分確保しようとすれば、それだけカード
109の前後方向のストローク長が制約を受けることにな
る。換言すれば、上記ストロークを大きくとろうとすれ
ば、駆動片110の突出長を長くしなければならなくな
る。
上記駆動片110が長くなると、各接点機構101,102の接点
開閉時のアーク熱で変形しやすくなる。この熱変形に対
処するため、上記駆動片110を厚肉もしくは幅広に形成
した場合は、カードブロツク全体が重くなり、駆動性が
鈍り、接点開閉の応答性の悪化を招くことになるうえ、
長寸の駆動片110の安定支持のために上記接点機構101,1
02を妨げることなく支持手段を設ける新な工夫も必要と
なる。
〈考案の目的〉 この考案は上記従来のものの問題点を解消するためにな
されたもので、極間の絶縁性に優れ、しかもカードの長
ストローク化と熱的変形防止を図ることができ、さらに
カードの安定支持で適正な動作を確保し得る電磁継電器
を提供することを目的としている。
〈考案の構成と効果〉 この考案に係る電磁継電器は、端子ベースおよびこの端
子ベースに嵌着されるカバーからなるケースと、絶縁部
材に植設された可動接触片を有し、上記端子ベースに並
設された複数極の接点機構と、上記接点機構の後方に位
置して上記ケース内に配置された電磁石装置と、各極の
接点機構間に位置して上記カバーの上壁内面に垂設され
た上側絶縁壁と、この上側絶縁壁に対応して上記端子ベ
ースの内面に立設された下側絶縁壁と、上記電磁石装置
における可動鉄片の駆動力を接点機構に伝達する電気絶
縁性合成樹脂からなるカードとを備え、上記カードを上
記両絶縁壁間に配設するとともに、前後移動可能に設定
し、上記カードの上面側と上側絶縁壁とにカードのガイ
ド保持用の上側遊嵌部を設け、上記カードの下面と下側
絶縁壁とにカードのガイド保持用の下側遊嵌部を形成
し、上記各接点機構における各絶縁部材に、1対の弾性
突出片をそれぞれ形成するとともに、弾性突出片の各先
端を上記カードに形成された左右両翼部上面にそれぞれ
近接して設定したものである。
この考案によれば、電気絶縁性カードを上下の絶縁壁間
に位置させたので、これら3者により、接点機構の極間
の絶縁性が確保できるうえ、上記両絶縁壁の前後方向の
延設長さに関係なくカードのストローク長を大に設定す
ることができる。さらに、カードに従来のような駆動片
を設ける必要がないため、アーク熱による変形のおそれ
もなくなり、しかもカードを大形化する必要もないの
で、駆動力伝達の応答性もよく、安定した動作性能を得
ることができ、また両絶縁壁を利用したカードの保持構
造のため、接点機構の邪魔にならず、構成も簡素にな
る。とくに、上記カードの両翼部に絶縁部材に設けた弾
性突出片の各先端を近接して設定したので、カードの姿
勢が安定し、動作性の一層の安定化を図ることができ
る。
〈実施例の説明〉 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて説明す
る。
第1図,第2図および第3図はそれぞれこの考案に係る
電磁継電器の一例を示す分解斜視図、側面断面図および
正面断面図である。
この電磁継電器は、大別して、ケースAと、このケース
Aに収容された電磁石装置Bと、左右2極の接点機構C,
Dと、電子回路ユニツトEとからなる。
上記ケースAは、たとえば端子ベース1と、この端子ベ
ース1に嵌着されるカバー2とからなる。上記端子ベー
ス1は電気絶縁合成樹脂から略板形に成形されており、
左右の極の接点機構C,Dに対応して複数の端子挿入孔3,
4,5,6が形成されている。
上記端子挿入孔3,4には、常開側および常閉側固定端子
片7,8がそれぞれ圧入して固定されている。これら固定
端子片7,8には、圧入時に上記端子挿入孔3,4の内壁にそ
れぞれ食い込み状に係止する突起9,10が形成されてい
る。11,12は上記固定端子片7,8にそれぞれ固着された常
開および常閉固定接点である。
13,13は絶縁性合成樹脂等からなる絶縁柱14,14にそれぞ
れ植設された1対の可動接触片であり、各先端部には、
上記常開および常閉固定接点11,12に接離する可動接点1
5がそれぞれ固着されている。上記各可動接触片13の各
基端部には、上記絶縁柱14に植設され、かつ上記端子挿
入孔5に圧入して固定される可動端子片16の基端部が連
結されている。上記常開および常閉側固定端子片7,8、
常開および常閉固定接点11,12、さらに可動接触片13、
可動接点15等により、それぞれ左右の接点機構C,Dを構
成している。
17は後述する可動鉄片の駆動力を上記各極の可動接触片
13,13に伝達する電気絶縁性合成樹脂製のカードであ
り、第6図に示すように板形基部17aと、その左右に突
設された翼部17b,17cと、上記基部17aの上面中央に立設
された1対の立壁17d,17eと、上記基部17aの下面中央に
形成された凸部17fとからなり、上記左右の翼部17b,17c
には、上記可動接触片13,13の各先端部に差し込まれる
連結用のスリツト18が形成されている。19,19は上記各
翼部17b,17cに対応して上記絶縁柱14,14にそれぞれ下向
きに形成された弾性突出片であり、これら弾性突出片1
9,19の各先端部は、スリツト18,18に可動接触片13,13を
それぞれ差し込む際にカード17の翼部17b,17cで弾性変
形し、カード17の翼部17b,17cの下面が前記絶縁柱14,14
にそれぞれ形成された段部14a,14aに当接する位置で弾
性復帰し、この復帰状態での上記弾性突出片19,19の各
先端が上記両翼部17b,17cの上面に近接するように設定
してある。
20は水平片部20aと垂直片部20bとからなるL形のヨーク
であり、その水平片部20aには、鉄心21の基端部が固着
されている。22は上記鉄心21に外装された合成樹脂製の
コイルスプールであり、上下両端につば部22a,22bを有
し、両つば部22a,22b間には、励磁コイル23が巻回され
ている。24A,24Bは上記下側つば部22bに植設された1対
のコイル端子片(電源端子片)であり、各外端部は上記
端子挿入孔6に圧入して固定されており、内端部には、
励磁コイル23の両引き出し端部23a,23aが半田付等で接
続・固定されている。上記ヨーク20、鉄心21、コイルス
プール22、コイル23および後述する可動鉄片等により、
前記電磁石装置Bが構成されている。
25は上記接点機構C,Dと上記電磁石装置Bとの間に位置
して上記ベース1上に立設された略袋形の絶縁嵌合壁で
あり、この絶縁嵌合壁25に上記ヨーク20の下端部を圧入
することにより、上記電磁石装置Bの電磁石部をベース
1に取り付けてある。
26は吸着片部26aと駆動片部26bとで略L形に形成された
可動鉄片であり、その折曲コーナ部26cが上記ヨーク20
の垂直片部20bの先端に形成された切欠部20cに回動可能
に枢支されており、駆動片部26bの先端側と上記カード1
7の後端とに両者26,17の係合部27,28が形成されてい
る。29は基端部が上記ヨーク20の垂直片部20bに固定さ
れたヒンジばねであり、その先端部で上記可動鉄片26の
折曲部を外面から弾性的に押圧している。
30はプリント配線基板であり、第4図に示す発光ダイオ
ード31と電流制限用抵抗体32との直列体からなり、前記
コイル23に並列接続される動作表示回路33等が設定さ
れ、さらに上記コイル23に電気的に並列接続されるサー
ジ吸収用ダイオード34が装着されている。これら素子3
1,32,34は上記プリント配線基板30とで回路ユニツトE
を構成している。35A,35Bは上記プリント配線基板30に
形成されて上記動作表示回路33が接続された1対の端子
接続孔である。
36A,36Bは1対の弾性中継端子片であり、各中央部に切
り起し形成された突片37A,37Bを、前記コイルスプール2
2の上側つば部22aの周面に形成された凹部38A,38Bに圧
入することにより、該つば部22aに固定されている。両
弾性中継端子片36A,36Bの各下端部36a,36aは、第5図に
示すように、コイル端子片24A,24Bに差し込まれる2股
状の挟着片部として構成されている。上記中継端子片36
A,36Bの各上端部36b,36bを上記端子接続孔35A,35Bに差
し込んで半田付けすることにより、上記プリント配線基
板30を保持するとともに、上記表示回路33に電気的に接
続してある。
前記プリント配線基板30の前部下面は前記ヨーク20の垂
直片部20bの上端面20dに支承されており、この支承部に
対応してその上面は、上記カバー2の上壁内面に形成さ
れたリブ39に押圧されている。40は上記カバー2の上壁
内面に垂設された絶縁性隔壁であり、プリント配線基板
30の前端面に当接して位置決めするとともに、該配線基
板30とカバー2の上壁とともに、動作表示回路33等の収
容空間41を形成している。
上記左右の接点機構C,D間に位置して上記カバー2の上
壁内面には、上記隔壁40から前端側まで延在する上側絶
縁壁42が垂設され、さらに、上記端子ベース1の内面に
は、上記上側絶縁壁43が立設されており、上記絶縁壁42
の下端と下側絶縁壁の上端との間に前記カード17が配設
されるとともに、前後方向(矢印a,b方向)へ移動可能
に設定されている。
上記上側絶縁壁42の先端部42aは、上記カード17の立壁1
7d,17e間で形成された縦溝44内に遊嵌されており、上側
絶縁壁42の先端部42aとで、カード17の上側遊嵌部45を
構成している。また、上記下側絶縁壁43の上端面には、
前記カード17の凸部17fを支承する凹入部46が形成され
ており、上記凸部17fと凹入部46とでカード17の下側遊
嵌部47を構成している。
なお、第1図中、48はカバー2の側壁に形成されて上記
端子ベース1側の係止突部49に係脱可能に係合する係合
孔である。
つぎに、上記構成の動作について説明する。
1対のコイル端子24A,24Bからのコイル23への通電によ
る励磁状態では、鉄心21の先端面に吸着力が生起する。
このため、可動鉄片26の吸着片部26aが上記鉄心21の先
端面に吸着され、該可動鉄片26はその折曲コーナ部26c
を中心にして回動し、駆動片部27によりカード17が前方
(矢印a方向)へ駆動される。カード17の前方への変位
により可動接触片13も前方へ撓わまされるため、可動接
点15は常閉固定接点12から離れ、常開固定接点11に接触
し、両接点15,11間が閉成される。
上記コイル23への通電により、動作表示回路33にも弾性
中継端子片36A,36Bを介して電圧が印加され、発光ダイ
オード31が点灯し、上記動作状態が表示される。
上記コイル23の励磁を解くと、上記鉄心21の先端面に吸
着力は生じなくなるため、カード17は可動接触片13の弾
性力で矢印b方向へ後退し、可動鉄片26も復帰方向へ回
動する。これにより、可動接点15も常開固定接点11から
離れ、常閉固定接点12側へ接触して、元状に復される。
ここで、上記左右の接点機構C,D間に位置する上側絶縁
壁42の下端42aとこれに対応する下側絶縁壁43の上端と
の間にカード17を配設したので、上記接点機構C,D間の
電気的絶縁が確保され、接点開閉時のアーク短路が防止
される。
とくに、上記絶縁壁42,43の前後方向の長さを十分にと
つて絶縁性の確実化を図る場合でも、カード17のストロ
ークが上記絶縁壁42,43の長さに全く影響を受けないの
で、大きなストローク長を容易に得ることができる。
さらに、カード17に、従来のように前方へ突出する駆動
片を設けなくとも、可動接触片13を駆動できるので、カ
ード17の機械的強度を配慮する必要もなくなるうえ、ア
ーク熱による変形のおそれが解消される。したがつて、
カード17の小形化が図れ、可動接触片13を開閉駆動する
ための動作が円滑、かつ鋭敏になされ、動作特性の向上
を期待することができる。
さらに、上記カード17の上面の立壁17d,17e間の間隙44
に上側絶縁壁42の下端部42aを遊嵌し、カード17の下面
の凸部17fを下側絶縁壁43の上端面に形成された凹入部4
6に支承させてあるので、カード17の保持構造が上記絶
縁壁42,43を利用した簡単な構成となり、接点機構C,Dの
妨げとなるおそれもない。
ところで、上記カード17を可及的円滑に移動できるよう
に、その上下面側の中央で上下の絶縁壁42,43に対して
遊嵌状態で支持させてあり、左右方向へ必要以上に傾動
すると、左右の可動接触片13,13への押当位置が変化す
ることになる。
この点につき、上記構成では、左右の絶縁柱14,14にそ
れぞれ形成した弾性突出片19,19の各先端を上記カード1
7の左右両翼部17b,17cの上面に近接させてあるので、こ
のカード17は、下側絶縁壁43の凹入部46と上記弾性突出
片19,19とにより、略3点支持状態となる。したがつ
て、左右方向へ必要以上に傾動するおそれもなく、安定
した支持状態のまま、移動可能となり、動作特性の一層
の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図はそれぞれこの考案に係る
電磁継電器の一例を示す分解斜視図、側面断面図および
前面断面図、第4図は同電磁継電器の回路構成図、第5
図は同電磁継電器における弾性中継端子片とコイル端子
片との接続構造を示す斜視図、第6図は同電磁継電器の
カード保持部周辺を示す斜視図、第7図は従来の電磁継
電器を示す一部破断斜視図である。 1…端子ベース、2…カバー、13…可動接触片、14…絶
縁部材、17…カード、17b,17c…翼部、19…弾性突出
片、26…可動鉄片、42…上側絶縁壁、43…下側絶縁壁、
45…上側嵌合部、47…下側嵌合部、A…ケース、B…電
磁石装置、C,D…接点機構。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】端子ベースおよびこの端子ベースに嵌着さ
    れるカバーからなるケースと、絶縁部材に植設された可
    動接触片を有し、上記端子ベースに並設された複数極の
    接点機構と、上記接点機構の後方に位置して上記ケース
    内に配置された電磁石装置と、上記各極の接点機構間に
    位置して上記カバーの上壁内面に垂設された上側絶縁壁
    と、この上側絶縁壁に対応して上記端子ベースの内面に
    立設された下側絶縁壁と、上記電磁石装置における可動
    鉄片の駆動力を上記接点機構に伝達する電気絶縁性合成
    樹脂からなるカードとを備え、上記カードを上記両絶縁
    壁間に配設するとともに、前後移動可能に設定し、上記
    カードの上面側と上側絶縁壁とにカードのガイド保持用
    の上側遊嵌部を設け、上記カードの下面と下側絶縁壁と
    にカードのガイド保持用の下側遊嵌部を形成し、上記各
    接点機構における各絶縁部材に、1対の弾性突出片をそ
    れぞれ形成するとともに、弾性突出片の各先端を上記カ
    ードに形成された左右両翼部上面にそれぞれ近接して設
    定したことを特徴とする電磁継電器。
JP16211288U 1988-12-09 1988-12-13 電磁継電器 Expired - Lifetime JPH0723874Y2 (ja)

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