JPH0749711Y2 - 電磁継電器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の分野〉 この考案は、動作表示回路等の電子回路を内蔵した電磁
継電器に関するものである。

〈従来技術と課題〉 従来、この種電磁継電器として、第４図に示すように発
光ダイオード101と電流制限用抵抗体102との直列体から
なる動作表示回路103が設定された配線基板104にフツク
片105を設け、このフツク片105を電磁石ブロツク106に
おけるヨーク107の一片部に嵌合し、上記電磁石ブロツ
ク106におけるコイル（図示せず）上に巻回された２次
側コイル108の引き出し端部108aを上記表示回路103の両
端リード部101a,102aにそれぞれ半田109等でろう付け接
続したものがある。

しかし、上記従来のものは、動作表示回路基板104をフ
ツク片105を介してヨーク107側に嵌合して取り付ける構
成のため、フツク片105とヨーク107側との寸法精度を厳
密に管理しないと、上記配線基板104にがたつきが生じ
る。このがたつきがあると、使用時の振動・衝撃に共振
し、これが２次コイル108の引き出し端部108aに伝達さ
れ、機械的ストレスにより、この部分が断線するおそれ
がある。

〈考案の目的〉 この考案は上記従来のものの問題点を解消するためにな
されたもので、電子回路設定用配線基板の取付の安定化
を、図り得る電磁継電器を提供することを目的としてい
る。

〈考案の構成と効果〉 この考案に係る電磁継電器は、つば部を有する合成樹脂
製のコイルスプールと、このコイルスプールに巻回され
たコイルと、このコイルに電気的に並列接続された配線
基板とをケース内に備え、上記コイルスプールのつば部
に固定されて、各一端部が上記コイルの引き出し端部に
電気的に接続される１対の端子片の各他端部を、上記配
線基板の端子接続孔に差し込んで該配線基板を保持させ
るとともに、上記電子回路に接続したものである。

また、上記ケースの内壁に、ケース内に固定されたヨー
クの先端とで上記配線基板を挟着するリブを形成しても
よい。

この考案によれば、コイルスプールのつば部周面に固定
された端子片の各先端部に電子回路設定用配線基板を差
し込み状に保持させるようにしたので、従来のように配
線基板をヨークに嵌合するものに比して寸法精度上のが
たつきもなく、該配線基板の取付状態の安定化が図れ、
しかも使用時の振動・衝撃を上記端子片の弾力で吸収し
て、コイル引き出し端部の断線を防止することができ
る。

また、上記配線基板をヨークの先端とケース側のリブと
で挟着すれば、該配線基板の取付状態が一層、安定的に
なる。

〈実施例の説明〉 以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明す
る。

第１図および第２図はそれぞれこの考案に係る電磁継電
器の一例を示す分解斜視図および側面断面図である。

この電磁継電器は、大別して、ケースＡと、このケース
Ａに収容された電磁石ブロックＢと、接点機構Ｃと、電
子回路ユニツトＤとからなる。

上記ケースＡは、たとえば端子ベース１と、このベース
１に嵌着されるカバー２とからなる。上記端子ベース１
は電気絶縁性合成樹脂から略板形に成形されており、左
右で対をなす複数組の端子挿入孔,3,4,5,6が形成されて
いる。

上記端子挿入孔3,4には、常開側および常閉側固定端子
片7,8がそれぞれ圧入して固定されている。これら固定
端子片7,8には、圧入時に上記端子挿入孔3,4の内壁にそ
れぞれ食い込み状に係止する突起9,10が形成されてい
る。11,12は上記固定端子片7,8にそれぞれ固着された常
開および常閉固定接点である。

13,13は絶縁性合成樹脂等からなる絶縁柱14,14にそれぞ
れ植設された１対の可動接触片であり、各先端部には、
上記常開および常閉接点11,12に接離する可動接点15が
それぞれ固着されている。上記可動接触片13の各基端部
は可動側端子片16として上記端子挿入孔５に圧入して固
定されている。上記常開および常閉側固定端子片7,8、
常開および常閉固定接点11,12、さらに可動接触片13、
可動接点15等により、接点機構Ｃを構成している。

17は合成樹脂等からなるカードであり、上記可動接触片
13の先端側が差し込まれる連結用の溝18が形成されてい
る。このカード17は前記絶縁柱14の段部14a上に配置さ
れ、かつ基部17aが絶縁柱14,14に形成されたカード保持
片19,19の各先端に当接されて前後方向（矢印a,b方向）
へ摺動可能に保持されている。

20は水平片部20aと垂直片部20bとからなるＬ形のヨーク
であり、その水平片部20aには、鉄心21の基端部が固着
されている。22は上記鉄心21に外装された合成樹脂製の
コイルスプールであり、上下両端につば部22a,22bを有
し、両つば22a,22b間には、励磁コイル23Aが巻回され、
さらにその上に２次コイル23Bが巻回されている（第３
図参照）。24A,24Bは上記下側つば22bに植設された１対
のコイル端子片（電源端子片）であり、各外端部は上記
端子挿入孔６に圧入して固定されており、内端部には、
励磁コイル23Aの両引き出し端部23a,23aが半田付等で接
続・固定されている。上記ヨーク20,鉄心21,コイルスプ
ール22およびコイル23A,23B等により、前記電磁石ブロ
ックＢが構成されている。

25は上記接点機構Ｃと上記電磁石ブロックＢとの間に位
置して上記ベース１上に立設された略袋形の絶縁壁であ
り、この絶縁壁25に上記ヨーク20の下端部を圧入するこ
とにより、上記電磁石ブロツクＢをベース１に取り付け
てある。

26は吸着片部26aと駆動片部26bとで略Ｌ形に形成された
可動鉄片であり、その折曲コーナ部26cが上記ヨーク20
の垂直部20bの先端に形成された切欠部20cに回動可能に
枢支されており、駆動片部26bの先端側と上記カード17
の後端とに両者26,17の嵌合部27,28が形成されている。
29は基端部が上記ヨーク20の垂直片部20bに固定された
ヒンジばねであり、その先端部で上記可動鉄片26の折曲
部を外面から弾性的に押圧している。

30はプリント配線基板であり、第３図に示す発光ダイオ
ード31と電流制限用抵抗体32との直列体からなり、前記
２次コイル23Bに並列接続される動作表示回路33等が上
側面に設定されている。34は上記プリント配線基板30の
前端に形成されたヒンジバネ回避用の切欠部である。上
記各素子31,32は上記プリント配線基板30とで回路ユニ
ツトＤを構成している。35A,35Bは上記プリント配線基
板30に形成されて上記動作表示回路33が接続された１対
の端子接続孔である。

36A,36Bは１対の中継端子片であり、各中央部に切り起
し形成された突片37A,37Bを、前記コイルスプール22の
上側つば部22aの周面に形成された凹部38A,38Bに圧入す
ることにより、該つば部22aに固定されている。両中継
端子片36A,36Bの各下端部36a,36aは上記２次コイル23B
の両引き出し端部23b,23bに半田付等で電気的に接続・
固定されている。また、上記中継端子片36A,36Bの各上
端部36b,36bを上記端子接続孔35A,35Bに差し込んで半田
付けすることにより、上記プリント配線基板30を保持す
るとともに、上記表示回路33に電気的に接続してある。

前記プリント配線基板30の前部下面は前記ヨーク20の垂
直片部20bの上端面20dに支承されており、この支承部に
対応してその上面は、上記カバー２の上壁内面に形成さ
れたリブ39に押圧されている。40は上記カバー２の上壁
内面に垂設された絶縁性隔壁であり、プリント配線基板
30の前端面に当接して位置決めするとともに、該配線基
板30とカバー２の上壁とともに、動作表示回路33等の収
容空間41を形成している。

なお、第１図中、42はカバー２の側壁に形成されて上記
端子ベース１側の係止突部43に係脱可能に係合する係合
孔である。

つぎに、上記構成の動作について説明する。

１対のコイル端子24A,24Bからのコイル23Aへの通電によ
る励磁状態では、鉄心21の先端面に吸着力が生起する。
このため、可動鉄片26の吸着片部26aが上記鉄心21の先
端面に吸着され、該可動鉄片26はその折曲コーナ部26c
を中心にして回動し、駆動片部27によりカード17が前方
（矢印ａ方向）へ駆動される。カード17の前方への変位
により可動接触片13も前方へ撓わまされるため、可動接
点15は常閉固定接点12から離れ、常開固定接点11に接触
し、両接点15,11間に閉成される。

上記コイル23Aへの通電により、２次コイル23Bも励磁さ
れるため、その両端間に電圧が生起し、発光ダイオード
31が点灯し、上記動作状態が表示される。

上記コイル23Aの励磁を解くと、上記鉄心21の先端面に
吸着力は生じなくなるため、カード17は可動接触片13の
弾性力で矢印ｂ方向へ後退し、可動鉄片26も復帰方向へ
回動する。これにより、可動接点15も常開固定接点11か
ら離れ、常閉固定接点12側へ接触して、元状に復され
る。

ここで、中継端子片36A,36Bの各突片37A,37Bをコイルス
プール22の上側つば部22aに形成された凹部38A,38Bに圧
入・固定し、この中継端子片36A,36Bの各先端部36b,36b
をプリント配線基板30の端子接続孔35A,35Bに差し込ん
で半田付けで固定したので、該プリント配線基板30が上
記中継端子片36A,36Bを介して上記つば部22aに固定され
た状態となる。すなわち従来のフツク片を介して嵌合さ
せて取付けるもののようなプリント配線基板30のがたつ
きが生じることもないうえ、２次コイル23Bの両引き出
し端部23b,23bも上記中継端子片36A,36Bに接続されてい
るため、使用時の振動が中継端子片36A,36Bの有する弾
性で吸収され、コイル引き出し端部23b,23bの断線が確
実に防止される。

さらに、上記プリント配線基板30の前部がカバー２側の
リブ39とヨーク20の垂直片部20bの先端との間で挟着さ
れるため、該プリント配線基板30の保持状態が一層安定
化されるとともに、ヨーク20のベース１への取付強度も
強化されることになる。

さらに、この例では、発光ダイオード31等の回路素子が
プリント配線基板30の上面に設定され、絶縁性隔壁40に
より接点機構Ｃ側と絶縁され、電磁石ブロツクＢ側とは
プリント配線基板30により絶縁されており、したがっ
て、絶縁特性の向上を図ることができる。

なお、上記の例では、コイルスプール22の上側つば部22
aに固定された１対の中継端子片36,36Bでプリント配線
基板30を保持したもので説明したが、たとえば１対のコ
イル端子片24A,24Bにそれぞれ上記中継端子片36A,36Bを
連成したもの等で配線基板保持用の端子片を構成しても
よい。また、上記の例では、上記動作表示回路33等を２
次コイル23Bに並列接続したものであるが、励磁コイル2
3Aに並列接続させるものでも、適用可能である。

さらに、上記中継端子片36A,36Bのコイルスプール22の
つば部22aへの固定構造も、突片37A,37Bと凹部38A,38B
とによるものに限定されることなく、変形構造を採用で
きるものである。

さらにまた、上記プリント配線基板30に設定される電子
回路も、上記の例に限定されることなく、種々、採用可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれこの考案に係る電磁継電
器の一例を示す分解斜視図および側面断面図、第３図は
同電磁継電器の回路構成図、第４図は従来の電磁継電器
を示す斜視図である。 20……ヨーク、22……コイルスプール、22a……つば
部、23B……コイル、30……配線基板、35A,35B……端子
接続孔、36A,36B……端子片、39……リブ、Ａ……ケー
ス。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】つば部を有する合成樹脂製のコイルスプー
   ルと、このコイルスプールに巻回されたコイルと、この
   コイルに電気的に並列接続される電子回路が設定された
   配線基板とをケース内に備え、上記コイルスプールのつ
   ば部に固定されて、各一端部が上記コイルの引き出し端
   部に電気的に接続される１対の端子片の各他端部を、上
   記配線基板の端子接続孔に差し込んで該配線基板を保持
   させるとともに、上記電子回路に電気的に接続したこと
   を特徴とする電磁継電器。
2. 【請求項２】ケース内に固定されたヨークの先端とで上
   記配線基板を挟着するリブを上記ケースの内壁に形成し
   た請求項１に記載の電磁継電器。