JP2004119391A - 電磁継電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
切換え性能を安定させることができるとともに接点間の絶縁不良をなくすことができる電磁継電器を提供する。
【解決手段】
第1の可動接片13に設けた第1の可動接点20が接続される第1の常開接点16を設けた第1の常開接点ターミナル5および第2の可動接片14に設けた第2の可動接点21が接続される第2の常開接点17を設けた第2の常開接点ターミナル6のあいだのターミナルベース2上に壁状に形成され、コイル11の非励磁時に両可動接片13,14により両可動接点20,21が両常開接点16,17から離れる方向に付勢されるアーマチュア12に衝突可能に配設され該アーマチュア12の停止位置を定める常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7をそなえている電磁継電器1。
【選択図】
図1
切換え性能を安定させることができるとともに接点間の絶縁不良をなくすことができる電磁継電器を提供する。
【解決手段】
第1の可動接片13に設けた第1の可動接点20が接続される第1の常開接点16を設けた第1の常開接点ターミナル5および第2の可動接片14に設けた第2の可動接点21が接続される第2の常開接点17を設けた第2の常開接点ターミナル6のあいだのターミナルベース2上に壁状に形成され、コイル11の非励磁時に両可動接片13,14により両可動接点20,21が両常開接点16,17から離れる方向に付勢されるアーマチュア12に衝突可能に配設され該アーマチュア12の停止位置を定める常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7をそなえている電磁継電器1。
【選択図】
図1
Description
この発明は、コイルを励磁させることによってアーマチュアを駆動させて回路を切換えるのに利用される電磁継電器に関する。
コイルを励磁させることによってアーマチュアを駆動させて回路を切換える電磁継電器としては、図5および図6に示されるものが知られている。図示する電磁継電器50は、樹脂製のターミナルベース51上に、コイル52を設けたボビン53と、ポール54aを固定したフレーム54bを備えた磁路形成部材54と、アーマチュア55と、可動接片56,57とが配置されているものが知られている。ターミナルベース51には、一端側から他端側までのあいだに、並列に圧入された2個のコイルターミナル58,59と、コイルターミナル58,59に直交する方向にして並列に圧入された2個の常開接点ターミナル60,61と、同じくコイルターミナル58,59に直交する方向にして並列に圧入された2個の可動接点ターミナル62,63とが備えられている。これら各ターミナル58,59、60,61、62,63の配列は財団法人日本規格協会発行 JISハンドブック 自動車 D5011 自動車用リレーの端子配列 A6−2M(以下、JIS規格と言う。)において定められている。
フレーム54bおよびアーマチュア55にはコイル52への通電によって発生する磁力に反する方向にアーマチュア55を付勢するための戻しばね64が取付けられており、アーマチュア55には弾性部材製の2個の可動接片56,57が互いに絶縁状態で一体的に結合されており、各可動接片56,57の先端側には可動接点65,66が夫々設けられている。また、各コイルターミナル58,59はターミナルベース51の一端寄りでコイル52の巻線の端部に夫々電気的に接続され、各常開接点ターミナル60,61はターミナルベース51上の他端寄りに常開接点67,68が夫々設けられ、各可動接点ターミナル62,63はターミナルベース51上の各常開接点67,68に対向する位置にひも銅線接続部62a,63aが夫々形成されている。各可動接点ターミナル62,63のひも銅線接続部62a,63aには導電性があって折曲げ可能なひも銅線69,70の一端側が夫々電気的に接続され、各ひも銅線69,70の他端側は各可動接片56,57の基端側に夫々電気的に接続されている。各常開接点67,68から離れる方向に各可動接点65,66を付勢している各可動接片56,57の先端側はターミナルベース51上で可動接点ターミナル62,63に夫々当接されることによって位置決めされ、アーマチュア55とポール54a間のエアーギャップ寸法が定められている。
ターミナルベース51に設けられているコネクタ挿入部51aには外部回路のコネクタが挿入されるため、コイルターミナル58,59からコイル52に通電されると、コイル52からフレーム54bとアーマチュア55とポール54aを通る磁力が発生し、この磁力によって戻しばね64に抗しマーアチュア55が吸引されて両可動接片56,57もアーマチュア55とともに移動され、両可動接片56,57の移動によって可動接点65,66が常開接点67,68に夫々接続され、可動接点ターミナル62,63に接続されている外部回路を常開接点ターミナル60,61に接続されている外部回路に夫々接続して切換える。
上記した従来の電磁継電器50では、コイル52の非励磁時に、戻しばね64によりアーマチュア55を介して各可動接点65,66が各可動接点65,66が各常開接点67,68から離れる方向に付勢され、各可動接片56,57の先端側が可動接点ターミナル62,63に夫々衝突する。従って、アーマチュア55とポール54a間のエアーギャップ寸法は、各可動接片56,57の先端側が可動接点ターミナル62,63に夫々衝突することにより定まるようになっていた。このため、各可動接片56,57に撓みなどの著しい変形があると、各可動接片56,57の位置、すなわち各常開接点67,68に対する各可動接点65,66の位置に狂いが生じてしまい、アーマチュア55とポール54a間のエアーギャップ寸法は一定にはならず、ばらついていた。エアーギャップ寸法にばらつきが起きると、電磁石の特性がばらつき、各可動接点65,66が各常開接点67,68に電気的に接続されるタイミングがずれる不具合が有った。また、コイル52の非励磁時に各可動接片56,57の先端側が可動接点ターミナル62,63に夫々衝突する構造であるため、その衝突により各可動接片56,57及び可動接点ターミナル62,63から削り落とされた摩耗粉が各接点65,66,67,68に付着する可能性があり、接点間の絶縁不良を惹起する恐れが有った。
この発明に係わる電磁継電器は、切換え性能を安定させることができるとともに接点間の絶縁不良をなくすことができる電磁継電器を提供することを目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
この発明の請求項1に係わる電磁継電器は、絶縁部材によって成形されたターミナルベースと、ターミナルベースに固定された第1、第2のコイルターミナルと、ターミナルベースに固定され、該ターミナルベース上に第1、第2の常開接点を並設した第1、第2の常開接点ターミナルと、上記ターミナルベースに固定された第1、第2の可動接点ターミナルと、上記ターミナルベース上に配置された磁路形成部材と、上記磁路形成部材を構成するフレームに固定されたボビンと、上記ボビンに巻回された巻線の両端部が上記両コイルターミナルにそれぞれ電気的に接続され、両コイルターミナルからの通電によって磁路形成部材内を通る磁力を発生するコイルと、可撓性のある導電部材により形成され、一端側が上記各可動接点ターミナルに電気的に接続され、他端側の上記各常開接点の対向位置に可動接点が夫々設けられ、各可動接点を各常開接点から離れる側に付勢可能に配置した第1、第2の可動接片と、上記フレームの端部に配置され、上記両可動接片に絶縁状態で結合され、上記コイルが発生した磁力により上記ボビンに配置した磁路形成部材を構成するポールに吸引移動されるアーマチュアと、上記第1の常開接点ターミナルおよび第2の常開接点ターミナルのあいだの上記ターミナルベース上に壁状に形成され、上記コイルの非励磁時に上記両可動接片により上記両可動接点が上記両常開接点から離れる方向に付勢されるアーマチュアに衝突可能に配設され該アーマチュアの停止位置を定める常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部をそなえている構成としたことを特徴としており、この発明の請求項2に係わる電磁継電器は、上記常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部は、第1の常開接点および第2の常開接点のあいだにアーマチュアの移動方向に沿って壁状をなす隔壁部と、この隔壁部のボビン側にアーマチュアの移動方向に直交して壁状をなすアーマチュア衝突部とが上記ターミナルベースに一体的に形成されていることとしており、この発明の請求項3に係わる電磁継電器は、上記隔壁部は、上記ボビンの近傍から上記ターミナルベースの端部まで延設され、上記アーマチュア衝突部は、上記隔壁部のボビン側に段差状に形成されていることとしている。
この発明の請求項1に係わる電磁継電器は、絶縁部材によって成形されたターミナルベースと、ターミナルベースに固定された第1、第2のコイルターミナルと、ターミナルベースに固定され、該ターミナルベース上に第1、第2の常開接点を並設した第1、第2の常開接点ターミナルと、上記ターミナルベースに固定された第1、第2の可動接点ターミナルと、上記ターミナルベース上に配置された磁路形成部材と、上記磁路形成部材を構成するフレームに固定されたボビンと、上記ボビンに巻回された巻線の両端部が上記両コイルターミナルにそれぞれ電気的に接続され、両コイルターミナルからの通電によって磁路形成部材内を通る磁力を発生するコイルと、可撓性のある導電部材により形成され、一端側が上記各可動接点ターミナルに電気的に接続され、他端側の上記各常開接点の対向位置に可動接点が夫々設けられ、各可動接点を各常開接点から離れる側に付勢可能に配置した第1、第2の可動接片と、上記フレームの端部に配置され、上記両可動接片に絶縁状態で結合され、上記コイルが発生した磁力により上記ボビンに配置した磁路形成部材を構成するポールに吸引移動されるアーマチュアと、上記第1の常開接点ターミナルおよび第2の常開接点ターミナルのあいだの上記ターミナルベース上に壁状に形成され、上記コイルの非励磁時に上記両可動接片により上記両可動接点が上記両常開接点から離れる方向に付勢されるアーマチュアに衝突可能に配設され該アーマチュアの停止位置を定める常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部をそなえている構成としたことを特徴としており、この発明の請求項2に係わる電磁継電器は、上記常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部は、第1の常開接点および第2の常開接点のあいだにアーマチュアの移動方向に沿って壁状をなす隔壁部と、この隔壁部のボビン側にアーマチュアの移動方向に直交して壁状をなすアーマチュア衝突部とが上記ターミナルベースに一体的に形成されていることとしており、この発明の請求項3に係わる電磁継電器は、上記隔壁部は、上記ボビンの近傍から上記ターミナルベースの端部まで延設され、上記アーマチュア衝突部は、上記隔壁部のボビン側に段差状に形成されていることとしている。
この発明の請求項1に係わる電磁継電器によれば、コイルの非励磁時には第1、第2の可動接片によって第1、第2の可動接点が第1、第2の常開接点から離れる方向に付勢されるアーマチュアは常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部に衝突するため、常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部に衝突したところにおいてアーマチュアの停止位置が定められる。このため、アーマチュアとポール間のエアーギャップ寸法は、各可動接片に撓みなどの変形があっても影響を受けず常に一定なものとなり、電磁石の特性にばらつきが生ぜず安定し、各可動接点が各常開接点に電気的に接続されるタイミングが一定となり、切換え性能が安定した電機継電器となる。この発明の請求項2に係わる電磁継電器によれば、コイルより発生した磁力によってアーマチュアが吸引移動されることにより第1、第2の可動接点が第1、第2の常開接点にそれぞれ接続される際、第1の常開接点ターミナルおよび第2の常開接点ターミナルのあいだに形成された壁状をなす常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部の隔壁部によって第1の常開接点と第2の常開接点、および第1の可動接点と第2の可動接点はそれぞれ互いに隔離された状態となる。それ故、第1の可動接点と第1の常開接点、および第2の可動接点と第2の常開接点がそれぞれ接触する際に磨耗粉が発生したとしても、その磨耗粉によって第1の常開接点と第2の常開接点、および第1の可動接点と第2の可動接点は互いに導通状態にはならず、接点間の絶縁不良を阻止することが可能となる。この発明の請求項3に係わる電磁継電器によれば、隔壁部はボビンの近傍からターミナルベースの端部まで延設され、アーマチュア衝突部は隔壁部のボビン側に段差状に形成されているので、接点間の絶縁不良をより確実に阻止するとが可能となるという優れた効果を奏する。
この発明の請求項1に係わる電磁継電器によれば、コイルの非励磁時には第1、第2の可動接片によって第1、第2の可動接点が第1、第2の常開接点から離れる方向に付勢されるアーマチュアは常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部に衝突するため、常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部に衝突したところにおいてアーマチュアの停止位置が定められる。このため、アーマチュアとポール間のエアーギャップ寸法は、各可動接片に撓みなどの変形があっても影響を受けず常に一定なものとなり、電磁石の特性にばらつきが生ぜず安定し、各可動接点が各常開接点に電気的に接続されるタイミングが一定となり、切換え性能が安定した電機継電器となる。この発明の請求項2に係わる電磁継電器によれば、コイルより発生した磁力によってアーマチュアが吸引移動されることにより第1、第2の可動接点が第1、第2の常開接点にそれぞれ接続される際、第1の常開接点ターミナルおよび第2の常開接点ターミナルのあいだに形成された壁状をなす常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部の隔壁部によって第1の常開接点と第2の常開接点、および第1の可動接点と第2の可動接点はそれぞれ互いに隔離された状態となる。それ故、第1の可動接点と第1の常開接点、および第2の可動接点と第2の常開接点がそれぞれ接触する際に磨耗粉が発生したとしても、その磨耗粉によって第1の常開接点と第2の常開接点、および第1の可動接点と第2の可動接点は互いに導通状態にはならず、接点間の絶縁不良を阻止することが可能となる。この発明の請求項3に係わる電磁継電器によれば、隔壁部はボビンの近傍からターミナルベースの端部まで延設され、アーマチュア衝突部は隔壁部のボビン側に段差状に形成されているので、接点間の絶縁不良をより確実に阻止するとが可能となる。
図1ないし図4にはこの発明に係わる電磁継電器の一実施例が示されている。
図示する電磁継電器1は、主として、ターミナルベース2、第1のコイルターミナル3、第2のコイルターミナル4、第1の常開接点ターミナル5、第2の常開接点ターミナル6、第1の可動接点ターミナル7、第2の可動接点ターミナル8、フレーム9aおよびポール9bよりなる磁路形成部材9、ボビン10、コイル11、アーマチュア12、第1の可動接片13、第2の可動接片14から構成されている。
ターミナルベース2は、絶縁性のある樹脂部材によって成形されており、板状をなすベース本体2aの下側に下方を開放させた略矩形の筒状をなすコネクタ挿入部2bが形成されている。ターミナルベース2の上側にはケース15が嵌め付けられる。コネクタ挿入部2bの内側には矩形状のコネクタガイド2b1が形成されており、このコネクタカイド2b1に沿ってコネクタ挿入部2b内に図示しない外部回路のコネクタが予め定められた向きで挿着される。
ターミナルベース2のベース本体2a上には、フレーム9a、ボビン10、コイル11、アーマチュア12が配置されている。フレーム9aは磁性部材によってL字状に形成されており、一端側がベース本体2aに圧入されている。このフレーム9aには樹脂部材製のボビン10の中央に配置された磁性部材製のポール9bが加締られており、ボビン10の外周に巻線11aを巻回したコイル11が設けられている。フレーム9aの他端部はポール9bの長さ方向に沿ってベース本体2aの一端側から他端側に向けて延出されており、このフレーム9aの他端側にアーマチュア12が配置され、このアーマチュア12およびフレーム9aの外側に後述する第1の可動接片13、第2の可動接片14が配置されている。コイル11は、巻線11aの両端部が後述する第1、第2のコイルターミナル3、4に電気的にそれぞれ接続されているため、第1、第2のコイルターミナル3、4から励磁電流が供給されると励磁され、フレーム9aとアーマチュア12とポール9bを通る磁力を発生して、アーマチュア12をポール9bに吸引させる。
ターミナルベース2のベース本体2aには、図3に示されるように、コネクタ挿入部2b内において、ベース本体2aの一端側である図中の右側寄りにコネクタガイド2b1を挟むように第1のコイルターミナル取付部2a1および第2のコイルターミナル取付部2a2が夫々定められ、ベース本体2aの他端側である図中の左側寄りに第1、第2のコイルターミナル取付部2a1、2a2に直交する方向に配置された第1の常開接点ターミナル取付部2a3および第2の常開接点ターミナル取付部2a4が夫々定められ、コネクタ挿入部2b内の第1、第2のコイルターミナル取付部2a1、2a2および第1、第2の常開接点ターミナル取付部2a3、2a4の中間に第1、第2のコイルターミナル取付部2a1、2a2に直交する方向に配置された第1の可動接点ターミナル取付部2a5および第2の可動接点ターミナル取付部2a6が夫々定められている。
ベース本体2aの第1のコイルターミナル取付部2a1には第1のコイルターミナル3がインサート成形によって一体的に固定され、第2のコイルターミナル取付部2a2には第2のコイルターミナル4がインサート成形によって一体的に固定され、第1の常開接点ターミナル取付部2a3には第1の常開接点ターミナル5がインサート成形によって一体的に固定され、第2の常開接点ターミナル取付部2a4には第2の常開接点ターミナル6がインサート成形によって一体的に固定され、第1の可動接点ターミナル取付部2a5には第1の可動接点ターミナル7がインサート成形によって一体的に固定され、第2の可動接点ターミナル取付部2a6には第2の可動接点ターミナル8がインサート成形によって一体的に固定されている。
ベース本体2aの第1のコイルターミナル取付部2a1に固定された第1のコイルターミナル3はコネクタ挿入部2b内が第1のコイル電源接続部3aになっており、第2のコイルターミナル取付部2a2に固定された第2のコイルターミナル4はコネクタ挿入部2b内が第2のコイル電源接続部4aになっている。また、第1のコイルターミナル3、第2のコイルターミナル4には、ベース本体2a上に対向して突出した第1、第2のコイル接続部3b、4bが夫々形成されており、これら各コイル接続部3b、4bにコイル11の巻線11aの両端部が夫々電気的に接続されていて両コイル接続部3b、4bに抵抗器22が電気的に接続されている。
ベース本体2aの第1の常開接点ターミナル取付部2a3に固定された第1の常開接点ターミナル5はコネクタ挿入部2b内が第1の常開接点側外部接続部5aになっており、第2の常開接点ターミナル取付部2a4に固定された第2の常開接点ターミナル6はコネクタ挿入部2b内が第2の常開接点側外部接続部6aになっている。また、第1の常開接点ターミナル5、第2の常開接点ターミナル6にはベース本体2a上に突出した第1、第2の常開接点取付部5b、6bが設けられており、第1、第2の常開接点取付部5b、6bに第1、第2の常開接点16、17が夫々取付けられている。第1、第2の常開接点ターミナル5、6はベース本体2aの他端からボビン10までのあいだに間隔を置いて配置されており、第1、第2の常開接点16、17は第1、第2の常開接点ターミナル5、6のベース本体2a上の他端側に向けて配置されている。
ここで、ターミナルベース2のベース本体2aには第1の常開接点ターミナル5および第2の常開接点ターミナル6のあいだに常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7が一体的に形成されている。この常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7には隔壁部2a8とアーマチュア衝突部2a9とが備えられており、隔壁部2a8はボビン10の近傍からベース本体2aの他端までの長さを有するものとして矩形の板状をなしてベース本体2a上に突出形成されている。この隔壁部2a8はアーマチュア12の移動方向に沿って第1の常開接点ターミナル5および第2の常開接点ターミナル6間に壁状をなすため、第1の常開接点ターミナル5の第1の常開接点16と第2の常開接点ターミナル6の第2の常開接点17とをベース本体2a上で絶縁状態とし、アーマチュア12が吸引移動された際、第1の常開接点16に接続される後述の第1の可動接点20および第2の常開接点17に接続される後述の第2の可動接点21をも絶縁状態とする機能を有する。そして、アーマチュア衝突部2a9は隔壁部2a8のボビン10側に段差状にしてアーマチュア12の移動方向に直交する壁状をなすものとして形成されているため、コイル11の非励磁時には、該コイル11よりの磁力で吸引移動される方向とは反対の方向に後述する第1、第2の可動接片13、14によって付勢されるアーマチュア12に衝突して該アーマチュア12の停止位置を所定の位置に定める機能を有する。
ベース本体2aの第1の可動接点ターミナル取付部2a5に固定された第1の可動接点ターミナル7はコネクタ挿入部2b内が第1の可動接点側外部接続部7aになっており、第2の可動接点ターミナル取付部2a6に固定された第2の可動接点ターミナル8はコネクタ挿入部2b内が第2の可動接点側外部接続部8aになっている。また、第1の可動接点ターミナル7および第2の可動接点ターミナル8は図1に示されるように、ベース本体2aのほぼ中央に位置する各可動接点側外部接続部7a、8aからベース本体2aの一端側に向けて延びた延長部7c、8cが備えられていて、ベース本体2aの一端寄りで延長部7c、8cからベース本体2a上にI字状に突出され、突出端部にコ字状をなす可動接片加締部7b、8bが夫々形成されている。可動接片加締部7b、8bには第1の可動接片13、第2の可動接片14の一端側が固着されている。コネクタ挿入部2b内の各ターミナル3,4,5,6,7,8の各接続部3a,4a,5a,6a,7a,8aの配列はJIS規格に適合したものとなっている。
アーマチュア12およびフレーム9aの外側に配置された第1の可動接片13および第2の可動接片14は同一の形状をなすものであって、可撓性のある導電部材によって薄板状に形成されている。第1の可動接片13はL字状に形成された接片本体部13aの一端側にターミナル接続端部13bが形成され、接片本体部13aの他端側が可動接点取付け部13cになっており、ターミナル接続端部13bおよび可動接点取付け部13cのあいだに弾性変形可能にしてほぼ直角に折曲された弾性変形部13dが設けられている。
第1の可動接片13は、ターミナル接続端部13bが第1の可動接点ターミナル7の一端側の可動接片加締部7bにおいて加締られることによって第1の可動接点ターミナル7に電気的に接続され、弾性変形部13dからターミナル接続端部13b寄りに絶縁性のある樹脂部材製の第1のブロック部材18が挿着されている。この第1のブロック部材18はフレーム9aの一部に一体的に結合されているため、第1の可動接片13は弾性変形部13dからターミナル接続端部13b寄りがフレーム9aに一体的に支持され、弾性変形部13dから可動接点取付け部13c寄りが弾性変形部13dを介して弾性変形可能になっている。
また、第1の可動接片13の可動接点取付け部13cには、第1の可動接点20が取付けられており、第1の可動接片13は、弾性変形部13dから可動接点取付け部13c寄りに絶縁性のある樹脂部材製の第2のブロック部材(絶縁ブロック部材)19が挿着されている。この第2のブロック部材19はアーマチュア12に一体的に結合されているため、第1の可動接片13はアーマチュア12をフレーム9aに電気的に接続させ、且つこのアーマチュア12および第2のブロック部材19を一体的にして弾性変形部13dに有する弾性反発力によって第1の常開接点16に対向して第1の可動接点20を離す側に付勢している。第1の可動接片13の弾性変形部13dによって第1の常開接点16から離れる側に付勢された第1の可動接点20は、ターミナルベース2のベース本体2a上に形成された常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7のアーマチュア衝突部2a9にアーマチュア12が衝突することにより、その動作が停止される。
第1の可動接片13は接片本体部13aがL字状に形成され、この接片本体部13aの一端側に、I字状にベース本体2a上に突出した第1の可動接点ターミナル7が接続されているため、第1の可動接片13および第1の可動接点ターミナル7はフレーム9aおよびアーマチュア12の外側を囲むように連続的に形成されている。
一方、第2の可動接片14は第1の可動接片13に並設されており、第1の可動接片13と同様にして接片本体部14aにターミナル接続端部14b、可動接点取付け部14c、弾性変形部14dが備えられ、ターミナル接続端部14bが第2の可動接点ターミナル8の可動接片加締部8bによって加締られて電気的に接続され、弾性変形部14dからターミナル接続端部14b寄りが第1のブロック部材18に挿着され、弾性変形部14dから第2の可動接点21を取付けた可動接点取付け部14c寄りが第2のブロック部材(絶縁ブロック部材)19に挿着されている。この第2の可動接片14もアーマチュア12をフレーム9aに電気的に接続させ、且つこのアーマチュア12および第2のブロック部材19を一体的にして弾性変形部14dに有する弾性反発力によって第2の常開接点17から第2の可動接点21を離す側に付勢している。第2の可動接片14の弾性変形部14dによって第2の常開接点17から離れる側に付勢された第2の可動接点21も、ターミナルベース2のベース本体2a上に形成された常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7のアーマチュア衝突部2a9にアーマチュア12が衝突することにより、その動作が停止される。
第1の可動接片13、第2の可動接片14は、第1、第2の常開接点ターミナル5、6のあいだに常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7のアーマチュア衝突部2a9が形成されているため、このアーマチュア衝突部2a9を挟んで配置されているが、両可動接片13、14同士の離間寸法はアーマチュア衝突部2a9の幅寸法よりも大きいため、両可動接片13、14が移動する際に接触することはない。また、常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部2a7の隔壁部2a8も第1、第2の常開接点ターミナル5、6のあいだに形成されているが、隔壁部2a8がアーマチュア12すなわち第1、第2の可動接片13、14の移動方向に板状をなすものであるため、両可動接片13、14が移動する際に接触することはない。
このような電磁継電器1は、コネクタ挿入部2bに外部回路のコネクタが挿入されることによって、第1、第2のコイルターミナル3、4の第1、第2のコイル電源接続部3a、4aは外部のコイル通電回路に電気的に接続され、第1の常開接点ターミナル5の第1の常開接点側外部接続部5a、第1の可動接点ターミナル7の第1の可動接点側外部接続部7aは一方の外部回路に電気的に接続され、第2の常開接点ターミナル6の第2の常開接点側外部接続部6a、第2の可動接点ターミナル8の第2の可動接点側外部接続部8aは他方の外部回路に電気的に接続される。
この状態で、コイル通電回路に電気的に接続されたスイッチがオン操作されることによって、このコイル通電回路から第1、第2のコイルターミナル3、4に励磁電流が供給されると、コイル11が励磁され、フレーム9a、アーマチュア12、ポール9bを通る磁力が発生するため、アーマチュア12はポール9b側に吸引され、アーマチュア12の吸引にともなって第1、第2の可動接片13、14は弾性変形部13d、14dが弾性変形して第1、第2の可動接点20、21を第1、第2の常開接点16、17に夫々電気的に接続させる。第1の可動接点20が第1の常開接点16に電気的に接続されることによって一方の外部回路を導通させ、第2の可動接点20が第2の常開接点17に電気的に接続されることによって他方の外部回路も導通させて両外部回路を導通状態に切換える。
第1の可動接点20が第1の常開接点16に電気的に接続され、第2の可動接点21が第2の常開接点17に電気的に接続される際、第1の常開接点ターミナル5および第2の常開接点ターミナル6のあいだに常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め部2a7の隔壁部2a8が形成されているため、第1の常開接点16と第2の常開接点17、また第1の可動接点20と第2の可動接点21は、それぞれ隔離された状態となる。それ故、第1の可動接点20と第1の常開接点16、および第2の可動接点21と第2の常開接点17がそれぞれ接触する際に磨耗粉が発生したとしても、その磨耗粉によって第1の常開接点16と第2の常開接点17、および第1の可動接点20と第2の可動接点21は互いに導通状態にはならず、接点間の絶縁不良を阻止することが可能となる。
スイッチがオン状態からオフ操作されると、コイル通電回路よりの励磁電流は供給されなくなってコイル11は消磁され、アーマチュア12をポール9b側に吸引する吸引力がなくなるため、第1、第2の可動接片13、14の弾性変形部13d、14dは弾性復帰して第1、第2の可動接点20、21を第1、第2の常開接点16、17から離す。第1の可動接点20が第1の常開接点16から離れることによって一方の外部回路は遮断され、第2の可動接点20が第2の常開接点17から離れることによって他方の外部回路も遮断されて両外部回路を遮断状態に切換えるものとなる。
第1の可動接点20が第1の常開接点16から離間され、第2の可動接点21が第2の常開接点17から離間される際、第1の常開接点ターミナル5および第2の常開接点ターミナル6のあいだに常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め部2a7の隔壁部2a8が形成されているため、第1の常開接点16は第2の常開接点17に、また第1の可動接点20は第2の可動接点21に絶縁され、各接点20,16、21,17が離れる際に摩耗粉が発生したとしても、その摩耗粉によって第1の常開接点16と第2の常開接点17とは互いに導通状態にならず、第1の可動接点20と第2の可動接点21とは互いに導通状態にならずに動作する。
1 電磁継電器
2 ターミナルベース
2a ベース本体
2a7 常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部
2a8 隔壁部
2a9 アーマチュア衝突部
3 第1のコイルターミナル
4 第2のコイルターミナル
5 第1の常開接点ターミナル
6 第2の常開接点ターミナル
7 第1の可動接点ターミナル
8 第2の可動接点ターミナル
9 磁路形成部材
9a フレーム
9b ポール
10 ボビン
11 コイル
11a 巻線
12 アーマチュア
13 第1の可動接片
13b ターミナル接続端部
13c 可動接点取付け部
13d 弾性変形部
14 第2の可動接片
14b ターミナル接続端部
14c 可動接点取付け部
14d 弾性変形部
16 第1の常開接点
17 第2の常開接点
19 (絶縁ブロック部材)第2のブロック部材
20 第1の可動接点
21 第2の可動接点
2 ターミナルベース
2a ベース本体
2a7 常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部
2a8 隔壁部
2a9 アーマチュア衝突部
3 第1のコイルターミナル
4 第2のコイルターミナル
5 第1の常開接点ターミナル
6 第2の常開接点ターミナル
7 第1の可動接点ターミナル
8 第2の可動接点ターミナル
9 磁路形成部材
9a フレーム
9b ポール
10 ボビン
11 コイル
11a 巻線
12 アーマチュア
13 第1の可動接片
13b ターミナル接続端部
13c 可動接点取付け部
13d 弾性変形部
14 第2の可動接片
14b ターミナル接続端部
14c 可動接点取付け部
14d 弾性変形部
16 第1の常開接点
17 第2の常開接点
19 (絶縁ブロック部材)第2のブロック部材
20 第1の可動接点
21 第2の可動接点
Claims (3)
- 絶縁部材によって成形されたターミナルベースと、上記ターミナルベースに固定された第1、第2のコイルターミナルと、上記ターミナルベースに固定され、該ターミナルベース上に第1、第2の常開接点を並設した第1、第2の常開接点ターミナルと、上記ターミナルベースに固定された第1、第2の可動接点ターミナルと、上記ターミナルベース上に配置された磁路形成部材と、上記磁路形成部材を構成するフレームに固定されたボビンと、上記ボビンに巻回された巻線の両端部が上記両コイルターミナルにそれぞれ電気的に接続され、両コイルターミナルからの通電によって磁路形成部材内を通る磁力を発生するコイルと、可撓性のある導電部材により形成され、一端側が上記各可動接点ターミナルに電気的に接続され、他端側の上記各常開接点の対向位置に可動接点が夫々設けられ、各可動接点を各常開接点から離れる側に付勢可能に配置した第1、第2の可動接片と、上記フレームの端部に配置され、上記両可動接片に絶縁状態で結合され、上記コイルが発生した磁力により上記ボビンに配置した磁路形成部材を構成するポールに吸引移動されるアーマチュアと、上記第1の常開接点ターミナルおよび第2の常開接点ターミナルのあいだの上記ターミナルベース上に壁状に形成され、上記コイルの非励磁時に上記両可動接片により上記両可動接点が上記両常開接点から離れる方向に付勢されるアーマチュアに衝突可能に配設され該アーマチュアの停止位置を定める常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部をそなえていることを特徴とする電磁継電器。
- 上記常開接点絶縁用兼アーマチュア位置決め用部は、第1の常開接点および第2の常開接点のあいだにアーマチュアの移動方向に沿って壁状をなす隔壁部と、この隔壁部のボビン側にアーマチュアの移動方向に直交して壁状をなすアーマチュア衝突部とが上記ターミナルベースに一体的に形成されている請求項1に記載の電磁継電器。
- 上記隔壁部は、上記ボビンの近傍から上記ターミナルベースの端部まで延設され、上記アーマチュア衝突部は、上記隔壁部のボビン側に段差状に形成されている請求項2に記載の電磁継電器。
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