JPH0723862A - 調理器具用部材および調理器具 - Google Patents

調理器具用部材および調理器具

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JPH0723862A
JPH0723862A JP3576594A JP3576594A JPH0723862A JP H0723862 A JPH0723862 A JP H0723862A JP 3576594 A JP3576594 A JP 3576594A JP 3576594 A JP3576594 A JP 3576594A JP H0723862 A JPH0723862 A JP H0723862A
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JP
Japan
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fine particles
plating film
composite plating
average particle
less
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Application number
JP3576594A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Maeda
俊之 前田
Michio Saito
道雄 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP3576594A priority Critical patent/JPH0723862A/ja
Publication of JPH0723862A publication Critical patent/JPH0723862A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】撥水性乃至非粘着性、密着性、耐衝撃変形性、
耐薬品性、耐摩耗性、耐焦げ付き性などに優れ、また、
手入れが容易であるため、長時間の使用後にも、初期の
優れた特性を維持し得る被膜を備えた調理器具を提供す
ることを主な目的とする。 【構成】1.平均粒径2μm以下のフッ素化合物微粒子
を分散含有する複合メッキ被膜を備えた調理器具用部
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素材料系微粒子を
共析させた複合メッキ被膜を備えた調理器具用部材およ
びその様な調理器具用部材を使用する調理器具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガスコンロ、ガステーブル、オーブン、
電子レンジ、電磁誘導ヒーターなどの調理器具を用いて
調理を行う場合には、発生する油蒸気乃至油煙、煮こぼ
れ汁、加熱による分解生成物の凝縮物などにより、天
板、コンロ汁受け皿、焼き網などの部材が汚染される。
【0003】従来からも、調理器具の表面に非粘着性を
付与することにより、汚染を軽減したり、或いは汚染の
除去を容易にするための種々の提案がなされている。
【0004】特開昭63−80129号公報は、基本的
に、「ポリバラバン酸樹脂と、PTFEと、耐熱性無機
微粉末とからなる被膜を調理室の基材上に形成した調理
器」を開示している。
【0005】特開平1−142338号公報は、基本的
に、「ガラス窓を有する扉の内面にポリボロシロキサン
を主材とする塗料をコーティングした調理器」を開示し
ている。
【0006】特開平4−98018号公報は、「ヒータ
を備えた調理庫と、この調理庫を形成する内筺体の内側
面に設けた内板とから成り、この内板にフッ素樹脂を被
着した加熱調理器」を開示している。
【0007】しかしながら、これらの調理器において
は、初期の段階では、ある程度の非粘着性は確保される
が、被膜自体の強度が不十分であるため、汚れ除去のた
めの手入れの際に被膜が損傷しやすく、比較的短時間内
に被膜特性が失われるにいたるという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、非
粘着性、耐衝撃性、耐傷付き性、耐熱性などに優れ、ま
た、手入れが容易であるため、長時間の使用後にも、初
期の優れた特性を維持し得る被膜を備えた調理器具を提
供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、従来技術の問
題点に鑑みて、鋭意研究を進めた結果、調理器具におい
て特に汚れの激しい天板、コンロ汁受け皿、焼き網など
の部材上にフッ素化合物微粒子を分散含有する複合メッ
キ被膜を形成させる場合には、その目的を達成しうるこ
とを見出した。
【0010】即ち、本発明は、下記の複合メッキ被膜を
備えた調理器具用部材および調理器具を提供するもので
ある; 1.平均粒径2μm以下のフッ素化合物微粒子を分散含
有する複合メッキ被膜を備えた調理器具用部材。
【0011】2.平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛
{(CF)n}微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を
備えた上記項1に記載の調理器具用部材。
【0012】3.平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛
{(CF)n}微粒子およびポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた上記項
1に記載の調理器具用部材。
【0013】4.平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛
{(CF)n}微粒子およびテトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子を分散含有す
る複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用
部材。
【0014】5.平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微
粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた上記項1に
記載の調理器具用部材。
【0015】6.平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微
粒子を分散含有しており、150〜300℃の温度で熱
処理後の水による液滴法での接触角が135度以上であ
る複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用
部材。
【0016】7.平均粒径2μm以下のポリテトラフル
オロエチレン微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備
えた上記項1に記載の調理器具用部材。
【0017】8.平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微
粒子およびポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散含
有しており、150〜350℃の温度で熱処理後の水に
よる液滴法での接触角が120度以上である複合メッキ
被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用部材。
【0018】9.平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微
粒子およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体微粒子を分散含有しており、150〜
350℃の温度で熱処理後の水による液滴法での接触角
が120度以上である複合メッキ被膜を備えた上記項1
に記載の調理器具用部材。
【0019】10.平均粒径2μm以下のポリテトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた
上記項1に記載の調理器具用部材。
【0020】11.平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ
微粒子およびポリテトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体微粒子を分散含有す
る複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用
部材。
【0021】12.平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子およびポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体微粒子を分散含有する
複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用部
材。
【0022】13.平均粒径2μm以下のテトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子
を分散含有する複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載
の調理器具用部材。
【0023】14.平均粒径2μm以下のテトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子
およびポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散含有す
る複合メッキ被膜を備えた上記項1に記載の調理器具用
部材。
【0024】15.天板、コンロ汁受け皿、オーブン
皿、焼き肉用鉄板、ロストル、ジンギスカン鍋、ごとく
および焼き網の少なくとも1種である上記項1乃至14
のいずれかに記載の調理器具用部材。
【0025】16.上記項1乃至14のいずれかに記載
の調理器具用部材を備えた調理器具。
【0026】17.調理器具が、ガスコンロ、ガステー
ブル、オーブン、電子レンジ、炊飯器、バーベキューコ
ンロ、ホットプレート、鍋、フライパン、グリル鍋、焼
き肉器、オーブントースター、電気ポット、自動給茶器
および電磁誘導ヒーターのいずれかである上記項16に
記載の調理器具。
【0027】一般に、フッ化黒鉛、フッ素樹脂(ポリテ
トラフルオロエチレン(以下PTFEという)、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビフェニルエ
ーテル共重合体(以下PFAという)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下F
EPという)など)、フッ化ピッチなど(本願明細書に
おいては、これらのフッ化黒鉛、フッ素樹脂およびフッ
化ピッチをフッ素化合物と総称する)は、自己潤滑性、
低摩擦性、撥水性、撥油性、非粘着性などの性質に優れ
ている。本発明によれば、この様なフッ素化合物の微粒
子を金属とともに調理器具部材表面に析出させて、その
固有の優れた性質と金属の性質とを併せ持つ複合メッキ
被膜を形成させることにより、調理物と直接接する部
材、ならびに調理器具の化粧された面を含む表面、側
面、裏面などの調理器具用部材の汚れを低減させるとと
もに、汚れが発生した場合にも、その除去を容易に行う
ことができる。
【0028】また、上記の様なフッ素化合物微粒子中で
も、特にフッ化ピッチ微粒子を使用するか、或いはフッ
化ピッチ微粒子と他のフッ素化合物微粒子とを併用する
場合には、上記の特性がより一層改善された複合メッキ
被膜が得られる。この場合に得られる複合メッキ被膜に
おいては、その表面の撥水性は、水による液滴法での接
触角として100〜135度程度である。
【0029】さらに、本発明者の研究によれば、調理器
具部材表面上にフッ化ピッチ微粒子を分散含有する複合
メッキ被膜を形成させた後、特定の温度で熱処理を行な
う場合には、驚くべきことに、複合メッキ被膜表面の撥
水性(水の液滴法による)は、135度を上回り、測定
限界であるとされている145度を上回る場合もあるこ
とが見出された。
【0030】さらにまた、調理器具部材表面上にフッ化
ピッチ微粒子と他のフッ素化合物微粒子とを分散含有す
る複合メッキ被膜を形成させた後、特定の温度で熱処理
を行なう場合には、複合メッキ被膜表面の撥水性(水の
液滴法による)は、120度以上となることも、見出さ
れた。
【0031】本発明で使用するフッ素化合物(フッ化ピ
ッチ、フッ化黒鉛;PTFE、PFA、FEPなどおよ
びその他の汎用フッ素樹脂)は、いずれも公知の物質で
あり、その原料、製造方法などは特に限定されない。
【0032】例えば、フッ化ピッチは、特開昭62−2
75190号公報に開示されており、ピッチをフッ素ガ
スを用いてフッ素化することにより得られる。
【0033】一般に、ピッチは、芳香族縮合六員環平面
が積層した層構造を有し、かつ六員環平面を構成する芳
香族がメチレンなどの脂肪族炭化水素基により架橋した
構造を有している。フッ化ピッチの製造原料としては、
石油蒸留残渣、ナフサ熱分解残渣、エチレンボトム油、
石炭液化油、コールタールなどの石油系又は石炭系重質
油を蒸留して沸点200℃未満の低沸点成分を除去した
ピッチ、さらにこのピッチを熱処理および/または水添
処理したものなどが例示される。より具体的には、フッ
化ピッチの製造原料としてのピッチには、例えば、等方
性ピッチ、メソフェーズピッチ、水素化メソフェーズピ
ッチ、石油系又は石炭系重質油を蒸留して低沸点成分を
除去した後生成するメソフェーズ球体からなるメソカー
ボンマイクロビーズなどが含まれる。
【0034】フッ化ピッチは、例えば、上記の原料ピッ
チとフッ素とを0〜350℃程度で反応させることによ
り得られる。フッ化ピッチの製造方法としては、より具
体的には、次の様な方法が挙げられる。
【0035】(1)原料ピッチとフッ素ガスとを0〜3
50℃程度の温度で直接反応させる方法。
【0036】ピッチとフッ素ガスとを反応させる際の好
ましい温度は、ピッチの軟化点以下の温度である。反応
時のフッ素ガス圧は、特に限定されるものではないが、
一般的に0.07〜1.5気圧の範囲内にある。この反
応において、フッ素ガスはそのまま用いてもよく、或い
は窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどの不活性ガス
で希釈して用いてもよい。
【0037】得られたフッ化ピッチは、実質的に炭素原
子およびフッ素原子からなり、F/C原子比は、例え
ば、0.5〜1.8程度である。この様なフッ化ピッチ
は、下記(a)、(b)、(c)および(d)の特性を
示す。
【0038】(a)粉末X線回折において,2θ=13
°付近に最大強度のピークを示し、2θ=40°付近に
前記ピークよりも強度の小さいピークを示す。
【0039】(b)X線光電子分光分析において、29
0.0±1.0eVにCF基に相当するピークおよび2
92.5±0.9eV付近にCF2 基に相当するピーク
を示し、CF基に相当するピークに対するCF2 基に相
当するピークの強さの比が、0.15〜1.5程度であ
る。
【0040】(c)真空蒸着によって膜を成形すること
ができる。
【0041】(d)30℃における水に対する接触角が
141°±8°である。
【0042】前記(1)のフッ化ピッチは、白色乃至黄
白色もしくは褐色の固体であり、耐水性、耐薬品性に優
れ、非常に安定な化合物である。
【0043】さらに、フッ化ピッチは、透明樹脂状の形
態でも得られる。この様な透明樹脂状のフッ化ピッチ
は、例えば、フッ化ピッチをフッ素ガス含有雰囲気下、
0.1〜3℃/分程度、好ましくは0.5〜1.5℃/
分程度の昇温速度で250〜400℃程度まで昇温し、
所定時間、例えば、1〜18時間程度、好ましくは6〜
12時間程度反応させることにより得られる。得られた
透明樹脂状のフッ化ピッチは、例えば、次のような特性
を示す。
【0044】F/C:1.5〜1.7 光透過率(250〜900nm):90%以上 分子量:1500〜2000 軟化点:150〜250℃ 本発明における共析複合メッキの形成には、調理器具用
部材を構成する金属材料の表面にマトリックス金属を析
出させ得る公知の無電解メッキ法および電解メッキ法を
採用することができる。また、使用するメッキ液につい
ても、各種の公知の組成のメッキ液のいずれをも使用で
きる。より具体的には、例えば、特開昭49−2744
3号公報、特開平4−329897号公報などに開示さ
れているメッキ手法に準じて、フッ化ピッチ微粒子など
のフッ素化合物微粒子をメッキ金属塩の水溶液中に分散
させ、基板板上にマトリックス金属とともにフッ化ピッ
チ微粒子などのフッ素化合物微粒子を共析させて、非金
属であるフッ化炭素化合物の固有の性質とマトリックス
である金属の性質とを併せ持った複合メッキ皮膜を形成
させれば良い。
【0045】本発明においては、フッ素化合物を単独で
使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。以
下にフッ素化合物の使用例を例示する。
【0046】1).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛
(ポリカーボンモノフルオライド)、すなわち(CF)
n(但し,n>1000程度である)で表される化合物
の微粒子を単独で使用する。
【0047】2).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とを併用する。この場合の混合割
合は、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0048】3).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とFEP微粒子とを併用する。この場合の混合割合
も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0049】4).平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ
微粒子を単独で使用する。
【0050】5).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子を単独で使用する。
【0051】6).平均粒径2μm以下のFEP微粒子
を単独で使用する。
【0052】7).平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ
微粒子とPTFE微粒子とを併用する。この場合の混合
割合も、特に限定されず、任意に選択することができ
る。
【0053】8).平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ
微粒子とFEP微粒子とを併用する。この場合の混合割
合も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0054】9).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子とFEP微粒子とを併用する。この場合の混合割合
も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0055】10).平均粒径2μm以下のPFA微粒子
を単独で使用する。
【0056】11).平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ
微粒子とPFA微粒子とを併用する。この場合の混合割
合も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0057】12).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPFA微粒子とを併用する。この場合の混合割合
も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0058】13).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とフッ化ピッチ微粒子とを併用する。この場合の混
合割合も、特に限定されず、任意に選択することができ
る。
【0059】14).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子とPFA微粒子とを併用する。この場合の混合割合
も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0060】15).平均粒径2μm以下のFEP微粒子
とPFA微粒子とを併用する。この場合の混合割合も、
特に限定されず、任意に選択することができる。
【0061】16).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とFEP微粒子とを併用する。こ
の場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択する
ことができる。
【0062】17).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とFEP微粒子とPFA微粒子とを併用する。この
場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択するこ
とができる。
【0063】18).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子とFEP微粒子とフッ化ピッチ微粒子とを併用する。
この場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択す
ることができる。
【0064】19).平均粒径2μm以下のFEP微粒子
とフッ化ピッチ微粒子とPFA微粒子とを併用する。こ
の場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択する
ことができる。
【0065】20).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子とFEP微粒子とPFA微粒子とを併用する。この場
合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択すること
ができる。
【0066】21).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とフッ化ピッチ微粒子とを併用す
る。この場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選
択することができる。
【0067】22).平均粒径2μm以下のPTFE微粒
子とフッ化ピッチ微粒子とPFA微粒子とを併用する。
【0068】23).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とPFA微粒子とを併用する。こ
の場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選択する
ことができる。
【0069】24).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とフッ化ピッチ微粒子とPFA微粒子とを併用す
る。この場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選
択することができる。
【0070】25).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とフッ化ピッチ微粒子とFEP微粒子とを併用す
る。この場合の混合割合も、特に限定されず、任意に選
択することができる。
【0071】26).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とフッ化ピッチ微粒子とFEP微粒子とPFA微粒
子とを併用する。この場合の混合割合も、特に限定され
ず、任意に選択することができる。
【0072】27).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とFEP微粒子とPFA微粒子と
を併用する。この場合の混合割合も、特に限定されず、
任意に選択することができる。
【0073】28).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPFA微
粒子とを併用する。この場合の混合割合も、特に限定さ
れず、任意に選択することができる。
【0074】29).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とフッ化ピッチ微粒子とFEP微
粒子とを併用する。
【0075】30).平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微
粒子とPTFE微粒子とフッ化ピッチ微粒子とFEP微
粒子とPFA微粒子とを併用する。この場合の混合割合
も、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0076】上記のフッ素化合物の使用例中でも、
(2)、(3)、(5)、(7)、(8)、(10)、
(11)、(12)、(14)、(15)などがより好
ましい。
【0077】塩の形態で用いられ、複合メッキ被膜中の
マトリックスとなる金属のメッキ液としては、例えば、
ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉄、鉛、カドミウム、クロ
ム、貴金属類およびそれらの合金を含むメッキ液など何
れも使用することができる。これらのメッキ液は、各種
の組成のものが公知となっており、本発明では、これら
の公知のメッキ液のいずれをも用いることができる。
【0078】本発明において、複合メッキ被膜を形成す
るためのメッキ液(以下複合メッキ液という)に添加す
るフッ素化合物微粒子の粒径は、特に限定されるもので
はないが、複合メッキ被膜全体の膜厚よりも大きい場合
には、摩擦によりメッキ面から粒子が脱落するので、メ
ッキ被膜厚よりも小さい微粒子を使用することが望まし
い。本発明による複合メッキ被膜の厚さは、調理器具用
部材の材質および形状、マトリックス金属の種類などに
より異なるが、通常1〜50μm程度である。従って、
フッ素化合物微粒子の粒径は、この複合メッキ被膜の厚
さを考慮して定めれば良いが、通常平均2μm程度であ
り、平均1μm以下のものがより好ましい。また、複合
メッキ液中および複合メッキ被膜中でのフッ素化合物微
粒子の分散の均一性を確保するために、30μm以上の
粗大粒子を含まないことが望ましい。複合メッキ液中の
フッ化ピッチ微粒子の添加量は、特に限定されないが、
通常200g/l程度以下、好ましくは1〜100g/
l程度である。
【0079】一般に、金属と共析物とからなる複合メッ
キ被膜においては、共析物の体積分率が大きくなるほ
ど、メッキ層と基材との密着性は低下する。本発明にお
いても、メッキ被膜と基板材である調理器具用部材との
密着性を考慮すれば、複合メッキ被膜中の共析物(フッ
素化合物微粒子)の体積分率は、60%が限度である。
一方、フッ化ピッチ微粒子の体積分率が低すぎる場合に
は、撥水性の改善が十分に行なわれない。従って、本発
明においては、複合メッキ被膜中のフッ素化合物微粒子
の体積分率は、通常25〜50%程度、より好ましくは
35〜45%程度とする。
【0080】本発明においては、調理器具部材の種類に
応じて、フッ素化合物の種類を選択することができる。
例えば、焼き網などの様に高度の耐熱性が要求される場
合には、フッ化黒鉛、PTFE或いはこれらを主体とす
るものを使用することが好ましく、高度の撥水性が要求
される場合には、フッ化ピッチ、フッ化ピッチとPTF
Eおよび/またはFEPとの混合物使用することが好ま
しい。また、良好な耐焦げ付き性(防汚性)が要求され
る場合には、PTFEおよび/またはFEPを使用する
ことが好ましい。
【0081】本発明においては、基板材である調理器具
用部材としては、銅、ステンレス鋼、一般鋼、アルミニ
ウム、アルミニウム合金などの金属類;PTFE,AB
Sその他の樹脂類;さらに黒鉛プレート、炭素プレート
などが用いられる。
【0082】本発明による複合メッキ被膜を形成させる
ための複合メッキ液では、撥水性が非常に高いフッ素化
合物をメッキ液中に均一に分散させ且つ完全に濡れた状
態とする必要があるので、界面活性剤を用いる。界面活
性剤としては、例えば、水溶性のカチオン系、非イオン
系およびメッキ液のpH値においてカチオン性を示す両
性界面活性剤を用いることができる。この場合、カチオ
ン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、第2
および3アミン類などが挙げられ、非イオン系界面活性
剤としては、ポリエチレンイミン系、エステル系のもの
などが挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボン酸
系、スルホン系のものなどが挙げられる。特に、分子中
にC−F結合を有するフッ素系界面活性剤を用いること
が好ましい。
【0083】メッキ液中への界面活性剤の添加量は、フ
ッ素化合物1gに対し、通常1〜100mg程度であ
り、より好ましくは1〜50mg程度である。
【0084】本発明においては、上記の複合メッキ液に
一次光沢剤、二次光沢剤、コ−ティング膜着色のための
顔料などの公知の添加剤をさらに配合することができ
る。
【0085】本発明において、複合メッキ被膜を形成す
るに際しては、フッ素化合物微粒子を均一に分散させる
ために、複合メッキ液を撹拌しつつメッキ操作を行なう
ことが好ましい。撹拌方法は特に限定されず、通常の機
械的撹拌手段、例えばスクリュ−撹拌、マグネチックス
タ−ラ−による撹拌などの方法を採用することができ
る。
【0086】メッキ条件は、基板材である調理器具用部
材の材質、使用する複合メッキ液の種類などに応じて適
宜決定すればよく、一般に通常の複合メッキ法の場合と
同様の液温、pH値、電流密度などを採用すれば良い。
【0087】なお、本発明における複合メッキ被膜は、
必ずしも基板材である調理器具用部材上に直接形成する
必要はなく、銅、アルミニウムなどの金属;樹脂類;炭
素材などからなる基板材上に公知の下地メッキ層(例え
ば、ニッケルメッキ、銅メッキなど)を形成した後、複
合メッキ被膜を形成しても良い。
【0088】本発明において、フッ素化合物としてフッ
化ピッチ或いはフッ化ピッチとPTFEおよび/または
FEPを使用する場合には、上記の様にして基板材上に
形成した複合メッキ被膜を150〜350℃で熱処理す
ることが好ましい。この熱処理により、複合メッキ被膜
の耐久性および表面撥水性が著しく改善される。例え
ば、フッ化ピッチ微粒子を単独で使用する場合には、複
合メッキ被膜の水による液滴法での接触角が135度以
上にも達し、この方法による測定限界であるとされてい
る145度を超えることさえある。また、フッ化ピッチ
とPTFEおよび/またはFEPからなる混合微粒子を
使用する場合には、接触角が120度以上にもなる。こ
の熱処理により、撥水性が著しく改善される理由は、明
確ではないが、複合メッキ被膜自体の熱的改質、界面活
性剤の除去(熱分解、蒸発、昇華などによる)による濡
れ性の低下もその一因をなしているものと推考される。
熱処理時間は、特に限定されるものではないが、通常1
0〜30分間程度行なえば良い。熱処理温度が150℃
未満である場合には、十分な処理効果を得るために処理
時間を長くする必要があり、一方、350℃を上回る場
合には、メッキ被膜が劣化するおそれがある。
【0089】
【発明の効果】本発明により基板材である調理器具用部
材上に形成された複合メッキ被膜は、非金属であるフッ
素化合物の固有の性質とマトリックス金属の固有の性質
とを兼ね備えている。
【0090】より具体的には、この複合メッキ被膜は、
先ず、フッ素化合物に由来する高度の潤滑性、耐摩耗
性、防汚性、耐焦げ付き性などを有し、さらに特に優れ
た耐久性、耐熱性、耐薬品性、撥油性、撥水性などを発
揮する。
【0091】この複合メッキ被膜は、さらに、マトリッ
クス金属に由来する高硬度、高強度、高熱伝導性、高電
導性などを備え、且つ基板材である調理器具用部材に対
する優れた密着性を発揮する。従って、例えばテーブル
コンロ天板に対するPTFEなどのフッ素系樹脂或いは
フッ素樹脂系塗料のコ−ティング被膜に比べて、本発明
による複合メッキ皮膜は、強度に優れ、傷付き難いの
で、包丁などの台所用品との接触による傷つき、たわし
などによる清掃時の傷つきなどが軽減される。また、フ
ッ素樹脂系のコーティングの場合には、金属製の天板と
の熱膨張率の相違により、繰り返し使用に伴って、コー
ティング被膜の剥離、変色などを生じやすいが、金属を
主体とする本発明の複合メッキ被膜の場合には、その様
な問題も軽減される。
【0092】また、テーブルコンロの天板成形後にフッ
素樹脂をコーティングする場合(いわゆるポストコート
法)には、その角部の塗膜が薄くなりやすく、また、鋼
板に予めフッ素樹脂のコーティングを行い、成形を行う
場合(いわゆるプレコート法)にも、角部の塗膜は薄く
なり、いずれもはがれの原因となる。これに対し、メッ
キ法を採用する本発明においては、塗膜を均一とするこ
とができる。
【0093】さらに、従来法による製品では、液滴法に
よる接触角の測定で100〜110度程度が最大であっ
て、撥水性および防汚性が不十分であるのに対し、本発
明によれば、最良の条件下では、145度以上の高い値
が得られ、高度の撥水性および撥油性が得られる。
【0094】さらにまた、調理器具用部材としての汁受
け皿、焼き網などは、バーナー、ヒーターなどの近くで
使用されるので、耐熱性に優れていることが必要であ
る。本発明による被膜は、基本的には、金属をマトリッ
クスとするメッキ被膜であるため、耐熱性に優れ、且つ
フッ素化合物に起因する非粘着性の故に、煮こぼれによ
るこびり付き、焦げ付きなども効果的に防止できる。
【0095】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0096】なお、物性の測定は、下記の方法により行
った。
【0097】(1)接触角 FACE接触角計(協和界面科学(株)製、“CA−A
型”)を用いて、液滴法により、水の接触角を測定し
た。
【0098】(2)密着力試験(JIS K5400) サンプルに1cm2当たり100個のごばん目を入れ、
下記の各条件下に放置した後、常温に戻し、セロファン
粘着テープにより、圧着剥離試験を行った。
【0099】(a)250℃で2時間放置 (b)−10℃で2時間放置 (c)(200℃で1時間→−10℃で1時間)×10
サイクル 密着力を示す結果において、“100/100”とある
のは、剥離がなかったことを示し、“50/100”と
あるのは、ごばん目の半数が剥離したことを示す。
【0100】(3)衝撃変形試験(JIS K540
0) 20℃でデュポン方式により衝撃試験を行って変形させ
た部分の塗面の損傷を確認した。
【0101】おもり :500g 落下高さ:500mm (4)耐薬品性試験 サンプルに1cm2当たり100個のごばん目を入れ、
下記の薬品乃至材料に96時間浸漬し、4時間毎に試料
を取り出し、水洗を行った後、変色およびはがれがない
か否かを確認し、セロファン粘着テープにより、圧着剥
離試験を行った。
【0102】(a)ラッカーシンナー (b)界面活性剤(商標“ファミリーフレッシュ”、花
王(株)製) (c)カレー(商標“ククレカレー辛口”、ハウス食品
(株)製) (d)こいくち醤油(キッコーマン(株)製) (e)台所用漂白剤(商標“キッチンハイター”、花王
(株)製)15% (f)台所用漂白剤(商標“キッチンハイター”、花王
(株)製)100% 結果の判定は、上記(2)の場合と同様である。
【0103】(5)耐磨耗性試験 先端にナイロンたわしを取り付けた棒を600rpmで
回転させながら、加重500gで1分間押しつけた後、
傷の有無を肉眼で調べた。
【0104】(6)耐熱焦げ付き性試験1 下記の食品および調味材料2ccを試料の上に乗せ、2
00℃で1時間加熱して焦げ付かせた後、冷却し、指先
で炭化生成物を軽く圧迫して、焦げ付き性を評価した。
【0105】(a)カレー(商標“ククレカレー辛
口”、ハウス食品(株)製) (b)卵+醤油+砂糖(比率1:1:2) (7)耐熱焦げ付き性試験2 下記の食品および調味材料2ccを試料の上に乗せ、試
料の下部をガスコンロを用いて直火で加熱して焦げ付か
せた後、冷却し、指先で炭化生成物を軽く圧迫して、焦
げ付き性を評価した。
【0106】(a)カレー(商標“ククレカレー辛
口”、ハウス食品(株)製) (b)卵+醤油+砂糖(比率1:1:2) 参考例1 軟化点100℃、キノリン不溶分0.2重量%、ベンゼ
ン不溶分30重量%のコールタールピッチに2倍量の水
素化アントラセン油を添加し、430℃で90分間加熱
した後、減圧下300℃で水素化アントラセン油を除去
して、還元ピッチを得た。
【0107】次いで、得られた還元ピッチに窒素ガスを
導入して低分子量成分を除去し、450℃で5時間熱重
合し、軟化点300℃、キノリン不溶分60重量%、ベ
ンゼン不溶分98重量%、メソフェーズ含有量90重量
%以上のメソフェーズピッチを得た。
【0108】得られたメソフェーズピッチ50gを粉砕
し、ニッケル製反応容器に仕込み、系内を真空排気し、
アルゴンガスで満たした後、フッ素20%およびアルゴ
ン80%の混合ガスを70℃で平均流速650cc/分
の速度で流通させ、20時間反応させたところ、フッ化
ピッチ粒子144gが得られた。元素分析の結果、その
組成式は、CF1.38であり、またその平均粒径は10μ
mであった。
【0109】実施例1 メッキ液の調製 フッ化黒鉛微粒子(平均粒径1μm以下、旭硝子(株)
製)5重量%を下記の組成を有するニッケル電解浴に添
加した。なお、界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製、第3級パ−フルオロ
アンモニウム塩(C8 F17SO2 NH(CH2 )3 N+
(CH3 )3 ・Cl- ))をフッ化黒鉛1gに対し4
0.0mgの割合で添加した。
【0110】スルファミン酸ニッケル電解浴組成 スルファミン酸ニッケル 350g/l 塩化ニッケル 45g/l ほう酸 40g/l 負極として用いたサンプル (a)テーブルコンロ天板(幅597mm×奥行き45
6mm×厚さ0.5mm;平板状) (b)コンロ汁受け皿(外径190mm×内径85mm
×厚さ0.5mm;円板状) (c)焼き網(幅190mm×奥行き270mm) (d)黒鉛プレート(CIP成形により製造された直径
195mm×厚さ7mmの円形の高密度成形黒鉛プレー
ト) (e)アルミニウム合金製フライパン(直径200m
m) (f)ステンレス鋼板(100mm×200mm×0.
5mm;平板状) メッキ法 まず、上記の調理器具用部材とステンレス鋼板(SUS
430)とをそれぞれ負極とし、下記の組成を有するウ
ッド浴を用いて、液温25℃、電流密度10A/dm2
の条件下に膜厚1〜3μmの下地ニッケルメッキ処理を
行った。
【0111】ウッド浴組成 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l 次いで、上記の調理器具用部材とステンレス鋼板とをそ
れぞれ液温45±5℃、pH3.8〜4.2、電流密度
3A/dm2 の条件下に、スクリュー撹拌しつつ、膜厚
が10μmとなるまで電解メッキを行なって、ニッケル
−フッ化黒鉛複合メッキ被膜を形成させた。なお、炭素
プレートおよびアルミニウム合金製フライパンについて
は、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メッキを継
続した。
【0112】得られたニッケル−フッ化黒鉛複合メッキ
被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風循環
式乾燥炉中で、350℃で30分間加熱し、次いで常温
で1時間室内放置した後、FACE接触角計を用いて液
滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調
べた。
【0113】ステンレス鋼板については、さらに、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0114】結果を表1および表2に示す。なお、表1
および表2には、他の実施例および比較例の結果をも併
せて示す。
【0115】実施例2 フッ化黒鉛微粉砕粒子(粒子径1μm以下、旭硝子
(株)製)1.25重量%およびPTFE微粒子(粒子
径2μm以下、ダイキン工業(株)製)5重量%を使用
し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF150”、
大日本インキ化学(株)製)をフッ化黒鉛1gに対し4
0.0mgおよびPTFE1gに対し30.0mgの割
合で添加する以外は実施例1と同様にして、所定の各種
部材およびステンレス鋼板表面に下地ニッケルメッキ層
およびニッケル−フッ化黒鉛−PTFE複合メッキ被膜
を順次形成させた。なお、炭素プレートおよびアルミニ
ウム合金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ20
μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0116】得られたニッケル−フッ化黒鉛−PTFE
複合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板
を熱風循環式乾燥炉中で、350℃で30分間加熱し、
次いで常温で室内で1時間放置した後、FACE接触角
計を用いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、そ
の撥水性を調べた。
【0117】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0118】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐熱焦げ付き性試験
1を行った。
【0119】黒鉛プレートおよびフライパンについて
は、耐熱焦げ付き性試験2を行った。
【0120】実施例3 フッ化黒鉛微粉砕粒子(粒子径1μm以下、旭硝子
(株)製)1.25重量%およびFEP微粒子(粒子径
0.2〜0.3μm、ダイキン工業(株)製)5重量%
を使用し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製)をフッ化黒鉛1gに
対し40.0mgおよびFEP1gに対し65.0mg
の割合で添加する以外は実施例1と同様にして、所定の
各種部材およびステンレス鋼板表面に下地ニッケルメッ
キ層およびニッケル−フッ化黒鉛−FEP複合メッキ被
膜を順次形成させた。なお、炭素プレートおよびアルミ
ニウム合金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ2
0μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0121】得られたニッケル−フッ化黒鉛−FEP複
合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を
熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱し、次
いで常温で室内で1時間放置した後、FACE接触角計
を用いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、その
撥水性を調べた。
【0122】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0123】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐熱焦げ付き性試験
1を行った。
【0124】黒鉛プレートおよびフライパンについて
は、耐熱焦げ付き性試験2を行った。
【0125】実施例4 参考例1で得られたフッ化ピッチ微粒子(平均粒径1.
3μm)5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標“メ
ガファックF150”、大日本インキ化学(株)製)を
フッ化ピッチ1gに対し30.0mgの割合で添加した
メッキ浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各種
部材およびステンレス鋼板に下地メッキ層を形成した
後、ニッケル−フッ化ピッチ複合メッキ被膜を形成させ
た。なお、炭素プレートおよびアルミニウム合金製フラ
イパンについては、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで
電解メッキを継続した。
【0126】得られたニッケル−フッ化ピッチ複合メッ
キ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風循
環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱した後、常温
で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液滴
法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調べ
た。
【0127】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0128】実施例5 PTFE微粒子(粒子径2μm以下、ダイキン工業
(株)製)5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標
“メガファックF150”、大日本インキ化学(株)
製)をPTFE1gに対し30.0mgの割合で添加し
たメッキ浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各
種部材およびステンレス鋼板に下地メッキ層を形成した
後、ニッケル−PTFE複合メッキ被膜を形成させた。
なお、炭素プレートおよびアルミニウム合金製フライパ
ンについては、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解
メッキを継続した。
【0129】得られたニッケル−PTFE複合メッキ被
膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風循環式
乾燥炉中で、350℃で30分間加熱した後、常温で室
内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液滴法に
より、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調べた。
【0130】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0131】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐熱焦げ付き性試験
1を行った。
【0132】黒鉛プレートおよびフライパンについて
は、耐熱焦げ付き性試験2を行った。
【0133】実施例6 まず、実施例1と同様にして各種調理器具部材およびス
テンレス鋼板に対し下地ニッケルメッキ被膜を形成させ
た後、下記の材料を主成分とし、PTFE微粒子(平均
粒径0.3μm、ダイキン工業(株)製)1重量%を添
加し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製)をPTFE1gに対
し30.0mgの割合で添加したメッキ浴を使用して、
無電解ニッケル−PTFE複合メッキ被膜を形成させ
た。
【0134】ニッケル無電解メッキ浴組成 硫酸ニッケル6水塩 20g/l クエン酸ナトリウム 8g/l マロン酸ナトリウム 20g/l 次亜リン酸ナトリウム 20g/l 則ち、上記のニッケル無電解メッキ浴に下地ニッケルメ
ッキ処理した調理器具部材およびステンレス鋼板を浸漬
し、液温90±2℃、pH4.9〜5.2の条件下に、
スクリュー撹拌しつつ、膜厚が10μmとなるまで1時
間かけて無電解メッキを行なって、ニッケル−PTFE
複合無電解メッキ被膜を形成させた。なお、炭素プレー
トおよびアルミニウム合金製フライパンについては、膜
厚がそれぞれ20μmとなるまで無電解メッキを継続し
た。
【0135】得られたニッケル−PTFE複合無電解メ
ッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風
循環式乾燥炉中で、350℃で30分間加熱した後、常
温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液
滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調
べた。
【0136】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐磨耗性試験を行
った。
【0137】実施例7 参考例1で得たフッ化ピッチ微粒子(平均粒径1.3μ
m)1.25重量%およびPTFE微粒子(平均粒径2
μm以下、ダイキン工業(株)製)5重量%を使用し、
且つ界面活性剤(商標“メガファックF150”、大日
本インキ化学(株)製)をフッ化ピッチ1gに対し3
0.0mgおよびPTFE1gに対し30.0gの割合
で添加したメッキ浴を使用する以外は実施例1と同様に
して、各種部材およびステンレス鋼板にニッケル下地メ
ッキ層およびニッケル−フッ化ピッチ−PTFE複合メ
ッキ被膜を形成させた。なお、炭素プレートおよびアル
ミニウム合金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ
20μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0138】得られたニッケル−フッ化ピッチ−PTF
E複合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼
板を熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱し
た後、常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を
用いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥
水性を調べた。
【0139】さらに、ステンレス鋼板について、密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0140】実施例8 参考例1で得たフッ化ピッチ微粒子(平均粒径1.3μ
m)1.25重量%およびFEP微粒子(平均粒径0.
2〜0.3μm;ダイキン工業(株)製)5重量%を使
用し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製)をフッ化ピッチ1g
に対し30.0mgおよびFEP1gに対し65.0m
gの割合で添加した複合メッキ浴を使用する以外は実施
例1と同様にして、各種部材およびステンレス鋼板に下
地ニッケルメッキ被膜およびニッケル−フッ化ピッチ−
FEP複合メッキ被膜を順次形成させた。なお、炭素プ
レートおよびアルミニウム合金製フライパンについて
は、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メッキを継
続した。
【0141】得られたニッケル−フッ化ピッチ−FEP
複合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板
を熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱した
後、常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用
いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水
性を調べた。
【0142】さらに、ステンレス鋼板については、密着
力(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS
K 5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行
った。
【0143】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐焦げ付き性試験1
を行った。
【0144】さらにまた、黒鉛プレートおよびフライパ
ンについては、耐熱焦げ付き試験2を行った。
【0145】実施例9 PFA微粒子(粒径2μm以下、ダイキン工業(株)
製)5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標“メガフ
ァックF150”、大日本インキ化学(株)製)をPF
A1gに対し30.0mgの割合で添加した複合メッキ
浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各種部材お
よびステンレス鋼板に下地ニッケルメッキ被膜およびニ
ッケル−PFA複合メッキ被膜を順次形成させた。な
お、炭素プレートおよびアルミニウム合金製フライパン
については、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メ
ッキを継続した。
【0146】得られたニッケル−PFA複合メッキ被膜
を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風循環式乾
燥炉中で、340℃で30分間加熱した後、常温で室内
放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液滴法によ
り、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調べた。
【0147】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0148】実施例10 参考例1で得たフッ化ピッチ微粒子(平均粒径1.3μ
m)1.25重量およびPFA微粒子(粒径2μm以
下、ダイキン工業(株)製)5重量%を使用し、且つ界
面活性剤(商標“メガファックF150”、大日本イン
キ化学(株)製)をフッ化ピッチ1gに対し30.0お
よびPFA1gに対し30.0mgの割合で添加した複
合メッキ浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各
種部材およびステンレス鋼板に下地ニッケルメッキ被膜
およびニッケル−フッ化ピッチ−PFA複合メッキ被膜
を順次形成させた。なお、炭素プレートおよびアルミニ
ウム合金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ20
μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0149】得られたニッケル−フッ化ピッチ−PFA
複合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板
を熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱した
後、常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用
いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水
性を調べた。
【0150】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0151】実施例11 フッ化黒鉛微粒子(粒径1μm以下、旭硝子(株)製)
1.25重量およびPFA微粒子(粒径2μm以下、ダ
イキン工業(株)製)5重量%を使用し、且つ界面活性
剤(商標“メガファックF150”、大日本インキ化学
(株)製)をフッ化黒鉛1gに対し40.0mgおよび
PFA1gに対し30.0mgの割合で添加した複合メ
ッキ浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各種部
材およびステンレス鋼板に下地ニッケルメッキ被膜およ
びニッケル−フッ化黒鉛−PFA複合メッキ被膜を順次
形成させた。なお、炭素プレートおよびアルミニウム合
金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ20μmと
なるまで電解メッキを継続した。
【0152】得られたニッケル−フッ化黒鉛−PFA複
合メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を
熱風循環式乾燥炉中で、340℃で30分間加熱した
後、常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用
いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水
性を調べた。
【0153】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0154】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐焦げ付き性試験1
を行った。
【0155】さらにまた、黒鉛プレートおよびフライパ
ンについては、耐焦げ付き性試験2を行った。
【0156】実施例12 FEP微粒子(粒径2μm以下、ダイキン工業(株)
製)5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標“メガフ
ァックF150”、大日本インキ化学(株)製)をFE
P1gに対し65.0mgの割合で添加した複合メッキ
浴を使用する以外は実施例1と同様にして、各種部材お
よびステンレス鋼板に下地ニッケルメッキ被膜およびニ
ッケル−FEP複合メッキ被膜を順次形成させた。な
お、炭素プレートおよびアルミニウム合金製フライパン
については、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メ
ッキを継続した。
【0157】得られたニッケル−FEP複合メッキ被膜
を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風循環式乾
燥炉中で、250℃で30分間加熱した後、常温で室内
放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液滴法によ
り、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調べた。
【0158】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0159】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐焦げ付き性試験1
を行った。
【0160】さらにまた、黒鉛プレートおよびフライパ
ンについては、耐焦げ付き性試験2を行った。
【0161】実施例13 PTFE微粒子(粒径2μm以下、ダイキン工業(株)
製)2.5重量%およびFEP微粒子(粒径0.2〜
0.3μm、ダイキン工業(株)製)2.5重量%を使
用し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製)をPTFE1gに対
し30.0mgおよびFEP1gに対し65.0mgの
割合で添加した複合メッキ浴を使用する以外は実施例1
と同様にして、各種部材およびステンレス鋼板に下地ニ
ッケルメッキ被膜およびニッケル−PTFE−FEP複
合メッキ被膜を順次形成させた。なお、炭素プレートお
よびアルミニウム合金製フライパンについては、膜厚が
それぞれ20μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0162】得られたニッケル−PTFE−FEP複合
メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱
風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱した後、
常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて
液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を
調べた。
【0163】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0164】実施例14 PTFE微粒子(粒径2μm以下、ダイキン工業(株)
製)2.5重量%およびPFA微粒子(粒径2μm以
下、ダイキン工業(株)製)2.5重量%を使用し、且
つ界面活性剤(商標“メガファックF150”、大日本
インキ化学(株)製)をPTFE1gに対し30.0m
gおよびPFA1gに対し30.0mgの割合で添加し
た複合メッキ浴を使用する以外は実施例1と同様にし
て、各種部材およびステンレス鋼板に下地ニッケルメッ
キ被膜およびニッケル−PTFE−PFA複合メッキ被
膜を順次形成させた。なお、炭素プレートおよびアルミ
ニウム合金製フライパンについては、膜厚がそれぞれ2
0μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0165】得られたニッケル−PTFE−PFA複合
メッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱
風循環式乾燥炉中で、340℃で30分間加熱した後、
常温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて
液滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を
調べた。
【0166】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0167】実施例15 FEP微粒子(平均粒径0.2〜0.3μm、ダイキン
工業(株)製)2.5重量%およびPFA微粒子(粒径
2μm以下、ダイキン工業(株)製)2.5重量%を使
用し、且つ界面活性剤(商標“メガファックF15
0”、大日本インキ化学(株)製)をFEP1gに対し
65.0mgおよびPFA1gに対し30.0mgの割
合で添加した複合メッキ浴を使用する以外は実施例1と
同様にして、各種部材およびステンレス鋼板に下地ニッ
ケルメッキ被膜およびニッケル−FEP−PFA複合メ
ッキ被膜を順次形成させた。なお、炭素プレートおよび
アルミニウム合金製フライパンについては、膜厚がそれ
ぞれ20μmとなるまで電解メッキを継続した。
【0168】得られたニッケル−FEP−PFA複合メ
ッキ被膜を有する各種部材およびステンレス鋼板を熱風
循環式乾燥炉中で、250℃で30分間加熱した後、常
温で室内放置1時間後に、FACE接触角計を用いて液
滴法により、水の接触角の測定を行い、その撥水性を調
べた。
【0169】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0170】実施例16 フッ化黒鉛微粒子(粒径1μm以下、旭硝子(株)製)
1.25重量,PTFE微粒子(粒径2μm以下、ダイ
キン工業(株)製)2.5重量%およびFEP微粒子
(粒径0.2〜0.3μm、ダイキン工業(株)製)
2.5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標“メガフ
ァックF150”、大日本インキ化学(株)製)をフッ
化黒鉛1gに対し40.0mg、PTFE1gに対し3
0.0mgおよびFEP1gに対し65.0mgの割合
で添加した複合メッキ浴を使用する以外は実施例1と同
様にして、各種部材およびステンレス鋼板に下地ニッケ
ルメッキ被膜およびニッケル−フッ化黒鉛−PTFE−
FEP複合メッキ被膜を順次形成させた。なお、炭素プ
レートおよびアルミニウム合金製フライパンについて
は、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メッキを継
続した。
【0171】得られたニッケル−フッ化黒鉛−PTFE
−FEP複合メッキ被膜を有する各種部材およびステン
レス鋼板を熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分間
加熱した後、常温で室内放置1時間後に、FACE接触
角計を用いて液滴法により、水の接触角の測定を行い、
その撥水性を調べた。
【0172】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0173】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐焦げ付き性試験1
を行った。
【0174】さらにまた、黒鉛プレートおよびフライパ
ンについては、耐焦げ付き性試験2を行った。
【0175】実施例17 参考例1で得たフッ化ピッチの微粒子(平均粒径1.3
μm)1.25重量,PTFE微粒子(粒径2μm以
下、ダイキン工業(株)製)2.5重量%およびFEP
微粒子(粒径0.2〜0.3μm、ダイキン工業(株)
製)2.5重量%を使用し、且つ界面活性剤(商標“メ
ガファックF150”、大日本インキ化学(株)製)を
フッ化ピッチ1gに対し30.0mg、PTFE1gに
対し30.0mgおよびFEP1gに対し65.0mg
の割合で添加した複合メッキ浴を使用する以外は実施例
1と同様にして、各種部材およびステンレス鋼板に下地
ニッケルメッキ被膜およびニッケル−フッ化ピッチ−P
TFE−FEP複合メッキ被膜を順次形成させた。な
お、炭素プレートおよびアルミニウム合金製フライパン
については、膜厚がそれぞれ20μmとなるまで電解メ
ッキを継続した。
【0176】得られたニッケル−フッ化ピッチ−PTF
E−FEP複合メッキ被膜を有する各種部材およびステ
ンレス鋼板を熱風循環式乾燥炉中で、250℃で30分
間加熱した後、常温で室内放置1時間後に、FACE接
触角計を用いて液滴法により、水の接触角の測定を行
い、その撥水性を調べた。
【0177】ステンレス鋼板については、さらに密着力
(JIS K 5400)、衝撃変形試験(JIS K
5400)、耐薬品性試験および耐摩耗性試験を行っ
た。
【0178】また、天板、汁受け皿、焼き網、黒鉛プレ
ートおよびフライパンについては、耐焦げ付き性試験1
を行った。
【0179】さらにまた、黒鉛プレートおよびフライパ
ンについては、耐焦げ付き性試験2を行った。
【0180】比較例1 ステンレス鋼板にフッ素樹脂系塗料を塗布して、フッ素
樹脂塗膜を形成した。得られたフッ素樹脂塗装ステンレ
ス鋼板を常温で1時間室内放置した後、FACE接触角
計を用いる液滴法により、水の接触角の測定を行い、そ
の撥水性を調べた。
【0181】さらに、上記のフッ素樹脂塗装ステンレス
鋼板について、密着力(JIS K5400)、衝撃変
形試験(JIS K 5400)、耐薬品性試験、耐摩
耗性試験および耐熱焦げ付き性試験1を行った。
【0182】比較例2 黒鉛プレートおよびフライパンに対してそれぞれ耐熱焦
げ付き試験1および熱焦げ付き試験2を行った。
【0183】
【表1】
【0184】注1;250℃で2時間放置により一部に
剥離(97/100)。その他の場合には剥離なし。
【0185】注2;台所用漂白剤(商標“キッチンハイ
ター”、花王(株)製)15%により茶褐色錆状物発生
(100/100)。台所用漂白剤(商標“キッチンハイタ
ー”、花王(株)製)100%により茶褐色錆状物およ
び変色発生(50/100)。
【0186】
【表2】
【0187】注;耐摩耗性試験において、“○”は、
「傷なし」を意味し、“×”は、「傷あり」を意味す
る。
【0188】耐焦げ付き性試験1および2において、
“○”は、「焦げ付きなし」を意味し、“×”は、「焦
げ付きあり」を意味する。。
【0189】表1および表2に示す結果から、本発明に
よるフッ素化合物微粒子共析複合メッキ被膜が極めて優
れた撥水性乃至非粘着性、密着性、耐衝撃変形性、耐薬
品性、耐磨耗性、耐焦げ付き性などを備えていることが
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 15/02 F

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径2μm以下のフッ素化合物微粒子
    を分散含有する複合メッキ被膜を備えた調理器具用部
    材。
  2. 【請求項2】平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛{(C
    F)n}微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた
    請求項1に記載の調理器具用部材。
  3. 【請求項3】平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛{(C
    F)n}微粒子およびポリテトラフルオロエチレン微粒
    子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた請求項1に記
    載の調理器具用部材。
  4. 【請求項4】平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛{(C
    F)n}微粒子およびテトラフルオロエチレン−ヘキサ
    フルオロプロピレン共重合体微粒子を分散含有する複合
    メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調理器具用部材。
  5. 【請求項5】平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微粒子
    を分散含有する複合メッキ被膜を備えた請求項1に記載
    の調理器具用部材。
  6. 【請求項6】平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微粒子
    を分散含有しており、150〜300℃の温度で熱処理
    後の水による液滴法での接触角が135度以上である複
    合メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調理器具用部
    材。
  7. 【請求項7】平均粒径2μm以下のポリテトラフルオロ
    エチレン微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた
    請求項1に記載の調理器具用部材。
  8. 【請求項8】平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微粒子
    およびポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散含有し
    ており、150〜350℃の温度で熱処理後の水による
    液滴法での接触角が120度以上である複合メッキ被膜
    を備えた請求項1に記載の調理器具用部材。
  9. 【請求項9】平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微粒子
    およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
    レン共重合体微粒子を分散含有しており、150〜35
    0℃の温度で熱処理後の水による液滴法での接触角が1
    20度以上である複合メッキ被膜を備えた請求項1に記
    載の調理器具用部材。
  10. 【請求項10】平均粒径2μm以下のポリテトラフルオ
    ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
    合体微粒子を分散含有する複合メッキ被膜を備えた請求
    項1に記載の調理器具用部材。
  11. 【請求項11】平均粒径2μm以下のフッ化ピッチ微粒
    子およびポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロア
    ルキルビニルエーテル共重合体微粒子を分散含有する複
    合メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調理器具用部
    材。
  12. 【請求項12】平均粒径2μm以下のフッ化黒鉛微粒子
    およびポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアル
    キルビニルエーテル共重合体微粒子を分散含有する複合
    メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調理器具用部材。
  13. 【請求項13】平均粒径2μm以下のテトラフルオロエ
    チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子を分
    散含有する複合メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調
    理器具用部材。
  14. 【請求項14】平均粒径2μm以下のテトラフルオロエ
    チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子およ
    びポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散含有する複
    合メッキ被膜を備えた請求項1に記載の調理器具用部
    材。
  15. 【請求項15】天板、コンロ汁受け皿、オーブン皿、焼
    き肉用鉄板、ロストル、ジンギスカン鍋、ごとくおよび
    焼き網の少なくとも1種である請求項1乃至14のいず
    れかに記載の調理器具用部材。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15のいずれかに記載の調
    理器具用部材を備えた調理器具。
  17. 【請求項17】調理器具が、ガスコンロ、ガステーブ
    ル、オーブン、電子レンジ、炊飯器、バーベキューコン
    ロ、ホットプレート、鍋、フライパン、グリル鍋、焼き
    肉器、オーブントースター、電気ポット、自動給茶器お
    よび電磁誘導ヒーターのいずれかである請求項16に記
    載の調理器具。
JP3576594A 1993-05-14 1994-03-07 調理器具用部材および調理器具 Pending JPH0723862A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002370714A (ja) * 2001-06-15 2002-12-24 Yuyama Manufacturing Co Ltd 包装ホッパ
JP2008505720A (ja) * 2004-07-14 2008-02-28 ▲銭▼▲遠▼▲強▼ 金属性の焦げ付き防止コーティングを有する調理具とその製造方法
JP2014224314A (ja) * 2013-04-16 2014-12-04 株式会社ベスト フッ素樹脂粒子分散ニッケルめっき皮膜を形成するための電気めっき液、及びその電気めっき液を用いためっき皮膜の形成方法

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