JP2000326441A - 耐久性に優れた防汚性および耐食性被覆物品 - Google Patents

耐久性に優れた防汚性および耐食性被覆物品

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JP2000326441A
JP2000326441A JP13914999A JP13914999A JP2000326441A JP 2000326441 A JP2000326441 A JP 2000326441A JP 13914999 A JP13914999 A JP 13914999A JP 13914999 A JP13914999 A JP 13914999A JP 2000326441 A JP2000326441 A JP 2000326441A
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Takayuki Araki
孝之 荒木
Hiroshi Torii
寛 鳥居
Yoshito Tanaka
義人 田中
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、非粘着性を有する含フッ素ポリマー
からなる被膜が金属基材に金属素地の質感を維持した状
態で被覆されてなる被覆物品、特に耐食性、防汚性の耐
久性を改善した被覆物品を提供する。 【解決手段】 (A)ヒドロキシル基などの官能基を有
する含フッ素エチレン性重合体であって、結晶融点また
はガラス転移点が200℃以上、および/または1%重
量減分解耐熱温度が300℃以上の耐熱性を有する含フ
ッ素ポリマーからなる層、(B)イミド結合などを有す
る縮合性ポリマーであって、結晶融点またはガラス転移
点が150℃以上、および/または1%重量減分解耐熱
温度が250℃以上である耐熱性ポリマーからなる層、
および(C)金属基材からなり、かつ該基材(C)上に
プライマー層(B)、ついで被覆層(A)を有してなる
透明性が高く基材の金属素地の質感を維持した防汚性お
よび耐食性被覆物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、非粘着性
を有する含フッ素ポリマーからなる被膜が金属基材に金
属素地の質感を維持した状態で被覆されてなる被覆物品
に関し、特に耐食性、防汚性の耐久性を改善した被覆物
品に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素ポリマーは特に耐熱性、防汚
性、非粘着性、耐候性、耐薬品性、低屈折率性、電気絶
縁性に優れているため、それらを用いて被覆用の形態と
した塗料やフィルムは種々の用途に利用され、また利用
することを望まれている。特に、PTFE、PFA、F
EPに代表される耐熱性が高く(300℃以上)、融点
が高い(250℃以上)パーフルオロ系のフッ素樹脂は
上記特性を最も優れたレベルで有しており最適な材料と
いえる。
【0003】一方、たとえば電気ストーブ、ガスストー
ブ、石油ストーブなどのヒーターを有する暖房機器の放
熱板や反射板、オーブンレンジ、オーブントースター、
魚焼きグリルなどの加熱調理器の内壁などには熱(放射
熱)を逃がさないよう、またはある一点に集熱させるた
め、アルミニウム溶融メッキ鋼板にブライト加工を施し
て金属光沢をもたせた材料やステンレス鋼板などの反射
率の高い材料が用いられており、基材の熱線反射率を低
下させないように、耐熱性、非粘着性、防汚性を有する
含フッ素ポリマーを被覆することが望まれている。ある
いは外装建材や内装建材に用いられる金属パネル、ジャ
ーポットや炊飯ジャーの内釜など金属地肌の意匠性、光
沢感、清潔感を低下させないように、耐熱性、耐食性、
非粘着性、防汚性を付与することが望まれている。その
ためには、上記機能を有する含フッ素ポリマーを透明
に、かつなるべく厚さを薄くして基材に被覆することが
望ましく、またさらにこれら含フッ素ポリマーの優れた
機能が長期の使用においても維持されることが望まれて
いる。
【0004】しかし、これらの含フッ素ポリマーは、利
用しようとするその優れた非粘着性に起因して、金属な
どの基材との接着性が充分でないという本質的な問題が
ある。フッ素ポリマーと、金属などの基材と接着させる
方法としてはつぎの方法があげられる。 1.基材の表面をサンドブラスター処理などで物理的に
粗面化する方法。 2.耐熱性エンジニアリングプラスチックと金属粉末、
フッ素樹脂等を主成分とするプライマー層を基材と含フ
ッ素ポリマーの間に設ける方法。 3.フッ素ポリマーをフィルムの形態とし、接着面にナ
トリウムエッチングなどの化学的表面処理を行う方法。 4.接着剤を用いる方法。
【0005】これらの方法を、単独で、または組み合わ
せて行うことが知られている。しかし、1の処理だけで
は接着力が不充分で、温度や湿度などの環境変化だけで
も剥離してしまう。2については、従来のプライマー層
では着色しておりこれらの処理を行うだけで反射性、金
属質感などの基材の特徴を失ってしまう。また、3につ
いてはフィルムの着色が起きて基材の外観、特徴を低下
させ、たとえ透明な表面処理が可能となっても、接着力
が不充分で高温での使用時に熱変形が剥離してしまい、
結局1、2、4の方法と組み合わせなくてはならず、上
記と同様、基材の特徴を失ってしまう。4については、
接着剤自体透明性がなかったり、耐熱性、耐久性が不充
分で高温での使用時に着色、白化したり、発泡、剥離を
起こしてしまう。
【0006】つまり、耐熱性と非粘着性を有する含フッ
素ポリマーをフッ素の特性を低下させずに直接基材に接
着した透明な被膜は得られなかったり、得られてもフッ
素ポリマーの表面特性が長期の使用環境に対して保持で
きず機能が低下してしまったりしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の事実に鑑み、本
発明の目的は、その金属基材がもっている反射性や金属
光沢感などの特徴を低下させないで、耐熱性、非粘着性
を有する含フッ素ポリマーからなる被膜をその基材に接
着させ形成した塗装物品を提供することであり、より詳
しくは、防汚性、耐食性、耐熱性など表面性能について
長期にわたる使用によっても低下しないという耐久性を
改善した塗装物品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため検討を重ねた結果、金属基材上に耐熱性
を有する特定のプライマー層とそのプライマー層の上に
位置する特定の含フッ素ポリマー層からなる被覆物品
が、被膜の透明性が高く、金属の反射率・金属光沢感を
損なわないこと、かつ金属基材とプライマー層、プライ
マー層と含フッ素ポリマー層などの各層の層間接着性が
高く、各種長期耐久性試験(耐熱性、耐熱水性、耐熱塩
水性など)においてもフッ素ポリマーの表面特性を維持
できることを見出した。
【0009】本発明の被覆物品は、(A)ヒドロキシル
基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステ
ル基、カルボン酸ハライド基、カルボン酸アミド基、シ
アノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホ
ン酸ハライド基、エポキシ基の少なくとも1種の官能基
を有する含フッ素エチレン性重合体であって、結晶融点
またはガラス転移点が200℃以上、および/または1
%重量減分解耐熱温度が300℃以上の耐熱性を有する
含フッ素ポリマーからなる層、(B)イミド結合、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基、アミド基、アミド結合、
エステル基、エステル結合、スルホン酸基、スルホン
基、カーボネート結合、チオール基またはチオレート基
の少なくとも1種を有する縮合性ポリマーであって、結
晶融点またはガラス転移点が150℃以上、および/ま
たは1%重量減分解耐熱温度が250℃以上である耐熱
性ポリマーからなる層、および(C)金属基材からな
り、かつ該基材(C)上にプライマー層(B)、ついで
被覆層(A)を有してなる透明性が高く基材の金属素地
の質感を維持した防汚性および耐食性被覆物品に関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】金属基材の反射率、光沢感を維持するため
には、上記層(A)とプライマー層(B)とからなる被
膜が充分透明性を有していることが必要であり、たとえ
ば、JIS Z 8730に規定された、色差表示方法
に基づき分光測光機を用いて測定、算出された被覆物品
と被覆する前の金属基材(C)(被覆物品に用いたもの
と同じもの)との色差をΔEとしたとき、ΔE≦15で
あることが好ましい。
【0012】ただし、ΔEとは本発明の被覆物品の被膜
表面から分光測光機を用いて2度視野で測定しL**
*系で算出した物体色をL1 *、a1 *、b1 *とし、被覆物
品に用いた金属基材(C)のみを被覆物品を製膜したの
と同様の加工条件(焼成条件)で処理した未被覆基材の
表面を同様にL***系測光、算出した物体色を
2 *、a2 *、b2 *としたとき ΔE={(L1 *、a2 *2+(a1 *−a2 *2+(b1 *
2 *20.5 で算出されるものである。
【0013】さらに、外観上、好ましい色差ΔEは、Δ
E≦10であり、この範囲であれば金属基材の反射率や
光沢感、意匠性などをより損なわずに維持できるもので
ある。
【0014】本発明の被覆物品において用いられるプラ
イマー層(B)は、イミド結合、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基、アミド基、アミド結合、エステル結合、ス
ルホン酸基、スルホン基、カーボネート結合、チオール
基、チオレート基の少なくとも1種を有する縮合性ポリ
マーであって、結晶融点またはガラス転移点が150℃
以上、および/または1%重量減分解耐熱温度が250
℃以上である耐熱性ポリマーからなるものである。
【0015】結晶融点またはガラス転移点が低すぎる
と、また分解耐熱温度が低すぎると高温での使用時、軟
化・変形したり、発泡、着色したりして密着性が低下し
たり、金属基材の反射率や光沢感、意匠性を低下させた
りする。
【0016】本発明の被覆物品においてプライマー層
(B)の上記の官能基は金属基材との接着に寄与するだ
けでなく、各種耐久性試験においても接着性を維持する
ものである。
【0017】本発明の被覆物品におけるプライマー層
(B)は具体的には、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルサルホン、ポリスルホン、ポリエーテルエ
ーテルケトンから好ましく選ばれるものであり、これら
のうちの1種であってもよいし、2種以上の混合物であ
ってもよい。
【0018】なかでも、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルサルホンまたはこれらの混合物が接着
性、耐熱性の点で好ましく、金属基材の外観を維持する
点でポリイミドおよび/またはポリエーテルサルホンが
特に好ましい。
【0019】本発明におけるプライマー層(B)の好ま
しい構成は、ポリイミド/ポリエーテルサルホン=10
0/0〜5/95重量比であり、より好ましくはポリイ
ミド/ポリエーテルサルホン=100/0〜40/60
重量比である。ポリイミドの比率が少なすぎると、金属
基材との接着性、特に耐久性試験後の密着性の低下をき
たすため好ましくない。
【0020】本発明の被覆物品において前記プライマー
層(B)の上に位置する含フッ素ポリマーの層(A)は
ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カル
ボキシエステル基、カルボン酸ハライド基、カルボン酸
アミド基、シアノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステ
ル基、スルホン酸ハライド基、エポキシ基よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エ
チレン性重合体であって、結晶融点またはガラス転移点
が200℃以上、および/または空気中で測定した1%
重量減分解耐熱温度が300℃以上の耐熱性を有する含
フッ素ポリマーからなるものである。
【0021】また本発明の被覆物品における含フッ素ポ
リマーの層(A)は、表面の対水接触角が95度以上の
もの、さらには100度以上のものが好ましい。低い接
触角のものは、非粘着性や防汚性がわるく、使用時ごみ
や汚れが付着し、それによって被覆物品の金属基材の反
射率や光沢感、意匠性を低下させる。
【0022】含フッ素ポリマー層(A)の対水接触角が
高いものであっても、結晶融点またはガラス転移点が低
すぎたり、熱分解温度が低すぎたりすると、耐熱性を必
要とする用途において発泡や着色が生じ、金属基材の外
観を低下させたり、非粘着性、防汚性などの機能が長期
にわたって維持できなくなる。また、高温での機械的物
性や耐摩耗性が不充分となりやすく、外観や耐久性が低
下する。
【0023】本発明において層(A)を構成する含フッ
素ポリマーは、含フッ素ポリマーに上記官能基を導入す
ることによって得られる。本体となる含フッ素ポリマー
としては、テトラフルオロエチレンを主成分とする含フ
ッ素重合体が好ましい。さらに具体的には、以下のもの
があげられる。 (1)テトラフルオロエチレン単独重合体(PTFE)
またはテトラフルオロエチレン99.7モル%以上含有
するテトラフルオロエチレン共重合体(いわゆる変性P
TFE)。
【0024】この含フッ素ポリマーは耐熱性、耐薬品
性、非粘着性が最も優れており、さらに摺動性(低摩擦
性、耐摩耗性)を有する点で優れている。 (2)テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と
式(1): CF2=CFRf (1) [RfはCF3、ORf 1(Rf 1は炭素数1〜5のパーフル
オロアルキル)]で表される単量体0.3〜15モル%
との重合体。具体的にはテトラフルオロエチレンとパー
フルオロ(プロピルビニルエーテル)との共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンとの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)とヘキサ
フルオロプロピレンとの3元共重合体、テトラフルオロ
エチレンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)と
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)との3元共重合
体などがあげられる。
【0025】これらの含フッ素ポリマー(2)は含フッ
素ポリマー(1)とほぼ同等の耐熱性、耐薬品性、非粘
着性を有し、さらに透明性を有する点ならびに溶融可能
であり、塗料の形態で塗布しても熱により透明化および
表面平滑化が可能な点で優れている。 (3)テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチ
レン20〜60モル%、その他の共重合体可能な単量体
0〜15モル%との重合体(ETFE)。
【0026】この含フッ素ポリマーは優れた耐熱性、防
汚性、耐候性をもち、透明性に優れている点、さらに優
れた機械的強度を有し、硬く強靭である点、ならびに溶
融流動性が優れているため比較的低温での加工が可能
で、耐熱性の低い基材への被覆が可能である点で優れて
いる。
【0027】これら(1)〜(3)に例示の含フッ素ポ
リマーに前記の官能基を導入したものが、本発明で使用
する層(A)を構成する含フッ素ポリマーの好ましい具
体例である。
【0028】さらに本発明者らは、含フッ素ポリマーか
らなる層(A)に、上記官能基を導入したものを用いる
ことによって透明性がよく、かつプライマー層(B)に
強固に接着でき、金属基材の外観を低下させないこと、
さらに含フッ素ポリマーの優れた非粘着性、防汚性など
の機能を長期の使用にわたって維持できることを見出し
た。
【0029】含フッ素ポリマーからなる層(A)に用い
られる官能基含有含フッ素ポリマーは、前記官能基の少
なくとも1種以上を含フッ素ポリマーの分子末端または
側鎖に含有するものが好ましく、なかでもヒドロキシル
基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩、スルホン酸
基もしくはスルホン酸塩、エポキシ基、シアノ基、また
はカルボン酸アミド基が好ましい。さらにそのなかでも
ヒドロキシル基が耐熱性も良好で、基材の外観を低下さ
せることなく被覆でき、かつ耐久性も良好な点で好まし
い。
【0030】具体的には、官能基を有する含フッ素ポリ
マーが、(a)後述する官能基含有エチレン性単量体の
少なくとも1種の単量体0.05〜50モル%と(b)
前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体50
〜99.95モル%とを共重合してなる含フッ素ポリマ
ーであることが好ましい。
【0031】上記の官能基含有エチレン性単量体(a)
が前述のいずれかの官能基を有する含フッ素エチレン性
単量体の少なくとも1種の単量体であることが、含フッ
素ポリマーからなる層の耐熱性、非粘着性、基材との接
着性を低下させない点で好ましい。
【0032】この含フッ素ポリマー(官能基含有含フッ
素エチレン性重合体)を構成する成分の1つである前記
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a1)としては
式(2): CX2=CX1−Rf 2−Y (2) (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、−SO3H、スルホン酸塩、エポキシ基または−C
N、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子または
フッ素原子、Rf 2は炭素数1〜40の2価の含フッ素ア
ルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレ
ン基、炭素数1〜40のエーテル基を含む含フッ素アル
キレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含
フッ素オキシアルキレン基を表す)で示される官能基含
有含フッ素エチレン性単量体であるのが好ましい。
【0033】また、官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a1)の具体例としては、式(3): CF2=CF−Rf 3−Y (3) [式中、Yは式(2)のYと同じ、Rf 3は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基またはORf 4(Rf 4
炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭
素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アル
キレン基)を表わす]、式(4): CF2=CFCF2−ORf 5−Y (4) [式中、Yは式(2)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39
のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表
わす]、式(5): CH2=CFCF2−Rf 6−Y (5) [式中、Yは式(2)のYと同じ、Rf 6は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基、またはORf 7(Rf 7
は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または
炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素ア
ルキレン基)を表わす]、または式(6): CF2=CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(2)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものなど
があげられる。
【0034】式(3)〜式(6)の官能基含有含フッ素
エチレン性単量体が、官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点で、ま
た、共重合して得られた重合体の耐熱性を著しく低下さ
せない理由で好ましい。
【0035】これらのなかでも、官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)との共重合性や、得られた
重合体の耐熱性の面より式(3)、式(5)の化合物が
好ましく、特に式(5)の化合物が好ましい。
【0036】式(3)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体として、さらに詳しくは
【0037】
【化1】
【0038】などが例示される。
【0039】式(4)で示される官能基含有フッ素エチ
レン性単量体としては、
【0040】
【化2】
【0041】などが例示される。
【0042】式(5)で示される官能基含有フッ素エチ
レン性単量体としては、
【0043】
【化3】
【0044】などが例示される。
【0045】式(6)で示される官能基含有フッ素エチ
レン性単量体としては、
【0046】
【化4】
【0047】などが例示される。
【0048】その他
【0049】
【化5】
【0050】などもあげられる。
【0051】官能基含有含フッ素エチレン性重合体中の
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a1)の含有率
は、重合体中の単量体の全量の0.05〜50モル%で
ある。構造体に用いられる基材表面、種類、形状、塗装
方法、条件、目的や用途などの違いにより適宜選択され
るが、好ましくは0.05〜20モル%、特に好ましく
は0.1〜10モル%である。
【0052】単量体(a1)の含有率が0.05モル%
未満であると、プライマー層(B)との充分な接着性が
得られにくく、温度変化や薬品の浸透などにより剥離な
どをおこしやすい。また、50モル%を超えると耐熱性
を低下させ、高温で焼成時または高温での使用時に、接
着不良や着色、発泡、ピンホールなどが発生し、金属基
材の外観を低下させたり、含フッ素ポリマーからなる層
の剥離や熱分解生成物の溶出などをおこし、耐久性を低
下させる。
【0053】官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a
1)と共重合する官能基を含有しない含フッ素エチレン
性単量体(b)は公知の単量体より適宜選択することが
でき、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、防汚性、低摩擦性
を含フッ素ポリマーに与える。
【0054】具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)
としては、テトラフルオロエチレン、式(1):CF2
=CFRf[RfはCF3またはORf 1(Rf 1は炭素数1
〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、クロロト
リフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、フッ化
ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、
【0055】
【化6】
【0056】(式中、X2は水素原子、塩素原子または
フッ素原子から選ばれる、nは1〜5の整数)などがあ
げられる。 また、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a1)と
前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)
に加えて、耐熱性や、非粘着性を低下させない範囲でフ
ッ素原子を有さないエチレン性単量体を共重合してもよ
い。この場合フッ素原子を有さないエチレン性単量体
は、耐熱性を低下させないためにも炭素数5以下のエチ
レン性単量体から選ぶことが好ましく、具体的にはエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなとがあげ
られる。
【0057】含フッ素単量体(b)は、上記例示のなか
から本発明の被覆物品に用いられる含フッ素ポリマーの
耐熱性、融点および得られる層の対水接触角に接合する
ように選択でき、特に(a)を除く単量体組成が前述の
(1)PTFE、(2)PFA、FEPに代表されるパ
ーフルオロ系共重合体、(3)ETFEなどの組成にな
るように含フッ素単量体(b)を選択して(a)と共重
合することが好ましく、(1)〜(3)それぞれの前述
の含フッ素重合体の優れた性質に加え、プライマー層
(B)への接着性を付与することができる。
【0058】本発明の被覆物品に用いられる含フッ素ポ
リマーは、ポリマーを構成する単量体を従来からの重合
方法で(共)重合することによって得ることができる。
その中でも主としてラジカル共重合体による方法が用い
られる。すなわち重合を開始するには、ラジカル的に進
行するものであれば手段は何ら制限されないが、たとえ
ば有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光あるいは電離
放射線などによって開始される。重合の種類も溶液重
合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いること
ができる。また、分子量は、重合に用いるモノマーの濃
度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によっ
て制御される。生成する共重合体の組成は、仕込みモノ
マーの組成によって制御可能である。
【0059】本発明の被覆物品におけるプライマー層
(B)、含フッ素ポリマー層(A)の被膜の厚さは、金
属基材の反射率、光沢感を保持するため、なるべく薄い
膜であることが好ましく、層(A)と層(B)との合計
厚さが10μm以下、好ましくは5μm以下、特に好ま
しくは3μm以下である。
【0060】そのなかでプライマー層(B)の厚さは
0.1〜5.0μm、好ましくは0.5μm〜2.0μ
mであり、薄すぎるプライマー層が金属基材との充分な
接着力を示さなかったり、接着力を有していても、耐久
性が不充分となったりする。また、厚すぎるプライマー
層は、金属基材の反射率、光沢感を損なってしまう。
【0061】その上に位置する含フッ素ポリマー層
(A)の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.5〜
3.0μmであり、薄すぎる含フッ素ポリマー層は、フ
ッ素ポリマーの機能を充分満たさなかったり、また、長
期の使用においてフッ素ポリマーの機能を低下させやす
い。
【0062】また、厚すぎる含フッ素ポリマー層(A)
は、金属基材の外観を低下させてしまう。
【0063】本発明の被覆物品を得るためには、プライ
マー層(B)、含フッ素ポリマー層(A)をそれぞれい
かなる形態で形成してもよく、一般には塗料(または表
面処理剤)やフィルムの形態で適用される。
【0064】なかでも各層を塗料の形態で基材を被覆す
る方法が、上記のように薄膜の被膜を効率よく基材に形
成できるため好ましい。
【0065】プライマー層(B)と含フッ素ポリマー層
(A)とからなる被膜を金属基材に施す方法としては、
(i)プライマー層(B)に用いる縮合ポリマーと含フ
ッ素ポリマー層(A)に用いる官能基含有含フッ素ポリ
マーを混合、塗料化した塗料を金属基材に塗布し含フッ
素ポリマーの融点以上で焼成後成膜する方法(ワンコー
ト法)、(ii)プライマー層(B)に用いる縮合ポリマ
ーを塗料化したものを塗布し乾燥(または未乾燥で)
後、官能基含有含フッ素ポリマーからなる塗料を塗布し
含フッ素ポリマーに応じて融点以上で焼成、成膜する方
法(ツーコートワンベーク法)、(iii)プライマー層
(B)に用いる縮合ポリマーを塗料化したものを塗布し
乾燥し焼成成膜後、官能基含有含フッ素ポリマーからな
る塗料を塗布し含フッ素ポリマーに応じて融点以上で焼
成、成膜する方法(ツーコートツーベーク法)などが採
用できる。
【0066】なかでも(ii)、(iii)の方法が、被膜
の透明性が高く、金属基材の反射率や光沢感を効率よく
維持させることができ、かつ表面機能を耐久性よく維持
できる点で好ましい。
【0067】含フッ素ポリマーからなる層(A)、プラ
イマー層(B)を塗料の形態から形成する場合、塗料と
しては、それぞれのポリマーの水性分散体、有機溶剤分
散体、粉体、オルガノゾルの水性分散体、有機溶剤可溶
体などの形態をとり得る。
【0068】プライマー層(B)を形成するための組成
物としては、有機溶剤分散体または有機溶剤可溶体であ
ることが好ましい。
【0069】たとえば、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルサルホンを主成分とするプライマーの
場合は、有機媒体としてN−メチルピロリドン、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、キシレン、ト
ルエンなどの1種または2種以上の混合溶剤が好ましく
用いられ、透明性を低下させない範囲で、必要に応じ、
添加剤、たとえば粘度調整剤、安定剤、分散剤、レベリ
ング剤などを加えてもよい。
【0070】含フッ素ポリマー層(A)を形成するため
の組成物としては、前記のように、含フッ素ポリマーの
水性分散体、有機溶剤分散体、粉体、オルガノゾル、オ
ルガノゾルの水性分散体などの形態をとり得る。なかで
も、含フッ素ポリマーの微粒子が水中に分散された水性
分散体組成物の形態を用いるのが、基材に含フッ素ポリ
マーの層を均一に、特に薄膜に形成することができる点
で好ましい。
【0071】この水性分散体のなかには、微粒子の分散
安定性を高めるための界面活性剤を配合されていてもよ
い。また、被覆物品としたときの含フッ素ポリマーの層
の透明性や基材の光沢感を低下させたり、非粘着性、耐
熱性を低下させない範囲で、消泡剤、粘度調節剤、レベ
リング剤、造膜助剤などの添加剤を添加してもよい。
【0072】水性分散体組成物中の含フッ素ポリマーは
前述の含フッ素ポリマーが粒径で0.01〜1.0μm
の微粒子状で分散されており、含フッ素ポリマーの層を
より均一に、薄膜として基材上に形成するために、粒径
は0.3μm以下であることが好ましく、特に0.1μ
m以下であることが好ましい。
【0073】水性分散体組成物中の含フッ素ポリマーの
含有量は1〜70重量%の範囲で選択され、一般には組
成物の粘度や塗装方法に応じて上記のような薄膜を形成
するのに適するように調整される。
【0074】水性分散体は、種々の方法で製造すること
ができる。具体的にはたとえば、・懸濁重合法などで得
られた官能基を有する含フッ素ポリマーの粉末を微粉砕
し、それを水性分散媒中へ、界面活性剤によって均一に
分散させる方法、・乳化重合法により重合と同時に含フ
ッ素水性分散液を製造し、必要に応じてさらに界面活性
剤や添加剤を配合する方法などがあげられるが、生産性
や品質面(小粒径化や、均一粉径化)から、乳化重合法
により直接水性分散液を製造する方法が好ましい。
【0075】プライマー層(B)、含フッ素ポリマー層
(A)を得るための塗装方法は特に限定されず、はけ塗
り、スプレーコート、ロールコート、フローコート法な
ど通常の塗料の塗装方法を採用できる。また薄膜化を目
標として、スプレーコーター、ディップコーター、スピ
ンコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、エ
アドクターコーター、ロッドコーター、トランスファロ
ールコーター、リバースロールコーターなどの手段が採
用できる。たとえば、これらの方法でプライマー組成
物、含フッ素ポリマーからなる塗料を塗布後、乾燥し、
含まれる含フッ素ポリマーの種類に応じて、含フッ素ポ
リマーの融点以上で焼成することによって、均一なプラ
イマー層(B)と含フッ素ポリマー層(A)からなる複
層被膜を薄膜として金属基材に与えることができる。
【0076】本発明の被膜物品は用途に応じて種々の形
状をとり得る。本発明の構造体を得るために、基材を所
望の形状に加工した後、層(A)、(B)を形成しても
よいし、たとえば平板状の基材に層(A)、(B)を形
成した後、曲げ、プレス、絞りなどの後加工を行ない、
所望の形状とすることもできる。
【0077】本発明の被覆物品において用いられる金属
基材(C)としては、用途や目的によって種々選択され
る。
【0078】金属基材の金属には金属および2種以上の
金属による合金類、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩などの金属塩類も含まれる。そのなかでも金
属および金属酸化物、合金類が接着性においてより好ま
しい。
【0079】金属基材の具体例としては、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル、チタン、モリブテン、マグネシウ
ム、マンガン、銅、銀、鉛、スズ、クロム、ベリリウ
ム、タングステン、コバルトなどの金属や金属化合物お
よびこれらの2種以上からなる合金類などがあげられ
る。
【0080】合金類の具体例としては炭素鋼、Ni鋼、
Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、
ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼、Al−Cl、Al
−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−
Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金、黄
銅、青銅(ブロンズ)、ケイ素青銅、ケイ素黄銅、洋
白、ニッケル青銅などの銅合金、ニッケルマンガン(D
ニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、
ニッケル−ケイ素、モネルメタル、コンスタンタン、ニ
クロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金など
があげられる。
【0081】さらにアルミニウム系金属については、純
アルミニウム、アルミニウムの酸化物、Al−Cu系、
Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−
Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力ア
ルミニウム合金、耐食アルミニウム合金などの鋳造用ま
たは展伸用のアルミニウム合金を用いることができる。
【0082】さらにまた鉄系金属としては、純鉄、酸化
鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−M
o鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、
パーマロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いる
ことができる。
【0083】また、金属の腐食防止などを目的として、
金属表面に電気メッキ、溶融メッキ、クロマイジング、
シリコナイジング、カロライジング、シェラダイジン
グ、溶射などを施して他の金属を被膜したり、リン酸塩
処理によりリン酸塩被膜を形成させたり、陽極酸化や加
熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防
食を施した基材へも接着できる。
【0084】さらに、接着性をさらに向上させることを
目的として、金属基材表面をリン酸塩、硫酸、クロム
酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブ
ラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニ
ンク、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘア
ーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよく、意
匠性を目的として、金属表面に、着色、印刷、エッチン
グなどを施してもよい。
【0085】また、さらに上記アルミニウムまたはアル
ミニウム合金系基材の場合、その表面に防食、表面硬
化、接着性の向上などを目的に、苛性ソーダ、シュウ
酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行なって酸化皮
膜を形成させたもの(アルマイト)や、その他前述の表
面処理を施したものも用いることもできる。
【0086】さらに、前述と同様に表面に他の金属をメ
ッキしたもの、たとえば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッ
ケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など、浸透法、
溶射法により他の金属を被膜したもの、クロム酸系やリ
ン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成
させたもの、電気的防食法を施したもの(たとえばカル
バニック鋼板)などでもよい。
【0087】なかでも、反射率や金属光沢感の優れた金
属基材(C)が好ましく選択され、特にステンレス、
銅、チタン、アルミニウムなどが好ましく選択される。
【0088】本発明の被覆物品は、特に光線や熱線の透
過や反射を必要とする用途に対し、特に効果的に含フッ
素ポリマーの耐熱性、非粘着性、防汚性などの優れた性
質を付与することができる。
【0089】熱線の反射を必要とする用途としては、つ
ぎのものがあげられる。 (1)加熱調理器 電気オーブン、電気オーブンレンジ、電気オーブントー
スター、電子レンジ、製パン用オーブン、ガスオーブ
ン、電磁レンジ、ロースター、魚焼き器、ガスグリル、
電気グリルなどの加熱調理器の内壁(たとえば金属基材
部分)および扉内面(たとえばガラス基材部分)に適用
することによって、食材、油汚れ、焦げ付きの付着防止
と、除去の簡便性に効果的に作用するとともに、良好な
熱線反射性を利用して損失を少なく均一に食材に熱を伝
えることができるため、調理時間の短縮化や省エネルギ
ー化に効果的に作用する。 (2)暖房機器 電気ストーブ類、ガスストーブ類などの暖房機器のヒー
ターの反射板に適用することによって、ほこりや汚れの
付着防止、除去の簡便性に効果的に作用すると共に、良
好な熱線反射性を利用して暖房時間の短縮、省エネルギ
ー化に効果的に作用する。
【0090】本発明の被膜を小型精密機械部品などに形
状サイズの精度を必要とする用途にほどこすことによっ
て、形状、サイズを変化させずに含フッ素ポリマーの耐
熱性や、非粘着性、摺動性を精密部品に付与することが
できる。たとえば、とくに歯車、ローター、回転軸、ク
ランク、タービンなどのマイクロマシーンなどの機械部
品にほどこすことによって、部品の寸法精度を変えるこ
となく、耐熱性、摺動性、非粘着性を付与することがで
き、摩擦抵抗が低く、潤滑剤を実用上使わないで自己潤
滑性を付与できる点で好ましい。
【0091】上記の作用効果以外にも本発明の被膜をほ
どこすことによって、透明性、意匠性を保つことが必要
な、または好ましい種々の用途に対して含フッ素ポリマ
ーの優れた特性を付与できる。利用可能な用途、部材に
ついてさらに以下に列挙する。 (A)刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻
刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通
し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジューサーの
刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッ
チキスの刃、罐切りの刃、または手術用のメス等。 (B)針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、
注射針、手術用針、安全ピン等。 (C)成形用部品の例:成形用金型、たとえばプレス成
形用金型、注型成形用金型、射出成形用金型、トランス
ファー成形用金型、真空成形用金型、吹き込み成形用金
型、押し出し成形用ダイ、インフレーション成形用口
金、繊維紡糸用口金、カレンダー加工用ロールなど。 (D)装飾品の例:時計、指輪、腕輪、ブローチ、ネク
タイピン、イヤリング、ネックレス、貴金属装飾製品、
白金、金、銀、銅、アルミニウム、チタニウム、錫ある
いはそれらの合金ステンレス製、メガネフレーム等。 (E)食品成形型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼成
用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成
形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿
等。 (F)調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライ
パン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ
焼きプレート等。 (G)家庭電化製品の例:ジャーポット、炊飯ジャー、
アイロン、テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、
オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エ
アコン、ジューサー、ミキサー、扇風機の羽根、照明器
具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 (H)スポーツ用品の例:釣竿、釣糸、魚網、釣り浮き
等。 (I)建材の例:屋根材、外壁材、内装材、トタン(亜
鉛メッキ鉄板)など。外壁材として、金属系サイジン
グ、アルミニウムサッシ等の金属材料など。内装材とし
ては、アルミニウムフレーム等の金属材料。 (J)その他、魔法瓶、真空系機器等。
【0092】
【実施例】つぎに本発明を製造例、実施例に基づいて説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0093】製造例1(ヒドロキシル基を有するPFA
からなる水性分散体の製造) 撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リット
ルステンレス製オートクレーブに純水1500ml、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム13.5gを入れ、
窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、エタンガス2
0mlを仕込んだ。
【0094】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9
−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0095】
【化7】
【0096】の1.8g、パーフルオロ(プロピルビニ
ルエーテル)(PPVE)16.5gを、窒素ガスを用
いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0097】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレ
ンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとな
るように圧入した。
【0098】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラ
フルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0099】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40
g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フ
ッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合
物)の1.9gを計9回(計17.1g)圧入して重合
を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約4
00g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷
却し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透明の
水性分散体1950gを得た。
【0100】得られた水性分散体中のポリマーの濃度は
21.7%、動的光散乱法で測定した粒子径は74nm
であった。また、得られた水性分散体の一部をとり凍結
凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、乾燥し白色固
体を単離した。得られた共重合体の組成は、19F−NM
R分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式
(7)で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチ
レン性単量体)=98.0/1.0/1.0モル%であ
った。
【0101】また赤外スペクトルは3620〜3400
cm-1に−OHの特性吸収が観測され、DSC分析によ
り、Tm=318℃、DTGA分析によりI%熱分解温
度Td=379℃であった。
【0102】製造例2(カルボキシル基を有するPFA
からなる水性分散体の製造) 製造例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒
素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガス20m
lを仕込んだ。
【0103】ついで、パーフルオロ−(9,9−ジハイ
ドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオ
キサ−8−ノネン酸)(式(8):
【0104】
【化8】
【0105】1.8gを窒素ガスを用いて圧入し系内の
温度を70℃に保った。撹拌を行いながらテトラフルオ
ロエチレン(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gと
なるように圧入した。
【0106】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを
水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応
を開始した。重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テト
ラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで
再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0107】テトラフルオロエチレンの供給を続けなが
ら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消
費されるごとに、前記のカルボキシル基を有する含フッ
素エチレン性単量体(式(8)で示される化合物)の
1.8gを計9回(計16.2g)圧入して重合を継続
し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが400g消
費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未
反応モノマーを放出した。水性分散体1920gを得
た。得られた水性分散体中のポリマーの濃度は20.7
%、粒子径は69.0nmであった。
【0108】製造例1と同様にして、水性分散体の一部
をとり白色固体を単離した。同様にして得られた白色固
体を分析した。 TFE/PPVE/(式(8)のカルボキシル基を有す
る含フッ素単量体)=98.8/1.2モル% Tm=310℃ 1%熱分解温度Td=313℃
【0109】なお、赤外ペクトルは3680〜2800
cm-1に−OH、1790cm-1にC=0の特性吸収が
観測された。
【0110】製造例3(官能基を有さないPFAの水性
分散体の合成) 製造例1において、パーフルオロ−(1,1,9,9−
テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−
3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示さ
れる化合物)を用いなかったこと以外は、製造例1と同
様にして乳化重合を行い、官能基を含まないPFAの水
性分散体1920gを得た。
【0111】水性分散体中のポリマーの濃度は21.6
%、粒子径は156nmであった。製造例1と同様に白
色固体を単離し、分析した。 TFE/PPVE=99.3/0.7モル% Tm=317℃ 1%熱分解温度Td=479℃
【0112】なお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収
は観測されなかった。
【0113】製造例4 撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた1リット
ルのステンレス製オートクレーブに、酢酸ブチル250
g、ピバリン酸ビニル(VPi)36.4g、フッ素を
有さないヒドロキシル基含有単量体として、4−ヒドロ
キシルブチルビニルエーテル(HBVE)32.5g、
イソプロポキシカルボニルパーオキサイド4.0gを仕
込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充填置換したのち真空
にし、イソブチレン(IB)47.5gとテトラフルオ
ロエチレン(TFE)142gを仕込んだ。
【0114】撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時
間反応させ、反応容器内圧力が2.0kg/cm2以下
に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷
却し、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ
素ポリマーの酢酸ブチル溶液が得られた。ポリマー濃度
は45%であった。
【0115】得られた含フッ素ポリマーの酢酸ブチル溶
液から、再沈法により含フッ素ポリマーを取り出し、充
分減圧および乾燥させることにより白色固体として単離
した。1H−NMR、19F−NMR元素分析により得ら
れた含フッ素ポリマーを分析したところ、TFE/IB
/VPi/HBVE=44/34/15/7モルからな
る共重合体であった。DTGA分析による1%熱分解温
度は220℃、DSC分析においては結晶融点はなかっ
た。
【0116】製造例5(プライマー組成物の調製) ポリマー濃度25重量%のポリイミドワニス(三井化学
(株)製のType PAA−A。ジメチルアセトアミド
溶液)に、ジメチルアセトアミド:キシレン=70:3
0重量%の混合溶剤を加え、ポリマー濃度8%に希釈し
た。
【0117】製造例6(プライマー組成物の調製) ポリマー濃度25%のポリイミドワニス(製造例5と同
じもの)19.2gとポリエーテルサルホンパウダー
(住友化学(株)製のPES−5003P)3.2gお
よびジメチルアセトアミド:キシレン=70:30重量
%の混合溶剤77.6gを混合し、ポリイミド:ポリエ
ーテルサルホン=60:40重量比、ポリマー濃度8%
のプライマー組成物を得た。
【0118】製造例7(ヒドロキシル基を有するPFA
の塗料用水生分散体の調製) 製造例1で得たヒドロキシル基を有するPFA水性分散
体にノニオン性界面活性剤であるノニオンHS−208
をヒドロキシル基を有するPFAのポリマーに対して
9.0重量%となるように加え、均一に撹拌した。得ら
れた塗料用水性分散体の固形分濃度は20.1重量%
(300℃1時間での加熱残分から算出)であった。
【0119】製造例8(カルボキシル基を有するPFA
の塗料用水性分散体の調製) 製造例1で得たヒドロキシル基を有するPFA水性分散
体にかえて製造例2で得たカルボキシル基を有するPF
Aの水性分散体を用いた以外は製造例7と同様にして塗
料用水性分散体を調製した。固形分濃度は20.3重量
%であった。
【0120】製造例9(官能基を含まないPFAの塗料
用水性分散体の調製) 製造例1に得たヒドロキシル基を有するPFA水性分散
体にかえて製造例3で得た官能基を含まないPFAの水
性分散体を用いた以外は製造例7と同様にして塗料用水
性分散体を調製した。固形分濃度は20.5重量%であ
った。
【0121】実施例1 (1)基材の前処理 150×35×0.5(mm)のステンレススチール
(SUS430)を用いアセトンにより脱脂した。
【0122】(2)プライマー層(B)の形成 塗布:製造例5で得たプライマー組成物(PI:10
0%)を用いてスプレー塗装した。 乾燥:120℃の赤外乾燥炉にて10分間乾燥させ
た。
【0123】(3)含フッ素ポリマー層(A)の形成 塗布:上記で形成したプライマー層上に製造例7で得
たヒドロキシル基を有するPFAの塗料用水性分散体を
スプレー塗装した。 焼成:350℃熱風乾燥炉にて15分間焼成した。
【0124】(4)評価 色差 JIS Z 8730に記載のL*、a*、b*表色系に
よる色差式に基づき、測色、算出を行った。
【0125】上記(1)〜(3)で得た被覆物品の被膜
側を分光測定器を用いて2度視野で常用標準白色面を基
準として測色算出した明度指数、およびクロマティクネ
ス指数をL1 *、a1 *、b1 *とした。つぎに、同じ被覆物
品の裏面の未塗装側の金属表面を上記と同様にして測定
算出した各指数をL2 *、a2 *、b2 *としたとき塗装板の
色差をΔEを ΔE={(L1 *−L2 *2+(a1−a22+(b1
22}1/2 に代入して求めた。
【0126】密着性試験 初期密着性:JIS K 5400に規定された碁盤目
試験に基づき、セロハンテープを密着させ、ひきはがし
た時の被膜の残存量を測定した。
【0127】耐久試験後の密着性:上記と同じセロハン
テープを用いて、切り目を入れずに直接密着させひきは
がした時の被膜の密着性を観測した。(セロハンテープ
剥離試験)
【0128】対水接触角 接触角計で室温にて被膜表面の対水接触角を測定した。
【0129】耐摩耗性試験 ラビングテスター(大平理化工業(株)製)にて綿布
(ASAHI CHEMICAL製のBEMCOT M
−3)を用いて250g/cm2の荷重で被膜表面を1
000往復摩擦した後の対水接触角を測定した。
【0130】マジック(登録商標)汚染性 赤のマジックインキ(登録商標)を被膜表面に塗布後、
1日放置した後、ティッシュペーパーにて空ら拭きし、
拭き取り性を観察した。
【0131】耐熱水性試験 上記で得た塗装板を、98℃以上の沸騰水に20日間浸
漬した後、被膜表面の対水接触角、セロハンテープ剥離
試験での密着性を測定した。
【0132】耐塩水性試験 上記で得た塗装板を5%食塩水溶液に浸漬し、10日間
98℃以上に保った。被膜表面の対水接触角、セロハン
テープ剥離試験での密着性を測定した。
【0133】耐熱性試験 上記で得た塗装板を300℃に設定した熱風乾燥器に入
れ、100時間後とり出し、室温に冷却後、対水接触
角、耐摩耗性試験を行った。
【0134】実施例2 製造例7で得たヒドロキシル基を有するPFAの塗料用
水性分散体にかえて、製造例8で得たカルボキシル基を
有するPFAの塗料用水性分散体を用いて層(A)を形
成した以外は、実施例1と同様にして塗装物品の作製お
よび評価を行った。結果を表1に示す。
【0135】実施例3 製造例5で得たプライマー組成物にかえて、製造例6で
得たプライマー組成物(PI/PES)を用いてプライ
マー層(B)を形成した以外は、実施例1と同様にして
塗装物品の作製および評価を行った。結果を表1に示
す。
【0136】比較例1 製造例7で得たヒドロキシル基含有PFAの塗料用水性
分散体にかえて、製造例9で得た官能基を有さないPF
Aの塗料用水性分散体を用いて層(A)を形成した以外
は実施例1と同様にして塗装物品の作製および評価を行
った。結果を表1に示す。
【0137】比較例2 (1)基材の前処理 実施例1と同様に行った。
【0138】(2)プライマー層の形成 塗布:製造例6で得たプライマー組成物(PI/PE
S)を用いてスプレー塗装した。 焼成:320℃で15分間焼成した。 (3)含フッ素ポリマー層は形成しなかった。 (4)評価 実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0139】比較例3 プライマー層を形成せず含フッ素ポリマー層(A)のみ
を直接金属基材に塗布した以外は、実施例1と同様にし
て基材に直接含フッ素ポリマー層を形成し、評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0140】比較例4 (1)基材の前処理および(2)プライマー層の形成は
実施例1と同様に行った。 (3)含フッ素ポリマー層の形成 塗布:製造例4で得た含フッ素ポリマー(45%酢酸
ブチル溶液)を酢酸ブチルでポリマー濃度20%に希釈
し、それを用いてスプレー塗装した。 焼成:120℃で15分間焼成した。 (4)評価 実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0141】比較例5 (1)基材の前処理 実施例1と同様な方法で行った。 (2)被膜の形成 フッ素樹脂1コートエナメルであるポリフロンTFEタ
フコートエナメル(TC−7808GY、ダイキン工業
(株)製。(官能基を有しないPTFE+耐熱性エンジ
ニアリングプラスチック)系1コート塗料)を用い、ス
プレー塗装した。
【0142】110℃の赤外乾燥炉で10分間乾燥させ
た後、380℃15分間焼成を行った。 (3)評価 実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0143】比較例6 (1)基材の前処理 実施例1と同様に行った。
【0144】(2)プライマー層の形成 塗布:ポリフロンTFEエナメル(EK−1909B
KN、ダイキン工業(株)製。(PTFE+耐熱性エン
ジニアリングプラスチック)系塗料)を用いてスプレー
塗装した。 乾燥:赤外乾燥炉にて110℃10分間乾燥した。
【0145】(3)トップ層の形成 塗布:ポリフロンTFEエナメル(EK−3808S
3、ダイキン工業(株)製。官能基を有しないPTFE
系塗料)を用いてスプレー塗装した。 :焼成:110℃で10分間赤外乾燥炉にて乾燥後、
380℃で15分間焼成を行った。
【0146】(4)評価 実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、非粘着性を有
する含フッ素ポリマーからなる被膜が金属基材に金属素
地の質感を維持した状態で被覆されてなる被覆物品、特
に耐食性、防汚性の耐久性を改善した被覆物品を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 義人 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F100 AB01C AB04C AB10C AB12C AB17C AK01B AK17 AK17A AK17J AK18 AK18J AK49B AK50B AK54B AK55B AL01 AL05B AL06A AL06B BA03 BA07 BA10A BA10C EH46 GB07 GB48 GB87 GB90 JA04A JA04B JA05A JA05B JB02 JB06A JB07 JJ03A JJ03B JK06 JK09 JL06 JN01 YY00A YY00B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヒドロキシル基、カルボキシル
    基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基、カルボン酸
    ハライド基、カルボン酸アミド基、シアノ基、スルホン
    酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸ハライド基、
    エポキシ基の少なくとも1種の官能基を有する含フッ素
    エチレン性重合体であって、結晶融点またはガラス転移
    点が200℃以上、および/または1%重量減分解耐熱
    温度が300℃以上の耐熱性を有する含フッ素ポリマー
    からなる層、(B)イミド結合、ヒドロキシル基、カル
    ボキシル基、アミド基、アミド結合、エステル基、エス
    テル結合、スルホン酸基、スルホン基、カーボネート結
    合、チオール基またはチオレート基の少なくとも1種を
    有する縮合性ポリマーであって、結晶融点またはガラス
    転移点が150℃以上、および/または1%重量減分解
    耐熱温度が250℃以上である耐熱性ポリマーからなる
    層、および(C)金属基材からなり、かつ該基材(C)
    上にプライマー層(B)、ついで被覆層(A)を有して
    なる透明性が高く基材の金属素地の質感を維持した防汚
    性および耐食性被覆物品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の被覆物品において、該被
    覆物品の被膜層表面から分光測光機を用いて2度視野で
    測定し、L***系で算出した物体色をL1 *、a1 *
    1 *とし、未被覆基材(C)の表面のL***系で算
    出した物体色をL2 *、a2 *、b2 *とし、被覆物品と未被
    覆基材(C)との色差をΔEとしたとき、ΔEが ΔE={(L1 *、a2 *2+(a1 *−a2 *2+(b1 *
    2 *20.5≦15 を満たす被覆物品。
  3. 【請求項3】 色差ΔE≦10である請求項2記載の被
    覆物品。
  4. 【請求項4】 プライマー層(B)が、ポリイミド、ポ
    リアミドイミド、ポリエーテルイミドおよびポリエーテ
    ルサルホンよりなる群から選ばれる少なくとも1種から
    なる請求項1〜3のいずれかに記載の被覆物品。
  5. 【請求項5】 プライマー層(B)が、ポリイミド単独
    の層、またはポリイミドとポリエーテルサルホンの混合
    物であってポリエーテルサルホン含量が95重量%以下
    である層である請求項4記載の被覆物品。
  6. 【請求項6】 プライマー層(B)が、ポリイミド単独
    の層、またはポリイミドとポリエーテルサルホンの混合
    物であってポリエーテルサルホン含量が60重量%以下
    である層である請求項4記載の被覆物品。
  7. 【請求項7】 基材(C)の金属がステンレス、銅、チ
    タンおよびアルミニウムよりなる群から選ばれる少なく
    とも1種からなる請求項1〜6のいずれかに記載の被覆
    物品。
  8. 【請求項8】 被膜表面の対水接触角が95度以上であ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の被覆物品。
  9. 【請求項9】 被膜表面の対水接触角が100度以上で
    ある請求項8記載の被覆物品。
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