JP4813077B2 - 耐熱非粘着塗装金属板 - Google Patents

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Description

本発明は、炊飯器,電子レンジ,ガステーブル用天板,パン,ケーキの焼き型等の加熱調理器具に好適で、優れた熱伝導性を呈する耐熱非粘着塗装金属板に関する。
金属製の加熱調理器具は、食材を加熱しすぎ、或いは煮汁の少ない条件下で食材を加熱すると焦げ付きやコビリ付きが発生しやすい。焦げ付きやコビリ付きを抑えるため、食材に接する側をフッ素樹脂被覆した加熱調理器具が使用されている。
フッ素樹脂塗膜は、潤滑性,耐熱性,非粘着性,耐汚染性等に優れているが、軟質なため異物との接触で疵付きやすく、ナイロン束子等で洗浄すると短時間で摩損する。フッ素樹脂塗膜の耐磨耗性,耐疵付き性は、粒状無機粉末を塗膜に分散させることによって改善される。本発明者等も、ガラスフレーク,硫酸バリウムフレーク,グラファイトフレーク,合成マイカフレーク,シリカフレーク,合成アルミナフレーク等の鱗片状無機質添加材を分散させることにより耐磨耗性,耐疵付き性を改善した耐熱非粘着塗装金属板を提案した(特許文献1)。
特開2003-33995号公報
加熱調理器具の素材として使用される耐熱非粘着塗装金属板には、耐磨耗性,耐疵付き性の他に良好な熱伝導性が要求される。樹脂塗膜の熱伝導性を改善するためカーボンブラックを配合すること(特許文献2)も知られているが、非常に微細な粒子であるカーボンブラックは凝集しやすく塗膜に均一分散し難い。カーボンブラックの配合は、塗膜に付与できる色調に大きな制約を加え、多様なニーズに対応するため色調に変化をつけた加熱調理器具を作製する上での支障になりやすい。
特開平6-343379号公報
本発明者等は、フッ素樹脂塗膜の熱伝導性を改善するため、耐熱塗料に種々の有機,無機添加材を配合し、添加材と熱伝導性との関係を調査した。その結果、ミクロンサイズの粒径をもつ人造ダイヤモンド粒子が熱伝導性を効果的に改善することを見出した。塗膜にダイヤモンド粒子を分散させること自体はすでに知られている技術(特許文献3)であるが、ナノサイズの非常に細かなダイヤモンド粒子が使用されており、フッ素樹脂塗膜の耐磨耗性向上が狙いである。
特開平8-173321号公報
本発明は、ミクロンサイズの人造ダイヤモンド粒子が塗膜の熱伝導性に及ぼす知見をベースとし、特定粒径の人造ダイヤモンド粒子をフッ素樹脂塗膜に分散させることにより、耐磨耗性,耐疵付き性に加えて熱伝導性も改善し、加熱調理器具の要求特性を満足する耐熱非粘着塗装金属板を提供することを目的とする。
本発明の耐熱非粘着塗装金属板は、平均粒径:1μm以下の熱溶融性フッ素樹脂粒子,平均粒径:0.2〜5μmの人造ダイヤモンド粒子を配合した塗料からトップ塗膜を成膜している。粒状フッ素樹脂,人造ダイヤモンド粒子が樹脂固形分100質量部に対しそれぞれ10〜200質量部,0.05〜10質量部の割合でトップ塗膜に分散しており、熱溶融性フッ素樹脂粒子から生成したフッ素樹脂薄膜でトップ塗膜が覆われている。
耐熱樹脂には、ポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリアミドイミド樹脂等がある。熱溶融性フッ素樹脂には、テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロエチレン,パーフルオロアルキルビニルエーテル,クロロトリフルオロエチレンの少なくとも一種からなる重合体又は共重合体があり、なかでもポリテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体が好ましい。
トップ塗膜は、ダイヤモンド粒子の分散によって硬度が増し、耐磨耗性,耐疵付き性が改善されるが、ガラスフレーク,硫酸バリウムフレーク,グラファイトフレーク,合成マイカフレーク,シリカフレーク,合成アルミナフレーク等の鱗片状無機質添加材を分散させると耐磨耗性,耐疵付き性が更に向上する。炭化ケイ素繊維,アルミナ繊維,シリカ繊維,ガラス繊維,炭素繊維等の無機繊維を分散させることによっても,トップ塗膜の耐磨耗性,耐疵付き性を改善できる。
トップ塗膜は塗装原板に直接設けても良いが、下塗り塗膜を介在させる2コート2ベーク法が通常採用される。下塗り塗膜は、好ましくはリン酸亜鉛,リン酸マグネシウム,リン酸マグネシウム亜鉛等のリン酸系防錆顔料を耐熱樹脂に配合した塗料から成膜される。
静的高圧法,衝撃法,気相成長法等で合成される人造ダイヤモンド粒子は、親油性で化学的に安定な物質であり、電気的には絶縁体であるものの非常に高い熱伝導率を示す(表1)。しかも、天然のダイヤモンド粒子に比べて不純物が少ないため品質が安定しており、安価に入手できる。
Figure 0004813077
親油性で化学的安定性が高いことは、塗料焼成時に加熱されても変質することなく塗膜に分散することを意味する。しかし、ダイヤモンド粒子を配合した塗料から成膜した塗膜では、ダイヤモンド粒子の分散形態が粒径に応じて異なる。平均粒径:200〜1200Åの超微粒ダイヤモンドは凝集しやすく、二次粒子となって塗膜に分散する傾向にある。
大粒径ほど二次粒子化し難い傾向を呈し、平均粒径が0.2μm(2000Å)を超えるダイヤモンド粒子は塗料中に均一に単分散する。そのため、焼付け乾燥後の塗膜内部でも熱伝導率の高いダイヤモンド粒子の均一分散状態が維持され、偏りのない均一で優れた熱伝導率が耐熱非粘着塗装金属板に付与される。ただし、5μmを超える粗粒では塗膜の異物としての影響が強くなり、塗膜面のブツや加工時の押込み疵が発生しやすくなる。
ダイヤモンド粒子の分散で熱伝導性が向上した耐熱非粘着塗装金属板を加熱調理器具の内板(たとえば、オーブン電子レンジの角皿やグリル皿,ホットプレートの焼き面,炊飯器の内釜)として使用するとき、食材への熱伝達が促進される。そのため、高温短時間調理が可能になり、エネルギー消費効率の高い加熱調理器具が得られる。ダイヤモンド粒子分散塗膜のある内板を備えた加熱調理器具では、沸騰時の気泡が微細化し食材が美味しくなるという予想外の効果も得られる。
良好な熱伝導性を示し且つ電気的には絶縁体であるダイヤモンドの特性は、ダイヤモンド粒子分散によって塗膜にも付与される。熱伝導性に優れ電気伝導性が低いことは、マイクロウェーブを熱源とする加熱調理器具の素材として興味ある用途展開が期待できる。熱伝導性の良好な材料ほど電気伝導性も高いことが通常であるが、高温短時間加熱のための良好な熱伝導性及び低い電気伝導性が要求されるオーブン内板に適した特性の塗膜が得られる。
電気伝導性材料をオーブン内板に使用すると、マイクロ波照射でオーブン内板が高電位かかりスパークが発生しやすくなる。オーブン内板をアースすることによりスパークの発生を防止できるが、アースを取るためオーブンの内部構造に制約が加わり設計自由度が低下する。設計上アースが取れない場合、金属製部品に代えてセラミック部品を使用せざるを得ない。この点、ダイヤモンド粒子を分散させた塗膜は、高い熱伝導性を示すものの電気伝導性のない絶縁有機皮膜であるため、スパークの発生が抑制される。
実施の形態
本発明に従った耐熱非粘着塗装金属板は、冷延鋼板,亜鉛めっき鋼板,Zn-Al合金めっき鋼板,Zn-Al-Mg合金めっき鋼板,アルミニウムめっき鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合金板等を塗装原板として使用している。
塗膜密着性を改善するため脱脂,酸洗等の処理を塗装原板に施した後、リン酸塩処理,クロメート処理,クロムフリー処理等で塗装原板の表面に化成皮膜を形成する。具体的には、アルカリ脱脂,酸洗等で金属板表面を清浄化した後、必要に応じてリン酸塩処理で表面の濡れ性を高め、クロメート処理又はクロムフリー処理によって塗膜密着性の改善に有効な化成皮膜を形成する。
化成皮膜は、ロールコータ,カーテンフローコータ,浸漬・引上げ法等で化成処理液を金属板表面に塗布し、ローラ等で絞った後、水洗することなく80〜200℃で乾燥することによって形成される。
化成皮膜は、下地金属板の腐食を防止し、塗膜密着性の向上に有効な厚みで形成される。たとえば、クロメート皮膜では全Cr換算付着量として5〜100mg/m2,リン酸塩皮膜では5〜500mg/m2,Ti-Mo複合皮膜では10〜500mg/m2,フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量又は総金属付着量で0.1〜500mg/m2となるように設けられる。
化成皮膜形成後、透明又は着色耐熱性塗料を塗装原板に塗布し、乾燥・焼付けによって下塗り塗膜を形成する。下塗り塗膜用の耐熱性塗料としては、ポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種以上の耐熱樹脂を使用できる。透明な下塗り塗膜も形成可能であるが、色調の要求に応じて酸化チタン,カーボンブラック,酸化クロム,酸化鉄等の耐熱性に優れた着色顔料を配合した塗料を用いて下塗り塗膜を形成しても良い。
下塗り塗膜にもダイヤモンド粒子を分散させると、塗装金属板の熱伝導性が更に向上する。ダイヤモンド粒子の平均粒径は0.2〜5μmで,配合量は樹脂固形分100質量%に対して0.05〜10質量部の範囲で定められる。平均粒径:0.2μm未満では乾燥状態で凝集しやすく二次粒子の形態で塗膜分散する傾向が強くなり、ダイヤモンド粒子が均一分散し難くなる。逆に5μmを超える粗粒ダイヤモンド粒子を添加すると、塗膜本来の性質が損なわれ、塗膜物性に悪影響が現れ、ブツのある塗膜面を呈し、成形加工時に押込み疵が発生しやすくなる。
ダイヤモンド粒子の配合による熱伝導性改善効果は0.05質量部以上の配合量で顕著になるが、10質量部で飽和する。10質量部を超えるダイヤモンド粒子を配合しても、ダイヤモンド粒子の過剰分散に起因して成形加工時に塗装金属板や成形金型に押込み疵が発生しやすくなる。
クロム系のストロンチウムクロメートや非クロム系の変性シリカ,トリポリリン酸二水素アルミニウム,リン酸マグネシウム亜鉛等のリン酸系防錆顔料を下塗り塗料に添加するとき、塗装金属板の切断端面や加工時又は施工時に発生した塗膜欠陥部を起点とするフクレ,銹等の欠陥発生が防止される。添加される防錆顔料は、平均粒径が0.1〜1μmの範囲にあるものが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では塗料に分散させる際に凝集しやすく、防錆顔料を均一分散させがたい。逆に、平均粒径が10μmを超える防錆顔料を添加すると、塗膜本来の性質が損なわれ、塗膜物性に悪影響が現れやすい。しかも、大粒径の防錆顔料は、塗膜の平滑性だけでなく、柚子肌状になって塗膜外観を著しく劣化させる。
防錆顔料は、樹脂固形分100質量部に対し5〜150質量部の割合で配合することが好ましい。防錆顔料による塗膜の耐食性改善効果は、5質量部以上の防錆顔料で顕著になるが、150質量部で飽和する。150質量部を超える防錆顔料を配合しても、過剰な防錆顔料に起因して塗膜の加工性,密着性が低下する。
所定組成に調製された下塗り塗料は、プレコート鋼板の製造に通常使用されているロールコート,フローコート,カーテンフロー,スプレー等の方法で塗装原板に塗布され、到達板温300〜400℃×30〜180秒で焼き付けられる。下塗り塗料の塗布量は、焼付け後に乾燥膜厚0.5〜30μmの下塗り塗膜が形成されるように調整される。
透明な下塗り塗膜を形成する場合、乾燥膜厚0.5μm以上で耐食性,塗膜密着性等の改善効果が発現する。着色塗膜の場合には、下地金属板を隠蔽するために3μm以上の乾燥膜厚が好ましい。何れの場合も30μmを超える厚膜では、塗膜表面が柚子肌状になって外観が劣化するだけでなく、焼付け時にワキが発生しやすくなる。このようにして、任意の色調に調整され、防錆効果が付与された下塗り塗膜が形成されるが、場合によっては下塗り塗膜の省略も可能である。
下塗り塗膜又は化成処理した下地金属板に直接、耐熱非粘着塗料が塗布され、乾燥・焼付けによって耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜)が形成される。耐熱非粘着塗料は、ポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種以上の耐熱樹脂に、平均粒径:1μm以下の熱溶融性フッ素樹脂及び平均粒径:0.2〜5μmのダイヤモンド粒子を配合することにより調製され、必要に応じ鱗片状無機質添加材を添加しても良い。
熱溶融性フッ素樹脂,ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材の配合量は、耐熱樹脂の固形分100質量部に対しそれぞれ10〜200質量部,0.05〜10質量部,1〜30質量部の範囲で選定される。耐熱非粘着塗料には、更に直径:0.1〜10μm,長さ:100μm以下の無機繊維を耐熱樹脂の固形分100質量部に対して0.1〜40質量部の割合で配合しても良い。
熱溶融性フッ素樹脂としては、耐熱非粘着性の観点から融点270℃以上のフッ素樹脂が好ましく、テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロエチレン,パーフルオロアルキルビニルエーテル,クロロトリフルオロエチレン等の単量体の少なくとも1種からなる重合体を使用できる。特に非粘着性の持続性に優れていることから、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)が好ましく、更に耐熱性の観点からPFAが最適である。
熱溶融性フッ素樹脂は、塗料樹脂に対する分散性や塗膜に優れた非粘着性,耐熱性を付与するため、平均粒径:1μm以下の粉末が好ましい。平均粒径:1μm以下の熱溶融性フッ素樹脂は、焼成時に容易に溶融し、上塗り塗膜表面にフッ素樹脂質の薄膜を形成する。なかでも、0.5μm以下の平均粒径が薄膜形成に好適である。
熱溶融性フッ素樹脂は、10〜200質量部の配合割合で耐熱非粘着塗料に配合される。熱溶融性フッ素樹脂配合による非粘着性の持続性は10質量部以上の配合割合で顕著になるが、200質量部を超える過剰量の熱溶融性フッ素樹脂を配合すると、下塗り塗膜に対する上塗り塗膜の密着性が低下しやすい。非粘着性の持続性と密着性とをバランスさせる上では、50〜150質量部,更には80〜120質量部で熱溶融性フッ素樹脂を配合することが好ましい。
第二成分のダイヤモンド粒子としては、静的高圧法,衝撃法,気相成長法等で合成された平均粒径:0.2〜5μm人造ダイヤモンド粒子が使用される。0.2μm未満の平均粒径では、塗料分散前のダイヤモンド粒子自体が凝集しやすいため、塗料に均一分散させ難く、二次粒子の形態で塗膜に分散する傾向が強くなる。その結果、塗膜に分散したダイヤモンド粒子に偏りが生じ、熱伝導性の向上が効果的でなくなる。ダイヤモンド粒子の凝集は、塗膜面のブツや成形加工時の押込み疵配を発生させる原因にもなる。
平均粒径:0.2μm以上のダイヤモンド粒子は乾燥状態でも凝集し難く、仮に凝集していても、塗料調製用の溶剤に事前分散させる際に通常採用されている超音波攪拌やディスパー攪拌で凝集状態が解消されるので塗料への均一分散が図られる。均一分散したダイヤモンド粒子は,塗膜にも均一分散するため塗膜の熱伝導性が向上する。
しかし、平均粒径が5μmを超える粗粒のダイヤモンド粒子では、塗膜面からダイヤモンド粒子が突出しやすく、非粘着性低下の虞だけでなく塗膜本来の性質が損なわれ、塗膜物性に悪影響が現れ、塗膜面のブツや成形加工時の押込み疵が発生しやすくなる。塗膜への均一分散や突出に起因する非粘着性の低下を防止する上では、平均粒径:0.5〜3μmのダイヤモンド粒子が好ましい。
ダイヤモンド粒子は、0.05〜10質量部の割合で耐熱非粘着塗料に配合される。耐熱非粘着塗膜にダイヤモンド粒子を分散させることにより、電気絶縁性を維持したまま熱伝導性が向上する。更に、高硬度のダイヤモンド粒子が分散するので、従来B〜HB程度であった塗膜の鉛筆硬度も1ランク向上しHB〜Hになる。
非粘着性の低下なく熱伝導性を向上させるダイヤモンド粒子の添加効果は、平均粒径:0.2〜5μm,分散量:0.05〜10質量部で顕著になる。0.05質量部未満の分散量ではダイヤモンド粒子添加による熱伝導性向上効果が十分でなく、逆に10質量部を超える過剰量のダイヤモンド粒子を分散させると、塗膜面から突出するダイヤモンド粒子に起因して非粘着性が低下しやすく、塗膜本来の性質が損なわれ、物性等に対する悪影響ばかりでなく、成形加工時に塗装金属板や成形金型に押込み疵が発生しやすくなる。過剰添加はコスト的にも不利である。
任意成分である鱗片状無機質添加材は、材質に制約を受けるものではなく,ガラスフレーク,硫酸バリウムフレーク,グラファイトフレーク,合成マイカフレーク,シリカフレーク,合成アルミナフレーク等が使用される。なかでも、耐磨耗性の観点から素材自体が硬質で、液体からの冷却・凝固で製造されることにより極めて平滑な表面をもつガラスフレークが好適である。ガラスフレークとしては、市販のガラスフレークが使用でき、含アルカリガラス,無アルカリガラス又はその中間組成物等がある。
鱗片状無機質添加材は、そのままでも耐熱非粘着塗料に配合できるが、必要に応じてクロム酸系,燐酸系,アルミナ系,ジルコニア系等の無機系表面処理剤や各種シランカップリング剤,チタネートカップリング剤等を用いた表面処理を施したものが好ましい。表面処理によって、耐熱非粘着塗料に対する鱗片状無機質添加材の分散性及び隣接する樹脂層との層間密着性が向上する。
耐熱非粘着塗料に配合される鱗片状無機質添加材は,非粘着性の低下なく塗膜硬度及び耐磨耗性を向上させるため、好ましくは10〜100μmの範囲に平均粒径が調整される。なお、鱗片状無機質添加材の平均粒径は、最も長い部分の長さで表される。塗膜硬度及び耐磨耗性に及ぼす鱗片状無機質添加材の改善効果は平均粒径10μm以上で顕著になる。10μm未満の平均粒径では、塗膜を平面視で塗膜に占める鱗片状無機質添加材の面積割合が小さく、鱗片状無機質添加材が点状に分布することになり、塗膜硬度及び耐磨耗性の改善に効果的でない。この状態で無機繊維を配合しても、無機繊維の線状分散によって塗膜硬度は向上するものの、磨耗に対するバリア層となる鱗片状無機質添加材の面積割合が小さいため十分な耐磨耗性が得られない。
平均粒径10μm以上の鱗片状無機質添加材を分散させることにより、面状で硬質のバリア層が塗膜内部に形成されるため塗膜硬度が向上し、耐磨耗性が飛躍的に改善される。しかし、鱗片状無機質添加材の平均粒径が100μmを超えると、塗膜から突出する鱗片状無機質添加材に起因して非粘着性が低下する虞がある。また、鱗片状無機質添加材の突出による非粘着性の低下を防止する上で、厚み5μm以下、更には1μm以下の鱗片状無機質添加材が好ましい。
鱗片状無機質添加材は、1〜30質量部の配合割合でダイヤモンド粒子を配合した耐熱非粘着塗料に分散配合される。耐熱非粘着塗膜に鱗片状無機質添加材を分散させることにより、従来B〜HBであった鉛筆硬度がダイヤモンド粒子の配合でHB〜Hに、更に鱗片状無機質添加材の配合でH〜4Hに上昇し、耐磨耗性が飛躍的に改善される。非粘着性の低下なく耐磨耗性を向上させる鱗片状無機質添加材の添加効果は、平均粒径10〜100μm,分散量1〜30質量部で顕著になる。1質量部未満では鱗片状無機質添加材添加による塗膜硬度,耐磨耗性の改善効果が十分でなく、逆に30質量部を超える過剰量の鱗片状無機質添加材を配合すると、塗膜からの鱗片状無機質添加材の突出に起因して非粘着性が低下しやすく、塗膜本来の性質が損なわれ、物性等に対する悪影響の原因にもなる。
耐熱非粘着塗料に、更に無機繊維を配合しても良い。無機繊維には、チタン酸カリウム繊維,ウォラスナイト繊維,炭化ケイ素繊維,アルミナ繊維,アルミナシリケート繊維,シリカ繊維,ロックウール,スラグウール,ガラス繊維,炭素繊維等がある。
無機繊維を塗膜に分散させることにより非粘着性,加工性の低下なく塗膜硬度が向上する。鱗片状無機質添加材が塗膜の膜面に平行な方向に沿って分散するのに対し、無機繊維は、隣接する鱗片状無機質添加材の隙間を縫うように三次元的に塗膜内部に分散する。この分散形態の相違から、非粘着性,加工性に悪影響を及ぼすことなく塗膜硬度が改善されるものと推察される。
塗膜硬度向上に及ぼす効果は、直径0.1μm以上,長さ10μm以上の無機繊維で顕著になる。しかし、直径20μm,長さ100μmを超える無機繊維では、塗膜表面から突出する無機繊維に起因して非粘着性や加工性が低下する虞がある。このようなことから、直径0.1〜20μm,長さ10〜100μmの無機繊維、なかでも直径0.1〜1μm,長さ0.1〜30μmのチタン酸カリウム繊維が好ましい。
無機繊維は、0.1質量部以上の割合で耐熱非粘着塗料に配合される。ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材及び無機繊維を複合添加した塗料から形成された耐熱非粘着塗膜では、塗膜硬度の下限が1ランク向上して2H〜4Hになる。非粘着性,加工性の低下なく塗膜硬度を向上させる無機繊維の複合添加効果は、0.1〜40質量部の配合量で顕著になる。0.1質量%に満たない配合量では無機繊維の分散による効果が十分に発現されず,逆に40質量部を超える配合量では塗膜表面から無機繊維が突出しやすくなり、結果として非粘着性,加工性が低下し、塗膜本来の性質が損なわれる虞がある。密着性,加工性に悪影響を及ぼさない上では、1〜20質量部の範囲にある配合量が好ましい。
所定組成に調合した耐熱非粘着塗料は、プレコート鋼板の製造に通常使用されているロールコート,フローコート,カーテンフロー,スプレー等の方法で塗装原板に塗布され、到達板温350〜450℃×60〜180秒で焼き付けられる。耐熱非粘着塗料の塗布量は、焼付け後に乾燥膜厚:5〜40μmの耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜)が形成されるように調整される。
乾燥膜厚:5μm未満では非粘着性の持続性が十分に発現されず、ダイヤモンド粒子分散に起因する熱伝導性改善効果も十分でない。逆に40μmを超える厚膜では塗膜表面が柚子肌状になって外観が劣化するばかりでなく、焼付け時にワキが発生しやすくなる。加工性の観点からすると、耐熱非粘着塗膜の膜厚は5〜20μmが好ましい。
形成された耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜)の断面を顕微鏡で観察すると、図1で模式的に示すように、耐熱非粘着塗膜10の表層にフッ素樹脂薄膜11が形成され、ダイヤモンド粒子12,粒状フッ素樹脂13,鱗片状無機質添加材14が分散した耐熱非粘着塗膜10が下塗り塗膜15を介して下地金属板16の表面に形成されていた。鱗片状無機質添加材14は、フレーク面が下地金属板16の表面に直交することなく、下地金属板16の表面とほぼ平行に又は若干の傾斜をもって塗膜10に分散しており、塗膜10から突出した鱗片状無機質添加材14は検出されなかった。
フッ素樹脂薄膜11は、耐熱非粘着塗料の焼成時に熱溶融性フッ素樹脂が浮上・溶融して塗膜表層で薄膜化した連続皮膜である。連続したフッ素樹脂薄膜11の形成によって塗膜10に非粘着性が付与されることは勿論、塗膜10の初期磨耗性も向上する。しかも、塗膜10に分散しているダイヤモンド粒子12,鱗片状無機質添加材14によって塗膜硬度が高くなり、耐磨耗性が改善される。ここで、鱗片状無機質添加材14の粒径が規制されているので、塗膜10からの突出も防止される。
塗膜10に分散している粒状フッ素樹脂13は、軟質のフッ素樹脂薄膜11が磨耗した後でも非粘着性を持続させる。更に、鱗片状無機質添加材14のバリア効果と粒状フッ素樹脂13の滑り性が相乗的に働き、耐磨耗性が飛躍的に向上する。
このような塗膜構造をもつことから、後述の実施例にもみられるように熱伝導性,耐磨耗性,非粘着性に優れた塗膜になるものと推察される。
更に無機繊維を複合分散させた耐熱非粘着塗膜10では、図2で模式的に示すように、鱗片状無機質添加材14の隙間を縫うように分散した無機繊維17が観察される。無機繊維17の分散状態は耐熱非粘着塗膜10の厚み方向成分をもつ三次元分布であり、塗膜10の表面から無機繊維17の突出も観察されない。この塗膜構造のため、非粘着性の低下なく塗膜硬度が更に向上し,耐磨耗性にも優れた塗膜になるものと推察される。
図1,2で模式的に示す耐熱非粘着塗膜10が形成された金属板は、フライパン,ガステーブルの天板,ホットプレート,パン焼き器,オイルポット,電子レンジ内壁材,オーブンの角皿,グリル皿等の加熱調理器具を初めとし、家電製品,厨房機器や耐熱性,非粘着性,潤滑性が要求される摺動部材等としても使用される。また、優れた熱伝導性に着目し、放熱部材としての用途展開も期待できる。
板厚:0.5mm,片面当りめっき付着量:60g/m2のZn-55%Al合金めっき鋼板を塗装原板に使用し、酸洗,水洗,表面調整,水洗,乾燥の工程を経て塗布型クロメート処理を施し、水洗せずに100℃で乾燥した。塗布型クロメート処理では、クロム換算付着量:30mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
クロメート処理された塗装原板に下塗り塗料を塗布し、360℃×90秒で焼付け乾燥することにより、乾燥膜厚:5μmの下塗り塗膜を形成した。下塗り塗料としては、クロム酸系防錆顔料を含み、カーボンブラックで黒色に着色したポリエーテルスルホン樹脂塗料を使用した。
カーボンブラック及びアルミニウムフレークで黒色メタリックに着色したポリエーテルスルホン樹脂をベースとし、表2の平均粒径及び配合量で熱溶融性フッ素樹脂,ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材を配合することにより耐熱非粘着塗料(上塗り塗料)を調製した。ダイヤモンド粒子としては、静的高圧法で合成した人造ダイヤモンド粒子を使用した。
表中、PFAはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,PTFEはテトラフルオロエチレン,FEPはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を示す。熱溶融性フッ素樹脂粒子,ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材の含有量は、樹脂固形分100質量部に対する比率で表した。
Figure 0004813077
下塗り塗装後の塗装原板に耐熱非粘着塗料を塗布し、400℃×120秒で焼付け乾燥することにより乾燥膜厚10μmの耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜)を形成した。
得られた各耐熱非粘着塗装金属板から試験片を切り出し、次の試験に供した。
〔外観試験〕
試験片を蛍光灯下で目視観察し、ブツの有無を調査した。
〔塗膜硬度試験〕
「JIS Z5440 8.4鉛筆引っかき試験」に準拠し、塗膜に疵がついたときの鉛筆硬度及び塗膜が破壊したときの鉛筆硬度で塗膜硬度を評価した。
〔磨耗試験〕
繰返し摩擦による耐磨耗性を評価するため、「JIS H8682アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐磨耗性試験方法 6.往復運動平面磨耗試験方法」に定められた往復運動平面磨耗試験機を転用し、磨耗輪に代えて直径18mmのガラス試験管を回転しないように取り付け、ストローク幅50mm,50往復/分で往復運動するガラス試験管の底で塗膜を摺擦した。ガラス試験管に加わる荷重を2kgに設定し,磨耗回数3万回,5万回,10万回後の塗膜を観察し、めっき層が露出しなかったものを○,めっき層が露出したものを×と評価した。
〔初期非粘着試験〕
卵/砂糖/醤油=1/1/1(質量比)からなる汚染液:0.5mlを試験片に滴下し、260℃×1時間加熱後、スポンジ及び中性洗剤で洗浄し、塗膜表面に付着している汚染液の焦付き度を観察した。こびりつきのない塗膜表面を○,僅かにこびりついた塗膜表面を△,明瞭なこびりつきが生じた塗膜表面を×として初期非粘着性を評価した。
〔非粘着持続性試験〕
前述の初期非粘着性試験を1サイクルとし、こびりつきが除去できなくなるまでのサイクル数をカウントし、該カウント数によって非粘着持続性を評価した。
〔熱伝導性試験〕
円板状のブランクを耐熱非粘着面を内側にして絞り加工し、直径:50mm,高さ:25mmの有底円筒形状に成形した。有底円筒形状の試験体に水:40mlを入れ、260℃のサンドバスにセットし、有底円筒体の底面から一定高さ:10mmに固定した温度計で水温を測定した。沸騰開始までの経過時間により熱伝導性を評価した。
〔加工試験〕
「JIS K5400 8.1 耐屈曲性」試験に準拠して塗装鋼板を180度密着折曲げ試験した後、折曲げ部の塗膜を観察し、割れが検出されなかったものを○,割れが発生したものを×として加工性を評価した。
調査結果を表3に示す。
本発明例の耐熱非粘着塗装金属板(試験No.1〜9)は、ダイヤモンド粒子の突出が検出されず何れも平滑な外観を呈し、塗膜硬度:H以上,破壊硬度:2H以上,耐磨耗性:5万回以上であり、サンドバスにセットした時点から8.3〜15.0分の内に水が沸騰し始めた。沸騰開始までの所要時間をダイヤモンド粒子の配合量で整理したところ、配合量が多くなるほど短時間で沸騰する傾向にあったが、10質量%の配合量で沸騰促進効果は飽和した(図3)。
非粘着持続性は、試験No.9を基準として熱溶融性フッ素樹脂粒子の配合量が多くなるほど向上している。塗装外観,非粘着持続性,加工性,塗膜硬度,耐磨耗性,熱伝導性を満足させる上で、ダイヤモンド粒子の配合量に適正量があることが判った。
他方、ダイヤモンド粒子の分散がない塗膜を設けた試験No.10,15では、沸騰開始までの所要時間が16分以上と長くなっており、熱伝導性の低いフッ素樹脂の特徴が強く現れていた。ダイヤモンド粒子を分散させた場合でも、分散量の少ない試験No.11では沸騰開始までの所要時間が短縮されておらず、逆に過剰量のダイヤモンド粒子を分散させた試験No.12では初期非粘着性、非粘着持続性、加工性が著しく劣っていた。
粗粒の熱溶融性フッ素樹脂を配合した耐熱非粘着塗料を用いた試験No.13や熱溶融性フッ素樹脂が不足する耐熱非粘着塗料を用いた試験No.14でも、初期非粘着性,非粘着持続性の双方が著しく劣っていた。
Figure 0004813077
実施例1と同様に下塗り塗装後の塗装原板に耐熱非粘着塗料を塗布し、400℃×120秒で焼付け乾燥した。ダイヤモンド粒子が凝集した二次粒径の影響を確認するため、耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜)の乾燥膜厚を5μmとした。
得られた各耐熱非粘着塗装金属板から試験片を切り出し、実施例1と同じ試験で初期非粘着性,非粘着持続性,熱伝導性を調査した。
表4の調査結果にみられるように、ダイヤモンド粒子の凝集がない本発明の耐熱非粘着塗装金属板(試験No.4〜6)は、ダイヤモンド粒子の粒径の影響を受けず、外観,初期非粘着性,非粘着持続性,熱伝導性の何れも優れた性能を示した。
これに対し、一次粒径は小さいものの、一次粒子が集合・凝集した二次粒子,すなわちダイヤモンド粒子の集合体又は凝集体を分散配合した試験No.1〜3では熱伝導性の向上がみられず、非粘着持続性も劣っていた。また、二次粒径が大きくなるほど、初期非粘着性,外観が劣化する傾向にあった。
Figure 0004813077
以上に説明したように、熱溶融性フッ素樹脂粒子,ダイヤモンド粒子を配合した耐熱塗料から成膜された耐熱非粘着塗膜は、ダイヤモンド粒子,粒状フッ素樹脂が分散した塗膜の表面をフッ素樹脂薄膜で覆っている。フッ素樹脂薄膜により優れた耐熱非粘着が付与され、塗膜内部に粒状フッ素樹脂あるため非粘着持続性にも優れ、ダイヤモンド粒子の分散により熱伝導性が飛躍的に向上している。そのため、本発明の耐熱非粘着塗装金属板は、高温短時間調理が可能でエネルギー消費効率の良好な加熱調理器具に適した素材として使用される。
熱溶融性フッ素樹脂粒子,ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材を配合した塗料から成膜された耐熱非粘着塗膜が設けられている塗装金属板表面の模式断面図 熱溶融性フッ素樹脂粒子,ダイヤモンド粒子,鱗片状無機質添加材,無機繊維を配合した塗料から成膜された耐熱非粘着塗膜が設けられている塗装金属板表面の模式断面図 塗膜に分散したダイヤモンド粒子が熱伝導性に及ぼす影響をダイヤモンド粒子の配合量と沸騰開始までの所要時間との関係で表したグラフ
符号の説明
10:耐熱非粘着塗膜(トップ塗膜) 11:フッ素樹脂薄膜 12:ダイヤモンド粒子 13:粒状フッ素樹脂 14:鱗片状無機質添加材 15:下塗り塗膜 16:下地金属板 17:無機繊維

Claims (5)

  1. 平均粒径:1μm以下の熱溶融性フッ素樹脂粒子,平均粒径:0.2〜5μmの人造ダイヤモンド粒子を耐熱樹脂に配合した塗料から成膜されたトップ塗膜を備え、トップ塗膜の樹脂固形分100質量部に対しそれぞれ10〜200質量部,0.05〜10質量部の割合で粒状フッ素樹脂,人造ダイヤモンド粒子がトップ塗膜に分散し、熱溶融性フッ素樹脂粒子から生成したフッ素樹脂薄膜でトップ塗膜が覆われていることを特徴とする耐熱非粘着塗装金属板。
  2. 耐熱樹脂がポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリアミドイミド樹脂の少なくとも一種である請求項1記載の耐熱非粘着塗装金属板。
  3. 熱溶融性フッ素樹脂粒子がテトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロエチレン,パーフルオロアルキルビニルエーテル,クロロトリフルオロエチレンの少なくとも一種からなる重合体又は共重合体である請求項1記載の耐熱非粘着塗装金属板。
  4. トップ塗膜が金属板表面に直接又は下塗り塗膜を介して金属板表面に設けられている請求項1〜3何れかに記載の耐熱非粘着塗装金属板。
  5. ポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリアミドイミド樹脂から選ばれた耐熱樹脂を主成分とし、リン酸系防錆顔料を配合した塗料から下塗り塗膜が成膜されている請求項4記載の耐熱非粘着塗装金属板。
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