JP2000144096A - 防汚部材 - Google Patents

防汚部材

Info

Publication number
JP2000144096A
JP2000144096A JP10320845A JP32084598A JP2000144096A JP 2000144096 A JP2000144096 A JP 2000144096A JP 10320845 A JP10320845 A JP 10320845A JP 32084598 A JP32084598 A JP 32084598A JP 2000144096 A JP2000144096 A JP 2000144096A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
gas
electric
kitchen
antifouling member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10320845A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP10320845A priority Critical patent/JP2000144096A/ja
Publication of JP2000144096A publication Critical patent/JP2000144096A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Washing And Drying Of Tableware (AREA)
  • Food-Manufacturing Devices (AREA)
  • Cookers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐衝撃性、耐傷付き性、耐熱性、耐
久性等に優れ、手入れがしやすく、さらに、手入れをあ
まり行わなかった場合にも初期の優れた特性が長期に渡
って維持皮膜を備えた防汚部材及び防汚部材を備えた各
種製品を提供を目的とする。 【解決手段】 光触媒性酸化物微粒子を含有する複合メ
ッキ皮膜を基体上に有する防汚部材及び該部材を備えた
各種製品を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒性酸化物微
粒子を含有する複合メッキ皮膜を基体上に有する防汚部
材およびこのような防汚部材を使用する各種製品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガスコンロ、ガスオーブン、電気オーブ
ン、電子レンジ等の調理器具を用いて調理を行う場合に
は、発生する油蒸気乃至油煙、煮こぼれ汁、調理材料や
その煮こぼれ汁等の加熱による分解生成物の凝縮物など
により、天板、コンロ汁受け皿、焼き網等の部材が汚染
される。
【0003】一方、酸化チタン等の光触媒性酸化物は固
体材料の表面に高い触媒効果を付与させることが可能で
ある。このため、金属、ガラス、セラミックスなどの素
材の表面に光触媒効果を有する光触媒性酸化物皮膜を形
成させることにより、付着した汚れの分解、大気及び水
質の浄化、防錆、細菌及び藻類の繁殖防止などの各種用
途に有効である。
【0004】各種材料表面を光触媒性酸化物によって被
覆する方法の中で、ゾル−ゲル法がもっとも一般的に行
われている。ゾル−ゲル法とは、ある種の溶液に微粒子
を分散させたゾルを作製し、これを何らかの方法でゲル
状態にした後、加熱焼結して皮膜を形成させる方法であ
る。
【0005】例えば、酸化チタンの皮膜を生成させるた
めには、チタンのアルコキシドを加水分解してその生成
物を塗布する方法がある。この方法は、例えば、特開平
4-83537号、特開平7-100378号公報等に記載されてい
る。
【0006】しかしながら、上記のゾル−ゲル法におい
ては、塗料の粘度や塗装条件により形成される皮膜の厚
さが変化しやすいこと、また、皮膜の厚さを厚くする
と、乾燥の際に皮膜の収縮が大きいため、皮膜が基体本
体から剥離したり、密着性が低下するといった問題があ
る。このため、1μm以上の厚さを有する皮膜を形成す
ることが困難であり、光触媒性能や皮膜の耐久性に問題
がある。
【0007】更に、光触媒性酸化物微粒子を含む塗料も
知られているが、以下に述べるような光触媒性酸化物微
粒子により生じる活性酸素によって、塗料に含まれる有
機樹脂自体が分解してしまい、塗膜の寿命が短いという
弊害がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、密着性、耐
衝撃性、耐傷付き性、耐熱性、耐久性等に優れ、手入れ
がしやすく、さらに、手入れをあまり行わなかった場合
にも初期の優れた特性が長期に渡って維持する皮膜を備
えた防汚部材及び該防汚部材を備えた各種製品を提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために従来技術の問題点に鑑みて、鋭意研究
を進めた結果、防汚部材上に光触媒性酸化物微粒子を含
有する複合メッキ皮膜を形成させる場合には、その目的
を達成しうることを見いだした。本発明は、これらの知
見に基づいて完成されたものである。
【0010】即ち、光触媒性酸化物微粒子を含有する複
合メッキ皮膜を基体上に形成させることにより、光触媒
性酸化物微粒子が付着した汚れを効果的に光酸化作用で
分解し、更に耐久性のある皮膜が得られることを見いだ
した。
【0011】また、光触媒性酸化物微粒子及びフッ素化
合物微粒子を含有する複合メッキ皮膜を基体上に形成さ
せると、光触媒性酸化物微粒子が付着した汚れを効果的
に光酸化作用で分解するセルフクリーニング効果に加え
て、フッ素樹脂の防汚効果を併せ持ってより効果的に防
汚することも見いだした。
【0012】本発明は、下記の防汚部材及び防汚部材を
備えた各種製品を提供する。 1. 光触媒性酸化物微粒子を含有する複合メッキ皮膜
を基体上に有する防汚部材。 2. 該光触媒性酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化銅、酸化銀、酸化スズ、酸化鉄、酸化ビスマ
ス、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化マンガ
ン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチ
ウム及びチタン酸バリウムからなる群の少なくとも1種
であることを特徴とする上記記載の防汚部材。 3. 該光触媒性酸化物微粒子の平均粒径が、2μm以
下の微粒子である上記記載の防汚部材。 4. 更に、フッ素化合物微粒子を共に含有する複合メ
ッキ皮膜を基体上に有する上記いずれかに記載の防汚部
材。 5. 該フッ素化合物微粒子が、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体及びフッ化黒鉛からなるフッ素化合物群から選ば
れる少なくとも1種である上記記載の防汚部材。 6. 該フッ素化合物の平均粒径が、2μm以下の微粒
子である上記記載の防汚部材。 7. 光触媒性酸化物とフッ素化合物を含有する複合メ
ッキ皮膜を、更に150〜380℃で加熱処理してなる
上記記載の防汚部材。 8. 該防汚部材が調理器具用部材である上記いずれか
に記載の防汚部材。 9. 該調理器具用部材が、天板、コンロ汁受け皿、オ
ーブン皿、グリル皿、焼き網、焼き網用鉄板、ロスト
ル、ジンギスカン鍋、五徳、炊飯釜、電気(湯沸かし)
ポット内釜、給水タンク、ホットプレート用プレート、
フライパン、電子レンジ用調理皿、鍋、グリル鍋、オー
ブントースター用調理皿及び調理網並びに調理器具の内
部壁用部材からなる群から選ばれる上記記載の防汚部
材。 10.該防汚部材が、台所用品又は台所用部材である上
記いずれかに記載の防汚部材。 11.該台所用品又は台所用部材が、キッチンバック、
レンジフード、換気扇の各部品、シンク、バックボー
ド、パネル壁材、タイル壁面材、水道蛇口、温水蛇口、
水道コック、温水コック、ガスコック、ガス配管、三角
コーナー、排水口ゴミ受け、食器、ナイフ、フォーク、
スプーン類、計量器、ボール、水切りかご、おろし、カ
ッター又は包丁のいずれかである上記記載の防汚部材。 12.該防汚部材が、台所又は厨房用機器の本体部材で
ある上記いずれかに記載の防汚部材。 13.該台所又は厨房用機器が、ガス又は電気食器乾燥
器、ガス又は電気食器洗浄器、ガス湯沸かし器、ガスオ
ーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レンジ、ガス
又は電気炊飯器、オーブントースター、電気(湯沸か
し)ポット、自動給茶器又は冷蔵庫のいずれかである上
記防汚部材。 14.防汚部材が、食器棚の扉及びその表面部材、お米
収納器の本体、システムキッチンの扉及びその表面部
材、ガス又は電気食器乾燥器の内部壁用部材並びにガス
又は電気食器洗浄器の内部壁用部材のいずれかである上
記いずれかに記載の防汚部材。 15.上記防汚部材を備えた調理器具。 16.該調理器具が、ガスコンロ、電気コンロ、ガスオ
ーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レンジ、炊飯
器、バーベキューコンロ、ホットプレート、鍋、フライ
パン、グリル鍋、焼き肉器、オーブントースター、電気
(湯沸かし)ポット又は自動給茶器のいずれかである上
記調理器具。 17.上記防汚部材を備えた台所又は厨房用機器。 18.該台所又は厨房用機器が、ガス又は電気食器乾燥
器、ガス又は電気食器洗浄器、ガス湯沸かし器、ガスオ
ーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レンジ、ガス
又は電気炊飯器、オーブントースター、電気(湯沸か
し)ポット、自動給茶器並びに冷蔵庫のいずれかである
上記機器。 19.上記防汚部材を備えた食器棚、お米収納器、シス
テムキッチン扉、ガス又は電気食器乾燥器或いはガス又
は電気食器洗浄器。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においては、防汚部材の材
質としては、銅、ステンレス鋼、一般鋼、アルミニウ
ム、アルミニウム合金などの金属類、又、プラスチック
などの樹脂類;炭素材;木;石;ガラス;タイルなどの
セラミックス等の非金属類が利用できる。
【0014】金属類の中では、一般鋼が安価で、高強度
という点で好ましい。
【0015】防汚部材としては、例えば、各種調理器具
用部材、各種台所用品又は台所用部材、洗面台、台所又
は厨房用機器の本体部材、台所又は厨房にある家具類の
表面部材や機器の内部部材等が挙げられる。
【0016】調理器具用部材の具体例としては、ガスコ
ンロや電気コンロに使用する天板、コンロ汁受け皿、五
徳、グリル皿、焼き網;ガスオーブンレンジ、電気オー
ブンレンジに使用するオーブン皿;焼き肉器に使用する
焼き網用鉄板、焼き網、ロストル、ジンギスカン鍋;炊
飯器に使用する炊飯釜;電気(湯沸かし)ポットに使用
する内釜;自動給茶器に使用する給水タンク;ホットプ
レートに使用する鉄製又はカーボン製プレート、鉄製又
はカーボン製フライパン;電子レンジに使用する調理
皿;鍋;グリル鍋;オーブントースターに使用する調理
皿や調理網等が挙げられる。また、ガスコンロ、電気コ
ンロ、ガスオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子
レンジ、バーベキューコンロ、焼き肉器、オーブントー
スター、等の調理器具の内部壁用部材も防汚部材に含ま
れる。
【0017】台所や厨房においては、調理によっては、
台所用品が油で汚れたり、油煙乃至油蒸気や油等の汚れ
が飛散するため、周囲に配置されている機器、家具類、
壁面等の表面がそれらによって汚染される。本発明の防
汚部材は、それら台所用品又は台所用部材、台所又は厨
房用機器の本体(表面)部材や家具類の表面部材や機器
の内部部材も含有する。
【0018】各種台所用品又は台所用部材としては、キ
ッチンバック、レンジフード、換気扇の各部品(例え
ば、化粧カバー、羽根車、換気シャッター)、シンク、
バックボード、(金属、樹脂製等の)パネル壁材、タイ
ル壁面材、水道蛇口、温水蛇口、水道コック、温水コッ
ク、ガスコック、ガス配管、(茶かす、生ゴミ等を入れ
る)三角コーナーや排水口ゴミ受け、(プラスチック、
セラミックス、ガラス製等の)食器、ナイフ、フォー
ク、スプーン類(スプーン、こし器、網じゃくし等)、
計量器、ボール、水切りかご、おろし、カッター、包丁
(の刀身)等が挙げられる。
【0019】台所又は厨房用機器の本体部材としては、
台所や厨房にある各種機器、例えば、ガス又は電気食器
乾燥器、ガス又は電気食器洗浄器、ガス湯沸かし器、ガ
スオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レンジ、
ガス又は電気炊飯器、オーブントースター、電気(湯沸
かし)ポット、自動給茶器、冷蔵庫等の本体部材が例示
できる。
【0020】更に、台所又は厨房用家具の表面部材や機
器の内部部材としては、食器棚の扉及びその表面部材、
お米収納器の本体、システムキッチンの扉及びその表面
部材、ガス又は電気食器乾燥器の内部壁用部材並びにガ
ス又は電気食器洗浄器の内部壁用部材も挙げられる。
【0021】部材の厚さとしては、防汚部材に使用でき
る厚さであれば特に限定されない。
【0022】上記防汚部材に光触媒性酸化物微粒子を含
有する複合メッキ皮膜を形成させる方法としては、以下
の通りである。
【0023】該防汚部材の材質が非金属類の場合には、
以下の複合メッキ皮膜を形成させる前に導体化すること
が必要である。導体化方法としては、従来から知られて
いる方法であれば特に制限はないが、例えば、化学メッ
キ、真空メッキ、陰極スパッタリング、イオンプレーテ
ィング(PVD、CVD)、金属溶射、電導性塗料の塗
布、金属ペーストを塗布して焼き付け等の手法が挙げら
れる。
【0024】一般に、光触媒性酸化物とは光触媒作用を
有する酸化物のことをいうが、光触媒性酸化物として
は、防汚部材に被覆できるものであれば特に限定されな
いが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化銀、酸化ス
ズ、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化タングステン、酸化イ
ンジウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニオ
ブ、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙
げられる。
【0025】本発明で使用する光触媒性酸化物は、いず
れも公知物質であり、その原料、製造方法などは特に限
定されない。
【0026】本発明においては、光触媒性酸化物をそれ
ぞれ単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用し
てもよい。
【0027】上記の光触媒性酸化物の使用例中でも、酸
化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
【0028】2種以上の光触媒性酸化物を併用する場合
であっても、それらの混合割合は特に限定されず、任意
に選択することができる。
【0029】これらの光触媒性酸化物が汚れなどの吸着
物質を分解する機構の一例としては、以下の機構が考え
られる。
【0030】これらの光触媒性酸化物にそれらの価電子
帯と伝導帯との間のエネルギー差よりも大きなエネルギ
ーの光を照射すると、価電子帯の電子が励起され伝導電
子と正孔が生じる。この伝導電子が、空気中或いは水中
に存在している酸素の還元に消費され、還元された酸素
が活性酸素となる。この活性酸素が吸着物質(例えば汚
れ等)を酸化分解し、更に生じた正孔でも吸着物質から
電子を奪い取り、吸着物質を酸化分解する。また、正孔
において吸着水が酸化されたヒドロキシラジカルも吸着
物質を酸化する。
【0031】光触媒の光励起に用いる光源としては、室
内照明や窓から差し込む太陽光が利用できる。また、各
種機器内部に照明を取り付ければ一層効果的である。
【0032】本発明において光触媒性酸化物の中で好ま
しいものの一つである二酸化チタンは、結晶構造によっ
て、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3つに
分類されるが、光触媒としてはアナターゼ型が適してい
るといわれている。アナターゼ型の価電子帯と伝導帯と
の間のエネルギー差(バンドギャップ)は3.2eV、ルチ
ル型では3.0eVであり、アナターゼ型の方が伝導帯の下
端が上にあり、還元力が強いためである。
【0033】本発明によれば、これらの光触媒性酸化物
の微粒子を金属と共に防汚部材表面に析出させて、複合
メッキ皮膜を形成させることにより、汚れが直接接する
部分の汚れを低減させるとともに、汚れが発生した場合
にも、その除去を容易に行うことができる。光触媒性酸
化物微粒子は、複合メッキ皮膜中できるだけ均一に分散
含有されていることが好ましく、従って、複合メッキ液
中において該微粒子が均一に分散させた状態が好まし
い。
【0034】本発明における上記共析複合メッキ皮膜の
形成に際しては、防汚部材の表面にマトリックス金属を
析出させ得る公知の無電解メッキ法および電解メッキ法
を採用することができる。また、使用するメッキ液につ
いても、各種の公知の組成のメッキ液のいずれをも使用
できる。
【0035】より具体的には、例えば、特開昭49-27443
号公報、特開平4-329897号公報などに開示されているメ
ッキ手法に準じて、二酸化チタン微粒子等の光触媒性酸
化物微粒子をメッキ金属塩の水溶液中に分散させ、防汚
部材の基体上にマトリックス金属とともに二酸化チタン
微粒子などの光触媒性酸化物微粒子を共析させて、光触
媒性酸化物の固有の性質とマトリックスである金属の性
質とを併せ持った複合メッキ皮膜を形成させれば良い。
【0036】メッキ浴中では塩の形態で用いられ、複合
メッキ皮膜中のマトリックスとなる金属としては、例え
ば、ニッケル、銀、コバルト、銅、亜鉛、スズ、鉄、ク
ロム、貴金属類およびそれらの合金など何れも使用する
ことができる。また、リンやホウ素などの非金属と金属
との合金も使用することができる。これら金属を含むメ
ッキ液は、各種の組成のものが公知となっており、本発
明では、これらの公知のメッキ液のいずれをも用いるこ
とができる。
【0037】本発明において、複合メッキ皮膜を形成す
るためのメッキ液(以下複合メッキ液という)に添加す
る光触媒性酸化物の微粒子の粒径は、特に限定されるも
のではないが、複合メッキ皮膜全体の膜厚よりも大きい
場合には、摩擦によりメッキ面から粒子が脱落するの
で、メッキ皮膜の膜厚よりも小さい微粒子を使用するこ
とが望ましい。
【0038】本発明による複合メッキ皮膜の厚さは、防
汚部材の材質および形状、該部材を使用する各種器具の
用途、マトリックス金属の種類などにより異なるが、通
常1〜50μm程度である。従って、光触媒性酸化物微
粒子の粒径は、この複合メッキ皮膜の厚さを考慮して定
めれば良いが、通常平均2μm程度であり、平均1μm以
下のものがより好ましい。また、複合メッキ液中および
複合メッキ皮膜中での光触媒性酸化物微粒子の分散の均
一性を確保するために、30μm以上の粗大粒子を含ま
ないことが望ましい。下限は特に限定されないが、通常
0.01μm程度である。複合メッキ液中の光触媒性酸
化物微粒子の添加量は、特に限定されないが、通常50
0g/l程度以下、好ましくは1〜200g/l程度である。
【0039】一般に、金属と共析物とからなる複合メッ
キ皮膜においては、共析物の体積分率が大きくなるほ
ど、メッキ層と部材との密着性は低下する。本発明にお
いても、メッキ皮膜と防汚部材との密着性を考慮すれ
ば、複合メッキ皮膜中の共析物(光触媒性酸化物微粒
子)の体積分率は、60%が限度である。一方、光触媒
性酸化物微粒子の体積分率が低すぎる場合には、防汚性
の効果が十分に現れない。従って、本発明においては、
複合メッキ皮膜中の光触媒性酸化物微粒子の体積分率
は、通常10〜60%程度、より好ましくは20〜40
%程度とするのがよい。
【0040】本発明による複合メッキ皮膜を形成させる
ための複合メッキ液では、光触媒性酸化物をメッキ液中
に均一に分散させ且つ完全に濡れた状態とすることが好
ましいので、界面活性剤を用いるのがよい。界面活性剤
としては、例えば、水溶性のカチオン系、非イオン系お
よびメッキ液のpH値においてカチオン性を示す両性界面
活性剤を用いることができる。この場合、カチオン系界
面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、第2および
3アミン類などが挙げられ、非イオン系界面活性剤とし
ては、ポリエチレンイミン系、エステル系のものなどが
挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボン酸系、ス
ルホン酸系のものなどが挙げられる。特に、分子中にC
−F結合を有するフッ素系界面活性剤を用いることが好
ましい。
【0041】メッキ液中への界面活性剤の添加量は、光
触媒性酸化物1gに対し、通常1〜500mg程度の範
囲内であり、より好ましくは1〜100mg程度であ
る。
【0042】本発明においては、上記の複合メッキ液に
一次光沢剤、二次光沢剤、メッキ皮膜着色のための顔料
などの公知の添加剤をさらに配合することができる。
【0043】本発明において、複合メッキ皮膜を形成す
るに際しては、光触媒性酸化物微粒子を均一に分散させ
るために、複合メッキ液を撹拌しつつメッキ操作を行な
うことが好ましい。撹拌方法は特に限定されず、通常の
機械的撹拌手段、例えばスクリュ−撹拌、マグネチック
スタ−ラ−による撹拌などの方法を採用することができ
る。その他、(空気の吹き込みによる)空気攪拌やポン
プ攪拌を採用することもできる。
【0044】メッキ条件は、防汚部材の材質、使用する
複合メッキ液の種類などに応じて適宜定めれば良く、一
般に通常の複合メッキ法において採用されていると同様
の液温、pH値、電流密度などから選択すればよい。
【0045】なお、本発明における複合メッキ皮膜は、
必ずしも基板材である防汚部材上に直接形成する必要は
なく、銅、アルミニウム等の金属;樹脂類;炭素材など
からなる基板材上に公知の下地メッキ層(例えば、ニッ
ケルメッキ、銅メッキなど)を形成した後、複合メッキ
皮膜を形成しても良い。
【0046】光触媒性酸化物に加えてフッ素化合物微粒
子を含有する複合メッキを基体上に形成する場合も、上
述と同様に行うことができる。具体的には、以下の通り
である。
【0047】光触媒性酸化物としては、上述の場合と同
じく、防汚部材に被覆できるものであれば特に限定され
ないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化銀、酸化
スズ、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化タングステン、酸化
インジウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニオ
ブ、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙
げられる。光触媒性酸化物をそれぞれ単独で使用しても
よく、あるいは2種以上を併用してもよい。2種以上の
光触媒性酸化物を併用する場合であっても、それらの混
合割合は特に限定されず、任意に選択することができ
る。また、光触媒の光励起に用いる光源としては、室内
照明や窓から差し込む太陽光が利用でき、また、各種機
器内部に照明を取り付ければ一層効果的である。
【0048】上記の光触媒性酸化物の使用例中でも、酸
化チタン、酸化亜鉛が好ましく、好ましいものの一つで
ある二酸化チタンは、上記記載の理由により光触媒とし
てはアナターゼ型が適しているといわれている。
【0049】フッ素化合物としては、フッ化黒鉛、フッ
素樹脂{ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEとい
う)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(以下PFAという)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以
下FEPという)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下
PCTFEという)、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体(以下ETFEという)など}など(本願明細書にお
いては、これらのフッ化黒鉛及びフッ素樹脂をフッ素化
合物と総称する。)が挙げられ、これらは、自己潤滑
性、低摩擦性、撥水性、撥油性、非粘着性などに優れて
いる。この中でも、PTFE、PFAが好ましい。
【0050】本発明で使用するフッ素化合物は、いずれ
も公知物質であり、その原料、製造方法などは特に限定
されない。
【0051】本発明においては、フッ素化合物をそれぞ
れ単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用して
もよい。また、2種以上のフッ素化合物を併用する場合
であっても、それらの混合割合は特に限定されず、任意
に選択することができる。
【0052】光触媒性酸化物とフッ素化合物との好まし
い組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば、
酸化チタンとPTFE、酸化チタンとPFA、酸化亜鉛
とPTFE、酸化亜鉛とPFAが挙げられる。これらの
混合割合は特に限定されず、任意に選択することができ
る。
【0053】本発明によれば、光触媒性酸化物微粒子と
これらフッ素化合物微粒子とを金属と共に防汚部材に析
出させて、複合メッキ皮膜を形成させることにより、防
汚部材の汚れを効果的に低減させるとともに、汚れが発
生した場合にも、その除去を容易に行うことができる。
光触媒性酸化物微粒子とフッ素化合物微粒子は、共に、
複合メッキ皮膜中できるだけ均一に分散含有されている
ことが好ましく、従って、複合メッキ液中において該微
粒子が均一に分散させた状態が好ましい。
【0054】本発明における共析複合メッキ皮膜の形成
に際しては、上述と同様、公知の無電解メッキ法および
電解メッキ法を採用することができる。また、使用する
メッキ液についても、各種の公知の組成のメッキ液のい
ずれをも使用できる。
【0055】より具体的には、例えば、特開昭49-27443
号公報、特開平4-329897号公報などに開示されているメ
ッキ手法に準じて、上記記載の光触媒性酸化物微粒子と
PTFE等のフッ素化合物微粒子をメッキ金属塩の水溶液中
に分散させ、基板材上にマトリックス金属とともに光触
媒性酸化物微粒子とフッ素化合物微粒子を共析させて、
光触媒性酸化物の固有の性質、フッ素化合物の固有の性
質及びマトリックスである金属の性質とを併せ持った複
合メッキ皮膜を形成させれば良い。
【0056】複合メッキ皮膜中のマトリックスとなる金
属としては、上述と場合と同様に、例えば、ニッケル、
銀、コバルト、銅、亜鉛、スズ、鉄、クロム、貴金属類
およびそれらの合金など何れも使用することができる。
また、リンやホウ素などの非金属と金属との合金も使用
することができる。これら金属を含むメッキ液は、各種
の組成のものが公知となっており、本発明では、これら
の公知のメッキ液のいずれをも用いることができる。
【0057】本発明において、複合メッキ皮膜を形成す
るためのメッキ液(以下複合メッキ液という)に添加す
る光触媒性酸化物とフッ素化合物の各微粒子の粒径は、
特に限定されるものではないが、複合メッキ皮膜全体の
膜厚よりも大きい場合には、摩擦によりメッキ面から粒
子が脱落するので、メッキ皮膜の膜厚よりも小さい微粒
子を使用することが望ましい。
【0058】本発明による複合メッキ皮膜の厚さは、防
汚部材の材質及び形状、防汚部材を使用する各種器具の
用途、マトリックス金属の種類などにより異なるが、通
常1〜50μm程度である。従って、光触媒性酸化物と
フッ素化合物微粒子の粒径は、この複合メッキ皮膜の厚
さを考慮して定めれば良いが、通常各々平均2μm程度
であり、各々平均1μm以下のものがより好ましい。両
微粒子は同程度の大きさのものが好ましい。また、複合
メッキ液中および複合メッキ皮膜中での両微粒子の分散
の均一性を確保するために、共に30μm以上の粗大粒
子を含まないことが望ましい。下限は特に限定されない
が、通常各々0.01μm程度である。複合メッキ液中
の光触媒性酸化物微粒子の添加量は、特に限定されない
が、通常500g/l程度以下、好ましくは1〜200g/l
程度である。また、複合メッキ液中のフッ素化合物微粒
子の添加量は、特に限定されないが、通常200g/l程
度以下、好ましくは1〜100g/l程度である。
【0059】一般に、金属と共析物とからなる複合メッ
キ皮膜においては、共析物の体積分率が大きくなるほ
ど、メッキ層と基材との密着性は低下する。本発明にお
いても、メッキ皮膜と基材との密着性を考慮すれば、複
合メッキ皮膜中の共析物(光触媒性酸化物微粒子とフッ
素化合物微粒子の総和)の体積分率は、60%が限度で
ある。一方、共析物の体積分率が低すぎる場合には、撥
水性の改善が十分に行なわれない。従って、本発明にお
いては、複合メッキ皮膜中の共析物の体積分率は、通常
10〜60%程度、より好ましくは25〜40%程度と
するのがよい。
【0060】本発明による複合メッキ皮膜を形成させる
ための複合メッキ液では、光触媒性酸化物と撥水性が非
常に高いフッ素化合物をメッキ液中に均一に分散させ且
つ完全に濡れた状態とすることが好ましいので、界面活
性剤を用いるのがよい。界面活性剤としては、例えば、
水溶性のカチオン系、非イオン系およびメッキ液のpH値
においてカチオン性を示す両性界面活性剤を用いること
ができる。この場合、カチオン系界面活性剤としては、
第4級アンモニウム塩、第2および3アミン類などが挙
げられ、非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレン
イミン系、エステル系のものなどが挙げられ、両性界面
活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系のものな
どが挙げられる。特に、分子中にC−F結合を有するフッ
素系界面活性剤を用いることが好ましい。
【0061】メッキ液中への界面活性剤の添加量は、光
触媒性酸化物とフッ素化合物の総和1gに対し、通常1
〜500mg程度の範囲内であり、より好ましくは1〜
100mg程度である。
【0062】本発明においては、上記の複合メッキ液に
一次光沢剤、二次光沢剤、メッキ皮膜着色のための顔料
などの公知の添加剤をさらに配合することができる。
【0063】本発明方法により複合メッキ皮膜を形成す
るに際しては、光触媒性酸化物微粒子とフッ素化合物微
粒子を均一に分散させるために、複合メッキ液を撹拌し
つつメッキ操作を行なうことが好ましい。撹拌方法は特
に限定されず、通常の機械的撹拌手段、例えばスクリュ
−撹拌、マグネチックスタ−ラ−による撹拌などの方法
を採用することができる。その他、(空気の吹き込みに
よる)空気攪拌やポンプ攪拌を採用することもできる。
【0064】メッキ条件は、防汚部材の基体、使用する
複合メッキ液の種類などに応じて適宜定めれば良く、一
般に通常の複合メッキ法において採用されていると同様
の液温、pH値、電流密度などから選択すればよい。
【0065】なお、本発明における複合メッキ皮膜は、
必ずしも防汚部材の基体上に直接形成する必要はなく、
上記の基体上に公知の下地メッキ層(例えば、ニッケル
メッキ、銅メッキなど)を形成した後、複合メッキ皮膜
を形成しても良い。
【0066】フッ素化合物微粒子を共に含有する複合メ
ッキを施した場合には、該皮膜を加熱処理することが好
ましい。熱処理温度は、150〜380℃程度、より好
ましくは200〜350℃程度の温度で行うのがよい。
この加熱処理により、複合メッキ皮膜の耐久性及び表面
撥水性が著しく改善される。熱処理温度が150℃未満
である場合には、十分な処理効果を得るために処理時間
を長くする必要があり、一方、380℃を上回る場合に
は、フッ素化合物の融点を超えるので、複合メッキ皮膜
の劣化、変色、褪色などのおそれが生じるので好ましく
ない。
【0067】上記の加熱処理により、本発明による複合
メッキ皮膜の撥水・撥油性や基材に対する密着性が著し
く改善される理由は明確ではないが、複合メッキ皮膜自
体の熱的改質、界面活性剤の除去(熱分解、蒸発、昇華
などによる)による濡れ性の低下などによるものと推測
される。熱処理時間は、特に限定されるものではない
が、通常10〜30分間程度でよい。
【0068】上記のようにして、複合メッキされた防汚
部材は、各々各種用途に用いることができ、例えば、ガ
スコンロ、電気コンロ、ガスオーブンレンジ、電気オー
ブンレンジ、電子レンジ、炊飯器、バーベキューコン
ロ、ホットプレート、鍋、フライパン、グリル鍋、焼き
肉器、オーブントースター、電気(湯沸かし)ポット、
自動給茶器等の調理器具に備えることができる。
【0069】また、ガス又は電気食器乾燥器、ガス又は
電気食器洗浄器、ガス湯沸かし器、ガスオーブンレン
ジ、電気オーブンレンジ、電子レンジ、ガス又は電気炊
飯器、オーブントースター、電気(湯沸かし)ポット、
自動給茶器、冷蔵庫等の機器や、食器棚、お米収納器、
システムキッチン扉、ガス又は電気食器乾燥器やガス又
は電気食器洗浄器等に備えることができる。
【0070】その結果、本発明の防汚部材を備えたシス
テムキッチンも提供することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明により基板材である防汚部材上に
形成された複合メッキ皮膜は、光触媒性酸化物微粒子の
固有の性質とマトリックス金属の固有の性質を兼ね備え
ている。
【0072】より具体的には、光触媒性酸化物微粒子が
付着した汚れを効果的に光酸化分解する作用を持つ。こ
のため、防汚部材に付着した汚れを容易に掃除できる。
また、皮膜の厚さが、ゾル−ゲル法による皮膜の場合よ
りも厚くできるので、膜の耐久性にも優れている。ま
た、光触媒性酸化物微粒子を含む塗料と比して、同じ膜
厚でも膜強度が強く、耐久性、耐熱性に優れる。
【0073】この複合メッキ皮膜は、更に、マトリック
ス金属に由来する高硬度、高強度、高熱伝導率、高電導
性などを備え、且つ基板材である防汚部材に対する優れ
た密着性を発揮する。
【0074】また、防汚部材の中でも調理器具用部材
は、バーナー、ヒーターなどの近くで使用されるので、
耐熱性に優れていることが必要である。本発明による皮
膜は、基本的には、金属をマトリックスとするメッキ皮
膜であるため、耐熱性に優れる。
【0075】更に、光触媒性酸化物に加えて、フッ素化
合物をメッキ液に加えた場合には、一層防汚効果の高い
皮膜が得られる。
【0076】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。
【0077】尚、物性の特性は、下記の方法により行っ
た。
【0078】(1)共析率測定 メッキ皮膜を形成したSUS430試験片を硝酸水溶液
(硝酸:水容量比=1:1)に浸漬して、メッキ皮膜を
溶解した後、メンブランフィルター(平均孔径=0.1
μm)を用いて濾過した。次いで、このメンブランフィ
ルターを乾燥機に入れ、100℃で20分間乾燥した
後、1時間デシケーター中で冷却して重量を測り、光触
媒性酸化物微粒子の共析率又は光触媒性酸化物微粒子と
フッ素化合物微粒子の共析率の総和を算出した。
【0079】(2)密着力試験(JIS K5400) メッキ皮膜を形成したSUS430試験片に1cm2あた
り100個の碁盤目を入れ、下記の各条件下に放置した
後常温に戻し、セロファン粘着テープにより、圧着剥離
試験を行った。
【0080】(a)250℃で2時間放置 (b)-10℃で2時間放置 (c)(200℃で1時間放置した後、-10℃で1時間放
置)×10サイクル密着力試験結果において、"100/10
0"とあるのは、剥離が生じなかったことを示し、"50/1
00"とあるのは、碁盤目の半数が剥離したことを示す。
【0081】(3)耐衝撃変形試験(JIS K5400) 20℃でデュポン方式により下記の条件下上からおもりを
落とす衝撃試験を行って変形させた部分の塗面の損傷を
肉眼で確認した。おもり:500g落下高さ:500mm。
【0082】(4)耐薬品性試験 メッキ皮膜を形成したSUS430試験片に1cm2あた
り100個の碁盤目を形成し、下記の薬品或いは材料に
96時間浸漬した。4時間毎に試験片を取り出し水洗いを
行った後、変色及び剥がれの有無を肉眼で確認すると共
に、96時間浸漬後にセロファン粘着テープにより、圧
着剥離試験を行った。
【0083】(a)ラッカーシンナー (b)界面活性剤(商標"ファミリーフレッシュ"、花王
株式会社製) (c)カレー(商標"ククレカレー辛口"、ハウス食品株
式会社製) (d)こいくち醤油(キッコーマン株式会社製) (e)台所用漂白剤(商標"キッチンハイター"、花王株
式会社製)15容量%水溶液 (f)台所用漂白剤(商標"キッチンハイター"、花王株
式会社製)100%原液結果の判定は、上記(2)の場合と
同様である。
【0084】(5)耐磨耗性試験 先端にナイロンたわしを取り付けた棒を600rpmで回転さ
せながら、加重500gで1分間押しつけた後、傷の有無を
肉眼で調べた。
【0085】(6)サラダ油塗布試験 メッキ皮膜を形成させたSUS430試験片にサラダ油
(商標"日清サラダ油"、日清食品株式会社製)1gを塗布
し、水銀灯で紫外線を72時間照射し、塗布油の分解率
(%)を紫外線照射前後の重量から算出した。
【0086】(7)テーブルコンロ天板と焼き網の使用
性評価 メッキ皮膜を形成したテーブルコンロ天板と焼き網をテ
ーブルコンロ(大阪ガス株式会社製、10−637型)
に取り付け、5名のモニター試験を3ヶ月間実施した。
【0087】実施例1 下記のごとく、電解メッキを行った。
【0088】i)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l。
【0089】ii)電解ニッケル−二酸化チタン複合メ
ッキ液の調製 二酸化チタン(アナターゼ型、平均粒子径1μm、株式
会社高純度化学研究所製)を、電解ニッケルメッキ液
(組成:スルファミン酸ニッケル360g/l、塩化ニ
ッケル45g/l、ホウ酸30g/l)1リットルに対
して50g添加し、更に、界面活性剤として第4級パー
フルオロアンモニウム塩{商標“メガファックF150”、
大日本インキ化学(株)製、(C8F17SO2NH(CH2)3N+(C
H3)3・Cl-)}を二酸化チタン1gに対して30.0mg
の割合で添加して、電解ニッケル−二酸化チタン複合メ
ッキ液を調製した。
【0090】iii)メッキ法 以下のものを負極として用いた。 ・コンロ天板(幅595mm×奥行き420mm×厚さ0.5mmであ
って、折り返し(深さ)1cmのもの、SUS430製) ・焼き網(幅185mm×奥行き259mmの大きさを有し、外枠
は直径5mmの棒材、内棒は直径3mmの棒材で形成されてい
るもの。SPCC製) ・SUS430試験片(幅50mm×奥行き50mm×厚さ0.5mmの平
板状、SUS430製) 上記のコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片をアルカリ
脱脂液で脱脂した後、それぞれを負極とし、以下のごと
くメッキを行った。
【0091】まず、上記i)の組成のニッケルストライ
クメッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用い
て、液温25℃、電流密度10A/dm2の条件下で、
2分間のニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0092】ついで、上記のコンロ天板、焼き網及びSU
S430試験片を、上記ii)の組成の電解ニッケル−二酸
化チタン複合メッキ液を含む複合メッキ槽を用いて、液
温50℃、pH4.2、電流密度2A/dm2の条件下
に、スクリュー撹拌しつつ、膜厚が10μmとなるまで
電解メッキを行って、電解ニッケル−二酸化チタン複合
メッキ皮膜を形成させた。メッキ終了後、それぞれ水洗
して乾燥させた。
【0093】SUS430試験片を使用し、二酸化チタ
ンの共析率(容量%)を求めたところ、30容量%であ
った。
【0094】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0095】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0096】結果を表1、表2及び表3に示す。尚、表
1、表2及び表3には、他の実施例及び比較例の結果も
併せて示す。
【0097】実施例2 下記のごとく無電解メッキを行った。
【0098】i)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l。
【0099】ii)無電解ニッケル/リンメッキ液の調
以下のような組成を有する無電解ニッケル/リンメッキ
液を調製した。 硫酸ニッケル 20g/l 次亜リン酸ナトリウム 25g/l 乳酸 25g/l プロピオン酸 3g/l。
【0100】iii)無電解ニッケル/リン−二酸化チ
タン複合メッキ液の調製 二酸化チタン(アナターゼ型、平均粒子径1μm、株式
会社高純度化学研究所製)を、上記組成を有する無電解
ニッケル/リンメッキ液1リットルに対して10g添加
し、更に、界面活性剤として第4級パーフルオロアンモ
ニウム塩{商標“メガファックF150”、大日本インキ化
学(株)製、(C8F17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3・Cl-)}を二
酸化チタン1gに対して30.0mgの割合で添加し
て、無電解ニッケル/リン−二酸化チタン複合メッキ液
を調製した。
【0101】iv)メッキ法 実施例1と同様なコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
をアルカリ脱脂液で脱脂した後、それぞれを負極とし、
以下のごとくメッキを行った。
【0102】まず、上記i)の組成のニッケルストライ
クメッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用い
て、液温25℃、電流密度10A/dm2 の条件下で、
2分間のニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0103】ついで、それぞれを、上記ii)の組成の
無電解ニッケル/リンメッキ液を含む下地ニッケルメッ
キ槽を用いて、液温90℃、pH4.6の条件下に、スク
リュー撹拌しつつ、膜厚が3μmとなるまで無電解メッ
キを行って、無電解下地ニッケル/リンメッキ皮膜を形
成させた。
【0104】更に、無電解下地ニッケル/リンメッキ皮
膜を形成させたコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
を、上記iii)の組成の無電解ニッケル/リン−二酸
化チタン複合メッキ液を含む複合メッキ槽を用いて、液
温90℃、pH5.1の条件下に、スクリュー撹拌しつ
つ、膜厚が10μmとなるまで無電解メッキを行って、
無電解ニッケル/リン−二酸化チタン複合メッキ皮膜を
形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0105】SUS430試験片を使用し、二酸化チタ
ンの共析率(容量%)を求めたところ、25容量%であ
った。
【0106】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0107】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0108】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0109】実施例3 下記のごとく、電解メッキを行った。
【0110】i)電解亜鉛−二酸化チタン複合メッキ液
の調製 二酸化チタン(アナターゼ型、平均粒子径1μm、株式
会社高純度化学研究所製)を、電解亜鉛メッキ液(組
成:硫酸亜鉛288g/l、塩化アンモニウム27g/
l、ホウ酸30g/l)1リットルに対して50g添加
し、更に、界面活性剤として第4級パーフルオロアンモ
ニウム塩{商標“メガファックF150”、大日本インキ化
学(株)製、(C8F17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3・Cl-)}を二
酸化チタン1gに対して30.0mgの割合で添加し
て、電解亜鉛−二酸化チタン複合メッキ液を調製した。
【0111】ii)メッキ法 実施例1と同様のコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
をアルカリ脱脂液で脱脂した後、塩酸洗浄した。それぞ
れを負極とし、以下のごとくメッキを行った。
【0112】即ち、コンロ天板、焼き網及びSUS430試験
片を、上記i)の組成の電解亜鉛−二酸化チタン複合メ
ッキ液を含む複合メッキ槽を用いて、液温30℃、pH
4.2、電流密度2A/dm2の条件下に、スクリュー
撹拌しつつ、膜厚が10μmとなるまで電解メッキを行
って、電解亜鉛−二酸化チタン複合メッキ皮膜を形成さ
せた。メッキ終了後、それぞれ水洗して乾燥させた。
【0113】SUS430試験片を使用し、二酸化チタ
ンの共析率(容量%)を求めたところ、28容量%であ
った。
【0114】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0115】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0116】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0117】実施例4 二酸化チタンの代わりに、酸化亜鉛(平均粒子径1μ
m、株式会社高純度化学研究所製)を電解ニッケルメッ
キ液1リットルあたり50gの割合で添加し、界面活性
剤として第4級パーフルオロアンモニウム塩{商標“メ
ガファックF150”、大日本インキ化学(株)製、(C8F
17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3・Cl-)}を酸化亜鉛1gに対し
て30.0mgの割合で添加する以外は実施例1と同様
に電解メッキを行い、電解ニッケル−酸化亜鉛複合メッ
キ皮膜を形成した。メッキ終了後、それぞれ水洗して乾
燥させた。
【0118】SUS430試験片を使用し、複合メッキ
皮膜中の酸化亜鉛の共析率(容量%)を求めたところ、
32容量%であった。
【0119】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0120】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0121】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0122】実施例5 下記のごとく、電解メッキを行った。
【0123】i)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l。
【0124】ii)電解ニッケル−二酸化チタン−PT
FE複合メッキ液の調製 電解ニッケルメッキ液(組成:スルファミン酸ニッケル
360g/l、塩化ニッケル45g/l、ホウ酸30g
/l)1リットルに対し、二酸化チタン(アナターゼ
型、平均粒子径1μm、株式会社高純度化学研究所製)
を、50g、PTFE微粒子(粒子径2μm以下、ダイキ
ン工業(株)製、ルブロンL−2)を50g添加した。
更に、界面活性剤として第4級パーフルオロアンモニウ
ム塩{商標“メガファックF150”、大日本インキ化学
(株)製、(C8F17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3・Cl-)}を二酸
化チタン及びPTFEの合計量1gに対して30mgの
割合で添加して、電解ニッケル−二酸化チタン−PTF
E複合メッキ液を調製した。
【0125】iii)メッキ法 実施例1と同様のコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
をアルカリ脱脂液で脱脂した後、それぞれを負極とし、
以下のごとくメッキを行った。
【0126】まず、上記i)の組成のニッケルストライ
クメッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用い
て、液温25℃、電流密度10A/dm2 の条件下で、
2分間のニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0127】ついで、上記のコンロ天板、焼き網及びSU
S430試験片を、上記ii)の組成の電解ニッケル−二酸
化チタン−PTFE複合メッキ液を含む複合メッキ槽を
用いて、液温50℃、pH4.2、電流密度2A/dm2
の条件下に、スクリュー撹拌しつつ、膜厚が10μmと
なるまで電解メッキを行って、電解ニッケル−二酸化チ
タン−PTFE複合メッキ皮膜を形成させた。メッキ終
了後、それぞれ水洗して乾燥させた。
【0128】SUS430試験片を使用し、二酸化チタ
ンとPTFEの共析率(容量%)の和を求めたところ、
40容量%であった。
【0129】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0130】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0131】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0132】比較例1 実施例1の同様のコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
をアルカリ脱脂液で脱脂した後、それぞれを負極とし、
以下のごとく電解メッキを行った。
【0133】まず、実施例1と同様のi)の組成のニッ
ケルストライクメッキ液を含むニッケルストライクメッ
キ槽を用いて、液温25℃、電流密度10A/dm2
条件下で、2分間のニッケルストライクメッキ処理を行
った。
【0134】ついで、上記のコンロ天板、焼き網及びSU
S430試験片を、実施例1に記載の電解ニッケルメッキ液
を含むニッケルメッキ槽を用いて、液温50℃、pH4.
2、電流密度4A/dm2の条件下に、スクリュー撹拌
しつつ、膜厚が10μmとなるまで電解メッキを行っ
て、電解ニッケルメッキ皮膜を形成させた。
【0135】更に、上記のニッケルメッキ皮膜を施した
コンロ天板、焼き網及びSUS430試験片を、それぞれ負極
とし、電解クロムメッキ液(無水クロム酸200g/
l、硫酸2g/l、炭酸クロム2g/l)を含むクロム
メッキ槽を用いて、液温50℃、pH3.0、電流密度1
0A/dm2の条件下に、膜厚が0.2μmとなるまで電
解メッキを行って、クロムメッキ皮膜を形成させた。メ
ッキ終了後、それぞれ水洗して乾燥させた。
【0136】更に、SUS430試験片については、密
着力試験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K540
0)、耐薬品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試
験を行った。
【0137】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0138】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0139】比較例2 実施例1と同様のコンロ天板、焼き網及びSUS430試験片
に、チタンイソプロポキシドを用いた以下に示すような
ゾル−ゲル法により、アナターゼ型二酸化チタン皮膜を
形成させた。
【0140】即ち、まず、溶媒である1,3−ブタンジ
オール1lに対し、チタンイソプロポキシド284g、蒸留
水36g及び硝酸1gを溶解させたディッピング溶液を調製
した。このディッピング溶液にコンロ天板、焼き網及び
SUS430試験片を30分間浸漬した後、乾燥させ、更にこ
れらを400℃で1時間焼成してアナターゼ型二酸化チ
タン皮膜を形成させた。膜厚は0.3μmであった。
【0141】SUS430試験片については、密着力試
験(JIS K5400)、耐衝撃変形試験(JIS K5400)、耐薬
品性試験、耐磨耗性試験及びサラダ油塗布試験を行っ
た。
【0142】コンロ天板及び焼き網については、モニタ
ー使用試験を行った。
【0143】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】 表1、表2及び表3に示す結果から、本発明による光触
媒性酸化物微粒子の共析複合メッキ皮膜が、優れた密着
性、耐衝撃変形性、耐薬品性、耐磨耗性、防汚性(汚れ
の手入れ性、使用性)等を備えていることが明らかであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月13日(1999.1.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正内容】
【0144】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 21/06 B01J 21/06 M 4G069 23/00 23/00 M 4K022 35/02 35/02 J 4K024 C01G 23/00 C01G 23/00 C 31/02 31/02 33/00 33/00 A 45/02 45/02 C23C 18/52 C23C 18/52 A C25D 7/00 C25D 7/00 M 15/02 15/02 G H F24C 15/14 F24C 15/14 B E 15/16 15/16 R Fターム(参考) 3B082 BA01 BA04 BB00 4B053 AA01 AA03 BA01 BB04 BH01 BH02 BH04 BH11 CA03 CA04 CA12 CA30 4B055 AA01 AA12 AA31 AA32 AA50 BA56 BA57 CA01 CA71 CA75 CC43 CC52 CC55 EA01 EA02 EA03 EA04 EA06 FA01 FB03 FB34 FC09 FC12 FD03 FE02 FE03 4G047 AA02 AA04 AB02 AB04 AC03 AD02 AD03 CA02 CA05 CA07 CB05 CB08 CC03 CD02 CD03 4G048 AA02 AA03 AB03 AC08 AD02 4G069 AA04 AA08 AA09 BA04A BA04B BA04C BB02A BB02B BB02C BB04A BB04B BB04C BC12A BC12B BC12C BC13A BC13B BC13C BC18A BC18B BC18C BC22A BC22B BC22C BC31A BC31B BC31C BC32A BC32B BC32C BC35A BC35B BC35C BC50A BC50B BC50C BC54A BC54B BC54C BC55A BC55B BC55C BC60A BC60B BC60C BC62A BC62B BC62C BC66A BC66B BC66C BC68A BC68B BC68C CA07 CD10 DA06 EA08 FB15 4K022 AA02 AA03 AA04 AA12 AA13 BA01 BA08 BA09 BA10 BA11 BA14 BA15 BA16 BA21 BA22 BA24 BA25 BA28 BA34 DA01 DB02 4K024 AA03 AB12 BB17 DA09

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒性酸化物微粒子を含有する複合メ
    ッキ皮膜を基体上に有する防汚部材。
  2. 【請求項2】 該光触媒性酸化物微粒子が、酸化チタ
    ン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化銀、酸化スズ、酸化鉄、酸
    化ビスマス、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化
    マンガン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、チタン酸スト
    ロンチウム及びチタン酸バリウムからなる群の少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項1に記載の防汚部
    材。
  3. 【請求項3】 該光触媒性酸化物微粒子の平均粒径が、
    2μm以下の微粒子である請求項1又は2に記載の防汚
    部材。
  4. 【請求項4】 更に、フッ素化合物微粒子を共に含有す
    る複合メッキ皮膜を基体上に有する請求項1〜3のいず
    れかに記載の防汚部材。
  5. 【請求項5】 該フッ素化合物微粒子が、ポリテトラフ
    ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
    ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロ
    ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エ
    チレン共重合体及びフッ化黒鉛からなるフッ素化合物群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の防
    汚部材。
  6. 【請求項6】 該フッ素化合物の平均粒径が、2μm以
    下の微粒子である請求項4又は5に記載の防汚部材。
  7. 【請求項7】 該複合メッキ皮膜を、更に150〜38
    0℃で加熱処理してなる、請求項4〜6のいずれかに記
    載の防汚部材。
  8. 【請求項8】 該防汚部材が調理器具用部材である請求
    項1〜7のいずれかに記載の防汚部材。
  9. 【請求項9】 該調理器具用部材が、天板、コンロ汁受
    け皿、オーブン皿、グリル皿、焼き網、焼き網用鉄板、
    ロストル、ジンギスカン鍋、五徳、炊飯釜、電気(湯沸
    かし)ポット内釜、給水タンク、ホットプレート用プレ
    ート、フライパン、電子レンジ用調理皿、鍋、グリル
    鍋、オーブントースター用調理皿及び調理網並びに調理
    器具の内部壁用部材からなる群から選ばれる請求項8に
    記載の防汚部材。
  10. 【請求項10】 該防汚部材が、台所用品又は台所用部
    材である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚部材。
  11. 【請求項11】 該台所用品又は台所用部材が、キッチ
    ンバック、レンジフード、換気扇の各部品、シンク、バ
    ックボード、パネル壁材、タイル壁面材、水道蛇口、温
    水蛇口、水道コック、温水コック、ガスコック、ガス配
    管、三角コーナー、排水口ゴミ受け、食器、ナイフ、フ
    ォーク、スプーン類、計量器、ボール、水切りかご、お
    ろし、カッター又は包丁のいずれかである請求項10に
    記載の防汚部材。
  12. 【請求項12】 該防汚部材が、台所又は厨房用機器の
    本体部材である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚部
    材。
  13. 【請求項13】 台所又は厨房用機器が、ガス又は電気
    食器乾燥器、ガス又は電気食器洗浄器、ガス湯沸かし
    器、ガスオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レ
    ンジ、ガス又は電気炊飯器、オーブントースター、電気
    (湯沸かし)ポット、自動給茶器又は冷蔵庫のいずれか
    である請求項12に記載の防汚部材。
  14. 【請求項14】 防汚部材が、食器棚の扉及びその表面
    部材、お米収納器の本体、システムキッチンの扉及びそ
    の表面部材、ガス又は電気食器乾燥器の内部壁用部材並
    びにガス又は電気食器洗浄器の内部壁用部材のいずれか
    である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚部材。
  15. 【請求項15】 請求項8又は9に記載の防汚部材を備
    えた調理器具。
  16. 【請求項16】 該調理器具が、ガスコンロ、電気コン
    ロ、ガスオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レ
    ンジ、炊飯器、バーベキューコンロ、ホットプレート、
    鍋、フライパン、グリル鍋、焼き肉器、オーブントース
    ター、電気(湯沸かし)ポット又は自動給茶器のいずれ
    かである請求項15に記載の調理器具。
  17. 【請求項17】 請求項12又は13に記載の防汚部材
    を備えた台所又は厨房用機器。
  18. 【請求項18】 台所又は厨房用機器が、ガス又は電気
    食器乾燥器、ガス又は電気食器洗浄器、ガス湯沸かし
    器、ガスオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電子レ
    ンジ、ガス又は電気炊飯器、オーブントースター、電気
    (湯沸かし)ポット、自動給茶器又は冷蔵庫のいずれか
    である請求項17に記載の機器。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載の防汚部材を備えた
    食器棚、お米収納器、システムキッチン扉、ガス又は電
    気食器乾燥器或いはガス又は電気食器洗浄器。
JP10320845A 1998-11-11 1998-11-11 防汚部材 Pending JP2000144096A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10320845A JP2000144096A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 防汚部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10320845A JP2000144096A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 防汚部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000144096A true JP2000144096A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18125897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10320845A Pending JP2000144096A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 防汚部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000144096A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130441A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Kowa Industry Co Ltd 分離枠及び振動分離装置並びに分離枠の製造方法
JP2006224000A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 光触媒合成方法および光触媒前駆体
JP2007501332A (ja) * 2003-05-07 2007-01-25 マクダーミド・インコーポレーテツド 無電解ニッケルメッキ用のポリテトラフルオロエチレン分散液
JP2007105629A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Kowa Industry Co Ltd 振動篩装置
JP2008296212A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Green Hydrotec Inc 多孔性触媒構造及びその製造方法
JP2009526586A (ja) * 2006-02-13 2009-07-23 セブ ソシエテ アノニム クリーニングし易い調理面
JP2010094571A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Kinki Univ 錫めっき手法を活用して作製した光触媒膜及び光触媒材の製造方法
WO2016209160A1 (en) * 2015-06-26 2016-12-29 Ilet Pte Ltd Floor drainage cover with removable mechanical seal device
KR102113956B1 (ko) * 2019-11-12 2020-05-21 유한회사 신화 쌀 도정 장치에 적용되는 유기 조성물
JP2020081990A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 テック大洋工業株式会社 液体浄化装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007501332A (ja) * 2003-05-07 2007-01-25 マクダーミド・インコーポレーテツド 無電解ニッケルメッキ用のポリテトラフルオロエチレン分散液
JP2006130441A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Kowa Industry Co Ltd 分離枠及び振動分離装置並びに分離枠の製造方法
JP4688132B2 (ja) * 2004-11-08 2011-05-25 株式会社興和工業所 分離枠及び振動分離装置並びに分離枠の製造方法
JP2006224000A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 光触媒合成方法および光触媒前駆体
JP2007105629A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Kowa Industry Co Ltd 振動篩装置
US8322273B2 (en) 2006-02-13 2012-12-04 Seb S.A. Easy-clean cooking surface and domestic electric article having such a surface
JP2009526586A (ja) * 2006-02-13 2009-07-23 セブ ソシエテ アノニム クリーニングし易い調理面
JP2008296212A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Green Hydrotec Inc 多孔性触媒構造及びその製造方法
JP2010094571A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Kinki Univ 錫めっき手法を活用して作製した光触媒膜及び光触媒材の製造方法
WO2016209160A1 (en) * 2015-06-26 2016-12-29 Ilet Pte Ltd Floor drainage cover with removable mechanical seal device
JP2020081990A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 テック大洋工業株式会社 液体浄化装置
JP7146205B2 (ja) 2018-11-28 2022-10-04 テック大洋工業株式会社 液体浄化装置
KR102113956B1 (ko) * 2019-11-12 2020-05-21 유한회사 신화 쌀 도정 장치에 적용되는 유기 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5514298B2 (ja) 耐久性を有し変色しにくい多層セラミックコーティングを有するプレーンな銅製のフードウェアおよび金属製物品およびその製造方法
JP4460574B2 (ja) 多層の耐粘着性セラミックコーティングを有する調理器具およびその製造方法
JP2003276129A (ja) 遠赤外線効果を有するコーティング構造
JP2000144096A (ja) 防汚部材
EP1608251B1 (en) Foodware with a tarnish-resistant ceramic coating and method of making
JP2001218684A (ja) 調理器具用部材及び調理器具
JP2007003186A (ja) 加熱調理器
JP2012237509A (ja) 加熱調理器
KR20060062854A (ko) 은 분말이 코팅된 삼중 코팅 주방용기
JPH06220391A (ja) フッ素樹脂系塗料
JP2000070145A (ja) 調理器具
JP4843231B2 (ja) キッチン製品
JPH11193480A (ja) 耐食性複合めっき皮膜及びこれを用いた調理器具
CN217723268U (zh) 一种具有防粘防刮的钎焊底不锈钢炒锅
JP2010063526A (ja) 加熱調理器および電磁誘導加熱式調理器
CN201119746Y (zh) 一种带陶瓷膜层的金属炊具
JPH0723862A (ja) 調理器具用部材および調理器具
JP3534957B2 (ja) カラー調理器具用部材およびカラー調理器具
JP2003225165A (ja) 調理皿およびそれを用いた加熱調理器
JPH1072664A (ja) 光触媒被覆体
CN117462023A (zh) 上盖组件和烹饪装置
JP2010249441A (ja) 加熱調理器および電磁誘導加熱式調理器
JPH10243881A (ja) 調理機器用複合材
WO2021245702A1 (en) An anti-microbial object and a process for manufacturing the same
TR202014234U5 (tr) Bi̇r pi̇şi̇rme araci

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060301

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060712