JPH07238032A - 担子菌類由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物の製造方法 - Google Patents

担子菌類由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物の製造方法

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JPH07238032A
JPH07238032A JP6030568A JP3056894A JPH07238032A JP H07238032 A JPH07238032 A JP H07238032A JP 6030568 A JP6030568 A JP 6030568A JP 3056894 A JP3056894 A JP 3056894A JP H07238032 A JPH07238032 A JP H07238032A
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JP
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mycelium
ace
basidiomycete
fruit body
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JP6030568A
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Shoichi Ikemizu
昭一 池水
Hario Konishi
張夫 小西
Chieko Hataya
智恵子 幡谷
Makio Kishimoto
眞希男 岸本
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】血圧降下剤または血圧降下食品として有用であ
るアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物を、食用担子
菌類から製造する方法を提供する。 【構成】担子菌類の子実体または菌糸体から抽出した蛋
白質をプロアーゼにより加水分解し、血圧降下作用を有
するアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物を得る方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食用担子菌類の子実体
もしくは菌糸体から得られ、特に血圧降下剤または血圧
降下用食品として有用であるアンジオテンシン変換酵素
(以下ACEと略する)阻害剤含有物の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、担子菌類の様々な生理活性(薬理
効果)が注目され、具体的な例としては生体防御(免疫
賦活)、生体恒常性の維持、体調リズムの調節、疾病回
復能、さらに癌、脳卒中心臓病などの成人病に対する予
防と改善効果が指摘されている。そのほか、脱コレステ
ロール、抗血栓、血圧降下、血糖降下、老人性痴呆症改
善など多岐にわたる有効な成分が証明されつつあり、新
しい医薬品の開発や機能性食品の素材として注目されて
いる。
【0003】こうした各種生理活性の中でも、担子菌の
持つ血圧降下作用についてはまだまだ研究報告の数は少
なく、これまでに、シイタケ(Lentinus edodes )の抽
出物から得られた血圧降下作用を有する物質(特開昭5
8−26820公報)やヒラタケ(Pleurotus ostreatu
s )から得られた血圧降下剤および血圧降下作用を有す
る食品(特開平2−72121号公報)等の特許出願が
ある。また、マイタケ(Grifola frondosa)とマンネン
タケ(Ganoderuma lucidum)についてはACE阻害活性
及び血圧降下作用が学会等で報告されている。
【0004】ここでヒトの血圧調節機構の中心的役割を
担っているレニン−アンジオテンシン系の概略を以下に
示す。肝臓から血管内に分泌された17個のペプチドで
あるアンジオテンシノーゲンは腎臓から同様に分泌され
るレニンによってN末端から10番目のLeuと11番
目のValの間を切断されアンジオテンシンIに変換さ
れる。さらに、アンジオテンシンIは肺から分泌される
ACEにより1回の肺循環の間にアンジオテンシンIIに
変換される。アンジオテンシンIIは8個のアミノ酸から
構成される活性ペプチドで、10個のアミノ酸からなる
アンジオテンシンIのC末端側のPheとHis−Le
uの間のペプチド結合がACEによって切断されること
により生成する。
【0005】アンジオテンシンIIはアルドステロン(副
腎皮質ホルモン)を介するか、あるいは直接的に末梢血
管を収縮させることにより血圧を上昇させる。また、A
CEは血圧降下作用の活性ペプチドであるブラジキニン
を分解することによっても血圧上昇をもたらす。血圧の
著しい上昇およびそのことによるNaと水の蓄積は、腎
臓のセンサーによって感知されレニンの分泌が抑制され
る。さらに、アンジオテンシンII自体も腎臓に対して同
様に作用するというようなフィードバック機構により正
常なヒトの血圧は一定に保たれている。
【0006】従来より、ACE阻害剤は血圧降下剤とし
て臨床的に広く使用されている。生理的には、上記のレ
ニン−アンジオテンシン系による血圧調節機構において
中心的役割を担うACEの活性を阻害することによっ
て、不活性型のアンジオテンシンIから血圧上昇作用の
ある活性型のアンジオテンシンIIへの変換を阻害するこ
とにより血圧降下をもたらす。また、ACE阻害剤は、
血圧降下作用のある活性ペプチド・ブラジキニンのAC
Eによる分解(不活性化)をも阻害することによっても
血圧降下をもたらす。
【0007】最近では、プロリン誘導体であるカプトプ
リル(商標:以下同じ)が合成され、降圧活性が確認さ
れて以来、カプトプリルの構造研究に基づく種々のAC
E阻害物質の合成研究が行われており、マレイン酸エナ
ラプリルやアラセプリル等の化学物質が臨床の場に供さ
れている。現在、ACE阻害薬は本態性高血症、症候性
高血圧症を問わず、また、軽症から重症に至るまで幅広
く用いられ、高血圧症の第1次選択の治療薬に加えられ
ており、多くの優れた点が挙げられている。
【0008】ACE阻害物質としては、合成品の他によ
り安全性を考慮した高血圧の治療薬および高血圧予防の
為の特定保健用食品の原料の取得を目的として天然物か
らの新規物質の同定等が試みられている。天然物由来の
ACE阻害物質は、食品あるいは食品材料から得られる
ので低毒性で安全性の高い降圧剤となることが期待され
る。天然物および天然物を酵素処理して得られたACE
阻害物質としては、例えば放線菌の代謝産物IS83
(特開昭58−177920号公報)等および牛乳カゼ
イン由来(特開昭61−36226号公報,同61−3
6227号公報,特開平4−154797号公報)、卵
白由来(特開平3−280835号公報,同4−152
892号公報、同5−331190号公報)、トウモロ
コシ由来(特開平4−164094号公報)、米由来
(特開平5−70355号公報)、魚肉由来(特開平5
−112465号公報、同5−244979号公報、同
5−271297号公報、同5−331991号公報、
同5−331192号公報)、と畜血液由来(特開平5
−238946号公報)、酒粕由来(特開平5−294
844号公報)、大豆蛋白質由来(特開平5−3391
66号公報)等のペプチドが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】わが国のキノコ栽培産
業においては、冬期の需要は見込めるが夏期の需要低下
による価格低下が著しいのが現状であり、夏期における
キノコの需要向上が業界の課題となっている。また、現
在、高血圧症は、我が国の高年齢層疾病の1/3を占め
ており脳出血、脳血栓症、高血圧脳症、腎臓障害等の原
因ともなるもので、今後、我が国が高齢化社会を迎える
にあたりその予防および治療は重大な問題である。本発
明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、夏期のキ
ノコを有効利用し、副作用のないよりよい高血圧治療薬
や発症予防のための予防薬、高血圧症に効果のある機能
性食品等に使用可能な安価で極めて安全性の高い新規な
ACE阻害物質を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、担子菌類の子
実体または菌糸体の蛋白質をプロテアーゼで加水分解し
て得ることを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害
剤含有物の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明者等は、かかる問題を解決するべく担子
菌類由来で副作用の少ないACE阻害物質について、鋭
意検討した結果、食用担子菌、特にホウビタケより抽出
した水溶性蛋白質をプロテアーゼ、とりわけペプシンま
たはトリプシンにより加水分解することにより、活性を
高めたACE阻害活性含有物が得られることを見出し本
発明を完成するに至った。
【0012】本発明において用いる担子菌類としては、
食用担子菌の子実体または菌糸体であればいずれでも良
く、ヒラタケ、ホウビタケ、マイタケ、シイタケ、エノ
キタケ、ブナシメジの子実体または菌糸体等が任意に用
いられるが、特に有用なものはホウビタケの子実体また
は菌糸体である。ホウビタケ(鳳尾茸)は、学名Pleuro
tus sajor-caju (Fr.) Sing.と呼ばれており、ヒラタケ
と同じく、ヒラタケ科、ヒラタケ属に属する食用担子菌
の一種である。現在、中国の雲南、広東、広西、福建の
各省においては、バナナの皮や幹、稲藁などを菌床材料
として広く人工栽培されており、日本へも中国から菌株
が持ち込まれ、菌床栽培やほだ木栽培が試みられてい
る。特徴として傘が大きく味が良好であることが挙げら
れる。また、生長が早く発茸周期が短い為、経済的採算
のとれる栽培キノコとして有望視されている。
【0013】なお、ホウビタケはヒラタケよりも栽培が
容易で、栽培期間も10日ほど短くて済む為、大量生産
をおこないやすく生理活性物質を得る原材料としても非
常に優れた担子菌である。また、シイタケのような独特
の味や臭いが少なく癖がない為、精製しなくとも長期服
用が可能となる。しかしながら、上記したようにホウビ
タケにおいても夏期の需要の落込みが懸念されている。
本発明においては、特に夏期におけるホウビタケの有効
利用ができる為、産業上その意義は極めて大きいものと
言える。また、食品生産過程における廃物でなく、中国
等で古くから薬膳料理の材料として用いられてきた食用
キノコであるホウビタケを使用する為、極めて高い安全
性が保証される。以下、本発明について詳述する。
【0014】ペプシンとは胃に分泌される酸性プロテア
ーゼの一種であり、トリプシンとは小腸に分泌されるア
ルカリ性プロテアーゼの一種である。本発明の活性をも
つ含有物は、上記ペプシンまたはトリプシンを用いる場
合に特に効果的に得られ、公知のプロテアーゼであるキ
モトリプシン等で担子菌類の抽出物を分解しても本発明
の如き作用をもつ含有物は得られない。
【0015】本発明を実施するに当っては、担子菌類の
子実体もしくは菌糸体を水溶性溶媒中での10分〜12
時間程度の抽出、強力な撹拌でのホモジナイズ、遠心分
離による残渣の除去を実施した後の水溶性蛋白質を主体
とする抽出液を得る。水溶性溶媒とは水を主体とした溶
媒で、水単独または水と混和もしくは溶解しうるアルコ
ール類やアセトン、酢酸エチルなどを含有する溶媒であ
る。抽出温度は用いる溶媒により異なるが、一般的な水
あるいは水−エタノール混液の場合、0〜100℃の範
囲で使用可能である。
【0016】かかる抽出液は、凍結乾燥、噴霧乾燥させ
る方法や65〜80%のアセトン沈殿に付し、沈殿した
高分子蛋白質を遠心分離により除去した後、エバポレー
ターにより上澄み液を濃縮する方法等により濃縮するこ
とができる。抽出液の蛋白質濃度を測定した後、基質蛋
白質に対して0.0005〜10重量%の酵素剤を添加
し、ペプシンの場合はpH2〜6、トリプシンの場合は
pH7〜12に調整して、温度10〜60℃、好ましく
は20〜40℃で12時間以上の反応条件下で静置また
は撹拌下反応を続けて目的物を得ることができる。
【0017】かくして得られたACE阻害剤含有物は各
種のペプチドの混合物であり、そのまま使用しても良
く、又後処理加工してもよい。あるいは必要に応じて、
活性画分を分離精製して使用される。本発明のペプチド
類は、ACE阻害剤、例えば高血圧性疾病の予防、治療
を目的とした医薬としての血圧降下剤、輸液、ないし健
康増進、維持を目的とした健康食品、臨床栄養食品又は
特定保健用食品向けペプチドとして巾広く使用すること
ができる。
【0018】医薬として使用する場合には、経口又は非
経口投与することができる。経口投与の場合には、例え
ば常法に従い、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、散
在とすることができ、又、非経口投与の場合には、例え
ば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用することがで
きる。また、食品として使用する場合にはペプチドをそ
のまま添加したり、他の食品ないしは食品成分と併用し
たりして適宜常法に従って使用できる。いづれにおいて
もその形状、混合物の組成等についてはACE阻害活性
を損なわないのなら何の限定もされない。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
【0020】実施例1〜2 (ホウビタケの栽培)広葉樹のおが屑に栄養源として大
豆皮を乾燥重量比率(10:7)になるように混合し、
更に水分を重量比率で65%になるように加水し、撹拌、
混合して栽培用培地とした。これを850ccポリ瓶に
490g/瓶になるように詰めて栓をした後、120℃
で1時間滅菌後、無菌室で放冷して栽培用ポリ瓶とし
た。上記ポリ瓶にホウビタケのオガ屑種菌を接種機にて
1瓶当たり10g程度になるように植菌し、室温23
℃、相対湿度65%の培養室にて培養した。菌糸がポリ
瓶全体に蔓延した段階で培養完了とした。培養完了した
ポリ瓶は、成熟期間をおかずに菌掻きを行なった。菌掻
きの方法は菌掻き機を用いて培地を成型した時の面(菌
床面)を露出する程度の平がきとした。菌掻き後、瓶口
を有孔ポリフィルムで覆い、室温20℃、相対湿度95
%の栽培室で、菌床表面に原基が形成されるまで栽培し
た。菌床表面に原基が形成されたら、瓶口の有孔ポリフ
ィルムを取り払い、室温20℃、相対湿度95%の栽培
室で生育させ、キノコが適当な大きさになった段階で収
穫した。
【0021】(抽出および濃縮)上記のようにして栽
培、収穫した新鮮なホウビタケの子実体480gを予め
100℃に煮沸した滅菌蒸留水1.5lに加え、10分
間抽出後、室温に戻しフードカッターで子実体に抽出液
を加えて5分間破砕した。破砕した子実体及び抽出液を
ガーゼによる濾過、吸引濾過(ADVANTEC:5A)、遠心分
離(12000rpm、10分間)、吸引濾過(ADVANT
EC:5C)の順に供し、濾液を約1.2l得た。次に濾液
に対してアセトンを最終濃度75%になるように加え
て、十分撹拌した後、遠心分離(3000rpm、10
分間)した上澄み液をエバポレーターで、蒸発乾固(2
0〜50℃)した。更に濃縮後のサンプルに滅菌蒸留水
20mlを加えた後、ミキサーで撹拌することにより溶
解した。また、不溶物を遠心分離(12000rpm、
5分間)と簡易濾過(0.22μミリポアフィルター)
することによって除去した後、蛋白質濃度約50mg/
mlとなるように滅菌蒸留水を加えて蛋白質サンプルと
した。
【0022】(プロテアーゼの作用条件)蛋白質サンプ
ルの蛋白質約5mgに対して酵素剤1mgを添加した
後、ペプシンの場合はpH2、トリプシンの場合はpH
8の緩衝液中(蛋白質サンプルの最終濃度:約0.5m
g/ml)37℃で12時間反応後、5分間煮沸するこ
とにより反応を停止した。
【0023】(ACE阻害活性の測定)各反応液を遠心
分離(12000rpm、5分間)と簡易ろ過(0.2
2μミリポアフィルター)した後、更に蒸留水で70%
に希釈して測定サンプルとした。測定サンプルを山本ら
によるCushman法の改良法に準じたACE阻害活
性測定系に供し、ACE阻害活性を算出した。ACE阻
害活性測定系の概要は以下の通りである。先ず、37
℃、30分の反応により硼酸バッファー(4.5量M/
20 Na2 B4 O7 + 5.5量 M/5 H3 B
O3 )に溶解したACE(100mU/ml)によって
基質であるヒプリルヒスチジルロイシンのヒプリル酸と
ヒスチジルロイシンの間が切断され、分光光学的定量が
可能なヒプリル酸が生ずる。反応停止後、遊離したヒプ
リル酸を酢酸エチルにより抽出、蒸発乾固する。次に、
蒸留水に溶解したヒプリル酸の吸収波長である228n
mの吸光度を測定する。ACE阻害活性(%)は、測定
サンプルによる測定値を(S)、測定サンプルの代わり
に蒸留水を用いた場合を(C)、蒸留水及び測定サンプ
ルにあらかじめ反応停止液(1N HCl)を加えて反
応させた場合をそれぞれ(BC)、(B)として次式か
ら算出した。
【0024】{[(C−BC)−(S−B)]/(C−
BC)}×100 %
【0025】対照として各プロテアーゼの反応前に予め
反応液を5分間煮沸することによりプロテアーゼを失活
させ、以下同様にACE阻害活性を測定した。また、測
定サンプルのACE阻害活性から対照のACE阻害活性
を差し引いた増加量を求めた後、対照のACE阻害活性
を100とした場合の増加率(%)を算出し、その結果
を表1に示した。
【0026】比較例1〜2 実施例1〜2において、ペプシンまたはトリプシンの代
わりにキモトリプシンを使用するか、あるいはプロテア
ーゼ無添加による実験を行った。キモトリプシンを用い
る場合は、pH8の緩衝液中で反応させた。以下同例に
従い、ACE阻害活性の増加率(%)を算出し、その結
果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、12時間のペプ
シンまたはトリプシンを使用した場合にはACE阻害活
性の増加が見られたが、キモトリプシンを使用したも
の、およびプロテアーゼ無添加の場合には、ACE阻害
活性の増加はほとんど認められなかった。なお、上記各
反応に用いたホウビタケの蛋白質サンプル(最終濃度:
約0.5mg/ml)のACE阻害活性活性は、約40
%であった。従って、ペプシンまたはトリプシンによる
加水分解により、本来ホウビタケが含有するACE阻害
活性物質の活性が上昇したか、あるいはホウビタケ抽出
液中の水溶性蛋白質の加水分解物がACE阻害活性を示
したかのいずれかと予想される。いずれにしても、ホウ
ビタケ抽出物をプロテアーゼで加水分解することによ
り、抽出物のACE阻害活性が上昇することは明らかで
ある。
【0029】
【発明の効果】本発明は、食用担子菌の子実体及び菌糸
体から調整でき、特に血圧降下剤または血圧降下食品と
して有用である水性溶媒可溶なACE阻害剤含有物が得
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/99 (72)発明者 岸本 眞希男 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 新王 子製紙株式会社神崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担子菌類の子実体または菌糸体の蛋白質を
    プロテアーゼで加水分解して得ることを特徴とするアン
    ジオテンシン変換酵素阻害剤含有物の製造方法。
  2. 【請求項2】担子菌類がホウビタケである請求項1記載
    のアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物の製造方法。
  3. 【請求項3】プロテアーゼとしてペプシンまたはトリプ
    シンを使用する請求項1または2記載のアンジオテンシ
    ン変換酵素阻害剤含有物の製造方法。
JP6030568A 1994-02-28 1994-02-28 担子菌類由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物の製造方法 Pending JPH07238032A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016317A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nagase & Co Ltd アンギオテンシン変換酵素阻害剤
CN113832207A (zh) * 2021-06-09 2021-12-24 吉林大学 一种ace抑制肽及其制备方法和应用

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