JP3022615B2 - ε−ポリリジンの製造方法 - Google Patents

ε−ポリリジンの製造方法

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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重合度2〜19のε−ポ
リリジンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合度20〜25のε−ポリリジンが、
グラム陽性菌、グラム陰性菌、真菌、乳酸菌、酵母菌等
の種々の菌類に対する抗菌作用、バクテリオファージに
対する抗ファージ作用を有していることが知られてお
り、そのような特性に基づいて食品保存料等としての使
用が提案されている。また、本発明者らの研究の結果、
上記の重合度を有するε−ポリリジンが血清や肝臓のコ
レステロールレベルの上昇を抑制する作用および低下さ
せる作用があることが発見された。
【0003】ところで、上記の重合度を有するε−ポリ
リジンは持続性の強いえぐ味(あくの強い不快な味)を
有している。そのため、それをそのまま直接摂取した場
合は勿論のこと、飲食物中に少量添加した場合にもえぐ
味を感じ、その摂取を困難または不快なものにし、また
飲食物の食感や風味を不良なものにしている。特に、上
記の重合度を有するε−ポリリジンをコレステロール抑
制剤として飲食物中に添加する場合は、1%以上の添加
が効果の発現の点から望ましいが、1%以上の添加は飲
食物の味をえぐいものにし、飲食物本来の食感や風味を
大幅に低下させる傾向がある。
【0004】
【発明の内容】 本発明者らは、抗菌作用、抗ファージ
作用、コレステロール抑制作用等の上記した有用な特性
を保ちながら、ε−ポリリジンの呈味をえぐ味のないも
のにすることを目的として研究を続けてきた。その結
果、重合度が19以下のε−ポリリジンはえぐ味がかな
り少なく、しかも重合度20〜25のε−ポリリジンと
同様に抗菌作用、抗ファージ作用、コレステロール抑制
作用を有すること、そしてそのような重合度19以下の
ε−ポリリジンは上記した重合度20〜25のε−ポリ
リジンまたはそれより大きな重合度を有するε−ポリリ
ジンを中性プロテアーゼ、特にアスペルギルス属菌が産
生する中性プロテアーゼを使用して加水分解することに
よって得ることができることを見出した。
【0005】 すなわち、本発明は、重合度が20以上
のε−ポリリジンを、アスペルギルス属菌が産生する
性プロテアーゼで加水分解することにより重合度が2〜
19のε−ポリリジンを製造する方法である。ε−ポリ
リジンは、下記の化学式1で表される。
【0006】
【化1】
【0007】本発明では、重合度が20以上のε−ポリ
リジンのいずれもが原料として使用できる。その場合
に、ε−ポリリジン原料は、その大半が重合度20以上
のε−ポリリジンからなるものであれば一つの重合度の
みからなる単一のε−ポリリジンであっても、種々の重
合度のε−ポリリジンの混合物であってもよく、更に場
合によっては重合度が19以下のε−ポリリジンを少量
含有していてもよい。20以上の重合度を有するε−ポ
リリジンとしては、チッソ株式会社等により市販されて
いる重合度が20〜25のε−ポリリジンが、目的とす
る重合度2〜19のε−ポリリジンを高効率で製造で
き、且つ入手が容易であり望ましい。
【0008】中性プロテアーゼによる加水分解処理は、
原料である重合度20以上のε−ポリリジンを、水溶液
または水性分散液の形態にして行うのがよい。そして、
本発明者らの研究の結果、上記の中性プロテアーゼとし
ては、多数の中性プロテアーゼのうちで、アスペルギル
ス(Aspergillus)属菌の産生する中性プロテアーゼ
が、目的とする重合度2〜19のε−ポリリジンの生成
に有利であること、そのうちでも特にアスペルギルスソ
ーヤ(Aspergillus sojae)菌、アスペルギルスオリゼ
ー(Aspergillus oryzae)菌、およびアスペルギルスメ
レウス(Aspergillus melleus)菌の産生する中性プロ
テアーゼが適することがわかった。
【0009】 したがって、本発明は、上記したよう
、アスペルギルス(Aspergillus)属菌の産生する中
性プロテアーゼ(以下単に「中性プロテアーゼ」という
ことがある)を使用して、重合度が20以上のε−ポリ
リジンから重合度が2〜19のε−ポリリジンを製造す
る方法である。ここで、「アスペルギルス(Aspergillu
s)属菌の産生する中性プロテアーゼ」とは、アスペル
ギルス(Aspergillus)属菌により産生され且つpH6
〜8の中性領域で反応性を示す、すなわちペプチド結合
を加水分解するプロテアーゼをいう。
【0010】そして、上記したアスペルギルス(Asperg
illus)属菌の産生する中性プロテアーゼのうち、アス
ペルギルスソーヤ(Aspergillus sojae)菌の産生する
中性プロテアーゼは、IP酵素[盛進製薬(株)]、P
ROTEASE7026(SIGMA社)として、アス
ペルギルスオリゼー(Aspergillus oryzae)菌の産生す
る中性プロテアーゼは、デナチームAP[長瀬産業
(株)]、プロチンFN[大和化成(株)]、プロテア
ーゼAおよびプロテアーゼM[天野製薬(株)]、スミ
チームLP[新日本化学工業(株)]、オリエンターゼ
ON[上田化学工業(株)]、PROTEASE403
2(SIGMA社)等として、またアスペルギルスメレ
ウス(Aspergillus melleus)菌は、プロテアーゼP
[天野製薬(株)]等として市販されており、容易に入
手可能である。それらのプロテアーゼのうちでも、デナ
チームAPが分解効率が良いので、特に好ましい。
【0011】中性プロテアーゼは、遊離の状態で使用し
ても、担体に固定化して使用してもよい。また中性プロ
テアーゼによる加水分解処理は、連続法で行ってもバッ
チ法で行ってもよい。中性プロテアーゼを遊離の状態で
使用するかまたは固定化して使用するか、加水分解処理
を連続法で行うかまたはバッチ法で行うか等に応じて、
中性プロテアーゼの種類、その使用量、処理時の温度、
圧力、pH、処理時間等の諸条件を適宜選んで処理を行
うとよい。一般に、中性プロテアーゼの使用量が多いほ
ど、目的とする重合度のε−ポリリジンを短時間で得る
ことができる。アスペルギルス(Aspergillus)属菌の産
生する中性プロテアーゼを使用する場合は、通常、液の
pHを約6〜8にして、約35〜45℃の温度で加水分
解を行うのがよい。
【0012】20以上の重合度を有するε−ポリリジン
は、中性プロテアーゼにより加水分解されて、次第に重
合度が19以下の低重合度ε−ポリリジンになってゆ
く。その場合に、加水分解が過度に行われると、最終的
にはアミノ酸であるリジンになり、目的とする重合度が
2〜19のε−ポリリジンが得られない。したがって、
加水分解処理に際しては、加水分解の途中で経時的に反
応液を採取して、生成物中の重合度が2〜19のε−ポ
リリジンの割合を逆相クロマトグラフィーやその他適当
な方法によって分析して、加水分解反応の継続または停
止を決定するのが望ましい。
【0013】通常は、原料である重合度20以上のε−
ポリリジンの約80重量%以上、好ましくは約90重量
%以上が加水分解された時点で、加水分解反応を停止さ
せるのがよい。加水分解反応は加熱やその他の適当な手
段で中性プロテアーゼを失活させることにより停止する
ことができる。加熱により中性プロテアーゼを失活させ
る場合は、一般に約80〜100℃に加熱するとよい。
【0014】例えば、重合度20〜25のε−ポリリジ
ンを濃度50mg/ml、pH約6〜8の水溶液とし、
これに約125units/mlのアスペルギルス(Aspergi
llus)属菌の産生する中性プロテアーゼを加えて、約3
5〜45℃の温度で加水分解処理を行う場合は、約24
〜48時間後にプロテアーゼを失活させると、原料とし
て用いたε−ポリリジンの約95〜99重量%が加水分
解されて、重合度2〜19のε−ポリリジンを約94〜
98重量%含有する生成物が得られる。
【0015】上記液中に含まれる重合度2〜19のε−
ポリリジン以外の成分としては、少量のリジンや重合度
20以上のε−ポリリジン等である。上記液を、例えば
噴霧乾燥、凍結乾燥、その他適当な乾燥手段によって乾
燥して、目的とする重合度2〜19のε−ポリリジンを
多量に含む粉体としてもよい。以上のようにして得られ
る重合度が2〜19のε−ポリリジンは、えぐ味が生じ
ない程度の少量(通常約10%以下)の重合度20以上
のε−ポリリジンを含んでいてもよい。
【0016】より純度の高い生成物を得たい場合は、上
記で得た重合度2〜19のε−ポリリジンを含有する液
を、イオン交換、限外濾過、ゲル濾過等の分離手段の1
つまたは複数を組合せて処理することにより、目的とす
るε−ポリリジンを重合度別に単独で、または重合度2
〜19のうちの任意の重合度のものの混合物の形態で分
離回収することができる。
【0017】上記で得られた重合度2〜19のε−ポリ
リジンは、重合度20以上のε−ポリリジンと同様にコ
レステロールレベルの上昇抑制作用や低下作用、抗菌作
用、抗ファージ作用を有している。しかも、重合度20
以上のε−ポリリジンとは異なり、えぐ味がないので摂
取しやすく、それ自体でコレステロール抑制剤、抗菌
剤、抗ファージ剤等として有効に使用することができ
る。重合度2〜19のε−ポリリジンをそれ自体で投与
する場合は、水溶液;澱粉、タルク、炭酸カルシウム等
の担体に担持させた固型剤(錠剤、丸剤、顆粒剤、カプ
セル剤等)等の任意の剤型を採ることができる。また、
種々の飲食物(例えば、パン、クッキー、ビスケット、
めん類、チューインガム、飲料等)に添加して使用する
ことができ、その場合にえぐ味がないので、飲食物の食
感や風味を損なうことがない。
【0018】
【実施例】《実施例 1》 チッソ(株)社製のε−ポ
リリジン(重合度20〜25のε−ポリリジンを50重
量%含有)200gを水2000mlに溶解した後、6
N塩酸を使用して水溶液のpHを7.0に調整した。
このε−ポリリジン水溶液の一部を採取して、逆相クロ
マトグラフィー[使用ラム:Waters μ Bon
dapak C18:日本ウオーターズ社製:内径3.
9mm長さ30cm]に供した。次いで、トリフルオロ
酢酸0.1%を含有する水溶液(A液)、トリフルオロ
酢酸0.1%を含有するアセトニトリル80%水溶液
(B液)を使用して、A液とB液の混合液中において、
60分間でB液の濃度が0%から20%まで直線的に増
加する濃度勾配にて1.0ml/分の流速で溶出させ
た。この流出液を波長220nmのUVで検出したとこ
ろ、図1のクロマトグラムを示した。
【0019】重合度20〜25のε−ポリリジンを含有
するpH7.0の上記の水溶液に、デナチームAP[長
瀬産業(株)社製:アスペルギルスオリゼー(Aspergil
lusoryzae)産生の中性プロテアーゼ]5gを添加し
て、40℃で24時間反応させ、その時点で90℃に3
0分間保ってプロテアーゼを失活させた。その結果、原
料である重合度20〜25のε−ポリリジンの約95重
量%が加水分解されていた。こうして得られた加水分解
液を噴霧乾燥して粉末状の生成物190gを得た。加水
分解処理前のε−ポリリジン水溶液に対して行ったのと
全く同様にして、この加水分解液を逆相クロマトグラフ
ィーに供してクロマトグラムをとったところ、図2に示
す結果を得た。この実施例1で得られた上記粉末状生成
物中には、重合度2〜19のε−ポリリジンが約47重
量%含まれていた。
【0020】《実施例 2》デナチームAPによる加水
分解処理を40℃で48時間行った以外は実施例1と同
様にして、加水分解処理を行い、その結果得られた加水
分解液を噴霧乾燥したところ、粉末状の生成物192g
を得た。この加水分解液を上記実施例1と同様にして逆
相クロマトグラフィーに供してクロマトグラムをとった
ところ、図3に示す結果を得た。この実施例2で得られ
た上記粉末状生成物中には、重合度2〜19のε−ポリ
リジンが約49重量%含まれていた。
【0021】官能(食味)試験 実施例1および実施例2で得られた粉末状生成物、並び
に加水分解処理を施す前の上記チッソ(株)社製のε−ポ
リリジン(重合度20〜25のε−ポリリジンを50%
含有)の各々を使用して、下記の表1に示す配合のグレ
ープフルーツジュースA〜Cをつくった。各々のグレー
プフルーツジュースを13名のパネラーにより飲食して
もらって、下記の評価基準にしたがってその食味の良否
を試験した。その結果を、表1に示す。
【0022】ここで、表1における食味の点数は、13
名のパネラーの付した点数の平均値を採ったものであ
る。 [評 価 基 準] 5点・・・非常に強いえぐ味を感じ、食味が極めて劣る 4点・・・強いえぐ味を感じ、食味が大きく劣る 3点・・・えぐ味を感じ、食味が劣る 2点・・・ややえぐ味を感じ、食味がやや劣る 1点・・・かすかにえぐ味を感じ、食味が少し劣る 0点・・・えぐ味を感じず、食味が良好
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から、本発明の実施例1および
実施例2で製造された重合度2〜19のε−ポリリジン
を含むグレープフルーツジュースAおよびBは、ε−ポ
リリジンを含有しない対照のグレープフルーツジュース
とほぼ同様にえぐ味がなく良好な食味を有するか、また
はそのえぐ味が少ないのに対して、重合度20以上のε
−ポリリジンを含有するグレープフルーツジュースCは
えぐ味が強く食味が劣ることがわかる。
【0025】《参 考 例》コレステロール抑制作用試
5週令のFisher系雌ラットを各群7匹づつ4群準備し、
群毎に個別の金網ケージで4日間予備飼育後、11日間
各群毎に表2に示す配合組成の飼料および水を自由に摂
取させた。飼育環境条件は、湿度60±10%、温度2
3.0±1.0℃とし、照明期間を毎日22時から翌1
0時までとした。表2から明らかなように、第1群(標
準群)のラットに対する飼料は、コレステロール、ラー
ドおよびコール酸ナトリウムを含まない標準飼料であ
り、第2群(対照群)、第3群および第4群(いずれも
本発明群)のラットに対する飼料は、コレステロール、
ラードおよびコール酸ナトリウムを含む高コレステロー
ル飼料である。そして、第2群〜第4群の高コレステロ
ール飼料のうち、第3群と第4群の飼料は、実施例1お
よび実施例2で得られた重合度2〜19のε−ポリリジ
ンを更に含有している。
【0026】
【表2】
【0027】上記第1群〜第4群のラットの飼育開始時
の初体重、飼育終了時の終体重、増体重、飼育期間中の
飼料摂取量および飼料効率を調べたところ、下記の表3
に示すとおりであった。なお、表3の値はラット1匹当
たりの平均値であり、また飼料効率は下記の式で表され
る。 飼料効率 = (増体重/飼料摂取量)×100
【0028】
【表3】
【0029】上記表3の結果から、標準飼料を給与した
第1群のラットおよび高コレステロール飼料を給与した
第2〜4群のラットのいずれもが成長が良好であるこ
と、飼料摂取量では第1群のラットと第2〜4群のラッ
トとの間に有意な差がみられるものの、増体重について
は第1群のラットと第2〜4群のラットの間に有意な差
がないことがわかる。
【0030】また、上記飼育期間中、4日目と7日目に
尾静脈から、そして11目に下大動脈から採血して血液
中の総コレステロールをRichmoncl W.らの方法により
定量したところ、下記の表4に示す結果を得た。
【0031】
【表4】
【0032】更に、11日間の飼育期間終了日の19時
から翌日9時まで14時間絶食させた後に、エーテル麻
酔下に解剖して肝臓を摘出してその重量を測定すると共
に、Folchらの方法により摘出した肝臓から脂質を抽出
して、総コレステロール、遊離コレステロール、リン脂
質および中性脂質を分析した。その結果を下記の表5に
示す。
【0033】
【表5】
【0034】上記表4および表5の結果から、本発明の
方法により製造された重合度2〜19のε−ポリリジン
を含有する高コレステロール飼料を給与した第3群と第
4群のラットは、標準飼料を給与した第1群のラットに
比べて血液中および肝臓におけるコレステロール量が多
くなっているものの、上記ε−ポリリジンを含まない高
コレステロール飼料を給与した第2群のラットに比べ
て、血液中および肝臓におけるコレステロール量が少な
くなっており、重合度2〜19のε−ポリリジンがコレ
ステロールレベルの抑制作用を有することがわかる。
【0035】《実施例 3》下記の表6に示した種々の
プロテアーゼを使用して、実施例1と同様にして重合度
20〜25のε−ポリリジンの加水分解処理を行った。
その際に、該ε−ポリリジン含有水溶液のpHは、各プ
ロテアーゼの活性に対して最適であるとされている表6
に示すpH値を採用した。各々で得られた加水分解液を
実施例1と同じようにして逆相クロマトグラフィーに供
して、そこに含まれる生成物のクロマトグラムを採っ
た。その結果、重合度20〜25の中重合度ε−ポリリ
ジンに対する各プロテアーゼの加水分解能は、表6に示
すとおりであった。
【0036】表6において、プロテアーゼの加水分解能
は次の基準で判定した。プロテアーゼの加水分解能の判定基準 +・・・ε−ポリリジンが加水分解された。 −・・・ε−ポリリジンがまったく加水分解されなかっ
た。
【0037】
【表6】
【0038】表6の結果から、アスペルギルス(Asperg
illus)属菌の産生する中性プロテアーゼが、重合度2
0以上のε−ポリリジンから重合度2〜19のε−ポリ
リジンを製造する際のプロテアーゼとして特に適してい
ることがわかる。
【0039】
【発明の効果】 アスペルギルス(Aspergillus)属菌
の産生する中性プロテアーゼを使用して重合度が20以
上のε−ポリリジンを加水分解する本発明の方法によ
り、重合度が2〜19のε−ポリリジンを高収率で円滑
に製造することができる。本発明の方法により製造され
た重合度2〜19のε−ポリリジンは、えぐ味がかなり
少なく、しかもコレステロールレベルの上昇抑制および
低下作用、抗菌作用、抗ファージ作用を有しており、そ
のままでまたは飲食物中に添加して有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】市販の重合度20〜25のε−ポリリジンを含
む液を逆相クロマトグラフィーに供し、次いで溶出させ
たときの流出液を波長220nmのUVで検出したクロ
マトグラムを示す図である。
【図2】実施例1で得た加水分解液を逆相クロマトグラ
フィーに供し、次いで溶出させたときの流出液を波長2
20nmのUVで検出したクロマトグラムを示す図であ
る。
【図3】実施例2で得た加水分解液を逆相クロマトグラ
フィーに供し、次いで溶出させたときの流出液を波長2
20nmのUVで検出したクロマトグラムを示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 13/02 C12R 1:66) (C12P 13/08 C12R 1:66) (72)発明者 児玉 俊明 埼玉県和光市本町31番2−1316号 (56)参考文献 特開 平2−72852(JP,A) 特開 昭63−56501(JP,A) 特開 平1−247084(JP,A) 特公 昭59−20359(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 1/00 - 41/00 C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合度が20以上のε−ポリリジンを
    アスペルギルス属菌の産出する中性プロテアーゼで加水
    分解することにより重合度が2〜19のε−ポリリジン
    を製造する方法。
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