JPH0899895A - 担子菌類から得られるアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物 - Google Patents
担子菌類から得られるアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物Info
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- JPH0899895A JPH0899895A JP6237022A JP23702294A JPH0899895A JP H0899895 A JPH0899895 A JP H0899895A JP 6237022 A JP6237022 A JP 6237022A JP 23702294 A JP23702294 A JP 23702294A JP H0899895 A JPH0899895 A JP H0899895A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】食用担子菌から安全性の高い血圧降下剤または
血圧降下食品として有用なＡＣＥ阻害剤含有物を提供す
る。 【構成】ブナシメジおよびエノキタケの子実体もしくは
菌糸体から得られる水性溶媒に可溶なアンジオテンシン
変換酵素阻害剤含有物。
血圧降下食品として有用なＡＣＥ阻害剤含有物を提供す
る。 【構成】ブナシメジおよびエノキタケの子実体もしくは
菌糸体から得られる水性溶媒に可溶なアンジオテンシン
変換酵素阻害剤含有物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、食用担子菌類の子実体
または菌糸体から得られ、特に血圧降下剤または血圧降
下用食品として有用なアンジオテンシン変換酵素（以
下、ＡＣＥと略す）阻害剤含有物に関するものである。
または菌糸体から得られ、特に血圧降下剤または血圧降
下用食品として有用なアンジオテンシン変換酵素（以
下、ＡＣＥと略す）阻害剤含有物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、担子菌類の様々な生理活性（薬理
効果）が注目され、生体防御（免疫賦活）、生体恒常性
の維持、体調リズムの調節、疾病回復能、さらに癌、脳
卒中心臓病などの成人病に対する予防と改善効果が指摘
されている。その他、脱コレステロール、抗血栓、血圧
降下、血糖降下、老人性痴呆症改善など多岐にわたる有
効な成分が証明されつつあり、新しい医薬品の開発や機
能性食品の素材として注目されている。
効果）が注目され、生体防御（免疫賦活）、生体恒常性
の維持、体調リズムの調節、疾病回復能、さらに癌、脳
卒中心臓病などの成人病に対する予防と改善効果が指摘
されている。その他、脱コレステロール、抗血栓、血圧
降下、血糖降下、老人性痴呆症改善など多岐にわたる有
効な成分が証明されつつあり、新しい医薬品の開発や機
能性食品の素材として注目されている。
【０００３】このような各種生理活性の中でも、担子菌
の持つ血圧降下作用については研究報告の数は少なく、
これまでに、シイタケ( Lentinus edodes ）の抽出物か
ら得られた血圧降下作用を有する物質（特開昭58-26820
号）やヒラタケ（Pleurotusostreatus ）から得られた
血圧降下剤及び血圧降下作用を有する食品（特開平2-72
121 号）等の特許出願がある。また、マイタケ（Grifol
a frondosa）とマンネンタケ（Ganoderuma lucidum）に
ついてはＡＣＥ阻害活性および血圧降下作用が学会等で
報告されている。
の持つ血圧降下作用については研究報告の数は少なく、
これまでに、シイタケ( Lentinus edodes ）の抽出物か
ら得られた血圧降下作用を有する物質（特開昭58-26820
号）やヒラタケ（Pleurotusostreatus ）から得られた
血圧降下剤及び血圧降下作用を有する食品（特開平2-72
121 号）等の特許出願がある。また、マイタケ（Grifol
a frondosa）とマンネンタケ（Ganoderuma lucidum）に
ついてはＡＣＥ阻害活性および血圧降下作用が学会等で
報告されている。
【０００４】ヒトの血圧調節機構の中心的役割を担って
いるレニン−アンジオテンシン系の概略を以下に示す。
肝臓から血管内に分泌された１７個のペプチドであるア
ンジオテンシノーゲンは腎臓から同様に分泌されるレニ
ンによってＮ末端から１０番目のＬｅｕと１１番目のＶ
ａｌの間を切断されアンジオテンシンＩに変換される。
さらに、アンジオテンシンＩは肺から分泌されるＡＣＥ
により１回の肺循環の間にアンジオテンシンIIに変換さ
れる。アンジオテンシンIIは８個のアミノ酸から構成さ
れる活性ペプチドで、１０個のアミノ酸からなるアンジ
オテンシンＩのＣ末端側のＰｈｅとＨｉｓ−Ｌｅｕの間
のペプチド結合がＡＣＥによって切断されることにより
生成する。
いるレニン−アンジオテンシン系の概略を以下に示す。
肝臓から血管内に分泌された１７個のペプチドであるア
ンジオテンシノーゲンは腎臓から同様に分泌されるレニ
ンによってＮ末端から１０番目のＬｅｕと１１番目のＶ
ａｌの間を切断されアンジオテンシンＩに変換される。
さらに、アンジオテンシンＩは肺から分泌されるＡＣＥ
により１回の肺循環の間にアンジオテンシンIIに変換さ
れる。アンジオテンシンIIは８個のアミノ酸から構成さ
れる活性ペプチドで、１０個のアミノ酸からなるアンジ
オテンシンＩのＣ末端側のＰｈｅとＨｉｓ−Ｌｅｕの間
のペプチド結合がＡＣＥによって切断されることにより
生成する。
【０００５】アンジオテンシンIIはアルドステロン（副
腎皮質ホルモン）を介するか、あるいは直接的に末梢血
管を収縮させることにより血圧を上昇させる。また、Ａ
ＣＥは血圧降下作用の活性ペプチドであるブラジキニン
を分解することによっても血圧上昇をもたらす。血圧の
著しい上昇およびそのことによるＮａと水の蓄積は、腎
臓のセンサーによって感知されレニンの分泌が抑制され
る。さらに、アンジオテンシンII自体も腎臓に対して同
様に作用するというようなフィードバック機構により、
正常なヒトの血圧は一定に保たれている。
腎皮質ホルモン）を介するか、あるいは直接的に末梢血
管を収縮させることにより血圧を上昇させる。また、Ａ
ＣＥは血圧降下作用の活性ペプチドであるブラジキニン
を分解することによっても血圧上昇をもたらす。血圧の
著しい上昇およびそのことによるＮａと水の蓄積は、腎
臓のセンサーによって感知されレニンの分泌が抑制され
る。さらに、アンジオテンシンII自体も腎臓に対して同
様に作用するというようなフィードバック機構により、
正常なヒトの血圧は一定に保たれている。
【０００６】従来より、ＡＣＥ阻害剤は血圧降下剤とし
て臨床的に広く使用されている。生理的には、上記のレ
ニン−アンジオテンシン系による血圧調節機構において
中心的役割を担うＡＣＥの活性を阻害することによっ
て、不活性型のアンジオテンシンＩから血圧上昇作用の
ある活性型のアンジオテンシンIIへの変換を阻害するこ
とにより血圧降下をもたらす。また、ＡＣＥ阻害剤は、
血圧降下作用のある活性ペプチド・ブラジキニンのＡＣ
Ｅによる分解（不活性化）をも阻害することによっても
血圧降下をもたらす。
て臨床的に広く使用されている。生理的には、上記のレ
ニン−アンジオテンシン系による血圧調節機構において
中心的役割を担うＡＣＥの活性を阻害することによっ
て、不活性型のアンジオテンシンＩから血圧上昇作用の
ある活性型のアンジオテンシンIIへの変換を阻害するこ
とにより血圧降下をもたらす。また、ＡＣＥ阻害剤は、
血圧降下作用のある活性ペプチド・ブラジキニンのＡＣ
Ｅによる分解（不活性化）をも阻害することによっても
血圧降下をもたらす。
【０００７】最近では、プロリン誘導体であるカプトプ
リル（商品名：以下同じ）が合成され、降圧活性が確認
されて以来、カプトプリルの構造研究に基づく種々のＡ
ＣＥ阻害物質の合成研究が行われており、マレイン酸エ
ナラプリルやアラセプリル等の化学物質が臨床の場に供
されている。現在、ＡＣＥ阻害薬は本態性高血症、症候
性高血圧症を問わず、また、軽症から重症に至るまで幅
広く用いられ、高血圧症の第１次選択の治療薬に加えら
れており、多くの優れた点が挙げられている。
リル（商品名：以下同じ）が合成され、降圧活性が確認
されて以来、カプトプリルの構造研究に基づく種々のＡ
ＣＥ阻害物質の合成研究が行われており、マレイン酸エ
ナラプリルやアラセプリル等の化学物質が臨床の場に供
されている。現在、ＡＣＥ阻害薬は本態性高血症、症候
性高血圧症を問わず、また、軽症から重症に至るまで幅
広く用いられ、高血圧症の第１次選択の治療薬に加えら
れており、多くの優れた点が挙げられている。
【０００８】ＡＣＥ阻害物質としては、合成品の他に、
安全性をより考慮した高血圧治療薬や高血圧予防用の特
定保健用食品の原料取得を目的として、天然物からの新
規物質の同定等が試みられている。天然物由来のＡＣＥ
阻害物質は、食品あるいは食品材料から得られるので低
毒性で安全性の高い降圧剤となることが期待される。天
然物および天然物を酵素処理して得られたＡＣＥ阻害物
質は、放線菌の代謝産物ＩＳ８３（特開昭58ー177920
号）等および牛乳カゼイン由来（特開昭61ー36226号、同
61ー36227号、特開平4ー154797号）、卵白由来（特開平3ー
280835号、同4ー152892号、同5ー331190号）、トウモロコ
シ由来（特開平4ー164094号）、米由来（特開平5ー070355
号）、魚肉由来（特開平5ー112465号、同5ー244979号、同
5ー271297号、同5ー331991号、同5ー331192号）、と畜血液
由来（特開平5ー238946号）、酒粕由来（特開平5ー294844
号）、大豆蛋白質由来（特開平5ー339166号）等のペプチ
ドが知られている。
安全性をより考慮した高血圧治療薬や高血圧予防用の特
定保健用食品の原料取得を目的として、天然物からの新
規物質の同定等が試みられている。天然物由来のＡＣＥ
阻害物質は、食品あるいは食品材料から得られるので低
毒性で安全性の高い降圧剤となることが期待される。天
然物および天然物を酵素処理して得られたＡＣＥ阻害物
質は、放線菌の代謝産物ＩＳ８３（特開昭58ー177920
号）等および牛乳カゼイン由来（特開昭61ー36226号、同
61ー36227号、特開平4ー154797号）、卵白由来（特開平3ー
280835号、同4ー152892号、同5ー331190号）、トウモロコ
シ由来（特開平4ー164094号）、米由来（特開平5ー070355
号）、魚肉由来（特開平5ー112465号、同5ー244979号、同
5ー271297号、同5ー331991号、同5ー331192号）、と畜血液
由来（特開平5ー238946号）、酒粕由来（特開平5ー294844
号）、大豆蛋白質由来（特開平5ー339166号）等のペプチ
ドが知られている。
【０００９】わが国のキノコ栽培産業においては、冬期
の需要は見込めるが夏期の需要低下による価格低下が著
しいのが現状であり、夏期におけるキノコの需要創出が
業界の課題となっている。また、現在、高血圧症は、我
が国の高年齢層疾病の１／３を占めており、脳出血、脳
血栓症、高血圧脳症、腎臓障害等の原因ともなるもの
で、今後我が国が高齢化社会を迎えるにあたり、その予
防および治療は重大な課題とされている。
の需要は見込めるが夏期の需要低下による価格低下が著
しいのが現状であり、夏期におけるキノコの需要創出が
業界の課題となっている。また、現在、高血圧症は、我
が国の高年齢層疾病の１／３を占めており、脳出血、脳
血栓症、高血圧脳症、腎臓障害等の原因ともなるもの
で、今後我が国が高齢化社会を迎えるにあたり、その予
防および治療は重大な課題とされている。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、夏期のキノコを有効利用
し、副作用のない、よりよい高血圧治療薬や発症予防の
為の予防薬、高血圧症に効果のある機能性食品等に使用
可能な安価で極めて安全性の高い新規なＡＣＥ阻害物質
を提供するものである。
鑑みてなされたものであり、夏期のキノコを有効利用
し、副作用のない、よりよい高血圧治療薬や発症予防の
為の予防薬、高血圧症に効果のある機能性食品等に使用
可能な安価で極めて安全性の高い新規なＡＣＥ阻害物質
を提供するものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブナシメジ、
およびエノキタケの子実体または菌糸体から得られるア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物である。
およびエノキタケの子実体または菌糸体から得られるア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物である。
【００１２】
【作用】本発明者等は、かかる問題を解決するべく担子
菌類由来で副作用の少ないＡＣＥ阻害物質を鋭意検索し
た結果、食用担子菌のうち、ブナシメジ、エノキタケの
子実体または菌糸体からＡＣＥ阻害剤含有物が得られる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
菌類由来で副作用の少ないＡＣＥ阻害物質を鋭意検索し
た結果、食用担子菌のうち、ブナシメジ、エノキタケの
子実体または菌糸体からＡＣＥ阻害剤含有物が得られる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【００１３】而して、本発明において用いた担子菌類と
しては、ブナシメジ、およびエノキタケの子実体または
菌糸体である。ブナシメジ（学名：Lyophyllum ulmariu
m ）、エノキタケ（学名：Flammulina velutipes）は、
いずれも食用キノコであり、菌床栽培等による人工栽培
が行われている。しかしながら、上記したように夏期の
需要の落込みはいずれの食用キノコにおいても大きく、
夏期の需要確保は生産現場の大きな課題となっている。
本発明においては、特に夏期における食用キノコの有効
利用ができる為、産業上その意義は極めて大きいものと
いえる。また、食品生産過程における廃物でなく食用キ
ノコを使用するために、極めて高い安全性が期待され
る。以下、本発明について詳述する。
しては、ブナシメジ、およびエノキタケの子実体または
菌糸体である。ブナシメジ（学名：Lyophyllum ulmariu
m ）、エノキタケ（学名：Flammulina velutipes）は、
いずれも食用キノコであり、菌床栽培等による人工栽培
が行われている。しかしながら、上記したように夏期の
需要の落込みはいずれの食用キノコにおいても大きく、
夏期の需要確保は生産現場の大きな課題となっている。
本発明においては、特に夏期における食用キノコの有効
利用ができる為、産業上その意義は極めて大きいものと
いえる。また、食品生産過程における廃物でなく食用キ
ノコを使用するために、極めて高い安全性が期待され
る。以下、本発明について詳述する。
【００１４】本発明のＡＣＥ阻害剤含有物を実際に利用
するにあたっては、担子菌類の子実体もしくは菌糸体を
そのまま食用として用い、ＡＣＥ阻害剤含有物として利
用することもできる。ただし、水溶性溶媒中での１０分
〜１２時間程度の抽出処理、強力な撹拌でのホモジナイ
ズ、遠心分離による残渣の除去を実施した後の水溶性蛋
白質を主体とする抽出液をＡＣＥ阻害剤含有物として利
用することもできる。水溶性溶媒とは水を主体とした溶
媒で、水単独または水と混和もしくは溶解しうるアルコ
ール類やアセトン、酢酸エチルなどを含有する溶媒であ
ってもよい。抽出温度は用いる溶媒により異なるが、一
般的な水または水−エタノール混液の場合、０〜１００
℃の範囲で使用可能である。かかる抽出液は、凍結乾燥
・噴霧乾燥させる方法や６５〜８０％のアセトン沈殿に
付し、沈殿した高分子蛋白質を遠心分離により除去した
後、エバポレーターにより濃縮することができる。
するにあたっては、担子菌類の子実体もしくは菌糸体を
そのまま食用として用い、ＡＣＥ阻害剤含有物として利
用することもできる。ただし、水溶性溶媒中での１０分
〜１２時間程度の抽出処理、強力な撹拌でのホモジナイ
ズ、遠心分離による残渣の除去を実施した後の水溶性蛋
白質を主体とする抽出液をＡＣＥ阻害剤含有物として利
用することもできる。水溶性溶媒とは水を主体とした溶
媒で、水単独または水と混和もしくは溶解しうるアルコ
ール類やアセトン、酢酸エチルなどを含有する溶媒であ
ってもよい。抽出温度は用いる溶媒により異なるが、一
般的な水または水−エタノール混液の場合、０〜１００
℃の範囲で使用可能である。かかる抽出液は、凍結乾燥
・噴霧乾燥させる方法や６５〜８０％のアセトン沈殿に
付し、沈殿した高分子蛋白質を遠心分離により除去した
後、エバポレーターにより濃縮することができる。
【００１５】かくして得られたＡＣＥ阻害剤含有物はそ
のまま使用しても良く、また後処理加工してもよい。あ
るいは必要に応じて、活性画分を分離精製して使用され
る。本発明のＡＣＥ阻害剤含有物は、ＡＣＥ阻害剤、例
えば高血圧性疾病の予防、治療を目的とした医薬として
の血圧降下剤、輸液、ないし健康増進、維持を目的とし
た健康食品、臨床栄養食品または特定保健用食品として
巾広く使用することができる。
のまま使用しても良く、また後処理加工してもよい。あ
るいは必要に応じて、活性画分を分離精製して使用され
る。本発明のＡＣＥ阻害剤含有物は、ＡＣＥ阻害剤、例
えば高血圧性疾病の予防、治療を目的とした医薬として
の血圧降下剤、輸液、ないし健康増進、維持を目的とし
た健康食品、臨床栄養食品または特定保健用食品として
巾広く使用することができる。
【００１６】医薬として使用する場合には、経口または
非経口投与することができる。経口投与の場合には、例
えば常法に従い、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、
散在とすることができ、また、非経口投与の場合には、
例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用すること
ができる。また、食品として使用する場合にはペプチド
をそのまま添加したり、他の食品ないしは食品成分と併
用したりして適宜常法に従って使用できる。いづれにし
ても、その形状・混合物の組成等についてはＡＣＥ阻害
活性を損なわない限り、何の限定もされない。
非経口投与することができる。経口投与の場合には、例
えば常法に従い、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、
散在とすることができ、また、非経口投与の場合には、
例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用すること
ができる。また、食品として使用する場合にはペプチド
をそのまま添加したり、他の食品ないしは食品成分と併
用したりして適宜常法に従って使用できる。いづれにし
ても、その形状・混合物の組成等についてはＡＣＥ阻害
活性を損なわない限り、何の限定もされない。
【００１７】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。 実施例１〜２ 新鮮な食用担子菌（ブナシメジ、エノキタケ）の各子実
体８０ｇに蒸留水（４℃、２５０ｍｌ）を加え、フード
カッターで５分間破砕した後、振盪器で低温下（４
℃）、２０時間、振盪し、水抽出液を得た。次に、この
水抽出液をガーゼによる濾過、遠心処理（１２０００ｒ
ｐｍ、１０分間）、吸引濾過（ADVANTEC：5C）の順に供
し、濾液を得た。
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。 実施例１〜２ 新鮮な食用担子菌（ブナシメジ、エノキタケ）の各子実
体８０ｇに蒸留水（４℃、２５０ｍｌ）を加え、フード
カッターで５分間破砕した後、振盪器で低温下（４
℃）、２０時間、振盪し、水抽出液を得た。次に、この
水抽出液をガーゼによる濾過、遠心処理（１２０００ｒ
ｐｍ、１０分間）、吸引濾過（ADVANTEC：5C）の順に供
し、濾液を得た。
【００１８】各濾液を遠心処理（１２０００ｒｐｍ、５
分間）と簡易ろ過（０．２２μミリポアフィルター）し
た後、蒸留水で１／２まで希釈して測定サンプルとし
た。測定サンプルを山本らによるＣｕｓｈｍａｎ法の改
良法に準じたＡＣＥ阻害活性測定系に供し、ＡＣＥ阻害
活性を算出した。ＡＣＥ阻害活性測定系の概要は以下の
通りである。
分間）と簡易ろ過（０．２２μミリポアフィルター）し
た後、蒸留水で１／２まで希釈して測定サンプルとし
た。測定サンプルを山本らによるＣｕｓｈｍａｎ法の改
良法に準じたＡＣＥ阻害活性測定系に供し、ＡＣＥ阻害
活性を算出した。ＡＣＥ阻害活性測定系の概要は以下の
通りである。
【００１９】先ず、３７℃、３０分の反応により硼酸バ
ッファー（４．５量 Ｍ／２０ Ｎａ2 Ｂ4 Ｏ7 ＋
５．５量 Ｍ／５ Ｈ3 ＢＯ3 ）に溶解したＡＣＥ（１
００ｍＵ／ｍｌ）によって基質であるヒプリルヒスチジ
ルロイシンのヒプリル酸とヒスチジルロイシンの間が切
断され、分光光学的定量が可能なヒプリル酸が生ずる。
反応停止後、遊離したヒプリル酸を酢酸エチルにより抽
出、蒸発乾固する。次に、蒸留水に溶解したヒプリル酸
の吸収波長である２２８ｎｍの吸光度を測定する。ＡＣ
Ｅ阻害活性（％）は、測定サンプルによる測定値を
（Ｓ）、測定サンプルの代わりに蒸留水を用いた場合を
（Ｃ）、蒸留水および測定サンプルにあらかじめ反応停
止液（１Ｎ ＨＣｌ）を加えて反応させた場合を、それ
ぞれ（ＢＣ）、（Ｂ）として次式から算出した。
ッファー（４．５量 Ｍ／２０ Ｎａ2 Ｂ4 Ｏ7 ＋
５．５量 Ｍ／５ Ｈ3 ＢＯ3 ）に溶解したＡＣＥ（１
００ｍＵ／ｍｌ）によって基質であるヒプリルヒスチジ
ルロイシンのヒプリル酸とヒスチジルロイシンの間が切
断され、分光光学的定量が可能なヒプリル酸が生ずる。
反応停止後、遊離したヒプリル酸を酢酸エチルにより抽
出、蒸発乾固する。次に、蒸留水に溶解したヒプリル酸
の吸収波長である２２８ｎｍの吸光度を測定する。ＡＣ
Ｅ阻害活性（％）は、測定サンプルによる測定値を
（Ｓ）、測定サンプルの代わりに蒸留水を用いた場合を
（Ｃ）、蒸留水および測定サンプルにあらかじめ反応停
止液（１Ｎ ＨＣｌ）を加えて反応させた場合を、それ
ぞれ（ＢＣ）、（Ｂ）として次式から算出した。
【００２０】｛［（Ｃ−ＢＣ）−（Ｓ−Ｂ）］／（Ｃ−
ＢＣ）｝×１００ ％
ＢＣ）｝×１００ ％
【００２１】各担子菌の水抽出液のＡＣＥ阻害活性を表
１に示した。ブナシメジ、およびエノキタケの抽出液に
はＡＣＥ阻害活性が認められた。なお、対照として用い
た牛血清アルブミン（０．２〜０．８ｍｇ蛋白質／ｍ
ｌ）のＡＣＥ阻害活性は、０％であった。
１に示した。ブナシメジ、およびエノキタケの抽出液に
はＡＣＥ阻害活性が認められた。なお、対照として用い
た牛血清アルブミン（０．２〜０．８ｍｇ蛋白質／ｍ
ｌ）のＡＣＥ阻害活性は、０％であった。
【００２２】
【表１】
【００２３】実施例３〜４ 食用担子菌（ブナシメジ、エノキタケ）の各菌糸をＳＭ
Ｙ固形培地（ショ糖１％、モルトエキス１％、イースト
エキス０．４％、寒天１．５％）にて２週間、２６℃で
静置培養した。次に、得られたコロニー周辺部の約５ｍ
ｍ角の菌糸を滅菌したメスで切り出した後、ＳＭＹ液体
培地（ショ糖１％、モルトエキス１％、イーストエキス
０．４％）１８０ｍｌにて１週間、２６℃で撹拌培養
し、１０〜１４ｇ（湿重）の培養菌糸を得た。各培養菌
糸を遠心処理により蒸留水にて十分洗浄した後、３１〜
４４ｍｌの蒸留水を加え、実施例１〜２と同様に抽出お
よびＡＣＥ阻害活性測定を行った。各担子菌の培養菌糸
の水抽出液のＡＣＥ阻害活性を表２に示した。ブナシメ
ジ、およびエノキタケの培養菌糸の抽出液にはＡＣＥ阻
害活性が認められた。
Ｙ固形培地（ショ糖１％、モルトエキス１％、イースト
エキス０．４％、寒天１．５％）にて２週間、２６℃で
静置培養した。次に、得られたコロニー周辺部の約５ｍ
ｍ角の菌糸を滅菌したメスで切り出した後、ＳＭＹ液体
培地（ショ糖１％、モルトエキス１％、イーストエキス
０．４％）１８０ｍｌにて１週間、２６℃で撹拌培養
し、１０〜１４ｇ（湿重）の培養菌糸を得た。各培養菌
糸を遠心処理により蒸留水にて十分洗浄した後、３１〜
４４ｍｌの蒸留水を加え、実施例１〜２と同様に抽出お
よびＡＣＥ阻害活性測定を行った。各担子菌の培養菌糸
の水抽出液のＡＣＥ阻害活性を表２に示した。ブナシメ
ジ、およびエノキタケの培養菌糸の抽出液にはＡＣＥ阻
害活性が認められた。
【００２４】
【表２】
【００２５】
【発明の効果】表１および表２の結果から明らかなよう
に、ブナシメジおよびエノキタケ（食用担子菌）の子実
体および菌糸体からは血圧降下剤または血圧降下食品と
して有用である水性溶媒に可溶なＡＣＥ阻害剤含有物が
得られた。
に、ブナシメジおよびエノキタケ（食用担子菌）の子実
体および菌糸体からは血圧降下剤または血圧降下食品と
して有用である水性溶媒に可溶なＡＣＥ阻害剤含有物が
得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幡谷 智恵子 兵庫県尼崎市常光寺４丁目３番１号 新王 子製紙株式会社神崎工場内
Claims (2)
- 【請求項１】ブナシメジの子実体または菌糸体から得ら
れる水性溶媒に可溶なアンジオテンシン変換酵素阻害剤
含有物。 - 【請求項２】エノキタケの子実体または菌糸体から得ら
れる水性溶媒に可溶なアンジオテンシン変換酵素阻害剤
含有物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6237022A JPH0899895A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 担子菌類から得られるアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6237022A JPH0899895A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 担子菌類から得られるアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0899895A true JPH0899895A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17009236
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6237022A Pending JPH0899895A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 担子菌類から得られるアンジオテンシン変換酵素阻害剤含有物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0899895A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005225803A (ja) * | 2004-02-12 | 2005-08-25 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 新規な血圧降下剤および食品 |
| JP2006257007A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Nagase & Co Ltd | アンギオテンシン変換酵素阻害剤 |
| JP2007014286A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Nof Corp | タンパク質分解酵素及びこれを含む食肉改質剤 |
| WO2007041327A1 (en) * | 2005-10-01 | 2007-04-12 | Elc Management Llc | Compositions comprising hypsizygus ulmarius extract |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP6237022A patent/JPH0899895A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005225803A (ja) * | 2004-02-12 | 2005-08-25 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 新規な血圧降下剤および食品 |
| JP2006257007A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Nagase & Co Ltd | アンギオテンシン変換酵素阻害剤 |
| JP2007014286A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Nof Corp | タンパク質分解酵素及びこれを含む食肉改質剤 |
| WO2007041327A1 (en) * | 2005-10-01 | 2007-04-12 | Elc Management Llc | Compositions comprising hypsizygus ulmarius extract |
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