JPH0723716Y2 - テストエンジン搬送用パレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エンジンテスト装置にテストエンジンを搬入
するために使用されるテストエンジン搬送用パレットに
関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種のパレットは、テストエンジンを固定状態で支持
するエンジン支持台と、当該エンジン支持台を着脱自在
に支持するパレット本体との組合せから成るものである
が、搬送時やテスト時にエンジンが前記パレット本体に
対して揺れ動くことを防止するために、前記エンジン支
持台をパレット本体の定位置に固定しなければならな
い。

従来は、前記エンジン支持台をボルト等の固定具により
パレット本体に固定するようにしていたので、パレット
本体に対するエンジン支持台の固定操作及び固定解除操
作に手間がかかる欠点があった。

一方、パレット本体上にエンジン支持台を介して移載さ
れるエンジンは、エンジンテスト前のエンジン組立工程
における部品取付け作業などの関係で、その底部がエン
ジン支持台上に据付けられるように安定的にエンジン支
持台に支持されるのではなく、エンジン支持台から突設
されたエンジン支持アームにエンジンの横側部が片持ち
状に支持されるのが普通である。このような状況では、
例えエンジン支持台がパレット本体上に正確に位置決め
されて強固に固定されたとしても、エンジンがパレット
本体に直接位置決め支持されていないので、エンジンの
テスト運転時の振動などで片持ち状に支持されているエ
ンジンが揺れ動くことになり、エンジンテストに悪影響
が生じたり、エンジン支持アームの破損というような重
大な事故につながる恐れがある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決するために、
テストエンジンを固定状態で支持するエンジン支持台
と、当該エンジン支持台を着脱自在に支持するパレット
本体との組合せから成り、前記パレット本体には、前記
エンジン支持台を受ける受け台と、エンジンを直接位置
決めして支持するエンジン支持用アタッチメントを設け
ると共に、前記エンジン支持台を下向きに押圧する押圧
用開閉アームと、この押圧用開閉アームを開閉する開閉
手段とを設けて成るテストエンジン搬送用パレットを提
案するものである。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

第１図〜第３図に於いて、１は本考案によるテストエン
ジン搬送用パレットであり、２は当該パレット１によっ
て搬入されるエンジン３のテスト装置である。

前記パレット１は、エンジン支持台４とパレット本体５
との組合せから成り、エンジン支持台４上には、エンジ
ン３の側部にボルト止めされることにより当該エンジン
３を片持ち状に支持するエンジン支持アーム６が突設さ
れ、パレット本体５上には、前記エンジン支持台４の四
隅を各別に受ける４つの受け台７と、エンジン３の底部
周辺複数箇所を直接支持する複数のエンジン支持用アタ
ッチメント８とが突設されている。尚、このエンジン支
持用アタッチメント８の内の少なくとも複数のアタッチ
メント８の上端には、エンジン３側の位置決め用孔に嵌
合する位置決め用ピン8aが設けられている。又、前記エ
ンジン支持用アタッチメント８の内の一つは、エンジン
支持台４に設けられた中央開口部９を貫通する位置に配
設されている。

10は前記エンジン支持台４を下向きに押圧する押圧用開
閉アームであって、前記パレット本体５上に設けられ、
開閉手段11により開閉操作される。第４図及び第５図に
示すように、前記押圧用開閉アーム10は、エンジン支持
台４の中央開口部９の真下でパレット本体５上に固設さ
れた軸受部材12に水平支軸13により中間部が軸支され、
上端押圧部10aが前記中央開口部９を通じて当該中央開
口部９の前辺部9aを下向きに押圧する閉じ姿勢Ａ（第５
図の実線状態）と、前記上端押圧部10aが中央開口部９
の領域内で起立する開き姿勢Ｂとの間で揺動可能であ
る。

前記開閉手段11は、前記押圧用開閉アーム10の二股状下
端部10bに、前記水平支軸13と平行な軸心の回りで回転
可能に支承された可動体14と、前記水平支軸13とは直交
する方向で前記可動体14を螺合貫通する螺軸15と、前記
パレット本体５の後側外周部上に固設された軸受部材16
と、この軸受部材16に前記水平支軸13と平行な軸心の周
りで回転可能に支承され且つ前記螺軸15が回転可能に貫
通する可動軸受17と、この可動軸受17の前後で前記螺軸
15に固定されたストッパー18,19と、後側のストッパー1
9をボルト頭部形状とすることにより構成された回転操
作部19aとから構成されている。尚、20は可動体14の前
進限となるように螺軸15の前端側に取付けたストッパー
である。

上記のように構成されたテストエンジン搬送用パレット
１によれば、開閉手段11の回転操作部19aにより螺軸15
を逆回転させ、可動体14を介して押圧用開閉アーム10を
水平支軸13の周りに逆回転させて、第５図に仮想線で示
す開き姿勢Ｂに切り換えておくことにより、エンジン支
持アーム６を介してテストエンジン３を片持ち状に固定
支持したエンジン支持台４をパレット本体５の受け台７
上に、各エンジン支持用アタッチメント８によってエン
ジン３が所定位置に位置決めされるように載置すること
が出来る。

次に前記開閉手段11の回転操作部19aにより螺軸15を正
回転させ、可動体14を介して押圧用開閉アーム10を水平
支軸13の周りに正回転させ、前記開き姿勢Ｂから第５図
に実線で示す閉じ姿勢Ａに向かって回転させる。この結
果、押圧用開閉アーム10の上端押圧部10aがエンジン支
持台４の中央開口部９に於ける前辺部9aを下向きに押圧
することになり、当該エンジン支持台４がパレット本体
５側の各受け台７上に押しつけられ、固定される。

上記のようにエンジン支持台４をパレット本体５上に搭
載固定したならば、第１図及び第３図に示すようにパレ
ット本体５の前端部上に取付けられているジャンクショ
ン21とエンジン３の各部とを接続した後、パレット１
を、第１図に仮想線で示すコンベヤ22によりテスト装置
２の昇降コンベヤ23上に所定位置まで搬入し、当該昇降
コンベヤ23の下降により複数の固定受け台24上に降下載
置させる。この固定受け台24には、パレット本体５に設
けられた位置決め用孔に嵌合するピン24aを有するもの
があり、パレット１（パレット本体５）が自動的に位置
決めされる。

上記の如くパレット１を介してテスト装置２に対しエン
ジン３を位置決めしたならば、テスト装置２側の可動ジ
ャンクション25をパレット側ジャンクション21に接続す
ると共に、当該可動ジャンクション25と一体に運動する
排気管26をエンジン３の排気管3aに接続し、始動手段27
の駆動軸27aをエンジン３のクランク軸3bに連結してエ
ンジン３を始動させ、各種のエンジンテストを行うこと
が出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように実施し使用することが出来る本考案のテス
トエンジン搬送用パレットによれば、テストエンジンを
固定状態で支持するエンジン支持台をパレット本体の受
け台上に載置し、同時にエンジンを、パレット本体側の
エンジン支持用アタッチメントで直接位置決めして支持
させた状態で、前記パレット本体側の押圧用開閉アーム
を開閉手段で閉動させて、前記エンジン支持台を下向き
に押圧させることにより、前記エンジン支持台とパレッ
ト本体とを互いに強固に固定することが出来る。

即ち、パレット本体に対してエンジン支持台を強固に固
定するだけでなく、エンジン支持台上に支持されている
エンジンそのものをパレット本体にエンジン支持用アタ
ッチメントを介して直接位置決めして支持させるのであ
るから、実施例にも示したように、仮にエンジン支持台
に対してエンジンが片持ち状の、振動などに対して不安
定な状態で支持されていたとしても、テスト運転されて
いるエンジンの振動や、エンジンテスト設備に対するエ
ンジンの搬入搬出時などの振動で、エンジンがパレット
本体に対し揺れ動くようなことがなくなる。

従って、パレット本体の位置決めさえ精度良く行えば、
エンジンテストを安全且つ正確に行える。また、エンジ
ン支持台に設けられるエンジン支持アームなどのエンジ
ン支持手段にエンジンテスト時の振動などで過負荷が作
用することもなくなり、安全性も向上する。しかも、開
閉手段で押圧用開閉アームを開閉させるだけで良いの
で、エンジン支持台をパレット本体に固定したり、固定
を解除する作業が、極めて簡単容易且つ迅速に行える。

尚、実施例にも示したように、前記パレット本体側の受
け台は、エンジン支持台の四隅を受ける位置に配設し、
前記押圧用開閉アームは、前記エンジン支持台の中央開
口部を通じて当該中央開口部の周辺を押圧する位置に配
設し、前記開閉手段は、前記パレット本体の外周辺に位
置する回転操作部によって回転駆動される螺軸と、この
螺軸に螺嵌する可動体とを備え、当該可動体の移動に連
動して前記押圧用開閉アームが開閉運動するように構成
するときは、複数の押圧用開閉アームを使用しなくとも
エンジン支持台を安定的に押圧固定することが出来、し
かもエンジン支持台の下側に位置する押圧用開閉アーム
の開閉操作はパレット本体の外周位置から容易に行うこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態を示す側面図、第２図は同要部の正面
図、第３図はパレットの平面図、第４図は押圧用開閉ア
ームとその開閉手段を示す平面図、第５図は同縦断側面
図である。 上記の如くパレット１を介してテスト装置２に対しエン
ジン３を位置決めしたならば、テスト装置２側の可動ジ
ャンクション25をパレット側ジ受け台、８……エンジン
支持用アタッチメント、９……中央開口部、10……押圧
用開閉アーム、11……開閉手段、14……可動体、15……
螺軸、19a……回転操作部、18〜20……ストッパー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テストエンジンを固定状態で支持するエン
   ジン支持台と、当該エンジン支持台を着脱自在に支持す
   るパレット本体との組合せから成り、前記パレット本体
   には、前記エンジン支持台を受ける受け台と、エンジン
   を直接位置決めして支持するエンジン支持用アタッチメ
   ントを設けると共に、前記エンジン支持台を下向きに押
   圧する押圧用開閉アームと、この押圧用開閉アームを開
   閉する開閉手段とを設けて成るテストエンジン搬送用パ
   レット。
2. 【請求項２】前記受け台は、エンジン支持台の四隅を受
   ける位置に配設し、前記押圧用開閉アームは、前記エン
   ジン支持台の中央開口部を通じて当該中央開口部の周辺
   を押圧する位置に配設し、前記開閉手段は、前記パレッ
   ト本体の外周辺に位置する回転操作部によって回転駆動
   される螺軸と、この螺軸に螺嵌する可動体とを備え、当
   該可動体の移動に連動して前記押圧用開閉アームが開閉
   運動するように構成して成る実用新案登録請求の範囲第
   項に記載のテストエンジン搬送用パレット。