JPH07236690A - 線溶活性物質の固定化方法 - Google Patents

線溶活性物質の固定化方法

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JPH07236690A
JPH07236690A JP6053304A JP5330494A JPH07236690A JP H07236690 A JPH07236690 A JP H07236690A JP 6053304 A JP6053304 A JP 6053304A JP 5330494 A JP5330494 A JP 5330494A JP H07236690 A JPH07236690 A JP H07236690A
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water
carboxyl group
condensing agent
treated
amino group
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JP6053304A
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Yasuki Yabushita
安紀 薮下
Munehiro Takatsuka
旨寛 高塚
Yasuko Osugi
泰子 大杉
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面にアミノ基(又はカルボキシル基)を有
する材料を、カルボキシル基(又はアミノ基)を有する
水溶性高分子化合物及び縮合剤を含有する水系媒体で処
理し、次いで線溶活性物質及び縮合剤を含有する水系媒
体で処理する。 【効果】 線溶活性物質の固定化のための全反応を水系
媒体中で行うことができるので、材料の変形、寸法変化
を起こすことなく効率よく線溶活性物質を固定化するこ
とができる。また、有機溶媒を使用するよりも安価であ
り、固定化処理後の有機溶媒の廃液処理の問題もなくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、材料の変形、寸法変化
を起こすことなく、材料の表面に効率よく線溶活性物質
を固定化することができる線溶活性物質の固定化方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療材料の分野において、高分子
化合物が使われるようになったが、高分子化合物からな
る材料を人工血管、カテーテル、人工腎臓、人工心臓、
人工弁、人工肺等として直接血液と接する部位に使用し
た場合、血栓形成を引き起こすという問題があった。血
栓形成は多くの血液凝固酵素の関与する一連の複雑な反
応により、最終的にはフィブリノーゲンが不溶性のフィ
ブリンに変化することを意味している。従来の抗血栓性
材料の開発はこの血液凝固系に注目し、血液凝固系酵素
の阻害剤として働くヘパリンを材料表面に適用し、フィ
ブリノーゲンのフィブリンへの変化を阻害することにあ
った。しかし、この方法ではヘパリンが溶出するととも
に効果が失われていくという欠点があった。
【0003】そこで、いったん生成したフィブリンを溶
解するウロキナーゼ等の酵素、すなわち、線溶活性物質
を材料表面に固定化する方法が見出された。例えば、特
開昭51−81876号公報にはポリアミドの表面に縮
合剤を用いて線溶活性物質を結合させる方法が開示され
ている。この方法は、ポリアミドの末端のアミノ基又は
カルボキシル基と線溶活性物質のカルボキシル基又はア
ミノ基を結合させる方法であり、アルカリ処理によりポ
リアミドの主鎖を切断して末端基をある程度増加させる
ことによって、固定化量を増やすことが可能であるが、
長期にわたり抗血栓性を維持させるためにはその固定化
量では十分でなかった。そのため、特開昭52−906
88号公報には、線溶活性物質の固定化量を増やすため
に、材料をポリアミン、次いでポリカルボン酸無水物で
処理した後、線溶活性物質の溶液と接触させる方法が開
示されている。この方法によると、線溶活性物質と結合
可能な酸無水物基の数を大幅に増やすことができて、線
溶活性物質の固定化量の大幅な増加がみられた。このポ
リカルボン酸無水物基を応用した固定化技術は、ポリエ
ステル(特開昭52−010378号公報)、ポリウレ
タン(特開昭53−106778号公報)、ポリビニル
アルコール(特開昭53−129480号公報)等の材
料表面に線溶活性を付与する方法としてすでに開示され
ている。
【0004】しかしながら、このポリカルボン酸無水物
を用いて処理するには、ポリカルボン酸無水物を有機溶
媒に溶解しなくてはならない。これは、ポリカルボン酸
無水物は水中に溶解させると酸無水物基が加水分解して
ジカルボン酸となり、線溶活性物質溶液との処理におい
て反応不可能となるからである。ここで用いられる有機
溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等であり、
基材となる高分子物質が例えばポリメタクリル酸メチル
等のようにこれらの有機溶媒に可溶な場合、上記の処理
は行うことが不可能であるし、ポリアミド、ポリウレタ
ンのように不溶なものであっても有機溶媒によって膨潤
し、材料本体の変形、寸法変化を引き起こす問題を有し
ていた。また、従来、固定化反応を水系で行うことによ
る利点、例えば、有機溶媒の安全衛生上の問題、廃液処
理コスト等についてを開示しているものは皆無であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水系媒体中
で線溶活性物質を固定化することができて、上記のよう
な問題点を解決することができる線溶活性物質の固定化
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、材料としてア
ミノ基(又はカルボキシル基)を有する材料を、カルボ
キシル基(又はアミノ基)を有する水溶性高分子化合物
と縮合剤を含有する水系媒体中で処理し、さらに、線溶
活性物質及び縮合剤を含有する水系媒体で処理すると、
材料の表面に効率よく線溶活性物質を固定化することが
できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本
発明は、表面にアミノ基を有する材料を、カルボキシル
基を有する水溶性高分子化合物及び縮合剤を含有する水
系媒体で処理し、次いで、線溶活性物質及び縮合剤を含
有する水系媒体で処理することを特徴とする線溶活性物
質の固定化方法であり、また、表面にカルボキシル基を
有する材料を、アミノ基を有する水溶性高分子化合物及
び縮合剤を含有する水系媒体で処理し、次いで、線溶活
性物質及び縮合剤を含有する水系媒体で処理することを
特徴とする線溶活性物質の固定化方法を要旨とするもの
である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、アミノ基(又はカルボキシル基)を表面に有す
る材料としては、表面にアミノ基(又はカルボキシル
基)をわずかでも有する水不溶性の有機高分子化合物で
あればいかなるものでもよい。ここでアミノ基とは、窒
素原子に直接結合する水素原子を1個以上有する第一ア
ミン又は第二アミンを示す。アミノ基(又はカルボキシ
ル基)を表面に有する材料は、例えば高分子末端にカル
ボキシル基又はアミノ基を有するナイロン等のポリアミ
ド、高分子末端にカルボキシル基を有するポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル、高分子側鎖にカルボ
キシル基又はアミノ基を有するものとしてアクリル酸、
アリルアミン等を一成分として含む共重合体が挙げら
れ、また、高分子材料表面を加水分解することにより、
末端又は側鎖にカルボキシル基又はアミノ基を生成する
ことが可能なポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル等
が挙げられる。更に高分子中にカルボキシル基又はアミ
ノ基を含まなくてもグロー放電処理やコロナ放電処理の
ように有機溶媒を用いない手段により上記官能基を表面
に導入できるものであってもかまわない。
【0008】上記に示した高分子化合物は単体である必
要はなく、上記高分子化合物と他の高分子と混合したも
の、又は他の高分子や金属等の表面を上記した高分子化
合物でコーティングしたものであってもよい。アミノ基
又はカルボキシル基を有する水溶性高分子化合物として
は、アミノ基又はカルボキシル基を1分子中に少なくと
も3個以上含む水溶性の高分子化合物であればよいが、
1分子中に10個以上有することが望ましい。このよう
な高分子化合物として、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリエチレンイミン等の他に、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、4−アミノスチレン、アリルア
ミン、4−ビニル安息香酸等のアミノ基又はカルボキシ
ル基を有するモノマーとアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート等の親水性モノマーとの共重合体等、さらにアミノ
酸の1種であるグルタミン酸、アスパラギン酸、リシン
等の重合体が挙げられる。またこれらの水溶性高分子化
合物は、水に対する溶解性を増大させるために一部のア
ミノ基又はカルボキシル基が例えば塩酸塩、ナトリウム
塩等の塩化合物であってもよい。
【0009】本発明における線溶活性物質とは、フィブ
リンの溶解に関与する酵素であり、血栓中に含まれる不
溶性のフィブリンを溶解する作用を有する。例えば、プ
ラスミン、プリノラーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキ
ナーゼ、組織プラスミノーゲン・アクチベーター等が挙
げられる。
【0010】縮合剤は、材料表面のアミノ基(又はカル
ボキシル基)と水溶性高分子化合物のカルボキシル基
(又はアミノ基)とを、水溶性高分子化合物のカルボキ
シル基(又はアミノ基)と線溶活性物質のアミノ基(又
はカルボキシル基)とを脱水反応により結合させる機能
を有するものであり、例えば、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、1
−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノ−4−エチ
ル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホネー
ト、N−シクロヘキシル−5−フェニルイソオキサゾリ
ウム−3’−スルホネート、N,N' −ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド等が挙げられる。水不溶性の縮合剤の
場合は水系媒体中に分散して用いることも可能である
が、縮合剤は水溶性であるものが好ましい。
【0011】本発明においては、表面にアミノ基(又は
カルボキシル基)を有する材料を、カルボキシル基(又
はアミノ基)を有する水溶性高分子化合物及び縮合剤を
含有する水系媒体で処理し、次いで、線溶活性物質及び
縮合剤を含有する水系媒体で処理することによって固定
化するものである。
【0012】次に、固定化方法を詳細に説明する。ま
ず、カルボキシル基(又はアミノ基)を有する水溶性高
分子化合物を純水又はpH緩衝溶液に溶解し、その中に
縮合剤の水溶液を添加して水溶性高分子化合物のカルボ
キシル基(又はアミノ基)を活性化させた後、この溶液
で材料の処理を行い、材料表面のアミノ基(又はカルボ
キシル基)と水溶性高分子化合物のカルボキシル基(又
はアミノ基)とを脱水反応により結合させる。この溶液
の水溶性高分子化合物の濃度は10重量%以下が好まし
く、さらには0.01〜5重量%がより好ましい。ま
た、縮合剤の水溶液の濃度は10重量%以下が好まし
い。また、この反応は、任意の温度で行うことが可能で
あるが、50℃以下で行われるのが好ましく、0〜20
℃がより好ましい。水溶性高分子化合物水溶液を材料表
面に接触させた後は、必要に応じて純水、又は、希酸に
よる洗浄、乾燥を行うが、直接次の工程に進んでもかま
わない。
【0013】このようにして材料の表面を水溶性高分子
化合物及び縮合剤を含有する水系媒体で処理した後、線
溶活性物質及び縮合剤を含有する生理食塩水溶液等の水
系媒体で処理して、水溶性高分子化合物によって導入さ
れたカルボキシル基(又はアミノ基)と線溶活性物質の
アミノ基(又はカルボキシル基)とを結合させる。
【0014】線溶活性物質及び縮合剤を含有する水系媒
体は、必要に応じてpH又は塩濃度等を調節して用いら
れる。
【0015】この水系媒体で処理するための条件は、温
度を37℃以下に保つのが好ましく、0〜10℃に保つ
とより好ましい。また、必要に応じて、撹拌、振とう等
の手段を用いて表面を更新するのが好ましい。
【0016】本発明により表面に線溶活性が固定化され
た材料は、従来の方法によって得られるものよりもカル
ボキシル基又はアミノ基が多く高活性を示し、その効果
も長時間維持される。そして、血液がこれらの材料の表
面に接触した際、優れた抗血栓性を示すので、人工血
管、カテーテル、人工心臓、人工肺、人工腎臓等として
の医療材料として有効である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0018】実施例1 1cm角のナイロン6フィルムを2.5N塩酸に浸し、
30℃で30分間処理した。一方、ポリアクリル酸(和
光純薬社製)の水溶液を濃度0.2重量%、pH4.0
に調製し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC;同仁化学社
製)を濃度0.05重量%になるように加え、この溶液
に上記フィルムを24時間浸漬(5℃以下)した後、希
酸、および純水で洗浄し、乾燥して、ポリアクリル酸処
理フィルムを得、以下の処理を氷浴中で行った。1/1
0M−リン酸緩衝溶液(pH5.0)と生理食塩水との
等容量混合液にWSCを0.26mg/mlになるよう
に加え、この液にポリアクリル酸処理フィルムを浸し、
10分間撹拌した。次いで、ウロキナーゼ(ミドリ十字
社製)を最終濃度1500国際単位/mlになるように
添加し、5℃以下で48時間放置した。このように処理
したフィルムを純水で洗浄、乾燥させ、ウロキナーゼ固
定化ナイロンフィルムを得た。このフィルムのウロキナ
ーゼ活性を合成基質法(Morita et al, J. Biochem., 8
2, 1495 (1977))により測定したところ、9.7国際単
位/cm2 であった。
【0019】比較例1 比較のために上記実施例1においてポリアクリル酸処理
を行わず、他は実施例1と同様の条件でナイロン6フィ
ルムを処理し、ナイロン6フィルムの表面のアミノ基又
はカルボキシル基に直接ウロキナーゼを固定化したもの
を得た。このフィルムのウロキナーゼ活性は、0.3国
際単位/cm2 であった。
【0020】実施例2 外径1.6mm、内径1.0mm、長さ30cmのポリ
ウレタン製チューブを80℃の純水で6時間処理し、純
水で洗浄、乾燥した。次いで、ポリアクリル酸(和光純
薬社製)の水溶液を濃度0.2重量%、pH4.0に調
製し、WSCを濃度0.05重量%になるように加え、
この溶液に上記チューブを24時間浸漬し(5℃以
下)、希酸、および純水で洗浄し、乾燥してポリアクリ
ル酸処理チューブを得、以下の処理を氷浴中で行った。
1/10M−リン酸緩衝溶液(pH5.0)と生理食塩
水との等容量混合液にWSCを0.15mg/mlにな
るように加え、この液に前記のように処理を行ったチュ
ーブを浸し、10分間放置し、次いで、ウロキナーゼ
(ミドリ十字社製)を最終濃度1500国際単位/ml
になるように添加し、5℃以下で24時間放置した後、
純水で洗浄、乾燥し、ウロキナーゼ固定化チューブを得
た。このチューブのウロキナーゼ活性を実施例1と同様
の方法で測定したところ、3.2国際単位/cm2 であ
った。
【0021】実施例3 外径2.0mm、内径1.5mm、長さ50cmのポリ
ウレタン製チューブを80℃の純水で6時間処理し、純
水で洗浄、乾燥した。次いで、ポリアクリル酸(和光純
薬社製)の水溶液を濃度0.2重量%、pH4.0に調
製し、WSCを濃度0.05重量%になるように加え、
この溶液に上記チューブを30時間浸漬した(5℃以
下)後、希酸、および純水で洗浄し、乾燥して、ポリア
クリル酸処理チューブを得、以下の処理を氷浴中で行っ
た。1/10M−リン酸緩衝溶液(pH5.0)と生理
食塩水との等容量混合液にWSCを0.3mg/mlに
なるように加え、この液に前記処理を行ったチューブを
浸し、10分間放置した。次いで、組織プラスミノーゲ
ンアクチベーター(Genentech 社製)を最終濃度0.1
mg/mlになるように添加し、5℃以下で24時間放
置後、チューブを純水で洗浄、乾燥させ組織プラスミノ
ーゲンアクチベーター固定化チューブを得た。このチュ
ーブに固定化された組織プラスミノーゲンアクチベータ
ーのフィブリン溶解活性を金井等の方法(「臨床検査法
提要」改訂第27版,金原出版,VI−100)を参照
して測定した。すなわち、長さ2mmの試料片をフィブ
リン平板上にのせ、37℃で24時間インキュベートし
た後のフィブリン膜の溶解円の径を測定した。試料片を
中心に直径14.5mmのフィブリンが溶解した。
【0022】実施例4 1cm角のナイロン6フィルムを2.5N塩酸に浸し、
30℃で30分処理した。次いで、ポリエチレンイミン
(ナカライテスク社製)の水溶液を濃度1重量%、pH
8.0に調製し、WSCを濃度0.44重量%になるよ
うに加え、この溶液に上記フィルムを24時間浸漬(5
℃以下)した後、純水で洗浄し、乾燥してポリエチレン
イミン処理フィルムを得、以下の処理を氷浴中で行っ
た。1/10M−リン酸緩衝溶液(pH5.0)と生理
食塩水との等容量混合液にウロキナーゼ(ミドリ十字社
製)を濃度1500国最単位/mlになるように加え、
この液に前記ポリエチレンイミン処理を行ったフィルム
を浸し、WSCを0.26mg/mlになるように加え
て72時間放置した後、純水で洗浄、乾燥させ、ウロキ
ナーゼ固定化ナイロンフィルムを得た。このフィルムに
固定化されたウロキナーゼのフィブリン溶解活性を実施
例3と同様の方法で測定したところ、5mm角の試料片
を中心に直径10.6mmのフィブリンが溶解した。
【0023】実施例5 外径1.6mm、内径1.0mm、長さ50mmのポリ
ウレタン製チューブを80℃の純水で6時間処理し、純
水で洗浄、乾燥した。これとは別に、無水マレイン酸−
メチルビニルエーテル共重合体(五協産業社製,Gantre
z AN-119)1gを100mlの水に分散させ、40℃で
一昼夜撹拌し溶解させた。この溶液に水酸化ナトリウム
溶液を加えpH4.0に調製し、WSCを濃度0.05
重量%になるように加え、上記チューブを24時間浸漬
した(5℃以下)た後、希酸、および純水で洗浄し、乾
燥後、以下の処理を氷浴中で行った。1/10M−リン
酸緩衝溶液(pH5.0)と生理食塩水との等容量混合
液にWSCを0.15mg/mlになるように加え、こ
の液に前記処理を行ったチューブを浸し、10分間放置
し、次いで、組織プラスミノーゲンアクチベーター(Ge
nentech 社製)を最終濃度0.1mg/mlになるよう
に添加し、5℃以下で24時間放置した後、純水で洗
浄、乾燥し、組織プラスミノーゲンアクチベーター固定
化チューブを得た。このチューブに固定化された組織プ
ラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解活性を
実施例3と同様の方法で測定したところ、長さ2mmの
試料片を中心に直径13.3mmのフィブリンが溶解し
た。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、線溶活性物質の固定化
のための全反応を水系媒体中で行うことができるので、
材料の変形、寸法変化を起こすことなく効率よく線溶活
性物質を固定化することができる。また、有機溶媒を使
用するよりも安価であり、固定化処理後の有機溶媒の廃
液処理の問題もなくなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にアミノ基を有する材料を、カルボ
    キシル基を有する水溶性高分子化合物及び縮合剤を含有
    する水系媒体で処理し、次いで、線溶活性物質及び縮合
    剤を含有する水系媒体で処理することを特徴とする線溶
    活性物質の固定化方法。
  2. 【請求項2】 表面にカルボキシル基を有する材料を、
    アミノ基を有する水溶性高分子化合物及び縮合剤を含有
    する水系媒体で処理し、次いで、線溶活性物質及び縮合
    剤を含有する水系媒体で処理することを特徴とする線溶
    活性物質の固定化方法。
JP6053304A 1994-02-25 1994-02-25 線溶活性物質の固定化方法 Pending JPH07236690A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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