JPH07235709A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

磁気抵抗効果素子

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JPH07235709A
JPH07235709A JP6024622A JP2462294A JPH07235709A JP H07235709 A JPH07235709 A JP H07235709A JP 6024622 A JP6024622 A JP 6024622A JP 2462294 A JP2462294 A JP 2462294A JP H07235709 A JPH07235709 A JP H07235709A
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JP
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magnetic
magnetic layer
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magnetoresistive effect
layers
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Yoshinori Takahashi
義則 高橋
Koichiro Inomata
浩一郎 猪俣
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層数が小さくても大きな磁気抵抗効果があ
り、飽和磁界が小さく、ヒステリシスやバルクハウゼン
ノイズの小さい磁気抵抗効果素子を提供することを目的
とする。 【構成】 非磁性層4を介して磁性層3a、3b、3c
を積層することによって磁気抵抗効果を示す積層膜1を
備えた磁気抵抗効果素子において、磁性層3bが非磁性
層4を介して隣接する一方の磁性層3aまたは3cと強
磁性的結合を成し、非磁性層4を介して隣接する他方の
磁性層3aまたは3cと反強磁性的結合を成し、磁性層
3a、3cの磁化方向が膜面内に同一方向であることを
特徴とする磁気抵抗効果素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗効果素子に係
り、特に人工格子膜を用いた磁気抵抗効果素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果は磁界を加えることによっ
て電気抵抗が変化する効果であり、磁界センサ−や磁気
ヘッドに用いられる。強磁性体を用いた磁気抵抗効果素
子は温度安定性に優れ、かつ使用温度範囲が広いという
特徴を持つ。
【0003】磁気抵抗効果素子として従来パ−マロイ合
金薄膜が利用されている。しかしパ−マロイ合金薄膜の
抵抗変化率は2〜3%程度と小さいため十分な感度が得
られないという問題点があった。
【0004】一方近年、新しい磁気抵抗効果を示す材料
として、磁性層と非磁性層とを数nmから数十nm周期
で交互に積層した構造を持ち、非磁性層を介して相対す
る磁性層の磁化が膜面に対して平行で、しかも反平行に
磁気的結合した積層膜、いわゆる人工格子膜が注目され
ている。このような人工格子膜としては(Fe/Cr)
n (Phys.Rev.Lett.61(1988)2
472)、(Co/Cu)n (J.Mag.Mag.M
at.94(1991)L1、Phys.Rev.Le
tt.66(1991)2152)、(Co−Fe/C
u)n (Japan J.Appl.Phys.30
(1991)L1733)などが知られている。
【0005】またこれらと異なる原理を利用したものに
スピン・バルブ効果を利用した磁気抵抗効果素子があ
る。これは特開平4−358310号に開示されている
ように、非磁性層を介した、膜面に平行な磁化を持つ2
つの磁性層が磁気的に非結合で、この2層間の電気抵抗
が2層の磁化方向間の角度の余弦として変化する原理を
利用したものである。つまり磁界が零のときには2層間
の磁化方向が直交するようになっており、一方の層の磁
化方向と平行に磁界をかけることによって、他方の層の
磁化方向が回転して変化し電気抵抗が変化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたような磁
気抵抗効果素子のうち、人工格子膜は従来のパ−マロイ
薄膜に比べると大きな磁気抵抗効果がある。しかし大き
な磁気抵抗効果を得るためには積層数を大きくする必要
があり、さらに飽和磁界(抵抗値が飽和する磁界)がk
Oe単位と大きく、またヒステリシスやバルクハウゼン
ノイズがあるという問題があった。
【0007】人工格子膜においては加える磁界が零の状
態で非磁性層を介して隣り合う磁性層が反強磁性的に結
合している場合、電気抵抗が高くなる。反強磁性的結合
とは磁性層の磁気モ−メントが隣り合う磁性層間で逆向
きであるように結合していることをいう。このような場
合、1つの磁性層の磁化の向きはすべて同一方向という
わけではなく、磁化の向きが異なる複数の領域つまり磁
区に分かれている。磁区の境界を磁壁といい、磁界を加
えたときに磁壁が移動することによって磁化の向きが磁
界の方向に揃う。
【0008】磁界が零のときに非磁性層を介して隣り合
う磁性層の磁区の位置が完全に一致していれば十分な反
強磁性的結合が実現し大きな磁気抵抗効果が得られる。
しかし現実には磁性層の間で磁区の位置にずれがあるた
めに反強磁性的結合が不十分であり、どんなに良くても
理想的な状態の9割程度の磁気抵抗効果しか得られてい
なかった(J.Mag.Mag.Mat.121(19
93)416、J.Mag.Mag.Mat.123
(1993)L13)。
【0009】そしてこのような人工格子膜は大きな磁気
抵抗効果を得るためには積層数を大きくする必要があっ
た。また飽和磁界が数百〜数千Oeと大きく、さらに磁
性層の磁化容易軸方向に磁界を加えた場合には抵抗値変
化にヒステリシスが発生していた。
【0010】さらにこれらの人工格子膜では膜面に平行
に磁界を加えると磁壁が磁界の向きに沿って移動する
が、このとき不純物や欠陥などがあると磁壁はそれらの
場所で引っ掛かる。磁界を大きくしていくと引っ掛かっ
ていた磁壁が一気に磁界の向きに動くことによってバル
クハウゼンノイズが発生していた。
【0011】一方、スピン・バルブ効果を利用したもの
は飽和磁界は小さいが、抵抗変化率が人工格子膜と比べ
ると低いという問題がある。これらは非磁性層の膜厚を
厚くして、非磁性層を介して隣り合う磁性層間の結合を
弱めることによって、回転によって電気抵抗が変化する
という現象を起こさせる。回転によって電気抵抗が変化
するので飽和磁界は小さくなる。しかし非磁性層の膜厚
が厚いので、抵抗変化率は低くなってしまう。
【0012】本発明は上記の問題点を解決し、飽和磁界
が小さく、積層数が小さくても大きな磁気抵抗効果があ
り、ヒステリシスやバルクハウゼンノイズの小さい磁気
抵抗効果素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するために本発明は、非磁性層を介して磁性層を積
層することによって磁気抵抗効果を示す積層膜を備えた
磁気抵抗効果素子において、第1の磁性層が第1の非磁
性層を介して隣接する第2の磁性層と強磁性的結合、第
2の非磁性層を介して隣接する第3の磁性層と反強磁性
的結合を成し、前記第2の磁性層と前記第3の磁性層の
磁化方向が膜面内に同一方向であることを特徴とする磁
気抵抗効果素子を提供する。
【0014】本発明者らは大きな磁気抵抗効果を示す磁
気抵抗効果素子について研究を進めたところ、パ−マロ
イ合金を用いた第1の磁性層が非磁性層を介して隣接す
る第2の磁性層と強磁性的結合、第3の磁性層と反強磁
性的結合を成し、しかも強磁性的結合と反強磁性的結合
の強さがほぼ等しいときに、飽和磁界が小さく、積層数
が小さくても大きな磁気抵抗効果があり、ヒステリシス
やバルクハウゼンノイズが小さくなることを見い出だし
た。
【0015】飽和磁界が小さくなる理由は以下の如くと
考えられる。本発明では第1、第2、第3の磁性層は共
に膜面に平行な磁化を持ち、第1の磁性層が第2の磁性
層と強磁性的結合、第2の磁性層と反強磁性的結合を成
し、しかも強磁性的結合と反強磁性的結合の強さがほぼ
等しいので、第2と第3の磁性層の磁化が膜面内で同一
方向であるとき第1の磁性層の磁化がフラストレ−ショ
ン状態となり、不安定な平衡になる。つまり強磁性的結
合と反強磁性的結合の強さがほぼ等しいため第1の磁性
層の磁化は第2、第3の磁性層の磁化と直交し、さらに
磁化が不安定な状態なので膜面に平行かつ第2、第3の
磁性層の磁化と平行あるいは反平行に磁界を加える場
合、磁界が小さくても第1の磁性層の磁化は容易に回転
し、第2、第3の磁性層の磁化と平行あるいは反平行に
なる。
【0016】磁気抵抗効果が大きくなる理由は以下の如
くと考えられる。本発明では第1の磁性層の磁化が回転
し第2、第3の磁性層の磁化と完全に平行あるいは反平
行になる。このため人工格子膜では困難であった十分な
反強磁性的結合が実現し、磁気抵抗効果が大きくなる。
また、非磁性層の膜厚を厚くしなければならないスピン
・バルブ効果を利用した磁気抵抗効果素子とは異なり、
非磁性層の膜厚を十分に薄くすることができるのでこれ
らと比べても磁気抵抗効果は大きい。
【0017】ヒステリシスやバルクハウゼンノイズの小
さい理由は以下の如くと考えられる。本発明では第1の
磁性層の磁化が容易に回転するため、加える磁界が小さ
くても抵抗は容易に変化し飽和状態になる。つまりヒス
テリシスは小さい。また人工格子膜のような磁壁の動き
を考えなくても良いので、磁壁の断続的な動きによって
生じるバルクハウゼンノイズも小さくなる。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。図1に本
発明における積層膜1の構成を示す。図のように、基板
2の上に磁性層3a、3b、3cと非磁性層4を交互に
積層する。この場合この図に示すように磁性層3を先に
形成しても良いし、逆に非磁性層4を先に形成しても良
い。また磁気抵抗効果を高めるためにあらかじめFeな
どのバッファ層を形成し、その上に上記の積層膜1を形
成しても良い。
【0019】非磁性層4を構成する元素としては例えば
Cu,Ag,Au,Pd,Pt,Cr,Ru,Rhなど
の単体もしくはこれらを含む合金があげられる。ここで
非磁性層の厚さtN は磁性層3a、3bが強磁性的結
合、磁性層3b、3cが反強磁性的結合を成すか、逆に
磁性層3a、3bが反強磁性的結合、磁性層3b、3c
が強磁性的結合を成すように設定される。そしてtN
0.2nm≦tN ≦10nmが好ましい。この範囲から
外れると抵抗変化率が小さくなる傾向にある。より好ま
しくは0.2nm≦tN ≦5nmが良い。なお各非磁性
層の厚さおよび組成は同一でなくて良い。
【0020】磁性層3a、3cを構成する元素としては
例えばCo,Fe,Niあるいはそれらの合金が挙げら
れる。合金の具体例としてはFex Co1-x 、Nix
1-x 、Co1-x-y Fex Niy などがある。これらに
他の金属を加えた合金でも良い。またCoCrPt合金
でも良いし、さらに磁気抵抗効果が発揮できる強磁性体
であれば特に限定されない。そしてその厚さtM は0.
2nm≦tM ≦10nmが好ましい。この範囲から外れ
ると抵抗変化率が小さくなる傾向にある。より好ましく
は0.4nm≦tM ≦8nmが良い。なお各磁性層の厚
さおよび組成は同一でなくても良い。
【0021】さらに非磁性層4には隣接せず、磁性層3
a、3cに隣接し、磁性層3a、3cの磁化を固着する
ための補助層を設けても良い。磁性層3bを構成する元
素はパ−マロイ合金が最も好ましいが、磁性層3a、3
cと同種の元素でも良い。磁性層3bは磁性層3a、3
cの内の一方と強磁性的結合、他方と反強磁性的結合を
成し、磁気的フラストレ−ション状態になる。。そして
その厚さtM は0.2nm≦tM ≦10nmが好まし
い。この範囲から外れると抵抗変化率が小さくなる傾向
にある。より好ましくは0.4nm≦tM≦8nmが良
い。なお各磁性層の厚さは同一でなくても良い。
【0022】上記の積層膜1は分子線エピタキシ−(M
BE)法、超高真空スパッタ法などで作ることのほか
に、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビ−ムスパッ
タ法、蒸着法などの通常の薄膜形成技術で作成すること
ができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図2に、
基板2の上に積層膜1を積層した磁気抵抗効果素子5の
両側に電極6を付けた様子を示す。実際に使用する場合
にはこのようにして磁界センサ−や磁気ヘッドとして用
いることができる。
【0024】そして本発明の磁気抵抗効果素子5がどの
ような特性を持つかを次の実施例1〜4において示す。 (実施例1)この実施例では磁性層3aにCo,磁性層
3bにパ−マロイ、磁性層3cにFe、非磁性層4にC
uを用い、イオンビ−ムスパッタリング法により積層膜
1を形成した。
【0025】まずチェンバ−内を5×10-7Torrま
で排気した後、Arを1×10-4Torrまで導入し、
スパッタArイオンの加速電圧600V、ビ−ム電流3
0mAの条件でスパッタリングを行った。タ−ゲットは
Co、Fe、パ−マロイ、Cuを用意し、MgO(11
0)単結晶基板上にCo層、Cu層、パ−マロイ層、C
u層、Fe層の順番で積層し、MgO(110)/(C
o1nm/Cu1nm/パ−マロイ1nm/Cu0.5
nm/Fe1nm)の磁気抵抗効果素子を作成した。積
層数は5である。
【0026】この磁気抵抗効果素子においてCo1nm
/Cu1nm/パ−マロイ1nmは反強磁性的磁気結合
を形成し、パ−マロイ1nm/Cu0.5nm/Fe1
nmは強磁性的磁気結合を形成していて、磁気結合の強
さが共に約0.2erg/cm2 でほぼ等しいことをV
SM(Vibrating Sample Magne
tometer)による磁気測定によって確認した。
【0027】また磁界を加えてCo層、Fe層の磁気モ
−メントを同一方向に揃えた後に磁界を零に戻した時に
中間のパ−マロイ層が磁気的フラストレ−ション状態と
なっていることをVSMによる磁気測定と、カ−効果測
定によって確認した。
【0028】このようにして得られた磁気抵抗効果素子
について四端子法を用いて膜面内磁化容易軸方向の室温
の磁気抵抗変化率を測定した。その結果を図3に示す。
図3は横軸に磁界の大きさを取り、縦軸に抵抗値の最小
値で規格化した抵抗変化率ΔR/Rmin(ΔR=R−
Rmin)を取ってそれらの関係を示すグラフであり、
(ΔR/Rmin)max=15%,飽和磁界Hs=3
0Oeである。またバルクハウゼンノイズが無いことが
分かる。さらにヒステリシスも認められなかった。 (実施例2)この実施例では磁性層3aにCo,磁性層
3bにパ−マロイ、磁性層3cにFe、非磁性層4にC
uを用い、実施例1と同様な方法を用いてMgO(11
0)/(Co1nm/Cu1nm/パ−マロイ1nm/
Cu0.5nm/Fe1nm/Cu0.5nm/パ−マ
ロイ1nm/Cu1nm/Co1nm)の磁気抵抗効果
素子を作成した。積層数は9である。
【0029】この磁気抵抗効果素子においてCo1nm
/Cu1nm/パ−マロイ1nm、パ−マロイ1nm/
Cu1nm/Co1nmは反強磁性的磁気結合を形成
し、パ−マロイ1nm/Cu0.5nm/Fe1nm、
Fe1nm/Cu0.5nm/パ−マロイ1nmは強磁
性的磁気結合を形成していて、磁気結合の強さが共に約
0.2erg/cm2 でほぼ等しいことをVSMによる
磁気測定によって確認した。
【0030】また磁界を加えてCo層、Fe層の磁気モ
−メントを同一方向に揃えた後に磁界を零に戻した時に
中間のパ−マロイ層が磁気的フラストレ−ション状態と
なっていることをVSMによる磁気測定と、カ−効果測
定によって確認した。
【0031】このようにして得られた磁気抵抗効果素子
について四端子法を用いて膜面内磁化容易軸方向の室温
の磁気抵抗変化率を測定した。その結果を図4に示す。
図4は図3と同様なグラフであり、(ΔR/Rmin)
max=22%,飽和磁界Hs=30Oeである。この
ように積層数を増やすことによって、磁気抵抗効果がさ
らに高くなることが分かった。またバルクハウゼンノイ
ズが無いことが分かる。さらにヒステリシスも認められ
なかった。 (実施例3)この実施例では磁性層3aにCo,磁性層
3bにパ−マロイ、磁性層3cにFe、非磁性層4にC
u、磁性層の磁化固着用の補助層にFeMnを用い、実
施例1と同様な方法を用いてMgO(110)/(Fe
Mn10nm/Co1nm/Cu1nm/パ−マロイ1
nm/Cu0.5nm/Fe1nm/FeMn10n
m)の磁気抵抗効果素子を作成した。
【0032】この磁気抵抗効果素子においてCo1nm
/Cu1nm/パ−マロイ1nmは反強磁性的磁気結合
を形成し、パ−マロイ1nm/Cu0.5nm/Fe1
nmは強磁性的磁気結合を形成していて、磁気結合の強
さが共に約0.2erg/cm2 でほぼ等しいことをV
SMによる磁気測定によって確認した。
【0033】また磁界を加えてCo層、Fe層の磁気モ
−メントを同一方向に揃えた後に磁界を零に戻した時に
中間のパ−マロイ層が磁気的フラストレ−ション状態と
なっていることをVSMによる磁気測定と、カ−効果測
定によって確認した。
【0034】このようにして得られた磁気抵抗効果素子
について四端子法を用いて膜面内磁化容易軸方向の室温
の磁気抵抗変化率を測定した。その結果を図5に示す。
図5は図3と同様なグラフであり、(ΔR/Rmin)
max=17%,飽和磁界Hs=30Oeである。また
バルクハウゼンノイズが無いことが分かる。さらにヒス
テリシスも認められなかった。 (実施例4)この実施例では磁性層3a、3cにCo、
磁性層3bにパ−マロイ、非磁性層4にCuを用い、実
施例1と同様な方法を用いてMgO(110)/(Co
1nm/Cu1nm/パ−マロイ1nm/Cu1.5n
m/Co1nm)の磁気抵抗効果素子を作成した。積層
数は5である。
【0035】この磁気抵抗効果素子においてCo1nm
/Cu1nm/パ−マロイ1nmは反強磁性的磁気結合
を形成し、パ−マロイ1nm/Cu1.5nm/Co1
nmは強磁性的磁気結合を形成していて、磁気結合の強
さが共に約0.2erg/cm2 でほぼ等しいことをV
SMによる磁気測定によって確認した。
【0036】また磁界を加えてCo層の磁気モ−メント
を同一方向に揃えた後に磁界を零に戻した時に中間のパ
−マロイ層が磁気的フラストレ−ション状態となってい
ることをVSMによる磁気測定と、カ−効果測定によっ
て確認した。
【0037】このようにして得られた磁気抵抗効果素子
について四端子法を用いて膜面内磁化容易軸方向の室温
の磁気抵抗変化率を測定した。その結果を図6に示す。
図6は図3と同様なグラフであり、(ΔR/Rmin)
max=13%,飽和磁界Hs=30Oeである。また
バルクハウゼンノイズが無いことが分かる。さらにヒス
テリシスも認められなかった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、飽
和磁界が小さく、積層数が小さくても大きな磁気抵抗効
果があり、ヒステリシスやバルクハウゼンノイズの小さ
い磁気抵抗効果素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る磁気抵抗効果素子の断
面図。
【図2】 本発明の磁気抵抗効果素子の一実施例を示す
斜視図。
【図3】 本発明の実施例1における磁気抵抗変化率を
示す特性図。
【図4】 本発明の実施例2における磁気抵抗変化率を
示す特性図。
【図5】 本発明の実施例3における磁気抵抗変化率を
示す特性図。
【図6】 本発明の実施例4における磁気抵抗変化率を
示す特性図。
【符号の説明】
1…積層膜 2…基板 3a、3b、3c…磁性層 4…非磁性層 5…磁気抵抗効果素子 6…電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性層を介して磁性層を積層すること
    によって磁気抵抗効果を示す積層膜を備えた磁気抵抗効
    果素子において、 第1の磁性層が第1の非磁性層を介して隣接する第2の
    磁性層と強磁性的結合、第2の非磁性層を介して隣接す
    る第3の磁性層と反強磁性的結合を成し、前記第2の磁
    性層と前記第3の磁性層の磁化方向が膜面内に同一方向
    であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記第2の磁性層および前記第3の磁性
    層の磁化方向を固定する手段を有する請求項1記載の磁
    気抵抗効果素子。
JP6024622A 1994-02-23 1994-02-23 磁気抵抗効果素子 Pending JPH07235709A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6124711A (en) * 1996-01-19 2000-09-26 Fujitsu Limited Magnetic sensor using tunnel resistance to detect an external magnetic field

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6124711A (en) * 1996-01-19 2000-09-26 Fujitsu Limited Magnetic sensor using tunnel resistance to detect an external magnetic field

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