JPH0723402B2 - オレフイン重合用触媒成分 - Google Patents

オレフイン重合用触媒成分

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JPH0723402B2
JPH0723402B2 JP60053849A JP5384985A JPH0723402B2 JP H0723402 B2 JPH0723402 B2 JP H0723402B2 JP 60053849 A JP60053849 A JP 60053849A JP 5384985 A JP5384985 A JP 5384985A JP H0723402 B2 JPH0723402 B2 JP H0723402B2
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満幸 松浦
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、高活性でしかもポリマー性状のよい重合体を
提供するチーグラー型触媒遷移金属ないし固体成分に関
するものである。
従来、マグネシウム化合物、たとえば、マグネシウムハ
ライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグ
ネシウム、アルキルマグネシウムハライド、マグネシウ
ムアルコキシド、またはジアルキルマグネシウムと有機
アルミニウムの錯体等をチタン化合物等遷移金属化合物
の担体として使用すると高活性触媒になることが知られ
ていて、多くの発明が提案されている。
これら先行技術では、触媒活性はある程度高いが、生成
する重合体のポリマー性状は充分でなく、改良が望まれ
る状態にある。ポリマー性状は、スラリー重合および気
相重合等においてはきわめて重要である。ポリマー性状
が悪いと、重合槽内におけるポリマー付着、重合槽から
のポリマー抜き出し不良等が生じ易い。また、重合槽内
のポリマー濃度はポリマー性状と密接な関係にあって、
ポリマー性状がよくないと重合槽内のポリマー濃度は高
くできない。ポリマー濃度が高くできないということ
は、工業生産上きわめて不利なことである。
また、従来の多くの触媒成分の製造では、遷移金属成分
の使用量が多くて、いわゆる「遷移金属成分の原単位」
が悪い。これは、触媒を製造する上できわめて不都合な
ことである。すなわち、触媒成分として含有されなかっ
た多くの遷移金属成分は触媒成分から除去する必要があ
り、そのために多くの溶剤等が必要となって、触媒の製
造コストの上昇につながる。また、不要となった遷移金
属成分は分解処理する必要があるが、分解処理のときは
多くの場合にハロゲンガス、ハロゲン化水素等の発生が
あって、環境衛生上もきわめて悪い。したがって、遷移
金属成分の原単位をよくすることが望まれている。
先行技術 特公昭51−37195号公報によれば、マグネシウムハライ
ド等にチタンテトラアルコキシドを反応させ、さらに有
機アルミニウムハライドを反応させる方法が提案されて
いる。特開昭54−16393号公報によれば、マグネシウム
ハライド等にチタンテトラアルコキシド等を反応させ、
さらにハロゲン含有化合物と還元性化合物とを反応させ
る方法が提案されている。これらの方法により製造され
た触媒を用いてエチレンなどのオレフィンを重合させる
場合には、触媒活性はある程度の値を示すけれども、生
成するポリマーの性状はよくないようである。
ところで、オレフィン立体規則性重合用触媒としてチー
グラー型触媒は周知のものであり、その活性や立体規則
性をさらに改良するために種々の方法が提案されている
ことも周知である。
これらの種々の改良方法の中でも、特に活性に対して著
しく改良効果を有する方法は、固体成分にマグネシウム
化合物を導入することからなるものである(特公昭39−
12105号、特公昭47−41676号、および特公昭47−46269
号各公報)。しかし、これらの方法により製造した触媒
を用いてプロピレンなどのオレフィンの重合を行なう場
合には、活性は非常に高い値を示すけれども生成重合体
の立体規則性が著しく低下して、オレフィン立体規則性
重合触媒として実用価値が大きく失なわれることも知ら
れている。
そこで、マグネシウム化合物を含むチーグラー型触媒を
使用するオレフィン重合において、生成重合体の立体規
則性を向上させる種々の方法が提案されている(特願昭
47−9842号、同50−126590号、同51−57789号公報な
ど)。
これらの方法は、共通して、チタン化合物およびマグネ
シウムハロゲン化合物を含む固体触媒成分中にさらにエ
ステルやアミンなどの電子供与体を含有させることを特
色とするものである。
一方では、固体触媒成分中に電子供与体の他に第三添加
物としてケイ素化合物、アルコールなどを添加する方法
(特開昭50−108385号、同52−100596号、同52−104593
号各公報など)も知られている。
このような方法により、活性および生成重合体の立体規
則性はかなり改良されるが、未だ生成ポリマーの脱触工
程および非晶性ポリマーの抽出工程を省きうる程には到
っていない。また、生成するポリマーの性状も充分では
ない。
発明の概要 要 旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、特定
の態様で作った担持遷移金属触媒成分によってこの目的
を達成しようとするものである。
従って、本発明によるオレフィン重合用触媒成分は、下
記の成分(A1)、成分(A2)および成分(A3)の接触生
成物であって、成分(A3)中の成分(a)が成分(A1
および(または)成分(A2)に対して30℃以下の温度で
接触させたものであること、を特徴とするものである。
成分(A1) 必須成分としてのジハロゲン化マグネシウム、チタンテ
トラアルコキシドおよび(または)その重合体、および
次式で示される構造を有するポリマーケイ素化合物の接
触生成物。
成分(A2) オルソ−C6H4(COCl)またはシクロ−C6H10(COCl)
成分(A3) 成分(A3) 下記の成分(a)および成分(b)(成分(a)および
成分(b)の使用量は、成分(A1)を構成するマグネシ
ウム化合物に対してチタン及びケイ素が原子比でそれぞ
れ0.1〜10の範囲内である)。
(a) TiX4 (b) SiX4 (但し、Xはハロゲン)。
効 果 本発明による固体触媒成分をチーグラー触媒の遷移金属
成分として使用してオレフィンの重合を行なうと、高活
性でしかもポリマー性状のすぐれた重合体が得られる。
たとえば、ポリマー性状のひとつの尺度であるポリマー
嵩比重について考えると、0.40(g/cc)以上は可能であ
って、0.45(g/cc)以上にすることも可能である。
また、本発明による固体触媒成分を使用することのもう
ひとつの利点としては、重合速度パターンを制御できる
ことがあげられる。一般に、高活性触媒を使用して重合
を行なうと、重合初期に活性が高くてその後は活性が低
下するという減衰タイプが多いのであるが、このような
減衰タイプであると、重合条件によっては触媒性能を充
分に出しきれない場合もあって好ましくない。本発明に
よる固体触媒成分を使用すると、重合初期の活性を抑え
ることができて、いわゆる持続性タイプの重合を行なう
ことができる。
本発明では、成分(A3)のチタン化合物(a)を成分
(A1)および(または)成分(A2)と接触させるときの
温度が臨界的である。すなわち、温度が適当でないとチ
タン化合物(a)が触媒成分中に十分に導入されないの
で、チタン化合物(a)使用の効果が十分に実現できな
いからである。このような現像は、思いがけなかったこ
とといえよう。
発明の具体的説明 触媒成分 本発明触媒成分は、下記の成分(A1)〜(A3)の接触生
成物である。
成分(A1) (1)組 成 成分(A1)は、ジハロゲン化マグネシウム、チタンテト
ラアルコキシドおよび(または)その重合体、および特
定のポリマーケイ素化合物より構成される固体組成物で
ある。
この固体組成物(A1)は、ジハロゲン化マグネシウムと
チタンテトラアルコキシドおよび(または)その重合体
との錯体でもなく、別の固体である。現状では、その内
容は充分に解析されていないが、組成分析の結果によれ
ば、この固体組成物はチタン、マグネシウム、ハロゲ
ン、およびケイ素を含有するものである。
成分(A1)は上記三成分を必須成分とするものである
が、必要に応じて少量のアルコールおよび(または)有
機酸エステルを含むことができる。
(2)製 造 成分(A1)は、ジハロゲン化マグネシウム、チタンテト
ラアルコキシドおよび(または)その重合体、およびポ
リマーケイ素化合物を接触させることによって製造され
る。
(イ)ジハロゲン化マグネシウム たとえば、MgF2、MgCl2、MgBr2等がある。
(ロ)チタンテトラアルコキシドおよびその重合体 チタンテトラアルコキシドとしては、たとえば、Ti(OC
2H5、Ti(O−isoC3H7、 Ti(O−nC4H9、Ti(O−nC3H7、 Ti(O−isoC4H9、 Ti〔OCH2CH(CH3、 Ti〔OC(CH3、 Ti(O−nC5H11、 Ti(O−nC6H13、 Ti(O−nC7H15、 Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H9、 等がある。これらの中で好ましいのは、 Ti(OC2H5およびTi(O−nC4H9である。
チタンテトラアルコキシドの重合体としては、下式で表
わされるものがある。
ここでR2〜R5は同一または異なる炭化水素残基、好まし
くは炭素数1〜10の脂肪族または芳香族炭化水素、特に
炭素数2〜6の脂肪族炭化水素、である。nは2以上の
数、特に20までの数、を示す。nの値は、このポリチタ
ン酸エステルがそれ自身あるいは溶液として液状で他成
分との接触工程に供しうるように選ぶことが望ましい。
取扱い上適当なnは、2〜14、好ましくは2〜10、程度
である。このようなポリチタン酸エステルの具体例をあ
げれば、ノルマルブチルポリチタネート(n=2〜1
0)、ヘキシルポリチタネート(n=2〜10)、ノルマ
ルオクチルポリチタネート(n=2〜10)、等がある。
これらの中で、ノルマルブチルポリチタネートが好適で
ある。
(ハ)ポリマーケイ素化合物 ポリマーケイ素化合物は、下式で示される構造を持つも
のである。
ここで、R1は、炭素数1〜10程度、特に1〜6程度、の
炭化水素残基である。
このような構造単位を有するポリマーケイ素化合物の具
体例としては、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒ
ドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、
シクロヘキシルヒドロポリシロキサン等があげられる。
それらの重合度は特に限定されるものではないが、取り
扱いを考えれば、粘度が10センチストークスから100セ
ンチストークス程度となるものが好ましい。また、ヒド
ロポリシロキサンの末端構造は大きな影響をおよぼさな
いが、不活性基たとえばトリアルキルシリル基で封鎖さ
れることが好ましい。
ニ) 補助成分 上記の(イ)〜(ハ)のほかに、アルコールおよび(ま
たは)有機酸エステルを少量使用することもできる。
アルコールとしては、炭素数1〜10程度の一価〜二価ア
ルコールを例示することができる。また、有機酸エステ
ルとしては、このようなアルコール、特に一価アルコー
ル、と炭素数1〜10の脂肪族または芳香族の一塩基性〜
二塩基性カルボン酸とのエステルを例示することができ
る。
(ホ)各成分の接触 (i)量 比 各成分の使用量は本発明の効果が認められるかぎり任意
のものでありうるが、一般的には次の範囲内が好まし
い。
チタンテトラアルコキシドおよび(または)その重合体
の使用量は、ジハロゲン化マグネシウムに対してモル比
で0.1〜10の範囲内がよく、好ましくは1〜4の範囲内
であり、されに好ましくは2〜3の範囲内である。
ポリマーケイ素化合物の使用量は、ジハロゲン化マグネ
シウムに対してモル比で1×10-2〜100の範囲内がよ
く、好ましくは0.1〜10の範囲内であり、さらに好まし
くは1〜4の範囲内である。
アルコールおよび(または)有機酸エステルを使用する
ときの使用量は、ジハロゲン化マグネシウムに対してモ
ル比で1×10-3〜5×10-1の範囲内がよく、好ましくは
5×10-2〜3×10-1の範囲内である。
(ii)接触方法 本発明の固体成分(A1)は、前述の三成分(および場合
によって補助成分)を一時にまたは段階的に(各段間で
洗滌を行なってもよい)接触させて得られるものであ
る。各成分の接触は、一般に知られている任意の方法で
行なうことができる。一般に、−100℃〜200℃の温度範
囲内で接触させればよい。接触時間は、通常10分から20
時間程度である。
各成分の接触は攪拌下に行なうことが好ましく、またボ
ールミル、振動ミル、等による機械的な粉砕によって接
触させることもできる。必須三成分の接触の順序は本発
明のこの効果が認められるかぎり任意のものであるうる
が、ジハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキ
シドおよび(または)その重合体を接触させてジハロゲ
ン化マグネシウムを溶解させ、次いでポリマーケイ素化
合物を接触させて固体組成物を析出させるのが一般的で
ある。補助成分は、チタンテトラアルコキシド等と同時
に添加するのがふつうである。各成分の接触は、分散媒
の存在下に行なうこともできる。その場合の分散媒とし
ては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ジアルキルシロ
キサン等があげられる。炭化水素の具体例としてはヘキ
サン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等があり、
ハロゲン化炭化水素の具体例としては塩化n−ブチル、
1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン
等があり、ジアルキルポリシロキサンの具体例としては
ジメチルポリシロキサン、メチル−フェニルポリシロキ
サン等があげられる。
上記のようにして調製した成分(A1)は、分散媒として
前記したような溶媒で洗滌して、未反応液体成分を除去
することがふつうである。
成分(A2) 成分(A2)は、オルソ−C6H4(COCl)またはシクロ−
C6H10(COCl)である。
成分(A3) 成分(A3)は、下記の成分(a)および成分(b)であ
る。
成分(a):TiX4(但し、Xはハロゲン)。具体例とし
てはTiCl4、TiBr4等があり、好ましいものはTiCl4であ
る。
成分(b):SiX4(但し、Xはハロゲン)。具体例とし
ては、SiCl4、SiBr4等があり、好ましいものはSiCl4
ある。
触媒成分の合成 本発明触媒成分は、成分(A1)〜(A3)を接触させるこ
とによって製造される。
1)量 比 各成分の使用量は本発明の効果が認められるかぎり任意
のものであるが、一般的には次の範囲内が好ましい。
成分(A2)の使用量は、成分(A1)を構成するジハロゲ
ン化マグネシウムに対してモル比で1×10-3〜10の範囲
内がよく、好ましくは1×10-2〜1の範囲内である。
成分(A3)の使用量は、成分(A1)を構成するジハロゲ
ン化マグネシウムに対してチタンおよびケイ素がそれぞ
れ原子比で0.1〜10の範囲の範囲内であり、好ましくは
1〜10の範囲内である。
2)接触方法 各成分の接触は、前述の成分(A1)に、成分(A2)およ
び成分(A3)を一時にあるいは成分間または成分内で段
階的に(各段間で洗滌を行なってもよい)接触させると
いう方式で行なうことが好ましい。
接触は、一般に、−100℃〜200℃の温度範囲内で行なえ
ばよい。
しかし、本発明の特徴の一つは、成分(A3)中のチタン
化合物(a)を成分(A1)および(または)成分(A2
と接触させるときの温度が30℃以下(0℃以上が好まし
い)であるということである。
接触時間は、通常10分から20時間程度である。
固体成分(A1)と成分(A2)〜(A3)との接触は攪拌下
に行なうことが好ましく、またボールミル、振動ミル、
等による機械的な粉砕によって接触させることもでき
る。接触の順序は、本発明の効果が認められるかぎり、
任意のものでありうる。
固体成分(A1)と成分(A2)〜成分(A3)との接触は、
分散媒の存在下に行なうこともできる。そのときの分散
媒としては、成分(A1)を製造するとき使用すべきもの
として例示したものの中から選ぶことができる。
上記のようにして得られた本発明触媒成分は、分散媒と
して前記したような溶媒で洗浄して、未反応液体成分を
除去することがふつうである。
オレフィンの重合 触媒の形成 本発明の触媒成分は、共触媒である有機金属化合物と組
合せて、オレフィンの重合に使用することができる。共
触媒として知られている周期律表第I〜IV族の金属の有
機金属化合物は、いずれも使用することができる。共触
媒としては、特に、有機アルミニウム化合物が好まし
い。有機アルミニウム化合物の具体例としては、 一般式 ▲R7 3-n▼AlXnまたは▲R8 3-m▼Al(OR)m(ここで、
R7、R8、R9は同一または異ってもよい炭素数1〜20程度
の炭化水素残基または水素、Xはハロゲン、nおよびm
またはそれぞれ0≧n<2、0≦m≦1の数である。)
で表わされるものがある。具体的には、下記のものがあ
る。
(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウム、等のトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチ
ルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニ
ウムモノクロライド、エチルアムミニウムセスキクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、等のアルキル
アルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のジアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムブト
キシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のアルキ
ルアルミニウムアルコキシド。
これら(イ)〜(ハ)の有機アルミニウム化合物に、他
の有機金属化合物、例えば ▲R10 3-a▼Al(OR11)a (1≦a≦3、R10およびR11は同一または異なってもよ
い炭素数1〜20程度の炭化水素残基である。)で表わさ
れるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用すること
もできる。例えば、トリエチルアルミニウムとジエチル
アルミニウムエトキシドとの併用、ジエチルアルミニウ
ムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドと
の併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアル
ミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアルミニウ
ムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミ
ニウムクロライドとの併用、があげられる。
これらの有機金属化合物の使用量は特に制限はないが、
本発明の固体触媒成分に対して重量比で0.5〜1000の範
囲内が好ましい。
炭素数3以上のオレフィン重合体の立体規則性改良のた
め、重合時にエーテル、エステル、アミン、シラン化合
物などの電子供与性化合物を添加共存させることが効果
的である。このような目的で使用される電子供与性化合
物の量は、有機アルミニウム化合物1モルに対して0.00
1〜2モル、好ましくは0.01〜1モル、である。この目
的で使用すべき電子供与性化合物の具体例は、たとえば
特開昭55−127408号、特開昭56−139511号、特開昭57−
63310号公報に開示されている。
オレフィン 本発明の触媒系で重合するオレフィンは、一般式R−CH
=CH2(ここでRは水素原子、または炭素数1〜10の炭
素水素残基であり、分岐基を有してもよい)で表わされ
るものである。具体的には、エチレン、プロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1などのオレフィン類がある。好ましいのは、
エチレンおよびプロピレンである。これらの重合の場合
に、エチレンに対して50重量パーセント、好ましくは20
重量パーセント、までの上記オレフィンとの共重合を行
なうことができ、プロピレンに対して30重量パーセント
までの上記オレフィン、特にエチレン、との共重合を行
なうことができる。その他の共重合性モノマー(たとえ
ば酢酸ビニル、ジオレフィン)との共重合を行なうこと
もできる。
重 合 この発明の触媒系は、通常のスラリー重合に適用される
のはもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無
溶媒重合、溶液重合、または気相重合法にも適用され
る。また、連続重合、回分式重合、および予備重合を行
なう方式にも適用される。スラリー重合の場合の重合溶
媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シキロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香
族炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温
度は室温から200℃程度、好ましくは50℃〜150℃であ
り、そのときの分子量調節剤として補助的に水素を用い
ることができる。
本発明によれば持続性タイプの重合を行なうことができ
ることは前記したところであるが、本発明のこの効果は
重合の最初の30分間の重合量(W1)を最終の30分間の重
合量(W2)の比R(=W1/W2)が2.0以下であるというこ
とによって示すことができる。
実 施 例 実施例−1 (1)成分(A1)の合成 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素したn
−ヘプタン100ミリリットルを導入し、次いでMgCl2を0.
1モルおよびTi(O−nC4H9を0.2モル導入して、95
℃にて2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下
げ、次いでメチルハイドロジェンポリシロキサンを15ミ
リリットル導入して、3時間反応させた。反応終了後、
生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄し、その一部分
をとり出して、組成分析をしたところ、Ti=15.2重量パ
ーセント、Mg=4.2重量パーセントであった。
(2)触媒成分の製造 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素したn
−ヘプタンを100ミリリットル導入し、上記で合成した
成分(A1)をMg原子換算で0.03モル導入した。SiCl40.0
5モルを30℃で15分間で導入して、90℃で2時間反応さ
せた。反応終了後、精製したn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、n−ヘプタン25ミリリットルにオルソーC6H
4(COCl)20.004モルを混合して、70℃で30分間で導入
し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、精製したn
−ヘプタンで洗浄した。次いで、TiCl425ミリリットル
を導入して、30℃で6時間反応させた。反応終了後、n
−ヘプタンで洗浄して、触媒成分とした。
Ti含有量は、3.65重量パーセントであった。
(3)プロピレンの重合 攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットルの
ステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および脱
酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、トリエチル
アルミニウム125ミリグラム、ジフェニルジメトキシシ
ラン26.8ミリグラム、および上記で合成した触媒成分を
15ミリグラム導入した。次いで、H2を60ミリリットル導
入し、昇温昇圧して、重合圧力=5Kg/cmG、重合温度=7
5℃、重合時間=2時間の条件で重合を行なった。重合
終了後、得られたポリマースラリーを過により分離
し、ポリマーを乾燥した。
163グラムのポリマーが得られた。一方、過液から、
0.9グラムのポリマーが得られた。沸騰ヘプタン抽出試
験より、全製品I.I.(以下T−I.I.と略す)は、98.2重
量パーセントであった。MFR=4.3(g/10分)、ポリマー
嵩比重=0.440(g/cc)であった。
重合速度パターンより、最初の30分間と最後の30分間の
重合量の比(R)を調べると1.7であった。
比較例−1 実施例−1の触媒成分の製造において、TiCl4の反応温
度を70℃にした以外は全く同様に反応を行なった。Ti含
有量は、2.89重量パーセントであった。また、プロピレ
ンの重合も全く同様に行なった。182グラムのポリマー
が得られ、T−I.I.=98.1重量パーセント、MF4=3.7
(g/10分)、ポリマー嵩比重=0.438(g/cc)、R=2.5
であった。
実施例−2 (1)触媒成分の合成 実施例−1と同様に合成した成分(A1)を実施例−1と
同様にフラスコへ導入した。SiCl40.05モルを30℃で1
時間で導入して、90℃で2時間反応させた。反応終了
後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、n−ヘプタン25
ミリリットルにオルソーC6H4(COCl)20.005モルを混合
して、70℃で30分間で導入して、90℃で1時間反応させ
た。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでTiCl
425ミリリットリを導入して、20℃で6時間反応させ
た。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄して、触媒成分と
した。
Ti含有量は、3.85重量パーセントであった。
(2)プロピレンの重合 実施例−1の重合条件において、ジフェニルジメトキシ
シランのかわりにフェニルトリエトキシシラン26ミリグ
ラムを使用した以外は、全く同様に重合を行なった。12
6.2グラムのポリマーが得られ、T−I.I.=97.9重量パ
ーセント、ポリマー嵩比重=0.457(g/cc)、MFR=6.1
(g/10分)、R=1.5であった。
実施例−3 (1)触媒成分の製造 実施例−1の触媒成分の製造において、オルソーC6H
4(COCl)のかわりに を使用した以外は、全く同様に製造を行なった。この触
媒のTiの含有量は、3.82重量パーセントであった。
(2)プロピレンの重合 実施例−1のプロピレンの重合条件において、ジフェニ
ルジメトキシシランのかわりに、モノフェニルトリメト
キシシラン43.4ミリグラムを使用した以外は、全く同様
に重合を行なった。82.4グラムのポリマーが得られた。
T−I.I.=95.3重量パーセント、MFR=5.8(g/10分)、
ポリマー嵩比重=0.431(g/cc)であり、R=1.6であっ
た。
比較例−2 (1) 触媒成分の製造 実施例−1の触媒成分の製造において、オルソ−C6H
4(COCl)のかわりにC6H5COClを使用した以外は、全
く同様に合成を行なった。この触媒成分のTi含量を測定
したところ、3.31重量パーセントであった。
(2) プロピレンの重合 実施例−1の重合条件において、ジフェニルジメトキシ
シランの使用量を53.6ミリグラムにした以外は全く同様
に行なった。79.6グラムのポリマーが得られた。T−I.
I.=94.6重量パーセント、MFR=6.2(g/10分)、ポリマ
ー嵩比重=0.422(g/cc)であった。R=1.7であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A1)、成分(A2)および成分
    (A3)の接触生成物であって、成分(A3)の中の成分
    (a)が成分(A1)および(または)成分(A2)に対し
    て30℃以下の温度で接触させたものであることを特徴と
    する、オレフィン重合用接触成分。 成分(A1) 必須成分としてのジハロゲン化マグネシウム、チタンテ
    トラアルコキシドおよび(または)その重合体、および
    下式で示される構造を有するポリマーケイ素化合物の接
    触生成物。 成分(A2) オルソ−C6H4(COCl)またはシクロ−C6H10(COCl)
    成分(A3) 下記の成分(a)および成分(b)(成分(a)および
    成分(b)の使用量は、成分(A1)を構成するマグネシ
    ウム化合物に対してチタン及びケイ素が原子比でそれぞ
    れ0.1〜10の範囲内である)。 (a) TiX4 (b) SiX4 (但し、Xはハロゲン)。
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