JPH0723385B2 - テトラアルコキシシランの製法 - Google Patents

テトラアルコキシシランの製法

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JPH0723385B2
JPH0723385B2 JP61310114A JP31011486A JPH0723385B2 JP H0723385 B2 JPH0723385 B2 JP H0723385B2 JP 61310114 A JP61310114 A JP 61310114A JP 31011486 A JP31011486 A JP 31011486A JP H0723385 B2 JPH0723385 B2 JP H0723385B2
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tetraalkoxysilane
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trialkoxysilane
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啓輔 和田
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秀一 佐々木
和夫 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテトラアルコキシシランの製造法に関する。詳
しくは、触媒の存在下にトリアルコキシシランと低級ア
ルコールを反応させて、テトラアルコキシシランを製造
する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、テトラアルコキシシランの製造法としては、下式
のように、テトラクロルシランと低級アルコールを反応
させる方法が知られている。
SiCl4+4ROH→Si(OR)4+4HCl (式中、ROHは脂肪族低級アルコールを示す。) この方法によれば、目的とするテトラアルコキシシラン
のほかに、塩酸が副生する。塩酸は反応生成物からの分
離回収が困難で、反応装置などの機器を腐食させるばか
りでなく、生成したテトラアルコキシシランの一部を分
解するので、プロセス上好ましくない。
一方、テトラアルコキシシランの他の製造法として、下
式のように、金属ケイ素と低級アルコールを反応させる
方法も知られている。
Si+4ROH→Si(OR)4+2H2 この反応のための触媒としては、アルカリアルコレート
等の塩基触媒(例えば特開昭52−12133号)と塩化銅等
の銅触媒(例えば特公昭50−34538号)が知られてい
る。塩基触媒を使用する場合の問題は、十分な反応速度
を確保するために、多量の触媒を必要とすることであ
る。従って、触媒費や触媒の回収に要するプロセス上の
負担は決して軽微ではない。他方、銅触媒を使つた反応
では主としてトリアルコキシシランが生成しテトラアル
コキシシランを高選択率で得るためには、反応を密閉系
で実施し、十分な接触時間をとる必要がある。通常、こ
の反応には100℃以上の反応温度が必要なので、必然的
に、かなりの高圧反応になるという欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、以上の事実に鑑み、テトラアルコキシシ
ランを合理的な手法で経済的に有利に製造する方法につ
いて研究した結果、トリアルコキシシランと低級アルコ
ールとを特定の触媒の存在下反応させると、穏和な条件
下に高収率でテトラアルコキシシランを製造することが
可能であることを見出した。
すなわち本発明はトリアルコキシシランを出発原料とす
るテトラアルコキシシランの工業的有利な製法の提供を
目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はトリアルコキシシランと脂肪族低級アルコール
を、陰イオン交換樹脂の存在下反応させることを特徴と
するテトラアルコキシシランの製法に存する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明方法で使用されるトリアルコキシシランは下記一
般式(1)で示される。
HSi(OR1)(OR2)(OR3) (1) 式中、R1,R2,R3は同じでも異なつていても良く炭素数
1〜6の脂肪族または脂環族の炭化水素基である。トリ
アルコキシシランの具体的な例としては、トリメトキシ
シラン、トリエトキシシラン、トリi−プロポキシシラ
ン、トリn−ブトキシシラン、メトキシジエトキシシラ
ン、ジメトキシモノシクロヘキソキシシラン等が挙げら
れる。トリアルコキシシランは例えばケイ素とアルコー
ルを銅触媒の存在下液相中で穏和な条件で反応させるこ
とにより得られる。
本発明方法で使用される低級アルコールは一般式(2)
で示される炭素数1〜6の脂肪族低級アルコールであ
る。
R4OH (2) その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n
−ペンタノール、i−ペンタノールおよびシクロヘキサ
ノール等である。低級アルコールの使用量はトリアルコ
キシシラン1モルに対して0.01〜104モル、好ましくは
1〜100モルの範囲から選択される。
テトラアルコキシシランを製造する反応は一般式(3)
で示される HSi(OR1)(OR2)(OR3)+R4OH→ Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4)+H2 (3) なお、この反応のほかに、トリアルコキシシランと低級
アルコール、あるいは生成したテトラアルコキシシラン
と低級アルコールとの間のアルコキシ基の交換反応が併
発することもあり得ると推測される。
本発明方法における反応は、陰イオン交換樹脂を触媒と
して使用し実施される。
ここで云う陰イオン交換樹脂とは、三次元に重合した高
分子基体に、交換基として1〜3級のアミンまたは、4
級アンモニウム基を結合させた樹脂であり、高分子基体
の代表的なものとしては、スチレンとジビニルベンゼン
との共重合体がある。
イオン交換樹脂に於ては、共重合体の架橋度が8%以下
の低架橋度樹脂とそれ以上の高架橋度樹脂に分類される
が、本発明ではそのいずれもが使用できる。また構造的
に多孔度によつてゲル状、ポーラス状、ハイポーラス状
の形状に分類されるが、本発明ではそのいずれもが使用
できる。また一般的に入手出来る陰イオン交換樹脂は、
化学的に安定なCl(R−N・Cl)形であり、通常使用に
際してNaOH溶液を用いてOH(R−N・OH)形に再生する
が、本発明方法では、Cl形でも、OH形でも何等さしつか
えない。
市販の陰イオン交換樹脂の具体的例としては、DIAIONの
SA−10A、HPA−25、PA−306、WA−20、WA−30等(登録
商標,三菱化成工業(株)製品)を挙げることができ
る。
触媒としての陰イオン交換樹脂使用量は、原料トリアル
コキシシランに対して、10-10重量%以上でその本来の
目的を達成する事が出来るが、通常0.01〜50重量%の範
囲の条件が採用される。
本発明方法においては、反応溶媒の使用は必須ではない
が、反応を円滑に実施するために、溶媒を使用すること
が好ましい。溶媒の具体例としては、 クメン,n−ブチルベンゼン,シメン,ヘキサメチルベン
ゼン,トリエチルベンゼン,ドデシルベンゼン,ジドデ
シルベンゼン,ビフエニル,タ−フエニル等の置換ベン
ゼン類、 ナフタレン,メチルナフタレン,ジメチルナフタレン,
ジエチルナフタレン,プロピルナフタレン,ジプロピル
ナフタレン,トリプロピルナフタレン,アントラセン,
メチルアントラセン,ジメチルアントラセン,t−ブチル
アントラセン等の無置換および置換の多環芳香族炭化水
素類、 n−デカン,ドデカン,テトラデカン,オクタデカン,
流動n−パラフイン,イソパラフイン,ドデシルシクロ
ヘキサン,ジシクロヘキシル,トリシクロヘキシル等の
脂肪族炭化水素類、 ジフエニルメタン,トリフエニルメタン,ジトリルメタ
ン,ベンジルトルエン,ジベンジルトルエン,ジベンジ
ルキシレン,ジフエニルエタン,トリフエニルエタン等
のアリールアルカン類、 ジフエニルエーテル,ジベンゾ−18−クラウン−6,ジシ
クロヘキシル−18−クラウン−6等のエーテル類、 ヘキサ(n−ブトキシ)ジシロキサン,オクタ(n−プ
ロポキシ)トリシロキサン,ヘプタメトキシジエトキシ
テトラシロキサン,ドデカメトキシペンタシロキサン等
が挙げられる。
溶媒の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、
溶媒中のアルコキシシランの容積百分率として、通常1
〜95%、好ましくは5〜80%の範囲が採用される。
本発明方法の反応は、液相系で回分的あるいは連続的に
実施される。回分法は密閉形式でも、或いはまた、生成
アルコキシシラン類の一部を反応経過中に反応帯域外に
とり出す方式を含む開放形式のいずれでも実施可能であ
り、液相懸濁方式が好ましい。また連続法では固定床あ
るいは流動床方式で好ましく実施される。反応圧力は0.
01〜200atmの中の任意の条件が選ばれるが、反応経過中
にアルコキシシラン類を反応帯域外にとり出すために
は、反応圧力を比較的低く設定することが望ましい。好
ましい反応圧力は0.05〜20atm、更に好ましくは0.1〜5a
tmの範囲である。反応温度は−10〜300℃、好ましくは
−10〜100℃の範囲から選択される。
また、プロセスを円滑にすすめる目的で、不活性気体を
通じながら反応を行なうことが可能である。不活性気体
の具体的例としては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ア
ルゴン、および水素等が挙げられる。不活性気体の使用
量は、とくに限定されないが、通常は反応帯域の液相部
と気相部の合計体積を基準として、その平均滞留時間が
0.00001〜10hr、好ましくは0.001〜0.05hrの範囲であ
る。
反応終了後、要すれば反応液中よりテトラアルコキシシ
ランを回収する。回収方法は特に限定されるものではな
く、慣用技術が採用され、例えば反応液を蒸留すること
により行なわれる。
同様に必要あれば未反応原料、溶媒、触媒を夫々回収
し、再使用することができる。触媒の回収法も特に限定
されるものではないが、例えばテトラアルコキシシラ
ン、未反応原料を留去した後、沈降法や過法により溶
媒と触媒を容易に分離することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はその要旨を超えない限り以下の実施例に制約される
ものではない。
実施例1 流出口を備えた直径1.0cm長さ30cmの円筒型固定床反応
器に陰イオン交換樹脂ダイヤイオン−SA10A(登録商
標、三菱化成工業(株)社製)を1.0ccおよびメタノー
ル10ccを仕込んだ。
反応器流出口には、生成テトラメトキシシランおよび未
反応メタノールを捕集できる受器を備えた。
反応器下部より、メタノール44.6重量%、トリメトキシ
シラン41.8重量%およびテトラメトキシシラン13.6重量
%の混合液を導入した。導入速度は30cc/時で一定とし
た。
5時間経過した時点で混合液の導入を停止し、さらに30
分間反応させた。反応後流出液および反応器内残留物全
てをガスクロマトグラフイーによつて分析した。その結
果、未反応トリメトキシシランは全く認められずテトラ
メトキシシランは84.0gであつた。仕込テトラメトキシ
シランに対して66.5g増加したことが確認された。
実施例2 攪拌装置、混合液導入管、還流器および温度計を備えた
13つ口フラスコに触媒として陰イオン交換樹脂ダイ
ヤイオン−SA20A(登録商標、三菱化成工業(株)社
製)を5.0ccおよびメタノール50ccを仕込んだ。
混合液導入管より、メタノール44.6重量%、トリメトキ
シシラン41.8重量%およびトテラメトキシシラン13.6重
量%の混合液を導入した。導入速度は100cc/時で一定と
した。
5時間経過した時点で混合液の導入を停止し、さらに30
分間反応させた。ガスクロマトグラフイーを使用して反
応液を分析したところ、未反応のトリメトキシシランは
全く検出されなかつた。テトラメトキシシランは280.0g
であり、仕込テトラメトキシシランに対して221.5g増加
した。
〔発明の効果〕
本発明によればトリアルコキシシランを原料とし、陰イ
オン交換樹脂を触媒としてアルコールと反応させること
により、温和な条件で収率よくテトラアルコキシシラン
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 和夫 福岡県北九州市八幡西区大字藤田2447番地 の1 三菱化成工業株式会社黒崎工場内 (72)発明者 森 知行 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 工業株式会社水島工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリアルコキシシランと脂肪族低級アルコ
    ールを、陰イオン交換樹脂の存在下に反応させることを
    特徴とするテトラアルコキシシランの製法。
JP61310114A 1986-12-29 1986-12-29 テトラアルコキシシランの製法 Expired - Lifetime JPH0723385B2 (ja)

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