JP3197295B2 - アルコキシシランの脱塩素処理方法 - Google Patents

アルコキシシランの脱塩素処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシシランに含
まれる残留塩素化合物を除去する方法に係り、更に詳し
くは、アルコキシシラン中に含まれる残留塩素化合物を
有機エポキシド化合物と反応させて高沸点化合物に変
え、次いで沸点差を利用して蒸留により残留塩素化合物
が除去されたアルコキシシランを得る方法に関する。
【0002】
〔但し、式中Rは炭素数1〜10個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である〕
(2)金属硅素とアルコール類とを塩化銅等の銅系触媒
の存在下に反応させてアルコキシシランを製造する方
法。すなわち、上記の製造方法(1)で製造されたアル
コキシシラン中には、副生した塩化水素及び未反応物で
あるクロロシラン等の加水分解性塩素に起因する不純物
や、アルコールと塩化水素との反応生成物であるアルキ
ルクロライド等の非加水分解性塩素に起因する不純物等
が含有されており、また、上記製造方法(2)で製造さ
れたアルコキシシラン中にも、製造方法(1)で製造さ
れたアルコキシシランと同様に、塩化銅の加水分解生成
物である塩化水素や、アルコールとこの塩化水素との反
応生成物であるアルキルクロライド等が含有されてい
る。
【0003】そして、この様にアルコキシシラン中に残
留する残留塩素化合物は、この様なアルコキシシランを
中間化合物として使用する最終製品中にも残留し、特に
最終製品が電気・電子産業用として使用される場合には
この残留塩素化合物に起因する絶縁性低下等の電気的問
題を引き起こす。このため、この様な用途に使用するア
ルコキシシランについては、残留塩素化合物の含有量が
可及的に低いことが要求され、例えば重量基準で残留塩
素濃度(塩素原子換算濃度)100ppm以下にまで低
下させることが要求されている。
【0004】そこで、従来においても、アルコキシシラ
ン中の残留塩素化合物を除去するための幾つかの方法が
提案されている。例えば、特開平2−237,601号
公報には、塩基性陰イオン交換樹脂と接触させる方法が
提案されている。しかしながら、この方法においては、
塩基性陰イオン交換樹脂中にアルコキシシランが残留し
てこの塩基性陰イオン交換樹脂の再生が困難であり、ま
た、同時にアルコキシシランの不均化が起こって収率が
低下するという問題がある。また、特開平2−235,
887号公報には、有機金属化合物と接触させる方法が
提案されているが、この方法においても、アルコキシシ
ランの不均化が起こり、収率が低下するという問題があ
る。更に、特開昭63−201,192号公報には、ア
ルカリ金属化合物と接触させる方法が提案されている
が、この方法においても、不均化の問題があるほか、残
留塩素化合物を充分に除去できないという問題がある。
その他に、残理由塩素化合物を含むアルコキシシランを
ピリジン、アニリン類、アミン類、アンモニア又はナト
リウムアルコラート等の塩基性化合物で処理する方法も
ある〔J.Organometallic Chem.
265,pp135〜139(1984)〕が、これら
の方法では、例えばトリアルコキシシラン等は下記反応
式により不均化を起こし、シランガスが発生して危険で
あると共に、収率が低下するという問題がある。 4HSi(OR)3 → SiH4 +3Si(OR)4 また、アルコキシシラン中の残留塩素化合物を酸性白土
存在下に加熱処理して中和し、この中和塩を除去する方
法も提案されている(特開昭60−255,469号及
び特開昭62−114,992号の各公報)が、この方
法においては、イオン性塩素又は非イオン性塩素の両者
が除去できるという利点があるものの、精製工程が複雑
で製品のロスが多く、収率が低下し、工業的に実施する
には不適当であるという問題点がある。
【0005】ところで、本発明者らの実験によれば、上
記アルコキシシランの工業的製造方法においては、理論
的には全てのクロロシラン材料あるいは又は金属硅素が
アルコールと反応してアルコキシシランになるように設
計されているが、実際には生成したアルコキシシラン中
に残留塩素化合物がこのアルコキシシラン中に残留塩素
濃度500〜1,000ppmも残っている。そして、
このアルコキシシラン中の残留塩素化合物を除去するた
めの上記各方法について、本発明者らが追試実験を行っ
たところ、アルコキシシランの不均化反応を防ぎなが
ら、アルコキシシラン中の残留塩素濃度をある一定レベ
ル以下、例えば10ppm以下にすることは極めて困難
であることが判明した。
【0006】しかるに、アルコキシシラン中に残留する
塩素化合物が何であれ、アルコキシシラン中の残留塩素
濃度はそれが低ければ低い程よく、例えば、ある種の電
気・電子産業用の用途においてはアルコキシシラン材料
が約5〜10マイクロオーム/cmの電気伝導率を有す
ることが要求されているが、この電気伝導率の値は、残
留塩素濃度との相関関係は完全には明確ではないが、残
留塩素濃度が低下すればそれに連れて低下することが知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、アルコキシシラン中に残留する塩素化合物を除去す
るための新しい方法について鋭意研究を重ねた結果、こ
の残留塩素化合物を捕獲する物質として有機エポキシド
化合物を使用することにより、有利にアルコキシシラン
中の残留塩素化合物を除去することができることを見出
し、本発明を完成した。従って、本発明の目的は、アル
コキシシラン中に残留する塩素化合物を、簡便な手段で
安全かつ効率的に低減させるアルコキシシランの脱塩素
処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式Hn Si(OR)4-n 〔式中、Rは炭素数1〜10
の脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、nは0〜3の
整数である〕で表されるアルコキシシランに含まれる残
留塩素化合物を除去するに際し、残留塩素化合物を含有
する粗アルコキシシランを有機エポキシド化合物と接触
させ、次いで蒸留によりアルコキシシランを分離するア
ルコキシシランの脱塩素処理方法である。
【0009】本発明において、脱塩素処理の対象となる
アルコキシシランは、一般式Hn Si(OR)4-n 〔式
中、Rは炭素数1〜10の脂肪族又は芳香族の炭化水素
基であり、nは0〜3の整数である〕で表されるアルコ
キシシランであり、クロロシラン類又はオルガノクロロ
シランとアルコール類とを反応させる方法や、金属硅素
とアルコール類とを塩化銅等の銅系触媒の存在下に反応
させる方法で得られた残留塩素化合物、例えば塩化水素
又はクロロシラン類等の加水分解性塩素を有する不純物
やアルキルクロライド類等の非加水分解性塩素を有する
不純物を含有する粗アルコキシシランである。この様な
粗アルコキシシランは、通常、その残留塩素濃度が50
0〜1,000ppmである。
【0010】この様なアルコキシシランの具体例として
は、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、トリ(n−プロポキシ)シラン、トリ(iso−プ
ロポキシ)シラン、トリ(n−ブトキシ)シラン、トリ
(sec−ブトキシ)シラン、トリ(t−ブトキシ)シ
ラン、トリフェノキシシラン、トリベンジロキシシラ
ン、トリ(フェニルエチロキシ)シラン、ジメトキシシ
ラン、ジエトキシシラン、ジ(n−プロポキシ)シラ
ン、ジ(iso−プロポキシ)シラン、ジ(n−ブトキ
シ)シラン、ジ(sec−ブトキシ)シラン、ジ(t−
ブトキシ)シラン、ジフェノキシシラン、ジベンジロキ
シシラン、ジ(フェニルエチロキシ)シラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトラクレジロキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチ
ルトリ(n−ブトキシ)シラン等が挙げられる。
【0011】本発明方法が適用されるアルコキシシラン
として特に好ましいものは、一般式Hn SiClm (O
R)[4-(n+m)] 〔但し、式中Rは炭素数1〜8の有機基
であり、nは0〜3の整数であり、mは1〜3の整数で
あり、n+mは1〜3の整数である〕で表され、分子中
の硅素原子に結合する少なくとも1〜3個の水素を含有
するトリアルコキシシラン又はジアルコキシシランであ
る。この様なトリアルコキシシラン又はジアルコキシシ
ラン中には、その製造方法によっても異なるが、通常、
残留塩素化合物が残留塩素濃度20〜1,000ppm
の濃度で含まれている。
【0012】また、本発明で使用する有機エポキシド化
合物としては、例えば、フェニールグリシジルエーテ
ル、ベンジルグリシジルエーテル、ブチルグリシジエー
テル、アリルグリシジルエーテル、p−メトキシエチル
グリシジルエーテル、メチルスチレンオキシド、スチレ
ンオキシド、シクロヘキセンオキシド、ビニルジクロヘ
キセンモノオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソブ
テンオキシド、プロピレンオキシド、ビニルシクロヘキ
センオキシド、オクテンオキシド、ドデセンオキシド、
グリシジルベンゼン、イソプロピルグリシジルエーテル
等を挙げることができる。
【0013】この様な有機アルコキシド化合物を、残留
塩素化合物を含有する粗アルコキシシランと接触させる
方法については、これら有機アルコキシド化合物と粗ア
ルコキシシランとが均一に接触すればよく、特に制限さ
れるものではないが、有機エポキシド化合物は通常液体
であり、しかも、アルコキシシランと良く溶け合うの
で、この有機エポキシド化合物を粗アルコキシシラン中
に添加して攪拌することにより、容易に溶解させて均一
に接触させることができる。それ故、この有機アルコキ
シド化合物の接触操作は、アルコキシシランの製造工程
で得られた粗アルコキシシランの蒸留精製の際にこの粗
アルコキシシラン中に有機アルコキシド化合物を添加
し、蒸留操作と同時に行うのが有利である。
【0014】ここで、有機エポキシド化合物の使用量
は、粗アルコキシシラン中に含まれる塩素1当量に対し
て、通常0.5〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.
3当量であるのがよい。また、接触温度については室温
から100℃程度でよく、接触時間については接触温度
が低い時には5〜15時間程度であり、また、接触温度
が高い時には0.2〜3時間である。
【0015】この様にして粗アルコキシシランと有機エ
ポキシド化合物とを接触させた後、粗アルコキシシラン
は蒸留に付されて脱塩素処理される。この蒸留方法につ
いても、特に制限はなく、通常の蒸留又は連続蒸留等を
採用することができる。
【0016】本発明方法により脱塩素処理されたアルコ
キシシランは、通常、3ppm以下、好ましくは0.1
ppm以下にまでその残留塩素濃度が低減しており、残
留塩素を可及的に減少させる必要がある電気・電子産業
用の用途向けに特に有用であるほか、シランカップリン
グ剤、合成石英、シリコーン架橋剤等を製造する際の中
間化合物としても有用である。
【0017】
【作用】本発明方法においては、粗アルコキシシラン中
に残留する塩素化合物が有機エポキシド化合物中のエポ
キシ基と反応して高沸点化合物を生成し、その際に有機
エポキシド化合物のエポキシ基が開環して塩素化合物の
塩素原子が生成した高沸点化合物に結合し、アルコキシ
シランを蒸留して精製する際にこの高沸点化合物と共に
塩素原子が除去されるものと考えられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0019】実施例1 500mlの撹拌機付反応容器にアルコール導入管、有
機ハロゲン化物導入管、生成物留出管及び温度計をセッ
トし、反応容器内には純度98重量%の平均粒径約50
μmの金属硅素粉末150gと、沸点280℃のアルキ
ルベンゼン系炭化水素〔三菱油化(株)製商品名:AB
−HL〕300gと、塩化第一銅7.5gとを仕込み、
また、留出管出口には冷却器をセットした。この反応容
器内に100ml/分で窒素ガスを流しながら撹拌下に
200〜250℃に加熱し、5時間金属硅素粉末と塩化
第一銅とを接触させ、その後、反応容器内にはアルコー
ル導入管から純度99.9重量%以上のメチルアルコー
ルを液として30ml/hrの速度で導入すると共に、
有機ハロゲン化物導入管からは塩化メチルをガスとして
20ml/分の速度で導入し、反応容器内を170〜1
80℃に保って40時間反応を行い、生成物留出管の出
口から留出してくる反応生成物をその出口に接続した冷
却器で冷却し、粗トリメトキシシランを連続的に捕集し
た。得られた粗トリメトキシシランの組成は、トリメト
キシシランが45重量%で、テトラメトキシシランが9
重量%で、未反応メタノールが46重量%であった。ま
た、この粗トリメトキシシラン中には、塩素化合物が塩
素濃度として600ppm(塩素として0.06重量
%)含有されていた。
【0020】この様にして得られた粗トリメトキシシラ
ン200g中にフェニルグリシジルエーテル0.7g添
加し、直径10mm、長さ1,000mm、充填物(3
mmラジッヒリング)のパイレックス製精留塔を使用し
て精留し、メタノールとトリメトキシシランの共沸混合
物170gを得た。この共沸混合物中にはメタノール8
7gとトリメトキシシラン83g(回収率92重量%)
とが含まれており、残留塩素濃度は3.5ppmであっ
た。
【0021】実施例2 実施例1と同様にして、金属硅素とエタノールからトリ
エトキシシランを製造した。得られた粗トリエトキシシ
ランの組成はトリエトキシシラン55重量%、テトラエ
トキシシラン10重量%及び未反応エタノール35重量
%であり、残留塩素化合物の残留塩素濃度は750pp
mであった。
【0022】この粗トリエトキシシラン200gを上記
実施例1と同様な精留装置で精留し、エタノール76g
を留出させた。このエタノール中の残留塩素濃度は24
0ppmであった。次に、エタノールを留出させた後に
フェニールグリシジルエーテル0.6gを添加し、引続
き精留してトリエトキシシラン102g(純度98%)
を得た。このトリエトキシシラン中の残留塩素濃度は
2.5ppmであり、トリエトキシシランの回収率は9
3重量%であった。
【0023】実施例3 実施例1と同様にして未反応メタノールの少ない粗トリ
メトキシシランを得た。この粗トリメトキシシランの組
成はトリメトキシシラン71重量%、テトラメトキシシ
ラン18重量%及び未反応メタノール11重量%であ
り、残留塩素濃度が450ppmであった。
【0024】この粗トリメトキシシラン200gを精留
してメタノール、トリメトキシシラン、共沸混合物43
g、トリメトキシシラン(純度97%)93gを得た。
このトリメトキシシランの残留塩素濃度は240ppm
であった。次に、このトリメトキシシラン93gにブチ
ルグリシジルエーテル0.2gを添加して単蒸留し、ト
リメトキシシラン85g(純度98%)を得た。このト
リメトキシシランの残留塩素濃度は4ppmであった。
また、トリメトキシシランの回収率は91重量%であっ
た。
【0025】実施例4 容量800lの反応釜を使用し、実施例1と同様な方法
に準じてパイロットプラントでトリメトキシシランの製
造を行い、反応生成物を蒸留して純度98.5重量%
(メタノール0.01%、ジメトキシシラン0.23
%、テトラメトキシシラン1.2%)及び残留塩素濃度
220ppmの粗トリメトキシシラン273kgを得
た。この粗粗トリメトキシシランのpHは2であった。
【0026】得られた粗トリメトキシシラン273kg
に0.4kgのフェニルグリシジルエーテルを添加し、
充分に攪拌した後そのまま20℃で12時間放置した。
この12時間放置後のpHは4.0であり、また、これ
を精留塔で精留した。この精留の結果を表1に示す。な
お、精製蒸留して得られたトリメトキシシランのpHは
7であった。
【0027】
【表1】 この表1の結果から明らかなように、製品トリメトキシ
シランのpHは7であり、回収率は99.0重量%であ
って、不均化反応は起きていないことが判明した。
【0028】実施例5 メタノールに代えてエタノールを使用した以外は、実施
例4と同じ方法でトリエトキシシランの製造を行い、得
られた反応生成物を精留して純度98重量%の粗トリエ
トキシシラン250kgを得た。この粗トリエトキシシ
ラン中の不純物は、未反応エタノール0.01重量%、
ジエトキシシラン0.3重量%及びテトラエトキシシラ
ン1.5重量%であり、残留塩素濃度は410ppmで
あって、pHは2.0であった。
【0029】得られた粗トリエトキシシラン250kg
にブチルグリシジルエーテル0.5kgを添加し、30
分間全還流してから精留した。この精留の結果を表2に
示す。なお、精製蒸留して得られたトリエトキシシラン
のpHは7であった。
【0030】
【表2】 この表2の結果から、製品トリエトキシシランのpHは
7であり、回収率は90重量%であって、不均化反応は
起きていないことが判明した。
【0031】比較例1 実施例4で製造した粗トリメトキシシラン(残留塩素濃
度220ppm)を100gを使用し、これを弱塩基性
陰イオン交換樹脂〔ロームアンドハース(株)製商品
名:アンドーリストA−21〕9gを充填した断面積2
cm2 ×長さ50cmの大きさのカラムの上部から常
温、常圧、液空間速度30分の条件で流下させて精製し
た。得られたトリメトキシシラン99.2gの残留塩素
濃度は78ppmであった。
【0032】比較例2 実施例5で製造した粗トリエトキシシラン(残留塩素濃
度410ppm)100gを使用し、これに酸化マグネ
シウム2gを添加して単蒸留した。得られたトリエトキ
シシランの純度は91重量%であり、不純物としてジエ
トキシシラン2.3重量%及びテトラエトキシシラン
4.3重量%が含有されており、また、残留塩素濃度は
250ppmであった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、アルコキシシラン中に
残留する塩素化合物を、簡便な手段で安全かつ効率的に
低減させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−230291(JP,A) 特開 平4−46183(JP,A) 特開 平4−26694(JP,A) 特開 平2−237601(JP,A) 特開 平2−235887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/04 C07F 7/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Hn Si(OR)4-n 〔式中、R
    は炭素数1〜10の脂肪族又は芳香族の炭化水素基であ
    り、nは0〜3の整数である〕で表されるアルコキシシ
    ランに含まれる残留塩素化合物を除去するに際し、残留
    塩素化合物を含有する粗アルコキシシランを有機エポキ
    シド化合物と接触させ、次いで蒸留によりアルコキシシ
    ランを分離することを特徴とするアルコキシシランの脱
    塩素処理方法。
  2. 【請求項2】 有機エポキシド化合物を、粗アルコキシ
    シランの蒸留精製の際にこの粗アルコキシシラン中に添
    加する請求項1記載のアルコキシシランの脱塩素処理方
    法。
  3. 【請求項3】 有機エポキシド化合物の使用量が、粗ア
    ルコキシシラン中に含まれる塩素1当量に対して0.5
    〜1.5当量である請求項1又は2記載のアルコキシシ
    ランの脱塩素処理方法。
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