JP2724408B2 - ジアルキルモノクロロシランの製造方法 - Google Patents

ジアルキルモノクロロシランの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ジアルキルモノクロロシランの製造方法に
関し、さらに詳しくは、ジアルキルジクロロシラン類を
部分還元することによるジアルキルモノクロロシラン類
の製造方法[以下、第1発明ということがある。]およ
びジアルキルジクロロシラン類を還元してジアルキルシ
ラン類を製造し、該ジアルキルシラン類と原料であるジ
アルキルジクロロシラン類とを再分配反応させることに
よるジアルキルモノクロロシラン類の製造方法[以下、
第2発明ということがある。]に関する。
発明の技術的背景ならびににその問題点 シリコーン工業において、硅素原子に結合する水素を
有するジアルキルモノクロロシランは、他のオレフィン
性二重結合を有する化合物に容易に付加するので、変性
ポリシロキサン製造用の原料として、またシリコーンゴ
ムの架橋剤などとして有用な化合物である。従って、ジ
アルキルモノクロロシランの安価でかつ効率のよい製造
方法の開発が強く望まれている。
ところで従来、ジアルキルモノクロロシランを含むジ
オルガノモノクロロシランを製造する方法として以下の
ようなものが開示されている。
(イ)金属硅素とオルガノクロライドとを銅触媒の存在
下に反応させて、ジオルガノジクロロシランを製造する
際に副生するジオルガノモノクロロシランを分離する方
法。
(ロ)メチルハイドロジェンポリシロキサンと、ジオル
ガノジクロロシランとを、三塩化ほう素、トリスジメチ
ルアミノホスフィンオキサイド、テトラブチルアンモニ
ウムクロライドから選ばれる触媒の存在下に、再分配反
応させることによるジオルガノモノクロロシランの製造
方法(特公昭52−31854号公報)。
(ハ)オルガノポリシロキサンとポリハロゲノシランと
を、ヘキサアルキルホスホトリアミドの塩酸塩の存在下
に、再分配反応させることによるハロゲノシランの製造
方法(特開昭52−65226号公報)。
(ニ)ジメチルジクロロシランと水素化ナトリウムを触
媒量の塩化アルミニウムの存在下に100〜300℃の温度で
反応させるジメチルモノクロロシランの製造方法(特開
昭52−151130号公報)。
(ホ)ジメチルシランとジメチルジクロロシランとを、
三塩化アルミニウム触媒の存在下に、36〜70℃で常圧
下、気液相で反応させることによるジメチルモノクロロ
シランの製造方法(特開昭57−176991号公報)などであ
る。
また、ジアルキルモノクロロシラン類の製造方法では
ないものの、 (ヘ)アルキルトリクロロシラン類を、アルキルアルミ
ニウムハイドライドあるいは金属水素化物を還元剤とし
て用い、かつ原料であるアルキルトリクロロシラン類中
の全塩素原子数に対する還元剤中の全水素原子数の割合
を1未満として部分還元を行なうことにより少なくとも
1つの硅素−水素結合を有するアルキルクロロシラン類
の製造方法(特開昭63−48289号公報)も知られてい
る。
しかしながら、上記に開示された製造方法では、以下
のような問題点があった。すなわち、金属硅素とオルガ
ノクロライドとを銅触媒の存在下に反応させるいわゆる
直接法においては、副生するジオルガノモノクロロシラ
ンは、その収率が極めて低く、ジアルキルモノクロロシ
ランを選択的に製造する方法としては、不適であるとい
う問題点があった。また、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンまたはオルガノポリシロキサンとポリハロゲン
ノシランとを触媒の存在下に再分配反応させることによ
るジオルガノモノクロロシランの製造方法においては、
原料であるメチルハイドロジェンポリシロキサンまたは
オルガノポリシロキサンの製造が困難であり、工業的に
実施するうえでの問題点があった。また、ジメチルジク
ロロシランと水素化ナトリウムとを触媒量の塩化アルミ
ニウムの存在下に反応させるジメチルモノクロロシラン
の製造方法においては、密閉反応容器中で反応を行なう
ため、反応圧力が高く、かつ反応時間が6時間程度と長
いため、容積の大きな耐圧反応器が必要とされ、設備費
が嵩むという問題点があった。さらに、ジメチルシラン
とジメチルジクロロシランとを触媒の存在下に、気液相
にて反応させることによるジメチルモノクロロシランの
製造方法においては、原料であるジメチルシランが入手
し難いという工業的に実施するうえでの問題点があっ
た。
また本発明者らは、本発明の第1発明の方法を用い
て、アルキルトリクロロシラン類の部分還元を試みたと
ころ、アルキルトリクロロシラン類は全還元されて、ア
ルキルシラン類を選択的に与えることが判明した。
発明の目的 本発明は、ジアルキルモノクロロシランを製造するに
際し、原料の製造が困難であるもしくは原料が高価であ
る、設備費が嵩むといった従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであり、ジアルキルモノクロロシラン
の安価でかつ効率のよい製造方法を提供することを目的
としている。
本発明者らは、ジアルキルモノクロロシランを製造す
る方法を種々検討する中で、本発明の第1発明または第
2発明の方法を用いれば、ジアルキルモノクロロシラン
を安価にかつ短時間にて効率的に製造しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
発明の概要 本発明に係るジアルキルモノクロロシランの第1の製
造方法は、 一般式R2SiCl2[式中、Rは低級アルキル基であ
る。]で表わされるジアルキルジクロロシラン類を部分
還元して、 一般式R2SiHCl[式中、Rは前記と同意義。]で表わ
されるジアルキルモノクロロシラン類を製造するに際し
て、 (a)塩化リチウムと塩化カリウムからなる溶融塩の存
在下に、 (b)水素化リチウムを還元剤として用いて、 (c)ジアルキルジクロロシラン類の水素化リチウムに
対する重量空間速度を3〜100時間-1および反応温度を3
55〜470℃として反応を行なうことを特徴としている。
また本発明に係るジアルキルモノクロロシランを第2
の製造方法は、 一般式R2SiCl2[式中、Rは低級アルキル基であ
る。]で表わされるジアルキルジクロロシラン類を原料
として用いて、 一般式R2SiHCl[式中、Rは前記と同意義。]で表わ
されるジアルキルモノクロロシラン類を製造するに際し
て、 (a)ジアルキルジクロロシラン類を (i)塩化リチウムと溶融塩を形成しうる金属溶融塩の
存在下に、 (ii)水素化リチウムを還元剤として用いて、還元反応
を行なうことにより、 一般式R2SiH2[式中、Rは前記と同意義。]で表わさ
れるジアルキルシラン類を合成し、(b)得られたジア
ルキルシラン類と原料であるジアルキルジクロロシラン
類とを再分配反応させることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るジアルキルモノクロロシランの製
造方法について具体的に説明する。
ジアルキルジクロロシラン類 本発明で原料として用いられるジアルキルジクロロシ
ラン類は、一般式R2SiCl2[式中、Rは低級アルキル基
である。]で表わされる。
このようなジアルキルジクロロシラン類は、金属硅素
とアルキルクロライドとを銅触媒の存在下に反応させる
いわゆる直接法などにより得られる生成物であり、工業
的にかつ安価に入手可能なものである。
このようなジアルキルジクロロシラン類としては、具
体的には、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロ
シラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジイソプロ
ピルジクロロシランなどが挙げられる。
還元剤および金属溶融塩 本発明の第1発明に係るジアルキルモノクロロシラン
の製造方法では、水素化リチウムを還元剤として用い、
塩化リチウムと塩化カリウムとからなる溶融塩の存在下
でジアルキルジクロロシランの部分還元反応を行なう。
本発明の第1発明において、部分還元反応を開始する
前の上記溶融塩中の塩化リチウム濃度は、部分還元反応
を行なう温度で塩化リチウムが溶融しうる濃度とするこ
とが望ましい。また部分還元反応の進行に伴って塩化リ
チウムが生成し、溶融塩中の塩化リチウム含有量が増加
して塩化リチウム濃度が上昇するが、この組成変化に伴
って溶融塩の融点が変化する。従って、溶融塩中の塩化
リチウム濃度の下限は34重量%とし、上限は部分還元反
応により塩化リチウム含有量が増加しても、溶融塩中の
塩化リチウム濃度が62重量%を超えないようにすること
が望ましい。また、還元剤である水素化リチウムと上記
溶融塩との比は重量比にて、好ましくは10.5/100以下、
さらに好ましくは5/100以下とすることが望ましい。
本発明の第2発明に係るジアルキルシランの製造方法
では、まず水素化リチウムを還元剤として用い、塩化リ
チウムと溶融塩を形成しうる金属溶融塩の存在下にジア
ルキルジクロロシラン類の還元反応を行なう。
このような塩化リチウムと溶融塩を形成しうる金属塩
としては、具体的には、塩化カリウム、フッ化リチウ
ム、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、
塩化バリウム、臭化リチウムなどの金属塩、あるいはフ
ッ化リチウム/塩化カルシウム/フッ化カリウムなどの
混合物塩が挙げられる。これらの金属塩は単独で溶融塩
として使用してもよいが、融点を低下させ、溶融塩を加
熱するのに必要な熱エネルギーを低減させるために、塩
化リチウムとの混合溶融塩として用いることが望まし
い。
混合溶融塩として用いる場合の溶融塩の組成比および
水素化リチウムと溶融塩の重量比は特に限定されない。
本発明の第1発明および第2発明において、上記のよ
うな溶融塩の存在下に還元反応を行なうと、ジアルキル
ジクロロシラン類中の塩素原子と還元剤である水素化リ
チウム中のリチウム原子が反応して生成した塩化リチウ
ムが、系に存在する上記溶融塩に溶融吸収され、常に還
元剤である水素化リチウムの表面が更新されるために還
元反応を促進するものと考えられる。
第1発明の部分還元反応条件 本発明の第1発明に係るジアルキルジクロロシラン類
の部分還元反応は、たとえば、上記の組成となるように
塩化リチウムおよび塩化カリウムを反応器に充填し、撹
拌下に反応器を外部加熱することにより反応器内容物を
溶融・乾燥し、還元剤である水素化リチウムを加えた
後、原料であるジアルキルジクロロシラン類を該反応器
内溶融物に吹き込むことにより行なう。
ジアルキルジクロロシラン類の部分還元反応によって
生成したジアルキルモノクロロシランは連続的に生成す
る反応ガスより分離して回収する。また、反応ガスに含
有される未反応ジアルキルジクロロシランは、分離・回
収後、循環して再度原料として使用してもよい。
本発明の第1発明における原料であるジアルキルジク
ロロシラン類の還元剤である水素化リチウムに対する重
量空間速度(W.H.S.V.)は、3〜100時間-1であり、好
ましくは3〜50時間-1であることが望ましい。重量空間
速度が3時間-1未満であると、選択的にジアルキルシラ
ンが生成し、ジアルキルモノクロロシランが生成しない
ので、また、重量空間速度が100時間-1を超えると、ジ
アルキルジクロロシランの還元反応が起り難くなるので
いずれも好ましくない。
上記のような部分還元反応は、常圧下で行なってもよ
く、また加圧下もしくは減圧下で行なってもよい。ま
た、反応温度は355〜470℃であるが、355〜400℃である
ことが好ましい。
反応温度が355℃未満であると、塩化リチウムと塩化
リチウム混合塩が溶融しないので、また反応温度が470
℃を超えると、選択的にジアルキルシランを生成し、ジ
アルキルモノクロロシランを生成しないので、いずれも
好ましくない。
なお、本発明の第1発明の方法を実施するための装置
の一例を、原料としてジメチルジクロロシランを用いた
例について、第1図に基づいて説明する。第1図におけ
る1は還元反応器であり、内部に塩化リチウムと塩化カ
リウムの混合塩が充填されている。還元反応器内部を撹
拌機2で撹拌しながら、電気炉3にて外部から加熱を行
なうことにより、反応器内部の上記の混合塩を乾燥し溶
融する。次いで還元剤である水素化リチウムを加えた
後、配管4を通して、原料であるジメチルジクロロシラ
ンを、還元反応器1の上記溶融物に吹き込むように供給
し、ジメチルジクロロシランの部分還元反応を行なわせ
る。連続して生成する反応ガスは、配管5を通して水冷
コンデンサー6に導入し、先ず未反応ジメチルジクロロ
シラン(沸点70℃)を凝縮させる。凝縮したジメチルジ
クロロシランは、配管7を通して循環し、原料として再
使用する。水冷コンデンサー6にて凝縮しない非凝縮ガ
スは配管8を通して氷冷コンデンサー9に導入し、生成
物であるジメチルモノクロロシラン(沸点36℃)を凝縮
し、配管10を通して回収する。氷冷コンデンサー9にて
凝縮しないジメチルシラン(融点−20℃)などの非凝縮
ガスは配管11を通して廃ガス処理設備へ送り処理を行な
う。
第2発明の還元反応および再分配反応条件 本発明の第2発明に係るジアルキルジクロロシラン類
の還元反応は、塩化リチウムと溶融塩を形成しうる金属
溶融塩の存在下に、水素化リチウムを還元剤として用い
て反応を行なうが、その還元反応条件は、ジアルキルジ
クロロシラン類の還元剤である水素化リチウムに対する
重量空間速度(W.H.S.V.)を変ること以外は、本発明の
第1発明に係るジアルキルジクロロシラン類の部分還元
反応と同様にして行なえばよい。すなわち、本発明の第
2発明に係るジアルキルジクロロシラン類の還元反応
は、ジアルキルジクロロシラン類の還元剤である水素化
リチウムに対する重量空間速度を3時間-1未満として還
元反応を行なえばよい。
上記のような重量空間速度とすることにより、ジアル
キルシランを選択的に生成させることができる。また、
還元反応温度を470℃を超える温度に設定することによ
ってもジアルキルシランを選択的に生成させることが可
能である。
このようにして製造したジアルキルシラン類と原料で
あるジアルキルジクロロシラン類を用いて、次いで別反
応器にて再分配反応を行なう。その際、ジアルキルジク
ロロシラン類は、上記還元反応にて連続して生成する反
応ガスに含有される未反応ジアルキルジクロロシラン類
を、分離・回収後、循環して、再分配反応の原料として
再使用してもよい。本発明の第2発明に係る再分配反応
において、原料であるジアルキルシラン類とジアルキル
ジクロロシラン類との仕込比は、モル比で1.0以上であ
ることが好ましい。
また、再分配反応の触媒としては、三塩化アルミニウ
ム、三臭化アルミニウム、三フッ化アルミニウム、三塩
化ホウ素、三塩化鉄などのルイス酸類、第三級アミンな
どのアミン類、アンバーリストA21などの塩素性陰イオ
ン交換樹脂類およびホスホニウム塩類などの公知の触媒
を用いることができるが、このうち、三塩化アルミニウ
ム、三臭化アルミニウムを用いることが好ましい。
再分配反応における原料であるジアルキルシラン類お
よびジアルキルジクロロシラン類の上記再分配反応触媒
に対する重量空間速度(W.H.S.V.)は、たとえば、ジメ
チルシランとジメチルジクロロシランの再分配反応の場
合は、30〜100時間-1程度でよい。
上記のような再分配反応は、常圧で行なってもよく、
また加圧下もしくは減圧下で行なってもよい。また、反
応温度は好ましくは、たとえばジメチルシランとジメチ
ルジクロロシランの再分配反応の場合は、10〜70℃、さ
らに好ましくは36〜70℃であることが望ましい。
なお、本発明の第2発明を実施するための装置の一例
を、原料としてジメチルジクロロシランを用いた例につ
いて第2図に基づいて説明する。
第2図において、第1図と共通の機器については同一
の符号を付した。第2図における1は還元反応器であ
り、内部には塩化リチウムと溶融塩を形成しうるような
金属塩が充填されている。還元反応器内部を撹拌機2で
撹拌しながら、電気炉3にて外部から加熱を行なうこと
により、反応器内部の上記金属塩を乾燥し溶融する。次
いで還元剤である水素化リチウムを加えた後、配管4を
通して、原料である供給および循環ジメチルジクロロシ
ランを、還元反応器1の上記溶融物に吹き込むように供
給し、還元反応を行なわせる。連続して生成する反応ガ
スは、配管5を通して水冷コンデンサー6に導入し、先
ず未反応ジメチルジクロロシラン(沸点70℃)を凝縮さ
せる。凝縮したジメチルジクロロシランは、配管7およ
び配管15を通して還元反応器1に循環し、あるいは再分
配反応器12の原料として再使用する。水冷コンデンサー
6にて凝縮しない非凝縮ガスは、配管8を通して氷冷コ
ンデンサー9に導入し、生成物であるジメチルモノクロ
ロシラン(沸点36℃)を凝縮し、配管10を通して、再分
配反応にて生成したジメチルモノクロロシラン(配管18
経由)と合せて回収する。氷冷コンデンサー9にて凝縮
しないジメチルシラン(沸点−20℃)などの非凝縮ガス
は配管11を通して、撹拌機13および水浴を付設した、再
分配反応器12へ導入する。再分配反応器12には、再分配
反応触媒が充填されており、再分配反応のもう一方の原
料であるジメチルジクロロシランは、配管14および配管
15(循環ジメチルジクロロシラン)を通して再分配反応
器12に供給される。再分配反応器12から連続して生成す
る反応ガスは配管16を通して氷冷コンデンサー17に導入
し、生成物であるジメチルモノクロロシランを凝縮し、
配管18を通して、還元反応で生成したジメチルモノクロ
ロシラン(配管10経由)と合せて回収する。氷冷コンデ
ンサー17で凝縮しない非凝縮ガスは、配管19を通して廃
ガス処理設備へ送り処理を行なう。
なおジメチルシランとジメチルジクロロシランとの再
分配反応は、下記のような反応式で示される。
発明の効果 本発明に係るジアルキルモノクロロシランの製造方法
では、ジアルキルモノクロロシランを短時間にて、かつ
効率的に製造できるため、ジアルキルモノクロロシラン
の工業的な大量生産法として適している。また、本発明
に係るジアルキルモノクロロシランの製造方法では、原
料として安価でかつ入手が容易なジアルキルジクロロシ
ラン類を用いるので、ジアルキルモノクロロシランを安
価に製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3 第1図に示す装置を用いて、ジメチルジクロロシラン
の部分還元によるジメチルモノクロロシランの製造を行
なった。
すなわち、内容積26の還元反応器1に、塩化カリウ
ム7.0kgおよび塩化リチウム5.0kgを充填し、還元反応器
1を385℃に加熱して、混合塩を乾燥し溶融させた。こ
の溶融塩に還元剤である水素化リチウムを表1に示す量
加えた後、撹拌しながら、供給および循環ジメチルジク
ロロシランを、表1に示す供給速度にて、還元反応器中
の溶融塩に吹き込むことにより、部分還元反応を行なっ
た。
結果を表1に示す。
実施例4 ジメチルジクロロシランに代えて、ジエチルジクロロ
シランを用いたこと、および内容積10の還元反応器1
を用い、また水冷コンデンサー6の代わりにオイルバス
を用いて、コンデンサー6を130〜140℃に保ち、しかも
氷冷コンデンサー9の代わりに水冷コンデンサーを用い
た以外は、実施例1と同様にして部分還元反応によるジ
エチルモノクロロシランの製造を行なった。
結果を表2に示す。
比較例1 部分還元反応温度を500℃としたこと、および供給ジ
メチルジクロロシラン速度を2.51kg/時間、循環ジメチ
ルジクロロシラン速度を0.28kg/時間としたこと以外
は、実施例1と同様にして部分還元反応によるジメチル
モノクロロシランの製造を行なった。その結果、ジメチ
ルシランのみが生成し、ジメチルモノクロロシランは検
出されなかった。
比較例2 水素化リチウムに対するジメチルジクロロシランの供
給速度を重量空間速度で1.6時間-1となるように、供給
ジメチルジクロロシラン速度を0.33kg/時間、循環ジメ
チルジクロロシラン速度を0.06kg/時間とした以外は、
実施例1と同様にして部分還元反応によるジメチルモノ
クロロシランの製造を行なった。その結果、ジメチルシ
ランのみが生成し、ジメチルモノクロロシランは検出さ
れなかった。
比較例3 水素化リチウムに対するジメチルジクロロシランの供
給速度が重量空間速度で112時間-1となるように、供給
ジメチルジクロロシラン速度を1.4kg/時間、循環ジメチ
ルジクロロシラン量を1.4kg/時間として、水素化リチウ
ム量を25gとした以外は、実施例1と同様にして部分還
元反応によるジメチルモノクロロシランの製造を行なっ
た。しかしながら、ほとんど還元反応は起らなかった。
実施例5〜6 第2図に示す装置を用いて、ジメチルジクロロシラン
を還元してジメチルシランを製造し、このジメチルシラ
ンとジメチルジクロロシランとの間で再分配反応を行な
い、ジメチルモノクロロシランの製造を行なった。
ジメチルジクロロシランの還元反応を行なうに当って
は、還元反応温度および還元剤である水素化リチウムに
対するジメチルジクロロシランの重量空間速度を表3に
示すように変え、しかも還元反応での未反応ジクロロシ
ランを還元反応器へ循環しなかった以外は、実施例1と
同様にして反応を行なった。
すなわち還元反応ガスを水冷コンデンサー6で冷却
し、未反応のジメチルジクロロシランを凝縮して分離し
た。この分離したジメチルジクロロシランは、再分配反
応用原料として、配管15を通して再分配反応器12へ供給
した。水冷コンデンサー6からの非凝縮ガスは、さらに
氷冷コンデンサー9で冷却し、生成したジメチルモノク
ロロシランを凝縮させて分離・回収した。氷冷コンデン
サー9にて凝縮しないジメチルシランは、再分配反応の
原料として再分配反応器12へ供給した。
ジメチルシランとジメチルジクロロシランの再分配反
応は、内容積5の再分配反応器12にて行なった。再分
配反応器には、触媒を分散させてジメチルシランおよび
ジメチルジクロロシランとの接触効率を向上させるた
め、撹拌翼が液に没するのに必要な量のジメチルジクロ
ロシランを前もって仕込み、これに触媒を加えて、撹拌
を行なった。この反応器に氷冷コンデンサー9からのジ
メチルシランおよびジメチルジクロロシランを供給して
再分配反応を行なった。ジメチルジクロロシランは、水
冷コンデンサー6から供給されるものの他に、再分配反
応器へのジメチルジクロロシランの量がジメチルシラン
に対し、モル比で1.0となるように、配管14を通して新
たに供給した。
再分配反応で生成したジメチルモノクロロシランは、
氷冷コンデンサー17で凝縮し、氷冷コンデンサー9で分
離されたジメチルモノクロロシランと合せて回収した。
結果を表3に示す。
実施例7 ジエチルジクロロシランを原料として用いて、還元反
応および再分配反応によりジエチルモノクロロシランを
製造した。内容積10の還元反応器に塩化カリウム2.9k
g、塩化リチウム2.1kgを充填した後、還元反応器を385
℃に加熱して、混合塩を乾燥し溶融させた。この溶融塩
に200gの水素化リチウムを加えた後、撹拌しながら、50
0g/時間の供給速度にてジエチルジクロロシランを還元
反応器の溶融塩中へ吹き込むように供給し、還元反応を
行なった。
還元反応を行なっている間、水冷コンデンサー6で全
ての反応生成物を凝縮させ、凝縮液を内容積2のレシ
ーバーに受けた。反応終了後、レシーバ内の凝縮液の組
成を分析・確認した上で、ジエチルシランに対するジエ
チルジクロロシランのモル比が1.0となるようにジエチ
ルジクロロシランを追加した。
ジエチルシランとジエチルジクロロシランの再分配反
応は、上記のようにして得た混合液を使用して内容積2
の再分配反応器12を用いて行なった。再分配反応器に
は、撹拌翼が液中に没するのに必要なジエチルジクロロ
シランを前もって仕込み、触媒である三臭化アルミニウ
ムを添加、分散させた。この再分配反応器を反応温度に
加熱した後、レシーバー内のジエチルジクロロシランと
ジエチルシランの混合物を再分配反応器へ一定速度で供
給した。
再分配反応器内で生成したジエチルモノクロロシラン
は、コンデンサーにて凝縮して回収した。
結果を表4に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の方法を実施するための装
置および概略工程図を例示したものである。 1……還元反応器、2……撹拌機 3……電気炉 6……水冷コンデンサー 9……氷冷コンデンサー、12……再分配反応器 13……撹拌機 17……氷冷コンデンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 敏雄 神奈川県鎌倉市津1069番247号

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式R2SiCl2[式中、Rは低級アルキル
    基である。]で表わされるジアルキルジクロロシラン類
    を部分還元して、 一般式R2SiHCl[式中、Rは前記と同意義。]で表わさ
    れるジアルキルモノクロロシラン類を製造するに際し
    て、 (a)塩化リチウムと塩化カリウムからなる溶融塩の存
    在下に、 (b)水素化リチウムを還元剤として用いて、 (c)ジアルキルジクロロシラン類の水素化リチウムに
    対する重量空間速度を3〜100時間-1および反応温度を3
    55〜470℃として反応を行なうことを特徴とするジアル
    キルモノクロロシランの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式R2SiCl2[式中、Rは低級アルキル
    基である。]で表わされるジアルキルジクロロシラン類
    を原料として用いて、 一般式R2SiHCl[式中、Rは前記と同意義。]で表わさ
    れるジアルキルモノクロロシラン類を製造するに際し
    て、 (a)ジアルキルジクロロシラン類を (i)塩化リチウムと溶融塩を形成しうる金属溶融塩の
    存在下に、 (ii)水素化リチウムを還元剤として用いて、還元反応
    を行なうことにより、 一般式R2SiH2[式中、Rは前記と同意義。]で表わされ
    るジアルキルシラン類を合成し、(b)得られたジアル
    キルシラン類と原料であるジアルキルジクロロシラン類
    とを再分配反応させることを特徴とするジアルキルモノ
    クロロシランの製造方法。
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