JP2020534323A - メチルクロロヒドリドモノシランの製造の統合方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特にミュラー・ロショー直接法の生成物からの、メチルクロロヒドリドモノシランの製造のための統合方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、特にミュラー・ロショー直接法(MCSまたはDPRまたは直接合成、ロショー方法、またはミュラー・ロショー方法)の生成物からの、特にミュラー・ロショー直接法の生成物ストリーム全体からの、またはミュラー・ロショー直接法の部分的な部分または画分、例えば高シラン画分またはいわゆるDPR残留物からの、MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Clから選択されるメチルクロロヒドリドモノシランの製造のための新規な統合方法に関する。本発明の方法により、メチルクロロヒドリドシラン、特にMeSi(H)Cl[M2H]またはMeSi(H)Cl[MH]などの重要な中間体を、より費用効果が高く、より少ない量の望ましくない副生成物にて製造することができる。
技術的な問題
官能化シリコーンの製造における重要な中間体は、特にMeSi(H)Cl[M2H]またはMeSi(H)Cl[MH]である。それらのSiH基により、加水分解および縮合またはクロロ置換基を介した共縮合によって形成されるPDMS系ポリマーなどのシリコーンの官能化に例えば有機官能基を導入させる。これらの有機官能基は、最終的なシリコーン製品の特性を広範囲に調整するために使用できる。有機官能基は、不飽和有機化合物との触媒媒介ヒドロシリル化反応により導入される。したがって、そのようなメチルクロロヒドリドシランへの経済的かつ容易なアクセスは、シリコーン生成物ポートフォリオの高度な多様化を達成するために最も重要である。
MCS直接法(ミュラー・ロショー方法、MCS=メチルクロロシラン)自体は、これらの有効化および望ましいSiH含有中間体の商業的に十分な量をもたらさない。目的のメチルクロロヒドリドシラン(例えばM2HおよびMH)を分離するには、形成されたすべての成分をカラム蒸留で分離する必要がある。価値の低い不要な成分は、その後再分配プロセスに再導入される。実際、再分配の所与の化学的性質に従って、MH(MeSi(H)Cl)およびMono(MeSiCl)は、非常に価値があってより商業的に望ましい中間M2Hを生成するために供される必要がある(参照、MH+Mono−>M2H+Di(MeSiCl)。さらに、同等の価値のあるM2Hを生成することにより、あまり望ましくないMeSiCl[Di]もまた形成される。したがって、プロセス全体の経済性は比較的非効率的であると評価され得、そして現在まで他の大量生産ルートは、これらメチルクロロヒドリドシラン成分に利用できていない。
JP H03 24091A)は、還元剤として水素化リチウムを使用して、塩化リチウムおよび塩化カリウムを含む溶融塩中でRSiClを部分還元することによりRSiHClを製造するプロセスを記載している。第2の実施形態では、第1のステップで、塩化リチウムと溶融塩を形成できる金属溶融塩の存在下で、水素化リチウムでジアルキルジクロロシランを完全に還元することによってジアルキルジクロロシランが製造され、その後、別のステップで、このように製造されたジアルキルシランおよび原料として使用されるジアルキルジクロロシランが、別の反応器での再分配反応に付されて、ルイス酸触媒などの触媒の存在下でRSiHClを形成する。還元ステップのプロセスには高温が必要であり、溶媒中で実行されるプロセスへの指針はなく、還元と再分配が同時に実行されるプロセスだけとなる。
EP 0878476A1は、ジメチルモノクロロシラン(CHSi(H)Clを調製する方法に関し、ここでジメチルジクロロシラン(CHSiCl、水素化マグネシウム、および塩化アルミニウムを含む反応混合物は、不活性液体有機ビヒクル中でジメチルジクロロシランの部分水素化に供される。AlClの存在は技術的な問題を引き起こし、なぜならクロロシランへの高い溶解度と低い昇華温度により形成された生成物から分離することが難しいからである。また、望ましくないジメチルシランの量は比較的多い。
A.J. CHALK, JOURNAL OF ORGANOMETALLIC CHEMISTRY, vol. 21, no. 1, 1 January1970は、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)、テトラメチルウレア(TMU)および関連溶媒中の水素化ナトリウムにて、様々なクロロシランを対応するシリコン水素化物に還元することを記載している。MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、またはMeSi(H)Clの製造に関する記載はない。
Gerard Simon ET AL, Journal of Organometallic Chemistry, 1 January1981, 279-286頁は、高温(300℃)でのCaHまたは(TiHを使用したMeSiClおよびMeSiClの部分的再配分を教示し、これはMeSiHClおよびMeSiHClを低比率で生成することになる。触媒としてのAlClの存在下で、反応はクロロシランMeSiClおよびMeSiClの形成を促進し、それにより形成されるMeSiHClの量が低下する。また、AlClの存在は、クロロシランへの高い溶解度と低い昇華温度のために、形成された生成物から分離することが難しいため、技術的な問題を引き起こす。
CN 104 892659 Aは、アミドまたはウレイド溶媒メチルピロリドン、エチルピロリドン、またはN,N−ジメチルイミダゾリジノン中の水素化アルミニウム/塩化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム/塩化アルミニウム、水素化ナトリウム/塩化アルミニウムおよび水素化アルミニウム/水素化アルミニウムリチウムで還元することにより、ジアルキルジクロロシランからジアルキルモノクロロシランを合成する方法を開示している。そのような文献には、水素化反応とは別に再分配反応が起こるという指針はなく、メチルピロリドン、エチルピロリドン、またはΝ,Ν−ジメチルイミダゾリジノンが再分配反応を触媒するのに十分な求核性を持たないことも予想されている。
US 5136070は、請求項1によれば水素化ホウ素ナトリウム触媒の存在下でのシクロオルガノシランの不均化のプロセスに関する。出発原料としてメチルシランは使用されていない。
EP0301678は、アルキルスズ水素化物によるポリハロシランの選択的および段階的還元に関する。(CHSnHによる(CH)SiClの還元では、(CH)SiClHの痕跡量のみが形成される。クロロメチルシランの再分配は行われない。EP0301678のいくつかの箇所で再分配が述べられているが、それはもっぱらハロゲンシランのハロゲン交換を指している。
US3627803は、ケイ素のアルキル化なしでのSiH基を含むシランが得られる、300℃以上でのアルミニウムアルキルとハロおよび/またはアルコキシシランとの反応に関する。そのような文献には再分配のステップがある。
GB851013Aは、還元性ケイ素化合物を還元する方法に関し、水素化ナトリウムとシランとの間で175℃から350℃の温度で反応を起こすことを含む。再分配のステップの示唆はない。
J E Hengge ET AL, Monatshefte fuer Chemie, 1 January 1995, 549-555頁によると、トリアルキルスズヒドリド、例えばBuSnHは、モノ−およびジシランのSi−Cl結合の水素化に使用することができ、ここで水素化のみに必要とされる触媒(三級アミン、N−複素環、λ−リン化合物、アンモニウムおよびホスホニウム塩)に応じて、または(強い求核触媒を使用)にて、Si−Si結合も切断できる。一例では、1,2−ジメチルテトラクロロジシランとトリ−n−ブチルスズヒドリドにより、MeSi(H)Cl(20%)、MeSi(Cl)H(40%)、MeSiH(10%)の形成につながり、使用されたケイ素の総量の70から80%の割合で得られ、そして反応溶液は、出発物質の残留物、ならびに水素化ジおよびオリゴシランをいまだ含む。そのような文献には再分配反応の示唆はなく、比較的高過剰のトリアルキルスズヒドリドが必要である。さらに、MeSiHおよび副産物の量は比較的多く、スズ触媒は環境の観点から望ましくない。
MICHAEL N. MISSAGHI ET AL, ORGANOMETALLICS, vol. 27, no. 23, 8December 2008 (2008-12-08), 6364-6366頁は、有機官能化水素化ケイ素ハロゲン化物R(CH)SiHClの製造を開示している。水素化のステップは実行されていない。
RU 2 436 788 C1は、トリメチルシランが形成される65−74℃のトルエン中のテトラキス(ジエチルアミドホスホニウムブロミド)の存在下でのトリメチルクロロシランと水素化リチウムとの反応を開示している。再分配は記載されていない。US2013/172593A1は、水素化ステップを開示していない。
再分配反応は、アルキルヒドリドハロシラン、特にメチルジクロロシラン[MH]およびジメチルクロロシラン[M2H]へのアクセスを提供するのに有用であるが、これらの反応は、従来のミュラー・ロショー直接法からの副産物の限られた供給に依存している。後者は、主生成物としてジメチルジクロロシランを生産するために行われる。メチルジクロロシラン[MH]およびジメチルクロロシラン[M2H]の形成を増加させるためのミュラー・ロショー直接法の変更は、ルイス等によるUS4,973,725、およびハルム等によるUS4,966,986および4,965,388により開示されている。これらの開示のすべてにおいて、メチルジクロロシラン[MH]は、ジメチルクロロシラン[M2H]よりも大量に生成されている。しかしながら、必要なのは、ジメチルクロロシラン[M2H]に対してより高い選択性を持つプロセスである。特に望ましいのは、メチルジクロロシラン[M2H]に対してジメチルクロロシラン[M2H]が過剰に生成されるプロセスである。本発明は、特にLiHを用いた従来のミュラー・ロショー直接法を介して生成された混合物を反応させて主要成分であるジメチルジクロロシラン[Di]をジメチルクロロシラン[M2H]に変換することにより、この目的を達成しようとするものである。それにより、ミュラー・ロショー直接法の生成組成物を変更して、メチルヒドリドクロロシランに対する選択性を高め、特に、メチルジクロロシランに対して過剰のジメチルクロロシランを提供することもできる。
ここで特に解決すべき技術的目的は、特にミュラー・ロショー直接法の生成物または生成物の一部からメチルヒドリドクロロシランを選択的に形成する経済的に実行可能で効率的な経路を見つけることである。望まれる生成物は、M2HおよびMHを高収率でもたらし、望ましくない副生成物の形成を減らすべきである。
技術的問題の解決
これらの目的は、MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl、好ましくはMeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl2、最も好ましくはMeSi(H)Clから選択されるメチルクロロヒドリドモノシランを製造する方法によって驚くべきことに解決され、前記方法は、
(i)モノシラン、
(ii)ジシラン、
(iii)オリゴシラン、
(iv)カルボジシラン、
ただし、シラン(i)から(iv)の少なくとも1つが少なくとも1つのクロロ置換基を有する、
からなる群から選択される少なくとも1つのシランを含むシラン基材を
a)少なくとも1つの水素化物供与源との水素化反応、および
b)再分配反応、および
c)任意で、ジ−またはオリゴシランのSi−Si結合またはカルボジシランのSi−C結合の開裂反応、および
d)メチルクロロヒドリドシランの分離ステップに供することを含み、
ここで前記方法は、AlClの不在下で、好ましくはエーテル溶媒から選択される1つ以上の溶媒の存在下で実施され、
(i)モノシランは一般式(I)から選択され、
MeSiHCl (I)、
ここで
x=1から3
y=0から3
z=0から3、および
x+y+z=4であり、
(ii)ジシランは一般実験式(II)から選択され、
MeSiCl (II)
ここで
m=1から6、
n=0から5
o=0から5および
m+n+o=6であり、
(iii)オリゴシランは、一般実験式(III)の直鎖または分岐オリゴシランから選択され、
MeSiCl (III)
ここで
q=3から7
p=qから(2q+2)
r,s=0から(q+2)
r+s=(2q+2)−pであり、
(iv)カルボジシランは、一般式(IV)から選択され、
(MeSiHCl)−CH−(MeSiHCl)(IV)
ここで
a、cは互いに独立して1から3、
b、dは互いに独立して0から2
e、fは互いに独立して0から2、
a+b+e=3、
c+d+f=3である。
この統合方法により、特に、ミュラー・ロショー直接法の生成物ストリーム全体または一部を、望まれるメチルクロロヒドリドモノシランに直接変換させることができ、ここでこれは水素化反応を再分配反応と組み合わせ、そして特に、シラン基材内のミュラー・ロショー直接法のより高いシラン画分が存在する場合、さらに開裂反応と組み合わせる。すなわち、本発明の好ましい実施形態では、ミュラー・ロショー直接法の生成物ストリーム全体が、ワンポット反応で、水素化反応、開裂反応、および再分配反応に同時に供され、これにより所望のメチルクロロヒドリドモノシランが得られ、そして高収率で単離されることができる。さらに特に好ましい実施形態では、水素化リチウム(LiH)が水素化剤として使用され、形成された塩化リチウム(LiCl)から効率的に再生することができる。
本発明の好ましい実施形態
本発明によれば、用語「再分配反応」は、反応混合物含まれる1つ以上のシラン化合物のケイ素原子に結合する、水素、塩素置換基および/またはオルガニル基、好ましくは水素および塩素置換基の、これらの置換基の交換による再分配を表す。交換は、特に29SiNMRにより、GCおよび/またはGC/MSにより監視できる。再分配反応は、好ましくは、以下に記載される再分配触媒によって触媒される。
本発明の文脈におけるシランの再分配反応は、特に、1つの特定のクロロヒドリドメチルシランの形成を伴う2つの異なるメチルシラン(さらなる置換基として塩素のみを有するもの、およびさらなる置換基として水素のみを有するもの)の均等化を含み、例えば、特に:
MeSiCl+MeSiH=>2MeSiHCl
2MeSiCl+MeSiH=>3MeSiHCl
クロロヒドリドメチルシランが反応して2つの異なるメチルシラン(さらなる置換基として塩素のみを有するもの、およびさらなる置換基として水素のみを有するもの)を形成する望ましくない不均化とは反対である:
2MeSiHCl=>MeSiCl+MeSiH
3MeSiHCl=>2MeSiCl+MeSiH
本発明による方法の好ましい実施形態において、シランの再分配反応は、1つの特定のクロロヒドリドメチルシランの形成をもたらす、2つの異なるメチルシラン、特に、さらなる置換基として塩素のみを有する1つのメチルシランと、さらなる置換基として水素のみを有する1つのメチルシランの均等化を含む。
本発明において、本発明の方法に供されるシラン基材中のシランは、
(i)一般式(I)から選択されるモノシラン、
MeSiHCl (I)、
ここで
x=1から3、
y=0から3、
z=0から3、および
x+y+z=4であり、
(ii)一般実験式(II)から選択されるジシラン、
MeSiCl (II)
ここで
m=1から6、
n=0から5、
o=0から5、および
m+n+o=6であり、
(iii)一般実験式(III)の直鎖または分岐オリゴシランから選択されるオリゴシラン
MeSiCl (III)、
ここで
q=3から7
p=qから(2q+2)
r、s=0から(q+2)
r+s=(2q+2)−pであり、および
(iv)一般実験式(IV)から選択されるカルボジシラン、
(MeSiHCl)−CH−(MeSiHCl) (IV)
ここで
a、cは互いに独立して1から3であり、
b、dは互いに独立して0から2であり
e、fは互いに独立して0から2であり、
a+b+e=3
c+d+f=3であり、
ただし、式(I)から(IV)のシランの少なくとも1つは、少なくとも1つのクロロ置換基を有している、
からなる群の少なくとも1つのシランを含む。
好ましい実施形態では、シラン基材は、式(I)から(IV)のシランからなる。より好ましくは、シラン基材はMeSiClである。
一般実験式(II)のジシラン
MeSiCl (II)
はまた、下記構造式にても示すことができ、

ここで置換基R’は、メチル(Me)、水素(H)および塩素(Cl)から独立して選択され、ここでメチルの数m=1から6、水素原子の数n=0から5、および塩素原子の数o=0から5、そしてm+n+oの合計=6である。
一般式(III)のオリゴシラン
MeSiCl (III)
は、直鎖または分岐シラン骨格を有するオリゴシランであり、ここでq=3から7のケイ素原子が単結合によって互いに結合しており、そしてシラン骨格の自由原子価はメチル(Me)、水素(H)および塩素(Cl)から選択される置換基によって飽和しており、但しメチル基の数p=qから(2q+2)の条件であり、これは、各ケイ素原子に1つのメチル基(p=q)を有する場合、および過メチル化シラン(p=2q+2)の場合に相当し、つまり、シラン中に少なくとも3つのメチル基から最大16のメチル基(つまりSiMe16)が存在することを意味し;水素原子(r)と塩素原子(s)の数は互いに独立して0から(q+2)であり、そしてr+s=(2q+2)−pであり、ここでqはケイ素原子の数であり、そしてpはメチル基の数であり、ここでも、各Si原子が少なくとも1つのメチル基を持つことが好ましい条件である。
出願全体において、「実験式」という用語の意味は、式が構造式を表さず、分子内に存在する化学基または原子を単に要約することを意味することを意図している。たとえば、実験式RSiClは以下の構造式を含む。
より好ましくは、一実施形態では、本発明の方法に供されるシラン基材は、以下のシランのうちの少なくとも1つを含む:
(i)下記式から選択されるモノシラン:
MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiH、MeSiH、およびMeSiH、
(ii)下記式から選択されるジシラン:
ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe、ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeClH、HClMeSi−SiMeClH、
ClHMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeH
HMeSi−SiMeClH、ClMeSi−SiMeClH、MeSi−SiMeClH、HMeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeH、MeSi−SiMeH、およびMeSi−SiMeH、
(iii)下記式から選択されるオリゴシラン:
ClMeSi−SiMe−SiMeCl、ClMeSi−SiMe−SiMe−SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、(ClMeSi)SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、(ClMeSi)SiMe−SiClMe−SiClMe、[(ClMeSi)SiMe]
[(ClMeSi)SiMe]SiClMe、(ClMeSi)SiMe−SiMeCl、
ClMeSi−SiMeSiMeH、HMeSi−SiMe−SiMeH、HMeSi−SiMe−SiMe−SiMeH、
(HMeSi)SiMe、(HMeSi)SiMeH、(HMeSi)SiMe、(HMeSi)SiMe−SiHMe−SiHMe、
[(HMeSi)SiMe]、[(HMeSi)SiMe]SiHMe、および(HMeSi)SiMe−SiMeH、ならびに
(iv)下記式から選択されるカルボジシラン:
ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeCl MeSi−CH−SiMeCl、HClMeSi−CH−SiMeClH、HMeSi−CH−SiMeCl
HMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeClH、HMeSi−CH−SiMeH、HMeSi−CH−SiMeH
HMeSi−CH−SiMeH、MeSi−CH−SiMeH、およびMeSi−CH−SiMeH、
ただし、この方法で使用されるシランの少なくとも1つは、少なくとも1つのクロロ置換基を有しているという条件である。
より好ましくは、本発明の方法に供されるシラン基材は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つのシランを含み、その少なくとも1つ、好ましくはすべてが少なくとも1つの塩素置換基を有し、好ましくは上記のシランから選択される。
本発明の好ましい実施形態では、シラン基材は、ジシラン(ii)、オリゴシラン(iii)、およびカルボジシラン(iv)からなる群から選択される少なくとも1つのシランを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、シラン基材は、MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiH、MeSiH、MeSiH、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeCl、およびMeSi−CH−SiMeClからなる群から選択される少なくとも1つ、好ましくは1つ以上のシランを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の1つ以上の生成物(または生成物ストリーム)、好ましくは生成物全体を含む。
ミュラー・ロショー直接法の関連する反応は次の通りである(Me=CH):
xMeCl+Si−>MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、および他の生成物。
直接法の主な生成物は、上記の式(I)のものなどのモノシラン、特にジクロロジメチルシラン、MeSiClであって、約70−90wt%の収率(wt=重量)で得られる。次に最も豊富な生成物は総量の約3−15wt%のMeSiClである。他の生成物には、MeSiCl(約2−約4wt%)、MeHSiCl(約0.9−約4wt%)、MeHSiCl(約0.1−約0.5wt%)が含まれる。一実施形態では、これらのモノシランは分別蒸留により分離される。ミュラー・ロショー直接法の最大約10wt%、より好ましくは約0.1−約10wt%は、大部分がジシランである式(II)から(IV)のようなより高いシランで形成される。
したがって、本発明の方法に供される好ましいシラン基材は、例えば以下を含み、
−上記の式(II)から(IV)のものなどの1つより多いケイ素原子を有する約2重量%から約10重量%のより高いシラン、
−上記の式(I)のものなどの約80重量%から96重量%のモノシラン、ここで各パーセントは、前記シランの全量に基づいている。
より具体的には、本発明の方法に供される好ましいシラン基材は、例えば以下を含み、
− MeSiCl:約70wt%−約90wt%
− MeSiCl:約3wt%−約15wt%、
− MeSiCl:約2wt%−約4wt%、
− MeHSiCl:約0.9wt%−約4wt%、
− MeHSiCl 約0.1wt%−約0.5wt%、および
− 式(II)から(IV)のものなどよりも多いより高いシラン:約4wt%−約10wt%、
ここで各パーセントは、前記シランの全量に基づいている。シラン基材は、本明細書で具体的に言及されていない他のシランを、総量で例えば上記の組成物100部に基づいて最大3部含むことができ、すなわち、
− MeSiCl:約70wt%−90wt%
− MeSiCl:3wt%−15wt%、
− MeSiCl:2wt%−4wt%、
− MeHSiCl:0.9wt%−4wt%、
− MeHSiCl 約0.1wt%−約0.5wt%、および
− 式(II)から(IV)のものなどより多いより高いシラン:約4wt%−約10wt%、
の組成物を含むことができる。
本発明のさらに好ましい実施形態では、本発明の方法に供されるシラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の全生成物、またはミュラー・ロショー直接法の生成物の一部(画分または生成物ストリーム)である。
本発明の最も好ましい実施形態は、ミュラー・ロショー直接法の全生成物を本発明の方法に供することである。
本発明のさらに好ましい実施形態では、本発明の方法に供されるシラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物の1つ以上またはモノシラン画分全体を含む。
ミュラー・ロショー直接法生成物のより高いシラン画分(2以上のSi原子を有するシラン)の一部またはすべてであるシラン基材のみを本発明の方法に供することも可能である。
ミュラー・ロショー直接法生成物のオリゴシラン画分(3以上のSi原子を有するシラン)およびカルボジシラン画分であるシラン基材のみを本発明の方法に供することも可能である。
本発明のさらに好ましい実施形態では、本発明の方法に供されるシラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のより高いシラン画分(2以上のSi原子を有するシラン)であり、そこから少なくとも1つの成分が完全または部分的に分離されており、そしてその成分は、好ましくは、3以上の塩素原子を有するジシランおよび3以上のメチル基を有するジシランからなる群から選択される。
本発明のさらに好ましい実施形態では、シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物から少なくとも1つの成分が完全または部分的に分離されており、その成分は、MeSiCl4−n、ここでn=1−3であり、MeSi(H)Cl、MeSi(H)ClおよびMeSi(H)Clからなる群から選択される、ミュラー・ロショー直接法生成物の生成物または画分を含む。すなわち、一実施形態では、特に所望のメチルクロロヒドリドシラン(MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、および/またはMeSi(H)Cl)を含む現在の需要により価値があると考えられる1つ以上のモノシランが、残りのミュラー・ロショー直接法生成物から本発明の方法に供される前に分離される。
本発明のさらに好ましい実施形態では、最初に水素化反応a)を行うことが可能であり、その後−再分配および任意の開裂ステップの前に、メチルクロロヒドリドシランを反応混合物から分離する。本発明の方法は、好ましくはエーテル溶媒から選択される1つ以上の溶媒の存在下で実行されることが好ましい。
本発明によれば、エーテル溶媒は、エーテル化合物から選択することができ、好ましくは直鎖および環状脂肪族エーテル化合物からなる群から選択することができる。
本発明において、用語「エーテル化合物」は、エーテル基−O−、特に式R−O−Rを含む任意の有機化合物を意味するものとされ、ここでRおよびRは、オルガニル基Rから独立して選択される。
好ましくは、本発明において、Rは、炭素原子を介してケイ素原子に結合しているオルガニル基を表し、そしてそのオルガニル基は同じであっても異なっていてもよい。
好ましくは、オルガニル基は、任意に置換された、より好ましくは非置換の基であり、それは、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアラルキル、シクロアラルケニル、およびシクロアラルキニルからなる群から選択され、さらにより好ましくは、アルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアリールから選択され、さらにより好ましくは、メチル、ビニルおよびフェニルから選択され、そして最も好ましくは、Rはメチル基(本明細書ではMeと略される)である。
好ましくは、RおよびRは、置換または非置換の直鎖または分岐アルキル基またはアリール基であって、酸素、窒素または硫黄などのさらなるヘテロ原子を有していてもよい。環状エーテル化合物の場合、RおよびRは、酸素、窒素、または硫黄などのさらなるヘテロ原子を有していてもよい、任意にて置換されたアルキレンまたはアリーレン基を共に構成し得る。
エーテル化合物は、エーテル基−O−の置換基に関して対称または非対称であり得る。
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ステップA)が実施される有機溶媒は、1つ以上のエーテル化合物と1つ以上の非エーテル化合物との混合物である。
好ましくは、1つ以上のエーテル化合物との混合物を形成する1つ以上の非エーテル化合物は、使用されるエーテル化合物よりも極性の低い溶媒、特に好ましくは脂肪族または芳香族炭化水素から選択される。
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、溶媒として使用されるエーテル化合物は、直鎖、環状または錯体化エーテル化合物の群から選択される。
本明細書において、直鎖エーテル化合物は、上記で定義されたエーテル基R−O−Rを含む化合物であり、ここで例えば、R=Rの対称エーテルEtO、n−BuO、PhOまたはジイソアミルエーテル(i−ペンチルO)または非対称エーテルのt−BuOMe(メチルt−ブチルエーテル、MTBE)またはPhOMe(メチルフェニルエーテル、アニソール)のように、エーテル基の酸素原子を除いてRとR基の間に接続がない。
溶媒として使用される環状エーテル化合物は、例えばアルキル基によって置換され得る、例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4−ジオキサンなどの一連の原子によって形成される環に1つ以上のエーテル基が含まれる化合物である。
直鎖エーテル化合物では、ジ、トリ、オリゴまたはポリエーテル化合物を形成する1より多くのエーテル基も含まれることができ、ここでRおよびRは、それらが化合物の末端基である場合、オルガニル基を構成し、それらが内部基である場合、アルキレンまたはアリーレン基を構成する。本明細書では、末端基は、エーテル基の一部である1つの酸素原子に結合する任意の基として定義され、内部基は、エーテル基の構成要素である2つの酸素原子に結合する任意の基として定義される。
そのような化合物の好ましい例は、ジメトキシエタン、グリコールジエーテル(グライム)、特にジグライムまたはテトラグライムであるが、これらに限定されない。
本発明の意味において、用語「錯体エーテル」は、カチオン、好ましくは金属カチオン、より好ましくはアルカリおよびアルカリ金属カチオン、さらにより好ましくはアルカリ金属カチオン、最も好ましくはリチウムカチオンを錯体化できる上記定義のエーテル化合物として理解される。本発明によるそのような錯体エーテルの好ましい例は、グリコールジエーテル(グライム)、特にジグライム、トリグライム、テトラグライムまたはペンタグライム、またはクラウンエーテル、特に12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、およびジアザ−18−クラウン−6であるが、これらに限定されない。
用語「錯体化エーテル」は、用語「錯体エーテル」と同等と理解される。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、エーテル化合物は溶媒として使用され、そしてジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなどの直鎖エーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)またはテトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)などの錯体化エーテル、アルキル化ポリエチレングリコール(アルキル化PEG)、ジオキサン、好ましくは1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、またはテトラヒドロピランなどの環状エーテルからなる群から選択される。
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、エーテル化合物は、高沸点エーテル化合物、好ましくはジグライムまたはテトラグライムである。
本発明によれば、用語「高沸点エーテル化合物」は、好ましくは少なくとも約70℃、より好ましくは少なくとも約85℃、さらにより好ましくは少なくとも約100℃、そして最も好ましくは少なくとも約120℃の1.01325バール(標準大気圧)での沸点を有する上記定義によるエーテル化合物として定義される。高沸点エーテルは、溶媒と残留出発物質を含む反応混合物からの所望の生成物の分離を容易にすることができる。一般的に生成物は出発物質よりも沸点が低く、そしてこれらの生成物の沸点も上記定義の高沸点エーテルの沸点よりも低い。
例えば、選択された代表的な生成物のそれぞれの沸点(標準大気圧)は約35℃(MeSiHCl)、および約41℃(MeSiHCl)であり、これに対し代表的な高沸点エーテル化合物ジグライムは約162℃の沸点を有し、トリメチルトリクロロジシランとジメチルテトラクロロジシランの異性体から主に構成される未反応のメチルクロロジシランの沸点は約151から約158℃である。溶媒として高沸点エーテル化合物を使用すると、より高い反応温度を利用でき、蒸留による反応混合物からの所望の生成物の分離を簡便にさせる。
本発明によれば、用語「水素化反応a)」は、同数の水素置換基によるシラン基材のケイ素原子での1つ以上の塩素置換基の交換を指す。
本発明によれば、水素化物供与源という用語は、水素化物供与源と本発明による基材との反応において少なくとも1つのヒドリドアニオンを供与することができ、少なくとも1つのSi−Cl結合をSi−H結合への変換をもたらす、任意の化合物を示す。
一実施形態では、好ましくは、本発明による方法の水素化反応a)は、金属水素化物、ここで好ましくはLiH、NaH、KH、CaHまたはMgHなどの二元金属水素化物、LiAlHやNaBHなどの錯体金属水素化物、およびn−BuSnH、i−BuAlH、またはナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドなどの有機金属水酸化物試薬からなる群から選択される水素化物供与源、またはホウ素含有ヒドリド供与体から選択される、より好ましくは有機ヒドリドボラン、ヒドリドボラネート、ヒドリドボロネートおよびヒドリドボレート、さらにより好ましくはヒドリドボラネート、ヒドリドボロネートおよびヒドリドボレートであって、フラストレイテッド・ルイス酸/ルイス塩基対およびHのルイス酸部分である対応するボラネート、ボロネート、およびボレートから生成されたものから選択される水素化物供与源を用いて行われる。
本発明によれば、用語の金属水素化物は、少なくとも1つの金属原子または金属イオンと少なくとも1つの水素化物イオンを含む任意の水素化物供与源を示す。
本発明による二元金属水素化物は、1つの特定の金属のイオンおよび水素化物イオンのみからなる金属水素化物である。
好ましくは、本発明による金属水素化物は、二元金属水素化物から選択され、より好ましくはアルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属水素化物から選択され、さらにより好ましくは水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウムの群から選択され、さらにより好ましくは水素化リチウムおよび水素化ナトリウムから選択され、最も好ましくは、金属水素化物は水素化リチウムである。
本発明による「錯体金属水素化物」という用語は、アニオンイオンがヒドリドアニオンを含む金属塩を指す。典型的には、錯体金属水素化物には複数の種類の金属または半金属が含まれる。半金属の標準的な定義も、そのように適切に分類された元素に関する完全な合意もないことから、本発明によれば、「半金属」という用語には、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、炭素、アルミニウム、セレン、ポロニウム、およびアスタチンの元素が含まれる。
用語「有機金属水素化物試薬」は、炭素と金属原子間の結合を含み、水素化ステップa)の水素化反応で少なくとも1つのヒドリドアニオンを供与できる化合物を示す。
本発明の好ましい実施形態では、水素化反応a)に影響を与えるために使用される水素化物供与源は、金属水素化物、最も好ましくは水素化リチウムから選択される。本発明による方法の好ましい実施形態では、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に関する水素化反応a)での水素化物供与源、特に金属水素化物、好ましくはLiHの量は、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に存在する塩素原子の総モル量に基づいて、約1モル%から約600モル%、好ましくは約1から約400モル%、より好ましくは約1から約200モル%、最も好ましくは約25から約150モル%の範囲である。この比率の決定のため、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のすべての化合物が考慮され、それらがそれらの式でカバーされていない他のシランと共に供されているかどうかに関係はない。
より好ましくは、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に関する水素化反応a)における水素化物供与源、特に金属水素化物、好ましくはLiHの量は、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に存在する塩素原子の総モル量に基づいて、所望のシランを得るための後続の再分配反応に十分な塩素を残すために、約100モル%未満、好ましくは約90モル%未満、より好ましくは約80モル%未満である。
より好ましくは、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に関する水素化反応a)における水素化物供与源、特に金属水素化物、好ましくはLiHの量は、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に存在する塩素原子の総モル量に基づいて、約75モル%未満である。好ましくは、MeSiHClおよびMeSiHClなどの一水素化シランの合成のために、LiHは化学量論的不足で使用されるべきであり(好ましくは約50モル%未満、好ましくは約25モル%未満)、モノシランMeSiHClの量の増加のために、モル量は好ましくは約25から約75モル%である。
本発明の好ましい実施形態では、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物に関する水素化反応a)における水素化物供与源、特に金属水素化物、好ましくはLiHの重量比は、約1:100から約100:1、好ましくは10:90から約90:10、より好ましくは20:80から約80:20の範囲である。
本明細書において、重量比は、
m(水素化物供与源、特に金属水素化物、好ましくはLiH)/m(一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物、として定義される。この比率の決定のために、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のすべての化合物が考慮され、それらがそれらの式でカバーされていない他のシランと共に供されているかどうかに関係はない。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、有機溶媒に対するシラン基材の重量比は、約0.01から約100の範囲、好ましくは約0.1から約10、より好ましくは約0.5から約4、最も好ましくは約0.5から約1の範囲である。
本明細書において、重量比は、
m(一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物/m(有機溶媒)として定義される。
この比率の決定のために、一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のすべての化合物が考慮され、それらがそれらの式でカバーされていない他のシランと共に供されているかどうかに関係はない。
本発明の好ましい実施形態では、ジ−またはオリゴシランのSi−Si結合またはカルボジシランのSi−C結合の任意の開裂反応c)は、好ましくは水素化反応a)および再分配反応b)と同時にワンポット反応で行われる。そのような開裂反応c)は、シラン基材が(ii)ジシラン、(iii)オリゴシラン、および/または(iv)カルボジシランであって少なくとも1つのシラン中に少なくとも1つのクロロ置換基を有するものを含む場合にのみ適切であり得る。
本発明の方法において、再分配反応b)は、少なくとも1つの再分配触媒の存在下で行われる。
上述したように、本発明では、「再分配反応b)」という用語は、特に置換基の交換によるシラン基材に含まれる1つ以上の化合物のケイ素原子に結合した水素および塩素置換基の再分配を表す。また、メチル基の交換も可能であるが、通常は望ましくないか、避ける必要がある。
好ましくは、ケイ素原子に塩素置換基のみを有するシランおよびケイ素原子に水素置換基のみを有するシランからの、および/または反応条件下で形成された、ケイ素原子に水素および塩素置換基を有するシランからの再分配反応b)により、所望のメチルクロロヒドリドモノシランの収率が増加する。本発明において、再分配触媒は通常、反応で使用される溶媒とは異なる。いくつかの例では、特に金属水素化物の場合、再分配触媒は水素化物供与源としても機能することができるが、再分配触媒は水素化物供与源とは異なることが好ましい。いくつかの例では、再分配触媒は開裂触媒としても機能するが、異なる再分配触媒と開裂触媒を使用することも可能である。
再分配触媒は、所定の温度で、特に以下の反応
MeSiCl+MeSiH=>2MeSiHCl
2MeSiCl+MeSiH=>3MeSiHCl
特に以下の反応
MeSiCl+MeSiH=>2MeSiHCl
を所定の温度で触媒する化合物である。例えば、MeSiClとMeSiHが特定の温度で反応せず、化合物の存在下でその温度で反応する場合、その化合物は再分配触媒として機能する。
好ましくは、再分配触媒は、以下からなる群から選択される。
− RPCl、ここでRは水素またはオルガニル基であり、これらは同一でも異なっていてもよく、より好ましくは芳香族基または脂肪族炭化水素基、さらにより好ましくはn−アルキル基、そして最も好ましくはn−ブチル基であり、
− トリオルガノホスフィン、ここでRは水素またはオルガニル基であり、好ましくはPPhまたはn−BuP、
− トリオルガノアミン、ここでRはオルガニル基であり、好ましくはn−BuNまたはNPh
− N−複素環アミン、好ましくは、非N−置換メチルイミダゾール、例えば2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、好ましくは、窒素原子に遊離の求核電子対を持つN−複素環アミンであり、これは、そのようなN−複素環アミンの窒素原子での求核性が誘導的またはメソリック相互作用によって低下しないことを意味する。特に、環状アミドは通常、再分配触媒としては適していない、
− 四級アンモニウム化合物、好ましくはn−BuNCl、
− アルカリ金属ハロゲン化物、
− アルカリ土類金属ハロゲン化物、
− アルカリ金属水素化物、および
− アルカリ土類金属水素化物。
一実施形態では、1つ以上の再分配触媒を使用することができ、特に、2つの再分配触媒の組み合わせが好ましい。
金属水素化物は再分配触媒としても作用し得るため、水素化反応a)で添加される水素化物供与源に加えて、再分配触媒を追加する必要がないことがあり得る。しかしながら、通常、水素化反応a)で添加される水素化物供与源に加えて再分配触媒の添加が好ましい。a)水素化反応、b)再分配反応、c)開裂反応の好ましい反応のシーケンスによれば、再分配触媒は、水素化物供与源および任意の開裂触媒とともに添加されることが好ましい。
以下に説明するように、再分配触媒は同時に開裂触媒としても作用する可能性がある。
好ましい実施形態では、再分配触媒は以下の群から選択される。
− RPCl、ここでRは水素またはオルガニル基であり、これらは同一でも異なっていてもよく、より好ましくは芳香族基または脂肪族炭化水素基、さらにより好ましくはn−アルキル基、そして最も好ましくはn−ブチル基であり、
− トリオルガノホスフィン、ここでRは水素またはオルガニル基であり、好ましくはPPh
− トリオルガノアミン、ここでRはオルガニル基であり、好ましくはn−BuN、
− N−複素環アミン、好ましくは、非N−置換メチルイミダゾール、例えば2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、好ましくは、窒素原子に遊離の求核電子対を持つN−複素環アミンであり、これは、そのようなN−複素環アミンの窒素原子での求核性が誘導的またはメソリック相互作用によって低下しないことを意味する。特に、環状アミドは通常、再分配触媒としては適していない、および
− 四級アンモニウム化合物、好ましくはn−BuNClである。
一般式RPClの化合物から選択される好ましい再分配触媒では、Rは水素またはオルガニル基であり、そしてRは同じでも異なっていてもよく、好ましくはRは芳香族基、例えば、フェニル、トリル、および/または脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、Rはアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−またはイソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、n−、isoまたはsec−ヘキシル n−、isoまたはsec−ヘプチル、n−、isoまたはsec−オクチルなどであり、さらにより好ましくは、Rはn−アルキル基であり、そして最も好ましは一般式RPClの化合物はn−BuPClである。
トリオルガノホスフィンPRから選択される好ましい再分配触媒において、Rは水素またはオルガニル基であり、同じでも異なっていてもよく、より好ましくは、Rは、前述のようなアルキル、シクロアルキルまたはアリール基であり、最も好ましくは、オルガノホスフィンはPPhまたはn−BuPである。
トリオルガノアミンNRから選択される好ましい再分配触媒において、Rはオルガニル基であり、より好ましくは、Rはアルキル基であり、そして最も好ましくは、トリオルガノアミンはn−BuNまたはNPhである。
N−複素環アミンから選択される好ましい再分配触媒は、非N−置換メチルイミダゾール、例えば、2−メチルイミダゾール、および4−メチルイミダゾール、最も好ましくは2−メチルイミダゾールである。
四級アンモニウム化合物NRClから選択される好ましい再分配触媒では、Rはオルガニル基であり、同じでも異なっていてもよく、より好ましくはRはアルキル基であり、そして最も好ましくは、四級アンモニウム化合物はn−BuNClである。
本発明の好ましい実施形態では、四級アンモニウム化合物NRClとメチルイミダゾールの組み合わせを触媒として使用できる。
本発明の好ましい実施形態では、任意の開裂反応c)は、少なくとも1つの開裂触媒の存在下で実施される。好ましい開裂触媒は、
− 四級15族オニウム化合物RQX、ここで各Rは独立して水素またはオルガニル基であり、Qはリン、ヒ素、アンチモンまたはビスマスであり、そしてXは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物であり、
− 複素環アミン、
− 複素環式アンモニウムハロゲン化物、
− RPとRXの混合物、ここでRは上記定義通りであり、そしてXは上記定義通りであり、
− アルカリ金属ハロゲン化物、
− アルカリ土類金属ハロゲン化物、
− アルカリ金属水素化物、
− アルカリ土類金属水素化物またはそれらの混合物、そして任意にて塩化水素(HCL)の存在下である、
からなる群から選択される。
再分配触媒および開裂触媒または化合物の定義が重複しうることは明らかである。したがって、上記のように、再分配触媒として作用する化合物は、開裂触媒としても作用する可能性があり、逆もまた同様である。本発明の好ましい実施形態では、再分配触媒は開裂触媒または化合物としても作用する。
さらに、水素化物供与源、特に金属水素化物、例えばLiHは開裂化合物として作用し得ることもまた理解されることになる。
開裂反応は、一般式(II)で表されるようなジシラン(ii)、一般式(III)で表されるようなオリゴシラン(iii)および一般式(IV)で表されるようなカルボジシラン(iv)を反応させてモノマーシランを生成する変換を説明するのに使用される。一般式(II)のジシランおよび一般式(III)のオリゴシランの場合、「ケイ素−ケイ素結合の開裂反応」という用語は、本発明によれば、これらのジシランとオリゴシランのケイ素原子を接続する結合を切断することにより、前述の基材の切断が行われることをさらに示す。一般式(III)のカルボジシランの場合、「ケイ素−炭素結合の開裂反応」という用語は、開裂反応が、化合物のシリル基とシリル基を結合するメチレン基との間の一方または両方の結合を切断することによって行われることを示す。そのような開裂プロセスは、特に塩化水素化および水素化分解反応を含む。
開裂反応は、好ましくは、1つ以上の開裂触媒化合物の存在下で実施される。
好ましくは、開裂触媒化合物は、
− 四級15族オニウム化合物RQX、ここで各Rは独立して水素またはオルガニル基であり、Qはリン、ヒ素、アンチモンまたはビスマスであり、そしてXは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物であり、
− 複素環アミン、
− 複素環式アンモニウムハロゲン化物、
− RPとRXの混合物、ここでRは上記定義通りであり、そしてxは上記定義通りであり、
− アルカリ金属ハロゲン化物、
− アルカリ土類金属ハロゲン化物、
− アルカリ金属水素化物またはアルカリ土類金属水素化物、そして任意にて
− 塩化水素(HCl)の存在下であり、
ならびに
上記化合物の混合物、からなる群から選択される。
特定の条件下での開裂触媒は反応物としても作用する、つまり、開裂反応で消費され、そしてこれにより、特にMeSiHClなどの望ましいヒドリドモノシランの量が大幅に増加することがわかっている。したがって、開裂触媒は時々開裂化合物とも称される。
特定の状況下での開裂反応は、塩化水素(HCl)の存在下、特に塩化水素および上記のエーテル溶媒などのエーテル化合物の存在下でも影響を受け得る。
好ましい開裂触媒または開裂化合物には、これらに限定されるものではないが、
− 塩化ホスホニウムRPCl、ここでRは水素またはオルガニル基であり、同じでも異なっていてもよく、より好ましくは芳香族基または脂肪族炭化水素基、さらにより好ましくはn−アルキル基、そして最も好ましくはn−ブチル基であり、
− N−複素環アミン、より好ましくはメチルイミダゾール、例えば2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、および1−メチルイミダゾール、および
− 四級アンモニウム化合物、より好ましくはn−BuNCl、
− ならびにそれらの混合物、が含まれる。
上述したように、水素化物供与源または金属ハロゲン化物などのその反応生成物は、再分配反応b)および開裂反応c)の触媒としても作用し得ることから、水素化反応a)、再分配反応b)、および開裂反応c)は、水素化物供与源を添加するだけで影響を受けることがあり得、任意にてHClを添加して開裂反応をサポートし得ることがありえる。
シラン基材化合物に対する再分配触媒のモル比に関して、好ましくは、約0.0001モル%から約600モル%、より好ましくは約0.01モル%から約20モル%、さらにより好ましくは約0.05モル%から約2モル%、そして最も好ましくは約0.05モル%から約1モル%の範囲である。
本明細書において%でのモル比は、
[n(再分配触媒のモル量)/n(一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物のモル量)]×100
として定義される。
この比の決定のために、すべての再分配触媒が考慮され、そして一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のすべてのシラン基材化合物がなされ、それらが一般式(I)、(II)、(III)および(IV)に入らない他のシランを含む混合物として供されているかどうかに関係はない。
同様に、シラン基材化合物に対する開裂触媒のモル比は、好ましくは約0.0001モル%から約600モル%、より好ましくは約0.01モル%から約20モル%、さらにより好ましくは約0.05モル%から約2モル%、最も好ましくは約0.05モル%から約1モル%の範囲である。
本明細書において、%でのモル比は、
[n(開裂触媒のモル量)/n(一般式(I)、(II)、(III)および(IV)のシラン基材化合物のモル量)]×100
として定義される。
これらの量は、再分配触媒としておよび開裂触媒化合物としての両方にて作用する化合物が適用される場合にも適用される。
本発明による好ましい実施形態では、再分配触媒は式RPClを有する。
好ましくは、式RPClにおいて、Rは水素またはオルガニル基であり、これらは同じでも異なっていてもよく、より好ましくは、Rは芳香族基または脂肪族炭化水素基であり、さらにより好ましくは、Rはアルキルまたはシクロアルキル基であり、さらにより好ましくは、Rはn−アルキル基であり、そして最も好ましくは一般式RPClの化合物はn−BuPClである。
本発明による別の好ましい実施形態では、式RPClの化合物は、式RPおよびRClの化合物からその場で形成され、ここでRはHまたはオルガニル基である。
本発明によれば、その場で形成されたRPClにおけるRは同じでも異なっていてもよく、好ましくは、Rは同じであり、RClはHClまたはクロロアルカンであり、より好ましくは、RClは最大約20個の炭素原子を有する1−クロロアルカンであり、さらにより好ましくは、RClは最大約10個の炭素原子を有する1−クロロアルカンであり、そして最も好ましくは、RClは1−クロロブタンである。本明細書で使用される「その場で形成される」という用語は、反応ステップA)が実施される反応容器内の化合物の組み合わせによりRPおよびRClから化合物RPClが形成されることを意味する。
本発明によるまた好ましい実施形態では、この方法は、少なくとも1つの式RPClの化合物および水素化リチウムの存在下で実施される。
好ましくは、本発明は、水素化リチウムおよび少なくとも1つの式RPClの化合物の存在下で実施され、ここでRはオルガニル基であり、同じでも異なっていてもよい。
本発明によるさらに好ましい実施形態では、この方法は、n−BuPClの存在下で実行される。
本発明において、n−BuPClは、特に効果的な再分配触媒であることがわかっている。
好ましくは、本発明は、n−BuPClの存在下およびアルカリ金属水素化物としての水素化リチウムの存在下、より好ましくは水素化リチウムおよび高沸点エーテル化合物の存在下で、最も好ましくは、水素化リチウム、ならびにジグライム、テトラグライムおよび1,4−ジオキサンの群から選択される高沸点エーテル化合物の存在下で実施される。本発明の好ましい実施形態では、水素化反応a)、再分配反応b)、および任意にて開裂反応c)は、同時におよび/または段階的に、好ましくは同時に行われる。
最も好ましい実施形態では、ミュラー・ロショー直接法の生成物全体が、同時に水素化反応a)、再分配反応b)、および開裂反応c)に供され、その得られた生成物から、所望のメチルクロロヒドリドモノシランが分別蒸留により分離される。
しかしながら、本発明の方法で使用される特定のシラン基材により、特に適合した反応シーケンスは、たとえば以下のプロセス選択肢の1つ以上から選択できる:
> 水素化反応a)と再分配反応b)が同時に行われ、任意にて開裂反応c)が続いて行われる、
> 水素化反応a)、再分配反応b)、および開裂反応c)が同時に行われる、
> 最初に水素化反応a)が個別に行われ、そして再分配反応b)および任意にて開裂反応c)は、同時にまたは別々に行われ、任意にてこの実施形態では、水素化反応a)後で、再分配反応b)および任意にて開裂反応c)を誘導する前に、すでに形成されたメチルクロロヒドリドモノシランを分離することができる、
> 最初に水素化反応a)が行われ、次に任意にて開裂反応c)が行われ、そして再分配反応b)が行われ、任意にてこの実施形態では、水素化反応a)後で、開裂反応c)および再分配反応b)を誘導する前に、すでに形成されたメチルクロロヒドリドモノシランを分離することができる、
> シラン基材はモノシランから選択され、そしてそのような基材は、最初に水素化反応a)、その後再分配反応b)に供され、またはそのような基材は、水素化反応a)および再分配反応b)に同時に供される。
モノシラン基材(式(I)のモノシランなど)が適用される場合、開裂反応は通常なくてもよいことが明らかである。
メチルクロロヒドリドモノシランを調製する本発明の統合方法は、このように特にミュラー・ロショー直接法の生成物(または部分生成物)として得られる、上記のあらゆる種類の塩素含有シラン基材に対して大きな適応性をもたらす。
本発明の好ましい実施形態では、この方法は、1つより多くの水素原子を有するモノシラン、特にMeSiHおよびMeSiHなどの過水素化メチルモノシランを分離する追加のステップを含み、それは
− 好ましくはエーテル/HClを用いた、塩素化反応、および/または
− 上記のように再分配触媒を使用することができる、少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応、
からなる群から選択された反応に供される。
この実施形態においても、上述したように溶媒を適用することができる。
本発明の別の好ましい実施形態では、この方法は、それぞれ少なくとも1つの水素原子を有するジシランおよび/またはオリゴシランを分離する追加のステップを含み、それは次に
− 好ましくはエーテル/HClの存在下での、開裂反応、および/または
− 少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応
からなる群から選択される反応に供される。
これらの反応において、上記の再分配触媒および開裂触媒、また溶媒も適用することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態では、この方法は、少なくとも1つの水素原子を有するカルボジシランを分離するステップを含み、それは次に
− 好ましくは金属水素化物の存在下での、開裂反応、および/または
− 少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応
からなる群から選択される反応に供される。
これらの反応のため、各々上記の金属水素化物、再分配触媒、および溶媒を使用することができる。
MeSiHが副生成物として望まれる場合、本発明のさらに好ましい実施形態において、この方法は、特に水素化反応a)の後に、MeSiHを分離するステップを含む。
上述したように、本発明の方法の実施形態において、最も好ましい水素化物供与源は、LiHであり、これは塩化リチウム(LiCl)に変換される。
水素化リチウムを使用するこのような方法の特定の好ましい実施形態では、形成されたLiClを分離し、精製、任意でKClと混合してLiCl−KCl共晶組成物を調製すること、共晶または溶融LiClの電気分解により金属Liを得ること、およびそのように調製したLiからのLiHの再生のステップに供する。
生じたLiClをリサイクルして安定化させてLiHに変換して戻すことにより、特に変換反応(Di−>M2H)を含む本発明の方法を経済的かつ効率的にすることは、この実施形態の特定の利点である。
したがって、両方の成分(LiHおよびLiCl)にあるLi金属のコストは、全体的なコストの考慮から除外され、そしてLiClからLiHへ戻す変換に伴う変換コストのみが考慮されることになる。さらに、リサイクルは、LiHの現在の製造ルートに沿って行われている。実際、水素化物材料は2つの連続したステップでLiClから作られる:a)Li金属をもたらす共晶系の形でのLiClの電気分解(KCl、Downs−セル/プロセスなど);続いてステップb)LiHをもたらす、高められた温度での水素ガス(H)によるLi金属の水素化(図式化)

(完全な化学量論:
2LiCl−>2Li+Cl
2Li+H−>2LiH)。
他の金属水素化物源は、広く除去される必要がある副生成物を形成し(例えば、LiAlH−>LiClおよびAlClの場合)、そしてしたがって費用のかかる精製ステップは、方法の経済性を妨げることになる。さらに、AlClの存在はMe基の再分配を誘導し、それは広く分配された生成物混合物をもたらすことになることから、AlClの形成は望ましくない(例えば、US 5,856,548またはUS 5,654,459A参照)。
本発明の方法は、好ましくは約−40℃から約250℃の範囲の温度で実施される。さらにより好ましくは、本発明の方法は、少なくとも2つの異なる温度で、好ましくは第2の温度より低い第1の温度で実施される。温度は通常、水素化反応a)、再分配反応b)、および任意の開裂反応c)の要件に従って選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、反応(水素化反応、再分配反応、および任意の開裂反応)が合計約4時間より長く、好ましくは約6時間より長く、好ましくは約10時間より長く、そして好ましくは約12時間より長く行われる。
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、反応(水素化反応、再分配反応、および任意の開裂反応)が合計約4時間より長く、好ましくは約6時間より長く、少なくとも部分的に少なくとも約200℃を超える温度で行われるか、またはステップA)の反応が約10時間より長く、好ましくは約12時間より長く、少なくとも部分的に少なくとも約100℃を超える、好ましくは約150℃より高い温度で行われる。
本発明による方法は、好ましくは、約0.1から約10バールの圧力で実施される。
本発明の方法は、好ましくは不活性条件下で実施される。
本発明の方法は、連続的またはバッチ式などの不連続的に実施することができる。
一実施形態では、本発明の方法は、メチルクロロヒドリドシランを分離する分離ステップを含む。本発明による方法の好ましい実施形態では、メチルクロロヒドリドシランを分離するステップは、蒸留および/または凝集によって実行される。
本発明による「蒸留」という用語は、選択的蒸発および凝集によって液体混合物から成分または物質を分離するための任意の方法に関する。その中で、蒸留は、混合物の成分の実質的に完全な分離をもたらし、したがって、ほぼ純粋な化合物の分離をもたらし、または、蒸留にかけられた混合物と比較した場合、留出物中の混合物の選択された成分の濃度を増加させる部分分離であってもよい。
好ましくは、蒸留プロセスは、単純蒸留、分別蒸留、真空蒸留、短路蒸留、または当業者に知られている他の種類の蒸留であり得る。
また好ましくは、本発明によるメチルクロロヒドリドシランを分離するステップは、1つ以上のバッチ蒸留ステップを含むことができ、または連続蒸留プロセスを含むことができる。
さらに好ましくは、「凝集」という用語は、反応容器からの揮発による反応混合物からのメチルクロロヒドリドシランの分離または濃縮、および冷却された容器内の液体および/または固体としての凝集であって、その後蒸留によりまたはエーテル溶媒中の溶液によって回収することができるものを含むことができる。
あるいは好ましくは、メチルクロロヒドリドシランは、冷却された容器に含まれるエーテル溶媒に吸収されることができる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、この方法は不活性条件下で実行される。
本発明によれば、「不活性条件下で実行される」という用語は、周囲の空気、特に水分と酸素を排除して方法が部分的または完全に実行されることを意味する。反応混合物および反応生成物から周囲空気を排除するために、密閉された反応容器、減圧および/または不活性ガス、特に窒素またはアルゴン、またはそのような手段の組み合わせが使用され得る。
本発明の好ましい実施形態:
以下に、本発明の好ましい実施形態を要約する。
1. MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl、好ましくはMeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl、最も好ましくはMeSi(H)Clから選択されるメチルクロロヒドンドモノシランの製造のための方法であって、
(i)モノシラン、
(ii)ジシラン、
(iii)オリゴシラン、
(iv)カルボジシラン、
ただし、シラン(i)から(iv)の少なくとも1つが少なくとも1つのクロロ置換基を有する条件である、
からなる群から選択される少なくとも1つのシランを含むシラン基材を
a)少なくとも1つの水素化物供与源との水素化反応、および
b)再分配反応、および
c)任意にてジシランまたはオリゴシランのSi−Si結合またはカルボジシランのSi−C結合の開裂反応、および
d)メチルクロロヒドリドシランの分離ステップ、に供することを含み、
ここで前記方法は、AlClの不在下で(また好ましくは、遷移金属化合物の不在下で、そしてさらにいっそう、本明細書に記載の水素化物供与源、再分配触媒、または開裂触媒として使用される金属化合物を除く金属化合物の不在下で)、好ましくはエーテル溶媒から選択される1つ以上の溶媒の存在下で実施され、ここで
(i)モノシランは一般式(I)から選択され、
MeSiHCl (I)、
ここで
x=1から3、
y=0から3、
z=0から3、および
x+y+z=4であり、
(ii)ジシランは一般実験式(II)から選択され、
MeSiCl (II)
ここで
m=1から6、
n=0から5
o=0から5、そして
m+n+o=6であり、
(iii)オリゴシランは、一般実験式(III)の直鎖または分岐オリゴシランから選択され、
MeSiCl (III),
ここで
q=3から7
p=qから(2q+2)
r,s=0から(q+2)
r+s=(2q+2)−pであり、
(iv)カルボジシランは、一般式(IV)から選択され、
(MeSiHCl)−CH−(MeSiHCl) (IV)
ここで
a、cは互いに独立して1から3であり、
b、dは互いに独立して0から2であり、
e、fは互いに独立して0から2であり、
a+b+e=3、
c+d+f=3である、方法。
2. シラン基材は、式(I)から(IV)のシランからなる、実施形態1に記載の方法。より好ましくはシラン基材はMeSiClである。
3. (i)モノシランは下記式から選択され、
MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiH、MeSiH、およびMeSiH、
(ii)ジシランは下記式から選択され、
ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、
MeSi−SiMeClH、HClMeSi−SiMeClH、ClHMeSi−SiMeCl
MeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeH
HMeSi−SiMeClH、ClMeSi−SiMeClH、MeSi−SiMeClH、HMeSi−SiMeH、
MeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeH、MeSi−SiMeH、およびMeSi−SiMeH、
(iii)オリゴシランは下記式から選択され、
ClMeSi−SiMe−SiMeCl、ClMeSi−SiMe−SiMe−SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、
(ClMeSi)SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、(ClMeSi)SiMe−SiClMe−SiClMe、
[(ClMeSi)SiMe]、[(ClMeSi)SiMe]SiClMe、(ClMeSi)SiMe−SiMeCl、
ClMeSi−SiMeSiMeH、HMeSi−SiMe−SiMeH、
HMeSi−SiMe−SiMe−SiMeH、(HMeSi)SiMe、(HMeSi)SiMeH、(HMeSi)SiMe、
(HMeSi)SiMe−SiHMe−SiHMe、[(HMeSi)SiMe]、[(HMeSi)SiMe]SiHMe、および(HMeSi)SiMe−SiMeH、
(iv)カルボジシランは下記式から選択され
ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl,
MeSi−CH−SiMeCl MeSi−CH−SiMeCl、HClMeSi−CH−SiMeClH,
HMeSi−CH−SiMeCl、HMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeClH,
MeSi−CH−SiMeH、HMeSi−CH−SiMeH、HMeSi−CH−SiMeH,
MeSi−CH−SiMeH、およびMeSi−CH−SiMe
但し、前記方法で使用される少なくとも1つのシランは、少なくとも1つのクロロ置換基を有しているという条件である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
4. シラン基材は、ジシラン(ii)、オリゴシラン(iii)、およびカルボジシラン(iv)からなる群から選択される少なくとも1つのシランを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
5. シラン基材は、
MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、
MeSiH、MeSiH、MeSiH、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe
ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl
ClMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeCl、およびMeSi−CH−SiMeCl
からなる群から選択される少なくとも1つ、好ましくは1つより多くのシランを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
6. 前記方法は、1つ以上のエーテル溶媒の存在下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
7. 水素化物供与源は、金属水素化物、好ましくは水素化リチウムから選択される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
8. ジ−またはオリゴシランのSi−Si結合またはカルボジシランのSi−C結合の開裂反応c)が行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
9. 再分配反応b)は、少なくとも1つの再分配触媒の存在下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
10. 再分配反応b)は、
− RPCl、ここでRは水素またはオルガニル基であり、同じでも異なっていてもよく、より好ましくは芳香族基または脂肪族炭化水素基、さらにより好ましくはn−アルキル基、そして最も好ましくはn−ブチル基であり、
− トリオルガノホスフィン、ここでRは水素またはオルガニル基であり、好ましくはPPhまたはn−BuP、
− トリオルガノアミン、ここでRはオルガニル基であり、好ましくはn−BuNまたはNPh
− N−複素環アミン、好ましくは、非N−置換メチルイミダゾール、例えば2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、
− 四級アンモニウム化合物、好ましくはn−BuNClであり、
− アルカリ金属ハロゲン化物、
− アルカリ土類金属ハロゲン化物、
− アルカリ金属水素化物、および
− アルカリ土類金属水素化物
からなる群から選択される少なくとも1つの再分配触媒の存在下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
11. 開裂反応c)は、少なくとも1つの開裂触媒の存在下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
12. 開裂反応c)は、
− 四級15族オニウム化合物RQX、ここで各Rは独立して水素またはオルガニル基であり、Qはリン、ヒ素、アンチモンまたはビスマスであり、そしてXは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物であり、
− 複素環アミン、
− 複素環式アンモニウムハロゲン化物、
− RPとRXの混合物、ここでRは上記定義通りであり、そしてXは上記定義通りであり、
− アルカリ金属ハロゲン化物、
− アルカリ土類金属ハロゲン化物、
− アルカリ金属水素化物、
− アルカリ土類金属水素化物またはそれらの混合物、
からなる群から選択される少なくとも1つの開裂触媒の存在下で、任意にて塩化水素(HCl)の存在下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
13. 水素化反応a)、再分配反応b)、および任意にて開裂反応c)は、同時におよび/または段階的に、好ましくは同時に行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
14. 反応シーケンスは、以下のプロセス選択肢
> 水素化反応a)と再分配反応b)が同時に行われ、任意の開裂反応c)が続いて行われる、
> 水素化反応a)、再分配反応b)、および開裂反応c)が同時に行われる、
> 最初に水素化反応a)が個別に行われ、そして次に再分配反応b)および任意にて開裂反応c)は、同時にまたは別々に行われ、任意にてこの実施形態では、水素化反応a)後で、再分配反応b)および任意の開裂反応c)を誘導する前に、すでに形成されたメチルクロロヒドリドモノシランを分離することができる、
> 最初に水素化反応a)が行われ、次に任意にて開裂反応c)が行われ、そして次に再分配反応b)が行われ、任意にてこの実施形態では、水素化反応a)後で、開裂反応c)および再分配反応b)を誘導する前に、すでに形成されたメチルクロロヒドリドモノシランを分離することができる、
> シラン基材はモノシランから選択され、そしてそのような基材は、最初に水素化反応a)に供され、その後再分配反応b)に供され、またはそのような基材は、水素化反応a)および再分配反応b)に同時に供される、
の1つ以上から選択される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
15. メチルクロロヒドリドシランは、水素化ステップa)後に分離される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
16. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の生成物を含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
17. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の生成物全体またはミュラー・ロショー直接法の生成物の一部(画分)を含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
18. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のモノシラン画分を含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
19. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のより高いシラン画分(2以上のSi原子を有するシラン)である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
20. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のオリゴシラン画分(3以上のSi原子を有するシラン)およびカルボジシラン画分である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
21. シラン基材は、少なくとも1つの成分が完全または部分的に分離されており、その成分は3以上の塩素原子を有するジシランおよび3以上のメチル基を有するジシランからなる群から選択される、ミュラー・ロショー直接法生成物のより高いシラン画分(2以上のSi原子を有するシラン)である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
22. シラン基材は、少なくとも1つの成分が完全または部分的に分離されており、その成分がMeSiCl4−n、ここでn=1−3であり、MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Clからなる群から選択される、ミュラー・ロショー直接法生成物の画分を含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
23. 前記方法は、1つより多くの水素原子を有するモノシランを分離する追加のステップを含み、そして
− 好ましくはエーテル/HClとの、塩素化反応、および/または
− 少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応
からなる群から選択される反応に供せられる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
24. 前記方法は、各々少なくとも1つの水素原子を有するジシランおよび/またはオリゴシランを分離する追加のステップを含み、
− 好ましくはエーテル/HClの存在下での、開裂反応、および/または
− 少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応
からなる群から選択される反応に供される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
25. 前記方法は、好ましくは金属水素化物の存在下での開裂反応および/または少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応からなる群から選択される反応に供せられる、少なくとも1つの水素原子を有するカルボジシランを分離するステップを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
26. 前記方法はMeSiHを分離するステップを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
27. 水素化物供与源はLiHである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
28. 水素化物供与源はLiHであり、そして前記方法は形成されたLiClを分離するステップを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
29. 水素化物供与源はLiHであり、そして前記方法は、形成されたLiClを分離するステップ、および分離されたLiClからのLiHの再生のステップを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
30. 前記方法は、約−40℃から約250℃の範囲の温度で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
31. 前記方法は、少なくとも2つの異なる温度で、好ましくは第2の温度よりも低い第1の温度で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
32. 前記方法は、約0.1から約10バールの圧力で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
33. 前記方法は不活性条件下で行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
34. 前記方法は、連続的またはバッチ式など非連続的に行われる、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
35. 上記実施形態のいずれかに記載の方法により得られる、MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Clから選択される、メチルクロロヒドリドモノシラン。
36. 上記実施形態のいずれかに記載の方法により得られる、MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Clから選択される、少なくとも1つのメチルクロロヒドリドモノシランを含む組成物。
本明細書に列挙された任意の数値範囲は、その範囲内のすべての部分範囲、およびそのような範囲または部分範囲のさまざまな端点の任意の組み合わせを含み、それは実施例または明細書のいずれかに記載されていることが理解されることになる。
本明細書の実施例部分で詳述される特定の属または種によって説明される本明細書の本発明の構成要素のいずれも、一実施形態で使用して、その構成要素に関して本明細書のいずれかで記載される範囲の任意の端点の代替のそれぞれの定義を規定することができ、そしてしたがって、非限定的な一実施形態において、いずれかで説明されているそのような範囲の端点に置き換えるために使用することができることも理解されることになる。
構造的、組成的および/または機能的に関連する化合物、材料または物質の群に属するものとして本明細書および/または請求項に明示的または黙示的に開示されている任意の化合物、材料または物質には、その群の個々の代表およびそれらのすべての組み合わせが含まれることもさらに理解されることになる。
上記の記載には多くの詳細が含まれているが、これらの詳細は、本発明の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、単にその好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲および精神内にある多くの他の可能な変形を想定し得る。
本発明の方法を、以下の例によりさらに詳細に説明する。
本発明は以下の例によりさらに説明されるが、これらに限定されるものではない。
全般
メチルクロロシランの形成の直接方で形成された様々なシラン基材を反応させた。使用されたすべての反応物および溶媒は、文献から知られている手順に従って慎重に乾燥された。調査された反応は、概して、第1に低沸点反応生成物の蒸発を防ぎ、そしてケイ素−ケイ素結合の開裂の反応条件(温度、時間)を解明するために、密閉NMRチューブで行われた。続いて、これらの条件を模範となるように調製規模に移した:(i)密閉系、好ましくは、低沸点反応抽出物および生成物、例えば、有機クロロシランおよび有機ヒドリドシランの蒸発を防ぐための密封されたガラスのアンプル。反応が完了した後、アンプルを真空下で凍結して開き、形成された生成物を凝集/蒸留法の組み合わせにより分離した。(ii)開放系、好ましくは、電磁攪拌器、温度計、滴下漏斗、および低沸点の反応生成物を収集するための冷却トラップに接続された還流冷却器を備えた多首フラスコ。形成された生成物は、凝集/蒸留手順の組み合わせにより分離された。生成物は、標準手順、特にNMR分光法およびGC/MS分析により分析および特性評価された。
生成物の同定
H、29Si、およびH−29Si−HSQCNMR分光法で生成物を分析した。Prodigy BBO 500 S1プローブを備えたBruker AV-500分光計でスペクトルを記録した。H−NMRスペクトルは、残留溶媒プロトン共鳴に対して較正された([D]ベンゼンδ=7.16ppm)。生成物の同定は、GC−MS分析によってさらにサポートされ、主要生成物の同定が確認された。GC−MS分析は、ITQ 900MS質量分析計と組み合わされたThermo ScientificTrace GC Ultraを用いて測定された。固定相(Machery-Nagel PERMABONDSilane)は、内径0.32mmの長さ50mを有していた。1μlの分析物溶液が注入され、その1/25がヘリウムガスにより運ばれる流速1.7mL/分でカラムに移された。カラムの温度は、最初に50℃で10分間保持された。その後、温度を20℃/分の速度で250℃まで上昇させ、その温度でさらに40分間保持した。カラムを出た後、物質は70eVでイオン化され、カチオンフラグメントは34−600m/z(電荷あたりの質量)の範囲内で測定された。生成混合物は、測定前にベンゼンで希釈した。
アルカリおよびアルカリ土類金属塩と反応した出発物質および形成された生成物の特徴的な29Si−NMR化学シフトと結合定数J{29Si−H}を表1に記す。
例1
LiH(3.0mmol)、MeSiCl(1.7mmol)、テトラグライム(0.35ml)および触媒量のn−BuPCl(0.02mmol)を、−196℃(液体窒素)に冷却したNMRチューブに入れた。排気後、NMRチューブを密閉し、室温まで温めた。サンプルを加熱すると出発物質が反応し、クロロシラン還元/再分配反応の反応過程をNMR分光法で監視した。
表2からわかるように、ヒドリドシラン(13)の形成は、反応の温度と時間の増加とともに着実に増加していた。ヒドリドシラン(13)とジクロロシラン11の再分配によって本質的に形成されるクロロシラン12(MeSi(H)Cl)の最大モル量(%)は約46%である。120℃/10時間では、MeSiClのモル量はわずか3%の収率に減少したため、これらの反応条件下で55モル%にて存在するMeSiHでさらに再分配するためにはほとんど利用できない。上述したように、MeSiHは、次に、好ましくはエーテル/HClを用いた塩素化反応、または少なくとも1つの塩素原子を含むシランとの再分配反応に供されることができ、そのため上記のように再分配触媒を使用することができる。
例2
この反応は、溶媒としてジグライムを使用したことを除いて、例1の反応と同様の方法で実施された。
表3に、説明したように反応を行った実験結果を示す。目的化合物12の収率は、120℃/+2時間で55%であった。
例3
例1の反応と同様に、MeSiCl(1.7mmol)、テトラグライム(0.35ml)および触媒量のn−BuPCl(0.02mmol)をNMRチューブに入れ、−196℃(液体窒素)に冷却し、次に、LiH(2.5mmol)を添加した;NMRチューブを排気し、密閉し、そして室温に温めた。サンプルを加熱すると出発物質が反応し、そしてクロロシランの還元/再分配反応の過程は、NMR分光法によって監視された。
表4に示されるように、メチルトリクロロシラン(7)のモル量は、反応温度と反応時間の増加とともに着実に減少し、そして目的化合物MeSiHCl(9)の量は74%に増加し、一方でMeSiHCl(8)が120℃(+4.5時間)にて14%の収率で形成された。反応時間が長くなると、クロロシラン7はほぼ量的に減少した。120℃で反応時間が長くなると、過剰なLiHにより9の量が減少し(60%)、これは、ヒドリドクロロシラン8(32%)およびヒドリドシラン10(5%)の形成をサポートした。
例4
この反応は、例3の反応と同様に行われたが、溶媒としてジグライムおよび2.7mmolのLiHを使用した。表5は、説明したように反応を行った結果を含み、比較可能な傾向を示し、例3で得られたのと同様の結果をもたらした。特に、すでに短い反応時間で、全体的な水素化は約90%である。シラン8と9の間の平衡は、反応時間が長くなるにつれてシフトし、単純に反応条件を制御することによる目的生成物の形成を示唆している。
例5
LiH(1.5mmol)、MeSiCl(1.6mmol)、ジグライム(0.4ml)および触媒量のn−BuNCl(0.02mmol)を、−196℃(液体窒素)に冷却したNMRチューブに入れた。真空で排気した後、NMRチューブを密閉し、室温に温めた。サンプルを加熱すると出発物質が反応し、そしてクロロシランの還元/再分配反応の反応過程をNMR分光法で監視した。
120℃で22時間後、ジメチルジクロロシランを水素化してジメチルシラン13を得、続いてジメチルジクロロシラン11で再分配して、MeSiHCl(12)を収率52%で得た。反応の温度と時間の増加は、クロロシランのさらなる水素化につながったが、生成物の分配を大きく変えなかった(表6)。
例6
反応は、再分配触媒としてPPh(0.02mmol)を使用したことを除いて、例5の反応と同様の方法で実施された。
表7からわかるように、MeSiHCl(12)の形成は、反応の温度と時間の増加とともに着実に増加していた。ヒドリドシラン13とジクロロシラン11の再分配によって本質的に形成されるクロロシラン12の最大量は、160℃で62時間後の56%であった。
例7
反応は、再分配触媒としてn−BuP(0.02mmol)を使用したことを除いて、例5の反応と同様に実施された。
例6と同様に、再分配によって形成されたクロロシラン12の最大量は、160℃で62時間後に54%であった(表8)。
例8
反応は、再分配触媒として2−メチルイミダゾール(0.02mmol)を使用したことを除いて、例5の反応と同様の方法で行った。
例6および7とは対照的に、MeSiHCl(12)は、22時間/160℃後に4%のモル量でのみ形成された。反応温度と時間を200℃/40時間に増大させると、最終的に12が52%の収率で得られた(表9)。
例9
MeSiCl(0.8mmol)、MeClSi−SiClMe(0.8mmol)、LiH(2.5mmol)、ジグライム(0.4ml)および触媒量のn−BuPCl(0.04mmol)を−196℃(液体窒素)に冷却したNMRチューブに入れた。排気後、NMRチューブを密閉し、温め、そして反応経路をNMR分光法で調べた。
120℃/13時間で、MeClSi−SiClMeを切断し、部分的および完全に水素化して、化合物18を4%、化合物21を17%の収率で得た。目的生成物MeSiHCl(12)は、44%の収率で形成され、さらにMeSiH(13)は17%の収率であった。長くした反応時間(+22時間)は、LiHによるさらなる水素化につながり、35%のモル量でヒドリドシラン13が得られ、一方で目的生成物12は42%に減少した。ジシラン3と21の量はそれぞれ1%と5%の収率に減少し、一方完全に水素化されたジシラン18のモル量はわずかに増加(6%)した。トリシランは5%で形成された(表10)。
例10
MeClSi−SiClMe(0.6mmol)、MeSiCl(0.6mmol)、LiH(1.5mmol)、ジグライム(0.4ml)および再分配触媒としてのPPh(0.05mmol)を、−196℃(液体窒素)に冷却したNMRチューブに入れた。排気後、NMRチューブを密閉し、温め、そして反応経路をNMR分光法で調べた。
160℃で16時間後、出発ジシランMeClSi−SiClMe(1)が定量的に切断され、再分配反応を介して目的生成物MeSiHCl(8)とMeSiHCl(9)は、それぞれ50%と8%の収率で形成された。220℃での長くされた反応時間(+15時間)にて、化合物8および9のモル量はさらに56%および11%に増加し、一方で同定されていない生成物は、モル量4%で形成された(表11)。
例11
クロロカルボジシラン(カルボジシラン分布は表12に記載)の複合混合物0.6mmol、MeSiCl(0.8mmol)、LiH(1.6mmol)、n−BuP(0.05mmol)およびジグライム(0.3ml)を冷却NMRチューブ(−196℃)に入れた。真空排気後、NMRチューブを密閉し、そして室温まで温めた。サンプルを加熱すると出発物質が反応し、そしてクロロシランの還元/再分配反応の反応過程は、NMR分光法によって監視された。

160℃で16時間後、目的生成物MeSiHCl(12)およびジメチルシランがそれぞれ8%および34%の収率で形成された。クロロカルボジシランの水素化と開裂により、メチルシラン10が2%の収率で得られた。220℃での長くされた反応時間(+15時間)にて、12のモル量が34%に増加し、一方でMeSiHのモル量(13)は、クロロシランとの再分配反応により減少(5%)した。カルボジシランはさらに切断され(13%が残っている)、それぞれ7%、7%、9%の収率でシラン8、9、10を得た(表13)。
例12
MeSiCl(1.7mmol)およびテトラグライム(0.35ml)をNMRチューブに入れ、−196℃(液体窒素)に冷却し、次にLiH(2.5mmol)を添加した;NMRチューブを排気し、密閉し、そして室温に温めた。サンプルを加熱すると出発物質が反応し、そしてクロロシランの還元/再分配反応の過程は、NMR分光法によって監視された。表14に記載されているように、目的化合物MeSiHCl(8、11%)およびMeSiHCl(9、28%)は160℃で形成されたが、より長い反応時間が必要とされた。
例13
エーテル溶媒中のHClでの塩素化によるMeSiHなどの過水素化副生成物の後続処理の例
MeSiHを室温に温めると、それは、−45℃に冷却した、HCl/ジグライム試薬(170g、ジグライム540ml中のHCl4.7mol)で満たされた1Lフラスコへと蒸発させた。完了(1.5時間)後、反応混合物を4時間撹拌し、8時間かけて15℃まで温めた。HCl/ジグライムフラスコを冷却トラップ(−78℃)に接続し、12時間の全体的な反応時間の後、16.85g(0.28mol)MeSiH、0.83g(9mmol)MeSiHCl、および0.13g(3mmol)の塩化メチルの混合物を回収した。HCl/ジグライム溶液の揮発性化合物は、約−78℃に冷却された別のトラップに接続された冷却トラップ(約−196℃)にて真空下で凝集された。凝集した混合物(約−196℃)を常圧(約1013mbar)で室温まで温め、形成されたジメチルクロロシランをガス状塩化水素から分離した:MeSiHClは−78℃の冷却トラップで回収され、一方で過剰なHClは、最初の塩素化反応に使用されたジグライムで満たされた1Lフラスコへの蒸発により直接リサイクルされた。−78℃トラップで回収されたMeSiHClは、Youngバルブを備えたアンプルへと凝集され、微量の塩化メチルと明らかにMeSiHの二重塩素化によって形成されたMeSiClのほか、MeSiHClの59g(0.62mol)が得られた。
塩素化反応後の−78℃冷却トラップで回収されたMeSiH(16.85g、上記参照)を、(リサイクルされた)HCl/ジグライム混合物へとさらに蒸発させ、前述のように反応させて処理し、微量の塩化メチルで汚染された25g(0.27mol)のMeSiHClを得た。MeSiHCl画分と常圧での50cmVigreuxカラムでの最終蒸留の両方を組み合わせて、塩素化ステップで99%の収率で74g(0.89mol)のMeSiHCl(沸点:35℃)を得た。
例14
112mgの高塩素化ジシラン69mol%のClMeSi−SiMeCl、26mol%のClMeSi−SiMeCl、4mol%のClMeSi−SiMeClおよび1mol%のMeSi−SiMeClの混合物を、溶媒としてのジグライム中の8.1mgのLiH(50mol%、混合物中の塩素含有量に関する)と反応させた。クロロモノ−およびジシランの還元、再分配、および開裂は、反応混合物の加温により示されるように室温から開始した。形成された生成物を表15に示す。ジシランの開裂はほぼ定量的で、高度にメチル化されたジシランClMeSi−SiMeClのみが微量(約1%)で残っていた。モノシランMeSiHClが主な生成物で、モノシラン8がそれに続く。
例15
例14からのサンプルのメチルクロロジシラン混合物(183mg)とジグライム中のLiHとの反応は、反応するLiHの量によって容易に制御することができる。LiHを41mol%(10mg、混合物中の塩素含量に関する、(例14と比較した場合))に減少すると、低沸点モノシランMeSiHの形成が回避され、代わりにジクロロシランMeSiHClとMeSiClが主な生成物になった。全体的生成物組成を表16に示し、約2mol%のジシランが未反応のままであった。サンプルの約40℃への自己発熱下にて反応は室温で生じた。
例16
例15の結果は、ジグライム中の異なるモル量のLiH(25mol%、50mol%、75mol%、100mol%および400mol%、混合物中の塩素含有量に関する)により例14のジシランの混合物(110mg−159mg)を処理することによりさらに調べられた。すべての反応はサンプルの自己発熱にて室温で生じた。形成された生成物を表17に示し、ケイ素−ケイ素結合の切断後、得られた塩素化モノシランがLiHによって水素置換モノシランにさらに変換されることを示している。
Siでのクロロ置換が高いほど、水素化がより速く生じる:MeSiCl>MeSiCl>MeSiCl。同じことが、部分的水化モノシランのみに当てはまる:MeHSiCl>MeSiHCl>MeSiHCl。特に、このクロロシランのモル量は、行われるすべての反応でほぼ一定を維持するため、後者は非常にゆっくりと反応する。大過剰のLiH(約400mol%)にて、すべてのクロロ置換モノシランは、完全に反応して、完全水素化シランMeSiH(6%) MeSiH(78%)、そして完全水素化ジシランHMeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeHおよびMeSi−SiMeHとなる。
この一連の実験の結果を表17に示す。要約すると、MeSiHClやMeSiHClなどの一水素化シランの合成では、LiHは化学量論的不足(<約25mol%)で使用する必要があり、モノシランMeSiHClの量の増加のためには、LiHのモル量は、約25モル%から約75モル%が最良である。ペルヒドリドメチルシラン(MeSiHおよびMeSiH)の完全な形成のためには、LiHは過剰に使用されるべきであるが、これは本発明によれば望ましくない。
例17
表18に示すように、主に高度に塩素化されたジシランとモノシランの複合混合物(131−238mg)の反応を、それぞれ41mol%または73mol%のLiH(混合物中の塩素含有量に対して)と、自己発熱によりジグライム中で室温にて反応させた。形成された生成物を表19に記し、これはモノシランが96%のモル量で形成され、そして4mol%のテトラメチルジクロロ−およびペンタメチルクロロジシランが未反応のままであることを示している。LiHの量が多いと、Si−Cl−>Si−H還元により水素置換シランの量の増加につながる。

例18
メチルクロロジシランの水素化のため、水素化トリブチルスズが還元剤として使用された。n−BuSnHの調製のためには、以下を参照:U. Herzog, G. Roewer and U. Paetzold, Katalytische Hydrierungchlorhaltiger Disilane mit Tributylstannan, J. Organomet. Chem 1995,494,143-147。
ジシラン(ClMeSi−SiMeCl、5mol%MeSi−SiMeClと混合)(4.04g)を水素化スズと1/1モル比で、ジグライムおよび触媒としてのテトラフェニルホスホニウムクロリド(PhPCl、3w%)中で室温にて反応させた。処理後、ジシランClMeSi−SiMeCl(15mol%)、MeSi−SiMeCl(4mol%)、ClMeSi−SiMeH(72mol%)およびMeSi−SiMeH(9mol%)の混合物が得られた。これらのジシラン200mgを、密封NMRチューブ内にて180℃で9時間、テトラブチルホスホニウムクロリド(n−BuPCl、25w%)と反応させた。表20に示すように、ヒドリドジシランClMeSi−SiMeHは、68mol%の収率で形成されたモノシランMeSiHClおよびMeSiHにほぼ完全に切断された。クロロシランMeSiClは、ジシランMeSi−SiMeClの開裂から生じる。未同定のオリゴシランが少量検出された。
ジシランClMeSi−SiMeCl(15mol%)、MeSi−SiMeCl(4mol%)、ClMeSi−SiMeH(72mol%)およびMeSi−SiMeH(9mol%)であって上記の水素化から得られたものの混合物(200mg)を2−メチルイミダゾール(2−MIA、16w%)と密封されたNMRチューブにて220℃で9時間反応させた。クロロシランMeSiHClの量はテトラブチルホスホニウムクロリドの存在下での反応よりも少なく、得られた主な生成物はジメチルシランMeSiHであり、続いてMeSiCl(13.2mol%)であった。残りのジシランMeSi−SiMeClおよびMeSi−SiMeHは、それぞれ15.0mol%、8.2mol%であった。特に、過水素化ジシランHMeSi−SiMeHが1.0mol%で検出された(表21)。
長くされた反応時間(69時間)により、H置換ジシランがほぼ定量的に分割され、ならびにトリシランおよびテトラシラン(ClMeSi−SiMe−SiMeClおよびClMeSi−SiMe−SiMe−SiMeCl)、すなわち表中での「オリゴシラン」が、モノマーに変換されることにつながった。得られた生成物は表22に記されており、主成分としてのMeSiHCl(約40mol%)の形成を証している。

例19
水素化反応
ミュラー・ロショー直接法生から得たモノおよびジシラン画分のシミュレーションでは、表24に記された化合物の混合物(1.10g)、表25に記されたモノシランMeSiClおよび高塩素化ジシラン(1.19g)、および表23記された化合物(1.07g)を混合し、そしてn−BuSnHの異なるモル量で反応させてケイ素のすべての塩素置換基の25、50、および75mol%を置換した。還元後、生成物を凝集/蒸留により単離して、表26に記された生成物混合物IV、VおよびVIを得た。



再分配および開裂反応
表26のサンプルIVの混合物(280mg)を使用した再分配および開裂反応は、密閉NMRチューブ内でn−BuPCl(6w%)を使用して実施された。NMR測定は、室温、140℃(+23時間)および220℃(+16時間)で行った。開裂反応はすでに室温で開始し、そして微量のMeSi−SiMe(約1mol%)のみが220℃で未反応のままであった(表27)。
表28に、サンプルVおよびVIの比較可能な開裂および再分配反応の結果を示す。
サンプルIV−VIの反応から、Cl≧3のメチルクロロジシランMeSiCl6−nのHに対するClの置換の増加とともに、部分ヒドリド置換ジシランは非常に速く切断されたことは明らかである。Me≧4でのジシラン(部分または過水素化)の切断は、より高い温度を必要とした。約140℃で、主にクロロシランMeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHClが形成された。31P−NMR分光法による反応の調査により、220℃以上でのみ、実際の触媒としてのn−BuPClの活性が証明され、後者は完全に反応して、n−BuP、痕跡量のn−BuPHおよび1−ブテン、およびH/Cl置換モノシランの最終生成に関与する塩化水素を与えた。
例20
50mlフラスコで、ジシランClMeSi−SiMeCl(69mol%)、ClMeSi−SiMeCl(26mol%)、ClMeSi−SiMeCl(4mol%)およびMeSi−SiMeCl(1mol%)の混合物(244mg)を、ジグライム0.5mLにてPhPCl(25.3mg)およびLiH(202mg)と反応させた。すでに室温で75mol%のモノシランが形成され、化合物8が40mol%の量で得られ、25mol%のジシランが切断されずに残り、その10mol%が還元された(SiCl−>SiH)(表29)。形成されている可能性のあるMeSiHは、低沸点(−57℃)のために開放系で蒸発した。これが、同じジシラン混合物(122mg)が、室温にて密封NMRチューブ内で触媒/LiH(1w%/4w%)と反応した理由である。この場合、モノシラン10が13mol%の収率で検出され、化合物8は21mol%、化合物9は33mol%の収率で検出された。
例21
この例21は、粗メチルクロロシラン混合物をLiHで処理することによりもたらされるロショー・ミュラー直接法からの生成物の組成の望ましい変化を示す。ロショー・ミュラー直接合成は、約45メートルトン銅活性化ケイ素を含む商業規模の流動床反応器で290℃/4atmで生じていることを考慮する。ケイ素転換率は4.5%/hであり、約9300kg/hの粗メチルクロロシランが生成される。この祖製物の全部または一部をLiHで処理して、メチルクロロヒドリドシラン、特にMeSiHClの形成を増加させる。
表30に、粗メチルクロロシランの2つのサンプルの組成と、各成分の量(メートルトンあたりのグラム数)を示す。メートルトンあたりのモル量と塩化物の総モルを表31に示す。これらのデータにより、所望の量のメチルクロロヒドリドシランを生成するために必要なLiHのモル量および重量を計算できる。
ここで以下を思い返すと有用である:
> メチルクロロジシランはLiHによって還元されそして切断される、
> メチルクロロシランとLiHの反応性の順番は、CHSiCl>(CHSiCl>(CHSiCl、
> そしてCHSiHCl>CHSiHCl>CHSiCl
> そして(CHSiHCl>(CHSiClである。
残りの計算は、表30に示される組成を有する粗MCSの1メータートンを処理するための約67kgのLiHの使用に基づいている(表31、行14の値)。
29SiNMR分光法を使用して、個々のメチルクロロシランとLiHとの反応に関する表32に開示されたデータを得た。29Si NMR分光法により個々のメチルクロロジシランのLiH開裂もまた調べられた。データを表33に示す。
高度にメチル化されたジシランは、限られた範囲でのみLiHと反応する。X=Cl,H
表32および33のデータは、同時係属中の出願の他の再分配実験の結果と組み合わせて使用され、表34に示す最終組成に到達する。
6.7重量パーセントのみのLiHの使用により、生成物の組成がロショー・ミュラー直接合成からの生成物の組成を主にジメチルジクロロシラン(D)から主にジメチルクロロシラン(M2H)に変えることができることを、これら実施例の結果は示している。
メチルトリクロロシラン(T)が消費され、そしてトリメチルクロロシラン(M)が増加する。生成物の収率は約71−74%である。揮発性ヒドリドシラン(CHSiH、(CHSiHおよびCHSiHCl)を回収し、新たなロショー・ミュラー直接合成生成物に追加するか、またはメチルクロロシランとの再分配に再使用され得る。全体的に、より価値のあるモノマーが得られる。さらに、生成されたLiCl(>300kg)を回収し、LiおよびLiHの生成に使用できる。
例22
(LiおよびLiHの製造のためのLiClの回収について)
この例は、同時係属出願に記載されているように、LiHを(CHSiClを(CHSiHClおよび(CHSiHへの還元に使用した場合に生成されるLiClの回収、精製および特性評価を示す。
反応からの固体を濾過により回収し、気体HClで飽和したジグライムで処理して、未反応のLiHをLiClに変換した。次に、乾燥ペンタンで4回洗浄し、630℃で1時間真空乾燥した。
LiClをジグライムおよびCに溶解し、Bruker AV-500分光計で記録されたLi−NMRによって特徴付けられた。
観測された単一共鳴(δ=0.23ppm)は、LiClの真正サンプル(δ=0.20ppm)と比較することにより、LiClの化学シフトに指定される。
乾燥したLiClを、以下の表に示す割合でKClと混合した。サンプルの融解挙動は、自動融点測定装置OptiMelt MPA 100に取り付けられたカメラによって記録された。比較のために、真正のLiCl−KClサンプルの融解挙動も測定した。両方のデータセットを表35に示す。
回収されたサンプルと対照サンプルの観測された融点は、互いによく一致している。40:60LiCl−KClサンプルは共晶組成に対応している。観察された融点は、公表されている値と一致している(参照:Zemczuzny,et al., Zeitschrift fuer Anorganische Chemie, 46 (1910) 403 - 428)。融点データは、回収されたLiClがKClと純粋な共晶を形成し、それによって電解Li回収の品質基準の1つを満たすことを証明している。
例23
例21の仮定を証明し、MeSiHClを高収率で形成するための最適な反応条件を解明するために、ロショー・ミュラー直接法の複合粗混合物は、主成分としてのMeSiCl(91.65mol%)、4.85mol%で存在するMeSiClの表36に記されているモル比で単一化合物を混合することによりシミュレートされた。
MeSiHやMeSiHなどの低沸点成分の蒸発を防ぐため、クロロシランの還元、ジシランの開裂反応、およびSi−H/Si−Cl再分配を約1から約5wt%nBuPClを用いて密閉NMRチューブで行った。n−BuPClが分解して反応を実行する場合、n−BuPは、(ポリ)ブト−1−エンと、ヒドリド置換モノシランの形成増加、および/または(モノおよびジシランの)Si−Cl部分のSi−H結合の追加塩素化に関与する塩化水素に加えて形成される。反応混合物を加熱すると形成される生成物と水素化リチウムの変換率はmol%で示され、溶媒としてのジグライムについて表37に記されている。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するNMRスケール反応。反応では、40mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、溶媒に関して17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm、5から10wtの間。
表38には、同等の反応で得られたデータが含まれているが、反応混合物中に7mol%のクラウンエーテル12−クラウン−4が存在している。後者の場合、クロロシランの還元は80℃でのみ開始され、100℃ではMeSiHClの量は>40mol%であり、一方でMeSiHのモル濃度は非常に低い(3.2mol%)。110℃を超える温度では、固体が強く形成されるため、生成物混合物のさらなるNMR調査を妨げる。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するためのNMRスケール反応。反応では、40mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、溶媒に対して17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン中:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するためのNMRスケール反応。反応では、48mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、溶媒に対して17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン中:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm。
表39は、同様の反応の結果を示しているが、溶媒としての1,4−ジオキサンであり、表40は、7mol%の12−クラウン−4−エーテルを添加して得られた結果を示している。この場合、行われた観察は、12−クラウン−4−エーテルを加えたジグライムでの反応について説明した結果と非常に似ていた(表38)。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するためのNMRスケール反応。反応では、40mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、溶媒に対して17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン中:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm。
溶媒としてTHF中で行われた反応を表41に示し、これらは表42の12−クラウン−4−エーテルの存在下で行われる。一般に、THFで行われる反応は、中程度の反応条件下で、高いLiH変換率と高収率での目的化合物MeSiHClの生成を示す。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するためのNMRスケール反応。反応では、59mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、(溶媒に対して)17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン中:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm。
1)還元、開裂、および再分配反応の条件を証明するためのNMRスケール反応。反応では、41mol%LiH(シラン混合物中に存在する総塩素含有量に関する)を使用して変換した。LiHの濃度は、(溶媒に対して)17mol/Lであった。NMR標準としてC(0.2mL)を加えた。CはLiHまたはLiClを溶解することができず、反応に影響を与えるものではない。反応は室温で開始され、60℃から10℃ずつ温度を上げて制御した。ジグライム中のLiClのLi−NMRシフト:0.56ppm、1,4−ジオキサン中:1.11ppm、およびTHF中:0.87ppm。
例24
少量の反応物のみで密封NMRチューブに約1から約5wt%のnBuPClを使用して実施した例23の実験に基づいて、同様の実験をさまざまなグラム量のクロロシランを含む密封反応アンプルで行い、モル組成を表36に示す。詳細な研究では、表の「備考」に記載されているさまざまな反応条件が調査された。
表43に、溶媒としての異なるグライムでの反応で得られた結果を示す。反応温度は60−65時間で110−150℃であった。LiH転換率は60−90mol%であり、LiH(mol/L)濃度が低いほど、変換率が高くなる。MeSiHの量(<30mol%)を添加すると、MeSiHClの得られた収率は30−55mol%であり、MeSiHClの収率には、エーテル/HCl試薬との反応(特許出願中)、またはMeSiClとの再分配などの後処理反応がほぼ定量的に含まれている。他のホスフィン化合物とブト−1−エンに加えてn−BuPを与えるn−BuPClの非常に強い分解が、いくつかの場合で観察され、その場で形成されたHClは塩素化試薬として作用し、Si−H結合をSi−Clに再移動する。

M2=MeSiCl、M3=MeSiCl、M2H=MeSiHCl、MH=MeSiHCl、MH2=MeSiHCl、M2H2=MeSiH、およびMH3=MeSiH
より効率的なのは、溶媒としてのTHFでの同等の反応であり(表44)、例えば、17モルのLiH濃度で高いLiH変換率を与え、最終的にクラウンエーテルの存在下で100mol%に達する。この場合、MeSiHClの収率は約56mol%であり、MeSiHは約17mol%で形成される。ジヒドリドシランの後処理を含めると、MeSiHClの全体的な収率は約90mol%になることになる。クラウンエーテルの存在下で、LiCl付加物形成により固体残渣が形成され、これは約100℃で再び熱的に出発物質に分解され、したがって定量的にリサイクルされることになる(G. Shore et al., Inorg. Chem. 1999, 38, 4554-4558)。同様の方法で、1,4−ジオキサンは、LiClと熱不安定な複合体を形成し、高温で付加体形成成分に分解されることになる(S. Yamashita et al., Mass Spectroscopy, 11, 106 (1963); 28, 211-216(1965))。これらの2つの発見は、特にクラウンエーテルの存在下で、溶媒として1,4−ジオキサンを使用した強い固体形成を説明している。ヒドリドクロロシランは「固体」溶媒および/またはクラウンエーテルから容易に分離でき、その後のエーテルのリサイクルは約100℃であるため、生成物の分離が容易にし得る。
M2=MeSiCl、M3=MeSiCl、M2H=MeSiHCl、MH=MeSiHCl、MH2=MeSiHCl、M2H2=MeSiH、およびMH3=MeSiH
表44からわかるように、ジメトキシエタン(DME)も溶媒として使用できるが、調査で使用した他のエーテルと比較してさほど大きな労力がない。同じことが、1,4−ジオキサンとTHFの1/1混合物で行われる反応について例示的に示されているエーテルの混合物にも当てはまる。

Claims (15)

  1. MeSi(H)Cl、MeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl、好ましくはMeSi(H)Cl、およびMeSi(H)Cl、そして最も好ましくはMeSi(H)Clから選択される、メチルクロロヒドリドモノシランの製造のための方法であって、
    (i)モノシラン、
    (ii)ジシラン、
    (iii)オリゴシラン、
    (iv)カルボジシラン
    但し、シラン(i)から(iv)の少なくとも1つは、少なくとも1つのクロロ置換基を有しているという条件である、
    からなる群から選択される少なくとも1つのシランを含むシラン基材を、
    a)少なくとも1つの水素化物供与源との水素化反応、および
    b)再分配反応、および
    c)任意にてジ−またはオリゴシランのSi−Si結合またはカルボジシランのSi−C結合の開裂反応に供することを含み、
    ここで前記方法は、AlClの不在下で、好ましくはエーテル溶媒から選択される1以上の溶媒の存在下で行われ、
    (i)モノシランは一般式(I)から選択され、
    MeSiHCl (I)、
    ここで
    x=1から3、
    y=0から3、
    z=0から3、そして
    x+y+z=4であり、
    (ii)ジシランは一般実験式(II)から選択され、
    MeSiCl (II)、
    ここで
    m=1から6、
    n=0から5、
    o=0から5、そして
    m+n+o=6であり、
    (iii)オリゴシランは一般実験式(III)の直鎖または分岐オリゴシランから選択され、
    MeSiCl (III)、
    ここで
    q=3から7
    p=qから(2q+2)
    r,s=0から(q+2)
    r+s=(2q+2)−pであり、
    (iv)カルボジシランは、一般式(IV)から選択され、
    (MeSiHCl)−CH−(MeSiHCl) (IV)
    ここで
    a、cは互いに独立して1から3であり、
    b、dは互いに独立して0から2であり、
    e、fは互いに独立して0から2であり、
    a+b+e=3、
    c+d+f=3である、方法。
  2. シラン基材は式(I)から(IV)のシランからなり、好ましくはシラン基材はMeSiClである、請求項1に記載の方法。
  3. (i)モノシランは下記式
    MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiH、MeSiH、およびMeSiH、から選択され、
    (ii)ジシランは下記式
    ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeClH、HClMeSi−SiMeClH、ClHMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、HMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeH
    HMeSi−SiMeClH、ClMeSi−SiMeClH、MeSi−SiMeClH、HMeSi−SiMeH、
    MeSi−SiMeH、HMeSi−SiMeH、MeSi−SiMeH、およびMeSi−SiMeH、から選択され、
    (iii)オリゴシランは下記式
    ClMeSi−SiMe−SiMeCl、ClMeSi−SiMe−SiMe−SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、
    (ClMeSi)SiMeCl、(ClMeSi)SiMe、(ClMeSi)SiMe−SiClMe−SiClMe、
    [(ClMeSi)SiMe]、[(ClMeSi)SiMe]SiClMe、(ClMeSi)SiMe−SiMeCl、
    ClMeSi−SiMeSiMeH、HMeSi−SiMe−SiMeH、
    HMeSi−SiMe−SiMe−SiMeH、(HMeSi)SiMe、(HMeSi)SiMeH、(HMeSi)SiMe、(HMeSi)SiMe−SiHMe−SiHMe、[(HMeSi)SiMe]、[(HMeSi)SiMe]SiHMe、および(HMeSi)SiMe−SiMeH、から選択され、
    (iv)カルボシランは下記式
    ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、
    MeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeCl、HClMeSi−CH−SiMeClH、
    HMeSi−CH−SiMeCl、HMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeClH、
    MeSi−CH−SiMeH、HMeSi−CH−SiMeH、HMeSi−CH−SiMeH、
    MeSi−CH−SiMeH、およびMeSi−CH−SiMeH、から選択され、
    ただし、前記方法で使用されるシランの少なくとも1つは、少なくとも1つのクロロ置換基を有しているという条件である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. シラン基材は、MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiHCl、MeSiH、MeSiH、MeSiH、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMeCl、ClMeSi−SiMe
    ClMeSi−SiMeCl、MeSi−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、ClMeSi−CH−SiMeCl、MeSi−CH−SiMeCl、およびMeSi−CH−SiMeClからなる群から選択される少なくとも1つ、好ましくは1つより多くのシランを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 水素化物供与源は金属水素化物から選択され、好ましくは水素化物供与源は水素化リチウムである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. シランの再分配反応は、1つの特定のクロロヒドリドメチルシランの形成をもたらす、2つの異なるメチルシラン、特に、さらなる置換基として塩素のみを有する1つのメチルシラン、およびさらなる置換基として水素のみを有する1つのメチルシランの均等化を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 再分配反応b)は、好ましくは
    − RPCl、ここでRは水素またはオルガニル基であり、これらは同一でも異なっていてもよく、より好ましくは芳香族基または脂肪族炭化水素基、さらにより好ましくはn−アルキル基、そして最も好ましくはn−ブチル基であり、
    − トリオルガノホスフィン、ここでRは水素またはオルガニル基であり、好ましくはPPhまたはn−BuP、
    − トリオルガノアミン、ここでRはオルガニル基であり、好ましくはn−BuNまたはNPh
    − N−複素環アミン、好ましくは非N−置換メチルイミダゾール、例えば2−メチルイミダゾール、および4−メチルイミダゾール、
    − 四級アンモニウム化合物、好ましくはn−BuNCl、
    − アルカリ金属ハロゲン化物、
    − アルカリ土類金属ハロゲン化物、
    − アルカリ金属水素化物、および
    − アルカリ土類金属水素化物
    からなる群から選択される少なくとも1つの再分配触媒の存在下で行われる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 開裂反応c)は、好ましくは
    − 四級15族オニウム化合物RQX、ここで各Rは独立して水素またはオルガニル基であり、Qはリン、ヒ素、アンチモンまたはビスマスであり、そしてXは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物であり、
    − 複素環アミン、
    − 複素環式アンモニウムハロゲン化物、
    − RPおよびRXの混合物、ここでRは前記定義通りであり、そしてXは前記定義通りであり、
    − アルカリ金属ハロゲン化物、
    − アルカリ土類金属ハロゲン化物、
    − アルカリ金属水素化物、
    − アルカリ土類金属水素化物、またはそれらの混合物
    からなる群から選択される少なくとも1つの開裂触媒の存在下にて、任意にて塩化水素(HCl)の存在下にて行われる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 水素化反応a)、再分配反応b)、および任意にて開裂反応c)は、同時におよび/または段階的に、好ましくは同時に行われる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 反応シーケンスは、以下のプロセス選択肢
    > 水素化反応a)および再分配反応b)が同時に行われ、任意の開裂反応c)が続いて行われる、
    > 水素化反応a)、再分配反応b)、および開裂反応c)が同時に行われる、
    > 最初に水素化反応a)が個別に行われ、そして次に再分配反応b)および任意にて開裂反応c)が、同時にまたは別々に行われ、任意にて本実施形態では、水素化反応a)後に、再分配反応b)および任意の開裂反応c)を誘導する前に既に形成されたメチルクロロヒドリドモノシランが分離されることができる、
    > 最初に水素化反応a)が行われ、次に任意にて開裂反応c)が行われ、そして次に再分配反応b)が行われ、任意にて本実施形態では、水素化反応a)後に、開裂反応c)および再分配反応b)を誘導する前に既に形成されたメチルクロロヒドリドモノシランが分離されることができる、
    > シラン基材はモノシランから選択され、そしてそのような基材は、最初に水素化反応a)に、そしてその後再分配反応b)に供され、またはそのような基材は、水素化反応a)および再分配反応b)に同時に供される、
    の1つ以上から選択される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の生成物を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  12. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法の生成物全体、またはミュラー・ロショー直接法の生成物の一部(画分)を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  13. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のモノシラン画分を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  14. シラン基材は、ミュラー・ロショー直接法生成物のより高いシラン画分(2以上のSi原子を有するシラン)である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  15. 水素化物供与源はLiHであり、前記方法は、形成されたLiClを分離するステップ、および任意にて分離されたLiClからのLiHの再生のステップを任意に含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。


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