JPH07233499A - 多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼板 - Google Patents
多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼板Info
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- JPH07233499A JPH07233499A JP8688893A JP8688893A JPH07233499A JP H07233499 A JPH07233499 A JP H07233499A JP 8688893 A JP8688893 A JP 8688893A JP 8688893 A JP8688893 A JP 8688893A JP H07233499 A JPH07233499 A JP H07233499A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来の銅めっき鋼板よりも低温でブレージング
が可能なＣｕ−Ｓｎ／Ｃｕの２層めっき鋼板を提供す
る。 【構成】鋼板上に０．５〜３．０μｍのＣｕめっき層を
有し、その上に１．５〜６．０μｍのＣｕ−Ｓｎ合金め
っき層を有する多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼
板。
が可能なＣｕ−Ｓｎ／Ｃｕの２層めっき鋼板を提供す
る。 【構成】鋼板上に０．５〜３．０μｍのＣｕめっき層を
有し、その上に１．５〜６．０μｍのＣｕ−Ｓｎ合金め
っき層を有する多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼
板。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキチュ
ーブや冷蔵庫の放冷管などに使用されている多重巻きパ
イプの素材である複層めっき鋼板に関する。
ーブや冷蔵庫の放冷管などに使用されている多重巻きパ
イプの素材である複層めっき鋼板に関する。
【０００２】
【従来技術】多重巻きパイプの製造は、所定幅に裁断し
ためっき鋼板を造管用ロールでパイプ状に多重に巻き重
ねた後、めっき層の融点以上（例えば、めっき層がＣｕ
の場合は１１５０℃に加熱した窒素と水素の混合ガス雰
囲気中）に２〜３分間保持して、Ｃｕめっき層を溶融さ
せ、その溶融しためっき層で巻き重ね面間を相互に融解
接合させる、いわゆるセルフブレージングで行われてい
る。めっき鋼板としては、Ｃｕめっき鋼板（特開平４−
７２０８６号）やＳｎ−Ｃｕ合金めっき鋼板（特開昭５
１−２００６１号）などがある。
ためっき鋼板を造管用ロールでパイプ状に多重に巻き重
ねた後、めっき層の融点以上（例えば、めっき層がＣｕ
の場合は１１５０℃に加熱した窒素と水素の混合ガス雰
囲気中）に２〜３分間保持して、Ｃｕめっき層を溶融さ
せ、その溶融しためっき層で巻き重ね面間を相互に融解
接合させる、いわゆるセルフブレージングで行われてい
る。めっき鋼板としては、Ｃｕめっき鋼板（特開平４−
７２０８６号）やＳｎ−Ｃｕ合金めっき鋼板（特開昭５
１−２００６１号）などがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Ｃｕめっき鋼板では、めっき層が純銅のためにブレージ
ング温度はＣｕの融点＋３０℃以上（例えば１１３０
℃）まで加熱する必要があり、加熱処理に要するコスト
が高く、加熱処理温度の低下が望まれていた。
Ｃｕめっき鋼板では、めっき層が純銅のためにブレージ
ング温度はＣｕの融点＋３０℃以上（例えば１１３０
℃）まで加熱する必要があり、加熱処理に要するコスト
が高く、加熱処理温度の低下が望まれていた。
【０００４】めっき層の融点を下げる目的として、Ｃｕ
めっき鋼板の表層に低融点金属（例えばＺｎ，Ｐｂ，Ｓ
ｎなど）をめっきした低融点金属／Ｃｕの２層めっき鋼
板が提案されている。しかし、低融点金属／Ｃｕの２層
めっき鋼板では多重巻きパイプ製造時の加熱過程で低融
点金属がめっき層全体に拡散し、めっき層全体の融点は
下がるものの、めっき層が柔らかいために造管機のマン
ドレルによってかじられ易い。あるいは、造管機のマン
ドレルとめっき鋼板が焼付く等の問題がある。
めっき鋼板の表層に低融点金属（例えばＺｎ，Ｐｂ，Ｓ
ｎなど）をめっきした低融点金属／Ｃｕの２層めっき鋼
板が提案されている。しかし、低融点金属／Ｃｕの２層
めっき鋼板では多重巻きパイプ製造時の加熱過程で低融
点金属がめっき層全体に拡散し、めっき層全体の融点は
下がるものの、めっき層が柔らかいために造管機のマン
ドレルによってかじられ易い。あるいは、造管機のマン
ドレルとめっき鋼板が焼付く等の問題がある。
【０００５】一方、下層に低融点金属をめっきし、その
上層にＣｕめっきを施したＣｕ／低融点金属の２層めっ
き材では、多重巻きパイプ製造時にマンドレルと焼付く
ことなく、めっき鋼板をパイプ状に成形できるが、その
後工程であるブレージング時の昇温中に低融点金属層が
先に解けてしまい、その時点では解け残っている表層の
Ｃｕめっき層が垂れ落ちてしまう問題がある。
上層にＣｕめっきを施したＣｕ／低融点金属の２層めっ
き材では、多重巻きパイプ製造時にマンドレルと焼付く
ことなく、めっき鋼板をパイプ状に成形できるが、その
後工程であるブレージング時の昇温中に低融点金属層が
先に解けてしまい、その時点では解け残っている表層の
Ｃｕめっき層が垂れ落ちてしまう問題がある。
【０００６】また、Ｓｎ−Ｃｕ合金めっき鋼板では、Ｓ
ｎ含有率の増加にともなって、めっき層の融点は下がり
ブレージング温度も下がる。しかしながら、Ｃｕ−Ｓｎ
合金めっき層はＣｕ3 ＳｎやＣｕ5 Ｓｎ6 などの硬くて
脆い金属間化合物を形成するためパイプの内周面のよう
な内曲げ加工をすると、めっき層が割れて剥離し易くな
り、造管機のマンドレルによるカジリが発生し、マンド
レルとめっき鋼板が焼付く等の問題がある。ここにいう
カジリとは、めっき鋼板とマンドレルとの摺動により局
部的焼付きを生じ、めっき鋼板表面がむしられてマンド
レル表面に凝着する。さらに加工を続けると、焼付き，
凝着を繰り返してマンドレル表面にｐｉｌｅ ｕｐし、
ついにはめっき鋼板表面に著しいむしれ傷をつける現象
をいう。
ｎ含有率の増加にともなって、めっき層の融点は下がり
ブレージング温度も下がる。しかしながら、Ｃｕ−Ｓｎ
合金めっき層はＣｕ3 ＳｎやＣｕ5 Ｓｎ6 などの硬くて
脆い金属間化合物を形成するためパイプの内周面のよう
な内曲げ加工をすると、めっき層が割れて剥離し易くな
り、造管機のマンドレルによるカジリが発生し、マンド
レルとめっき鋼板が焼付く等の問題がある。ここにいう
カジリとは、めっき鋼板とマンドレルとの摺動により局
部的焼付きを生じ、めっき鋼板表面がむしられてマンド
レル表面に凝着する。さらに加工を続けると、焼付き，
凝着を繰り返してマンドレル表面にｐｉｌｅ ｕｐし、
ついにはめっき鋼板表面に著しいむしれ傷をつける現象
をいう。
【０００７】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記の
問題点を鑑みてなされたもので、鋼板にアルカリ脱脂や
酸洗等の前処理を施した後、０．５〜３．０μｍの下地
Ｃｕめっきを施し、その上に１．５〜６．０μｍのＣｕ
−Ｓｎ合金めっきを形成することによって、多重巻きパ
イプ製造時に造管機のマンドレルと焼付くことなく、ブ
レージング時にはめっき層が垂れない多重巻きパイプ用
Ｃｕ系複層めっき鋼板を提供するものである。
問題点を鑑みてなされたもので、鋼板にアルカリ脱脂や
酸洗等の前処理を施した後、０．５〜３．０μｍの下地
Ｃｕめっきを施し、その上に１．５〜６．０μｍのＣｕ
−Ｓｎ合金めっきを形成することによって、多重巻きパ
イプ製造時に造管機のマンドレルと焼付くことなく、ブ
レージング時にはめっき層が垂れない多重巻きパイプ用
Ｃｕ系複層めっき鋼板を提供するものである。
【０００８】
【作用】本発明者らは、Ｃｕ−Ｓｎ合金めっき層と鋼板
との間に純Ｃｕ層が存在すれば多重巻きパイプ造管時に
めっき鋼板が焼付くことなくブレージング温度を下げら
れることを見いだした。すなわち、鋼板上に下層めっき
層として、Ｃｕめっきを施し、上層にＣｕ−Ｓｎ合金め
っきを施すのは、加工したときに下層Ｃｕめっき層が緩
衝材の役割を果たすため、上層のＣｕ−Ｓｎ合金めっき
層が割れ難くなる。また、Ｃｕ−Ｓｎ合金めっき層が割
れても下層のＣｕめっき層が割れないため、鋼板との密
着性が保持され、造管機のマンドレルにめっき鋼板が焼
付くことなくパイプ状に成形できるのである。さらに、
その後工程であるブレージング時の加熱過程で、上層の
Ｃｕ−Ｓｎ合金めっき層中のＳｎが、下層のＣｕめっき
層中に拡散するために、めっき層全体の融点が下がり、
ブレージング温度が１００〜３００℃下がることがわか
った。
との間に純Ｃｕ層が存在すれば多重巻きパイプ造管時に
めっき鋼板が焼付くことなくブレージング温度を下げら
れることを見いだした。すなわち、鋼板上に下層めっき
層として、Ｃｕめっきを施し、上層にＣｕ−Ｓｎ合金め
っきを施すのは、加工したときに下層Ｃｕめっき層が緩
衝材の役割を果たすため、上層のＣｕ−Ｓｎ合金めっき
層が割れ難くなる。また、Ｃｕ−Ｓｎ合金めっき層が割
れても下層のＣｕめっき層が割れないため、鋼板との密
着性が保持され、造管機のマンドレルにめっき鋼板が焼
付くことなくパイプ状に成形できるのである。さらに、
その後工程であるブレージング時の加熱過程で、上層の
Ｃｕ−Ｓｎ合金めっき層中のＳｎが、下層のＣｕめっき
層中に拡散するために、めっき層全体の融点が下がり、
ブレージング温度が１００〜３００℃下がることがわか
った。
【０００９】下層のＣｕめっき層の膜厚を０．５〜３．
０μｍに限定したのは、０．５μｍ以下では多重巻きパ
イプ造管時に表層めっき層の割れが鋼板素地まで達して
しまい、造管機のマンドレルと焼付き易くなるためであ
り、３．０μｍ以上に膜厚を厚くすると、めっき層全体
の融点を下げるために必要なＣｕ−Ｓｎめっき層も厚く
なり、コストアップとなるからである。また、上層のＣ
ｕ−Ｓｎめっき層の膜厚を１．０〜６．０μｍに限定し
たのは、１．０μｍ以下ではブレージング時にめっき層
全体の融点がほとんど下がらないからであり、６．０μ
ｍ以上に厚くすると、下層Ｃｕめっき層の効果が薄れ、
造管機のマンドレルと焼付き易くなるからである。
０μｍに限定したのは、０．５μｍ以下では多重巻きパ
イプ造管時に表層めっき層の割れが鋼板素地まで達して
しまい、造管機のマンドレルと焼付き易くなるためであ
り、３．０μｍ以上に膜厚を厚くすると、めっき層全体
の融点を下げるために必要なＣｕ−Ｓｎめっき層も厚く
なり、コストアップとなるからである。また、上層のＣ
ｕ−Ｓｎめっき層の膜厚を１．０〜６．０μｍに限定し
たのは、１．０μｍ以下ではブレージング時にめっき層
全体の融点がほとんど下がらないからであり、６．０μ
ｍ以上に厚くすると、下層Ｃｕめっき層の効果が薄れ、
造管機のマンドレルと焼付き易くなるからである。
【００１０】このめっき鋼板を製造する上で、下層のＣ
ｕめっきを鋼板に直接硫酸銅めっき浴を用いると、鋼板
表面にＣｕが置換析出するため密着性が劣り、造管時に
焼付くおそれがある。そこで、シアン化銅めっき浴やピ
ロリン酸銅めっき浴などを用いて、Ｃｕが置換析出しな
い膜厚、例えば０．１〜０．４μｍ程度のストライクめ
っきを施した後、硫酸銅めっき浴により所定膜厚のＣｕ
めっきを施す方がよい。
ｕめっきを鋼板に直接硫酸銅めっき浴を用いると、鋼板
表面にＣｕが置換析出するため密着性が劣り、造管時に
焼付くおそれがある。そこで、シアン化銅めっき浴やピ
ロリン酸銅めっき浴などを用いて、Ｃｕが置換析出しな
い膜厚、例えば０．１〜０．４μｍ程度のストライクめ
っきを施した後、硫酸銅めっき浴により所定膜厚のＣｕ
めっきを施す方がよい。
【００１１】上層のＣｕ−Ｓｎ合金めっき層は、Ｃｕ−
Ｓｎ合金めっき浴を用いて電気めっきを施してもよく、
下層のＣｕめっき層の上に電気Ｓｎめっきを施し、Ｓｎ
／Ｃｕの２層めっき鋼板を加熱処理して表層をＣｕ−Ｓ
ｎ合金めっき層としてもよい。ただし、後者の場合はＣ
ｕ−Ｓｎ合金めっき層と鋼板の間には純Ｃｕ層が０．５
〜３．０μｍ存在していることが必要である。Ｓｎの電
気めっき浴は、一般的に用いられているフェロスタン
浴，ハロゲン浴，クレゾールスルホン酸浴及びアルカリ
浴等を用いればよい。
Ｓｎ合金めっき浴を用いて電気めっきを施してもよく、
下層のＣｕめっき層の上に電気Ｓｎめっきを施し、Ｓｎ
／Ｃｕの２層めっき鋼板を加熱処理して表層をＣｕ−Ｓ
ｎ合金めっき層としてもよい。ただし、後者の場合はＣ
ｕ−Ｓｎ合金めっき層と鋼板の間には純Ｃｕ層が０．５
〜３．０μｍ存在していることが必要である。Ｓｎの電
気めっき浴は、一般的に用いられているフェロスタン
浴，ハロゲン浴，クレゾールスルホン酸浴及びアルカリ
浴等を用いればよい。
【００１２】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。 〔実施例１〕アルカリ脱脂及び酸洗の前処理を施した板
厚０．６ｍｍの冷延鋼板に、シアン化銅４０ｇ／ｌ，シ
アン化カリウム１５ｇ／ｌからなるシアン化銅めっき浴
を用いて厚さ０．２μｍの下地Ｃｕめっきを施した。次
に、この下地Ｃｕめっき鋼板に硫酸銅２００ｇ／ｌ，硫
酸４５ｇ／ｌからなる硫酸銅めっき浴を用いてＣｕの総
膜厚が表１に示すＣｕめっきを施した。このＣｕめっき
層の上に、さらに硫酸錫５０ｇ／ｌ，クレゾールスルホ
ン酸１００ｇ／ｌ，β−ナフトール２ｇ／ｌ，ゼラチン
１ｇ／ｌからなるクレゾールスルホン酸錫めっき浴を用
いて、Ｓｎめっき膜厚が表１に示すＳｎ／Ｃｕめっき鋼
板を作成した。こうして得られた、めっき鋼板を６００
℃の雰囲気下で３分間加熱処理を行い、Ｃｕ系複層めっ
き鋼板を製造した。
する。 〔実施例１〕アルカリ脱脂及び酸洗の前処理を施した板
厚０．６ｍｍの冷延鋼板に、シアン化銅４０ｇ／ｌ，シ
アン化カリウム１５ｇ／ｌからなるシアン化銅めっき浴
を用いて厚さ０．２μｍの下地Ｃｕめっきを施した。次
に、この下地Ｃｕめっき鋼板に硫酸銅２００ｇ／ｌ，硫
酸４５ｇ／ｌからなる硫酸銅めっき浴を用いてＣｕの総
膜厚が表１に示すＣｕめっきを施した。このＣｕめっき
層の上に、さらに硫酸錫５０ｇ／ｌ，クレゾールスルホ
ン酸１００ｇ／ｌ，β−ナフトール２ｇ／ｌ，ゼラチン
１ｇ／ｌからなるクレゾールスルホン酸錫めっき浴を用
いて、Ｓｎめっき膜厚が表１に示すＳｎ／Ｃｕめっき鋼
板を作成した。こうして得られた、めっき鋼板を６００
℃の雰囲気下で３分間加熱処理を行い、Ｃｕ系複層めっ
き鋼板を製造した。
【００１３】〔実施例２〕アルカリ脱脂及び酸洗の前処
理を施した板厚０．６ｍｍの冷延鋼板にピロリン酸銅５
６ｇ／ｌ，ピロリン酸カリウム２５６ｇ／ｌ，シュウ酸
カリウム１０ｇ／ｌからなるピロリン酸銅Ｃｕめっき浴
を用いて０．２μｍの下地Ｃｕめっきを施した。次に、
この下地Ｃｕめっき鋼板に硫酸銅２００ｇ／ｌ，硫酸４
５ｇ／ｌからなる硫酸銅めっき浴を用いてＣｕの総膜厚
が表２に示すＣｕめっきを施した。このＣｕめっき層の
上に、さらに硫酸錫５０ｇ／ｌ，硫酸銅５０ｇ／ｌ，フ
ェノールスルホン酸１００ｇ／ｌからなるＣｕ−Ｓｎ合
金めっき浴を用いて表２に示すＣｕ−Ｓｎ合金めっきを
施し、Ｃｕ系複層めっき鋼板を製造した。
理を施した板厚０．６ｍｍの冷延鋼板にピロリン酸銅５
６ｇ／ｌ，ピロリン酸カリウム２５６ｇ／ｌ，シュウ酸
カリウム１０ｇ／ｌからなるピロリン酸銅Ｃｕめっき浴
を用いて０．２μｍの下地Ｃｕめっきを施した。次に、
この下地Ｃｕめっき鋼板に硫酸銅２００ｇ／ｌ，硫酸４
５ｇ／ｌからなる硫酸銅めっき浴を用いてＣｕの総膜厚
が表２に示すＣｕめっきを施した。このＣｕめっき層の
上に、さらに硫酸錫５０ｇ／ｌ，硫酸銅５０ｇ／ｌ，フ
ェノールスルホン酸１００ｇ／ｌからなるＣｕ−Ｓｎ合
金めっき浴を用いて表２に示すＣｕ−Ｓｎ合金めっきを
施し、Ｃｕ系複層めっき鋼板を製造した。
【００１４】以上のようにして作製したＣｕ−Ｓｎ／Ｃ
ｕめっき鋼板から試験片を採取して、めっき層の密着
性，加工部の内壁面での割れ発生の有無，溶解接合試
験，めっき層の溶融垂れ発生の有無，ボイド試験を行っ
た。その結果をそれぞれ表１及び表２に示す。
ｕめっき鋼板から試験片を採取して、めっき層の密着
性，加工部の内壁面での割れ発生の有無，溶解接合試
験，めっき層の溶融垂れ発生の有無，ボイド試験を行っ
た。その結果をそれぞれ表１及び表２に示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【表２】
【００１７】なお、めっき密着性試験，加工部観察，溶
解接合試験，溶融垂れ試験，ボイド試験の試験方法及び
評価は次のとおり行った。 （１）めっき密着性試験 試験片のめっき面を外側にして、１８０度密着折り曲げ
て（Ｕ曲げ）、折り曲げ部にセロハンテープを貼り付け
て引き剥がし、めっき層の剥離の有無を次の基準で評価
した。 ○ めっき層の剥離なし △ 若干めっき層の剥離あり × めっき層の剥離あり
解接合試験，溶融垂れ試験，ボイド試験の試験方法及び
評価は次のとおり行った。 （１）めっき密着性試験 試験片のめっき面を外側にして、１８０度密着折り曲げ
て（Ｕ曲げ）、折り曲げ部にセロハンテープを貼り付け
て引き剥がし、めっき層の剥離の有無を次の基準で評価
した。 ○ めっき層の剥離なし △ 若干めっき層の剥離あり × めっき層の剥離あり
【００１８】（２）加工部観察 試験片のめっき面を内側にして、１８０度６ｔ折り曲げ
加工（６ｔ：同一板厚６枚を挾むこと）して、加工部の
内壁部（めっき面）の断面を顕微鏡により観察して、め
っき層の割れ発生有無を次の基準で評価した。 ○ めっき層の割れなし △ 上層のＣｕ−Ｓｎ合金めっき層のみ割れあり × 下層のＣｕめっき層に割れあり
加工（６ｔ：同一板厚６枚を挾むこと）して、加工部の
内壁部（めっき面）の断面を顕微鏡により観察して、め
っき層の割れ発生有無を次の基準で評価した。 ○ めっき層の割れなし △ 上層のＣｕ−Ｓｎ合金めっき層のみ割れあり × 下層のＣｕめっき層に割れあり
【００１９】（３）溶解接合試験 試験片を２枚重ね合わせ、スポット溶接で密着固定した
ものを複数個作成し、これを７００〜１１５０℃の各窒
素ガス雰囲気中に３分間加熱することにより、めっき層
を溶解接合させ、完全に融着する温度を調査した。
ものを複数個作成し、これを７００〜１１５０℃の各窒
素ガス雰囲気中に３分間加熱することにより、めっき層
を溶解接合させ、完全に融着する温度を調査した。
【００２０】（４）溶融垂れ試験 １００×１００ｍｍの試験片を４５度の傾斜をもたせて
融着温度＋５０℃の窒素ガス雰囲気中に３分間加熱し
て、めっき層の溶融垂れ発生の有無を肉眼により調査し
た。
融着温度＋５０℃の窒素ガス雰囲気中に３分間加熱し
て、めっき層の溶融垂れ発生の有無を肉眼により調査し
た。
【００２１】（５）ボイド試験 試験片を２枚重ね合わせ、スポット溶接で密着固定した
ものを複数個作成し、これを各試験片の融着温度の窒素
ガス雰囲気中に３分間加熱して、めっき層を融着させ、
ボイド発生の有無を渦電流で探傷する方法により行っ
た。
ものを複数個作成し、これを各試験片の融着温度の窒素
ガス雰囲気中に３分間加熱して、めっき層を融着させ、
ボイド発生の有無を渦電流で探傷する方法により行っ
た。
【００２２】
【発明の効果】以上のように、本発明により製造される
Ｃｕ系複層めっき鋼板は、めっき層の融点が下がるた
め、多重巻きパイプ製造時のブレージング温度を下げ、
製造コストを削減することが可能である。しかも、本発
明のＣｕ系複層めっき鋼板を用いると、多重巻きパイプ
製造時の造管機のマンドレルとの焼付きもなく、ブレー
ジング時のめっき層の溶融垂れ、ボイドの発生を防止す
ることができる。
Ｃｕ系複層めっき鋼板は、めっき層の融点が下がるた
め、多重巻きパイプ製造時のブレージング温度を下げ、
製造コストを削減することが可能である。しかも、本発
明のＣｕ系複層めっき鋼板を用いると、多重巻きパイプ
製造時の造管機のマンドレルとの焼付きもなく、ブレー
ジング時のめっき層の溶融垂れ、ボイドの発生を防止す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 内 田 幸 夫 大阪府堺市石津西町５番地 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所表面処理研究部内
Claims (1)
- 【請求項１】鋼板に０．５〜３．０μｍの下地Ｃｕめっ
きを施し、その上に１．５〜６．０μｍのＣｕ−Ｓｎ合
金めっきを施したことを特徴とする多重巻きパイプ用Ｃ
ｕ系複層めっき鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8688893A JPH07233499A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8688893A JPH07233499A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07233499A true JPH07233499A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=13899382
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8688893A Withdrawn JPH07233499A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 多重巻きパイプ用Ｃｕ系複層めっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07233499A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003074763A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Kawasaki Steel Corp | 油井鋼管用継手 |
| US7226860B2 (en) | 2004-04-28 | 2007-06-05 | Taiwan Semiconductor Manfacturing Co. Ltd. | Method and apparatus for fabricating metal layer |
| JP2008291994A (ja) * | 2007-04-24 | 2008-12-04 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
| JP2016505703A (ja) * | 2012-11-08 | 2016-02-25 | モネ ロワイヤル カナディエンヌ／ロイヤル カナディアン ミントＭｏｎｎａｉｅ Ｒｏｙａｌｅ Ｃａｎａｄｉｅｎｎｅ／Ｒｏｙａｌ Ｃａｎａｄｉａｎ Ｍｉｎｔ | 制御された条件下における錫と銅との相互拡散による金色の青銅のための改良された技法 |
-
1993
- 1993-03-23 JP JP8688893A patent/JPH07233499A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003074763A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Kawasaki Steel Corp | 油井鋼管用継手 |
| JP4680446B2 (ja) * | 2001-08-31 | 2011-05-11 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 油井鋼管用継手 |
| US7226860B2 (en) | 2004-04-28 | 2007-06-05 | Taiwan Semiconductor Manfacturing Co. Ltd. | Method and apparatus for fabricating metal layer |
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