JPH05345969A - 半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系合金金属材 - Google Patents
半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系合金金属材Info
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- JPH05345969A JPH05345969A JP17916892A JP17916892A JPH05345969A JP H05345969 A JPH05345969 A JP H05345969A JP 17916892 A JP17916892 A JP 17916892A JP 17916892 A JP17916892 A JP 17916892A JP H05345969 A JPH05345969 A JP H05345969A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ＡｌまたはＡｌ合金金属材の上に、Ｎｉ系め
っき層を介してＳｎ系めっき層が形成されたものである
Ａｌ系合金金属材。 【効果】 優れた半田付け性及びめっき密着性を兼備し
たＡｌ系合金金属材を提供できるようになった。
っき層を介してＳｎ系めっき層が形成されたものである
Ａｌ系合金金属材。 【効果】 優れた半田付け性及びめっき密着性を兼備し
たＡｌ系合金金属材を提供できるようになった。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、家電分野，電気計装分
野等で用いられる表面処理Ａｌ系合金金属材に関するも
のである。尚、本発明は表面近傍にＡｌ系合金属を有す
る金属材に適用しうるが、以下、Ａｌ系合金めっき鋼材
を代表例として挙げて本発明を説明する。
野等で用いられる表面処理Ａｌ系合金金属材に関するも
のである。尚、本発明は表面近傍にＡｌ系合金属を有す
る金属材に適用しうるが、以下、Ａｌ系合金めっき鋼材
を代表例として挙げて本発明を説明する。
【０００２】
【従来の技術】家電分野等においては、安価で高い強度
を有する鋼材が多用されており、中でも使用環境が過酷
で高い耐食性を要求される部位にはＡｌめっきまたはＡ
ｌ合金めっき（以下「Ａｌ系合金めっき」で代表するこ
とがある）鋼材が汎用されている。これらの分野におい
ては、例えばＡｌ系合金めっき鋼材を電気製品のシャー
シに用いた場合にアース端子を半田付けするように、直
接半田付けを要求される場合がある。しかし、Ａｌ系合
金めっき自体には通常のＰｂ−Ｓｎ系の半田が付かない
ので、Ａｌ系合金めっき層の上に半田付け性に優れため
っき層を設ける必要がある。
を有する鋼材が多用されており、中でも使用環境が過酷
で高い耐食性を要求される部位にはＡｌめっきまたはＡ
ｌ合金めっき（以下「Ａｌ系合金めっき」で代表するこ
とがある）鋼材が汎用されている。これらの分野におい
ては、例えばＡｌ系合金めっき鋼材を電気製品のシャー
シに用いた場合にアース端子を半田付けするように、直
接半田付けを要求される場合がある。しかし、Ａｌ系合
金めっき自体には通常のＰｂ−Ｓｎ系の半田が付かない
ので、Ａｌ系合金めっき層の上に半田付け性に優れため
っき層を設ける必要がある。
【０００３】半田付け性に優れためっき種の代表的なも
のとして、Ｓｎ，Ｃｕ及びＰｂが挙げられる。Ｃｕめっ
き層をＡｌ系合金めっき層の上に配した場合には、通常
の使用環境ではＣｕがＡｌに比べて貴な自然電位を有す
るため、ガルバニック作用によりＡｌ系合金めっき層の
腐食が促進され、Ａｌ系合金めっき鋼材が本来有する耐
食性が発揮できないという問題がある。またＰｂは人体
に有害であるため、めっき作業時の環境を厳密に管理す
る必要があり、また設備も厳重なものでなくてはならな
いので、実用上好ましくない。
のとして、Ｓｎ，Ｃｕ及びＰｂが挙げられる。Ｃｕめっ
き層をＡｌ系合金めっき層の上に配した場合には、通常
の使用環境ではＣｕがＡｌに比べて貴な自然電位を有す
るため、ガルバニック作用によりＡｌ系合金めっき層の
腐食が促進され、Ａｌ系合金めっき鋼材が本来有する耐
食性が発揮できないという問題がある。またＰｂは人体
に有害であるため、めっき作業時の環境を厳密に管理す
る必要があり、また設備も厳重なものでなくてはならな
いので、実用上好ましくない。
【０００４】一方、ＳｎめっきをＡｌ系合金めっきの上
に配した場合には、Ｓｎの自然電位はＣｕほどは貴では
ないので、ガルバニック作用は弱くなる。その為Ｓｎめ
っきを施してもＡｌ系合金めっき鋼材本来の耐食性は殆
ど劣化しないので、耐食性と半田付け性を兼備しためっ
き鋼材が得られる。ところがＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼材
には、めっき密着性に劣るという問題がある。
に配した場合には、Ｓｎの自然電位はＣｕほどは貴では
ないので、ガルバニック作用は弱くなる。その為Ｓｎめ
っきを施してもＡｌ系合金めっき鋼材本来の耐食性は殆
ど劣化しないので、耐食性と半田付け性を兼備しためっ
き鋼材が得られる。ところがＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼材
には、めっき密着性に劣るという問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な状
況に鑑みてなされたものであって、その目的は高耐食性
で、しかも半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系
合金金属材を提供することにある。
況に鑑みてなされたものであって、その目的は高耐食性
で、しかも半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系
合金金属材を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明はＡｌまたはＡｌ合金金属材の上に、Ｎ
ｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層が形成されたもの
であることに要旨を有する。
のできた本発明はＡｌまたはＡｌ合金金属材の上に、Ｎ
ｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層が形成されたもの
であることに要旨を有する。
【０００７】
【作用】本発明者等は、高耐食性でしかも優れた半田付
け性及びめっき密着性を兼備したＡｌ系合金めっき鋼材
の構造を種々検討した結果、Ａｌ系合金めっき鋼材の上
に、Ｎｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層を形成した
複合構造がよいということを見出した。
け性及びめっき密着性を兼備したＡｌ系合金めっき鋼材
の構造を種々検討した結果、Ａｌ系合金めっき鋼材の上
に、Ｎｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層を形成した
複合構造がよいということを見出した。
【０００８】このめっき層構造によって、耐食性を損な
わずに優れた半田付け性及びめっき密着性を確保できる
理由は下記の点にあると考えられる。
わずに優れた半田付け性及びめっき密着性を確保できる
理由は下記の点にあると考えられる。
【０００９】まず上層にＳｎ系めっき層を配することに
より、良好な半田付け性が確保される。しかし、Ａｌ系
合金めっき層の最表面には強固な酸化皮膜が存在してお
り、Ｓｎ系めっきを直接施しても良好なぬれ性が得られ
ないので、Ａｌ系合金めっき層に対するＳｎめっき層の
接合が不十分となり、めっき密着性の劣化につながると
考えられる。
より、良好な半田付け性が確保される。しかし、Ａｌ系
合金めっき層の最表面には強固な酸化皮膜が存在してお
り、Ｓｎ系めっきを直接施しても良好なぬれ性が得られ
ないので、Ａｌ系合金めっき層に対するＳｎめっき層の
接合が不十分となり、めっき密着性の劣化につながると
考えられる。
【００１０】そこで、本発明者等は検討した結果、Ａｌ
系合金めっき層とＳｎ系めっき層との間にＮｉ系めっき
層を介在させることによって、各々のめっき層間に十分
な接合性が得られることを見出した。Ｎｉは、めっきを
施した時点でＡｌ及びＳｎと固溶または合金化反応を起
こすものと考えられ、界面近傍でめっき元素が相互に拡
散してめっき層間の良好な密着性が確保されるものと思
われる。また、Ｎｉは自然電位が比較的貴であるため表
面にＡｌほど強固な酸化皮膜を形成しないので、Ｓｎと
のなじみ性が良好であると考えられる。
系合金めっき層とＳｎ系めっき層との間にＮｉ系めっき
層を介在させることによって、各々のめっき層間に十分
な接合性が得られることを見出した。Ｎｉは、めっきを
施した時点でＡｌ及びＳｎと固溶または合金化反応を起
こすものと考えられ、界面近傍でめっき元素が相互に拡
散してめっき層間の良好な密着性が確保されるものと思
われる。また、Ｎｉは自然電位が比較的貴であるため表
面にＡｌほど強固な酸化皮膜を形成しないので、Ｓｎと
のなじみ性が良好であると考えられる。
【００１１】以上の理由から、Ａｌ系合金めっき鋼材の
上にＮｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層を形成する
ことにより、優れた耐食性，半田付け性及びめっき密着
性を兼備した鋼材が得られる。
上にＮｉ系めっき層を介してＳｎ系めっき層を形成する
ことにより、優れた耐食性，半田付け性及びめっき密着
性を兼備した鋼材が得られる。
【００１２】Ａｌ系合金めっき層は、鋼材に対して安定
した犠牲防食能を発現できること、腐食時に外観上著し
く目立つ腐食生成物を形成しないこと、素地鋼材に対し
て良好なめっき密着性を有することが配慮されていれ
ば、めっき種に特に制限はなく、純Ａｌの他、Ａｌ−Ｚ
ｎ，Ａｌ−Ｓｉ等を用いることができる。
した犠牲防食能を発現できること、腐食時に外観上著し
く目立つ腐食生成物を形成しないこと、素地鋼材に対し
て良好なめっき密着性を有することが配慮されていれ
ば、めっき種に特に制限はなく、純Ａｌの他、Ａｌ−Ｚ
ｎ，Ａｌ−Ｓｉ等を用いることができる。
【００１３】Ａｌ系合金めっき鋼材のめっき付着量は、
必要とする耐食性に応じて設定すれば良いが、５〜１５
０ｇ／m2の範囲が好ましい。めっき付着量が５ｇ／m2未
満であると鋼材に対して十分な犠牲防食能が確保できな
い恐れがあり、一方１５０ｇ／m2を超えるとめっき応力
の増大によりめっき密着性が劣化するからである。
必要とする耐食性に応じて設定すれば良いが、５〜１５
０ｇ／m2の範囲が好ましい。めっき付着量が５ｇ／m2未
満であると鋼材に対して十分な犠牲防食能が確保できな
い恐れがあり、一方１５０ｇ／m2を超えるとめっき応力
の増大によりめっき密着性が劣化するからである。
【００１４】Ａｌ系合金めっきの方法としては良好なめ
っき密着性を確保できるものであれば特に限定されず、
例えば溶融めっき、水以外の溶媒系を用いた電気めっ
き、ドライコーティング等が挙げられる。
っき密着性を確保できるものであれば特に限定されず、
例えば溶融めっき、水以外の溶媒系を用いた電気めっ
き、ドライコーティング等が挙げられる。
【００１５】Ｎｉ系めっき層の種類は、腐食時に外観上
著しく目立つ腐食生成物を形成しないこと、Ａｌ系合金
めっき層及びＳｎ系めっき層とのめっき密着性が良好な
ものであることを満たすものであれば特に制限されず、
例えば純Ｎｉ，Ｎｉ−Ｚｎ，Ｎｉ−Ｐ等が挙げられる。
またＮｉ系めっき層のめっき付着量は、０．０５〜８ｇ
／m2の範囲であることが好ましい。めっき付着量が少な
すぎると、Ａｌ系合金めっき層の被覆が十分でなく、ま
た付着量が多すぎるとＮｉが硬いために加工時にめっき
層の割れや剥離を生じやすい為である。
著しく目立つ腐食生成物を形成しないこと、Ａｌ系合金
めっき層及びＳｎ系めっき層とのめっき密着性が良好な
ものであることを満たすものであれば特に制限されず、
例えば純Ｎｉ，Ｎｉ−Ｚｎ，Ｎｉ−Ｐ等が挙げられる。
またＮｉ系めっき層のめっき付着量は、０．０５〜８ｇ
／m2の範囲であることが好ましい。めっき付着量が少な
すぎると、Ａｌ系合金めっき層の被覆が十分でなく、ま
た付着量が多すぎるとＮｉが硬いために加工時にめっき
層の割れや剥離を生じやすい為である。
【００１６】Ｓｎ系めっき層の種類は、外観，めっき密
着性が良好であれば特に制限されず、例えば純Ｓｎ，Ｓ
ｎ−Ｐｂ等が挙げられる。Ｓｎ系めっき層のめっき付着
量は、０．５〜１０ｇ／m2の範囲が好ましい。めっき付
着量が少なすぎると良好な半田付け性が確保されず、一
方付着量が多すぎるとそれ以上半田付け性の向上が望め
ないばかりでなく経済的でない為である。
着性が良好であれば特に制限されず、例えば純Ｓｎ，Ｓ
ｎ−Ｐｂ等が挙げられる。Ｓｎ系めっき層のめっき付着
量は、０．５〜１０ｇ／m2の範囲が好ましい。めっき付
着量が少なすぎると良好な半田付け性が確保されず、一
方付着量が多すぎるとそれ以上半田付け性の向上が望め
ないばかりでなく経済的でない為である。
【００１７】Ｎｉ系めっき及びＳｎ系めっきを施す方法
としては、蒸着めっき，イオンプレーティング，スパッ
タリング，化学気相蒸着法等のドライコーティングが好
ましい。これはめっき浴の汚染が殆どなく、めっき作業
性と製品特性が安定している為である。ドライコーティ
ング以外の方法、例えば電気めっき，無電解めっき，溶
融めっきでは、めっき浴中への下地側のめっき成分の溶
解が起き、浴の変質，劣化が促進され、外観・耐食性等
の性能へ影響する為好ましくない。
としては、蒸着めっき，イオンプレーティング，スパッ
タリング，化学気相蒸着法等のドライコーティングが好
ましい。これはめっき浴の汚染が殆どなく、めっき作業
性と製品特性が安定している為である。ドライコーティ
ング以外の方法、例えば電気めっき，無電解めっき，溶
融めっきでは、めっき浴中への下地側のめっき成分の溶
解が起き、浴の変質，劣化が促進され、外観・耐食性等
の性能へ影響する為好ましくない。
【００１８】Ｎｉ系めっき及びＳｎ系めっきのめっき時
の温度は、要求される特性に応じて適宜決定すれば良い
が、３９３〜９１３Ｋの範囲が好ましい。めっき温度が
低過ぎると、めっき層界面でのめっき元素の拡散が不十
分で良好なめっき密着性が確保できず、一方めっき温度
が高過ぎると、めっき層間の合金化が進みすぎてかえっ
てめっき層が脆化してめっき密着性が劣化する。更に、
最上層であるＳｎ系めっき層の表面まで合金化が起こる
と、下層側のＮｉ系めっき成分，Ａｌ系めっき成分が表
面に露出するようになり、半田付け性が劣化する恐れが
ある為である。
の温度は、要求される特性に応じて適宜決定すれば良い
が、３９３〜９１３Ｋの範囲が好ましい。めっき温度が
低過ぎると、めっき層界面でのめっき元素の拡散が不十
分で良好なめっき密着性が確保できず、一方めっき温度
が高過ぎると、めっき層間の合金化が進みすぎてかえっ
てめっき層が脆化してめっき密着性が劣化する。更に、
最上層であるＳｎ系めっき層の表面まで合金化が起こる
と、下層側のＮｉ系めっき成分，Ａｌ系めっき成分が表
面に露出するようになり、半田付け性が劣化する恐れが
ある為である。
【００１９】本発明に係るめっき層の基本構造は、最表
層からＳｎ系めっき層／Ｎｉ系めっき層／Ａｌ系めっき
層／鋼材である。しかし、めっき時に各めっき層の境
界、若しくはＡｌ系めっき層と鋼材との境界に合金層を
生じることがある。このように実質的に更に多層のめっ
き層構造になっても、基本的に上記の構造を有するもの
であれば、めっき層の層数は特に限定されない。
層からＳｎ系めっき層／Ｎｉ系めっき層／Ａｌ系めっき
層／鋼材である。しかし、めっき時に各めっき層の境
界、若しくはＡｌ系めっき層と鋼材との境界に合金層を
生じることがある。このように実質的に更に多層のめっ
き層構造になっても、基本的に上記の構造を有するもの
であれば、めっき層の層数は特に限定されない。
【００２０】尚、この場合基材となる鋼材は、鋼種，形
状等特に制限されず、鋼種としては、純鋼，低合金鋼，
高合金鋼等が挙げられ、また形状としては板状，波板
状，線状，棒状等が挙げられる。
状等特に制限されず、鋼種としては、純鋼，低合金鋼，
高合金鋼等が挙げられ、また形状としては板状，波板
状，線状，棒状等が挙げられる。
【００２１】また、Ａｌ系めっき層／鋼材の代りにＡｌ
系合金材を使用しても、本発明の適用の効果が得られる
ので、Ｓｎ系めっき層／Ｎｉ系めっき層／Ａｌ系合金材
の構造も包含することができる。この場合、基材となる
Ａｌ系合金材の種類は特に限定されず、純Ａｌ材の他Ａ
ｌ−Ｚｎ合金材、Ａｌ−Ｓｉ合金材等を用いることがで
きる。またその製造方法や形状等も特に限定されるもの
ではない。
系合金材を使用しても、本発明の適用の効果が得られる
ので、Ｓｎ系めっき層／Ｎｉ系めっき層／Ａｌ系合金材
の構造も包含することができる。この場合、基材となる
Ａｌ系合金材の種類は特に限定されず、純Ａｌ材の他Ａ
ｌ−Ｚｎ合金材、Ａｌ−Ｓｉ合金材等を用いることがで
きる。またその製造方法や形状等も特に限定されるもの
ではない。
【００２２】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【００２３】実施例１ 供試材として、市販の溶融Ａｌめっき鋼板に真空蒸着法
にてＮｉめっきした後、続いてＳｎめっきを施しためっ
き材（ここではＳｎ／Ｎｉ／Ａｌ３層めっき鋼板と呼
ぶ）、および同じ溶融Ａｌめっき鋼板に真空蒸着法にて
Ｓｎめっきのみを施しためっき材（ここではＳｎ／Ａｌ
２層めっき鋼板と呼ぶ）を準備した。
にてＮｉめっきした後、続いてＳｎめっきを施しためっ
き材（ここではＳｎ／Ｎｉ／Ａｌ３層めっき鋼板と呼
ぶ）、および同じ溶融Ａｌめっき鋼板に真空蒸着法にて
Ｓｎめっきのみを施しためっき材（ここではＳｎ／Ａｌ
２層めっき鋼板と呼ぶ）を準備した。
【００２４】市販の溶融Ａｌめっき鋼板は、母材に厚さ
０．５ｍｍのＡｌキルド鋼板が用いられており、Ａｌめ
っき付着量は４２ｇ／m2であった。この材料を幅１００
ｍｍ×長さ１００ｍｍのサイズに切断の後、前処理とし
て水はじきがなくなるまでアルカリブラッシングを行な
い、水洗，乾燥した。前処理を行なった溶融Ａｌめっき
鋼板は、バッチ式の真空蒸着装置内で赤外線加熱にて５
２３Ｋに昇温してから、Ｎｉ，Ｓｎの各めっき種を真空
蒸着した。
０．５ｍｍのＡｌキルド鋼板が用いられており、Ａｌめ
っき付着量は４２ｇ／m2であった。この材料を幅１００
ｍｍ×長さ１００ｍｍのサイズに切断の後、前処理とし
て水はじきがなくなるまでアルカリブラッシングを行な
い、水洗，乾燥した。前処理を行なった溶融Ａｌめっき
鋼板は、バッチ式の真空蒸着装置内で赤外線加熱にて５
２３Ｋに昇温してから、Ｎｉ，Ｓｎの各めっき種を真空
蒸着した。
【００２５】Ｎｉめっきは水冷Ｃｕハースに入ったＮｉ
原料に電子線を照射することにより行なった。めっき付
着量は２ｇ／m2とし、めっき基板である溶融Ａｌめっき
鋼板の隣接部に水晶振動子を用いた膜厚センサーを設け
て付着量をモニターし、めっき時間で制御した。
原料に電子線を照射することにより行なった。めっき付
着量は２ｇ／m2とし、めっき基板である溶融Ａｌめっき
鋼板の隣接部に水晶振動子を用いた膜厚センサーを設け
て付着量をモニターし、めっき時間で制御した。
【００２６】Ｓｎめっきは、上記のＮｉめっきを行なっ
た後に続いて、またはＮｉめっきを行なわない溶融Ａｌ
めっき鋼板に対して実施した。めっき原料のＳｎは、直
接水冷Ｃｕハースに入れて溶解するとＣｕハースに融着
するので、Ｃｕハースの中にカーボンるつぼを置いてそ
こにＳｎを仕込んだ。Ｓｎめっき付着量は膜厚センサー
にてモニターし、５ｇ／m2および１０ｇ／m2とした。
た後に続いて、またはＮｉめっきを行なわない溶融Ａｌ
めっき鋼板に対して実施した。めっき原料のＳｎは、直
接水冷Ｃｕハースに入れて溶解するとＣｕハースに融着
するので、Ｃｕハースの中にカーボンるつぼを置いてそ
こにＳｎを仕込んだ。Ｓｎめっき付着量は膜厚センサー
にてモニターし、５ｇ／m2および１０ｇ／m2とした。
【００２７】このようにして作製したＳｎ／Ｎｉ／Ａｌ
３層めっき鋼板およびＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼板のめっ
き密着性は、密着曲げ試験にて評価した。即ち、供試材
を１８０°密着曲げした後に折曲げ部のめっき層をセロ
テープ剥離し、剥離の状況を観察した。
３層めっき鋼板およびＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼板のめっ
き密着性は、密着曲げ試験にて評価した。即ち、供試材
を１８０°密着曲げした後に折曲げ部のめっき層をセロ
テープ剥離し、剥離の状況を観察した。
【００２８】○：めっき層の剥離なし △：めっき層がわずかに剥離 ×：めっき層が全面剥離 表１にめっき密着性の評価結果を示す。
【００２９】
【表１】
【００３０】表１から明らかなように、本発明の規定要
件を満たす実施例では良好なめっき密着性が得られたの
に対し、比較例であるＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼板は、め
っき密着性が劣りＳｎめっき層の全面剥離が認められ
た。
件を満たす実施例では良好なめっき密着性が得られたの
に対し、比較例であるＳｎ／Ａｌ２層めっき鋼板は、め
っき密着性が劣りＳｎめっき層の全面剥離が認められ
た。
【００３１】またＪＩＳ Ｃ ００５０に準じてＳｎ／
Ａｌ２層めっき鋼板を４９３Ｋに加熱して６０Ｓｎ−４
０Ｐｂ半田をのせたところ、Ｓｎめっき層と半田のなじ
みは良好であったが、Ａｌめっき層と半田との間ではじ
きが認められた。これに対し本発明の規定要件を満たす
Ｓｎ／Ｎｉ／Ａｌ３層めっき鋼板では半田の良好なぬれ
が認められた。
Ａｌ２層めっき鋼板を４９３Ｋに加熱して６０Ｓｎ−４
０Ｐｂ半田をのせたところ、Ｓｎめっき層と半田のなじ
みは良好であったが、Ａｌめっき層と半田との間ではじ
きが認められた。これに対し本発明の規定要件を満たす
Ｓｎ／Ｎｉ／Ａｌ３層めっき鋼板では半田の良好なぬれ
が認められた。
【００３２】以上のことから、Ｓｎ系めっき層とＡｌ系
合金めっき層との間にＮｉ系めっき層を介在させること
により、良好な半田付け性を確保しつつ優れためっき密
着性が得られることが分かる。
合金めっき層との間にＮｉ系めっき層を介在させること
により、良好な半田付け性を確保しつつ優れためっき密
着性が得られることが分かる。
【００３３】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
高耐食性でしかも半田付け性及びめっき密着性に優れた
Ａｌ系合金めっき鋼材及びＡｌ系合金材を提供できるよ
うになった。
高耐食性でしかも半田付け性及びめっき密着性に優れた
Ａｌ系合金めっき鋼材及びＡｌ系合金材を提供できるよ
うになった。
Claims (1)
- 【請求項１】 ＡｌまたはＡｌ合金金属材の上に、Ｎｉ
系めっき層を介してＳｎ系めっき層が形成されたもので
あることを特徴とする半田付け性及びめっき密着性に優
れたＡｌ系合金金属材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17916892A JPH05345969A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系合金金属材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17916892A JPH05345969A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系合金金属材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05345969A true JPH05345969A (ja) | 1993-12-27 |
Family
ID=16061132
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17916892A Withdrawn JPH05345969A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 半田付け性及びめっき密着性に優れたＡｌ系合金金属材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05345969A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004076724A1 (ja) * | 2003-02-26 | 2004-09-10 | Toyo Kohan Co., Ltd. | ﾊﾝﾀﾞ性に優れた表面処理Al板、それを用いたﾋｰﾄｼﾝｸ、およびﾊﾝﾀﾞ性に優れた表面処理Al板の製造方法 |
| JP2008223147A (ja) * | 2008-06-13 | 2008-09-25 | Toyo Kohan Co Ltd | ハンダ性に優れた表面処理Ａｌ板及びその製造方法 |
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1992
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