JP2006509636A - ろう付けシート製品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
コア金属シート(1)、該コア金属シート(1)の少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウムろう付け合金から製造されたクラッド層(2)、および該クラッド層(2)の少なくとも一つの外側表面上に鉄または鉄合金を含んでなる層(4)、および該鉄または鉄合金を含んでなる層(4)の外側表面上に、金属Xを含んでなるさらなる層(3)を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン、ストロンチウム、チタン、マンガン、銅またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される、ろう付けシート製品を開示する。そのようなろう付け製品の製造方法、およびこのろう付け製品から製造された少なくとも一個の部品を含む、ろう付けされた組立品も開示する。
Description
本発明は、金属性のコアを含んでなり、そのコアの少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウム合金製のアルミニウムクラッド層、および別の金属層を有し、全体で、アルミニウムクラッド層およびその外側にあるすべての層がろう付け操作のための金属充填剤を形成する、ろう付けシート製品に関する。本発明は、そのようなろう付け製品の製造方法、およびこのろう付け製品から製造された少なくとも一つの部品を含んでなる、ろう付けされた組立品にも関する。
金属、例えばアルミニウムおよびアルミニウム合金、は、広範囲なろう付けおよび半田付け方法により接合することができる。ろう付けは、定義上、450℃より上に母材の液相線および下に固相線を有する金属充填剤または合金を使用する。ろう付けは、金属充填剤の融点により半田付けと区別され、半田は450℃未満で融解する。半田付け方法は、本発明の範囲内ではない。
ろう付けシート製品は、熱交換機、および他の類似の装置で広く使用されている。従来のアルミニウムろう付けシート製品は、コアまたは母材シート、典型的にはAluminium Association(「AA」)3xxx-シリーズのアルミニウム合金、を有し、そのコアシートの少なくとも一方の表面上にアルミニウムクラッド層を有し、そのアルミニウムクラッド層は、ケイ素を4〜14重量%、好ましくは7〜14重量%、の量で含んでなるAA4xxx-シリーズの合金から製造されている。アルミニウムクラッド層は、コアまたは母材合金に、この分野で公知の様々な方法、例えばロールボンディング、クラッド加工、爆発クラッド加工、溶射成形または半連続式または連続式鋳造方法、により結合させることができる。
制御雰囲気ろう付け(「CAB」)および真空ろう付け(「VB」)が、工業規模のアルミニウムろう付けに使用される2つの主要方法である。工業用真空ろう付けは、1950年代から使用されているのに対し、CABは、1980年代初期に、NOCOLOK(商標)ろう付けフラックスの導入後に一般的になった。真空ろう付けは、実質的に断続的工程であり、材料に高度の清浄さが要求される。存在する酸化アルミニウム層の分裂は、主としてクラッド合金からマグネシウムが蒸発するために引き起こされる。好適な装置のための投資は比較的高い。
CABは、ろう付けの前にろう付けフラックスを塗布しなければならないので、VBと比較して、ろう付けの前に追加の工程が必要である。アルミニウム合金をろう付けするのに使用するろう付けフラックス材料は、通常、アルカリ土類金属塩化物およびフッ化物の混合物からなり、フッ化アルミニウムまたは氷晶石を含むことがある。CABは、実質的な連続製法であり、その際、適切なろう付けフラックスを使用すれば、大量のろう付けした組立品を製造することができる。ろう付けフラックスは、ろう付け温度で酸化物層を溶解させ、クラッド合金を適切に流動させることができる。NOCOLOKフラックス材料を使用する場合、フラックスを塗布する前に、表面を十分に清浄にする必要がある。良好なろう付け結果を得るには、ろう付けフラックスを、ろう付けする組立品の全表面上に塗布する必要がある。これは、特定の種類の組立品では、それらの設計のために困難になる場合がある。例えば、蒸発装置型の熱交換機は内部表面が大きく、内部に到達するのが困難なので、問題が起こる。良好なろう付け結果を得るには、ろう付けの前にフラックスがアルミニウム表面に密着していなければならない。しかし、ろう付けフラックス材料は、乾燥後は小さな機械的振動により簡単に剥がれ落ちる。ろう付けサイクル中、腐食性の煙、例えばHF、が発生する。このために、炉に使用する材料に高度の耐食性が必要になる。
理想的には、CABに使用できるが、公知のろう付けフラックス塗布の必要性および欠点が無い材料を使用できるべきである。そのような材料は、ろう付け組立品の製造業者に供給し、組立品部品を形成した後、即使用できる。ろう付けフラックス処理操作をさらに行う必要がない。現在、工業的規模で使用されている無フラックスろう付け方法は一つしかない。この方法のための材料は、例えばAA3xxx-シリーズのコア合金から製造され、その片側または両側にAA4xxx-シリーズ合金のクラッドを備えた標準的なろう付けシートでよい。このろう付けシートを使用できる前に、自然に生じる酸化アルミニウム層がろう付けサイクルの際に妨害しないように、表面を変性させる必要がある。良好なろう付けを達成する方法は、クラッド合金の表面上に特定量のニッケルを堆積させることである。適切に塗布されれば、ニッケルは、恐らく発熱的に、下にあるアルミニウムと反応する。
アルミニウムろう付けシート製品のアルカリ性溶液におけるニッケルめっき方法は、すべてここにその全文を参考として含めるUS−A−3,970,237、US−A−4,028,200、およびUS−A−4,164,454のそれぞれから公知である。これらの文献によれば、ニッケルまたはコバルト、またはそれらの組合せ、を鉛との組合せで堆積させる。鉛の添加は、ろう付けサイクル中のアルミニウムクラッド合金の濡れ性を改良するために行う。これらのめっき方法の重要な特徴は、ニッケルがアルミニウムクラッド合金のケイ素粒子上に優先的に堆積することである。ろう付けに十分なニッケルを得るために、アルミニウムクラッド合金の表面は、ニッケル堆積のための核として作用するケイ素粒子を比較的大量に含むべきである。十分な核形成箇所を得るには、ケイ素粒子が埋め込まれているアルミニウムの一部を、酸洗の前に、化学的および/または機械的前処理により除去すべきであると考えられる。これは、ろう付けまたはクラッド合金のめっき作用のための核として役立つ、十分なケイ素で覆うために必要な条件であると考えられる。顕微鏡的尺度では、ろう付けシートのSi含有クラッドの表面は、ニッケル−鉛小球で覆われている。しかし、ろう付けシート上に好適なニッケルおよび/またはコバルト層を形成するための鉛の使用には、幾つかの欠点がある。製品、例えば自動車製品、に鉛を使用することは、好ましいことではなく、非常に近い将来、鉛を含んでなる製品、または鉛または鉛系成分を含んでなる一つ以上の中間処理工程を経て製造された製品は禁止されることさえ考えられる。
J.N.Mooij et al.による国際特許出願第WO00/71784号は、好ましくはめっきにより施された、亜鉛またはスズを含んでなる非常に薄い結合層を、AlSi合金クラッド層とニッケル層との間に設け、施されたニッケル層の結合を改良する、ろう付けシート製品を開示している。ニッケル層への鉛添加は、ビスマスの添加により置き換えられ、ろう付けシート製品の優れたろう付け特性を維持している。
ニッケルを含んでなる層を有する公知のろう付けシート製品の欠点は、ろう付けした製品の、ASTM G−85によるSWAAT試験での腐食寿命が限られていることである。無孔腐食寿命は、AA3003シリーズコア合金を有する場合、典型的には4〜6日であり、そのため、ろう付けシート製品の重要な用途が限られる。しかし、ろう付け製品における公知のニッケルめっきろう付けシートの幾つかの用途では、そのような比較的短い腐食寿命は有害ではない。良好な耐食性は、特に熱交換機、例えばラジエーターや冷却器、に使用するろう付け製品に重要な特性であると考えられる。A.J. Wittebrood et al.による国際特許出願第WO02/060639号(ここにその全文を参考として含める)によれば、Niめっきしたろう付けシート製品の腐食性能は、精選された合金化元素、特に厳選された量のスズ、の添加により、著しく改良することができる。
本発明の目的は、ろう付け操作、理想的には無フラックスCABろう付け操作、に使用する、ASTM G−85によるSWAAT試験で測定した時に、Niめっきしたろう付けシート製品と比較して、改良されたろう付け後の耐食性を有する、ろう付けシート製品を提供することである。
本発明の別の目的は、ろう付けシート製品の製造方法を提供することである。
本発明は、コア金属シート、該コア金属シートの少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウムろう付け合金から製造されたクラッド層、および該クラッド層の少なくとも一つの外側表面上に鉄または鉄合金を含んでなる層、および該鉄または鉄合金を含んでなる層の外側表面上に、金属Xまたはその合金を含んでなるさらなる層を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン、ストロンチウム、チタン、マンガン、銅またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される、ろう付けシート製品に関する。このように、金属Xが鉄または鉄合金層中に存在することが必須ではないので、鉄または鉄合金を含んでなる層は、X合金層とは異なった組成を有することができる。本発明は、そのようなろう付け製品の製造方法、およびこのろう付け製品から製造された少なくとも一個の部品を含んでなる、ろう付けされた組立品にも関する。
本発明により、一態様で、コア金属シート、該コア金属シートの少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウムろう付け合金から製造されたクラッド層、および該クラッド層の少なくとも一つの外側表面上に鉄または鉄合金を含んでなる別の層、および該鉄または鉄合金を含んでなる層の外側表面上に、金属Xまたはその合金を含んでなるさらなる層を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン、ストロンチウム、チタン、マンガン、銅またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される、ろう付けシート製品を提供する。
好ましくは、鉄または鉄合金を含んでなる層は、少なくとも80重量%の鉄、より好ましくは少なくとも85重量%の鉄、さらに好ましくは少なくとも90重量%の鉄、最も好ましくは少なくとも96重量%の鉄または少なくとも98重量%の鉄を含んでなる。
鉄または鉄合金は、ろう付けの際に、ろう付けフラックス材料、例えば公知のNOCOLOKフラックス、の非存在下で発熱反応を開始することが分かっている。施された金属Xまたはその合金の層は、その下にある鉄または鉄合金層の酸化を阻止するのに使用される。金属Xは、ろう付け操作の際に溶融した金属充填剤の表面張力を下げるのに役立つように選択する。金属Xのもう一つの利点は、特にSWAAT環境にさらされた時に、ろう付け製品のろう付け後の腐食性能を改良できることである。
本発明のろう付けシート製品、特にAA3xxx-シリーズコアアルミニウム合金を有する製品、では、ろう付け後のASTM G−85による無孔SWAAT腐食寿命が21日を超え、最も良い例では26日を超えている。このろう付けシート製品は、ろう付けフラックス材料の非存在下、調整された雰囲気条件下で無フラックスろう付けし、非常に良いろう付け後の腐食性能を達成し、ろう付けシート製品の応用可能性を著しく高めている。
一実施態様で、ろう付けシート製品は、コア金属シート(該コア金属シートの少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウム合金から製造されたクラッド層を有する)、および該クラッド層の少なくとも一つの外側表面上に鉄−X合金を含んでなる層を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、アンチモン、インジウム、ストロンチウム、マンガン、チタン、銅またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される。選択された金属Xまたはその合金は、ろう付け操作の際に溶融した金属充填剤の表面張力を下げる、および/または施された鉄または鉄合金の層の酸化を低減させる。
本発明の製品の一実施態様では、鉄−X合金を含んでなる層および/または鉄または鉄合金を含んでなる層をめっき方法、例えば電解めっき方法により形成する。しかし、他の技術、例えばロールボンディング、熱浸漬(thermal dipping)、溶射、化学蒸着(「CVD)」および物理蒸着(「PVD」)または他の、ガスまたは蒸気相から金属または合金を堆積させる技術、も使用できる。
本発明の製品の一実施態様では、鉄−X合金を含んでなる層は、拡散層である。
好ましくは、施された層、例えば鉄または鉄合金層および金属X層、のそれぞれは、環境上の観点から、実質的に鉛を含まない。
一実施態様では、施した層、例えば鉄または鉄合金層および金属X層、のそれぞれは、実質的にニッケルを含まない。さらに、ニッケルの存在は、ろう付け製品のろう付け後の腐食性能に悪影響を及ぼすことがある。
一実施態様で、本発明のろう付けシート製品は、AlSi合金クラッド層の外側表面と鉄または鉄合金を含んでなる薄い層との間に、中間結合層として、所望により使用する薄い層をさらに特徴とする。一実施態様では、この結合層は、亜鉛またはスズを含んでなる。この、好ましくは亜鉛製の中間結合層により、AlSi合金クラッド層と鉄または鉄合金を含んでなる薄い層との間に、非常に効果的な結合が形成され、この結合は、その後のろう付け製品の変形、例えば曲げ操作、の際にも有効である。好ましくは、中間結合層は、厚さが最大で0.5μm、より好ましくは最大で0.3μm、最も好ましくは0.01〜0.15μmである。厚さ約20〜30nmの使用により、最良の結果が得られている。この薄い結合層は、本発明の製品のろう付け後の腐食性能に悪影響を及ぼさないことが分かっている。
中間結合層を形成するために、例えばめっき、電気めっき、熱浸漬、溶射、CVDおよびPVDのような技術、または他の、ガスまたは蒸気相から金属または合金を堆積させる技術、も使用できる。
本発明のろう付けシート製品の一実施態様では、クラッド層およびその外側にあるすべての層が、ろう付け操作のための金属充填剤を形成し、Fe:Xの合計(例えば単一元素として、またはその群のすべての元素の合計として)のモル比が、ろう付けサイクル中に予想される発熱反応を開始するのに十分な未合金鉄が残り、好ましくは10:(0.3〜6)、より好ましくは10:(0.5〜<5)、になるような組成を有する。
コア金属シートは、アルミニウム合金、鋼、アルミニウム化鋼、ステンレス鋼、めっきまたは被覆されたステンレス鋼、青銅、黄銅、ニッケル、ニッケル合金、チタン、またはめっきまたは被覆されたチタンから製造することができる。
ろう付けシート製品の一実施態様では、コア金属シートはアルミニウム合金であり、好ましくはAA3xxx、AA5xxx、およびAA6xxx-シリーズのアルミニウム合金からなる群から選択される。
一実施態様では、各AlSi合金クラッド層は、厚さが、ろう付けシート製品の総厚の約2〜20%である。典型的なアルミニウムクラッド層の厚さは40〜80ミクロンである。アルミニウムコアシートの厚さは、典型的には最大で5mm、より好ましくは0.1〜2mmである。
本発明は、別の態様で、ろう付けシートの製造方法であって、(a)コア金属シート(該コア金属シートの少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含むアルミニウム合金から製造されたクラッド層を有する)を用意する工程、(b)鉄または鉄合金を含んでなる金属層を、アルミニウム基材の少なくとも一つの外側表面上に施す工程、(c)XまたはX合金を含んでなる金属層を、鉄または鉄合金を含んでなる層の外側表面上に施す工程を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ストロンチウム、チタン、銅、またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択され、被覆されたろう付け製品を、温度100〜500℃に1秒間〜300分間保持することにより、拡散アニーリング処理にかけ、アルミニウム基材上および鉄または鉄合金層上に鉄−X合金を含んでなる拡散層を形成する、方法を提供する。
好ましくは、鉄または鉄合金を含んでなる層は、少なくとも80重量%の鉄、より好ましくは少なくとも85重量%の鉄、さらに好ましくは少なくとも90重量%の鉄、最も好ましくは少なくとも96重量%の鉄または少なくとも98重量%の鉄を含んでなる。
アニーリング処理は、施された金属X層が施された鉄または鉄合金層の中に拡散し、Fe−X合金層を形成する効果を達成する。鉄金属の上側層は酸化に対して敏感であると考えられる。形成された表面酸化鉄は、ろう付け工程および/またはろう付け前のろう付けシート製品の形成操作に悪影響を及ぼす恐れがある。Fe−X合金層は、空気中で薄い、安定した表面酸化物被膜を形成することが分かっている。空気中でのさらなる酸化は、実質的に約300℃より高い温度でのみ起こるが、これはろう付け操作の前の貯蔵または取扱温度よりはるかに高い。
拡散アニーリング処理の際、施された金属Xは上から、めっきされた鉄または鉄合金層中に拡散するが、それによって、下にある鉄または鉄合金の大部分は、加えられた金属Xにより合金化されずに残る。そのような合金化されていない、または少なくとも加えられた金属Xにより合金化されていない鉄層は、ろう付け操作の際に下にあるAlSi合金との、恐らくは発熱の、反応開始を支援すると考えられるので、好ましい。拡散アニールされた鉄−X合金層の厚さは、典型的には約0.1〜0.8μmである。
金属Xがスズまたはスズ合金、例えば4%未満のBiを含むSn−Bi合金、である実施態様では、純粋なスズ金属の上側層は、ろう付け前の湿った条件下で、進行する酸化に対して敏感であることが分かっている。形成される表面酸化物は、ろう付け過程に悪影響を及ぼす恐れがある。鉄−スズ拡散層の形態でスズを与えることにより、最早遊離のスズは実質的に存在せず、それによってスズの有害な進行的酸化が回避される。Fe−Sn合金拡散層は、空気中で薄い安定した表面酸化物被膜を形成することが分かっている。空気中でのそれ以上の酸化は、実質的に約320℃を超える温度でのみ起こる。
スズの融点は約232℃である。拡散アニーリング処理は、スズの融点未満で行うことができるが、300分間までの長い浸漬時間を必要とする。拡散アニーリング処理は、スズの融解温度より高い温度、例えば約250℃または約300℃でも行うことができ、それによってスズは固体の鉄または鉄合金層中に拡散する。スズに対する好ましい拡散アニーリング処理温度は230〜350℃であり、浸漬時間は1秒間〜600秒間、より好ましくは1秒間〜300秒間である。
一実施態様では、鉄または鉄合金を含んでなる層は、電解めっき法を使用して施す。しかし、上記のように、他の技術も使用できる。
一実施態様では、Xを含んでなる金属層は、電解めっき法を使用して施す。しかし、上記のように、他の技術も使用できる。
本発明の方法の一実施態様では、拡散アニーリング処理は、好ましくは金属X、例えばスズまたはスズ合金、の酸化を防止する保護環境中、例えば窒素ガス雰囲気またはHNx雰囲気またはアルゴンガス雰囲気またはそれらの組合せ中で行う。
一実施態様では、アルミニウムクラッド層およびその外側にあるすべての層が、ろう付け操作のための金属充填剤を形成し、全体で、重量%で少なくとも、
Si5〜14%、
Fe0.15〜8%、好ましくは0.9〜5%、
X0.01〜7%、好ましくは0.35〜2%、その際、Xは、Sn、Zn、Bi、In、Sb、Sr、Ti、Mn、およびCuからなる群から選択され、
Sn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Bi0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
In0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sb0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Zn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sr0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Ti0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Mn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Cu0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Mg0.0〜5%、
残部アルミニウムおよび不可避不純物
を含んでなる組成を有するが、ただし、Fe:Xの合計のモル比は10:(0.3〜6)、好ましくは10:(0.5〜<5)である。
Si5〜14%、
Fe0.15〜8%、好ましくは0.9〜5%、
X0.01〜7%、好ましくは0.35〜2%、その際、Xは、Sn、Zn、Bi、In、Sb、Sr、Ti、Mn、およびCuからなる群から選択され、
Sn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Bi0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
In0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sb0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Zn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sr0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Ti0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Mn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Cu0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Mg0.0〜5%、
残部アルミニウムおよび不可避不純物
を含んでなる組成を有するが、ただし、Fe:Xの合計のモル比は10:(0.3〜6)、好ましくは10:(0.5〜<5)である。
本発明の製品の一実施態様では、鉄−X合金を含んでなる層は、拡散層である。
AlSiクラッド層は、所望によりビスマスおよび/またはアンチモンを合金化元素として1重量%まで含み、ろう付け操作の際の溶融した金属充填剤の表面張力を下げることもできる。他の合金化元素も金属充填剤中に存在することができ、典型的にはAlSiクラッド層から発生する。典型的には、各不純物元素は、0.05%を以下の範囲内で存在し、不純物元素の合計は0.3%を超えない。
好ましくは、本発明の方法により得られるろう付け製品では、鉄または鉄合金、例えばFe−Bi、を含んでなる施された層は、80重量%以上の鉄(または85重量%以上の鉄、または90重量%以上の鉄、または96重量%以上の鉄、または98重量%以上の鉄)を含んでなり、厚さが最大で2.0μm、好ましくは最大で1.0μm、より好ましくは0.05〜0.5μmである。2.0μmを超える被覆厚さは、めっきに長時間の処理を必要とし、その後のろう付け操作の際に、溶融した金属充填剤のしわを引き起こすことがある。この鉄含有層に好ましい最小厚さは、約0.10μmである。好ましくは、鉄または鉄合金を含んでなる層は、実質的に鉛を含まない。
一実施態様で、本発明の方法は、AlSi合金層の外側表面と鉄または鉄合金を含んでなる層との間に、中間結合層として、薄い層を堆積させることをさらに特徴とする。好ましい実施態様では、この薄い層は亜鉛またはスズを含んでなる。この中間結合層により、AlSi合金層と鉄または鉄合金を含んでなる薄い層との間に、非常に効果的な結合が形成され、この結合は、その後のろう付けシート製品の変形、例えば曲げ操作、の際にも有効である。そのような亜鉛の中間層を施すための最も好適な方法は、直接または浸漬めっきである。好ましくは、施された中間結合層は、厚さが最大で0.5μm、より好ましくは最大で0.3μm、最も好ましくは0.01〜0.15μmである。厚さ約30nmで、最良の結果が得られている。被覆厚さは0.5μmを超えても、密着性を改良する利点は得られない。
施された薄い結合層は、その後の鉄めっき操作で攻撃されることがある。この結合層の溶解を阻止、または少なくとも最少に抑えることは、例えば鉄または鉄合金を施すためのめっき浴のpHを3〜12、より好ましくは6〜11に維持することにより、達成することができる。あるいは、組合せで、鉄層を施す前に、結合層上に非常に薄いさらなる被覆、例えばNiフラッシュ、を施すことができよう。
本発明は、ろう付けにより接合した部品の組立品、例えば、典型的には自動車用途向けの熱交換機、または燃料電池、典型的には電気化学的燃料電池、であって、部品の少なくとも一つが上記のろう付けシート製品または上記の方法により得られるろう付け製品である、組立品をさらに提供する。ろう付け操作は、好ましくは、ろう付けフラックス材料の非存在下における不活性雰囲気(CAB)中または真空下で行う。
一実施態様では、ろう付けにより接合すべき部品の少なくとも一個が上記のろう付けシート製品から製造されるか、または上記の本発明の方法により製造され、少なくとも一個の他の部品が、鋼、アルミニウム化鋼、ステンレス鋼、めっきまたは被覆されたステンレス鋼、青銅、黄銅、ニッケル、ニッケル合金、チタン、またはめっきまたは被覆されたチタンから製造される、ろう付けされた組立品を提供する。
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明を非限定的な例により説明する。
図1は、コアシート1(例えばアルミニウム合金コアシート)、その片側または両側にある、Al−Si合金を含んでなるアルミニウムクラッド層2、および鉄−X合金(例えば鉄−スズ)の拡散層(鉄または鉄合金およびスズまたはスズ合金の、2種類の個別に施された金属層拡散アニーリング処理から得られる)、および拡散アニーリング処理により合金化されていない鉄または鉄合金を含んでなる層4からなり、所望により亜鉛の結合層5を施した、本発明のろう付けシート製品を図式的に示すが、その利点は上記の通りである。図1で、層3、4および5は、ろう付けシートの片側にだけ示してあるが、当業者には明らかな様に、これらの層はろう付けシート製品の両側に付けることもできる。例えば、所望により、コア1とのみ接触しているように示すクラッド層2は、他の層、例えば3および4、および所望により5も、備えることができる。
実験室規模で、両側にAA4045クラッド合金を備えたAA3003コア合金ロールクラッドから製造された、総厚0.5mmおよび両側のクラッド層の厚さ50μを有するアルミニウムろう付けシートに試験を行った。各試料に下記の連続的な前処理工程を行った。
−ChemTec 30014(市販の浴)中、50℃で180秒間、浸漬し、続いてすすぐことにより洗浄、
−ChemTec 30203(市販の浴)中、50℃で20秒間、アルカリエッチングし、続いてすすぎ、
−酸性酸化溶液、典型的には50%硝酸、中、室温で60秒間、しみ除去(desmutting)を行い、続いてすすぎ、
−ChemTec 19023(市販の亜鉛酸塩浴)中に室温で60秒間、亜鉛酸塩浸漬し、厚さ約30nmの薄い結合層を形成し、続いてすすぐ。
−ChemTec 30014(市販の浴)中、50℃で180秒間、浸漬し、続いてすすぐことにより洗浄、
−ChemTec 30203(市販の浴)中、50℃で20秒間、アルカリエッチングし、続いてすすぎ、
−酸性酸化溶液、典型的には50%硝酸、中、室温で60秒間、しみ除去(desmutting)を行い、続いてすすぎ、
−ChemTec 19023(市販の亜鉛酸塩浴)中に室温で60秒間、亜鉛酸塩浸漬し、厚さ約30nmの薄い結合層を形成し、続いてすすぐ。
上記の前処理に続いて、両側に、先ず鉄の層1.3、3.0および4.0g/m2を電気めっきにより施し、施された鉄層の上に、やはり電気めっきにより、様々な厚さのスズ層0.27、0.55、0.64、0.85、1.2または1.7g/m2を施した(表1参照)。
(硫酸アンモニウム)鉄めっき浴の組成
215g/l FeSO4.7H2O
104g/l (NH4)2SO4
pH 4.5
(硫酸アンモニウム)鉄めっき浴の組成
215g/l FeSO4.7H2O
104g/l (NH4)2SO4
pH 4.5
鉄層を施すためのめっき浴は、好ましくはニッケルを実質的に含まない。さらに、鉄塩は、ニッケル塩と比較して安価であり、無毒性である。
スズめっき浴は、Shipley Ronalから供給される、RONASTAN(商標)と呼ばれる市販のMethane Sulfonic Acid(「MSA」)浴であり、下記の組成を有する。
25g/l Sn
60g/l MSA
3.5g/l 硫酸
45ml/l 添加剤TP
4.5ml/l 酸化防止剤TP
25g/l Sn
60g/l MSA
3.5g/l 硫酸
45ml/l 添加剤TP
4.5ml/l 酸化防止剤TP
金属層のめっきに続いて、めっきしたろう付けシート製品を保護不活性窒素雰囲気中、250℃で1分間拡散アニールし、Fe−Sn拡散層を形成した。ろう付けサイクルの加熱の際に、所望によりろう付け製品を予め決められた温度範囲、例えば200〜300℃、に短時間保持することにより、拡散合金層を得ることも可能である。得られた拡散アニールされたパネルの外観は銀色で光沢があった。そのような拡散層の利点は、鉄層の好ましくない酸化が低減されることである。そのような拡散層の別の利点は、施されたスズ層の進行する酸化が抑制されることである。拡散アニールされた製品の試料をグロー放電光学発光分光法(「GDOES」)により分析した。GDOES深度プロファイルは、拡散アニーリング処理の後、スズが完全に鉄と合金化していることを示していた。遊離のスズは最早存在していなかった。得られたFe−Sn合金拡散層は、主として平衡相FeSn2から構成されていた。Fe−Sn合金拡散層の下には、スズを含まない、拡散アニーリング処理の前にめっきされた本来の鉄層の組成を有し、拡散アニーリング処理の結果としてスズと合金化されていない、鉄層があった。拡散アニーリングの際、および使用した鉄とスズの量に対して、鉄総量の約10%しかスズと反応しなかった。この合金化していない鉄は、ろう付け操作の際に発熱反応を開始するのに必要であると予想される。
めっきした試料を、Erichsenドーム試験(5mm)およびT−曲げ試験により、密着性に関して試験した。次いで、値を密着性不良、可、または良で査定した。試験した試料はすべて良好な密着性を有していた。
ろう付け後の耐食性を評価するために、試料を模擬ろう付けサイクルにかけた。窒素気流中で、試料を、室温から580℃に加熱し、580℃で2分間保持し、580℃から室温に冷却した。試料はすべて良好なろう付け性を有していた。ろう付けサイクルに続いて、めっきしたろう付けシートの、各種類の4試料を、ASTM G−85によりSWAATで試験し、最初の孔が現れるまでの時間を試験日数で表し、個々の結果を表1に示す。SWAAT試験用試料の寸法は100mx50mmであった。
比較として、両側にAA4045クラッド合金を備えたAA3003コア合金クラッドから製造された、総厚0.5mmおよびクラッド層の厚さ各50ミクロンを有する、上で使用したものと類似しているが、それ以上の金属層を含まず、NOCOLOKろう付けフラックス材料を使用してろう付けする、典型的なアルミニウムろう付けシートは、SWAAT試験性能が13〜19日間無孔である。
別の比較材料として、ここに参考として含めるJ.N. Mooij et al.の国際特許出願第WO01/88226号の例に記載されている方法により製造された、薄い亜鉛結合層および電気めっきされたNiBi合金層だけを含むろう付けシート製品(同じコアおよびクラッド層の組成および厚さ)を、その腐食性能に関して試験した。4試料の測定された平均は4日間無孔であった。
さらに別の比較材料として、ここに参考として含めるA.J. Wittebrood et al.による国際特許出願第WO02/060639号の例に記載されている方法により製造された、薄い亜鉛結合層および電気めっきされたNiSn合金層だけを含むろう付けシート製品(同じコアおよびクラッド層の組成および厚さ)を、その腐食性能に関して試験した。施したスズの量は、1.8g/m2で、Ni:Snのモル比は10:2であった。4試料の測定された平均は8日間無孔であった。
表1 ろう付け後のSWAAT試験結果
試料 施したFe被覆 施したSn被覆 ろう付け性 SWAAT試験性能
(g/m 2 ) (g/m 2 ) (日)
1 1.3 0.27 可 試験せず
2 1.3 0.55 可 試験せず
3 3.0 0.64 良 試験せず
4 3.0 1.3 良 28
5 4.0 0.85 良 試験せず
6 4.0 1.7 良 31
試料番号6の金属充填剤の全体的な組成を測定した。
重量%
Si 11.47
Zn 0.16
Fe 3.3
Sn 1.27
Al 83.8(残り)
重量%
Si 11.47
Zn 0.16
Fe 3.3
Sn 1.27
Al 83.8(残り)
表1の結果から、本発明のろう付けシート製品は、簡単なめっき浴組成物から製造したにもかかわらず、ろう付けフラックス材料の非存在下で容易にろう付けできることが分かる。さらに、先行技術のNiめっきしたろう付けシート製品と比較して、本発明のろう付けシート製品は、SWAAT試験にかけた時、非常に良い腐食性能を有することが分かる。さらに、SWAAT試験性能は、NOCOLOKフラックス材料を使用してろう付けする従来の材料より、はるかに優れている。試験した製品はすべて同じAA3003シリーズコア合金を有していた。
以上、本発明を十分に説明したが、当業者には明らかなように、ここに記載する本発明の範囲から離れることなく、多くの変形および修正を行うことができる。
Claims (28)
- コア金属シート(1)、前記コア金属シート(1)の少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなるアルミニウムろう付け合金から製造されたクラッド層(2)と、および前記クラッド層(2)の少なくとも一つの外側表面上に鉄または鉄合金を含んでなる層(4)、および前記鉄または鉄合金を含んでなる層(4)の外側表面上に、金属Xを含んでなるさらなる層(3)を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン、ストロンチウム、チタン、マンガン、銅、またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される、ろう付けシート製品。
- 前記さらなる層(3)が、鉄−X合金を含んでなり、その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン、ストロンチウム、チタン、銅、またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のろう付けシート製品。
- 前記鉄または鉄合金を含んでなる層(4)が、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%の鉄を含んでなる、請求項1または2に記載のろう付けシート製品。
- 前記鉄−X合金を含んでなる層(3)が、めっき法により形成される、好ましくは電解めっき法により形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記鉄−X合金を含んでなる層(3)が、拡散層である、請求項2に記載のろう付けシート製品。
- 前記クラッド層(2)の前記外側表面と前記鉄または鉄合金を含んでなる層(4)との間に結合層として層(5)がある、請求項1〜5のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記クラッド層(2)の前記外側表面と前記鉄または鉄合金を含んでなる層(4)との間に結合層として、亜鉛またはスズを含んでなる層(5)がある、請求項1〜5のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記結合層(5)の厚さが0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミクロン以下である、請求項6または7に記載のろう付けシート製品。
- 前記クラッド層およびその外側にあるすべての層が、ろう付け操作のための金属充填剤を形成し、Fe:Xのモル比が、10:(0.3〜6)、好ましくは10:(0.5〜<5)である組成を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記コア金属シート(1)が、アルミニウム合金、鋼、アルミニウム化鋼、ステンレス鋼、めっきまたは被覆されたステンレス鋼、青銅、黄銅、ニッケル、ニッケル合金、チタン、およびめっきまたは被覆されたチタンからなる群の一つを含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記コア金属シート(1)が、アルミニウム合金を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のろう付けシート製品。
- 前記コア金属シートが、AA3xxx、AA5xxx、およびAA6xxx-シリーズのアルミニウム合金からなる群から選択された、アルミニウム合金から製造されたものである、請求項11に記載のろう付けシート製品。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のろう付け製品の製造方法であって、(a)コア金属シート(1)であって、前記コア金属シート(1)の少なくとも片側に、ケイ素を4〜14重量%の量で含むアルミニウム合金から製造されたクラッド層(2)を有するものを用意する工程、(b)鉄または鉄合金を含んでなる金属層を、前記アルミニウム基材の少なくとも一つの外側表面上に施す工程、(c)Xを含んでなる金属層を、鉄または鉄合金を含んでなる層(4)の外側表面上に施す工程(その際、Xは、スズ、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ストロンチウム、インジウム、チタン、マンガン、銅、またはそれらの2種類以上の組合せからなる群から選択される)、および(d)前記被覆されたろう付け製品を、温度100〜500℃に1秒間〜300分間保持することにより、拡散アニーリング処理にかけ、前記アルミニウム基材の外側表面上および前記鉄または鉄合金層上に、鉄−X合金を含んでなる拡散層(3)を形成する工程、を含んでなる、方法
- 前記鉄または鉄合金を含んでなる層(4)が、めっき法を使用することにより、好ましくは電解めっき法を使用することにより施される、請求項13に記載の方法。
- 前記Xを含んでなる金属層が、めっき法を使用することにより、好ましくは電解めっき法を使用することにより施される、請求項13に記載の方法。
- 前記鉄または鉄合金を含んでなる金属層が、PVD法を使用することにより施される、請求項13に記載の方法。
- 前記Xを含んでなる金属層が、PVD法を使用することにより施される、請求項13に記載の方法。
- 前記拡散アニーリング処理が、保護雰囲気中で行われる、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記拡散アニーリング処理が、温度230〜350℃で行われる、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記拡散アニーリング処理が、1〜600秒間、好ましくは1〜300秒間行われる、請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記拡散アニーリングされた層の厚さが0.1〜0.8ミクロンである、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記施された、鉄または鉄合金を含んでなる層の厚さが2.0ミクロン以下、好ましくは1.0ミクロン以下である、請求項13〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記コア金属シート(1)が、アルミニウム合金、鋼、アルミニウム化鋼、ステンレス鋼、めっきまたは被覆されたステンレス鋼、青銅、黄銅、ニッケル、ニッケル合金、チタン、およびめっきまたは被覆されたチタンからなる群の一つを含んでなる、請求項13〜22のいずれか一項に記載の方法。
- ケイ素を4〜14重量%の量で含んでなる前記クラッド層(2)およびその外側にあるすべての層が全体でろう付け操作のための金属充填剤を形成し、少なくとも、重量%で
Si5〜14%、
Fe0.15〜8%、好ましくは0.9〜5%、
X0.01〜7%、好ましくは0.35〜2%、その際、Xは、Sn、Zn、Bi、In、Sb、Sr、Mn、Ti、およびCuからなる群から選択され、
Sn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Bi0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sb0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
In0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Zn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Sr0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Mn0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Ti0.0〜0.1%(Xとして存在しない場合)、
Cu0.0〜0.3%(Xとして存在しない場合)、
Mg0.0〜5%、
残部アルミニウムおよび不可避不純物
を含んでなる組成を有するが、ただし、Fe:Xの合計のモル比は10:(0.3〜6)、好ましくは10:(0.5〜<5)である、請求項13〜23のいずれか一項に記載の方法。 - 工程(b)により被覆を施す前に、前記クラッド層(2)の外側表面上に結合層を堆積させる、請求項13〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(b)により被覆を施す前に、前記クラッド層(2)の外側表面上に、亜鉛またはスズを含んでなる結合層を堆積させ、前記結合層の厚さが、好ましくは0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミクロン以下である、請求項13〜24のいずれか一項に記載の方法。
- ろう付けにより接合された部品の組立品であって、少なくとも一個の前記部品が、請求項1〜12のいずれか一項に記載のろう付けシート製品または請求項13〜26のいずれか一項に記載の方法により得られる製品である、組立品。
- 前記組立品が、真空下で、または不活性雰囲気中、ろう付けフラックス材料の非存在下でろう付けされる、請求項27に記載の組立品。
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