JP4080330B2 - ろう付けされた異なる金属構成要素の組立品を製造する方法 - Google Patents

ろう付けされた異なる金属構成要素の組立品を製造する方法 Download PDF

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Description

【0001】
(本発明の分野)
本発明は、少なくとも2つの構成要素が相互に異なっている上記構成要素を形成し、この構成要素を組立品に組み立て、この組立品をろう付けし、そしてこのろう付け組立品を冷却する工程を含んでなるろう付けにより接合された構成要素の組立品を製造する方法に関する。本発明は、更に本発明の方法を用いて製造された組立品に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
本発明の目的には、多層ろう付けシート製品は、少なくとも一方の側でクラッドアルミニウム合金に連結されたコア合金として理解されるものとする。典型的なクラッドアルミニウム合金は、アルミニウム協会(AA)4000シリーズの合金であり、2ないし18質量%の、そして更に好ましくは5ないし14質量%の範囲のSi含量を有するものである。このクラッドアルミニウム合金は、当業界で既知の種々の方法で、例えばロール接合、クラッディングまたは半連続もしくは連続鋳造によりコア合金に連結することができる。
【0003】
電気化学的燃料電池は燃料と酸化剤を電気、水及び熱に変換する。プロトン交換膜燃料電池(「PEMFC」)は、多孔性の電気伝導性シート材料から形成される2つの電極の間に配設されるイオン交換膜または固体電解液を含んでなる膜電極組立品(「MEA」)を一般に使用する。これらのタイプの燃料電池は、自動車用途並びにいわゆる固定用途での使用に極めて有望である。燃料電池で使用される金属に対して良好な耐食性、高い強度及び低い製造コストなどの種々の要請が存在する。更には、例えば曲げることにより複雑な形状の構成要素の設計と製造を可能とする良好な成形性の要請が存在する。同様の要請は熱交換器に当てはまる。これらの要請の結果として、種々の異なる金属を電気化学的燃料電池の製造に使用することができる。これらの異なる金属あるいは金属合金は、強固で高信頼性の結合を得るような方法で相互に接合される必要がある。金属を相互に接合する好適な方法はろう付け法であり得る。
【0004】
ろう付けは、定義によれば、450℃以上及びベース金属の固相温度以下で液相温度を有する溶加材を使用する。
【0005】
ろう付けはこの溶加材の融点によりハンダ付けと区別される。はんだは450℃以下で溶融する。
【0006】
制御された雰囲気ろう付け(「CAB」)と真空ろう付け(「VB」)は、工業的規模のろう付けに使用される2つの主要な方法である。VBは本質的に不連続法であり、材料の清浄度に高い要求を課する。従来からのCABは、VBと比較してろう付けに先立って追加の工程段階を必要とする。すなわち、ろう付けフラックスをろう付けに先立って付着させなければならない。CABは本質的に連続的な方法であり、適切なろう付けフラックスを使用するならば、大量のろう付け組立品を製造することができる。良好なろう付けの結果を得るためには、ろう付けフラックスはこの組立品の全表面に付着されなければならない。このことは、従来の粉末またはNocolok(商品名)ろう付けフラックスのような湿潤フラックスで、また設計によってあるタイプの組立品で困難を引き起こすことがあり得る。ろう付けサイクル時、HFなどの腐食性のヒュームが発生する。このことは、この炉に適用される材料の耐食性に対して高い要求を課する。
【0007】
理想的には、CABに使用可能であるが、ろう付けフラックス用途を必要とせず、またその欠陥を有しない材料が入手可能でなければならない。このような材料は、ろう付け組立品の製造者に供給可能であり、組立品の部品の成形後直ちに使用に供される。追加のろう付けフラックス処理操作は実施する必要はない。現在、フラックスレスろう付け用の唯一の方法が工業的規模で使用されている。この方法の為の材料は、例えばAA4000シリーズの合金のクラッディングにより両面でクラッドされたAA3000シリーズのコア合金でできた標準のろう付けシートであり得る。このろう付けシートを使用する前に、この表面は、自然に起こる酸化物層がろう付けサイクル時に妨害しないように変成されなければならない。良好なろう付けを得る方法は、このクラッド合金の表面上に特定量のニッケルを堆積することである。適切に付着させるならば、このニッケルは下地のアルミニウムと恐らく発熱的に反応する。接合されるべき2つの部品間にニッケルのシムを使用することによりニッケルを付着させることができるか、あるいはニッケルを電気メッキにより堆積することができる。電気メッキを使用する場合には、ニッケルの付着は、例えば熱交換器製造に使用される通常の成形操作に耐えるのに充分なものでなければならない。
【0008】
アルミニウムろう付けシートのアルカリ性溶液中でのニッケルメッキの方法は、米国特許第3,970,237号、第4,028,200号、第4,164,454号、及びB.E.CheadleとK.F.DockusによるSAE論文番号880446の各々から知られている。これらの資料に従えば、ニッケルまたはコバルトまたはこれらの組み合わせは最も好ましくは鉛と組み合わせて堆積される。この鉛の添加は、ろう付けサイクル時にクラッド合金の濡れ性を改善するのに使用される。これらのメッキ法の重要な特徴は、ニッケルがクラッド合金のケイ素粒子上に優先的に沈着するということである。表面上にろう付けのための充分なニッケルを得るためには、このクラッド合金は、ニッケル堆積のための核として作用するための相対的に多量のケイ素粒子を含有しなければならない。酸洗いする前に充分な核生成サイトを得るためには、このケイ素粒子が埋め込まれているアルミニウムの一部を化学的及び/または機械的前処理により除去しなければならないと考えられる。このことは、ろう付けまたはクラッド合金のメッキ作用のための核として機能するための充分なニッケル被覆を得るための必要な条件であると考えられる。顕微鏡スケールでは、このろう付けシートのSi含有のクラッディングの表面は、ニッケル小球により被覆されている。
【0009】
しかしながら、種々の市場分野で使用されるろう付け組立品を製造するのに鉛の使用は望ましくなく、可能性としては近い将来においては鉛を含んでなる製品または鉛または鉛ベースの構成要素を含んでなる一つあるいはそれ以上の中間加工工程により製造される製品に対する禁止される可能性があると予想される。
【0010】
(本発明の要約)
本発明の目的は、ろう付けにより接合された異なる金属構成要素の組立品を製造する方法であって、少なくとも2つの構成要素が相互に異なり、そしてその少なくとも一つが多層ろう付けシート製品である上記構成要素を形成し、この構成要素を組立品に組み立て、この組立品をろう付けし、そしてこのろう付け組立品を冷却する工程を含んでなる方法を提供することである。
【0011】
本発明の更なる目的は、ろう付けにより接合された異なる構成要素の組立品を製造する方法であって、少なくとも2つの構成要素が相互に異なる上記構成要素を形成し、この異なる構成要素を組立品に組み立て、この組立品をろう付けし、そしてこのろう付け組立品を冷却する工程を含んでなり、ここで、この構成要素の一つが改善された成形性を有する多層ろう付けシートである方法を提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、ろう付けにより接合された異なる構成要素の組立品を製造する方法であって、ここでこの少なくともこの多層ろう付けシート製品の構成要素が鉛を含まない方法を提供することである。
【0013】
一つの局面における本発明に従えば、ろう付けにより接合された構成要素の組立品を製造する方法であって、
(i)少なくとも一つが多層ろう付けシート製品からできている上記構成要素であって、この多層ろう付けシート製品が2ないし18質量%の範囲の量でケイ素を含んでなるアルミニウム合金からできているアルミニウムクラッド層(b)をその少なくとも一つの表面上に有するコアシート(a)、上記アルミニウムクラッド層の外部表面上にニッケルを含んでなる層(c)、及び上記アルミニウムクラッド層の上記外部表面とニッケルを含んでなる上記層との間に接合層として亜鉛またはすずを含んでなる層(d)を含んでなるものを形成し、
(ii)この多層ろう付けシート製品のコアシートと異なり、そしてチタン、メッキチタン、被覆チタン、ブロンズ、しんちゅう、ステンレス鋼、メッキステンレス鋼、被覆ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、低炭素鋼、メッキ低炭素鋼、被覆低炭素鋼、強靭鋼、被覆強靭鋼、及びメッキ強靭鋼からなる群から選択される金属の少なくとも一つの他の構成要素を形成し、
(iii)この多層ろう付けシート製品のニッケルを含んでなる層(c)が一部あるいは全部この多層ろう付けシート製品のコアシートと異なる金属の少なくとも一つの他の構成要素と対向するようにこの各構成要素を組立品に組み立て、
(iv)この組立品を真空下あるいは不活性雰囲気中でろう付けフラックスの非存在下高温で該アルミニウムクラッド層とその外側のすべての層の融解及び拡散に充分な長さの時間ろう付けし、
(v)このろう付け組立品を冷却する
工程を含んでなる方法が提供される。この冷却速度は、典型的なろう付け炉冷却速度の範囲内であってもよい。典型的な冷却速度は、少なくとも10℃/分あるいはそれ以上の、そして好ましくは40℃/分あるいはそれ以上の冷却速度である。
【0014】
この新規で改善された定義された多層ろう付けシート製品を使用することにより、アルミニウムクラッド層とニッケルを含んでなる層の間の有効な結合が形成され、この結合は、この多層ろう付けシートのそれ以降の変形時にも効果を保つ。この構成要素は、缶、角柱形缶、容器、セル、または例えば熱交換器または燃料電池の設計及び製造に通常使用される他の部品などの複雑な構造物を製造または組み立てるのに通常使用されるスタンピングまたは他の工程段階によりシートまたは帯から製造することができる。改善された変形性能によって、ろう付けにより接合された更に複雑に設計された組立品の設計が可能になる。更には、この多層ろう付けシート製品の製造は連続法で行なうことができる。この製品は、異なる金属構成要素の組立品を製造するための制御された雰囲気条件下でのフラックスを用いずにろう付けするのに理想的に好適である。
【0015】
この方法によって、例えばチタンまたはメッキチタンあるいは被覆チタン、例えば銅メッキチタンでできた構成要素を本質的に鉛なしに保つことができるニッケルを含んでなる層()を両側に有する多層ろう付けシート構成要素の片側にろう付けにより接合し、それによって上記多層ろう付けシートのもう一方の側にメッキステンレス鋼あるいは被覆ステンレス鋼またはアルミニウムでできた構成要素をろう付けにより接合した、ろう付け組立品の設計と製造が可能になる。ろう付けにより得られる接合は高信頼性であり、充分な強度を有する。
【0016】
本発明は、この接合がろう付けシート製品のSi含有クラッド層上に良好に接合したニッケル層を得て、大変形下で接合の有効性を保つようにするためには、クラッド層の前処理が極めて重要であるという洞察に一部基づく。従来技術の方法は、均一なニッケル層を得るように試みるのでなく、主としてクラッド層の表面のケイ素粒子上にニッケルを分散した形で付着させることを明らかに目指したものである。本発明においては、ニッケル被覆が表面のケイ素粒子に無関係であるような形でSi含有クラッド合金の表面を変成する。このニッケルメッキは、ケイ素粒子上でなく、亜鉛またはすずを含んでなる付着層上で起こる。このように、このニッケルはクラッド層の表面全体に沈着するので、ろう付け前の必要な反応は、従来技術の方法に比較してはるかに容易に起こり得る。この付着された亜鉛またはすずは、ろう付け工程時に全く妨害せず、下記に述べるようにろう付けを助ける構成要素を含有することができる。このニッケルは表面上に平滑かつ均一に沈着されるので、ろう付け時に濡れを促進する鉛の使用を低減または回避することができ、あるいはビスマスなどの他の元素をこの目的に使用することができる。表面上に平滑かつ均一に沈着するニッケルの更なる重要な利点は、良好なフラックスを用いずにろう付けを得るために付着されるニッケルの全量を低減することができることである。別な利点は、完全な表面被覆がクラッド層の表面のアルミニウム酸化物により引き起こされるいかなる困難も避けることである。
【0017】
好ましくは、上記アルミニウムクラッド層は、上記の外部表面で露出された離散したケイ素に富んだ粒子を有し、そしてニッケルを含んでなる上記層は、上記ケイ素に富んだ粒子と、上記ケイ素に富んだ粒子の間の上記外部表面の領域に接合して、上記外部表面上に連続層を形成する。
【0018】
得られた組立品の機械的性質及び/または腐食性を最適化するために、この方法は、コアシートの組成に依存してろう付けされ、そして冷却された組立品の室温または高温でのエージングの更なる加工工程を更に含むことができる。
【0019】
極めて良好な結果が直接亜鉛メッキ処理で得ることができる。あるいは、しばしば置換メッキとも呼ばれる浸漬亜鉛酸塩処理または浸漬錫酸塩処理で極めて良好な結果を得ることができる。更なる利点は、この処理が連続法の操作における用途に役立つことである。好ましくは、この亜鉛酸塩処理または錫酸塩処理の時間は、1ないし300秒の範囲内である。好ましくは、この亜鉛酸塩処理または錫酸塩処理時の浴の温度は、10ないし50℃の範囲内、そして更に好ましくは15ないし30℃の範囲内である。
【0020】
この多層ろう付けシートにおける本発明に従った方法の態様においては、亜鉛またはすずを含んでなる付着層(d)は、0.5μmまでの、更に好ましくは0.3μm(300nm)までの、そして最も好ましくは0.01ないし0.15μm(10−150nm)の範囲の厚さを有する。得られた最良の結果では、約30nmの厚さが使用された。0.5μm以上の被膜厚さは、例えば置換メッキ(displacement plating)に対して処理時間の延長を必要とし、この接着の改善に更なる利点をもたらさないと考えられる。
【0021】
本発明に従った方法で使用される多層ろう付けシート製品で付着される亜鉛あるいはすず層は、本質的には純粋な亜鉛あるいはすず層であってもよく、あるいは主に亜鉛またはすず(例えば、少なくとも50質量%)であってもよい。その後のろう付け操作時の濡れ性を改善するために、意図的に添加された元素は例えばビスマスなどを10%までの範囲で存在させることができる。通常、不純物元素はこの亜鉛あるいはすず層中に5質量%未満で存在する。
【0022】
別な局面における本発明に従えば、ろう付けにより接合された構成要素の組立品を製造する方法であって、
(i)少なくとも一つが多層ろう付けシート製品からできている上記構成要素であって、該多層ろう付けシート製品が2ないし18質量%の範囲の量でケイ素を含んでなるアルミニウム合金からできているアルミニウムクラッド層(b)をその少なくとも一つの表面上に有するコアシート(a)、及び上記アルミニウムクラッド層の外部表面上にニッケルと更に5質量%までの範囲で少なくともビスマスを含んでなる層(c)を含んでなるものを形成し、
(ii)該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なり、そしてチタン、メッキチタン、被覆チタン、ブロンズ、しんちゅう、ステンレス鋼、メッキステンレス鋼、被覆ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、低炭素鋼、メッキ低炭素鋼、被覆低炭素鋼、強靭鋼、被覆強靭鋼、及びメッキ強靭鋼からなる群から選択される金属の少なくとも一つの他の構成要素を形成し、
(iii)該多層ろう付けシート製品のニッケルを含んでなる層(c)が一部あるいは全部該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なる金属の少なくとも一つの他の構成要素と対向するように該各構成要素を組立品に組み立て、
(iv)該組立品を真空下あるいは不活性雰囲気中でろう付けフラックスの非存在下高温で該アルミニウムクラッド層とその外側のすべての層の融解及び拡散に充分な長さの時間ろう付けし、
(v)該ろう付け組立品を冷却する
工程を含んでなる方法が提供される。この冷却速度は、典型的なろう付け炉冷却速度の範囲内であってもよい。典型的な冷却速度は、少なくとも10℃/分あるいはそれ以上の、そして好ましくは40℃/分あるいはそれ以上の冷却速度である。
【0023】
本発明に従えば、驚くべきことには、異なる金属構成要素の良好なろう付け性を得るために、このニッケル層は必須の合金化添加物としていかなる鉛も含む必要がないことが判明した。驚くべきことには、上記ニッケル層を鉛を必要とせずに保つことができるように、ビスマスをニッケル層に添加すると、同等なあるいは更に良好な結果を得ることができることを見出した。このニッケル層をメッキにより付着させる場合には、このNi−Bi層の沈着に使用されるメッキ浴もいかなる鉛含有構成要素も含まずに保つことができる。この水性メッキ浴を使用することにより、鉛の添加の必要性を克服することができ、このことは環境の観点からは意義のある成果である。
【0024】
この方法によって、例えばチタンまたはメッキチタンあるいは被覆チタン例えば銅メッキチタンでできた構成要素を本質的に鉛なしに保つことができるニッケルを含んでなる層(c)を両側に有する多層ろう付けシート製品構成要素の片側にろう付けにより接合し、それによって上記多層ろう付けシートのもう一方の側にメッキステンレス鋼あるいは被覆ステンレス鋼またはアルミニウムでできた構成要素をろう付けにより接合した、ろう付け組立品の設計と製造が可能になる。ろう付けにより得られる接合は高信頼性であり、充分な強度を有する。
【0025】
本発明に従った方法の態様においては、本発明は、ニッケルを含んでなる上記層(c)が3質量%までの、好ましくは1質量%までの範囲で、そして更に好ましくは0.01ないし0.05質量%の範囲でビスマスを少なくとも更に含んでなることを特徴とする。
【0026】
本発明に従った方法で使用される多層ろう付けシート製品における本発明に従った方法の態様においては、ニッケルを含んでなる層は、2.0μmまでの、好ましくは1.0μmまでの、そして更に好ましくは0.5μmまでの厚さを有する。2.0μm以上の被膜厚さはメッキに対して処理時間の延長を必要とし、ろう付け時の溶融充填材料にしわを生じることもある。このNi含有層に対する好ましい最小厚さは0.3μmである。しかしながら、溶射、プラズマ溶射、化学蒸着(「CVD」)及び物理蒸着(「PVD」)などの他の手法、または気相または蒸気相から金属または金属合金を沈着させるための他の既知の手法を使用することもできる。
【0027】
この多層ろう付けシート製品の本発明に従った方法の態様においては、ニッケルを含んでなる上記層(c)は、10ないし100g/lの範囲のニッケルイオン濃度と0.01ないし10g/lの範囲のビスマスイオン濃度を含んでなる鉛を含まない水性浴を用いてニッケルとビスマスの両方を電気メッキすることにより沈着される。ニッケルとビスマスの両方は一つの浴から同時に電気メッキされ、高度の成形に耐えることができる多層ろう付けシート製品の経済的な製造を可能にすることが判明した。
【0028】
更なる態様においては、本発明に従った方法は、多層ろう付けシート製品のうち、ニッケルを含んでなる上記層が20ないし70g/lの範囲のニッケルイオン濃度と0.02ないし5g/lの範囲のビスマスイオン濃度を含んでなる鉛を含まない水性浴を用いてニッケルとビスマスの両方をメッキすることにより沈着されることを特徴とする。
【0029】
この水性浴へのニッケルイオン濃度は、塩化ニッケル、フルオロホウ酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、酢酸ニッケルまたは硫酸ニッケルの添加により加えられる。しかしながら、硫酸ニッケル(NiSO4)の添加を使用することが好ましい。水性浴中のニッケル塩の量が多過ぎると、溶液中で塩が結晶化する危険性があり、これは連続法にダメージを与える。量が少な過ぎると、メッキ時間が長過ぎ、電流密度が低過ぎるために得られる浴は不経済となる。
【0030】
このアルミニウムクラッド層は、ロール接合、噴霧形成、半連続あるいは連続キャスティング法により多層ろう付けシートのコアシートに接合することができる。
【0031】
本発明に従った方法の態様においては、このアルミニウムクラッド層()は、2ないし18質量%の、そして好ましくは5ないし14%の範囲でSiを、そして8質量%までの、そして好ましくは5質量%までの範囲で、そして更に好ましくは0.05ないし2.5質量%の範囲で更に少なくともMgを含んでなるAA4000シリーズのアルミニウム合金である。
本発明に従った方法の更なる態様においては、このアルミニウムクラッド層()は、重量パーセントで
Si 2ないし18、好ましくは5ないし14
Mg 8.0まで、好ましくは5.0まで
Zn 5.0まで
Cu 5.0まで
Mn 0.50まで
In 0.30まで
Fe 0.8まで
Sr 0.20まで及び
Bi 0.01ないし1.0
Li 0.01ないし1.0
Sb 0.01ないし1.0
からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素
々0.05までで、合計0.20までの各種不純物、ならびに
部を構成するアルミニウム
からなる
【0032】
本発明のこの局面は、このアルミニウムクラッド層が各々0.01ないし1.0%の範囲のビスマス、鉛、リチウム及びアンチモン及び0.2ないし2.0%の範囲のマグネシウムの群から選ばれる一つあるいはそれ以上の元素を含んでなることができ、そして、2つあるいはそれ以上の元素の組み合わせが好ましくは2.5%を超えないという見識に基づく。本発明に従えば、驚くべきことには、このニッケル層それ自身は、必須の合金化添加物としていかなる鉛も含む必要がないことが判明した。驚くべきことには、群Bi、Li、Sb及びMgの一つあるいはそれ以上の元素を一定の範囲でこのアルミニウムクラッド層それ自身に添加すると、同等な、あるいは更に良好な結果を得ることができることを見出した。このアルミニウムクラッド層への鉛の添加は極めて有効であるが、その添加は環境の観点から避けられるべきである。更なる合金化元素を添加して、このアルミニウム合金クラッド層の特定の性質を改善することができる。マグネシウムは8.0%までの範囲で、そして好ましくは0.2ないし5.0%の、そして更に好ましくは0.5ないし2.5%の範囲で合金化元素としてクラッド層中に存在させ、なかんずく、このアルミニウムクラッド層の強度を増大させることができる。本発明に従えば、0.2ないし2.0%の範囲のマグネシウムもビスマス、リチウム及びアンチモンの群から選ばれる元素と同様に作用し得ることも判明した。このアルミニウムクラッド合金の濡れ作用を本質的に促進するためのみに、マグネシウムがこの鉛の無いニッケル層と組み合わさって存在する場合には、好ましくは、このアルミニウムクラッド層中のマグネシウム量は2.0%を超えない。クラッド層中のマグネシウムが2.0%以上の量で存在する場合には、マグネシウムは、好ましくは一定の範囲のビスマス、リチウム及びアンチモンからなる群から選ばれる一つあるいはそれ以上の元素により随伴され、そして、それによりこの群からの2つあるいはそれ以上の元素の組み合わせは、好ましくは1.0%を超えない。この多層ろう付けシートの使用において、アルミニウムクラッド層中のマグネシウムの存在は、ろう付け時に悪影響を及ぼさないことも判明した。このことは既知の多層ろう付けシート製品を超える主要な改善である。それによって、Mg含有の多層ろう付けシート製品をVBとフラックスを欠くCABの両方で適用できることを可能にする。後者の可能性は多数の経済的及び技術的な利点を有する。
【0033】
このコアシートは、別のアルミニウム合金、銅または銅合金、亜鉛または亜鉛合金であることもできる一つあるいはそれ以上の中間層を介してこのアルミニウムクラッド層に合体することもできる。
【0034】
多数の金属層を合体したろう付けシート製品のコアシートは、好ましくはアルミニウム合金、 例えばアルミニウム協会(AA)3000、(AA)6000または(AA)5000シリーズであるが、チタン、ブロンズ、しんちゅう、銅、高強度鋼、低炭素鋼またはステンレス鋼であってもよい。フェライトグレード、例えばASTM409、410S、430;マルテンサイトグレード、例えばASTM420;デュプレックスグレード、例えばASTM329、S31803;オーステナイトグレード、例えばASTM301、304L、321、316L;耐熱性及び耐クリープ性グレード、例えばASTM309S、304Hのような国際的鋼番号により規定されるような0.01ないし0.35質量%の炭素及び11ないし27質量%のCrを含むステンレス鋼グレード。550ないし1100MPaの範囲の降伏強度、585ないし1170MPaの範囲の引張り強さ、及び1ないし8%の範囲の伸びを持つ高強度鋼。好適な非アルミニウム材料のこの明確な説明は、多層ろう付けシート製品のコアシートと異なる金属の少なくとも一つの他の構成要素についてクレーム中で規定した選択と説明でも成り立つ。
【0035】
このコアシートは典型的には、5mmまでの範囲内の、更に好ましくは0.2ないし2mmの範囲の厚さを有する。
【0036】
本発明はろう付けにより接合され、上記で説明した本発明に従って製造される組立品を更に提供する。その好ましい態様においては、このろう付け組立品は、典型的には、自動車用途の熱交換器、燃料電池、理想的にはプロトン交換膜燃料電池である。
【0037】
本発明の更なる局面においては、ろう付けにより接合される組立品を製造する方法において、好ましくは、ろう付けフラックス材料の非存在下での不活性雰囲気ろう付け(CAB)法において上述し、そしてクレームで定義した多層ろう付けシートを使用する方法が提供される。
【0038】
本発明をいくつかの非限定的な実施例により、また図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、例えば米国特許第3,970,237号に従った方法により得られるような従来技術に従ったろう付けシート製品を概略的に示す。このろう付けシート製品は、Al−Si合金を含んでなるアルミニウムクラッド層(b)により片側または両側でクラッドされているコアシート(a)からなる。このクラッド層の表面上に薄いニッケル−鉛層(c)が電気メッキにより付着される。
【0040】
図2は、ろう付けにより接合され、その際に少なくとも2つの構成要素が相互に異なっている構成要素の組立品を製造するために本発明に従って使用されるろう付けシート製品を概略的に示す。このろう付けシート製品は、2ないし18質量%の量でケイ素を含んでなるアルミニウム合金クラッド層(b)、通常、AA4000シリーズのアルミニウム合金により片側または両側でクラッドされているコアシート(a)、アルミニウムクラッド層(b)の外部表面上にニッケルまたはニッケル−ビスマスを含んでなる層(c)、及び層(b)及び(c)の間に亜鉛またはすずを含んでなる接合層(d)を含んでなる。図2においては、層(c)及び(d)はろう付けシート製品の片側上にのみ示されているが、ろう付けシート製品の両側にも付着することができることは当業者には直ちに明白であろう。更に、ニッケルまたはニッケル−ビスマスを含んでなる層(c)の表面上に更なる金属層を付着させて、限定するものではないが、例えば腐食特性の改善などのろう付けシート製品の他の特性を改善することができることは当業者には直ちに明白であろう。この種々の層の組成及び厚さとこれらの利点は上記に既述された。
【0041】

例1
AA4045シリーズのアルミニウムクラッド合金により両側をロールクラッドしたAA3003シリーズのアルミニウムコア合金から製造したアルミニウムろう付けシート製品について実験室規模で試験を行なった。この製品は0.5mmの全体厚さを有し、そして各クラッドの厚さは全体厚さの10.9%であった。これらの合金の重量パーセントでの組成を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004080330
【0043】
各試料を次の連続的な工程段階(表2も参照されたい)により処理した。
−ChemTec(商品名)30014(市販のアルカリ性(エッチング)脱脂剤)に180秒間浸漬することにより洗浄し、ついですすぐ、
−ChemTec(商品名)30203(市販のアルカリ性エッチングクリーナー)に20秒間アルカリ性エッチングし、すすぎ、
−場合によっては、酸性酸化溶液、ChemTec(商品名)11093(市販のピックリング活性化剤)を含んでなる通常25−50容量%の硝酸中で室温で4秒間スマット除去し、続いてすすぎ、
−場合によっては、ChemTec(商品名)024202を用いて室温で12秒間亜鉛酸塩浸漬し、続いてすすぎ、
−ニッケル電気メッキし、そしてすすぐ。
【0044】
このニッケル電気メッキに対しては、2つの異なるタイプの溶液、塩基性浴と酸性浴を使用した。表2も参照されたい。
【0045】
この酸性浴は270g/lの硫酸ニッケル、50g/lの塩化ニッケル、30g/1のホウ酸を含むものであった。50℃でのメッキ条件は、5A/dm2の電流密度を用いたメッキ法の後に2.0μmのニッケル層が生成するようなものであった。この酸性浴はワット法としても知られている。
【0046】
この塩基性浴は50g/1の硫酸ニッケル、50g/lの塩化ニッケル、100g/1のくえん酸ナトリウム、1g/lの酢酸鉛、及び75ml/1の水酸化アンモニウム(30%)を含むものであった。26℃でのメッキ条件は、50秒のメッキ時間が3A/dm2の電流密度を用いて0.5μmの厚さのニッケル−鉛メッキ層を生じ、そして200秒のメッキ時間が2.0μmの厚さのニッケル−鉛メッキ層を生じるようなものであった。
【0047】
エリクセンドーム試験(5mm)とT−曲げ試験を用いて、この多層ろう付けシート試料を接着について試験した。次に、この接着に値の評価を与える。ここで、(−)=劣る、(±)=まあまあ、及び(+)=良好である。SEM/EDXを用いて付着ニッケル層の形態を調べた。ここで、U=均一なニッケル層(光沢のある外観)、及び(G)=ケイ素粒子上に優先的に沈着したニッケル小球(くすんだ外観)である。
【0048】
更に、ろう付け性を評価した。実験室規模でろう付け試験を小さな石英炉中で行なった。25×25mmの小さな切り取り試片をこの多層ろう付けシートから切り取った。30×7×1mmの寸法のAA3003合金の小片を中心で45°の角度まで曲げ、この切り取り試片上に置いた。この切り取り試片上の小片の試料を流通窒素下で室温から580℃までの加熱し、580℃で1分間保持し、580℃から室温まで冷却した。このろう付け法をしわの形成、毛管低下(capillary depression)及び隅肉形成について判断した。全体の評価を与えた。ここで、(−)=劣ったろう付け性、(−/±)=まずまずのろう付け性、(±)=良好なろう付け性、及び(+)=優れたろう付け性である。得られた結果を表2に要約する。
【0049】
表2の結果から、亜鉛浸漬前処理工程の場合には、光沢のある外観を有する均一なニッケルあるいはニッケル−鉛層が得られることが分かる。更には、缶、角柱形缶、容器、セル、または例えば熱交換器または燃料電池を設計、製造するのに通常使用される他の部品などの複雑な構造物の製造または組み立てを可能とする、この電解メッキニッケル層の良好な接着を得るのには、亜鉛浸漬前処理が必要とされることが分かる。更には、0.5μmのニッケル−鉛層は、2.0μmの厚さの層よりも良好なろう付け特性を有することが分かる。後者の場合には、しわが観察された。この塩基性浴経路により得られる材料のろう付け性は、酸性浴経路により得られる材料よりも良好なろう付け特性(なお許容できる)を有するが、これは可能性としては、この電気メッキ層中に鉛が存在することによる。
【0050】
加えて、銅メッキステンレス鋼(AA304グレード)、銅メッキ低炭素鋼(最大0.15質量%のC及び最大1.65質量%のMn)、しんちゅう(70%銅、30%亜鉛)、100%銅シート及びチタンの異なる金属小片と多層ろう付けシート製品を接触させることにより、ろう付け性を評価した。実験室規模でろう付け試験を小さな石英炉中で行なった。25×25mmの小さな切り取り試片を上述した亜鉛酸塩浸漬処理を含んでなる方法により得られる多層アルミニウムろう付けシート製品から切り取った。この塩基性浴から得られるニッケル層は、50g/1の硫酸ニッケル、50g/lの塩化ニッケル、100g/lのくえん酸ナトリウム、1g/1の酢酸鉛、及び75ml/1の水酸化アンモニウム(30%)を含み、そして26℃でのメッキ条件は、50秒のメッキ時間が3A/dm2の電流密度を用いて0.5μmの厚さのニッケル−鉛メッキ層を生じるようなものであった。30×7×1mmの寸法の異なる金属シートの小片を中心で45°の角度まで曲げ、この切り取り試片上に置いた。外部の力を使用しなかった。この切り取り試片試料上の異なる金属片を流通窒素下で室温から580℃まで加熱し、580℃で1分間の保持、580℃から室温まで冷却した。アルミニウム合金と接合される異なる金属の間で隅肉が形成された時に接合が起こったと考えられた。記述したのすべてにおいて、ろう付けサイクル時の溶融アルミニウムクラッド合金とニッケルを含んでなる層のプラスの濡れ作用を示す隅肉が形成された。
【0051】
比較のために、銅メッキステンレス鋼(AA304グレード)、銅メッキ低炭素鋼(最大0.15質量%のC及び最大1.65質量%のMn)、しんちゅう(70%銅,30%亜鉛)、100%銅シート及びチタンの異なる金属の片とニッケルを含んでなる層を有さない多層ろう付けシート製品を接触させ、上述したと同一のろう付けサイクルにかけた。このろう付け試料は、ろう付けにより接合されるべき金属との濡れを殆ど、あるいは全く示さなかった。
【0052】
【表2】
Figure 0004080330
【0053】
例2
1に類似して、多層ろう付けシート製品を製造し、引き続き銅メッキステンレス鋼(AA304グレード)、銅メッキ低炭素鋼(最大0.15質量%のC及び最大1.65質量%のMn)、しんちゅう(70%銅,30%亜鉛)、100%銅シート及びチタンにろう付けした。しかしながら、異なる方法を用いて、すなわち、表3に示すような組成を有し、5.5のpHを有するニッケルメッキ浴を使用することにより、ニッケルを含んでなる層を付着させた。160g/1の水酸化ナトリウム、300g/1のグルコン酸ナトリウム及び111g/1の酸化ビスマスのBiイオン濃縮液を用いて、このBiイオン濃縮液をこのメッキ浴に添加した。この酸化ビスマスは炭酸ビスマスによっても置き換え可能であった。Ni−Bi層の電気メッキを6A/dm2の電流密度と25秒のメッキ時間を用いて57℃で行なった。約10g/m2のニッケルと約0.5g/m2のビスマスが沈着した。これはろう付けシート製品の両側で付着された層の合計であった。例えば、このメッキ浴中のビスマス濃度を低下させて、低Bi含量とすることにより、この沈着された合金層のビスマス含量を容易に変えることができる。
【0054】
また、この実験においては、ろう付けサイクル時の溶融アルミニウムクラッド合金とその外側のすべての層のプラスの濡れ作用を示す隅肉がすべてのにおいて形成された。更には、このは、ビスマスを含有するが、鉛を含まない電気メッキニッケル層が付着され、ニッケル層の良好な接着と異なる金属構成要素に対する優れたろう付け性を有する製品が形成される方法を示す。
【0055】
【表3】
Figure 0004080330
【0056】
標準の既知の鉛含有浴に比較して、この鉛を含まないメッキ浴は、アンモニアのヒュームが生じないこと、運転温度が更に実用的であり、典型的には40ないし70℃であること、電流密度が高いこと、メッキ浴にビスマスを容易に補充することができること、そして更には、標準の薬品を使用することができること等、多数の利点を有する。
【0057】
本発明を説明したので、本明細書に記述したような本発明の精神あるいは範囲を逸脱せずに多くの変更及び改変を行なうことができることは当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、現状技術に従ったろう付けシート製品の構造を示す長手方向の概略断面図である。
【図2】 図2は、本発明に従ったアルミニウムろう付けシート製品の構造を示す長手方向の概略断面図である。

Claims (18)

  1. ろう付けにより接合された構成要素の組立品を製造する方法であって、
    (i)少なくとも一つが多層ろう付けシート製品からできている上記構成要素であって、該多層ろう付けシート製品が、5〜14質量%の範囲の量でケイ素を含んでなるアルミニウム合金からできているアルミニウムクラッド層(b)をその少なくとも一つの表面上に有するアルミニウム合金のコアシート(a)、上記アルミニウムクラッド層の外部表面上に均一に沈着された厚さ2.0μm以下のNi層またはNi−Bi層である層(c)、及び上記アルミニウムクラッド層の上記外部表面と上記Ni層またはNi−Bi層である層との間に接合層としての、厚さ0.5μm以下のZn層である層(d)を含んでなるものを形成し、ただし、上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が鉛を含まず、
    (ii)該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なり、そしてチタン、メッキチタン、被覆チタン、ブロンズ、しんちゅう、ステンレス鋼、メッキステンレス鋼、被覆ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、低炭素鋼、メッキ低炭素鋼、被覆低炭素鋼、強靭鋼、被覆強靭鋼、及びメッキ強靭鋼からなる群から選択される金属の少なくとも一つの他の構成要素を形成し、
    (iii)該多層ろう付けシート製品の上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が一部あるいは全部該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なる金属の少なくとも一つの他の構成要素と対向するように該各構成要素を組立品に組み立て、
    (iv)該組立品を真空下あるいは不活性雰囲気中でろう付けフラックスの非存在下高温で該アルミニウムクラッド層とその外側のすべての層の融解及び拡散に充分な長さの時間ろう付けし、
    (v)該ろう付け組立品を冷却する
    工程を含んでなる方法。
  2. 上記接合層(d)が直接亜鉛メッキ処理または亜鉛酸塩処理により付着される請求項1に記載の方法。
  3. 上記接合層(d)が浸漬亜鉛酸塩処理により付着される請求項2に記載の方法。
  4. 上記接合層(d)が0.3μm以下の厚さを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 上記接合層(d)が20ないし150nmの範囲の厚さを有する請求項4に記載の方法。
  6. 上記Ni−Bi層(c)が5質量%までの範囲でビスマスを含んでなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ろう付けにより接合された構成要素の組立品を製造する方法であって、
    (i)少なくとも一つが多層ろう付けシート製品からできている上記構成要素であって、該多層ろう付けシート製品が、5〜14質量%の範囲の量でケイ素を含んでなるアルミニウム合金からできているアルミニウムクラッド層(b)をその少なくとも一つの表面上に有するアルミニウム合金のコアシート(a)、及び上記アルミニウムクラッド層の外部表面上にニッケルと更に5質量%までの範囲で少なくともビスマスを含んでなる、均一に沈着された厚さ2.0μm以下のNi層またはNi−Bi層である層(c)を含んでなるものを形成し、ただし、上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が鉛を含まず、
    (ii)該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なり、そしてチタン、メッキチタン、被覆チタン、ブロンズ、しんちゅう、ステンレス鋼、メッキステンレス鋼、被覆ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、低炭素鋼、メッキ低炭素鋼、被覆低炭素鋼、強靭鋼、被覆強靭鋼、及びメッキ強靭鋼からなる群から選択される金属の少なくとも一つの他の構成要素を形成し、
    (iii)該多層ろう付けシート製品の上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が一部あるいは全部該多層ろう付けシート製品のコアシートと異なる金属の少なくとも一つの他の構成要素と対向するように該各構成要素を組立品に組み立て、
    (iv)該組立品を真空下あるいは不活性雰囲気中でろう付けフラックスの非存在下高温で該アルミニウムクラッド層とその外側のすべての層の融解及び拡散に充分な長さの時間ろう付けし、
    (v)該ろう付け組立品を冷却する
    工程を含んでなる方法。
  8. 上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が電気メッキにより付着される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 上記Ni−Bi層(c)が電気メッキにより付着される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 上記Ni−Bi層(c)が3質量%までの範囲でビスマスを含んでなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記Ni−Bi層(c)が1質量%までの範囲でビスマスを含んでなる請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  12. 上記Ni−Bi層(c)が0.01ないし0.05質量%の範囲でビスマスを含んでなる請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  13. 上記Ni層またはNi−Bi層である層(c)が1.0μm以下の厚さを有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 10ないし100g/lの範囲のニッケルイオン濃度と0.01ないし10g/lの範囲のビスマスイオン濃度を含んでなる水性浴を用いてニッケルとビスマスの両方を電気メッキすることにより、上記Ni−Bi層(c)が沈着される請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 該多層ろう付けシート製品のコアシート(a)がアルミニウム合金のシートである請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 該多層ろう付けシート製品のコアシート(a)がAA3000、AA5000、及びAA6000シリーズのアルミニウム合金からなる群から選択されるアルミニウム合金である請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1〜1のいずれか一項に記載の方法により製造されたろう付けにより接合された構成要素の組立品。
  18. 前記組立品が、プロトン交換膜燃料電池である、請求項17に記載の組立品。
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