JPH0723100U - 注入部材 - Google Patents

注入部材

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JPH0723100U
JPH0723100U JP5370393U JP5370393U JPH0723100U JP H0723100 U JPH0723100 U JP H0723100U JP 5370393 U JP5370393 U JP 5370393U JP 5370393 U JP5370393 U JP 5370393U JP H0723100 U JPH0723100 U JP H0723100U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業負担が少なく、確実に注入液をシールす
ることのできる注入部材を提供する。 【構成】 中空のロックボルト30の手元側外周面にパ
ッカー36を装着し、該パッカー36を膨らますための
水、エア等を送り込む管44をロックボルト30の中空
内部に装着する。そして、ロックボルト30の側壁でパ
ッカー36の内側に相当する箇所に孔40を穿設し、該
孔40に逆止弁42を装着する。前記管44の先端は逆
止弁42と接続する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はトンネル工事、擁壁工事、地山改良工事等で用いるロックボルト、ア ンカー、グラウト管等を本体とした注入部材に係り、特に定着材や地山改良材な どの注入材がロックボルト等の本体と岩盤、地盤等の間の隙間から洩れ出ないよ うにするパッカー付の注入部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
山岳等のトンネル工事で一般的なナトム工法(NATM工法)では、地山を掘 削したあと(必要な場合は壁をセメントで固めた後)、壁から岩盤内部へ垂直に 多数のロックボルトを打ち込み、セメント系或いは樹脂系等の所定の定着材で定 着させて内壁周辺の崩落を防ぐようにしている(支保工)。 ロックボルトは、予め、穿岩機等で岩盤に孔(ボアホール)をあけておき、該 孔に後からロックボルトを打ち込んだり、アダプタを介して穿岩機で自穿孔ロッ クボルトを回転させ、該自穿孔ロックボルトの先端に装着したビットで岩盤を掘 削しながら打ち込んだりするようになっている。
【0003】 図9は、予め岩盤にボアホールを穿設しておく場合の支保工法を示す。 地山10に掘削したトンネル12の内壁14から該内壁14に対し垂直に岩盤 内部へ所定深さのボアホール16を穿孔したのち、中空のロックボルト18を打 ち込む。ロックボルト18の外面には、予め、定着材がボアホール16とロック ボルト18の間から漏れ出すのを防止するためのパッカー20と、パッカー20 を膨らますための固化材、液体(水など)、気体(エアなど)等の所定物をパッ カー20内に送り込むための管22が取りつけてある。 パッカー20はゴム、軟質プラスチック、布地等の柔軟性と強度の有る材質を 、ロックボルト18の口元所定箇所にテープ、止めバンド等で装着されている。 管22はパッカー20の中で先端が開口しており、ロックボルト18の口元所定 箇所にテープ等で装着されている。
【0004】 管22から固化材や液体または気体等の所定物を注入すると(図9の矢印A参 照)、先端の孔からパッカー20の内部に入り、該パッカー20を膨大させる。 これにより、ロックボルト18の口元付近で、ロックボルト18とボアホール1 6の間の隙間が密閉される(図9の破線参照)。このあと、ロックボルト18の 口元からセメント系、樹脂系等の定着材を送り込むと(図9の矢印B参照)、ロ ックボルト18の先端等に設けられた噴出口24から定着材がボアホール16内 に出て、該ボアホール16とロックボルト18の間の隙間に充填されていく。 但し、固化材、液体、気体等で膨らんだパッカー20がシールの働きをするの で、ボアホール16内に定着材の充填不良箇所が生じることはない。
【0005】 一定量の定着材を注入した時点で作業完了であり、定着材の注入を止める。そ の後、定着材が硬化すれば、ロックボルト18と内壁周辺が一体的に固着し、ロ ックボルト先端部の打ち込まれた固い内部岩盤に支えられることで、内壁周辺の 崩落が防止される。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
このようにロックボルトに予めパッカーを取り付けておくことで、パッカー無 しのロックボルトを打ち込み後、ロックボルトと孔壁との間隙にセメント、樹脂 、ウエス等を充填する旧来の方法に比べて早くシールすることができる。けれど も、従来のパッカー付のロックボルトでは、パッカー20に固化材、液体、気体 等の所定物を送り込むための管22がロックボルト18の外面に取り付けられて いるため、断面寸法の一部が大きくなってしまい、ロックボルト18を設置する のに大きな孔径のボアホール16を空けなければならず、作業が大掛かりとなっ てしまったり、定着材を多量に必要としたりし、加えて、ロックボルト18の設 置時、ボアホール16の孔壁に管22が当たって該管22やパッカー20が破損 し、シール機能を発揮できなくなってしまうという問題があった。また、パッカ ー20が破損しなかった場合でも、パッカー20と管22との間に隙間ができ易 いことから、パッカー20を膨らませるのに用いた所定物が当該隙間から漏れ出 てしまってシール不良となってしまう問題があった。
【0007】 一方、自穿孔ロックボルトでは、回転させるため、管22やパッカー20を破 損する危険性がより高いので、パッカー20の使用ができず、打ち込み後、ボア ホール16の口元にセメントや樹脂、ウエスを詰め込んでいたため作業負担が大 きく、また、作業のバラツキにより詰め込み不良で定着材が洩れ出てしまう恐れ もあった。
【0008】 以上から本考案の目的は、作業負担を少なくしながら注入材のシールを確実に 行うことのできる注入部材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本考案においては、ロックボルト、アンカー、グラウト管等の中空 の注入部材本体と、注入部材本体の手元近くの外側に装着したパッカーと、パッ カーの内部に該パッカーを膨らませるための所定物を送り込む管を有する注入部 材において、前記管を注入部材本体の中空内部に装着し、注入部材本体の側壁に あけた孔よりパッカーの内部に所定物を送り込むようにするとともに、該管の途 中または端部近傍に逆止弁を設けたことにより達成される。
【0010】
【作用】
パッカー付の注入部材本体を地盤内に設置したあと、注入部材本体の内部に設 けられた管を通して所定物を送り込む。該所定物は逆止弁を通ってパッカー内に 入り、パッカーを膨らませて注入部材本体の手元近くの周囲をシールする。所定 物の送り込みを停止しても逆止弁によりパッカーからの所定物の流出は阻止され る。
【0011】 これにより、パッカーを膨らませるための所定物を送り込む管を注入部材本体 の外面に装着しなくて済むので、注入部材の断面寸法が小さくなり、予めボアホ ールを空けておく場合、ボアホールの孔径を大きくしなくても済み、作業が大掛 かりにはならず、また、シールを行う部材が孔壁に当たって破損する可能性も非 常に小さくなり、かつ、パッカーの取り付け箇所において、パッカーと支保部材 本体との間に隙間ができないように簡単にできること、及び、逆止弁によりパッ カー内から支保部材本体内への所定物の流出が阻止されることから、確実に注入 材をシールすることができる。
【0012】 また、注入部材本体の手元近くの外側に第1のパッカーを装着し、注入部材本 体の側壁で第1のパッカーの内側に孔を穿設し、該孔に逆止弁を設けておく。一 方、注入部材本体の中空内部に遊挿自在で、第1パッカーを膨らませるための所 定物を送り込むノズルを用意し、該ノズルに、吐出口を挟んで複数の第2パッカ ーを設け、ノズル自身またはノズルに別途設けた管を通して第2パッカー内に所 定物を送り込めるようにする。そして、第1パッカー付の注入部材本体を地盤に 設置後、第2パッカー付のノズルを注入部材本体の中空内部に挿入し、吐出口が 注入部材本体の側壁で第1のパッカーの内側に穿設した孔とほぼ同じ位置に来る ようにし、ノズル自身またはノズルに別途設けた管を通して第2パッカー内に所 定物を第2パッカー内に送り込み、孔と吐出口の前後を複数の第2パッカーでシ ールする。このあと、注入ノズルを通して所定物を送り込むと、複数の第2パッ カーで挟まれた空間内に充満するとともに、逆止弁を介して孔から第1パッカー 内に入り、第1パッカーを膨らませて注入部材の手元近くの周囲をシールする。 所定物の送り込みを停止しても逆止弁により第1パッカーからの所定物の流出は 阻止される。
【0013】 これにより、第1パッカーを膨らませるための所定物を送る管を注入部材本体 の外部や内部に装着しなくて済むので、自穿孔式のため地盤への設置時に注入部 材本体を回転させる必要があっても、少し大きな孔径にすれば第1パッカーを予 め装着した状態で破損等の支障を生じることなく穿孔作業を進めることができ、 かつ、設置後、第1パッカーを容易に膨らますことができるとともに、逆止弁の 存在でパッカーを膨らませた所定物が漏れ出す恐れもなくなるので確実に注入材 をシールすることができる。自穿孔式であっても、パッカーの使用が可能となる ので、従来の如く、注入部材本体の設置後、該注入部材本体と孔壁との間にセメ ントや樹脂、ウエス等を充填する手間が不要となる。また、注入部材本体が自穿 孔式であるとないとを問わず、注入部材本体に第1パッカーを膨らませるための 所定物を送り込む管を装着しておかなくて済み、第2パッカー付のノズルも繰り 返し使用可能であることから、構成上の負担が少ない。
【0014】
【実施例】
図1は本考案の第1実施例に係わる注入部材の断面図である。図1の注入部材 はトンネル工事において岩盤に予め穿設したボアホールに挿入するタイプで、中 空のロックボルトを注入部材本体としたものである。
【0015】 図1において、30は注入部材本体の一例としての中空のロックボルトであり 、セメント系或いは樹脂系の定着材を手元側から内部を通して先端及び先端近く に設けた噴出口32、34よりボアホール内に圧入するようになっている。 36はロックボルト30の手元近くの外面(ボアホールの口元側に相当)に設 けられたパッカーであり、内部に固化材、または、液体(水など)、気体(エア など)等の所定物を送り込んで膨らますことで、ロックボルト30と後述するボ アホールの孔壁との間の隙間をシールさせるためのものである。このパッカー3 6はゴム、軟質プラスチック、布部材等の柔軟性と強度の有る材質で形成されて いる。38はパッカー36の両端部をロックボルト30に固定する止めバンドで ある。パッカー36はロックボルト30の外面に直接装着すれば良く、間に管等 を挟まなくて済むので、止めバンド38の所で、パッカー36をロックボルト3 0に密着させることができる。
【0016】 40はロックボルト30の側壁でパッカー36の止めバンド38の間の内側に 相当する箇所に穿設した孔、42は孔40の内側に設けられた逆止弁、44はロ ックボルト30の側壁の内側に装着されるとともに口元から逆止弁42まで配設 された管であり、先端が逆止弁42と孔40を介してパッカー36の内側に連通 している。この管44は固化材、水などの液体、エアなどの気体等、所定物をパ ッカー36の内側に送り込み該パッカー36を膨らますためのものである。逆止 弁42は管44からパッカー36の内部へは所定物を移動可能とし、逆方向には 移動不可とする。 ロックボルト30、パッカー36、管44、逆止弁42により注入部材46が 構成されている。
【0017】 図2〜図4は第1実施例の使用状態説明図である。 地山10に掘削したトンネル12の内壁14から該内壁14に対し垂直に岩盤 内部へ所定深さで所定孔径のボアホール16を穿孔する(図2(1)参照)。 次いで、ロックボルト30、パッカー36、逆止弁42、管44を一体化した 注入部材46を、ボアホール16に挿入し、打ち込む(図2(2)参照)。この 際、管44がロックボルト30の外側に無いので、注入部材46の断面寸法は小 さく、ボアホール16の孔径を大きくしなくても済み、作業が大掛かりにはなら ず、また、パッカー36が孔壁に当たって破損する可能性も非常に小さい。
【0018】 続いて、ロックボルト30の手元側から管44を通して、固化材または水など の液体またはエアなどの気体等の所定物を送り込む。該所定物は逆止弁42と孔 40を介してパッカー36の内側に入り込み、パッカー36を膨らませてロック ボルト30とボアホール16の孔壁の間の隙間をシールさせる(図3(1)、( 2)参照)。シール完了後、所定物の送り込みを止める。所定物の送り込みを行 っている間、逆止弁42は開き(図3(1))、所定物の送り込みが止まると逆 止弁42は閉じる(図3(2))。ロックボルト30の打ち込み時におけるパッ カー36の破損が回避されていること、及び、逆止弁42の存在で、パッカー3 6の中から所定物が管44の側に漏れ出さないことから、確実なシールがなされ る。
【0019】 このあと、ロックボルト30の中空内部を通じてセメント系、樹脂系等の所定 の定着材を注入すると、先端等の噴出口32、34からボアホール16内に出て 、該ボアホール16とロックボルト30の間の空間に充填されていく。地山10 の地質が浸透性を有していれば一部が地盤中に浸透する(図4参照)。ボアホー ル16の口元はパッカー36によりシールされているので、外部に定着材が漏れ 出すことはない。
【0020】 所定量の定着材を注入すれば作業完了であり、定着材の注入を止める。その後 、ボアホール16内の定着材全体が硬化すれば、ロックボルト30とトンネルの 内壁周辺が一体的に固着し、ロックボルト先端部の打ち込まれた固い内部岩盤に 支えられることで、内壁周辺の崩落が防止される。
【0021】 この第1実施例によれば、パッカー36を膨らませるための物質を送り込む管 44をロックボルト30の外面に装着しなくて済むので、注入部材46の断面寸 法が小さくなり、ロックボルト30を打ち込む前に予めボアホール16を空けて おく場合、ボアホール16の孔径を大きくしなくても済み、作業が大掛かりには ならず、また、パッカー36が孔壁に当たって破損する可能性も非常に小さくな り、かつ、パッカー36の取り付け箇所において、ロックボルト30との間に隙 間ができないように簡単にできること、及び、逆止弁42によりパッカー36内 からロックボルト30内への所定物の流出が阻止されることから、確実に定着材 をシールすることができる。
【0022】 なお、パッカーの内側においてロックボルトに穿設する孔(図1の符号40参 照)は複数個としてもよく、この場合、各孔に各々逆止弁を設置するとともに、 パッカーを膨らますための所定物を送り込む管(図1の符号44参照)を先端近 くで分岐させ、各分岐管を個々の逆止弁と接続するようすればよい。また、逆止 弁はパッカーを膨らますための所定物を送り込む管の途中や手元側端部に設ける ようにしてもよく、このようにすれば、パッカーの内側においてロックボルトに 穿設する孔を複数個設ける場合、分岐管に分かれる手前に1つだけ逆止弁を設け れば済む。
【0023】 図5は本考案の第2実施例に係る注入部材の使用状態説明図である。図5は注 入部材本体として自身を回転させながら先端のビットでボアホールを穿孔してい く自穿孔ロックボルトを用いた場合を示す。
【0024】 50は内部が中空の自穿孔ロックボルトであり、定着材は先端及び先端近くに 設けた噴出口52よりボアホール内に圧入するようになっている。56は自穿孔 ロックボルト50の手元近くの外面(ボアホールの口元側に相当)に設けられた 第1パッカーであり、内部に固化材、または、液体(水など)、気体(エアなど )等の所定物を送り込んで膨らますことで、自穿孔ロックボルト50と後述する ボアホールの孔壁との間の隙間をシールするためのものである。この第1パッカ ー56はゴム、軟質プラスチック、布部材等の柔軟性と強度の有る材質で形成さ れている。58は第1パッカー56の両端部を自穿孔ロックボルト50に固定す る止めバンドである。
【0025】 60は自穿孔ロックボルト50の側壁で第1パッカー56の内側に相当する箇 所に穿設した孔、62は孔58の内側に設けられた逆止弁であり、自穿孔ロック ボルト50の内部から第1パッカー56の内側へは所定物が移動可能とし、逆方 向へは移動不可とする。
【0026】 64は自穿孔ロックボルト50の中空内部に遊挿自在で、第1パッカー56を 膨らませるためのゲルタイム(硬化時間)の比較的長い固化材または水などの液 体またはエアなどの気体等の所定物を送り込むためのノズル、66はノズルの途 中に穿設された吐出口、68は吐出口66を挟んでノズル64の外面にテープ等 で装着された2つの第2パッカーであり、第1パッカーと同様の材質で形成され ている。70はノズル62の外面にテープ等で装着されるとともに2つの第2パ ッカー68の内側に第2パッカー68を膨らませるための水などの液体またはエ アなどの気体等の所定物を送り込むための管、72は管70に穿設されるととも に第2パッカー68の内側に開口した孔である。
【0027】 次に、第2実施例の使用法を図6〜図8を参照して説明すると、第1パッカー 56、逆止弁62の装着された自穿孔ロックボルト50を、アダプタを介して穿 岩機(図示せず)で回転させ、該自穿孔ロックボルト50の先端に装着したビッ ト74で岩盤を掘削させながら所定深さまで打ち込んでいく(図6(1)参照) 。 この際、ビット74により堀削されるボアホール16の孔径を少し大きくして おけば、自穿孔ロックボルト50の外面には第1パッカー56しか装着されてお らず、断面寸法が小さいので、第1パッカー56にボアホール16の孔壁が当た ることはなく、また、第1実施例と異なり自穿孔ロックボルト50の内部にも管 が存在しないので、第1パッカー56を予め装着した状態でも破損等の支障を生 じることなく穿孔作業を進めることができる。
【0028】 自穿孔ロックボルト50の打ち込みが完了したならば(図6(2)参照)、穿 岩機との結合を外したのち、第2パッカー68と、管70を装着したノズル64 を自穿孔ロックボルト50の中空内部に挿入し、ノズル64の吐出口66が自穿 孔ロックボルト50の軸方向に見て、自穿孔ロックボルト50の側壁で第1パッ カー56の内側に穿設した孔60とほぼ同じ所に位置させる(図5参照)。そし て、ノズル64に装着した管70に水などの液体、またはエアなどの気体等の所 定物を送り込み、孔72から第2パッカー68内に入れて、第2パッカー68を 膨らませる。第2パッカー68が膨らむと、自穿孔ロックボルト50の中空内部 が吐出口66を挟んだ2か所でシールされる(図7(1)参照)。管70を通じ た水、エア等の送り込みは第1パッカー56によるシールが完了するまで続ける 。
【0029】 次に、ノズル64を通してゲルタイムの比較的長い固化材、または、水などの 液体、またはエアなどの気体等の所定物を送り込むと、吐出口66から自穿孔ロ ックボルト50の中空内部の内、2つの第2パッカー68の間の空間に入り、該 空間が所定物で満たされたところで、今度は、逆止弁62、孔60を介して第1 パッカー56の内側に入り込む。この際、第2パッカー68のシール作用で、媒 体が自穿孔ロックボルト50の中空内部における第2パッカー68の外側に漏れ 出すことはない。
【0030】 第1パッカー56の内側に入った所定物は第1パッカー56を膨らませて自穿 孔ロックボルト50とボアホール16の孔壁の間の隙間をシールさせる(図7( 2)参照)。自穿孔ロックボルト50の打ち込み時における第1パッカー56の 破損が回避されていること、及び、逆止弁62の存在で、第1パッカー56の中 から所定物が自穿孔ロックボルト50の内部に漏れ出さないことから、確実なシ ールがなされる。
【0031】 第1パッカー56によるシール完了後、管70とノズル64を通じた所定物の 送り込みを止め、ノズル64を第2パッカー68、管70とともに自穿孔ロック ボルト50から抜き取る。この際、第2パッカー68に充填された液体や気体は 第2パッカー68内部の圧力及びノズル64の抜き出し時に加わる外力で管70 を通じて外部に漏れ出し、第2パッカー68がしぼみ、第2パッカー68の間の 空間に溜まった所定物は、液体や気体であるときは勿論のこと、固化材であって もゲルタイムが長くまだ流動性を保っているので、第2パッカー68の外側に容 易に漏れ出し、この結果、簡単にノズル64を自穿孔ロックボルト50から抜き 出すことができる。
【0032】 ノズル64を抜いたあと、自穿孔ロックボルト50の中空内部を通じてセメン ト系、樹脂系等の所定の定着材を注入すると、先端等の噴出口52からボアホー ル16内に出て、該ボアホール16と自穿孔ロックボルト50の間の空間に充填 されていく(図8参照)。地山10の地質が浸透性を有していれば一部が地盤中 に浸透するボアホール16の口元は第1パッカー56によりシールされているの で、外部に定着材が漏れ出すことはない。
【0033】 所定量の定着材を注入すれば作業完了であり、定着材の注入を止める。その後 、ボアホール16内の定着材全体が硬化すれば、自穿孔ロックボルト50とトン ネルの内壁周辺が一体的に固着し、ロックボルト先端部の打ち込まれた固い内部 岩盤に支えられることで、内壁周辺の崩落が防止される。
【0034】 この第2実施例によれば、第1パッカー56を膨らませるための所定物を送る 管を自穿孔ロックボルトの外部や内部に装着しなくて済むので、自穿孔式のため 地盤への設置時に自穿孔ロックボルトを回転させる必要があっても、少し大きな 孔径にすれば第1パッカー56を予め装着した状態で破損等の支障を生じること なく穿孔作業を進めることができ、かつ、設置後、2つの第2パッカー68を有 するノズル64を用いて第1パッカー56を容易に膨らますことができるととも に、逆止弁62の存在で第1パッカー56を膨らませた媒体が漏れ出す恐れもな くなるので確実に定着材をシールすることができる。そして、自穿孔式であって も、パッカーの使用が可能となるので、従来の如く、自穿孔ロックボルトの設置 後、該自穿孔ロックボルトと孔壁との間にセメントや樹脂、ウエス等を充填する 手間が不要となる。
【0035】 なお、上記した第2実施例では自穿孔ロックボルトを例に挙げたが、自穿孔式 でないロックボルトにも同様に適用でき、第1実施例とは異なり、パッカーを膨 らませるための所定物を送り込む管をロックボルトに装着する必要がなく、また 、パッカー付ノズルの再使用も可能なことから、構成上の負担が少なくなる。
【0036】 また、上記した第2実施例では自穿孔ロックボルトの側壁で、第1パッカーの 内側に穿設する孔(図5の符号60参照)は1つとしたが、複数個の孔を穿設し てもよく、この場合、各孔に逆止弁を設置するようにすればよく、更に、当該複 数の孔に対応してノズルに設ける吐出口も複数個とし、各吐出口を挟むように多 数の第2パッカーを設けるようにしてもよい。
【0037】 更に、上記した第2実施例ではノズルの外面に第2パッカーを膨らますための 所定物を送り込む管(図5の符号70参照)を装着したが、ノズル62の中空内 部に当該管を装着し、該管の先を2つに分岐させ、各分岐管の先端がノズルの側 壁から第2パッカーの内側に開口するようにしてもよい。また、特に管は設けず 、ノズルの第2パッカーの内側に相当する箇所に孔を穿設し、ノズルを通じて送 り込んだ第1パッカーを膨らませるための所定物が孔から第2パッカーの中に入 り込み、これら第2パッカーを膨らませるようにしてもよい。
【0038】 また、上記した各実施例、変形例では注入部材本体としてロックボルト(自穿 孔ロックボルトを含む)を例に挙げて説明したが、擁壁工事等で用いるアンカー や、地山改良工事、地盤補強工事等で用いるグラウト管など他の種類のものであ ってもよい。注入材も定着材に限られず、地山改良材等他の種類であってよい。
【0039】
【考案の効果】
以上本考案によれば、パッカーの内部に該パッカーを膨らませるための固化材 、液体、気体等の所定の媒体を送り込む管を注入部材本体の中空内部に装着し、 注入部材本体の側壁にあけた孔よりパッカー内部に媒体を入れるようにするとと もに、管の途中または先端部近傍に逆止弁を設け、パッカー付の注入部材本体を 地盤内に設置したあと、注入部材本体の内部に設けられた管を通して固化材、液 体、気体等の媒体を送り込み、逆止弁を介してパッカー内に入れ、パッカーを膨 らませて注入部材の手元近くの周囲をシールするように構成したから、パッカー を膨らませるための所定物を送り込む管を注入部材本体の外面に装着しなくて済 むので、注入部材の断面寸法が小さくなり、予めボアホールを空けておく場合、 ボアホールの孔径を大きくしなくても済み、作業が大掛かりにはならず、また、 シールを行う部材が孔壁に当たって破損する可能性も非常に小さくなり、かつ、 パッカーの取り付け箇所において、パッカーと支保部材本体との間に隙間ができ ないように簡単にできること、及び、逆止弁によりパッカー内から支保部材本体 内への所定物の流出が阻止されることから、確実に注入材をシールすることがで きる。
【0040】 また、注入部材本体の手元近くの外側に第1のパッカーを装着し、注入部材本 体の側壁で第1のパッカーの内側に孔を穿設し、該孔に逆止弁を設けておき、一 方、注入部材本体の中空内部に遊挿自在で、第1パッカーを膨らませる媒体を送 り込むためのノズルを用意し、該ノズルに、噴出口を挟んで複数の第2パッカー を設け、ノズル自身またはノズルに別途設けた管を通して第2パッカー内に固化 材、液体、気体等の媒体を送り込めるようにし、第1パッカー付の注入部材本体 を地盤に設置後、第2パッカー付のノズルを注入部材本体の中空内部に挿入し、 噴出口が注入部材本体の側壁で第1のパッカーの内側に穿設した孔とほぼ同じ位 置に来るようにし、ノズル自身またはノズルに別途設けた管を通して第2パッカ ー内に固化材、液体、気体等の媒体を第2パッカー内に送り込み、孔と噴出口の 前後を複数の第2パッカーでシールする。このあと、注入ノズルを通して固化材 、液体、気体等の媒体を送り込む、複数の第2パッカーで挟まれた空間内に充満 するとともに、逆止弁を介して孔から第1パッカー内に入れ、第1パッカーを膨 らませて注入部材の手元近くの周囲をシールするように構成したから、第1パッ カーを膨らませるための媒体を送る管を注入部材本体の外部や内部に装着しなく て済むので、自穿孔式のため地盤への設置時に注入部材本体を回転させる必要が あっても、少し大きな孔径にすれば第1パッカーを予め装着した状態で破損等の 支障を生じることなく穿孔作業を進めることができ、かつ、設置後、第1パッカ ーを容易に膨らますことができるとともに、逆止弁の存在でパッカーを膨らませ た媒体が漏れ出す恐れもなくなるので確実に注入材をシールすることができる。 自穿孔式であっても、パッカーの使用が可能となるので、従来の如く、注入部材 本体の設置後、該注入部材本体と孔壁との間にセメントや樹脂、ウエス等を充填 する手間が不要となる。また、注入部材本体が自穿孔式であるとないとを問わず 、注入部材本体に第1パッカーを膨らませるための所定物を送り込む管を装着し ておかなくて済み、第2パッカー付のノズルも繰り返し使用可能であることから 、構成上の負担が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る注入部材の一部破断
した断面図である。
【図2】第1実施例の使用状態を示す第1の説明図であ
る。
【図3】第1実施例の使用状態を示す第2の説明図であ
る。
【図4】第1実施例の使用状態を示す第3の説明図であ
る。
【図5】本考案の第2実施例に係る注入部材の一部破断
した断面図である。
【図6】第2実施例の使用状態を示す第1の説明図であ
る。
【図7】第2実施例の使用状態を示す第2の説明図であ
る。
【図8】第2実施例の使用状態を示す第3の説明図であ
る。
【図9】従来の支保工法の説明図である。
【符号の説明】
30 ロックボルト 36 パッカー 40、60 孔 42、62 逆止弁 44、70 管 50 自穿孔ロックボルト 56 第1パッカー 64 ノズル 66 吐出口 68 第2パッカー

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックボルト、アンカー、グラウト管等
    の中空の注入部材本体と、注入部材本体の手元近くの外
    側に装着したパッカーと、パッカーの内部に該パッカー
    を膨らませるための所定物を送り込む管を有する注入部
    材において、 前記管を注入部材本体の中空内部に装着し、注入部材本
    体の側壁にあけた孔よりパッカーの内部に所定物を送り
    込むようにするとともに、 該管の途中または端部近傍に逆止弁を設けたこと、 を特徴とする注入部材。
  2. 【請求項2】 ロックボルト、アンカー、グラウト管等
    の中空の注入部材本体を有する注入部材において、 注入部材本体の手元近くの外側に装着した第1のパッカ
    ーと、 注入部材本体の側壁で第1のパッカーの内側に穿設した
    孔と、 該孔に設けた逆止弁と、 注入部材本体の中空内部に遊挿自在で、第1パッカーを
    膨らませるための所定物を送り込むノズルとを有し、 該ノズルに、吐出口を挟んで複数の第2パッカーを設
    け、注入ノズル自身または注入ノズルに別途設けた管を
    通して当該複数の第2パッカーを注入部材本体の内部で
    膨らませるための所定物を送り込むようにしたこと、 を特徴とする注入部材。
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