JPH0641716B2 - 竪坑内へのシールド掘削機の到達工法及びその工法に用いるシール装置及び気密槽 - Google Patents

竪坑内へのシールド掘削機の到達工法及びその工法に用いるシール装置及び気密槽

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JPH0641716B2
JPH0641716B2 JP3099789A JP3099789A JPH0641716B2 JP H0641716 B2 JPH0641716 B2 JP H0641716B2 JP 3099789 A JP3099789 A JP 3099789A JP 3099789 A JP3099789 A JP 3099789A JP H0641716 B2 JPH0641716 B2 JP H0641716B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トンネルを掘進したシールド掘削機を竪坑内
に到達させるための工法及びその工法に用いるシール装
置及び気密槽に関する。
〔従来技術〕
一般に、トンネルを掘進したシールド掘削機を竪坑内に
到達させるときに、竪坑の坑壁には予め掘削機を受け入
れるための穴が穿設されるが、竪坑の周囲に地下水があ
ったり、竪坑の周囲が軟弱地盤であると、坑壁に穴が穿
たれたときに、竪坑の周囲の地下水又は土砂が穴から竪
坑内へ流入する危険性がある。そこで、その対策とし
て、従来より、竪坑の周りの地盤中に地盤改良剤を注入
して止水帯を形成する地盤安定化処理が広く採用されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述した従来の方法では、竪坑の周囲に相当量
の薬剤を注入する必要があるため、材料コストが高くな
ると共に、注入作業が複雑で、竪坑の周囲の地盤が安定
化するまでに長時間を要するという欠点がある。
したがって、本発明の目的は、坑壁の周囲の地盤安定化
処理を不要とし或いは小領域に簡素化しつつ、竪坑内へ
の地下水、土砂等の流入を確実に防止した状態で、竪坑
内にシールド掘削機を到達させることができる工法及び
その工法を用いるシール装置及び気密槽を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明にあっては、トンネ
ルを掘進したシールド掘削機を竪坑内に到達させるため
の工法が、次のような構成とされる。すなわち、 掘削機を受容し得る穴を形成すべき竪坑の坑壁内面側に
該穴の径よりも大きな到達エントランスを形成し、 該到達エントランスの開口部周縁又はその近傍に圧縮変
化可能な開口部を有するシール装置を設け、 一端が前記掘削機の前端部を受容するための開口した気
密槽の該一端部側を前記到達エントランス内に挿入して
前記到達エントランス内面と該気密槽の外周面との間を
前記シール装置によりシールし、 前記到達エントランスの内部を前記気密槽の内部と共に
加圧した状態で前記竪坑の坑壁に前記穴を穿設した後、
前記掘削機の前端部を前記穴を介して前記気密槽内まで
前進させ、 次いで、前記気密槽を前記到達エントランスから引き出
すことにより、前記到達エントランス内面と前記掘削機
の外周面との間を前記シール装置によりシールさせて前
記到達エントランス内部を加圧状態に保ったまま前記掘
削機を更に前進させ、前記掘削機の後に続く覆工セグメ
ントの外周面を前記シール装置によりシールするような
構成とされる。
また、本発明にあっては、上記工法に用いるシール装置
が、次のような構成とされる。すなわち、 前記掘削機の外周面又は前記覆工セグメントの外周面に
当接可能な開口部を有し且つ該開口部が拡縮変化可能な
弾性シール板と、前記到達エントランス内部の圧力に抗
して前記弾性シール板の背面側を支持するための裏当部
材とを備え、 該裏当部材は、前記掘削機の外周面又は前記覆工セグメ
ントの外周面に当接可能な開口部を有し且つ該開口部が
拡縮変化可能に形成されるような構成とされる。
前記シール装置において、前記裏当部材は、前記到達エ
ントランスの開口部周縁又はその近傍への取付部よりも
該到達エントランスの底部寄りの位置で前記気密槽の外
周面、前記掘削機の外周面又は前記覆工セグメントの外
周面に当接するように配置することができる。
一方、前記裏当部材は、前記到達エントランスの開口部
周縁又はその近傍への取付部よりも竪坑内部寄りの位置
で前記気密槽の外周面、前記掘削機の外周面又は前記覆
工セグメントの外周面に当接するように配置するこもで
きる。この場合、前記裏当部材にはその開口部を縮径さ
せる方向に縛るためのワイヤを保持させる。
また、本発明にあっては、上記工法に用いる気密槽が次
のような構成とされる。すなわち、 前記掘削機の前端部を受容するための主気密室と、該主
気密室に対し開閉扉を備えた内部出入口を介して連通す
ると共に外部に対し開閉扉を備えた外部出入口を介して
連通する補助気密室と、前記主気密室及び補助気密室に
内部加圧用の圧縮空気を供給するための圧縮空気供給手
段と、を備えるような構成とされる。
〔作用〕
上記構成を有する工法においては、竪坑の坑壁に設けた
到達エントランス内に気密槽の一端を挿入し、該到達エ
ントランス内面と気密槽の外周面との間をシール装置に
よりシールし、気密槽の内部を到達エントランス内部と
共に所要圧に加圧した状態で、竪坑の坑壁に掘削機を受
容するための穴を穿設するので、穴の穿設時に気密槽及
び到達エントランス内部の圧力により、竪坑の周囲の地
下水或いは土砂が竪坑内に流入することを防止すること
ができる。したがって、地盤改良剤の使用を不要とし、
或いは、少量にとどめることができる。
穴を開設した後、該穴内を通して掘削機の前端部を気密
槽内へと前進させ、次いで、気密槽を到達エントランス
から退出させると、気密槽の外周面に当接していたシー
ル装置が掘削機の外周面に当接し、到達エントランス内
面と掘削機の外周面との間をシール状態に保つこととな
る。したがって、気密槽を到達エントランスから退出さ
せた後も引き続き到達エントランス内部を気密加圧状態
に保つことができる。また、気密槽は掘削機全体を収容
する必要がないので、小型軽量で簡素な構造とすること
ができる。
その後、、掘削機が竪坑内へと更に前進し、掘削機のテ
ール部が到達エントランスから退出すると、掘削機の外
周面に当接していたシール装置は掘削機に続く覆工セグ
メントの外周に当接し、到達エントランス内面とセグメ
ントの外周面との間をシール状態に保つこととなる。し
たがって、掘削機を到達エントランスから退出させた後
も引き続き到達エントランス内部を気密加圧状態に保つ
ことができる。したがって、トンネル内面及び到達エン
トランス内面とセグメント外周面との間にコンクリート
等の裏込材を注入して空間を埋めることにより、地下水
や土砂の流入を確実に防止した状態で、トンネル覆工と
竪坑坑壁とを強固に接続することができる。
更に、上記工法によれば、掘削機が竪坑の到達エントラ
ンス内まで推進されて該到達エントランス内面と掘削機
外面との間がシール装置によりシールされた段階で、気
密槽の分解作業等を必要とせず、気密槽を簡単に到達エ
ントランスから引き出して竪坑の外部に取り出すことが
できる。
更に、上記工法によれば、掘削機が到達エントランスの
シール装置を完全に通過した後は、シール装置が引き続
きセグメント外周面と到達エントランス内面との間をシ
ールすることとなるので、従来のように、掘削機のテー
ル部を到達エントランス内に残して該テール部と到達エ
ントランスとの間の空間をコンクリート等で塞ぐ必要性
がなくなる。したがって、掘削機のテール部を切断する
必要がなくなるので、掘削機を竪坑から取り出して再使
用したり、竪坑内に到達した掘削機を該竪坑内に設けた
発信エントランスから引き続き発信させることが可能と
なる。
一方、上記工法に用いるシール装置は、その開口部が拡
縮変化可能であるから、気密槽の一端を到達エントラン
ス内に挿入したときには、シール装置の開口部側を拡開
させて気密槽の外周面に気密に当接させることができ
る。また、気密槽を到達エントランスから退出させたと
きには、シール装置の開口部側を縮径させて掘削機の前
端部外周面に気密に当接させることができ、更に、掘削
機が到達エントランスから退出したときには、シール装
置の開口部側を更に縮径させてセグメントの外周面に気
密に当接させることができる。
本発明によるシール装置は、弾性シール板とその背面を
到達エントランス内の圧力に抗して支持する裏当部材と
を備えており、該弾性シール板の開口部及び裏当部材の
開口部が共に拡縮変化可能に形成されているから、気密
槽外周面、掘削機外周面及びセグメント外周面に対しそ
れぞれ確実な耐圧シールを行うことができる。
一方、本発明による気密槽は、掘削機の前端部を受容す
るための主気密室と、該主気密室に対し開閉扉を備えた
内部出入口を介して連通すると共に外部に対し開閉扉を
備えた外部出入口を介して連通する補助気密室と、主気
密室及び補助気密室に内部加圧用の圧縮空気を供給する
ための圧縮空気供給手段とを備えているから、内部出入
口及び外部出入口の開閉扉の交互の開閉と、補助気密室
の圧力調整により、気密槽の主気密室内及び到達エント
ランス内部の圧力を所要圧に保った状態で、補助気密室
を介して作業者の出入り、資材及び掘削土砂等の搬出等
を行うことができる。
〔発明の効果〕
したがって、本発明によれば、坑壁の周囲の地盤安定化
処理を不要とし或いは小領域に簡素化しつつ、竪坑内へ
の地下水、土砂等の流入を確実に防止した状態で、竪坑
内にシールド掘削機を到達させることが可能となる。ま
た、シール装置を完全に竪坑内に到達させることができ
るので、竪坑内に到達したシール装置の再使用が可能に
なる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図〜第5図はそれぞれ本発明による竪坑内へのシー
ルド掘削機の到達工法の一実施例を示す各工程の竪坑内
断面図であり、第6図は第1図に示すシール装置及び気
密槽を第1図中矢印A方向より見た図であり、第7図
(a)〜(d)は第1図〜第4図に示す工程のシール装置及び
気密槽の要部拡大断面図である。
はじめに第1図を参照すると、トンネルを掘進した円筒
形のシールド掘削機1は竪坑10の坑壁11の近傍まで
到達しており、符号12は掘削機1を竪坑10の内部に
受け入れるために形成すべき穴の位置を示している。第
3図〜第5図に示すように、掘削機1内では、セグメン
ト2が円筒状に組み立てられ、掘削機1の前進に伴い、
トンネル3の長手方向に順次増設される。そして、セグ
メント2の外周とトンネル3の内面との間にはコンクリ
ート等の裏込め材4が注入されることにより、セグメン
ト2がトンネル3内に安定保持される。各セグメント2
には該セグメント2の外周とトンネル3の内面との間に
裏込め材4を注入するための裏込め材供給管接続口5が
形成されている。
第1図を参照すると、竪坑10の坑壁11の内面側に
は、形成すべき穴12の内径寸法よりも大きな内径寸法
を有する到達エントランス13が形成される。図示実施
例では、到達エントランス13は坑壁11と一体に形成
されたコンクリート壁14により形成されており、到達
エントランス13の内面及び該コンクリート壁14の端
面は鋼板15により補強されている。
到達エントランス13の開口部周縁すなわちコンクリー
ト壁14の端面には、全体的に符号20で示すシール装
置が設けられている。シール装置20はセグメント2の
外径寸法よりも小径の開口部21を有しており、該開口
部21は拡縮変化可能となっている。
第1図、第6図及び第7図(a)を参照すると、この実施
例においては、シール装置20は、中央に上記開口部2
1を形成したゴム等からなる弾性シール板22と、到達
エントランス13の内部の圧力に抗して弾性シール板2
2の背面を支持する複数個の裏当部材23とを備えてい
る。金属製の各裏当部材23は取付板部24を備えてお
り、複数個の裏当部材23の取付板部24は、コンクリ
ート壁14の端面に配設された弾性シール板22の上に
配置され、且つ、到達エントランス13の周りに円周方
向に配列されている。そして、コンクリート壁14の端
部に突設された固定ボルト25とナット26とにより、
弾性シール板22と各裏当部材23の取付板部24とが
コンクリート壁14の端面に固定されている。
各裏当部材23の取付板部24の半径方向内方側の端部
には可動板部27がヒンジ部28を介して揺動可能に連
結されている。第7図(a)に示すように、各可動板部2
7には該可動板部27が到達エントランス13の外方に
向かって所定角度以上回動することを防止するためのス
トッパ29が設けらている。複数個の裏当部材23が円
周方向に配設された状態において、可動板部27の半径
方向内端により形成される開口部30の直径は弾性シー
ル板22の開口部21の直径よりも大きいがセグメント
2の外径よりも小さくなるように設定されている。もち
ろん、複数個の裏当部材23によって形成される開口部
30は可動板部27の揺動に伴って拡縮変化する。
第1図に示すように、竪坑10の内部には一端が掘削機
1の前端部を受容するために開口した気密槽40が載置
される。円筒状の気密槽40は掘削機1の外径寸法より
も大きく且つ到達エントランス13の内径寸法よりも小
さい内外径寸法を有している。好ましくは、気密槽40
の外径寸法は、坑壁11に形成されるべき穴12の内径
寸法よりも小さく設定される。
この実施例では、気密槽40の内部には開閉扉41を備
えた出入口42を有する隔壁43が設けられており、こ
の隔壁43によって気密槽40の内部は掘削機1の前端
部を受容するための主気密室44と、補助気密室45と
に画成されている。気密槽40の端壁46には開閉扉4
7を備えた出入口48が形成されている。2つの出入口
42,48をそれぞれ開閉扉41,47により閉鎖する
と、補助気密室45は完全な気密室になる。
内部加圧用の圧縮空気を供給するための圧縮空気供給管
50,51がそれぞれ主気密室44及び補助気密室45
の内部まで延びている。気密槽40の外部においてこれ
ら圧縮空気供給管50,51の途中にはそれぞれバルブ
52,53が取り付けられている。これらのバルブ5
2,53を開くことにより、主気密室44及び補助気密
室45に圧縮空気を供給することができる。
更に、この実施例では、隔壁43には主気密室44と補
助気密室45とを連通する2本の連通管54,55が設
けられており、一方の連通管54には主気密室44内に
位置するバルブ56が取り付けられており、他方の連通
管55には補助気密室45内に位置するバルブ57が取
り付けられている。両バルブ56,57を主気密室44
内又は補助気密室45内で操作することにより、主気密
室44と補助気密室45とを連通状態又は遮断状態とす
ることができる。また、気密槽40の端壁46には補助
気密室45と外部とを連通する連通管58が設けられて
おり、この連通管58には補助気密室45内に位置する
バルブ59が取り付けられている。このバルブ59補助
気密室45内で操作することにより、補助気密室45と
外部とを連通状態又は遮断状態とすることができる。
なお、図示は省略するが、気密槽40には主気密室44
の内部及び補助気密室45のの内部の圧力を測定する圧
力ゲージを設けておくことが好ましい。
第1図に示すように、気密槽40は到達エントランス1
3に対し同軸に位置するように例えば台車60に支持さ
れる。
掘削機1を竪坑10内に到達させるに際しては、坑壁1
1に穴12を形成する前に、まず、第2図及び第7図
(b)に示すように、気密槽40を図中左方に移動させて
その開口端側を到達エントランス13内に挿入する。こ
のとき、シール装置20の裏当部材23の可動板部27
及び弾性シール板22が気密槽40により図中左方に押
されて拡開し、可動板部27の内端及び弾性シール板2
2の内端が気密槽40の外周面に対し当接状態とされ
る。したがって、到達エントランス13の内面と気密槽
40の外周面との間は弾性シール板22によって気密に
シールされることとなる。
次に、バルブ52を開いて気密槽40の主気密室44内
に圧縮空気を供給し、互いに連通した到達エントランス
13の内部及び主気密室44の内部を、竪坑10の周囲
からの地下水、土砂等の流入を防止するために必要な圧
力に保つ。
到達エントランス13の内部及び気密槽40の主気密室
44の内部を上述した所要圧力に保った状態で、第2図
に示すように、坑壁11を掘削して穴12を形成する。
この作業は一般に入力で行われるが、主気密室44内に
設けた機械で穴12の穿設を行うこともできる。到達エ
ントランス13及び主気密室44が加圧されていると
き、弾性シール板22には該弾性シール板22を到達エ
ントランス13の外方に押し出そうとする圧力が作用す
るが、傾斜状態で気密槽40の外周面に当接している複
数個の可動板部27がその圧力に抗して弾性シール板2
2を支えるので、弾性シール板22が到達エントランス
13の外方に折り返されるような現象を防止することが
でき、到達エントランス13内の耐圧シール構造を確実
に維持することができる。
作業者が外部から気密槽40の主気密室44内に出入り
するとき、或いは、資材を搬入、搬出するとき、或い
は、穴12の掘削により発生した土砂を気密槽40の外
部に搬出するときには、補助気密室45を主気密室44
と同圧にした状態で開閉扉41を開けるようにし、ま
た、開閉扉41を閉めた後、補助気密室45内の圧力を
大気に開放した後に開閉扉47を開けるようにする。こ
れにより、主気密室44の内部を所要圧力に維持したま
ま、それらの作業を行うことができる。
坑壁11に穴12が開設された後、第3図及び第7図
(c)に示すように、掘削機1の前端部を気密槽40の主
気密室44の内部まで前進させる。掘削機1の前進に伴
い、トンネル3内には更にセグメント2が増設され、ま
た、増設されたセグメント2とトンネル3内面との間に
は裏込め材が注入される。これらの作業の間、到達エン
トランス13及び主気密室44の内部は所要圧力に保た
れているので、地下水等の流入を防止することができ
る。
その後、第4図及び第7図(d)に示すように、気密槽4
0を到達エントランス13から引き出すと、気密槽40
の外周面に当接していたシール装置20の弾性シール板
22及び裏当部材23は瞬時に縮径変化して気密槽40
よりも小径の掘削機1の外周面に当接する。したがっ
て、気密槽40が到達エントランス13から竪坑10の
内部へと引き出された後は、到達エントランス13の内
面と掘削機1の外周面との間がシール装置20によって
気密にシールされることとなり、これにより、到達エン
トランス13の内部は所要圧力に維持されることとな
る。
その後、掘削機1が更に前進して、第5図に示すよう
に、掘削機1のテール部(図中左端)が到達エントラン
ス13から退出すると、掘削機1の外周面に当接してい
たシール装置20んお弾性シール板22及び裏当部材2
3は瞬時に縮径変化して掘削機1よりも小径のセグメン
ト2の外周面に当接する。したがって、掘削機1が到達
エントランス13から引き出された後は、到達エントラ
ンス13の内面とセグメント2の外周面との間がシール
装置20によって気密にシールされることとなり、これ
により、到達エントランス13の内部は所要圧力に維持
されることとなる。
したがって、到達エントランス13内を所要圧力に保っ
た状態で、セグメント2とトンネル3の内面及び到達エ
ントランス13の内面との間の空間をコンクリート等で
埋めることにより、地下水等の流入を防止した状態で、
セグメント2と竪坑10の坑壁11とを強固に接続する
ことができる。
したがって、上記工法によれば、坑壁11の周囲の地盤
安定化処理を不要とし或いは小領域に簡素化しつつ、竪
坑10内への地下水、土砂等の流入を確実に防止した状
態で、竪坑10内にシールド掘削機1を到達させること
ができる。また、上記工法によれば、掘削機1が到達エ
ントランスのシール装置20を完全に通過した後は、シ
ール装置20が引き続きセグメント2の外周面と到達エ
ントランス13の内面との間をシールすることとなるの
で、従来のように、掘削機のテール部を到達エントラン
ス内に残して該テール部と到達エントランスとの間の空
間をコンクリート等で塞ぐ必要性がなくなる。したがっ
て、掘削機1のテール部を切断する必要がなくなるの
で、掘削機1を竪坑10から取り出して再使用したり、
竪坑10内に到達した掘削機1を該竪坑内に設けた発進
エントランスから引き続き発進させることが可能とな
る。
第8図は本発明による気密槽40の変形例を示したもの
であり、該気密槽40を上方より見た断面図である。第
8図において、上記実施例と同様の構成要素には同一の
参照符号が付されている。この実施例は、補助気密室4
5が主気密室44の側部に形成されている点のみが上記
実施例と異なる。
なお、本発明工法に用いる気密槽としては補助気密室を
省略した構成のものであってもよいが、斯かる構成の場
合、、気密槽を到達エントランスから引き出すまで穴を
掘削等により発生した土砂等を気密槽の内部に蓄えてお
くためのスペースを気密槽の内部に確保しておく必要が
あり、気密槽が大型化する欠点がある。
第9図及び第10図は本発明によるシール装置20の変
形例を示したものである。これらの図において、上記実
施例と同様の構成要素には同一の参照符号が付されてい
る。この実施例においては、裏当部材23がばね性を有
する1枚の金属板からなっており、その裏当部材23の
内径側には放射状に複数本のスリット23aが形成され
ている。したがって、隣接する2つのスリット23aの
間の部分が撓み変形することにより、上記実施例と同様
に、裏当部材23の開口部30が拡縮変化する。したが
って、上記実施例と同様に、到達エントランス13の内
面と気密槽40の外周面との間、或いは、掘削機の外周
面との間、或いは、セグメントの外周面との間の耐圧シ
ールを維持することができる。
第11図〜第13図は、本発明によるシール装置20の
更に別の変形例を示したものである。これらの図におい
て、上記実施例と同様の構成要素には同一の参照符号が
付されている。
この実施例では、第12図及び第13図に示すように、
弾性シール板22及び裏当部材23の可動板部27が到
達エントランス13の外方側で気密槽40の外周面に当
接されている。すなわち、第1図〜第7図の実施例と逆
の関係にある。この実施例では、台13図から容易に判
るように、気密槽40が到達エントランス13から図中
右方に引き出されるとき、或いは、掘削機1が同方向に
前進されるときに、弾性シール板22及び可動板部27
の内端部が気密槽40又は掘削機1の外周面に食い込む
ことを確実に防止することができる。
一方、この実施例においては、シール装置20の耐圧シ
ール性を確保するために、第11図に示すように、円周
方向に配設された複数個の裏当部材23の各可動板部2
7の背面にワイヤ32を通すためのリング33が取り付
けられており、各リング33に通したワイヤ32を締め
込み縛ることにより、弾性シール板22を可動板部27
によって気密槽40の外周面、或いは、掘削機1の外周
面、或いは、セグメント(第3図〜第5図参照)の外周
面に押し付けることができるようになっている。したが
って、上記実施例と同様に、到達エントランス13の内
面と気密槽40の外周面、或いは、掘削機1の外周面、
或いは、セグメントの外周面との間の耐圧シール性を維
持することができる。
以上、図示実施例につき説明したが、本発明は上記実施
例の態様のみに限定されるものではなく、特許請求の範
囲に記載した範囲内において種々の変更を加えることが
できる。
例えば、第1図〜第6図、或いは第11図〜第13図に
示すシール装置20の変形例として、複数個の裏当部材
23の取付板部24を相互に一体化することにより、リ
ング状の1つの取付板部24に対して複数個の可動板部
27をヒンジ28を介して連結することができる。
また、上記実施例においては、到達エントランス13が
坑壁11と一体のコンクリート壁14により形成されて
いるが、坑壁11の内面に鋼板製の円筒体を固設し、こ
の円筒鋼板の内側を到達エントランスとしてもよい。こ
の場合、円筒鋼板の内端にシール装置20を取り付ける
ためのフランジを一体に形成すればよい。
更に、上記実施例では、シール装置及び気密槽が円筒形
のトンネル3と対応するように、円形リング状及び円筒
形状に形成されているが、トンネルが掘削機によって矩
形、めがね形等の各種断面形状に掘削される場合には、
それに合わせて、シール装置及び気密槽の輪郭形状を適
宜に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図はそれぞれ本発明によるシールド掘
削機到達工法の一実施例を示す各工程の断面図、 第6図は第1図〜第5図の実施例に用いられているシー
ル装置及び気密槽を第1図中矢印A方向より見た概略端
面図、 第7図(a)〜(d)はそれぞれ第1図〜第4図に示す工程に
おけるシール装置の作用を示す要部拡大断面図、 第8図は本発明による気密槽の他の実施例を示す断面
図、 第9図は本発明によるシール装置の他の実施例を示す要
部端面図、 第10図は第9図に示すシール装置の第9図中B−B線
に沿った断面図、 第11図は本発明によるシール装置の更に別の実施例を
示す概略端面図、 第12図及び第13図はそれぞれ第11図に示すシール
装置を用いたシールド掘削機到達工法の各工程を示す要
部断面図である。 図において、1は掘削機、2はセグメント、3はトンネ
ル、4は裏込め材、10は竪坑、11は坑壁、12は
穴、13は到達エントランス、14はコンクリート壁、
20はシール装置、21は弾性シール板の開口部、22
は弾性シール板、23は裏当部材、24は取付板部、2
7は可動板部、28はヒンジ部、30は裏当部材の開口
部、31はスリット、32はワイヤ、33はワイヤ挿通
部材、40は気密槽、41,47は開閉扉、42,48
は出入口、43は隔壁、44は主気密室、45は補助気
密室、50,51は圧縮空気供給管、52,53はバル
ブをそれぞれ示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネルを掘進したシールド掘削機を竪坑
    内に到達させるための工法であって、 掘削機を受容し得る穴を形成すべき竪坑の坑壁内面側に
    該穴の径よりも大きな到達エントランスを形成し、 該到達エントランスの開口部周縁又はその近傍に拡縮変
    化可能な開口部を有するシール装置を設け、 一端が前記掘削機の前端部を受容するために開口した気
    密槽の該一端部側を前記到達エントランス内に挿入して
    前記到達エントランス内面と該気密槽の外周面との間を
    前記シール装置によりシールし、 前記到達エントランスの内部を前記気密槽の内部と共に
    加圧した状態で前記竪坑の坑壁に前記穴を穿設した後、
    前記掘削機の前端部を前記穴を介して前記気密槽内まで
    前進させ、 次いで、前記気密槽を前記到達エントランスから引き出
    すことにより、前記到達エントランス内面と前記掘削機
    の外周面との間を前記シール装置によりシールさせて前
    記到達エントランス内部を加圧状態に保ったまま前記掘
    削機を更に前進させ、前記掘削機の後に続く覆工セグメ
    ントの外周面を前記シール装置によりシールすることを
    特徴とする竪坑内へのシールド掘削機の到達工法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の工法に用いるシール装置
    であって、 該シール装置が、前記掘削機の外周面又は前記覆工セグ
    メントの外周面に当接可能な開口部を有し且つ該開口部
    が拡縮変化可能な弾性シール板と、前記到達エントラン
    ス内部の圧力に抗して前記弾性シール板の背面側を支持
    するための裏当部材とを備え、 該裏当部材は、前記掘削機の外周面又は前記覆工セグメ
    ントの外周面に当接可能な開口部を有し且つ該開口部が
    拡縮変化可能に形成されていることを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】前記裏当部材は、前記到達エントランスの
    開口部周縁又はその近傍への取付部よりも該到達エント
    ランスの底部寄りの位置で前記気密槽の外周面、前記掘
    削機の外周面又は前記覆工セグメントの外周面に当接す
    るように配置されることを特徴とする請求項2に記載の
    シール装置。
  4. 【請求項4】前記裏当部材は、前記到達エントランスの
    開口部周縁又はその近傍への取付部よりも竪坑内部寄り
    の位置で前記気密槽の外周面、前記掘削機の外周面又は
    前記覆工セグメントの外周面に当接するように配置さ
    れ、前記裏当部材にはその開口部を縮径させる方向に縛
    るためのワイヤが保持されていることを特徴とする請求
    項2に記載のシール装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の工法に用いる気密槽であ
    って、 該気密槽が、前記掘削機の前端部を受容するための主気
    密室と、該主気密室に対し開閉扉を備えた内部出入口を
    介して連通すると共に外部に対し開閉扉を備えた外部出
    入口を介して連通する補助気密室と、前記主気密室及び
    補助気密室に内部加圧用の圧縮空気を供給するための圧
    縮空気供給手段と、を備えていることを特徴とするも
    の。
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