JP3818572B2 - 注入工法 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は注入工法に関し、特に、トンネル掘削時に地山を補強するために実施される注入材の注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、トンネルTn掘削時に地山を補強する処理を概念的に示したものである。
図12において、トンネルTn上部を補強する先受け(または天端補強)Rr、側部を補強する側(壁)部補強Wr、鏡部を補強する鏡補強Mr、および脚部を補強する脚部補強Frは、固化材の注入によって地盤が補強改良されている。符号Phは有孔管を、Ggは棒状の改良体を示している。
固化材は、セメント系、レジン・ウレタン系が使用されることが多く、特にセメント系でのリークや注入不可能時には高価なレジン・ウレタン系を使用している。
【0003】
図13は、先受けRrのためにトンネルTn内に定置させたジャンボなどの汎用特種車Vjから有孔管Phを設置する状態を示している。本図においては、ボーリング孔削孔と有孔管Phの設置は同時に行う例を示している。
【0004】
図14は、車載型注入ユニットUiからボーリング孔に、有孔管Ph内の注入管Piから注入材を注入して、改良体Gpを造成する状態を示している。
【0005】
このような従来の工法で、2つの大きな問題がある。
その1つは、従来のセメント系、レジン・ウレタン系の注入材は、粘性が大きく注入時は高圧力で浸透させるので高注入圧による地表面への悪影響が懸念されている。特に、これらの注入材が必要になる都市NATMなどの現場では、土被りが小さいので懸念が大きい。
【0006】
また、セメント系注入材がリークする様な地盤、或いはセメント系注入材が注入不可能な自立性の低い地盤では、レジン・ウレタン系の注入材を使用する。
しかし、レジン・ウレタン系の注入材は、環境に対する影響、安全性、コストの問題がある。
さらに、レジン・ウレタン系であっても密な細砂層には注入が困難である。
【0007】
これに加えて、図15で示す様に、従来の注入工法では、注入材の均一な注入が困難である、という問題があった。
すなわち、比較的密な砂質地盤では、注入材の粒径が大きいことや、注入材の粘度が大きいこと等の理由により、注入材が地盤に浸透する以前の段階で注入圧が管理上限値(施工における昇圧上限値)を超えてしまう。そのため、改良したい範囲(図15の(A)において、点線で示す領域Gk−i)にまで注入材は浸透せず、図15の(A)の実線で示す領域Gk−r程度にしか注入材は浸透しない。
或いは、注入材が仮に注入出来たとしても、目標とする浸透注入ではなく、図15の(B)で示す様な所謂「割裂注入」の形態(符号Gk−r)となってしまう。そして割裂注入形態で注入を行えば、改良するべき個所(図15(A)の点線で示す領域Gk−i)の全てを改良出来ないので、均質な固化体を築造することが出来ない。その上、地盤を乱してしまうという問題も発生する。
【0008】
このような問題を解決するため、粘性が低く、施工地盤を均一に浸透する様な注入薬液の開発が望まれている。
しかし、現時点では、斯かる注入薬液は市販されていないのが実情である。
【0009】
次に、従来の工法の他の問題点を説明する。
注入装置1Aを示す図16において、予め削孔されたボーリング孔3に配置された有孔管5Aの外部が第1のパッカ11Aで固定され、有孔管5Aの内部を膨縮可能な第2のパッカ12Dで固定されている。
【0010】
第1のパッカ11A及び第2のパッカ12Dは、布(ウエス)にウレタンを含浸させた状態で取り付け、そしてウレタンを発泡させて膨張固定させるようになっている。
【0011】
第2のパッカ12Dは、外部に通じる薬液注入用管60と、薬液注入管8の間に介装されていて、ウレタンの発泡による膨張で、薬液注入用管60と薬液注入管8の軸心を固定すると共に、注入管8の口元からのリークを防止するようになっている。
【0012】
また、有孔管5Aは、従来の高粘性な注入材に適するような外径10mm強の注入孔5Aaを管軸方向に等ピッチで有している。
【0013】
この注入装置1Aの構成では、以下のような問題がある。
【0014】
第1に、有孔管5Aの口元や口元周辺地盤から、注入材のリークがある。特に、注入材の粘性が低い場合には、リークの問題は無視出来ない。
第2に、布パッカ11A及び12Dの取り付け、ウェスによるコーキング、ウレタン発泡等の各種作業において、多大な労力、施工時間、コストを費やしてしまう。
第3に、(従来技術で用いられる注入装置1Aでは)再生使用ができず所謂「埋め殺し」となるので、使用後に注入装置1Aを埋め殺しにする作業の時間、労力、コストが嵩み、不経済である。
第4に、有孔管5Aが抜け出し易い。
【0015】
かかる理由により、従来の注入装置1Aでは、作業コストが高騰する。
【0016】
また、上述した様に、従来技術では、注入材を地盤中へ均一に浸透させて、略々均一な径を有する棒状の改良体を造成することが困難であった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した様な従来技術における問題点に鑑みて提案されたものであり、地盤中へ注入材を均一に浸透させることが出来ると共に、施工コストを低減出来る様な注入工法の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
発明者等は種々研究の結果、水ガラス系の低粘性注入材を用いれば、注入材を均一に浸透せしめることが可能である事を見出し、且つ、その様な低粘性注入材を用いて好適に実施出来る注入工法を開発した。
本発明の注入工法によれば、ボーリング孔内に内側と外側とにそれぞれ流体圧パッカを設けた有孔管を挿入する工程と、先端に注入用装置を設けた注入管を前記有孔管内に挿入する工程と、前記注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張させて羽口側を閉塞する工程と、前記注入用装置を介して低粘性注入材を前記有孔管内に注入する工程と、注入材が固化した後に前記流体圧パッカを収縮させて前記注入装置を前記有孔管内から引き抜く工程とを有している。
ここで、前記「低粘性注入材を注入する工程」を行うに際しては、所謂「ステップ注入」としても良いし、或いは、「バルブ注入」としても良い。
【0019】
上記低粘性注入材は、水ガラスにグリオキザールを水量調整した地盤注入用薬液であり、例えば、
(1) 薬液1000L当たりの水ガラス中のSiO重量が140.6〜220.9Kgの範囲であること、
(2) 薬液1000L当たりのグリオキザールの重量が49.3〜108.3Kgの範囲であること、
(3) 薬液中のSiO/グリオキザールの重量比が、1.54以上であること、
の3つの条件を同時に満たすのが好ましい。
そして、初期粘度CPは、30cps以下であることが好ましい。
【0020】
また、上記有孔管の注入孔径は、1〜6mmがよく、ピッチは必要に応じて不等ピッチでもよい。なお、注入孔の径が1mm以下では注入が困難で、6mm以上では各孔での注入量が不均一となってよくない。
【0022】
本発明では、流体圧パッカの膨張、収縮はエアの供給、放出によって容易に操作できるので、羽口側閉塞、注入用装置の引き抜きが簡単である。
【0023】
羽口パッカを用いる場合、羽口パッカが膨張した際に有孔管と干渉しない様にするため、有孔管をボーリング孔の内側或いは若干孔奥側に位置せしめるのが望ましい。
【0024】
これにより、注入材が羽口から漏出してしまう事が確実に防止出来る。
【0025】
また本発明の注入工法によれば、ボーリング孔内に内側に設けられた内パッカと羽口部分に設けられた球形の羽口パッカとを有する有孔管を挿入する工程と、先端に注入用装置を設けた注入管を前記有孔管内に挿入する工程と、前記注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張させて羽口側を閉塞する工程と、前記注入用装置を介して低粘性注入材を注入する工程と、注入材が固化した後に前記流体圧パッカを収縮させ前記注入装置を前記有孔管内から引き抜く工程とを有している。
【0026】
本発明では、注入管の羽口近傍に直列に設けられた複数の流体圧パッカで羽口内外を遮断し、その流体圧パッカ間にある有孔管の注入孔からボーリング孔に2液混合の瞬結材を注入して、有孔管の位置決めとリークの防止をさせる。そして、有孔管の内部には水ガラス系の通常の注入材を充填してリークを防止させる。
【0027】
本発明の「瞬結注入材を噴出し、以って、羽口近傍の領域であって且つボーリング孔内壁面と有孔管との間の領域を固結する」際に、瞬結注入材により固結される領域は「羽口近傍の領域であって且つボーリング孔内壁面と有孔管との間の領域」のみに限定されるのではない。羽口近傍の領域であって且つ有孔管の外側の領域も、瞬結注入材で同時に固結される様に構成しても良い。
この様に構成すれば、有孔管の外側の領域を経由して注入材がリークすることが防止されるので、好適である。
【0028】
本発明の実施に際して、有孔管の切羽側端部開口を閉塞することによって、有孔管の切羽側端部開口である有孔管先端から地山への注入材のリークを防止する先端蓋が造成される。
そして、斯かる先端蓋が造成されることにより、有孔管内における注入材の圧力を適切な数値に維持することが出来る。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
ここで、図示の実施形態において使用する低粘性注入材は、水ガラスにグリオキザールを水量調整した地盤注入用薬液で、例えば次の3条件を同時に満たすことが好ましい。
(1) 薬液1000L当たりの水ガラス中のSiO重量が140.6〜220.9Kgであり、
(2) 薬液1000L当たりのグリオキザールの重量が49.3〜108.3Kgであり、そして
(3) 薬液中のSiO/グリオキザールの重量比は、1.54以上であり、
さらに、初期粘度CPは30cps以下であることが好ましい。
【0033】
図1は、本発明の注入工法に使用する装置の構成例を示している。
予め削孔されたボーリング孔3に配置された有孔管5の羽口2近傍が膨縮自由な第1の流体圧パッカ11で外部を固定され、有孔管5の内部を膨縮自由な第2の流体圧パッカ12で固定されている。
【0034】
第1の流体圧パッカ11は、弾性材たとえばゴム材で中空なドーナツ状に形成されている。その第1の流体圧パッカ11に、外部のエア供給源に通じる第1のエアチューブ13が接続されている。
【0035】
第2の流体圧パッカ12もゴム材で形成されており、外部のエア源に通じる第2のエアチューブ14が接続されている。ここで、第2の流体圧パッカ12は薬液注入装置4に介装されている。薬液注入装置4は、流体圧パッカ12と薬液注入管8とその先端部に取り付けられた注入用装置9とで構成されており、外部に通じる薬液注入用管(或いは薬液注入用チューブ)60が着脱自在に接続されている。
そして、第2のエアチューブ14からのエアによる膨張で薬液注入用管60及び薬液注入管8の軸心を固定すると共に、薬液注入管8の羽口側端部から注入薬液がリークするのを防止している。
【0036】
また、有孔管5は、低粘性な注入材に適するような外径が1から6mmの注入孔5aを全長にわたって有している。注入孔5aの径は、1mm以下では注入が困難であり、6mm以上では均一な注入が困難である。また、注入孔5aは、等ピッチでも必要によっては不等ピッチでもよい。
有孔管5aの先端5bに、地山Gへのリークがないように蓋10が取り付けられている。
【0037】
上記の構成を基準にした低粘性注入材の注入工法を説明する。
図2において、先ず、削孔ロッド6とその先端に取り付けられたビット16とによってボーリング孔3が掘削され、そのボーリング孔3に全長にわたって注入孔5aが設けられた有孔管5が挿入される。ボーリング孔3の掘削と、有孔管5の挿入とは同時に行われることも多い。これがボーリング孔3内に有孔管を挿入する工程である。
【0038】
つぎに、図3のように、所定の深さまでボーリング孔3が掘削され、ボーリング孔3の深さよりやや浅い所定の深さL5まで挿入された有孔管5を孔3に残して削孔ロッド6とビット16を外部に引き抜く。
【0039】
そして図4のように、有孔管5の先端5bに先端蓋10を取り付ける先端密閉工を行う。但し、図示はされていないが、先端蓋10を取り付ける先端密閉工を省略することも可能である。
なお、先端蓋10は、たとえば外周にO−リングをつけてしまり嵌め程度のサイズとして押し込むのがよい。
これが、有孔管5の切羽側端部開口を閉塞する工程である。
【0040】
続いて、図5のように、外パッカでもある第1の流体圧パッカ11をボーリング孔3と有孔管5との間に挿入する。
【0041】
つぎに、図6のように、薬液注入装置4と第2の流体圧パッカ12を有孔管5に挿入する。
これが、注入管8を有孔管5内に挿入する工程である。
【0042】
続いて、第1のエアチューブ13からのエアによって第1の流体圧パッカ11を膨張し、そして、第2のエアチューブ14からのエアによって第2の流体圧パッカ12を膨張させる。これにより、薬液注入装置4の固定と有孔管5の羽口2内外を遮断する。
但し、第2の流体圧パッカ12を膨張させてから、第1の流体圧パッカを膨張させても良い。或いは、第1及び第2のパッカ11、12を同時に膨張させても良い。
【0043】
そして、図7のように、低粘性注入材Kmを注入用装置9から噴射して有孔管5〜ボーリング孔3〜地山Gに注入させる。
このとき、第1および第2の流体圧パッカ11および12によって、地山Gの羽口外部へのリークが防止されている。また、先端蓋10によって有孔管5の先端部から地山Gへのリークも防止されている。
これに加えて、先端蓋10には、有孔管5内の注入材の液圧を、注入に適した圧力に維持する効果がある。
この工程が、注入用装置を介して低粘性注入材Kmを注入する工程である。この工程によって、改良体Gkが造成、固化される。
【0044】
次に、図8の様に、第1および第2の流体圧パッカ11および12を脱気して減圧し、収縮させる。
これによって、第1の流体圧パッカ11は、ボーリング孔3と有孔管5からの圧接が遊離される。また、第2の流体圧パッカ12は、有孔管5の内壁からの圧接が遊離される。
そして、薬液注入装置4が、引き抜き可能な状態になる。
【0045】
さらに、図9の様に、第1および第2の流体圧パッカ11および12と、注入用装置9を含めた薬液注入装置4とを外部に引き抜く。
この工程が、注入用装置を有孔管内から引き抜く工程である。
【0046】
つぎに、図9における空隙となった羽口2近傍を閉塞してこのボーリング孔3の注入工法を終了する。
これによって、従来工法で行われていた埋め殺し作業(注入装置の1部を切り離して埋め殺しにする作業)は、施工する必要が無くなった。
【0047】
以上により、低粘性注入材Kmの所定のボーリング孔3への注入作業の全工程が終了する。
ついで、隣接する別のボーリング孔3を注入工法の対象とする。
【0048】
前記注入工法における各工程の中で、注入管8の羽口近傍に設けられた第1および第2の流体圧パッカ11、12を膨張して羽口側を閉塞する工程および第2の流体圧パッカ12を収縮して注入用装置9を有孔管5内から引き抜く工程は、図1に示す注入管5の内外に流体圧パッカを設けた構成を例にして図6〜図9でその工法を説明した。
以降の図10および図11では羽口側を閉塞し、注入管を引き抜く別の注入工法を示す。
【0049】
図10において、流体圧パッカが1つ場合の形態を示す。
予め削孔されたボーリング孔3に端部が羽口2のやや奥に配置された有孔管5の羽口近傍に、膨縮自由な流体圧パッカ12Aが膨張によってボーリング孔3の内壁に固定されている。
【0050】
その流体圧パッカ12Aは、弾性材たとえばゴム製で中空な大ドーナッツ状に形成されている。その流体圧パッカ12Aに、外部のエア供給源に通じるエアチューブ13Aが接続されている。
【0051】
また、流体圧パッカ12Aは、外部に通じる薬液注入用管ロッド60に着脱自在に接続された薬液注入装置4Aに介装されている。
薬液注入装置4Aは、流体圧パッカ12Aと薬液注入管8とその先端部に取り付けられた注入用装置9とで構成されている。
そして、エアチューブ13Aからのエアによる膨張で薬液注入用管60と薬液注入管8の軸心を固定する、と共に有孔管5の口元からのリークとボーリング孔3からのリークを防止するようになっている。
【0052】
上記以外については、図1の実施形態における、第1の流体圧パッカ11の無い場合における構成及び作用と同様である。
パッカ12Aを孔内に設置するために図1の場合に比較して有孔管5をボーリング孔3の切り羽側に予め位置させなければならない点と、第1の流体圧パッカ11に関する作業、とを除けば、図10で示す実施形態における羽口2側を閉塞する工程は、図1の実施形態の場合と略々同様である。
なお、図10の実施形態は、後述する図51の実施形態から、有孔管5内のパッカ(孔奥側パッカ)12を省略した実施形態と把握する事も可能である。
【0053】
図11において、複数(図11では2個)の同形の流体圧パッカを直列に配置した形態を示す。
予め削孔されたボーリング孔3に配置された有孔管5内の羽口2近傍に膨縮自由な第1の流体圧パッカ12Bと第2の流体圧パッカ12Cとが適宜な間隔をとって列型に配置されている。
【0054】
その第1および第2の流体圧パッカ12B、12Cに、外部のエア供給源に通じるエアチューブ13Bが接続されている。
【0055】
第1および第2の流体圧パッカ12B、12Cは、外部に通じる薬液注入用管60に着脱自在に接続された薬液注入装置4に介装されている。
薬液注入装置4Bは、流体圧パッカ12B、12Cと薬液注入管8Bとその先端部に取り付けられた注入用装置9Bとで構成されている。
そして、エアチューブ13Bからのエアによる膨張で第1および第2の流体圧パッカ12B、12Cが薬液注入用管60と薬液注入管8Bの軸心を固定する、と共に注入管8Bの口元からのリークを防止するようになっている。
【0056】
流体圧用パッカ12Bには、外部の瞬結注入材供給源に通じる管Taおよび管Tbが接続され、薬液注入管8Bの根本部8Brから瞬結注入材のA液およびB液が噴出するようになっている。
明確には図示されてはいないが、外部の瞬結注入材供給源に連通する単一の管から、瞬結注入材が噴出する様に構成しても良い。
【0057】
上記構成を基準にした羽口側を閉塞する工程は、次のようになる。
先ず、羽口近傍に配置された第1および第2の流体圧パッカ12B、12Cをエアチューブ13Bからのエアで膨張させる。これが流体圧パッカを膨張する工程である。
【0058】
つぎに、薬液注入管8Bの根本部8Brから2液瞬結注入材のA液およびB液を噴出させ、第1および第2の流体圧パッカ12B、12C間を介し、さらに注入孔5aを介して根本部8Br周辺のボーリング孔3と有孔管5との間でA液とB液が混合するようにさせる。
このA液とB液の混合によってボーリング孔3内壁面と有孔管5との間を固結させる。ここで、2液混合瞬結材AおよびBは、前記低粘性注入材よりも短時間で固結する性状を有している。
これが、瞬結注入材を噴出しボーリング孔3内壁面と有孔管5との間の領域を固結する工程である。
すなわち、管Taおよび管Tbから噴射される瞬結注入材のA液およびB液は、有孔管5の半径方向内側の領域では混合されず、したがって、有孔管5の半径方向内側の領域では固結(瞬結)しない様に構成されている。
単一の管から瞬結注入材が噴射される場合(図示せず)においても、瞬結注入材の固結するまでの時間や、噴射圧等を適宜調節して、有孔管5の半径方向内側の領域では固結(瞬結)しない様に構成される。
【0059】
注入用装置9を含む薬液注入装置4Bを引き抜くために、第1および第2の流体圧パッカ12B、12Cを収縮させる。
これが、流体圧パッカを収縮させる工程である。
【0060】
以降の薬液注入装置4Bを引き抜く工程と、その他の工程は、図1に示す工程と同様である。
【0061】
次に、図17−図22を参照して、本発明のその他の実施形態を説明する。
図1−図11の実施形態では、全て有孔管5をボーリング孔3に挿入していたが、図17−図22の実施形態では、有孔管5が省略されている。
まず、図17で示す様に先端に掘削ビットを設けた削孔ロッド6により、ボーリング孔3を掘削する。掘削が完了したならば、ボーリング孔3から削孔ロッド6を引き抜いて、先端に注入用装置9を取り付け、且つ、流体圧パッカ20を設けた薬液注入用管60を、ボーリング孔3に挿入する(図18)。
【0062】
注入材の注入に先立って、羽口から注入材がリークするのを防止するため、図示しない流体供給用チューブを介して、パッカ20内に流体を供給し、図19で示す様に、膨張せしめる。パッカ20が膨張すると、ボーリング孔3の内壁面と当接して、注入材がボーリング孔3の羽口から漏出しない状態となる。
その状態で、図20で示す様に、注入用装置19から矢印Kmで示す様に、注入材をボーリング孔3内に注入する。ここで、注入材Kmは、図1−図11の実施形態で用いられたものと同様の低粘性注入材であり、ボーリング孔3の周囲の地盤へ浸透して、(図15(A)の点線で示す様な)地盤改良或いは固化するべき領域の全域に到達する。
なお、(図20で示す工程で注入された)低粘性注入材が浸透した領域が、図20−図22では、符号「Gk」で包括的に表現されている。
【0063】
所定の領域Gkに対する低粘性注入材の浸透が完了したならば、図21で示す様に、図示しないチューブを介してパッカ20内から流体を排出することにより、パッカ20を収縮させる。そして、図22で示す様に、薬液注入用管60を、パッカ20と注入用装置19と共に、ボーリング孔3より引き出す。
図17−図22で示す実施形態においても、図1−図11で示す実施形態と同様に、羽口から注入材が漏出するのを完全に防止せしめ、低粘性注入材が地盤中の所望領域Gkに確実に注入或いは浸透され、しかも、薬液注入装置(注入用管60、注入用装置19、パッカ20)を埋め殺す必要が無い。
その他の構成や作用効果については、図1−図11(特に図10)で説明したのと同様である。
【0064】
図23−図29を参照して、さらに別の実施形態について説明する。
図23−図29の実施形態においても、図1−図11の実施形態とは異なり、有孔管5を使用していない。
まず、削孔ロッド6を用いて、ボーリング孔3を掘削する(図23)。なお、図23の削孔工程は、図17と同様である。そして図24で示す様に、薬液注入用管60をボーリング孔3内に挿入する。
【0065】
ここで、図24−図29の実施形態で用いられる薬液注入用管60には、2個のパッカ20B、20Cが取り付けられている。そして、注入用管60に2個のパッカ20B、20Cが取り付けられている点で、図23−図29の実施形態は、図17−図22の実施形態とは明確に相違する。
【0066】
注入用管60がボーリング孔3内に挿入されたならば、図25で示す様に、パッカ20B、20Cの各々に(図示しない流体供給用チューブを介して)膨張用流体を供給し、膨張せしめる。その結果、ボーリング孔3の羽口は、注入材に対して完全にシールされる。
パッカ20B、20Cが膨張してボーリング孔3の内壁面と当接してシールしたならば、図26で示す様に、パッカ20Bとパッカ20Cの間から瞬結注入材(矢印SA、SBで示す)を噴射して、図26中ハッチングを付して示す領域Gsを短時間で固結せしめる。領域Gsを固結することにより、パッカ20B、20Cと共に、ボーリング孔3の羽口を更に確実にシールするのである。
【0067】
羽口側の領域Gsが固結したならば注入用装置19から注入材Kmを噴射して、ボーリング孔3周辺の領域Gkに浸透させる(図27)。ここで、注入材Kmは、図1−図11、図17−図22の実施形態で使用されているのと同様な低粘性注入材である。
低粘性注入材Kmが領域Gkに浸透したならば、パッカ20B、20Cから流体を排出し、当該パッカを収縮させる(図28)。そして、薬液注入装置(薬液注入用管60、注入用装置19、パッカ20B、20C)をボーリング孔3から引き抜く(図29)。
【0068】
図23−図29の実施形態においても、図1−図11で示す実施形態或いは図17−図22で示す実施形態と同様に、羽口から注入材が漏出するのを完全に防止することが出来て、低粘性注入材が地盤中の所望領域Gkに確実に注入或いは浸透され、しかも、薬液注入装置(薬液注入用管60、注入用装置19、パッカ20)を埋め殺す必要が無い。
その他の構成や作用効果については、図1−図11(特に図11)、図17−図22で説明したのと同様である。
【0069】
再び図1−図11の実施形態においては、特に図7で示す様に、低粘性注入材Kmは、注入用装置9の位置を変更しないまま噴射されている(バルブ注入)。その点においては、図17−図22の実施形態も同様である。
しかし、本発明の実施に際しては、注入用装置19の位置を移動して、注入材が浸透する地盤の位置を変更していく所謂「ステップ注入」を行うことも可能である。
【0070】
図30−図40は、図1−図11の実施形態でステップ注入を行った場合を説明している。
図30は、図2−図4で示す工程を表現しており、ビット16及び削孔ロッド6で掘削したボーリング孔3に、有孔管5を挿入した状態を示している。そして、図31(或いは図4、図5)で示す様に、有孔管5に先端蓋10を被せると共に、外パッカ(第1のエアパッカ)11を設置し、図示しないチューブを介して膨張用流体を外パッカ11に供給して膨張せしめる。
【0071】
次に、図32で示す様に、有孔管5の内側に、注入用装置9及び内パッカ(或いは第2のパッカ)12を設けた薬液注入用管60を挿入する。そして、図示しないチューブを介して膨張用流体を供給し、内パッカ12を膨張させる(図33)。
内パッカ12が膨張して有孔管5の内壁面と当接したならば、図34で示す様に、注入用装置9から注入材Kmを噴射する。ここで、噴射された注入材Kmは上述した様な低粘性注入材であり、地盤中の所定の領域GK−1に浸透する。
【0072】
領域GK−1に低粘性注入材が浸透したならば、内パッカ12から膨張用流体を(図示しないチューブを介して)排出して収縮せしめる(図35)。そして図36で示す様に、注入用管60、内パッカ12、注入用装置9を矢印PU方向 (羽口側:図36では左側)に移動する。
注入用管60、内パッカ12、注入用装置9を適当な位置まで移動したならば、再び内パッカ12を膨張して(図37)、注入用装置9から低粘性注入材Kmを噴射して(図38)、該注入材を所望の領域GK−2に浸透せしめる。
【0073】
以後、注入用管60、内パッカ12、及び注入用装置9の羽口側への移動と、パッカの膨張・収縮、及び低粘性注入材Kmの噴射を繰り返す(ステップ注入を行う)。
そして羽口近傍の領域Gk−nまで注入材が浸透したならば(図39)、内パッカ12と注入用装置9ごと注入用管60を引き抜き、外パッカ11を収縮してボーリング孔3から取り除く(図40)。
図30−図40の実施形態におけるその他の構成と作用効果とは、ステップ注入を行う点を除くと、図1−図11(特に、図1−図9)の実施形態と同様である。
【0074】
図41−図50は、図17−図22の実施形態でステップ注入を行った場合を示している。
図41−図50は、有孔管5を使用しない点で、図30−図40の実施形態とは異なっている。
【0075】
図41では、ボーリング孔3を掘削する工程を示しており、該工程は、図17で示す工程と同一である。
図42で示す工程では、ボーリング孔3の内側に、注入用装置9及びパッカ20を設けた注入用管60を挿入する。そして、図示しないチューブを介して膨張用流体を供給してパッカ20を膨張させる(図43)。
パッカ20が膨張してボーリング孔3の内壁面と当接したならば、図44で示す様に、注入用装置19から注入材Kmを噴射する。噴射された注入材Kmは上述した低粘性注入材であり、地盤中の所定の領域GK−1に浸透する。
【0076】
領域GK−1に低粘性注入材が浸透したならば、パッカ20から膨張用流体を(図示しないチューブを介して)排出して収縮せしめる(図45)。そして図46で示す様に、注入用管60、パッカ20、注入用装置9を羽口側(矢印PU方向)に移動する。
注入用管60、パッカ20、注入用装置19を適当な位置まで移動したならば、再びパッカ20を膨張して(図47)、注入用装置9から低粘性注入材Kmを噴射して(図48)、該注入材を所望の領域GK−2に浸透せしめる。
【0077】
以後、注入用管60、内パッカ12、注入用装置19の羽口側への移動と、パッカの膨張・収縮、低粘性注入材Kmの噴射を繰り返す(ステップ注入)。
羽口近傍の領域Gk−nまで注入材が浸透したならば(図49)、ボーリング孔3から、パッカ20と注入用装置19ごと注入用管60を引き抜く(図50)。
図41−図50の実施形態におけるその他の構成と作用効果は、ステップ注入を行う点を除くと、図17−図22の実施形態と同様である。
【0078】
さらに、有孔管5を用いる場合において、図1−図9の実施形態で用いられている環状の外パッカ11に代えて、図51で示す様に、羽口部分に設置された概略球形の羽口パッカを用いてもよい。この羽口パッカ51は、図1−図11の実施形態における外パッカ11と概略同様の作用効果を奏する。
但し、有孔管5の羽口側端部が羽口パッカ51の膨張と干渉しない様にするため、図51の実施形態の場合、有孔管5を(図1−図11の実施形態と比較して)より切り羽側(図51では右側)に設置する必要がある。有孔管5内に設置されるべき内パッカ(或いは孔奥側パッカ)12に関しては、図1−図9の実施形態と同様である。
【0079】
図51の実施形態の実施に際しては、内パッカ(孔奥側パッカ)12を省略する事が可能である。換言すれば、図51の実施形態から内パッカ12を省略したものが、図10の実施形態である。
【0080】
なお、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。図示した以外の構成も本発明に包含され得る。
例えば、図23−図29の実施形態も、図30−図50で説明した様なステップ注入とすることが可能である。
また、流体圧パッカの各々について、薬液注入管に固定されて取り付けられているが、これに限定されるものではない。例えば、流体圧パッカが薬液注入管に巻き付けられ、相対位置が変位可能となる様に構成されていても良い。
【0081】
【発明の効果】
本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 本発明に使用する低粘性注入材を低圧で注入するので、地表面への悪影響がほとんどない。
(2) 密な砂質地盤をはじめ浸透性の低い地盤にも注入可能である。
(3) ウレタン系注入材よりも安価に、安全に、環境影響を少なく施工できる。
(4) 棒状で均質な改良体を施工することができる。
(5) 注入装置を埋殺しせずに使い回すことができる。
(6) 低粘性薬液の注入時においても管の口元や口元周辺地盤からのリークを低減することができる。
(7) 従来技術を施工した場合よりも、短い(速い)サイクルタイムで施工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注入工法に使用する装置の構成を示す側面図。
【図2】削孔ロッドによるボーリング孔の削孔と、有孔管の設置状態を示す側面図。
【図3】削孔ロッドとビットを有孔管から引き抜く状態を示す側面図。
【図4】有孔管の先端を密閉した状態を示す側面図。
【図5】有孔管の羽口近傍外側に装着した外パッカを膨張させた状態を示す側面図。
【図6】注入材注入装置を有孔管内に設置して、内パッカにエアを注入した状態を示す側面図。
【図7】有孔管内に薬液の注入材を注入している状態を示す側面図。
【図8】外パッカ及び内パッカが収縮した状態を示す側面図。
【図9】注入材注入装置を有孔管から引き抜いている状態を示す側面図。
【図10】有孔管とボーリング孔を1体のリーク防止用流体圧パッカで閉塞するように設けた側面図。
【図11】羽口閉塞の別手段を示す側面図。
【図12】トンネル切羽近傍における地山補強の概念図。
【図13】ジャンボで有孔管を設置する状態を示す例図。
【図14】注入材を車載型注入ユニットで有孔管を介して地山に注入する概念図。
【図15】従来の注入材の固化状態を示す概念図。
【図16】従来の羽口閉塞手段を示す側面図。
【図17】本発明の他の実施形態の1工程を説明する側面図。
【図18】当該実施形態において、図17に連続する工程を示す側面図。
【図19】当該実施形態において、図18に連続する工程を示す側面図。
【図20】当該実施形態において、図19に連続する工程を示す側面図。
【図21】当該実施形態において、図20に連続する工程を示す側面図。
【図22】当該実施形態において、図21に連続する工程を示す側面図。
【図23】本発明の別の実施形態の1工程を説明する側面図。
【図24】当該実施形態において、図23に連続する工程を示す側面図。
【図25】当該実施形態において、図24に連続する工程を示す側面図。
【図26】当該実施形態において、図25に連続する工程を示す側面図。
【図27】当該実施形態において、図26に連続する工程を示す側面図。
【図28】当該実施形態において、図27に連続する工程を示す側面図。
【図29】当該実施形態において、図28に連続する工程を示す側面図。
【図30】本発明のその他の実施形態の1工程を説明する側面図。
【図31】当該実施形態において、図30に連続する工程を示す側面図。
【図32】当該実施形態において、図31に連続する工程を示す側面図。
【図33】当該実施形態において、図32に連続する工程を示す側面図。
【図34】当該実施形態において、図33に連続する工程を示す側面図。
【図35】当該実施形態において、図34に連続する工程を示す側面図。
【図36】当該実施形態において、図35に連続する工程を示す側面図。
【図37】当該実施形態において、図36に連続する工程を示す側面図。
【図38】当該実施形態において、図37に連続する工程を示す側面図。
【図39】当該実施形態において、図38に連続する工程を示す側面図。
【図40】当該実施形態において、図39に連続する工程を示す側面図。
【図41】本発明のさらに別の実施形態の1工程を説明する側面図。
【図42】当該実施形態において、図41に連続する工程を示す側面図。
【図43】当該実施形態において、図42に連続する工程を示す側面図。
【図44】当該実施形態において、図44に連続する工程を示す側面図。
【図45】当該実施形態において、図44に連続する工程を示す側面図。
【図46】当該実施形態において、図45に連続する工程を示す側面図。
【図47】当該実施形態において、図46に連続する工程を示す側面図。
【図48】当該実施形態において、図47に連続する工程を示す側面図。
【図49】当該実施形態において、図48に連続する工程を示す側面図。
【図50】当該実施形態において、図49に連続する工程を示す側面図。
【図51】本発明のさらに異なる実施形態を示す側面図。
【符号の説明】
G・・・地山
2・・・羽口
3・・・ボーリング(パイロット)孔
4・・・薬液注入装置
5・・・有孔管
5a・・注入孔
5b・・有孔管先端
6・・・削孔ロッド
8・・・薬液注入管
9、19・・・注入用装置
10・・・先端蓋
11・・・第1の流体圧パッカ
12・・・第2の流体圧パッカ
13・・・第1のエアチューブ
14・・・第2のエアチューブ
60・・・薬液注入用管

Claims (5)

  1. ボーリング孔内に内側と外側とにそれぞれ流体圧パッカを設けた有孔管を挿入する工程と、先端に注入用装置を設けた注入管を前記有孔管内に挿入する工程と、前記注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張させて羽口側を閉塞する工程と、前記注入用装置を介して低粘性注入材を前記有孔管内に注入する工程と、注入材が固化した後に前記流体圧パッカを収縮させて前記注入装置を前記有孔管内から引き抜く工程とを有することを特徴とする注入工法。
  2. 前記羽口側を閉塞するに際し、注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張させ、複数の流体圧パッカ間の領域から前記低粘性注入材よりも短時間で固結する瞬結注入材を噴出させ、以って、羽口近傍の領域であって且つボーリング孔内壁面と有孔管との間の領域を固結する請求項1記載の注入工法。
  3. ボーリング孔内に内側に設けられた内パッカと羽口部分に設けられた球形の羽口パッカとを有する有孔管を挿入する工程と、先端に注入用装置を設けた注入管を前記有孔管内に挿入する工程と、前記注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張させて羽口側を閉塞する工程と、前記注入用装置を介して低粘性注入材を注入する工程と、注入材が固化した後に前記流体圧パッカを収縮させ前記注入装置を前記有孔管内から引き抜く工程とを有することを特徴とする注入工法。
  4. 先端に注入用装置を設けた注入管をボーリング孔内に挿入する工程と、羽口側を閉塞する工程と、注入用装置を介して低粘性注入材を注入する工程と、注入材の固化後に薬液注入装置をボーリング孔内から引き抜く工程、とを有することを特徴とする注入工法。
  5. 前記羽口側を閉塞する工程は注入管の羽口近傍に設けられた流体圧パッカを膨張することにより行われ、前記薬液注入装置をボーリング孔内から引き抜く工程に際しては該流体圧パッカを収縮する請求項4記載の注入工法。
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