JPH07230906A - 永久磁石およびその製造方法 - Google Patents
永久磁石およびその製造方法Info
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- JPH07230906A JPH07230906A JP6019653A JP1965394A JPH07230906A JP H07230906 A JPH07230906 A JP H07230906A JP 6019653 A JP6019653 A JP 6019653A JP 1965394 A JP1965394 A JP 1965394A JP H07230906 A JPH07230906 A JP H07230906A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気特性および耐食性にすぐれた永久磁石お
よびこの永久磁石を効率的かつ低コストに製造する方法
を提供する。 【構成】 Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変
性シリカ系被膜を形成したことを特徴とする永久磁石。
この永久磁石を得るに際しては、シリカ系前駆物質と、
メタクリレート系、エポキシ系およびビニル系から選ば
れた有機系前駆物質の少なくとも1種との混合物に、酸
性水を加えて撹拌し、加水分解および重縮合せしめて形
成したゾル中に、Nd−Fe−B系合金磁石を浸漬して
引き上げた後、熱硬化処理することにより、前記合金磁
石の表面に有機変性シリカ系被膜を形成する。
よびこの永久磁石を効率的かつ低コストに製造する方法
を提供する。 【構成】 Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変
性シリカ系被膜を形成したことを特徴とする永久磁石。
この永久磁石を得るに際しては、シリカ系前駆物質と、
メタクリレート系、エポキシ系およびビニル系から選ば
れた有機系前駆物質の少なくとも1種との混合物に、酸
性水を加えて撹拌し、加水分解および重縮合せしめて形
成したゾル中に、Nd−Fe−B系合金磁石を浸漬して
引き上げた後、熱硬化処理することにより、前記合金磁
石の表面に有機変性シリカ系被膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、永久磁石およびその
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、磁気特
性および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石
を効率的かつ低コストに製造する方法に関するものであ
る。
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、磁気特
性および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石
を効率的かつ低コストに製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】希土類鉄系焼結合金磁石、とくにNd
(ネオジウム)−Fe(鉄)−B(硼素)系合金磁石
は、磁気特性がすぐれ、かつ低コストであることから、
OA機器や精密機器などの分野において広く使用されて
いる。
(ネオジウム)−Fe(鉄)−B(硼素)系合金磁石
は、磁気特性がすぐれ、かつ低コストであることから、
OA機器や精密機器などの分野において広く使用されて
いる。
【0003】しかるに、Nd−Fe−B系合金磁石は、
鉄を主成分としていることから、空気中の水分や酸素の
影響を受けて錆を発生しやすく、耐食性が劣り、耐久寿
命が短いという致命的な欠点を有していた。
鉄を主成分としていることから、空気中の水分や酸素の
影響を受けて錆を発生しやすく、耐食性が劣り、耐久寿
命が短いという致命的な欠点を有していた。
【0004】そこで、従来では、Nd−Fe−B系合金
磁石の表面から水分などが侵入するのを遮断して、該合
金磁石の耐食性を改良するために、前記合金磁石の表面
にエポキシ系などの有機系樹脂を塗装被覆する方法およ
びニッケルなどの耐食性金属被膜を鍍金被覆する方法な
どが採用されていたが、これらの方法では、前記合金磁
石と前記塗装被膜または鍍金被膜との密着性が悪く、機
械的強度が劣ることから、磁石性能を十分に改良するこ
とができなかった。
磁石の表面から水分などが侵入するのを遮断して、該合
金磁石の耐食性を改良するために、前記合金磁石の表面
にエポキシ系などの有機系樹脂を塗装被覆する方法およ
びニッケルなどの耐食性金属被膜を鍍金被覆する方法な
どが採用されていたが、これらの方法では、前記合金磁
石と前記塗装被膜または鍍金被膜との密着性が悪く、機
械的強度が劣ることから、磁石性能を十分に改良するこ
とができなかった。
【0005】かかる実情に鑑み、近年においてはNd−
Fe−B系合金磁石の耐食性と機械的性質をあわせて改
良する方法が数多くなされており、例えば前記合金磁
石の結晶粒間の空隙に、アマニ油、ワックス、ワニス、
水ガラス、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂およびエ
ポキシ樹脂などの封止剤を充填し、さらにこの磁石の表
面に塗装やコーティングなどの表面処理を行うことによ
り耐食性を改良する方法(特開昭62−287004号
公報)、前記合金磁石の表面に有機チタンを付着させ
た後、不活性雰囲気中で熱処理することにより耐食性を
改良する方法(特開昭63−168009号公報)、お
よび前記合金磁石の材料である合金粉末の表面に、水
ガラスなどによりケイ素質被膜を形成し、次いでこの合
金粉末を用いて磁石を成形することにより、粗大結晶粒
の生成を防ぎ、プロセスの簡素化を図ると共に、酸素分
圧の高い雰囲気での使用を可能とする方法(特開平3−
295204号公報)などが提案されている。
Fe−B系合金磁石の耐食性と機械的性質をあわせて改
良する方法が数多くなされており、例えば前記合金磁
石の結晶粒間の空隙に、アマニ油、ワックス、ワニス、
水ガラス、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂およびエ
ポキシ樹脂などの封止剤を充填し、さらにこの磁石の表
面に塗装やコーティングなどの表面処理を行うことによ
り耐食性を改良する方法(特開昭62−287004号
公報)、前記合金磁石の表面に有機チタンを付着させ
た後、不活性雰囲気中で熱処理することにより耐食性を
改良する方法(特開昭63−168009号公報)、お
よび前記合金磁石の材料である合金粉末の表面に、水
ガラスなどによりケイ素質被膜を形成し、次いでこの合
金粉末を用いて磁石を成形することにより、粗大結晶粒
の生成を防ぎ、プロセスの簡素化を図ると共に、酸素分
圧の高い雰囲気での使用を可能とする方法(特開平3−
295204号公報)などが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法で得られたN
d−Fe−B系合金磁石(永久磁石)は、その機械的性
質こそ改良されているものの、耐食性についてはいまだ
に不十分であり、しかもとくに上記および法では、
大型の装置を必要とし、工程の複雑化を招くために磁石
のコスト低減を図れないという問題を包含していた。
d−Fe−B系合金磁石(永久磁石)は、その機械的性
質こそ改良されているものの、耐食性についてはいまだ
に不十分であり、しかもとくに上記および法では、
大型の装置を必要とし、工程の複雑化を招くために磁石
のコスト低減を図れないという問題を包含していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
従来の永久磁石が有する問題点を解決するために検討し
た結果、達成されたものである。
従来の永久磁石が有する問題点を解決するために検討し
た結果、達成されたものである。
【0008】したがって、この発明の目的は、磁気特性
および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石を
効率的かつ低コストに製造する方法を提供することにあ
る。
および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石を
効率的かつ低コストに製造する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁
石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したことを特
徴とする。
めに、この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁
石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したことを特
徴とする。
【0010】また、この発明の永久磁石の製造方法は、
シリカ系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系お
よびビニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも
1種との混合物に、酸性水を加えて撹拌し、加水分解お
よび重縮合せしめて形成したゲル中に、Nd−Fe−B
系合金磁石を浸漬して引き上げた後、熱硬化処理するこ
とにより、前記Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有
機変性シリカ系被膜を形成することを特徴とする。
シリカ系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系お
よびビニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも
1種との混合物に、酸性水を加えて撹拌し、加水分解お
よび重縮合せしめて形成したゲル中に、Nd−Fe−B
系合金磁石を浸漬して引き上げた後、熱硬化処理するこ
とにより、前記Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有
機変性シリカ系被膜を形成することを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金
磁石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したため、
Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気特性を保持し
たまま、有機変性シリカ系被膜により水分や酸素の侵入
を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮し、磁石の長寿
命化を実現することができる。
磁石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したため、
Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気特性を保持し
たまま、有機変性シリカ系被膜により水分や酸素の侵入
を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮し、磁石の長寿
命化を実現することができる。
【0012】また、この発明の永久磁石の製造方法によ
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、この発明の永久磁
石およびその製造方法の実施例について具体的に説明す
る。
石およびその製造方法の実施例について具体的に説明す
る。
【0014】図1はこの発明の永久磁石の一例を示す断
面説明図、図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す
工程概略図である。
面説明図、図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す
工程概略図である。
【0015】図1に示した実施例おいて、この発明の永
久磁石1は、Nd−Fe−B系合金磁石2と、その表面
に形成した有機変性シリカ系被膜3とからなる。
久磁石1は、Nd−Fe−B系合金磁石2と、その表面
に形成した有機変性シリカ系被膜3とからなる。
【0016】この発明でいうNd−Fe−B系合金磁石
2とは、少なくともネオジウム、鉄および硼素を含む磁
石を意味し、これら成分以外にも、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよ
びテレビウムから選ばれた希土類元素、アルミニウム、
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル
およびタングステンから選ばれた金属元素を所望に応じ
て少量含有することができる。
2とは、少なくともネオジウム、鉄および硼素を含む磁
石を意味し、これら成分以外にも、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよ
びテレビウムから選ばれた希土類元素、アルミニウム、
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル
およびタングステンから選ばれた金属元素を所望に応じ
て少量含有することができる。
【0017】このNd−Fe−B系合金磁石における各
成分の割合は、通常ネオジウムが5〜15モル%、鉄が
70〜90モル%、硼素が2〜10モル%の範囲にある
ことが好適である。
成分の割合は、通常ネオジウムが5〜15モル%、鉄が
70〜90モル%、硼素が2〜10モル%の範囲にある
ことが好適である。
【0018】なお、Nd−Fe−B系合金磁石2は、通
常公知の方法により製造することができ、例えば所定割
合のネオジウム、鉄、硼素および他の金属からなる原料
を準備し、この混合物を高真空下、高周波加熱などの手
段で鋳造し、得られたインゴットを解砕、粗粉砕して合
金粉末となす。次に、前記合金粉末をジェットミルなど
を用いて微粉砕し、この微粉末を磁場中で成形した成形
体を、焼成炉内で高真空、高温下に焼結することによ
り、所望のNd−Fe−B系合金磁石を得ることができ
る。
常公知の方法により製造することができ、例えば所定割
合のネオジウム、鉄、硼素および他の金属からなる原料
を準備し、この混合物を高真空下、高周波加熱などの手
段で鋳造し、得られたインゴットを解砕、粗粉砕して合
金粉末となす。次に、前記合金粉末をジェットミルなど
を用いて微粉砕し、この微粉末を磁場中で成形した成形
体を、焼成炉内で高真空、高温下に焼結することによ
り、所望のNd−Fe−B系合金磁石を得ることができ
る。
【0019】また、有機変性シリカ系被膜3は、シリカ
系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系およびビ
ニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも1種、
とくに好ましくはメタクリレート系前駆物質とから形成
された硬化被膜であり、その膜厚は、0.1〜500μ
m、とくに0.1〜50μmの範囲にある。
系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系およびビ
ニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも1種、
とくに好ましくはメタクリレート系前駆物質とから形成
された硬化被膜であり、その膜厚は、0.1〜500μ
m、とくに0.1〜50μmの範囲にある。
【0020】そして、有機変性シリカ系被膜3は、上記
シリカ系前駆物質成分30〜70モル%と、上記有機系
前駆物質成分30〜70モル%とからなる硬化被膜であ
ることがとくに望ましい。
シリカ系前駆物質成分30〜70モル%と、上記有機系
前駆物質成分30〜70モル%とからなる硬化被膜であ
ることがとくに望ましい。
【0021】ここで、上記シリカ系前駆物質成分の具体
例としては、テトラエチルオルソシリケイトなどが挙げ
られる。
例としては、テトラエチルオルソシリケイトなどが挙げ
られる。
【0022】また、上記有機系前駆物質成分におけるメ
タクリレート系前駆物質の具体例としては、オルガノモ
ディファイドアルコキシド、3−メタクリルオキシチル
トリメトキシシラン(MPMS)などが、エポキシ系前
駆物質の具体例としては、3−グリシルオキシプロピル
トリメトキシシラン(GPMS)などが、ビニル系前駆
物質の具体例としては、ビニル−トリエトキシシラン
(VES)などが、それぞれ挙げられる。
タクリレート系前駆物質の具体例としては、オルガノモ
ディファイドアルコキシド、3−メタクリルオキシチル
トリメトキシシラン(MPMS)などが、エポキシ系前
駆物質の具体例としては、3−グリシルオキシプロピル
トリメトキシシラン(GPMS)などが、ビニル系前駆
物質の具体例としては、ビニル−トリエトキシシラン
(VES)などが、それぞれ挙げられる。
【0023】このように、Nd−Fe−B系合金磁石の
表面に有機変性シリカ系被膜を形成してなるこの発明の
永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気
特性を保持したまま、有機変性シリカ系被膜により水分
や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮
し、磁石の長寿命化を実現することができ、OA機器や
精密機器などの用途にきわめて有用である。
表面に有機変性シリカ系被膜を形成してなるこの発明の
永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気
特性を保持したまま、有機変性シリカ系被膜により水分
や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮
し、磁石の長寿命化を実現することができ、OA機器や
精密機器などの用途にきわめて有用である。
【0024】次に、図2にしたがって、この発明の永久
磁石の製造方法の一具体例について詳述する。
磁石の製造方法の一具体例について詳述する。
【0025】この発明の製造方法においては、上記有機
変性シリカ系被膜3の形成方法として、被膜の沈着が容
易に可能なゾル−ゲル法が採用される。
変性シリカ系被膜3の形成方法として、被膜の沈着が容
易に可能なゾル−ゲル法が採用される。
【0026】すなわち、まずシリカ系前駆物質と有機系
前駆物質とからなるゾルは、シリカ系前駆物質と有機系
前駆物質を所望の割合で混合した混合物をゾル形成のオ
ルモシルとして用い、これに塩酸、硝酸、硫酸などの酸
性水を加え、十分に撹拌して、加水分解および重縮合を
生起せしめることにより、容易に形成することができ
る。
前駆物質とからなるゾルは、シリカ系前駆物質と有機系
前駆物質を所望の割合で混合した混合物をゾル形成のオ
ルモシルとして用い、これに塩酸、硝酸、硫酸などの酸
性水を加え、十分に撹拌して、加水分解および重縮合を
生起せしめることにより、容易に形成することができ
る。
【0027】ここで、ゲルの形成に際しては、シリカ系
前駆物質成分/有機系前駆物質成分の割合を、30〜7
0モル%、30〜70モル%、好ましくは30〜50モ
ル%/50〜70モル%とするのが望ましく、シリカ系
前駆物質成分が30モル%以下ではゾルが2相に分離し
てしまう。また50モル%以上ではゾルが短期間でゲル
化してしまうため好ましくない。
前駆物質成分/有機系前駆物質成分の割合を、30〜7
0モル%、30〜70モル%、好ましくは30〜50モ
ル%/50〜70モル%とするのが望ましく、シリカ系
前駆物質成分が30モル%以下ではゾルが2相に分離し
てしまう。また50モル%以上ではゾルが短期間でゲル
化してしまうため好ましくない。
【0028】次に、上記で得られたゲルを任意のディッ
プコーティング装置に入れ、ゲル中にNd−Fe−B系
合金磁石を所望時間浸漬(ディッピング)して引き上げ
た後、これをオーブンなどの熱処理装置に入れ、100
〜200℃程度の温度で、5〜15時間熱硬化処理を行
うことにより、膜厚が均一な有機変性シリカ系被膜を形
成することができる。
プコーティング装置に入れ、ゲル中にNd−Fe−B系
合金磁石を所望時間浸漬(ディッピング)して引き上げ
た後、これをオーブンなどの熱処理装置に入れ、100
〜200℃程度の温度で、5〜15時間熱硬化処理を行
うことにより、膜厚が均一な有機変性シリカ系被膜を形
成することができる。
【0029】なお、上記ゲルの濃度および/またはNd
−Fe−B系合金磁石の引き上げ速度を適切に制御する
ことにより、形成される有機変性シリカ系被膜の膜厚を
0.1〜500μmの範囲に調節することが望ましい。
−Fe−B系合金磁石の引き上げ速度を適切に制御する
ことにより、形成される有機変性シリカ系被膜の膜厚を
0.1〜500μmの範囲に調節することが望ましい。
【0030】また、ゲルに水分が多く含まれる場合に
は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に形成したゲル被
膜の熱硬化処理に先立ち、赤外線照射または真空加熱に
より、前記ゲル被膜から水分を除去することが望まし
い。
は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に形成したゲル被
膜の熱硬化処理に先立ち、赤外線照射または真空加熱に
より、前記ゲル被膜から水分を除去することが望まし
い。
【0031】さらに、シリカ系前駆物質成分および有機
系前駆物質成分からなるゲルに対し、クロム酸亜鉛、酸
化鉄、マイカ、シリカ、酸化チタンおよびジルコニアか
ら選ばれた固体粉末の少なくとも1種を2〜40モル%
添加することによって、有機変性シリカ系被膜の機械的
性質を一層すぐれたものにすることができる。なお、こ
の場合には、ゲルに固体粉末を添加した後、超音波処理
などを施すことにより、固体粉末のゲルに対する分散制
を促進させることが望ましい。
系前駆物質成分からなるゲルに対し、クロム酸亜鉛、酸
化鉄、マイカ、シリカ、酸化チタンおよびジルコニアか
ら選ばれた固体粉末の少なくとも1種を2〜40モル%
添加することによって、有機変性シリカ系被膜の機械的
性質を一層すぐれたものにすることができる。なお、こ
の場合には、ゲルに固体粉末を添加した後、超音波処理
などを施すことにより、固体粉末のゲルに対する分散制
を促進させることが望ましい。
【0032】かくして、上記したこの発明の永久磁石の
製造方法によれば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程
を必要とせず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処
理するという簡便な工程により、磁気特性および耐食性
にすぐれた永久磁石を効率的かつ低コストに製造するこ
とができる。
製造方法によれば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程
を必要とせず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処
理するという簡便な工程により、磁気特性および耐食性
にすぐれた永久磁石を効率的かつ低コストに製造するこ
とができる。
【0033】以下に、試験例を挙げて、この発明の構成
および効果をさらに詳述する。
および効果をさらに詳述する。
【0034】<試験例> (1)Nd−Fe−B系合金磁石の準備 Nd−Fe−B系合金磁石として、ネオジウム5〜15
モル%、鉄70〜90モル%、硼素2〜10モル%の割
合からなる3mm×10mm×50mmの立法体形状のものを
準備した。
モル%、鉄70〜90モル%、硼素2〜10モル%の割
合からなる3mm×10mm×50mmの立法体形状のものを
準備した。
【0035】(2)ゾルの調整 テトラエチルオルソシリケイト13.44mlおよびオル
ガノモディファイドアルコキシド34.50mlを5分間
予備混合し、これに35%塩酸0.60mlと水6.0ml
を加えて十分に混合した。混合開始後1分間で混合物は
透明になり、急速に発熱した。さらに約20分間混合を
続けることにより、透明なゾルが得られた。
ガノモディファイドアルコキシド34.50mlを5分間
予備混合し、これに35%塩酸0.60mlと水6.0ml
を加えて十分に混合した。混合開始後1分間で混合物は
透明になり、急速に発熱した。さらに約20分間混合を
続けることにより、透明なゾルが得られた。
【0036】(3)ディップコーティング ディップコート装置に上記ゾルを入れ、ホルダーに取付
けたNd−Fe−B系合金磁石をゾルに浸漬してから、
9cm/分の速度で引き上げた。
けたNd−Fe−B系合金磁石をゾルに浸漬してから、
9cm/分の速度で引き上げた。
【0037】(4)熱硬化処理 ゾルから引き上げた後、有機変性シリカ系被膜はすぐに
硬化を開始するが、まず120℃で3時間真空加熱処理
を行ない、水分を蒸発させた後、160℃の熱オーブン
中で10時間熱硬化処理を行ったところ、膜厚10μm
の均一なシリカ−メタクリレート系硬化被膜を形成する
ことができた。……本永久磁石をサンプルAとする。
硬化を開始するが、まず120℃で3時間真空加熱処理
を行ない、水分を蒸発させた後、160℃の熱オーブン
中で10時間熱硬化処理を行ったところ、膜厚10μm
の均一なシリカ−メタクリレート系硬化被膜を形成する
ことができた。……本永久磁石をサンプルAとする。
【0038】なお、比較のために、上記と同様のNd−
Fe−B系合金磁石の表面に、通常の鍍金法により膜厚
10μmのニッケル被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルBとする。
Fe−B系合金磁石の表面に、通常の鍍金法により膜厚
10μmのニッケル被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルBとする。
【0039】さらに、上記と同様のNd−Fe−B系合
金磁石の表面に、通常のコーティング法により膜厚20
μmのエポキシ樹脂被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルCとする。
金磁石の表面に、通常のコーティング法により膜厚20
μmのエポキシ樹脂被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルCとする。
【0040】(4)耐食性の評価 上記で得た3種類の永久磁石について、下記条件による
耐食性試験を行い、その評価結果を表1に示した。
耐食性試験を行い、その評価結果を表1に示した。
【0041】熱衝撃試験 室温−(5min)→40℃(1hrキープ)−(5m
in)→120℃(1hrキープ)−(5min)→室
温 でこれを500サイクルし、結果を下記の基準で判定。
in)→120℃(1hrキープ)−(5min)→室
温 でこれを500サイクルし、結果を下記の基準で判定。
【0042】○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面の割れなし、ただし腐食が多少進行。
【0043】高湿度試験 80℃,湿度95%,500hr し、結果を下記の基準で判定。
【0044】○ 表面の割れ、腐食全くなし △ 表面の割れなし、ただし腐食がいくらか進行 × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
【0045】高温度試験 120℃で1000hr し、結果を下記の基準で判定。
【0046】○ 表面の割れ、腐食全くなし 塩水噴霧試験 5重量%食塩水 35℃,48hr (ASTM B−117に準拠) し、結果を下記の基準で判定。
【0047】○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
【0048】
【表1】 表1の結果から明らかなように、この発明の永久磁石A
は、従来の永久磁石BまたはCに比較して、耐食性がき
わめてすぐれている。
は、従来の永久磁石BまたはCに比較して、耐食性がき
わめてすぐれている。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の永久磁
石は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変性シ
リカ系被膜を形成したため、Nd−Fe−B系合金磁石
のすぐれた磁気特性を保持したまま、有機変性シリカ系
被膜により水分や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた
耐食性を発揮し、磁石の長寿命化を実現することができ
る。
石は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変性シ
リカ系被膜を形成したため、Nd−Fe−B系合金磁石
のすぐれた磁気特性を保持したまま、有機変性シリカ系
被膜により水分や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた
耐食性を発揮し、磁石の長寿命化を実現することができ
る。
【0050】また、この発明の永久磁石の製造方法によ
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゲル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
【図1】図1はこの発明の永久磁石の一例を示す断面説
明図はである。
明図はである。
【図2】図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す工
程概略図である。
程概略図である。
1 永久磁石 2 Nd−Fe−B系合金磁石 3 有機変性シリカ系被膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 永久磁石およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、永久磁石およびその
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、磁気特
性および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石
を効率的かつ低コストに製造する方法に関するものであ
る。
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、磁気特
性および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石
を効率的かつ低コストに製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】希土類鉄系焼結合金磁石、とくにNd
(ネオジウム)−Fe(鉄)−B(硼素)系合金磁石
は、磁気特性がすぐれ、かつ低コストであることから、
OA機器や精密機器などの分野において広く使用されて
いる。
(ネオジウム)−Fe(鉄)−B(硼素)系合金磁石
は、磁気特性がすぐれ、かつ低コストであることから、
OA機器や精密機器などの分野において広く使用されて
いる。
【0003】しかるに、Nd−Fe−B系合金磁石は、
鉄を主成分としていることから、空気中の水分や酸素の
影響を受けて錆を発生しやすく、耐食性が劣り、耐久寿
命が短いという致命的な欠点を有していた。
鉄を主成分としていることから、空気中の水分や酸素の
影響を受けて錆を発生しやすく、耐食性が劣り、耐久寿
命が短いという致命的な欠点を有していた。
【0004】そこで、従来では、Nd−Fe−B系合金
磁石の表面から水分などが侵入するのを遮断して、該合
金磁石の耐食性を改良するために、前記合金磁石の表面
にエポキシ系などの有機系樹脂を塗装被覆する方法およ
びニッケルなどの耐食性金属被膜を鍍金被覆する方法な
どが採用されていたが、これらの方法では、前記合金磁
石と前記塗装被膜または鍍金被膜との密着性が悪く、機
械的強度が劣ることから、磁石性能を十分に改良するこ
とができなかった。
磁石の表面から水分などが侵入するのを遮断して、該合
金磁石の耐食性を改良するために、前記合金磁石の表面
にエポキシ系などの有機系樹脂を塗装被覆する方法およ
びニッケルなどの耐食性金属被膜を鍍金被覆する方法な
どが採用されていたが、これらの方法では、前記合金磁
石と前記塗装被膜または鍍金被膜との密着性が悪く、機
械的強度が劣ることから、磁石性能を十分に改良するこ
とができなかった。
【0005】かかる実情に鑑み、近年においてはNd−
Fe−B系合金磁石の耐食性と機械的性質をあわせて改
良する方法が数多くなされており、例えば前記合金磁
石の結晶粒間の空隙に、アマニ油、ワックス、ワニス、
水ガラス、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂およびエ
ポキシ樹脂などの封止剤を充填し、さらにこの磁石の表
面に塗装やコーティングなどの表面処理を行うことによ
り耐食性を改良する方法(特開昭62−287004号
公報)、前記合金磁石の表面に有機チタンを付着させ
た後、不活性雰囲気中で熱処理することにより耐食性を
改良する方法(特開昭63−168009号公報)、お
よび前記合金磁石の材料である合金粉末の表面に、水
ガラスなどによりケイ素質被膜を形成し、次いでこの合
金粉末を用いて磁石を成形することにより、粗大結晶粒
の生成を防ぎ、プロセスの簡素化を図ると共に、酸素分
圧の高い雰囲気での使用を可能とする方法(特開平3−
295204号公報)などが提案されている。
Fe−B系合金磁石の耐食性と機械的性質をあわせて改
良する方法が数多くなされており、例えば前記合金磁
石の結晶粒間の空隙に、アマニ油、ワックス、ワニス、
水ガラス、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂およびエ
ポキシ樹脂などの封止剤を充填し、さらにこの磁石の表
面に塗装やコーティングなどの表面処理を行うことによ
り耐食性を改良する方法(特開昭62−287004号
公報)、前記合金磁石の表面に有機チタンを付着させ
た後、不活性雰囲気中で熱処理することにより耐食性を
改良する方法(特開昭63−168009号公報)、お
よび前記合金磁石の材料である合金粉末の表面に、水
ガラスなどによりケイ素質被膜を形成し、次いでこの合
金粉末を用いて磁石を成形することにより、粗大結晶粒
の生成を防ぎ、プロセスの簡素化を図ると共に、酸素分
圧の高い雰囲気での使用を可能とする方法(特開平3−
295204号公報)などが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法で得られたN
d−Fe−B系合金磁石(永久磁石)は、その機械的性
質こそ改良されているものの、耐食性についてはいまだ
に不十分であり、しかもとくに上記および法では、
大型の装置を必要とし、工程の複雑化を招くために磁石
のコスト低減を図れないという問題を包含していた。
d−Fe−B系合金磁石(永久磁石)は、その機械的性
質こそ改良されているものの、耐食性についてはいまだ
に不十分であり、しかもとくに上記および法では、
大型の装置を必要とし、工程の複雑化を招くために磁石
のコスト低減を図れないという問題を包含していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
従来の永久磁石が有する問題点を解決するために検討し
た結果、達成されたものである。
従来の永久磁石が有する問題点を解決するために検討し
た結果、達成されたものである。
【0008】したがって、この発明の目的は、磁気特性
および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石を
効率的かつ低コストに製造する方法を提供することにあ
る。
および耐食性にすぐれた永久磁石およびこの永久磁石を
効率的かつ低コストに製造する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁
石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したことを特
徴とする。
めに、この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁
石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したことを特
徴とする。
【0010】また、この発明の永久磁石の製造方法は、
シリカ系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系お
よびビニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも
1種との混合物に、酸性水を加えて撹拌し、加水分解お
よび重縮合せしめて形成したゾル中に、Nd−Fe−B
系合金磁石を浸漬して引き上げた後、熱硬化処理するこ
とにより、前記Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有
機変性シリカ系被膜を形成することを特徴とする。
シリカ系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系お
よびビニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも
1種との混合物に、酸性水を加えて撹拌し、加水分解お
よび重縮合せしめて形成したゾル中に、Nd−Fe−B
系合金磁石を浸漬して引き上げた後、熱硬化処理するこ
とにより、前記Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有
機変性シリカ系被膜を形成することを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明の永久磁石は、Nd−Fe−B系合金
磁石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したため、
Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気特性を保持し
たまま、有機変性シリカ系被膜により水分や酸素の侵入
を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮し、磁石の長寿
命化を実現することができる。
磁石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成したため、
Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気特性を保持し
たまま、有機変性シリカ系被膜により水分や酸素の侵入
を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮し、磁石の長寿
命化を実現することができる。
【0012】また、この発明の永久磁石の製造方法によ
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、この発明の永久磁
石およびその製造方法の実施例について具体的に説明す
る。
石およびその製造方法の実施例について具体的に説明す
る。
【0014】図1はこの発明の永久磁石の一例を示す断
面説明図、図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す
工程概略図である。
面説明図、図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す
工程概略図である。
【0015】図1に示した実施例おいて、この発明の永
久磁石1は、Nd−Fe−B系合金磁石2と、その表面
に形成した有機変性シリカ系被膜3とからなる。
久磁石1は、Nd−Fe−B系合金磁石2と、その表面
に形成した有機変性シリカ系被膜3とからなる。
【0016】この発明でいうNd−Fe−B系合金磁石
2とは、少なくともネオジウム、鉄および硼素を含む磁
石を意味し、これら成分以外にも、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよ
びテレビウムから選ばれた希土類元素、アルミニウム、
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル
およびタングステンから選ばれた金属元素を所望に応じ
て少量含有することができる。
2とは、少なくともネオジウム、鉄および硼素を含む磁
石を意味し、これら成分以外にも、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよ
びテレビウムから選ばれた希土類元素、アルミニウム、
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル
およびタングステンから選ばれた金属元素を所望に応じ
て少量含有することができる。
【0017】このNd−Fe−B系合金磁石における各
成分の割合は、通常ネオジウムが5〜15モル%、鉄が
70〜90モル%、硼素が2〜10モル%の範囲にある
ことが好適である。
成分の割合は、通常ネオジウムが5〜15モル%、鉄が
70〜90モル%、硼素が2〜10モル%の範囲にある
ことが好適である。
【0018】なお、Nd−Fe−B系合金磁石2は、通
常公知の方法により製造することができ、例えば所定割
合のネオジウム、鉄、硼素および他の金属からなる原料
を準備し、この混合物を高真空下、高周波加熱などの手
段で鋳造し、得られたインゴットを解砕、粗粉砕して合
金粉末となす。次に、前記合金粉末をジェットミルなど
を用いて微粉砕し、この微粉末を磁場中で成形した成形
体を、焼成炉内で高真空、高温下に焼結することによ
り、所望のNd−Fe−B系合金磁石を得ることができ
る。
常公知の方法により製造することができ、例えば所定割
合のネオジウム、鉄、硼素および他の金属からなる原料
を準備し、この混合物を高真空下、高周波加熱などの手
段で鋳造し、得られたインゴットを解砕、粗粉砕して合
金粉末となす。次に、前記合金粉末をジェットミルなど
を用いて微粉砕し、この微粉末を磁場中で成形した成形
体を、焼成炉内で高真空、高温下に焼結することによ
り、所望のNd−Fe−B系合金磁石を得ることができ
る。
【0019】また、有機変性シリカ系被膜3は、シリカ
系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系およびビ
ニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも1種、
とくに好ましくはメタクリレート系前駆物質とから形成
された硬化被膜であり、その膜厚は、0.1〜500μ
m、とくに0.1〜50μmの範囲にある。
系前駆物質と、メタクリレート系、エポキシ系およびビ
ニル系から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも1種、
とくに好ましくはメタクリレート系前駆物質とから形成
された硬化被膜であり、その膜厚は、0.1〜500μ
m、とくに0.1〜50μmの範囲にある。
【0020】そして、有機変性シリカ系被膜3は、上記
シリカ系前駆物質成分30〜70モル%と、上記有機系
前駆物質成分30〜70モル%とからなる硬化被膜であ
ることがとくに望ましい。
シリカ系前駆物質成分30〜70モル%と、上記有機系
前駆物質成分30〜70モル%とからなる硬化被膜であ
ることがとくに望ましい。
【0021】ここで、上記シリカ系前駆物質成分の具体
例としては、テトラエチルオルソシリケイトなどが挙げ
られる。
例としては、テトラエチルオルソシリケイトなどが挙げ
られる。
【0022】また、上記有機系前駆物質成分におけるメ
タクリレート系前駆物質の具体例としては、オルガノモ
ディファイドアルコキシド、3−メタクリルオキシピル
トリメトキシシラン(MPMS)などが、エポキシ系前
駆物質の具体例としては、3−グリシルオキシプロピル
トリメトキシシラン(GPMS)などが、ビニル系前駆
物質の具体例としては、ビニル−トリエトキシシラン
(VES)などが、それぞれ挙げられる。
タクリレート系前駆物質の具体例としては、オルガノモ
ディファイドアルコキシド、3−メタクリルオキシピル
トリメトキシシラン(MPMS)などが、エポキシ系前
駆物質の具体例としては、3−グリシルオキシプロピル
トリメトキシシラン(GPMS)などが、ビニル系前駆
物質の具体例としては、ビニル−トリエトキシシラン
(VES)などが、それぞれ挙げられる。
【0023】このように、Nd−Fe−B系合金磁石の
表面に有機変性シリカ系被膜を形成してなるこの発明の
永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気
特性を保持したまま、有機変性シリカ系被膜により水分
や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮
し、磁石の長寿命化を実現することができ、OA機器や
精密機器などの用途にきわめて有用である。
表面に有機変性シリカ系被膜を形成してなるこの発明の
永久磁石は、Nd−Fe−B系合金磁石のすぐれた磁気
特性を保持したまま、有機変性シリカ系被膜により水分
や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた耐食性を発揮
し、磁石の長寿命化を実現することができ、OA機器や
精密機器などの用途にきわめて有用である。
【0024】次に、図2にしたがって、この発明の永久
磁石の製造方法の一具体例について詳述する。
磁石の製造方法の一具体例について詳述する。
【0025】この発明の製造方法においては、上記有機
変性シリカ系被膜3の形成方法として、被膜の沈着が容
易に可能なゾル−ゲル法が採用される。
変性シリカ系被膜3の形成方法として、被膜の沈着が容
易に可能なゾル−ゲル法が採用される。
【0026】すなわち、まずシリカ系前駆物質と有機系
前駆物質とからなるゾルは、シリカ系前駆物質と有機系
前駆物質を所望の割合で混合した混合物をゾル形成のオ
ルモシルとして用い、これに塩酸、硝酸、硫酸などの酸
性水を加え、十分に撹拌して、加水分解および重縮合を
生起せしめることにより、容易に形成することができ
る。
前駆物質とからなるゾルは、シリカ系前駆物質と有機系
前駆物質を所望の割合で混合した混合物をゾル形成のオ
ルモシルとして用い、これに塩酸、硝酸、硫酸などの酸
性水を加え、十分に撹拌して、加水分解および重縮合を
生起せしめることにより、容易に形成することができ
る。
【0027】ここで、ゾルの形成に際しては、シリカ系
前駆物質成分/有機系前駆物質成分の割合を、30〜7
0モル%/30〜70モル%、好ましくは30〜50モ
ル%/50〜70モル%とするのが望ましく、シリカ系
前駆物質成分が30モル%以下ではゾルガ2相に分離し
てしまう。また70モル%以上ではゾルが短期間でゲル
化してしまうため好ましくない。
前駆物質成分/有機系前駆物質成分の割合を、30〜7
0モル%/30〜70モル%、好ましくは30〜50モ
ル%/50〜70モル%とするのが望ましく、シリカ系
前駆物質成分が30モル%以下ではゾルガ2相に分離し
てしまう。また70モル%以上ではゾルが短期間でゲル
化してしまうため好ましくない。
【0028】次に、上記で得られたゾルを任意のディッ
プコーティング装置に入れ、ゾル中にNd−Fe−B系
合金磁石を所望時間浸漬(ディッピング)して引き上げ
た後、これをオーブンなどの熱処理装置に入れ、100
〜200℃程度の温度で、5〜15時間熱硬化処理を行
うことにより、膜厚が均一な有機変性シリカ系被膜を形
成することができる。
プコーティング装置に入れ、ゾル中にNd−Fe−B系
合金磁石を所望時間浸漬(ディッピング)して引き上げ
た後、これをオーブンなどの熱処理装置に入れ、100
〜200℃程度の温度で、5〜15時間熱硬化処理を行
うことにより、膜厚が均一な有機変性シリカ系被膜を形
成することができる。
【0029】なお、上記ゾルの濃度および/またはNd
−Fe−B系合金磁石の引き上げ速度を適切に制御する
ことにより、形成される有機変性シリカ系被膜の膜厚を
0.1〜500μmの範囲に調節することが望ましい。
−Fe−B系合金磁石の引き上げ速度を適切に制御する
ことにより、形成される有機変性シリカ系被膜の膜厚を
0.1〜500μmの範囲に調節することが望ましい。
【0030】また、ゾルに水分が多く含まれる場合に
は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に形成したゾル被
膜の熱硬化処理に先立ち、赤外線照射または真空加熱に
より、前記ゾル被膜から水分を除去することが望まし
い。
は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に形成したゾル被
膜の熱硬化処理に先立ち、赤外線照射または真空加熱に
より、前記ゾル被膜から水分を除去することが望まし
い。
【0031】さらに、シリカ系前駆物質成分および有機
系前駆物質成分からなるゾルに対し、クロム酸亜鉛、酸
化鉄、マイカ、シリカ、酸化チタンおよびジルコニアか
ら選ばれた固体粉末の少なくとも1種を2〜40モル%
添加することによって、有機変性シリカ系被膜の機械的
性質を一層すぐれたものにすることができる。なお、こ
の場合には、ゾルに固体粉末を添加した後、超音波処理
などを施すことにより、固体粉末のゾルに対する分散性
を促進させることが望ましい。
系前駆物質成分からなるゾルに対し、クロム酸亜鉛、酸
化鉄、マイカ、シリカ、酸化チタンおよびジルコニアか
ら選ばれた固体粉末の少なくとも1種を2〜40モル%
添加することによって、有機変性シリカ系被膜の機械的
性質を一層すぐれたものにすることができる。なお、こ
の場合には、ゾルに固体粉末を添加した後、超音波処理
などを施すことにより、固体粉末のゾルに対する分散性
を促進させることが望ましい。
【0032】かくして、上記したこの発明の永久磁石の
製造方法によれば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程
を必要とせず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処
理するという簡便な工程により、磁気特性および耐食性
にすぐれた永久磁石を効率的かつ低コストに製造するこ
とができる。
製造方法によれば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程
を必要とせず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処
理するという簡便な工程により、磁気特性および耐食性
にすぐれた永久磁石を効率的かつ低コストに製造するこ
とができる。
【0033】以下に、試験例を挙げて、この発明の構成
および効果をさらに詳述する。
および効果をさらに詳述する。
【0034】<試験例> (1)Nd−Fe−B系合金磁石の準備 Nd−Fe−B系合金磁石として、ネオジウム5〜15
モル%、鉄70〜90モル%、硼素2〜10モル%の割
合からなる3mm×10mm×50mmの立法体形状のものを
準備した。
モル%、鉄70〜90モル%、硼素2〜10モル%の割
合からなる3mm×10mm×50mmの立法体形状のものを
準備した。
【0035】(2)ゾルの調整 テトラエチルオルソシリケイト13.44mlおよびオル
ガノモディファイドアルコキシド34.50mlを5分間
予備混合し、これに35%塩酸0.60mlと水6.0ml
を加えて十分に混合した。混合開始後1分間で混合物は
透明になり、急速に発熱した。さらに約20分間混合を
続けることにより、透明なゾルが得られた。
ガノモディファイドアルコキシド34.50mlを5分間
予備混合し、これに35%塩酸0.60mlと水6.0ml
を加えて十分に混合した。混合開始後1分間で混合物は
透明になり、急速に発熱した。さらに約20分間混合を
続けることにより、透明なゾルが得られた。
【0036】(3)ディップコーティング ディップコート装置に上記ゾルを入れ、ホルダーに取付
けたNd−Fe−B系合金磁石をゾルに浸漬してから、
9cm/分の速度で引き上げた。
けたNd−Fe−B系合金磁石をゾルに浸漬してから、
9cm/分の速度で引き上げた。
【0037】(4)熱硬化処理 ゾルから引き上げた後、有機変性シリカ系被膜はすぐに
硬化を開始するが、まず120℃で3時間真空加熱処理
を行ない、水分を蒸発させた後、160℃の熱オーブン
中で10時間熱硬化処理を行ったところ、膜厚10μm
の均一なシリカ−メタクリレート系硬化被膜を形成する
ことができた。……本永久磁石をサンプルAとする。
硬化を開始するが、まず120℃で3時間真空加熱処理
を行ない、水分を蒸発させた後、160℃の熱オーブン
中で10時間熱硬化処理を行ったところ、膜厚10μm
の均一なシリカ−メタクリレート系硬化被膜を形成する
ことができた。……本永久磁石をサンプルAとする。
【0038】なお、比較のために、上記と同様のNd−
Fe−B系合金磁石の表面に、通常の鍍金法により膜厚
10μmのニッケル被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルBとする。
Fe−B系合金磁石の表面に、通常の鍍金法により膜厚
10μmのニッケル被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルBとする。
【0039】さらに、上記と同様のNd−Fe−B系合
金磁石の表面に、通常のコーティング法により膜厚20
μmのエポキシ樹脂被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルCとする。
金磁石の表面に、通常のコーティング法により膜厚20
μmのエポキシ樹脂被膜を形成した。……本永久磁石を
サンプルCとする。
【0040】(4)耐食性の評価 上記で得た3種類の永久磁石について、下記条件による
耐食性試験を行い、その評価結果を表1に示した。
耐食性試験を行い、その評価結果を表1に示した。
【0041】熱衝撃試験 室温−(5min)→40℃(1hrキープ)−(5m
in)→120℃(1hrキープ)−(5min)→室
温 でこれを500サイクルし、結果を下記の基準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面の割れなし、ただし腐食が多少進行。
in)→120℃(1hrキープ)−(5min)→室
温 でこれを500サイクルし、結果を下記の基準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面の割れなし、ただし腐食が多少進行。
【0042】高湿度試験 80℃、湿度95%、500hrで高湿度試験し、結果
を下記の基準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし △ 表面の割れなし、ただし腐食がいくらか進行 × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
を下記の基準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし △ 表面の割れなし、ただし腐食がいくらか進行 × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
【0043】高温度試験 120℃で1000hr高温度試験し、結果を下記の基
準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし
準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし
【0044】塩水噴霧試験 5重量%食塩水を用い、35℃、48hrの条件で、A
STM B−117に準拠して試験し、結果を下記の基
準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
STM B−117に準拠して試験し、結果を下記の基
準で判定。 ○ 表面の割れ、腐食全くなし × 表面全体に亘る割れがあり、腐食域も発生。
【0045】
【表1】 表1の結果から明らかなように、この発明の永久磁石A
は、従来の永久磁石BまたはCに比較して、耐食性がき
わめてすぐれている。
は、従来の永久磁石BまたはCに比較して、耐食性がき
わめてすぐれている。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の永久磁
石は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変性シ
リカ系被膜を形成したため、Nd−Fe−B系合金磁石
のすぐれた磁気特性を保持したまま、有機変性シリカ系
被膜により水分や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた
耐食性を発揮し、磁石の長寿命化を実現することができ
る。
石は、Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有機変性シ
リカ系被膜を形成したため、Nd−Fe−B系合金磁石
のすぐれた磁気特性を保持したまま、有機変性シリカ系
被膜により水分や酸素の侵入を十分に防止してすぐれた
耐食性を発揮し、磁石の長寿命化を実現することができ
る。
【0047】また、この発明の永久磁石の製造方法によ
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
れば、従来の塗装や鍍金などの面倒な工程を必要とせ
ず、磁石をゾル中にディッピング後熱硬化処理するとい
う簡便な工程により、磁気特性および耐食性にすぐれた
永久磁石を効率的かつ低コストに製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の永久磁石の一例を示す断面説
明図である。
明図である。
【図2】図2はこの発明の永久磁石の製造方法を示す工
程概略図である。
程概略図である。
【符号の説明】 1 永久磁石 2 Nd−Fe−B系合金磁石 3 有機変性シリカ系被膜
Claims (11)
- 【請求項1】 Nd−Fe−B系合金磁石の表面に、有
機変性シリカ系被膜を形成したことを特徴とする永久磁
石。 - 【請求項2】 有機変性シリカ系被膜の膜厚が、0.1
〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載の
永久磁石。 - 【請求項3】 有機変性シリカ系被膜が、シリカ系前駆
物質と、メタクリレート系、エポキシ系およびビニル系
から選ばれた有機系前駆物質の少なくとも1種とから形
成された硬化被膜であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の永久磁石。 - 【請求項4】 有機変性シリカ系被膜が、シリカ系前駆
物質成分30〜70モル%と、有機系前駆物質成分30
〜70モル%とからなることを特徴とする請求項1、2
または3に記載の永久磁石。 - 【請求項5】 有機変性シリカ系被膜が、シリカ−メタ
クリレート系硬化被膜からなることを特徴とする請求項
1、2、3または4に記載の永久磁石。 - 【請求項6】 シリカ系前駆物質と、メタクリレート
系、エポキシ系およびビニル系から選ばれた有機系前駆
物質の少なくとも1種との混合物に、酸性水を加えて撹
拌し、加水分解および重縮合せしめて形成したゲル中
に、Nd−Fe−B系合金磁石を浸漬して引き上げた
後、熱硬化処理することにより、前記Nd−Fe−B系
合金磁石の表面に、有機変性シリカ系被膜を形成するこ
とを特徴とする永久磁石の製造方法。 - 【請求項7】 ゲルの濃度および/またはNd−Fe−
B系合金磁石の引き上げ速度を制御することにより、形
成される有機変性シリカ系被膜の膜厚を0.1〜500
μmの範囲に調節することを特徴とする請求項6に記載
の永久磁石の製造方法。 - 【請求項8】 ゲルを、シリカ系前駆物質成分30〜7
0モル%と、有機系前駆物質成分30〜70モル%との
混合物を用いて形成することを特徴とする請求項6また
は7に記載の永久磁石の製造方法。 - 【請求項9】 ゲルを、シリカ系前駆物質成分と、有機
メタクリレート系前駆物質との混合物から形成すること
を特徴とする請求項6、7または8に記載の永久磁石。 - 【請求項10】 Nd−Fe−B系合金磁石の表面に形
成したゲル被膜の熱硬化処理に先立ち、赤外線照射また
は真空加熱により、前記ゲル被膜から水分を除去するこ
とを特徴とする請求項6、7、8または9に記載の永久
磁石の製造方法。 - 【請求項11】 ゲルが、シリカ系前駆物質成分および
有機系前駆物質成分の混合物に加えて、クロム酸亜鉛、
酸化鉄、マイカ、シリカ、酸化チタンおよびジルコニア
から選ばれた固体粉末の少なくとも1種を2〜40モル
%含有することを特徴とする請求項6、7、8、9また
は10に記載の永久磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6019653A JPH07230906A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 永久磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6019653A JPH07230906A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 永久磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07230906A true JPH07230906A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=12005215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6019653A Pending JPH07230906A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 永久磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07230906A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0984464A2 (en) * | 1998-08-31 | 2000-03-08 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for producing Fe-B-R based permanent magnet having a corrosion-resistant film |
EP1011112A3 (en) * | 1998-12-17 | 2000-07-12 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
US6251196B1 (en) | 1998-08-31 | 2001-06-26 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for producing Fe-B-R based permanent magnet having a corrosion-resistant film |
JP2006049863A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-02-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 耐食性希土類磁石及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-02-16 JP JP6019653A patent/JPH07230906A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0984464A2 (en) * | 1998-08-31 | 2000-03-08 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for producing Fe-B-R based permanent magnet having a corrosion-resistant film |
EP0984464A3 (en) * | 1998-08-31 | 2000-06-07 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for producing Fe-B-R based permanent magnet having a corrosion-resistant film |
US6251196B1 (en) | 1998-08-31 | 2001-06-26 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for producing Fe-B-R based permanent magnet having a corrosion-resistant film |
US6444328B1 (en) | 1998-08-31 | 2002-09-03 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | FE-B-R based permanent magnet having corrosion-resistant film, and process for producing the same |
KR100607297B1 (ko) * | 1998-08-31 | 2006-07-28 | 가부시키가이샤 네오맥스 | 내식성 피막을 가지는 Fe-B-R계 영구자석의 제조방법 |
EP1011112A3 (en) * | 1998-12-17 | 2000-07-12 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
JP2006049863A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-02-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 耐食性希土類磁石及びその製造方法 |
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