JPH07228785A - 樹脂・ゴム用改質剤 - Google Patents

樹脂・ゴム用改質剤

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JPH07228785A
JPH07228785A JP31803894A JP31803894A JPH07228785A JP H07228785 A JPH07228785 A JP H07228785A JP 31803894 A JP31803894 A JP 31803894A JP 31803894 A JP31803894 A JP 31803894A JP H07228785 A JPH07228785 A JP H07228785A
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rubber
resin
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styrene
maleic anhydride
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JP31803894A
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English (en)
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Tadayuki Omae
忠行 大前
Haruhiko Hisada
晴彦 久田
Kenichi Hosoda
賢一 細田
Masahide Yoshiya
誠秀 葭矢
Yoshiyuki Komori
嘉幸 古森
Noboru Yamaguchi
登 山口
Toru Fujiki
徹 藤木
Noriyasu Yasuda
憲康 安田
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MARUBISHI OIL CHEMICAL
Sumitomo Chemical Co Ltd
Marubishi Yuka Kogyo KK
Original Assignee
MARUBISHI OIL CHEMICAL
Sumitomo Chemical Co Ltd
Marubishi Yuka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の樹脂やゴムの帯電防止性、難燃性等の
改良に有効な高分子の改質剤を提供する。 【構成】 (A)スチレン・無水マレイン酸共重合体
と、(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテ
ルとの反応生成物、および/または該反応生成物の金属
塩を樹脂またはゴムに添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂およびゴムの改質剤
に関し、詳しくは各種の熱可塑性樹脂またはゴムなどの
重合体に配合混練することで、その樹脂やゴムの性質、
特に帯電防止性や難燃性および成形性を改良するための
改質剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術および問題点】各種の樹脂またはゴムなど
の重合体は各々の特長的な成型加工性と機械的物性によ
り、自動車部品、電気機器部品、情報通信機器部品、室
内外装用製品、包装材料、工業用資材、雑貨類など広範
な分野で大量に使用されている。しかしながら樹脂やゴ
ムにはその物性や成形性に関し解決すべき多くの問題が
残されている。例えば、ほとんどの種類の樹脂やゴムか
らの成形加工製品は、それら自体が絶縁体であるが故に
帯電し易く、塵埃が付着して外観を損なったり、蓄積し
た静電気の放電による電撃ショックや火花による引火爆
発、電子機器における障害など様々な問題がある。従
来、樹脂やゴムなどの重合体に帯電防止性を付与する方
法としては、重合体にカーボンブラック、金属粉末や各
種の有機帯電防止剤を混練配合したり塗布する方法が一
般的である。しかし、カーボンブラックや金属粉末を練
り込む方法では重合体本来の優れた機械的特性ならびに
成形加工性を低下させたり、任意の色への着色が困難と
なる。一方、ポリアルキレンオキサイドのような吸水性
の化合物や有機帯電防止剤を練り込む方法や界面活性剤
などを表面に塗布する方法においては、水洗や表面の拭
き取りなどにより帯電防止効果が低下もしくは消滅する
という欠点がある。また、帯電防止効果の持続を目的に
多量の帯電防止剤を練り込む場合には、時間の経過とと
もに過剰の帯電防止剤が重合体成形製品の表面にブリー
ドアウトしてきて、製品表面のベトツキや塵埃の付着な
どのトラブルがある。さらには、成形時に金型を汚染し
たり不良成形品を発生するなどの新たな問題を生ずる。
以上のような点を考慮すると樹脂やゴムを何らかの性能
に関して改良しようとする場合、改質剤が対象となる樹
脂やゴムとの十分なる相溶性を有することが重要とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は各種の樹脂や
ゴムの改質に有効な高分子の改質剤を提供することを目
的とする。特には樹脂やゴムに長期にわたり持続する帯
電防止効果を付与すること、改良された成形加工性を付
与すること、および/または難燃性を付与することがで
きる改質剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
に対して鋭意研究を重ねた結果、特定のスチレン系共重
合体とポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルと
の反応生成物により、上記の目的が効果的に達成できる
ことを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明
は(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体と(B)ポリア
ルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの反応生成
物、および/または該反応生成物の金属塩を実質有効成
分とする樹脂・ゴム用改質剤を要旨とするものである。
【0005】ポリアルキレンオキシドモノアルキルエー
テル自体が帯電防止剤としての性能を有することは公知
であるが、アニオン系界面活性剤型またはカチオン系界
面活性剤の帯電防止剤に比較して効果に乏しく、水洗や
表面の拭き取りで失効する。また、重合体に大量に練り
込んだ場合には、相溶性に欠けるために成形加工品の表
面にブリードアウトしてべとついたり機械的物性を損な
ってしまうという問題がある。本発明においては、ポリ
アルキレンオキシドモノアルキルエーテルの末端水酸基
を(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体の酸無水物基
に付加反応させることにより、結果としてポリスチレン
を主鎖としてポリアルキレンオキシドモノアルキルエー
テルを側鎖とする適当な分子量の所謂「櫛形ポリオール
エーテル」を合成し、これにより上記の問題点を解決す
るものである。すなわち、ポリスチレン構造の主鎖部分
が種々の樹脂やゴムなどの重合体との相溶性を高める効
果と、より高められた分子量の櫛型重合体構造によりゴ
ム弾性的な特性を発揮する効果が併合されて例えば従来
の帯電防止剤にない特長を発現するものである。
【0006】また、該「櫛形ポリオールエーテル」を生成
する際に副次的に形成されるカルボン酸基もしくは未反
応で残存する酸無水物基を活用して、種々の金属イオン
との塩の構造(すなわち、アイオノマーの構造)にするこ
とは、上述のゴム弾性的特性を高めるのみならず、櫛型
重合体自体の体積固有抵抗率をより小さくするので、本
発明の目的に合致しており好ましい実施態様である。金
属イオンとしては例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛イオン等を挙げ
ることができる。
【0007】なお、本発明による「櫛形ポリオールエー
テル」は樹脂やゴムに配合される種々の極性基を有する
各種の添加剤や充填剤との親和性が良いので、それらの
分散性を改良するとともに表面ブリードによる成形品の
外観不良や金型汚染の問題を低減するのにも効果的であ
る。さらには改良の対象となる重合体の種類や組成物の
構成によってはそれらの成形加工性や耐衝撃強度を改良
する効果も期待できる。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0008】本発明において、原料の(A)スチレン・無
水マレイン酸共重合体としては、数平均分子量が1,0
00〜400,000で、無水マレイン酸に対するスチ
レンの共重合モル比が1〜9のものが対象となる。例え
ば、ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの
反応を無溶媒下に反応槽でおこなう場合には数平均分子
量が1,000〜4,000で該共重合モル比が1〜5の
ものが特に好ましく、該反応をプラスチックス用押出加
工機を用いておこなう場合には、数平均分子量が15
0,000〜400,000で該共重合モル比が4〜9の
ものが好ましい。前者の例としては、エルフ・アトケム
社から販売されているSMA(登録商標)レジン、後者の
例としてはアルコ・ケミカル社から販売されているダイ
ラーク(登録商標)があげられる。
【0009】本発明において原料のポリアルキレンオキ
シドモノアルキルエーテルは、下記の一般式:
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素ま
たは炭素数1〜2のアルキル基、nは5〜100の整数
を表す。)によって表され、単独重合体のみならず共重
合体(例えばR2が水素のものとメチル基のものとの)
であってもよい。数平均分子量が100〜5,000の
ものが好ましい。これらの中でポリエチレンオキシドモ
ノメチルエーテルが反応性および反応生成物の性能の点
から最も好ましい。数平均分子量が100以下では帯電
防止性能が不充分となり、5,000以上ではスチレン
・無水マレイン酸共重合体との反応性に欠ける。またア
ルキル基の炭素数が4を超えても帯電防止性能が不充分
となる。なおポリアルキレンオキシドモノアルキルエー
テル中にポリアルキレンオキシドが20モル%以下程度
に混在することは、反応生成物がゲル化しない限りにお
いては問題ではなく、「櫛形ポリオールエーテル」の分子
量を大きい側に調整したり、ゴム弾性的特性をより高め
る点で好ましい場合もある。
【0010】本発明において、(A)スチレン・無水マレ
イン酸共重合体と(B)ポリアルキレンオキシドモノアル
キルエーテルとの反応の実施態様は、攪拌機付きの加熱
反応槽によるバッチ方式と、例えば樹脂やゴムの混練や
成形加工に用いられる1軸または2軸の押出機を活用す
る連続方式に大別できる。いずれの方式においても、
(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体と(B)ポリアル
キレンオキシドモノアルキルエーテルの供給量は、(A)
中の無水マレイン酸基に対する(B)中の末端水酸基のモ
ル比が1.2〜0.1の範囲、好ましくは0.8〜0.2の
範囲内で設定される。1.2以上では反応生成物中に未
反応の(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテ
ルの混在量が多くなり過ぎて、樹脂やゴムの改質剤とし
て使用する場合に成形加工製品の表面べタツキの問題や
機械的物性の低下を来す。また、0.1以下では帯電防
止性能が不充分である。
【0011】反応槽を用いるバッチ方式においては、所
定量の(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテ
ルを仕込み、窒素雰囲気下に120〜200℃、好まし
くは140〜180℃に加熱して、攪拌下に粉末状ない
しペレット状の(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体
を所定量まで漸次投入し、10〜300分間、好ましく
は30〜180分間反応させる。反応温度が120℃よ
り低いと反応系の粘度が大きくて反応速度が遅いので生
産性が問題であり、200℃を超えるとポリアルキレン
オキシドモノアルキルエーテルの分解反応が併発する。
生成物のアセトン溶液に過剰の水酸化ナトリウム水溶液
を加えて室温にて20分間攪拌後、硫酸水溶液で逆滴定
する方法により求めた(B)ポリアルキレンオキシドモノ
アルキルエーテルの反応率が50%以上、好ましくは6
5%以上にまで反応させることが肝要である。反応率を
上げるために適当な溶媒や触媒を共存させることが好ま
しい場合もある。
【0012】バッチ方式で最も合理的な実施態様は、同
じ反応槽を使い、前段ではアルカリ金属(Li,Na,K)の
水酸化物またはアルコラートを触媒としてメチルアルコ
ール、エチルアルコールなどのアルキルアルコール類、
またはエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルなどの低分子量グリ
コールモノアルキルエーテル類の存在下にアルキレンオ
キシドを開環重合して(B)ポリアルキレンオキシドモノ
アルキルエーテルを合成し、重合熱などで140〜18
0℃に保持されているうちに、(A)スチレン・無水マレ
イン酸共重合体を追添して後段の付加反応をさせる方法
である。
【0013】一方、1軸または2軸の押出機を用いる連
続方式においては、原料の(A)スチレン・無水マレイン
酸共重合体と(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキル
エーテル、さらには必要により(C)希釈用の熱可塑性樹
脂を定量的に供給して、150〜250℃にて溶融混練
する。(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体として
は、数平均分子量が1,000〜4,000のものを単独
で使用する方法の他に、数平均分子量が20,000〜
40,000のものを適当量ブレンドして供給する方法
もある。(C)希釈用の熱可塑性樹脂としては150〜2
50℃における溶融粘度が適当な範囲で反応性の極性基
を有しないものが好ましい。具体例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/ス
チレン共重合体などのポリスチレン系樹脂が使用でき
る。(C)希釈用の熱可塑性樹脂の供給量は、(A)スチレ
ン・無水マレイン酸共重合体と(B)ポリアルキレンオキ
シドモノアルキルエーテルとの合計量の0.5〜10
倍、好ましくは1〜5倍である。(B)ポリアルキレンオ
キシドモノアルキルエーテルの供給方法としては、予め
(A)スチレン・無水マレイン酸共重合体および必要によ
り(C)希釈用の熱可塑性樹脂とバッチ式混合機で混合し
た後メインフィーダーから供給する方法の他に、押出機
のサイドフィーダーからポンプを使って加熱溶融の状態
で供給することも可能である。
【0014】本発明において、(A)スチレン・無水マレ
イン酸共重合体と(B)ポリアルキレンオキシドモノアル
キルエーテルとの反応生成物に対して、各種金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、または、ステアリン酸
などの高級脂肪酸の塩などを追添し、150〜250℃
に加熱混練して中和することにより、該反応生成物の金
属塩(アイオノマー)を合成することができる。金属とし
ては、リチウム、ナトリム、カリウム、マグネシウム、
アルミニウム、亜鉛などが好適である。該反応生成物中
に残存する酸無水物基と副生するカルボン酸基との合計
量の10〜90モル%が中和されることが好ましい。中
和反応の方法としては、攪拌機付きの加熱反応槽による
バッチ式と1軸または2軸の押出機を活用する連続方式
がある。
【0015】本発明による(A)スチレン・無水マレイ
ン酸共重合体と(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキ
ルエーテルとの反応生成物、および/または該反応生成
物の金属塩を、諸物性や成形加工性の改良、例えば永久
帯電防止や流動性改良、添加剤のブリード防止、金型汚
染防止、耐衝撃性の改良などを目的として適用する対象
となる熱可塑性樹脂やゴムとしては以下のような種類の
ものが挙げられる。
【0016】すなわち、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのオレフィンの
単独重合体もしくは共重合体、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチ
レン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、
エチレン/オクテン共重合体や、前記オレフィン単位を
主構成成分とするオレフィン以外の極性モノマーとの共
重合体、例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル
酸共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体など
を包含するオレフィン系重合体、またはそれらのブレン
ド重合体組成物に適用することができる。 また、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸やそのアル
キルエステル、酢酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和カル
ボン酸のビニルエステルの単独もしくは共重合体、なら
びにそれらのブレンド重合体組成物なども挙げられる。
【0017】さらには、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエ
チレンなどの含ハロゲン系樹脂や、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンのようなスチレン系単量体
の単独重合体もしくは共重合体、あるいはスチレン系単
量体とアクリロニトリル系単量体、マレイミド系単量
体、アクリル酸エステル系単量体、マレイン酸系単量体
との共重合体などのビニル芳香族系重合体、またはそれ
らのブレンド重合体組成物も例示される。ここでビニル
芳香族系重合体はゴム質重合体により変性したものでも
よく、ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレ
ン/ブタジエン共重合体(HIPS)、ブタジエン/アク
リロニトリル共重合体(ABS)、エチレン/プロピレン
/ジエン共重合体、ブタジエン/アクリル酸エステル共
重合体(MBS)などが挙げられる。
【0018】さらに、本発明による改質剤が適用可能な
熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリアリレートなどのエンジニアリング
樹脂類も挙げられ、これら熱可塑性樹脂の化学変性物、
あるいはアロイ化物、さらにはガラス繊維などで強化さ
れたものであってもよい。アロイ化物の例としては、ポ
リフェニレンエーテル/ゴム変性ポリスチレン、ポリフ
ェニレンエーテル/ポリアミド、ポリカーボネート/A
BS、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリプロピレン/ポ
リブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0019】一方、本発明による改質剤が適用可能なゴ
ム類としては、天然ゴム、エチレン/α−オレフィン共
重合ゴム、イソプレンゴム、イソプレン/イソブチレン
共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、クロロ
プレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリ
ル/ブタジエン共重合ゴムなどが挙げられる。ここでエ
チレン/α−オレフィン共重合ゴムとは、エチレンと1
種類以上のα−オレフィンよりなる共重合体(EPM)、
またはエチレンと1種類以上のα−オレフィンと1種類
以上の非共役ジエンよりなる共重合体(EPDM)を意味
し、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどが例示され、非共
役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、エチリデン
ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチルテトラヒ
ドロインデン、メチルノルボルネンなどが例示される。
【0020】本発明による改質剤は、その改質の目的に
応じて対象となる上記の熱可塑性樹脂やゴムに対して
0.1〜25重量%の範囲、好ましくは0.2〜15重量
%の範囲で配合される。
【0021】また、成形製品の用途ごとの必要に応じて
熱可塑性樹脂やゴムに対して本発明による改質剤ととも
に組み合わせて配合できるものとして、各種の熱安定
剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、防曇
剤、顔料、有機着色剤、蛍光剤、離型剤、加工助剤、可
塑剤、ガラス繊維、マイカや繊維状チタン酸カリなどの
補強材、炭酸カルシウムやタルクなどの充填剤、難燃剤
などが挙げられる。なお、本発明によるところの改質剤
は種々の樹脂やゴムにいわゆる永久帯電防止性を付与す
る特徴を有しているが、成形直後の帯電防止性を安定し
て得る目的などで従来から知られている各種の帯電防止
剤、たとえばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや
スルホン化パラフィンのナトリウム塩など、を併用する
ことを特に妨げるものではない。
【0022】特に難燃剤と組み合わせて配合する場合に
おいては、本発明による改質剤は対象となる熱可塑性樹
脂やゴムに対する難燃剤の分散性を高める効果に加え
て、燃焼時には改質剤自体が緻密な炭化物質に効率良く
変化して、酸素の内部拡散防止や伝熱抑制の効果も期待
できる。難燃剤としては、特公平5−61303号公報
に記載されているところの各種の有機ハロゲン系化合物
(例えば、デカブロモジフェニレンエーテル、デカブロ
モジフェニルエタン、テトラブロモビスフェノールスル
ホン・ビスジブロモプロピルエーテル、テトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、など)、有機りん系化
合物(例えば、トリフェニルホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェート、など)、さらには、金属水酸化
物(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、など)や難燃助剤(例えば、三酸化アンチモン、三酸
化モリブデン、など)が挙げられる。
【0023】特に窒素含有縮合りん酸化合物と本発明に
よる改質剤、さらには必要に応じて炭化促進作用のある
含金属化合物とを適当な比率で組み合わせて得られる組
成物は、有害な燃焼ガスの発生が少ない高性能な「ノン
ハロ難燃剤」としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リスチレンなどへの適用が可能である。ここで窒素含有
縮合りん酸化合物を具体的に例示すると、ポリりん酸ア
ンモニウム、ポリりん酸アミド、ポリりん酸アミドアンモ
ニウム、ポリりん酸メラミン、メラミン変性ポリりん酸
アンモニウム、メラミン変性ポリりん酸アミド、メラミン
変性ポリりん酸アミドアンモニウム、メラミン変性ポリ
りん酸カルバメート、ポリりん酸カルバメート、りん酸・
尿素・ジシアンアミド・メラミン反応物、無水りん酸・
尿素・メラミン・重炭酸アンモニウム反応物、無水りん
酸・尿素・メラミン・重炭酸アンモニウム・ジシアンア
ミド反応物から選ばれる1種または2種以上の混合物な
どが例示され、いずれの化合物においても、製造時の焼
成プロセスなどで重合度を十分に高めて、水に不溶な成
分が80重量%以上にしたものが特に望ましい。窒素含
有縮合リン酸化合物は改質対象の樹脂またはゴムに対し
通常は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%用
いる。
【0024】また、炭化促進作用のある含金属化合物
は、その作用機構は明確ではないが、燃焼後の炭化残渣
量を増大して難燃効果を高める化合物であり、フェロセ
ン、ジメチルグリオキシム銅、アセチルアセトン銅、ヒ
ドロキシキノリン・ニッケルなど、「機能材料」第11
巻、第6号、1991年、34〜41頁に記載されてい
るような各種の有機金属錯体化合物や、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムマグネシ
ウム、水酸化ジルコニール、硼酸マグネシウム、硼酸マ
ンガン、硼酸カルシウムマグネシウム、酸化チタン、酸
化スズ、酸化ニッケル、酸化亜鉛などの金属塩、金属酸
化物、金属水酸化物などが挙げられ、これらは天然物と
して得られるものであってもよい。とりわけ、難燃効
果、工業的入手性などから、酸化亜鉛、ジチオカルバミ
ン酸亜鉛系化合物、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛系
化合物、サリチルアルデヒド亜鉛系化合物、硼酸亜鉛、
硼酸アルカリ土類塩から選ばれる1種または2種以上の
組み合わせがよい。炭化促進作用のある含金属化合物は
改質対象の樹脂またはゴムに対し通常は0.5〜5重量
%、好ましくは1〜3重量%用いる。
【0025】樹脂またはゴムおよび本発明の改質剤は必
要に応じて添加される上記の添加剤やフィラーなどとと
もに溶融混練により組成物に調製された後、各種の製品
に成形加工される。配合や溶融混練には、ヘンシェルミ
キサー、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、ミ
キシングロール、ニーダー、1軸や2軸押出機などの公
知の機器や方法が適用可能である。 成形加工法としては、射出成形、押出成形、中空成形、
圧縮成形などの従来公知の方法を用いることができる。
成形加工は、用いる樹脂またはゴムの種類に応じ公知の
条件に準じて行えばよい。しかしながら本発明の改質剤
を添加することによって樹脂またはゴムの流動性が向上
するので、より弱い条件、すなわちより低い温度、より
低い圧力下で成形加工を行うことも可能となる。
【0026】成形品は、例えばテレビ、ビデオ、コンピ
ューター、ワードプロセッサーなどの電気・電子製品や
情報通信機器製品の部品、バンパー、インストルメント
・パネル、ドアトリム、タイヤなどの自動車関連部品、
さらには各種の室内外装用製品、包装材料、工業用資
材、雑貨類など広範な分野の用途に使用できる。
【0027】
【作用】本発明の改質剤は、各種の樹脂やゴムと相溶性
が良好であり、櫛型重合体構造によるゴム弾性的な特性
と相まって樹脂やゴムの成型品の物性や成形加工性を改
良することができる。さらに本発明の樹脂は、樹脂やゴ
ムに対する極性基を有する各種の添加剤や充填・強化剤
の分散性や相溶性を高めるので成形品の物性や成形加工
性の改良に有用となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例および適用例
によって更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越
えない限り、これらの例によって限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 3リットルの電磁攪拌機付きのオートクレーブにジエチ
レングリコールモノメチルエーテル200gとフレーク
状の苛性ソーダ0.4gを仕込み、窒素気流下に110℃
まで加温したところで、エチレンオキシドで3回ガス置
換した後、170℃まで加温し、内圧2kg/cm2、内温
160〜170℃に外部水冷方式で制御しながら液状の
エチレンオキシド1440gを2.5時間かけて供給して
ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(以下MEG
−1と呼ぶ)を合成した。日本油化学協会制定の基準油
脂分析試験法により測定した水酸基価(ピリジン・無水
酢酸法)は、58.3mgKOH/gであった。140℃ま
で放冷後、窒素置換して常圧で置換雰囲気下に800g
の粉末状のスチレン・無水マレイン酸共重合体(エルフ
・アトケム社製、SMA(登録商標)♯3,000、数平
均分子量1,900、スチレン:無水マレイン酸=3:1
共重合モル比)(以下SMA−1と呼ぶ)を徐々に投入
し、攪拌溶解後に180℃で2時間反応させて櫛型ポリ
オールエーテル(以下SPO−1と呼ぶ)を合成した。S
PO−1は柔軟なワックス状固体で、そのアセトン溶液
について前述の酸価を求める滴定法で分析したところ、
MEG−1についての反応率は78%であった。 参考として図1にMEG−1、SMA−1、SPO−1
のIRスペクトルを示す。反応によりSMA−1の酸無
水物基のピーク(1,780cm-1および1,860cm-1)が
減少し、代わって新たにエステル基のピーク(1,730
cm-1)が発現しているのが明瞭である。
【0030】実施例2 1リットルのガラスフラスコに数平均分子量が550で
液状のポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(日本
油脂(株)製、ユニオックス(登録商標)M−550、水酸
基価=102mgKOH/g)(以下MEG−2と呼ぶ)を4
00g仕込み、窒素気流下に攪拌しながら90℃まで加
温したところで粉末状のスチレン・無水マレイン酸共重
合体(エルフ・アトケム社製、SMA(登録商標)レジン
#1,000、数平均分子量1,600、スチレン:無
水マレイン酸=1:1共重合モル比)(以下SMA−2と
呼ぶ)200gを徐々に追添した後、180℃で3時間反
応させて櫛形ポリオールエーテル(以下SPO−2と呼
ぶ)を合成した。SPO−2は粘稠なペースト状で、M
EG−2についての反応率は85%であった。
【0031】実施例3 1リットルのガラスフラスコに実施例1と同じ方法で調
製した櫛形ポリオールエーテル(SPO−1)400gを
仕込み、窒素気流下に攪拌しながら90℃まで加温した
ところでステアリン酸亜鉛15gを追添し、さらに17
0℃に加温して2時間攪拌することで全体が透明で均一
な液状組成物(以下SPO−3と呼ぶ)となった。SPO
−3は室温では固いブロック状であり、原料のSPO−
1との性状比較から、所謂「アイオノマー化」反応の生成
物と考えられる。
【0032】比較例1 1リットルのガラスフラスコに数平均分子量600で液
状のポリエチレングリコール(日本油脂(株)製、PEG
600)を400g仕込み、窒素気流下に攪拌しながら9
0℃までに加熱したところで実施例2で使ったと同じS
MA−2の200gを徐々に追添した後、170℃で加
温したところ、SMA−2が溶解するにつれて反応系全
体の粘度が急激に上昇して攪拌が不可能となったので合
成を中止した。ポリエチレングリコールによるスチレン
・無水マレイン酸共重合体の分子間架橋反応の結果と考
えられる。
【0033】実施例4 実施例2と同じ装置、同じ操作条件で数平均分子量2,
000で粉末状のポリエチレンオキシドモノメチルエー
テル(日本油脂(株)製、ユニオックス(登録商標) M−2
000)(以下MEG−3と呼ぶ)300gと実施例1で使
用したと同じSMA−1の200gとを反応させて櫛形
ポリオールエーテル(以下SPO−4と呼ぶ)を合成し
た。MEG−3に注目した反応率は69%であった。S
PO−4は室温では固いブロック状で木槌で容易に粉砕
できた。
【0034】実施例5 実施例2と同じ装置、同じ操作条件で数平均分子量1,
000のワックス状ポリエチレンオキシドモノメチルエ
ーテル(日本油脂(株)製、ユニオックス(登録商標) M−
1000)(以下MEG−4と呼ぶ)400gと粉末状のス
チレン・無水マレイン酸共重合体(エルフ・アトケム社
製、SMA(登録商標)レジン#2000、数平均分子量
1,700、スチレン・無水マレイン酸=2:1共重合モ
ル比)(以下SMA−3と呼ぶ)200gとを反応させて
櫛形ポリオールエーテル(以下SPO−5と呼ぶ)を合成
した。SPO−5は室温では固いブロック状であり、M
EG−4についての反応率は81%であった。
【0035】実施例6 実施例2と同じ装置、同じ操作条件で数平均分子量40
0の液状ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(日
本油脂(株)製、ユニオックス(登録商標) M−400)
(以下MEG−5と呼ぶ)240gと実施例1で使用した
のと同じスチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA−
1)320gとを反応させて櫛形ポリオールエーテル(以
下SPO−6と呼ぶ)を合成した。SPO−6は室温で
は強靭なゴム状のブロックであり、MEG−5について
の反応率は93%であった。
【0036】実施例7 実施例2と同じ装置、同じ操作条件で、実施例5で使用
したのと同じポリエチレンオキシドモノメチルエーテル
(MEG−4)400gと、実施例1で使用したのと同じ
スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA−1)200
gとを反応させて、櫛形ポリオールエーテル(以下SPO
−7と呼ぶ)を合成した。SPO−7は室温では粘稠な
ペースト状であり、MEG−4についての反応率は80
%であった。
【0037】実施例8 実施例2と同じ装置、同じ操作条件で、実施例4で使用
したのと同じポリエチレンオキシドモノメチルエーテル
(MEG−3)400gと実施例1で使用したと同じSM
A−1の200gとを反応させて、櫛形ポリオールエー
テル(以下SPO−8と呼ぶ)を合成した。MEG−3に
注目した反応率は65%であった。SPO−8は室温で
は固いブロック状で木槌で容易に粉砕できた。
【0038】応用例1〜6 ベンチ・ニーダー(入江商会(株)製、PBV−0.3型)を
使って、ゴム変性ポリスチレン(住友化学工業(株)製、ス
ミブライト(登録商標) M−588、メルトフローレー
ト:2.5g/10分)100重量部に対して前記の実施例
の方法で調製した櫛形ポリオールエーテル類(SPO)
を表1に示す重量部配合して、160℃で10分間溶融
混練した後、200℃、100kg/cm2で5分間熱プレ
スして12cm×12cm×2mmのシート試験片を作成し
た。いずれの試験片も表面のベトツキは無く、外観は良
好であった。該試験片を23℃、50%RHにて1日間
状態調整した後、および1日後に水洗して風乾した後、
表面固有抵抗(東亜電波工業(株)製、絶縁計 SM−5
E型を使用)および帯電圧半減期(宍戸商会(株)製、スタ
チックオネストメーターS−4104型を使用、−10
KV、1分間印加)を測定した。結果を表1に示す。
【0039】比較応用例1 応用例1と同じ方法で櫛形ポリオールエーテルの代わり
に数平均分子量2000で粉末状のポリエチレングリコ
ール(日本油脂(株)製、PEG2000)を使用した結果
を表1に示す。なお、熱プレス直後の試験片の表面はべ
とつきがひどかった。
【0040】比較応用例2 応用例1と同じ方法でドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(DBS)を使用した結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】応用例7 ポリブチレンテレフタレート樹脂(タフペット PBTN
1000、三菱レーヨン(株)製)97部に改質良剤とし
て実施例7で合成したSPO−7 3重量部を加えて得
た混合物を、二軸押出機(TEX−30、日本製鋼所
(株)製)を用いて混練し(バレル設定温度230℃)、押
出してペレットを得た。次にこのペレットを射出成形機
(IS100EN−3AV(5oz)東芝機械(株)製)を用い
て、以下の条件で射出成形して物性評価用テストピース
を得た。シリンダー設定温度:260℃、射出圧力:
1,000kg/cm2、金型温度:70℃、冷却時間:30
秒)。得られたペレットまたはテストピースを用いて以
下の物性を評価した。 (1)メルトフローレート ASTM D1238に従い250℃、2.16kg荷重
下に測定した。 (2)引張物性 厚み1/8インチのテストピースを用い、ASTM D
638に従い降伏点強度(YS)、破断点強度(US)
および破断点伸び(UE)を測定した。 (3)曲げ物性 厚み1/8インチのテストピースを用い、ASTM D
790に従い、曲げ弾性率(FM)および曲げ強度(FS)
を測定した。 (4)耐衝撃性 厚み1/8インチのノッチ付テストピースを用い、AS
TM D256に従いノッチ付アイゾット衝撃強度を2
3℃で測定した。 (5)加熱撓み温度(HDT) 厚み1/4インチのアーニーリングしないテストピース
を用い、ASTM D648に従い、4.6kg/cm2の繊
維応力下で加熱撓み温度を測定した。 (6)静電持性 成形後3日間23℃、50%RHで状態調整したテスト
ピースについて、極超絶縁計(SM−8210、平板用
電極SME−8310、東亜電波工業(株)製)を用いて:
体積固有抵抗率(Rv)および表面抵抗(Rs)を測定した。 以上の結果をまとめて表2に示す。
【0043】比較応用例3 改質剤を用いない外は応用例7と同様にしてテストピー
スを調製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】応用例8および9並びに比較応用例4およ
び5 EPDM(エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共
重合体、エスプレン(登録商標)524、住友化学工業
(株)製)(応用例8)またはSBR(スチレン−ブタジエン
ゴム、住友SBR(登録商標)1502、住友化学工業
(株)製)(応用例9)100重量部と、表3に示すカーボ
ンブラック、軟化剤、酸化亜鉛、加硫促進助剤(ステア
リン酸)、SPO−8とを(株)神戸製鋼所製BB−2ミ
キサーを用いて混練した。混練方法は、まずゴムのみを
30秒間素練りした後、各資材を加えて4分30秒混練
することとした。また、その際には、温度が150℃を
超えないようにした。得られた配合物に、50℃に温調
した10インチオープンロールミル上で表3に示す加硫
剤(硫黄)、および加硫促進剤とを加え未加硫ゴム組成
物を得た(比較応用例4および5)。 次にEPDMの場合には160℃で10分、SBRの場
合には150℃で30分プレス加硫して加硫ゴム組成物
を得た。未加硫ゴム組成物および加硫ゴム組成物につい
て以下の物性を測定した。 (1)未加硫ゴム組成物 (1−1)ムーニー粘度、ムーニースコーチ試験 日本工業規格 JIS K6300“未加硫ゴム物理試
験方法”に準じ測定を行った。測定には(株)島津製作
所製SMV−201型を使用した。 (1−2)振動式加硫試験(ORD) 日本ゴム協会標準規格 SRIS3105“振動加硫試
験機による加硫試験方法”に準じ測定を行った。測定に
は(株)東洋精機製オシレーティングディスクレオメー
ターを使用した。 (2)加硫ゴム組成物 (2−1)引張物性、硬度 日本工業規格 JIS K6301“加硫ゴム物理試験
方法”に準じ測定を行った。 (2−2)耐熱老化試験 テストピースをギアオーブン中に100℃で72時間放
置した後、上記引張破断強度、引張破断伸びおよび硬度
をそれぞれ測定し、引張破断強度保持率、引張破断伸び
保持率、および硬化変化を求めた。 (2−3)目視観察 テストピースを室温で放置し、その表面状態を経時的に
目視により観察した。結果は次のように表した。 (良) ◎ > ○ > △> × > ×× (悪) ここで「良」とは加硫ゴム表面に白化や変色などの変化が
生じずプレス成形直後の光沢の有る平滑な外見を保持し
ていることを言い、「悪」とは加硫ゴム表面に白化や変色
などの変化が生じることを言う。以上の結果を表4にま
とめて示す。
【0046】
【表3】
【0047】注: 1)エチレン−プロピレン−ジエンゴム、住友化学工業
(株)製 2)スチレン−ブタジエンゴム、住友化学工業(株)製 3)FEFカーボンブラック、東海カーボンブラック社
製 4)軟化剤、出光興産(株)製 5)軟化剤、日本サン石油(株)製 6)老化防止剤、住友化学工業(株)製 7)老化防止剤、精工化学(株)製 8)〜12)架橋助剤。住友化学工業(株)製
【0048】
【表4】
【0049】応用例10〜13 ポリプロピレン(住友化学工業(株)製、住友ノーブレン
(登録商標) AW564、密度0.90g/cm3、メルトフ
ローレート9.0g/10分)100重量部に対して、実
施例の方法で得た櫛形ポリオールエーテル類(SPO)、
ポリりん酸アンモニウム(住友化学工業(株)製、スミセ
ーフ(登録商標)P、りん含有量31〜32重量%、窒素
含有量14〜16重量%)および/またはメラミン変性
ポリりん酸アミド(住友化学工業(株)製、スミセーフ(登
録商標) PM、りん含有量20〜21重量%、窒素含有
量32〜35重量%)、さらには酸化亜鉛または硼酸カ
ルシウムマグネシウムを表5に示す重量部数配合して、
ミキシングロールを用いて150〜160℃で20分間
練り込み、200℃、100kg/cm2で5分間熱プレス
して15cm×15cm×3mmのシート試験片を作成した。
該試験片について、JIS K7201の方法により求
めた酸素指数およびUL−94に規定する方法により行
った燃焼性試験の結果、さらには応用例1〜6と同じ方
法で評価した帯電防止性能の結果を表5に示す。
【0050】比較応用例6 応用例10〜13で使用したと同じポリプロピレンにつ
いて、櫛形ポリオールエーテル類(SPO)を配合しない
こと以外は応用例10〜13と同じ操作でシート試験片
を作成し、評価した結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の改質剤
は各種の樹脂やゴムとの相溶性が良好であるので、樹脂
やゴムに配合すると成形加工性と成形品の物性を改良す
ることができる。例えば表面抵抗が著しく低く、表面の
水洗や摩擦などによって影響されずに長期にわたり優れ
た帯電防止効果が維持される成形品を得ることができ
る。また、樹脂やゴムの種類や成形加工方法・条件によ
ってはその成形加工製品の生産性の改良も期待できる。
さらに本発明の改質剤は樹脂やゴムに配合される各種の
添加剤や充填・強化剤の分散性を高めるので、成形加工
性および成形品の物性改良に有効である。例えば窒素含
有縮合リン酸化合物および特定の含金属化合物と組み合
わせて樹脂やゴムに配合する場合には、対象となる樹脂
やゴムに優れた難燃性を付与できるのみならず、燃焼時
に有毒なガスを発生しないので、該樹脂やゴムの成形加
工製品を使用後に焼却処分する場合にも問題が少なく、
社会的にも非常に有意義なものである。また、同時に配
合された各種の添加剤や充填・強化剤との親和性が良い
のでそれらの表面へのブリードに起因する成形金型やロ
ールの汚染、および成形加工製品の表面外観の経時劣化
を抑制することも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の改質剤およびその原料のIR
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 21/14 (72)発明者 葭矢 誠秀 大阪府大阪市都島区毛馬町5−4−10 (72)発明者 古森 嘉幸 大阪府堺市原山台1−2−1−703 (72)発明者 山口 登 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 藤木 徹 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 安田 憲康 愛知県名古屋市中区錦一丁目11番18号 住 友化学工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン・無水マレイン酸共重合体
    と、(B)ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテル
    との反応生成物、および/または該反応生成物の金属塩
    を有効成分とする樹脂・ゴム用改質剤。
  2. 【請求項2】 スチレン・無水マレイン酸共重合体の数
    平均分子量が1,000〜400,000で、無水マレイ
    ン酸に対するスチレンの共重合モル比が1〜9である請
    求項1に記載の樹脂・ゴム用改質剤。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンオキシドモノアルキルエ
    ーテルが数平均分子量100〜5,000のポリエチレ
    ンオキシドモノメチルエーテルである請求項1または2
    に記載の樹脂・ゴム用改質剤。
  4. 【請求項4】 金属塩がリチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛の塩である
    請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂・ゴム用改質剤。
  5. 【請求項5】 樹脂またはゴムに帯電防止性を付与する
    ための請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂・ゴム用改
    質剤。
  6. 【請求項6】 樹脂またはゴムに難燃性を付与するため
    の請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂・ゴム用改質
    剤。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の樹脂・ゴム用改質剤お
    よび窒素含有縮合リン酸化合物を含んでなる難燃化用組
    成物。
  8. 【請求項8】 ブルームを防止するための請求項1〜4
    のいずれかに記載の樹脂・ゴム用改質剤。
  9. 【請求項9】 樹脂に改良された成形加工性を付与する
    ための請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂・ゴム改質
    剤。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂に対して請求項1〜6並
    びに8および9のいずれかに記載の改質剤を0.1〜2
    5重量%含んでなる熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 ゴムに対して請求項1〜6並びに8お
    よび9のいずれかに記載の改質剤を0.1〜25重量%
    含んでなるゴム組成物。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の熱可塑性樹脂組成
    物より構成される成形品。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のゴム組成物より構
    成される成形品。
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