JPH09137031A - 着色用顔料組成物 - Google Patents

着色用顔料組成物

Info

Publication number
JPH09137031A
JPH09137031A JP7293879A JP29387995A JPH09137031A JP H09137031 A JPH09137031 A JP H09137031A JP 7293879 A JP7293879 A JP 7293879A JP 29387995 A JP29387995 A JP 29387995A JP H09137031 A JPH09137031 A JP H09137031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
copolymer
coloring
resin
pigment composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7293879A
Other languages
English (en)
Inventor
Ippei Imagawa
一兵 今川
Masashi Koide
昌史 小出
Katsuyuki Ueki
克行 植木
Yasuaki Machida
安章 町田
Akiyoshi Iguchi
昭義 井口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP7293879A priority Critical patent/JPH09137031A/ja
Publication of JPH09137031A publication Critical patent/JPH09137031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】色相、着色力、分散性、引張強度や曲げ強度お
よび衝撃強度等の機械物性に優れた着色用顔料組成物の
提供。 【解決手段】α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸な
いしその無水物と他のα,β不飽和二重結合を有するモ
ノマーとを、JIS K−7206に定められたビカッ
ト軟化温度が300℃以下の樹脂またはワックスの存在
下で共重合して得られる共重合体(a)と、二塩基酸な
いしその無水物と反応し得る官能基を有するポリアルキ
レンオキサイド化合物(b)とを反応させてなる共重合
体(A)、および顔料(B)を含有することを特徴とす
る着色用顔料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷インキ、塗
料、熱可塑性樹脂等の着色材として有用な着色用顔料組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料や印刷インキの製造におい
て、顔料を塗料ビヒクルや印刷インキワニス中に分散さ
せたり、また水性湿潤ケーキから油性ビヒクルや油性ワ
ニス中へフラッシングしたりする際の分散剤またはフラ
ッシング剤として、例えば、ロジン石鹸、ロジン変性樹
脂、可塑剤、界面活性剤及び燐脂質であるレシチン等が
使用されてきた。しかし、例えば、塗料や印刷インキに
これらの分散剤やフラッシング剤が使用された場合、塗
膜の耐水性、耐熱性や耐候性等を低下させたり、ブリー
ド等により物性が低下する問題や、またレシチン等の天
然燐脂質を用いた場合には、酸化や酸敗により変質や腐
敗する等の問題があり、十分な効果が得られていないの
が現状である。
【0003】また熱可塑性樹脂の着色材には、顔料と分
散剤とを混合した粉末状のドライカラー、常温で液状の
分散剤中に顔料を分散させたリキッドカラーまたはペー
ストカラー、常温で固体の樹脂中に顔料を分散させたペ
レット状、フレーク状あるいはビーズ状のマスターバッ
チなどがあり、例えば、分散剤としては、ステアリン
酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、エ
チレンビスアマイド、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、およびこれらの誘導体、例えば酸変性
体や水酸基変性体からなるワックスや樹脂等が1種また
は2種以上が一般的に用いられてきた。
【0004】しかし、例えば、熱可塑性樹脂の着色材に
これらの分散剤が使用された場合、着色された熱可塑性
樹脂を10数ミクロン径で高速紡糸したり、フィルム化
する場合など高度な顔料分散が求められる場合には、上
述の分散剤では満足できないことがある。すなわち、顔
料分散不良による紡糸時の糸切れ、溶融紡糸機のフィル
ターの目詰まり、フィルムでの成形不良などである。こ
れらの問題を解決するために、熱可塑性樹脂の着色材の
加工方法の改良や強力混練機により顔料分散性を向上さ
せる努力が行われてきたが、いずれも十分な顔料分散能
を発揮するものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の種々
の欠点を改良し、色相、着色力、分散性、引張強度や曲
げ強度および衝撃強度等の機械物性に優れた着色用顔料
組成物を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸ないしその無水
物と他のα,β不飽和二重結合を有するモノマーとを、
JIS K−7206に定められたビカット軟化温度
(以下、軟化温度と略す)が300℃以下の樹脂または
ワックスの存在下で共重合して得られる共重合体(a)
と、二塩基酸ないしその無水物と反応し得る官能基を有
するポリアルキレンオキサイド化合物(b)とを反応さ
せてなる共重合体(A)(以下、共重合体(A)と略
す)、および顔料(B)を含有する着色用顔料組成物で
ある。また、本発明は、さらに軟化温度300℃以下の
樹脂またはその誘導体(C)(以下、樹脂またはその誘
導体(C)と略す)を含有する上記着色用顔料組成物で
ある。特に樹脂またはその誘導体(C)を含有する場合
においては、該着色用顔料組成物が、共重合体(A)5
〜80重量%,顔料(B)0.01〜90重量%,およ
び樹脂またはその誘導体(C)5〜94重量%を含有す
ることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、共重合体(A)
の酸価は、3〜500mgKOH/g(以下「mgKO
H/g」は省略する)の範囲であることが好ましい。酸
価が3未満では良好な顔料分散性,発色性が得られ難
く、また着色成形品に色ムラやフローマークが生じやす
い。また酸価が500を越えると顔料を凝集させるばか
りか吸湿しやすく成形品表面のシルバーストークや発泡
の原因ともなり、また被着色樹脂の耐候性,耐熱性に悪
影響を及ぼし易い。
【0008】共重合体(a)は、α,β不飽和二重結合
を有する二塩基酸ないしその無水物と他のα,β不飽和
二重結合を有するモノマーとからなる共重合体と、被着
色樹脂との相溶性に優れた軟化温度300℃以下の樹脂
ないしワックスとが互いに分子レベルで混和しており、
いわゆるIPN構造をとっていると推察される。そのた
め、共重合体(a)は、被着色樹脂との相溶性が良く、
顔料および樹脂の分散性を向上させている。その結果、
着色による機械物性の低下を防いでいる。共重合体
(a)は、溶液重合や塊状重合により製造することがで
きるが、これら重合方法及び反応操作において特に制限
されるものではない。
【0009】α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸な
いしその無水物としては、マレイン酸,フマル酸,イタ
コン酸,クロトン酸,シトラコン酸,無水マレイン酸,
無水イタコン酸,無水シトラコン酸等が挙げられ、1種
もしくは2種以上が用いられるが、無水マレイン酸が工
業的に有利である。
【0010】他のα,β不飽和二重結合を有するモノマ
ーとしては特に制限はなく、例えばα−オレフィン,ジ
オレフィン,アリルモノマー,N−ビニルモノマー,ビ
ニルエーテル,ビニルスルフィド,(メタ)アクリル酸
エステルモノマー及びその他の共重合可能なビニルモノ
マーまたはビニリデンモノマーが挙げられ、1種もしく
は2種以上が用いられる。
【0011】より具体的には、α−オレフィンとして
は、エチレン,プロピレン,ブチレン,イソブチレン,
ペンテン,1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オクテ
ン,1−ノネン,1−デセン,1−ドデセン,1−テト
ラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−
エイコセン,1−ドコセン,1−テトラコセン,1−ヘ
キサコセン,1−オクタコセン,1−トリアコンテン,
1−ドトリアコンテン,1−テトラトアコンテン,1−
ヘキサトリアコンテン,1−オクタトリアコンテン,1
−テトラコンテン等が挙げられる。市販品としては、ダ
イアレン128(C12〜18),ダイアレン208
(C20〜28),ダイアレン30(C30以上)(三
菱化学社製),バイパー2600(分子量2600),
バイパー2800(分子量2800)(東洋ペトロライ
ト社製)等がある。
【0012】ジオレフィンとしては、ブタジエン,イソ
プレン,ネオプレン,クロロプレン等が挙げられる。ア
リルモノマーとしては、酢酸アリル,酢酸イソプロペニ
ル,塩化アリル,塩化イソプロペニル,trans −塩化プ
ロペニル,cis −塩化プロペニル等が挙げられる。N−
ビニルモノマーとしては、N−ビニルカルバゾール,N
−ビニル−2−ピロリドン,N−ビニルフタルイミド等
が挙げられる。ビニルエーテルとしては、エチルビニル
エーテル,プロピルビニルエーテル,イソブチルビニル
エーテル,ヘキシルビニルエーテル等の直鎖または分岐
脂肪族のアルキルビニルエーテルやp−ジオキセン等が
挙げられる。
【0013】ビニルスルフィドとしては、エチルビニル
スルフィド,フェニルビニルスルフィド等が挙げられ
る。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル
酸ドデシル等の直鎖または分岐脂肪族アルコールのアク
リル酸エステル及び対応するメタクリル酸エステル等が
挙げられる。その他の共重合可能なビニルモノマーとし
ては、ビニルエステル、ビニルピリジン、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン,
β−メチルスチレン,アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0014】α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸な
いしその無水物と他のα,β不飽和二重結合を有するモ
ノマーとの共重合反応を行なう際に用いる樹脂またはワ
ックスは、軟化温度が300℃以下のものであり、被着
色樹脂と相溶性のあるものであれば良く、特に限定され
るものではない。軟化温度が300℃を越える樹脂は合
成時に溶融ないし溶解せず、IPN構造が形成され難い
ため好ましくない。
【0015】より具体的には、例えば、ポリオレフィン
系樹脂では、結晶性または非晶性ポリプロピレン,ポリ
ブテン−1,ポリペンテン−1,ポリ4−メチルペンテ
ン−1,低密度または高密度ポリエチレン,エチレン・
プロピレンのランダム、ブロックあるいはグラフト共重
合体,α−オレフィンとエチレンあるいはプロピレンの
共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・
アクリル酸メチル共重合体,エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合体,エチレン・アクリル酸共重合体等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。ま
た、ポリオレフィン系以外の樹脂では、ポリメチルペン
テン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレート,アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,アク
リロニトリル−EPDM−スチレン(AES)樹脂,ア
クリル系樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリア
セタール,ポリウレタン等の熱可塑性樹脂等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。
【0016】二塩基酸ないしその無水物と反応しうる官
能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)
(以下、ポリアルキレンオキサイド化合物(b)と略
す)としては、分子量が10000以下のものが好まし
く、分子量が10000を越えるものを共重合体(a)
に付加せしめた場合には、得られる共重合体(A)がタ
ッキーとなり取り扱い上の問題が生じる他、共重合体同
士の凝集効果により分散性が劣化する。ポリアルキレン
オキサイド化合物(b)は、共重合体(a)に含有され
るカルボキシル基ないしその無水物を、分子内に少なく
とも1つ以上の水酸基を持つポリアルキレンオキサイド
化合物によりエステル化、または少なくとも1つ以上の
アミノ基を持つポリアルキレンオキサイド化合物により
アミド化あるいはイミド化することにより共重合体
(a)に導入される。
【0017】ポリアルキレンオキサイド化合物(b)と
しては、例えば、エチレンオキサイド,プロピレンオキ
サイド,イソブチレンオキサイド,1-ブテンオキサイ
ド,2-ブテンオキサイド,α- オレフィンオキサイド,
トリメチルエチレンオキサイド,テトラメチルエチレン
オキサイド,ブタジエンオキサイド,スチレンオキサイ
ド,α- メチルスチレンオキサイド,1,1-ジフェニルエ
チレンオキサイド,エピフルオロヒドリン,エピクロロ
ヒドリン,エピブロモヒドリン,グリシドール,ブチル
グリシジルエーテル,ヘキシルグリシジルエーテル,ア
リルグリシジルエーテル,フェニルグリシジルエーテ
ル,2-クロロエチルグリシジルエーテル,o-クロロフェ
ニルグリシジルエーテル,エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル,ビスフェノールA ジグリシジルエーテ
ル,メタクリルクロリドエポキシド,シクロヘキセンオ
キサイド,ジハイドロナフタリンオキサイド,ビニルシ
クロヘキセンモノオキサイド,オキセタン,テトラヒド
ロピラン,1,4-エポキシシクロヘキサン,トリオキサ
ン,テトラオキサン,ペントオキサン,ヘキソキサン,
ジオキソラン,1,3-ジオキサン,ジオキサン,ブチレン
グリコールホマール等のアルキレンオキサイドないしホ
ルムアルデヒドを単独で重合あるいは複数を共重合して
得られる分子内に水酸基ないしアミノ基を有する化合物
およびその誘導体、C1〜C20のアルキル1 価アルコ
ールないしC1〜C20のアルキルフェノールないしエ
チレングリコールやプロピレングリコール,グリセリ
ン,トリメチロールプロパン,ソルビタン等の多価アル
コールに上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物
でその分子内に少なくとも1 つ以上の水酸基ないしアミ
ノ基を有する化合物およびその誘導体、C1〜C20の
脂肪酸ないし(メタ)アクリル酸ないしマレイン酸,フ
タル酸,コハク酸,アジピン酸等の多塩基酸およびその
無水物に上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物
でその分子内に少なくとも1つ以上の水酸基ないしアミ
ノ基を有する化合物およびその誘導体、1-プロパンアミ
ン,2-メチル-1- プロパンアミン,ステアリルアミン,
1,3-プロパンジアミン,ベンゼンメタンアミン等のアミ
ン類に上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物で
その分子内に少なくとも1つ以上の水酸基ないしアミノ
基を有する化合物およびその誘導体が挙げられ、これら
のうち1種ないし2種以上を用いることができる。
【0018】共重合体(a)に導入するポリアルキレン
オキサイド化合物(b)の量および種類は、本発明の着
色用顔料組成物の他の成分との相溶性および所望物性に
応じて適宜選択できる。共重合体(a)とポリアルキレ
ンオキサイド化合物(b)との反応は、公知の方法によ
り行うことができ、触媒としては、硫酸,塩酸,ベンゼ
ンスルホン酸,パラトルエンスルホン酸,メタンスルホ
ン酸,リン酸カルシュウム,塩化第二鉄,塩化亜鉛,ス
ズやチタンの有機金属塩等が挙げられるが、これら重合
方法及び反応操作において特に制限されるものではな
い。
【0019】本発明の着色用顔料組成物は、成形品等に
用いた場合に顔料の分散性及び着色力の向上に極めて大
きな効果を生ずるものであるが、分散性及び着色力が向
上する理由は、前記した様に被着色樹脂との相溶性に優
れているからのほか、共重合体(a)中のカルボキシル
基ないしその無水物、ならびにポリアルキレンオキサイ
ド化合物(b)中のポリアルキレンオキサイドに含有さ
れるエーテル基によって顔料に対する親和性が富むよう
になったからである。すなわち、共重合体(a)中のカ
ルボキシル基ないしその無水物、ならびにエーテル基と
顔料中の塩基性基等との間に極性的な結合が形成され、
その回りにポリオレフィンで包まれた保護コロイド的な
構造を取ることによって、顔料の凝集を防ぎ、分散性に
優れるようになったものと考えられる。さらに、ポリア
ルキレンオキサイドの導入により、共重合体(A)が可
塑化し、顔料との混和性が増したことや、ポリアルキレ
ンオキサイドのような長鎖の基を導入したことによっ
て、カルボキシル基ないしその無水物に由来する共重合
体−共重合体間の凝集が抑制されたことも顔料の分散性
及び着色力の向上に寄与していると考えられる。
【0020】上記のようにして得られる共重合体(A)
は、着色用顔料組成物中に5〜80重量%含有させるこ
とが好ましい。5重量%未満だと、分散性および着色力
において効果が弱く、80重量%を越えると被着色樹脂
中で凝集傾向にありフローマークの要因となりやすい。
【0021】本発明において、顔料(B)としては、有
機顔料および無機顔料があり、従来から熱可塑性樹脂の
着色に使用されている公知の顔料が使用できる。このよ
うな顔料としては、アゾ系,アントラキノン系,フタロ
シアニン系,キナクリドン系,イソインドリノン系,ジ
オキサン系,ベリレン系,キノフタロン系,ベリノン
系,などの有機顔料、硫化カドミウム,セレン化カドミ
ウム,群青,二酸化チタン,酸化鉄,酸化クロム酸塩,
カーボンブラックなどの無機顔料がある。着色用顔料組
成物中の顔料(B)の含有量が0.01重量%未満では
着色力が弱く、90重量%を越えると着色用顔料組成物
が脆くなり取り扱い難くなりやすい。
【0022】樹脂またはその誘導体(C)は、被着色樹
脂との相溶性をさらに増加させるため、または引張強
度,曲げ強度等の機械物性を補強するため、あるいは着
色用顔料組成物に可とう性を付与させるため配合され
る。樹脂またはその誘導体(C)は、その軟化温度が3
00℃以下であり、また被着色樹脂と相溶性のあるもの
であれば良く、特に限定されるものではない。樹脂また
はその誘導体(C)の軟化温度が300℃を越えると、
着色用顔料組成物の粘度が高過ぎるため、印刷インキや
塗料の着色に用いる場合に着色不良が発生したり、また
熱可塑性樹脂の着色に用いる場合に色ムラやフローマー
クが発生する場合がある。また、印刷インキや塗料及び
熱可塑性樹脂等の着色に用いる場合にブリードや耐候性
あるいは耐熱性等に悪影響を及ぼすことがある。樹脂ま
たは官能基変性、架橋変性、グラフト化及びブロック化
変性による誘導体(C)は、粉体状であってもペレット
状であっても良い。樹脂またはその誘導体(C)は、着
色用顔料組成物中に5〜94重量%含有させることが好
ましい。5重量%未満では配合しても効果が乏しく、9
4重量%を越えると相対的に他の成分が少なくなり、配
合においてバランスがとれない。
【0023】本発明の着色用顔料組成物は、ほとんどす
べてのポリオレフィン系樹脂の着色に供することがで
き、物性の向上を目的に無機フィラーやガラス繊維、有
機繊維などの強化材を含むものであっても良い。例え
ば、従来のマスターバッチを用いた着色では実現不可能
であった強度などの機械物性や耐熱性などへの悪影響な
しに色ムラのない均一な着色が実現可能となる。
【0024】本発明の着色用顔料組成物は、ポリオレフ
ィン系樹脂以外にポリメチルペンテン,ポリブテン−
1,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテレ
フタレート,ポリブチレンテレフタレート,アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,アクリ
ロニトリル−EPDM−スチレン(AES)樹脂,アク
リル系樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリアセ
タール,ポリウレタン等の熱可塑性樹脂にも配合するこ
とができる。
【0025】本発明の着色用顔料組成物の製造に際して
は、乾燥粉末顔料を用いてもよいし、あるいは顔料の水
性湿潤ケーキ(ウェットケーキ、フィルターケーキとも
言う)を使用してもよい。例えば、乾燥粉末顔料を用い
た場合、予め、この粉末顔料(B)と、共重合体(A)
の二成分とを、必要に応じて界面活性剤やその他添加剤
を加えて、ヘンシェルミキサー等で混合し、ニーダー、
ロールミル、押出機で溶融混練分散するか、あるいは、
予め粉末顔料(B)、共重合体(A)、水の三成分を、
必要に応じて界面活性剤やその他添加剤を加えて、ヘン
シェルミキサーやディスパー等で混合し、フラッシャ
ー、ニーダー、押出機、ロールミル、ボールミル、スチ
ールミル、サンドミル、アトライター、ハイスピードミ
キサー、ホモミキサー等に仕込み、加熱混練を行い、次
いで残留している水分の除去は、常圧または減圧下で蒸
発させて乾燥し、目的の着色用顔料組成物が得られる。
後者の方法は乾燥粉末顔料だけでなく水性湿潤ケーキを
使用した場合にも適用できる。樹脂またはその誘導体
(C)は、(A)(B)の混合・分散の後に、添加・混
合・分散してもよいし、(A)(B)と同時に混合・分
散してもよい。
【0026】本発明の着色用顔料組成物は、ほとんどす
べての塗料や印刷インキ、熱可塑性樹脂着色材の着色に
供することができ、例えば、ポリオレフィン樹脂、アク
リル樹脂、アルキッド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ABS樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリサルフォン樹脂やその他ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン等のエラストマーにも配合すること
ができる。本発明の着色用顔料組成物は、塗料、印刷イ
ンキ及び熱可塑性樹脂着色材以外に滑材、ホットメルト
樹脂、感熱インキ、接着剤等の着色の用途にも使用する
ことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ示す。
なお、軟化温度とは、JIS K−7206に準拠して
測定されたものである。
【0028】[製造例1]ポリプロピレン「三井ハイポ
ールJ900P」(三井石油化学工業社製,軟化温度:
165℃)43.8部およびα- オレフィン「ダイアレ
ン124」(三菱化学社製,C12〜14混合物)6
4.9部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した
後、160℃に加熱し、ジ- t- ブチルパーオキサイド
0.44部を20分毎に0.11部ずつ、また無水マレ
イン酸37.2部を5分毎に3.1部ずつ添加した。添
加終了後、系の温度を180℃に昇温して1時間後と3
時間後にジ- t- ブチルパーオキサイド0.22部を添
加した。その後さらに3時間反応せしめ、酸価287の
共重合体を得た。
【0029】[製造例2]ポリプロピレン「三井ハイポ
ールJ900P」(三井石油化学工業社製,軟化温度:
165℃)701.1部および1−オクタデセン75
7.4部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した
後、150℃に加熱し、無水マレイン酸294.2部を
5分毎に24.5部ずつ、またジ- t- ブチルパーオキ
サイド3.6部を20分毎に0.9部ずつ添加した。添
加終了後、系の温度を160℃に昇温して1時間後と3
時間後にジ- t- ブチルパーオキサイド1.8部を添加
した。その後さらに3時間反応せしめ、酸価192の共
重合体を得た。
【0030】[製造例3]製造例1で得られた共重合体
400部,ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
(平均分子量750)154部を反応釜に仕込み、窒素
気流下180℃に加熱し、パラトルエンスルフォン酸ナ
トリウム0.4部を添加した。そして、真空ポンプで減
圧下5時間反応せしめ、酸価165の共重合体を得た。
【0031】[製造例4]製造例2で得られた共重合体
400部,ポリプロピレングリコールモノメタクリレー
ト(平均分子量806)5.4部を反応釜に仕込み、窒
素気流下140℃に加熱し、パラトルエンスルフォン酸
ナトリウム0.4部を添加した。そして、真空ポンプで
減圧下4時間反応せしめ、酸価186の共重合体を得
た。
【0032】[製造例5]ポリエチレンワックス「NL
500」(三井石油化学工業社製,軟化温度:91℃)
1309.5部およびN−ビニルカルバゾール579部
を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、16
0℃に加熱し、ジ- t- ブチルパーオキサイド2.72
部を20分毎に0.68部ずつ、また無水マレイン酸2
94部を5分毎に24.5部ずつ添加した。添加終了
後、系の温度を180℃に昇温して1時間後と3時間後
にジ- t- ブチルパーオキサイド1.36部を添加し
た。その後さらに3時間反応せしめた後、ポリ(プロピ
レングリコール- b- エチレングリコール)(Aldrich
社製,平均分子量2800)838部,パラトルエンス
ルフォン酸ナトリウム0.873部を添加した。そし
て、真空ポンプで減圧下4時間反応せしめ、酸価73の
共重合体を得た。
【0033】[製造例6]ポリプロピレン「三井ハイポ
ールJ800」(三井石油化学工業社製,軟化温度:1
66℃)2916.7部およびα- オレフィン「ダイア
レン208」(三菱化学社製,C20〜28混合物)6
38部、メチルメタクリレート200部を反応釜に仕込
み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に加熱し、
ジ- t- ブチルパーオキサイド2.12部を20分毎に
0.53部ずつ、また、無水マレイン酸412部を5分
毎に34.3部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を
180℃に昇温して1時間後と3時間後にジ- t- ブチ
ルパーオキサイド1.06部を添加した。その後さらに
3時間反応せしめた後、ポリ(プロピレングリコール)
ビス(2-アミノプロピルエーテル)(平均分子量40
0)96.6部を添加し、5時間反応せしめ、酸価57
の共重合体を得た。
【0034】[製造例7]ポリエチレン「UJ790
G」(三菱化学社製,軟化温度:90℃)1197部お
よびフェニルビニルスルフィド504部を反応釜に仕込
み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に加熱し、
ジ- t- ブチルパーオキサイド2.72部を20分毎に
0.68部ずつ、また無水マレイン酸294部を5分毎
に24.5部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を1
80℃に昇温して1時間後と3時間後にジ- t- ブチル
パーオキサイド1.36部を添加した。その後さらに3
時間反応せしめた後、ポリオキシメチレンモノメチルエ
ーテル(平均分子量500)600部,パラトルエンス
ルフォン酸ナトリウム0.798部を添加した。そし
て、真空ポンプで減圧下4時間反応せしめ、酸価76の
共重合体を得た。
【0035】[製造例8]PP/PEワックス「APA
O UT2585」(宇部レキセン社製,軟化温度:6
5℃)596部および酢酸イソプロペニル302部を反
応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃
に加熱し、ジ- t- ブチルパーオキサイド2.72部を
20分毎に0.68部ずつ、また無水マレイン酸294
部を5分毎に24.5部ずつ添加した。添加終了後、系
の温度を180℃に昇温して1時間後と3時間後にジ-
t- ブチルパーオキサイド1.36部を添加した。その
後さらに3時間反応せしめた後、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルリン酸エステル「RE960」
(東邦化学工業社製,平均分子量2502)295部,
パラトルエンスルフォン酸ナトリウム0.596部を添
加した。そして、真空ポンプで減圧下4時間反応せし
め、酸価163の共重合体を得た。
【0036】[製造例9]ブタジエン- 無水マレイン酸
共重合体「BMA」(日本石油化学社製:酸価700)
400部,ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
(平均分子量5000)250部を反応釜に仕込み、窒
素気流下180℃に加熱し、パラトルエンスルフォン酸
ナトリウム0.4部を添加し、真空ポンプで減圧下5時
間反応せしめ、酸価430の共重合体を得た。
【0037】[製造例10]ポリプロピレンワックス
「ビスコール330P」(三洋化成工業社製,軟化温
度:139℃)3999.6部およびα- オレフィン
「ダイアレン124」(三菱化学社製,C12〜14混
合物)18.1部,α−オレフィン「バイパー260」
(東洋ペトロライト社製,分子量2600)938.1
3部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、
160℃に加熱し、ジ- t- ブチルパーオキサイド0.
524部を20分毎に0.131部ずつ、また無水マレ
イン酸43.68部を同じく5分毎に3.64部ずつ添
加した。添加終了後、系の温度を180℃に昇温して1
時間後と3時間後にジ- t- ブチルパーオキサイド0.
262部を添加した。その後さらに3時間反応せしめた
後、末端アミン変性アルキレンオキサイド「ジェファー
ミンM600」(三石テキサコケミカル社製,平均分子
量600)160.4部を添加し、真空ポンプで減圧下
5時間反応せしめ、酸価6の共重合体を得た。
【0038】[製造例11]ポリエチレン「スミカセン
G−808」(住友化学工業社製,軟化温度:78℃)
428.6部およびα- オレフィン「ダイアレン30」
(三菱化学社製,C30以上混合物)300部,α−オ
レフィン「バイパー260」(東洋ペトロライト社製,
分子量2600)612.56部を反応釜に仕込み、撹
拌しながら窒素置換した後、160℃に加熱し、ジ- t
- ブチルパーオキサイド1.064部を20分毎に0.
266部ずつ、また無水マレイン酸87.48部を同じ
く5分毎に7.29部ずつ添加した。添加終了後、系の
温度を180℃に昇温して1時間後と3時間後にジ- t
- ブチルパーオキサイド0.266部を添加した。その
後さらに3時間反応せしめた後、末端アミン変性アルキ
レンオキサイド「ジェファーミンM1000」(三石テ
キサコケミカル社製,平均分子量1000)89.11
部を添加し、真空ポンプで減圧下5時間反応せしめ、酸
価62の共重合体を得た。
【0039】[製造例12]製造例1で得られた共重合
体400部,高級アルキルアルコール「ユニリン70
0」(東洋ペトロライト社製,平均分子量700)14
3.2部を反応釜に仕込み、窒素気流下180℃に加熱
し、パラトルエンスルフォン酸ナトリウム0.4部を添
加した。そして、真空ポンプで減圧下5時間反応せし
め、酸価168の共重合体を得た。
【0040】[製造例13]製造例1で得られた共重合
体400部,ポリエチレングリコール(Aldrich 社製,
平均分子量10000)102.3部を反応釜に仕込
み、窒素気流下180℃に加熱し、パラトルエンスルフ
ォン酸ナトリウム0.4部を添加した。そして、真空ポ
ンプで減圧下5時間反応せしめ、酸価206.5の共重
合体を得た。
【0041】[製造例14]ポリエチレン「ペトロセン
356」(東ソー社製,軟化温度:74℃)67.4部
およびスチレン312部,トルエン1000部を反応釜
に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、120℃に加
熱し、1,1−ビス(t −ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン9.8部を20分毎に
2.45部ずつ、また無水マレイン酸294.2部を同
じく5分毎に24.52部ずつ添加した。添加終了後、
系の温度を150℃に昇温して1時間後と3時間後に
1,1−ビス(t −ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン4部を添加した。その後さらに
3時間反応せしめた後、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル「エポライト400E」(共栄社化学社
製,平均分子量527)15.8部を添加し、5時間反
応せしめ、酸価482の共重合体を得た。
【0042】[製造例15]エチレン・酢酸ビニル共重
合体樹脂「スミテートHE10」(住友化学工業社製,
軟化温度:40℃)1197部およびフェニルビニルス
ルフィド504部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素
置換した後、160℃に加熱し、ジ- t- ブチルパーオ
キサイド2.72部を20分毎に0.68部ずつ、また
無水マレイン酸294部を5分毎に24.5部ずつ添加
した。添加終了後、系の温度を180℃に昇温して1時
間後と3時間後にジ- t- ブチルパーオキサイド1.3
6部を添加した。その後さらに3時間反応せしめた後、
ポリオキシメチレンモノメチルエーテル(平均分子量5
00)600部,パラトルエンスルフォン酸ナトリウム
0.798部を添加した。そして、真空ポンプで減圧下
4時間反応せしめ、酸価76の共重合体を得た。
【0043】(実施例1) 製造例3で得られた共重合体 30部 フタロシアニンブルー「リオノールブル−FG7330」 (東洋インキ製造社製) 50部 ポリプロピレン「三井ノーブレンJH−G」 (三井東圧化学社製,軟化温度:163℃) 20部 上記3成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65m
mの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロピレ
ン「三井ノーブレンJH−G」100部に、得られたマ
スターバッチ2部を混合して、縦型テスト紡糸機(富士
フィルター社製スピニングテスター)にて、ホッパー下
230℃、混練部、ダイス部230℃にて紡糸後3倍延
伸を行い、5デニールのポリプロピレン繊維を得た。紡
糸性、目詰まり性、延伸性共問題なく良好な分散性を示
した。未分散顔料の目詰まり性を比較するために、得ら
れたマスターバッチ23.3部をポリプロピレン「三井
ノーブレンJH−G」100部に混合し、先端に500
メッシュの金網を装着したスクリュー径が30mmの単
軸押出機で混合物を3Kg押し出し、先端部での圧力上
昇値を測定し、未分散顔料の目詰まり性をそれぞれ評価
した。また、顔料の分散発色性を比較するために、得ら
れたマスターバッチ2部を酸化チタンマスターバッチ
「TET12534W−T」(東洋インキ製造社製)5
部とポリプロピレン「三井ハイポールJ800」(三井
石油化学工業社製,軟化温度:166℃)100部に配
合したものを2本ロールミルで混練し冷却プレスで2m
m厚のプレートに成形した。次に、色差計KURABO
Color−7E(KURABO社製)を用いて波長
640nmの反射率を測定し、その反射率におけるKu
belka−Munk関数値(k/s値)を求め、発色
強度とした。以上の結果を表1に示す。さらに、軟化温
度:140℃のポリエチレン「ハイゼックス2100
J」(三井石油化学工業社製)100部に、得られたマ
スターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0K
g/cm2 でプレートに成形した。得られた成形品の機
械的物性,表面の色ムラおよび顔料分散性度を評価した
結果およびマスターバッチの生産性を表2にまとめる。
【0044】(実施例2)製造例3で得られた共重合体
の代わりに製造例4で得られた共重合体を用いた以外は
実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。この際ス
トランド切れや脈流を生じることなしに順調にマスター
バッチを得ることができ、さらに得られたマスターバッ
チを用いて実施例1と同様に紡糸を行ったが、紡糸性、
目詰まり性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。
実施例1と同様にして各種評価をした。結果を表1、2
に示す。
【0045】(比較例1〜2)製造例3で得られた共重
合体の代わりに製造例1(比較例1)、製造例2(比較
例2)で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同
様にしてマスターバッチを得た。この際ストランド切れ
や脈流を生じることなしに順調にマスターバッチを得る
ことができ、さらに得られたマスターバッチを用いて実
施例1と同様に紡糸を行ったところ、紡糸性、目詰まり
性、延伸性共に問題なかったが、色の濃度は実施例1や
2に比べ薄かった。実施例1と同様にして各種評価をし
た。結果を表1、2に示す。
【0046】(比較例3)製造例3で得られた共重合体
の代わりに製造例12で得られた共重合体を用いた以外
は実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。この際
ストランド切れや脈流を生じることなしに順調にマスタ
ーバッチを得ることができた。さらに得られたマスター
バッチを用いて実施例1と同様に紡糸を行ったところ目
詰による糸切れが発生した。実施例1と同様にして各種
評価をした。結果を表1、2に示す。
【0047】(比較例4)製造例3で得られた共重合体
の代わりにポリプロピレンワックス「ビスコール55
0」(三洋化成工業社製,軟化温度:127℃)を用い
た以外は実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。
この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順調に
マスターバッチを得ることができた。さらに得られたマ
スターバッチを用いて実施例1と同様に紡糸を行ったと
ころ、目詰まりによる糸切れが発生した。実施例1と同
様にして各種評価をした。結果を表1、2に示す。
【0048】(実施例3) 製造例5で得られた共重合体 30部 酸化チタン「タイペークCR−80」(石原産業社製) 50部 カーボンブラック「三菱カーボンMA−100」 (三菱化学社製) 5部 ポリエチレン「スミカセンG−808」 (住友化学工業社製,軟化温度:78℃) 15部 上記4成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65m
mの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。実施例1と同
様にしてプレートを成形し、各種評価をした。結果を表
2に示す。
【0049】(比較例5)製造例5で得られた共重合体
の代わりにポリエチレンワックス「サンワックス165
P」(三洋化成工業社製)を用いた以外は実施例2と同
様にしてマスターバッチを得た。この際ストランド切れ
や脈流を生じることなしに順調にマスターバッチを得る
ことができた。実施例1と同様にしてプレートを成形
し、各種評価をした。結果を表2に示す。
【0050】(実施例4) 製造例6で得られた共重合体 40部 酸化チタン「タイピュアR−101」 (E.I.デュポン社製) 20部 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業社製) 40部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。タルク2
0%を含有するポリエチレン組成物100部に、得られ
たマスターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧
0Kg/cm2 でプレートを成形し、実施例1と同様に
して各種評価をした。結果を表2に示す。
【0051】(実施例5) 製造例7で得られた共重合体 5部 キナクリドンレッド 「ファストゲン スーパー マゼンタ RE03」 (大日本インキ化学工業社製) 20部 ポリエチレン「UJ790G] (三菱化学社製,軟化温度:90℃) 60部 ポリエチレンワックス「NL500」 (三井石油化学工業社製,軟化温度:91℃) 15部 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。実施例4
と同様にしてプレートを成形し、各種評価をした。結果
を表2に示す。
【0052】(比較例6) ポリプロピレン「三井ハイポールJ740」 (三井石油化学工業社製,軟化温度:161℃) 10部 ポリプロピレンワックス「ビスコール550P」 (三洋化成工業社製,軟化温度:127℃) 30部 酸化チタン「タイピュアR−101」 (E.I.デュポン社製) 20部 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業社製) 40部 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得ようとしたが、この際ストランド切れや脈流を生
じ、連続して順調にペレット形状の良好なマスターバッ
チを得ることができなかった。実施例4と同様にしてプ
レートを成形し、各種評価をした。結果を表2に示す。
【0053】(実施例6) 製造例8で得られた共重合体 5部 フタロシアニングリーン「リオノールグリーン Y−102」 (東洋インキ製造社製) 1部 ポリエチレン「ミラソン68」 (三井石油化学工業社製,軟化温度:84℃) 94部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリエチ
レン「ミラソン11P」(三井石油化学工業社製)10
0部に、得られたマスターバッチ5部を混合して、射出
成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレートを成形し、実
施例1と同様にして各種評価をした。結果を表2に示
す。
【0054】(実施例7) 製造例9で得られた共重合体 29部 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエロー GR] (チバガイギー社製) 1部 ポリエチレン「UJ790G」 (三菱化学社製,軟化温度:90℃) 70部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。タルク2
0%を含有するポリエチレン組成物100部に、得られ
たマスターバッチ5部を混合して、射出成形機にて背圧
0Kg/cm2 でプレートを成形し、実施例1と同様に
して各種評価をした。結果を表2に示す。
【0055】(実施例8) 製造例10で得られた共重合体 60部 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエロー GR] (チバガイギー社製) 35部 ポリプロピレン「三井ハイポールJ900P」 (三井化学工業社製,軟化温度:165℃) 5部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン「三井ハイポールJ800」(三井石油化学工業
社製)100部に、得られたマスターバッチ3部を混合
して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレートに
成形し、実施例1と同様にして各種評価をした。結果を
表2に示す。
【0056】(実施例9) 製造例10 で得られた共重合体 20部 フタロシアニンブルー「リオノールブルー7110V」 (東洋インキ製造社製) 70部 ポリエチレン「スミカセンG801」 (住友化学工業社製,軟化温度:83℃) 10部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ850」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ3部
を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレ
ートに成形し、実施例1と同様にして各種評価をした。
結果を表2に示す。
【0057】(実施例10) 製造例13で得られた共重合体 30部 フタロシアニンブルー「リオノールブルー7110V」 (東洋インキ製造社製) 50部 ポリエチレン「スミカセンG801」 (住友化学工業社製,軟化温度:83℃) 20部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ850」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ3部
を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレ
ートに成形し、実施例1と同様にして各種評価をした。
結果を表2に示す。
【0058】(実施例11) 製造例14で得られた共重合体 5.99部 フタロシアニングリーン「リオノールグリーン 2Y−301」 (東洋インキ製造社製) 0.01部 ポリエチレン「ペトロセン 356」 (東ソー社製,軟化温度:74℃) 94部 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ740」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ10
部を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプ
レートに成形し、実施例1と同様にして各種評価をし
た。結果を表2に示す。
【0059】(実施例12) 製造例15で得られた共重合体 80部 フタロシアニンブルー「リオノールブルー LB−POBS」 (東洋インキ製造社製) 20部 上記2成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。エチレン
・酢酸ビニル共重合体樹脂「サンテックEVA」(旭化
成工業社製)100部に、得られたマスターバッチ10
部を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプ
レートに成形し、実施例1と同様にして各種評価をし
た。結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】 *1 無着色樹脂の機械物性(100 %)に対するマスター
バッチで着色された樹脂の機械的物性の保持率。 ○:96%以上 △:90〜96% ×:90%以下 *2 成型品表面の色ムラを目視で評価した。 ○:色ムラなし △:色ムラ少々あり ×:色ムラ顕著 *3 被着色樹脂100 部とマスターバッチ3 部を配合した
混練物をプレス温度170℃の条件下でプレス加工し、 0.
1mm厚さのフィルムを得た。得られたフィルム中の顔
料の粗大粒子の大きさとその数をLuzex450画像処理機
(東洋インキ社製)で測定した。 5:50μm以下の粒子数 700個/cm2 未満 4:50μm以下の粒子数 700〜1000個/cm2 3:50μm以下の粒子数 1000〜7000個/cm2 2:50μm以下の粒子数 7000〜27000 個/cm2 1:50μm以下の粒子数 27000個/cm2 以上 *4 スクリュー直径65mmの押出成型機によるマスター
バッチの生産性。 ○:良好 ×:不良
【0062】(実施例13) 製造例11で得られた共重合体 150部 ベンジジンイエローの水性湿潤ケーキ(顔料分:37%) 300部 「リオノールイエローGGT」(東洋インキ製造社製) ポリエチレン「スミカセンG808」 20部 (住友化学工業社製、軟化温度:78℃) 上記3成分をニーダーに入れて、150℃に加熱して混
練した。20分後に共重合体が軟化すると共に、水分は
蒸発し、顔料水性湿潤ケーキ中の顔料に共重合体が吸着
して転送して次第に高粘度となった。更に上記の顔料の
水性湿潤ケーキを300部を添加し、引き続き加熱混練
すると、残留水分が蒸発するに伴い、1時間後に極めて
高粘度となり、フラッシング及び分散が完了した。続い
て、常温まで急激に冷却を開始し、混練に引き続き粉砕
を行い、数mmの粒子径になったところで着色用顔料組
成物を取り出して作業を終了させた。次に、この着色用
顔料組成物50部とジエチルエタノールアミン2.5
部、水47部及び消泡剤(シリコーンエマルジョン)
0.5部をディスパーに仕込み、溶解、分散させた。更
に、この組成物75部に対し、ポリエチレンワックス
「トプコPW−M−10」(東洋ペトロライト社製)
2.5部、及び製造例2で得られた共重合体22.5部
を添加して引き続き分散を行い、インキ化を完了した。
この印刷インキは粘度18秒(ザーンカップ#4:離合
社製)で、保存安定性良好であった。この印刷インキを
水あるいは水/イソプロピルアルコール(1/1)の希
釈剤で、エース紙(十條製紙社製)にフレキソあるいは
グラビア印刷を行ったところ、いずれも印刷適性が良好
であり、極めて強光沢の印刷物を得ることができた。
【0063】(比較例7)製造例11で得られた共重合
体の代わりにロジングリセリンエステル「エステルガム
H」(荒川化学工業社製)を用いた以外は実施例13と
同様にして、若干の臭気があるものの粘度20秒(ザー
ンカップ#4)の印刷インキを得た。実施例13と同様
に印刷を行ったところ、実用上問題はないが印刷適性及
び印刷効果が実施例13に比べて劣り、特に光沢がかな
り劣っていた。
【0064】(実施例14) 製造例15で得られた共重合体 120部 フタロシアニンブルーの水性湿潤ケーキ(顔料分:46%) 「リオノールブルーFG7334P」(東洋インキ製造社製) 650部 エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂「スミテートHE10」 (住友化学工業社製,軟化温度:40℃) 20部 25%アンモニア水 280部 イソプロピルアルコール 50部 上記4成分をボールミルに入れて、20時間分散混練し
て、着色用顔料組成物水性分散体を作成した。得られた
着色用顔料組成物水性分散体は、顔料の凝集や沈降もな
く良好な分散状態だった。次に、この着色用顔料組成物
水性分散体100部とジエチルエタノールアミン2.5
部及び消泡剤(シリコーンエマルジョン)0.5部をデ
ィスパーに仕込み、混合、分散させた。更にこの組成物
75部に対し、ポリエチレンワックス「トプコPW−M
−10」2.5部及び製造例6で得られた共重合体2
2.5部を添加して引き続き分散を行い、インキ化を完
了した。この印刷インキは粘度16秒(ザーンカップ#
4)で、保存安定性良好であった。実施例13と同様に
印刷を行ったところ、実用上問題はなかった。
【0065】(比較例8)製造例15で得られた共重合
体の代わりに水添ロジン「ステベライト」(理化ハーキ
ュレス社製)を用いた以外は実施例14と同様にして、
若干の臭気があるものの粘度25秒(ザーンカップ#
4)の印刷インキを得た。実施例13と同様に印刷を行
ったところ、実用上問題はなかった。実施例13、14
及び比較例7、8について、詳細な結果を表3に示す。
【0066】
【表3】 版かぶり:シリンダー表面をドクターで掻ききれないた
め、表面が汚れ、無字部分にインキが転写されること。 版詰まり,ロール目詰:凹版やゴムロールの版が詰まる
こと。 からみ :インキが滲んだり、印字内や印字間に斑点状
の汚れが付着すること。 ロール目:筋目または縞目と呼ばれる、インキ量の少な
い白い線が出ること。 泳ぎ :均一にきれいに印刷されず、斑点状や液状に
濃度がムラになること。 光沢 :デジタル光度計「GM−26D」(村上色彩
社製)を使用して反射角60度で測定した。
【0067】(実施例15) 製造例14で得られた共重合体 40部 酸化チタン「タイペークCR−50」(石原産業社製) 100部 群青「グンジョウ#2000」(第一化成工業社製) 1部 キナクリドンレッド「シンカシャレッドYRT759D」 (チバ・ガイギー社製) 1部 アクリル樹脂(軟化温度:100℃) 33部 ブチルセロソルブ 80部 上記6成分をディスパーで1時間撹拌し、次にサンドミ
ルで1時間混練分散して顔料分40%の顔料ペースト
(着色用顔料組成物)を作成した。なお、上記アクリル
樹脂の組成は、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル
/スチレン/メタクリル酸=20/40/32/8重量
%である。この顔料ペースト100部に上記のアクリル
樹脂7部、アミノ樹脂「サイメル303」(三井サイア
ナミッド社製)3部及びブチルセロソルブ133部を加
えてよく混和し、顔料分0.16%のアクリル焼き付け
塗料を得た。更にブリキ板にスプレーコーターで塗布
し、オーブンで200℃10分間焼き付けを行った。塗
装性は良好であった。
【0068】(比較例9)製造例14で得られた共重合
体の代わりに実施例15で使用したアクリル樹脂を用い
た以外は実施例15と同様にして顔料ペーストを得た。
得られた顔料ペーストを実施例15と同様にアクリル樹
脂、アミノ樹脂及びブチルセロソルブを加えて焼き付け
塗料を得、塗装を行った。この際、実施例15に比べて
表面平滑性が若干劣っていた。
【0069】(実施例16) 製造例8で得られた共重合体 40部 カーボンブラック「MB−45」(三菱化学社製) 60部 ポリブチレンテレフタレート「ノバデュール5010R3」 6部 (三菱エンジニアリングプラスチック社製,軟化温度:210℃) ジメチルホルムアミド 14部 2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール 1部 上記4成分をニーダーに仕込み、加熱混練を行う。内容
物が粘性流動状になったら冷却を始め、1時間混練を行
う。次いで水25部を加えて混練物を析出させて、加圧
しながらニーダー中で素粉砕する。これを取り出し、7
0℃の熱風乾燥機中で12時間乾燥することにより顔料
ペースト(着色用顔料組成物)を得た。得られた着色用
顔料組成物20部にキシレン80部を加えてよく混和す
ることにより、顔料ペーストを得た。これは容易に溶解
分散した。この顔料ペースト20部にキシレン6部、実
施例15で使用したアミノ樹脂92部を加えてよく混和
し、分散性の優れた黒色の焼き付け塗料が得られた。実
施例15と同様に280℃で焼き付けを行ったところ塗
装性は良好であった。
【0070】(比較例10)製造例8で得られた共重合
体の代わりにロジンペンタエリスリトールエステル「ハ
リエスターP」(播磨化成工業社製)を用いた以外は実
施例16と同様にして着色用顔料組成物を得た。得られ
た着色用顔料組成物を用いて実施例16と同様にして焼
き付け塗料を得、塗装を行った。この際、塗膜表面に凝
集物が発生した。実施例15、16及び比較例9、10
について、塗膜の光沢、色相の鮮明性、着色性及び分散
性を評価した。詳細な結果を表4に示す。
【0071】
【表4】 光沢 :デジタル光度計「GM−26D」(村上
色彩社製)を使用して反射角60度で測定した。 色相の鮮明性:塗膜表面に顔料ペーストに起因する荒れ
が無く平滑であり、また色ムラや縞模様が現れないこ
と。 着色性 :塗膜の発色度合い(色の濃さ)を目視で
判定した。 分散性 :グラインドゲージにて目視判定を行っ
た。
【0072】(実施例17) 製造例15で得られた共重合体 35部 フタロシアニンブルーの水性湿潤ケーキ(顔料分:35%) 「リオノールブルーSM」 (東洋インキ製造社製) 1030部 エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂 5部 「ソアライトK」(日本合成化学工業,軟化温度:162℃) ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ 5部 キシレン 90部 水 600部 上記5成分をディスパーに入れ、混合分散して顔料水性
ペーストを作成した。次にこの顔料水性ペーストをフラ
ッシャーに入れ、150℃に昇温しながら撹拌した。水
分は蒸発し、内容物が高粘度となってきたところで取り
出し、スプレードライヤーで乾燥させて着色用顔料組成
物を得た。得られた着色用顔料組成物17部にカルナバ
ワックス(融点:83℃)79部、パラフィンワックス
(融点:55℃)17部及び製造例6で得られた共重合
体の15%MEK溶液113部を加え、ガラスビーズの
入ったアトライターで2時間分散して感熱インキを作成
した。この感熱インキを厚さ6mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、ソルベントコーティング法に
よって、乾燥後の塗布厚が4μmとなるように100℃
2分間の条件で塗工して、熱転写記録媒体を得た。塗工
性は良好であった。
【0073】(比較例11)製造例15で得られた共重
合体の代わりに重合ロジン「ペンタリンCJ」(理化ハ
ーキュレス社製)を用いた以外は実施例17と同様にし
て着色用顔料組成物を得た。得られた着色用顔料組成物
を用いて、製造例6で得られた共重合体の代わりにポリ
スチレン樹脂「エスブライト500SB」(住友化学工
業社製)のキシレン15%溶液を用いた以外は実施例1
7と同様にして感熱インキを作成し、感熱転写記録媒体
を得た。塗工性は良好であったが、若干の臭気があっ
た。
【0074】(実施例18) 製造例15で得られた共重合体 70部 カーボンブラック「三菱カーボンMA−100」 20部 (三菱化学社製) エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂「DQDJ−7197」 10部 (日本ユニカー社製,軟化温度:38℃) 上記2成分を混合し、3本ロールミルで160℃で加熱
混練をしてミルベース(着色用顔料組成物)を得た。得
られたミルベースを用いて実施例17と同様にして感熱
インキを作成し、感熱転写機録媒体を得た。塗工性は良
好であった。
【0075】(比較例12)製造例15で得られた共重
合体の代わりにマイクロクリスタリンワックス(mp:
75℃)を用いた以外は実施例18と同様にして着色用
顔料組成物を得た。得られた着色用顔料組成物を用い
て、製造例17で得られた共重合体の代わりにアクリロ
ニトリル・スチレン共重合体樹脂「TTR−02」(藤
倉化成社製)のキシレン15%溶液を用いた以外は実施
例17と同様にして感熱インキを作成し、感熱転写記録
媒体を得た。塗工性は良好であった。実施例17、18
及び比較例11、12で得られた感熱転写記録媒体につ
いて、転写エネルギー感度及び転写画像品質を温度:6
0〜140℃、圧力:2kg/cm、熱圧着時間:3秒
の条件下で熱傾斜試験器「HG−100」(東洋精機製
作所社製)と、印字速度:60字/秒、8ドットのサー
マルヘッドを持つ高密度のサーマルプリンターとで評価
した。また転写インキ面の耐摩擦性は、板紙耐摩耗試験
機(熊谷理機工業社製)を用いて、平滑度が5〜10秒
であるラフ紙に対する耐摩擦性を温度:23℃、荷重:
500gw/cm、摩擦回数:100往復の条件下で評
価した。受像紙としては熱転写紙、ミラーコート紙及び
OHPシートを使用した。詳細な結果を表5に示す。
【0076】
【表5】 転写画像品質:画像の濃度ムラ、均一性、鮮明性及びラ
ンダムブリッジ、ボイドの発生について、拡大写真等に
より目視評価した。 耐摩擦性 :転写画像部のインキが摩擦紙に付着する
割合を目視で判定した。 転写エネルギー感度:転写画像濃度の飽和時の転写エネ
ルギー 転写画像濃度:べた印字部の飽和画像反射濃度値。測定
は、マクベス反射濃度計で行った。
【0077】(実施例19〜20) 製造例8,10で得られた共重合体 100部 カーボンブラック「三菱カーボン#10」(三菱化学社製) 10部 負帯電制御剤「ポントロンE81」(オリエント化学社製) 3部 ポリプロピレンワックス「ビスコール550P」 2部 (三洋化成工業社製) ポリスチレン「エスブライト2V」 5部 (昭和電工社製,軟化温度:79℃) 上記5成分を混合し、2本ロールミルで130℃で加熱
混練をしてミルベースを得、これをハンマーミルで粗粉
砕し、続いてジェットミルで微粉砕した後分級して、平
均粒子径13μmのトナー(着色用顔料組成物)を得
た。得られたトナーを酸化鉄粉「EFV200」(日本
鉄粉社製)をキャリアとして混合し、トナー濃度5%の
現像剤を作成した。
【0078】(比較例13)製造例8,10で得られた
共重合体の代わりにm−キシレンビスステアリン酸アミ
ド「スリパックスZXS」(日本化成社製)を用いた以
外は実施例19と同様にしてトナーを得た。得られたト
ナーを用いて実施例19と同様にし現像剤を作成した。
【0079】実施例19〜20及び比較例13で得られ
た現像剤を複写機「NC3000」(コピア社製)を改
造した現像機に入れて、A4用紙で1/3が黒べたの未
定着画像を作成した。続いてこれを上部がテフロン、下
部がシリコンゴムの加熱ロール式定着試験機を用い、ロ
ール温度が100〜240℃まで段階的に変化させ、線
速800cm/分で通して定着評価を行った。定着性
は、定着画像にセロテープを貼って引き剥がし、そのI
D(画像濃度)を測定することにより判定した。ホット
セット温度は、黒べた部と接したロール部分が、白抜け
部と再度接した部分のIDを測定し、他の白抜け部のI
Dより5%以上増加した最低温度とした。更に複写機
「NC3000」(コピア社製)を用いて温度30℃−
湿度80%の条件下で連続複写試験を行った。また得ら
れた現像剤の貯蔵安定性を温度50℃−湿度80%で2
4時間の条件下で評価した。詳細な結果は表6に示し
た。
【0080】
【表6】
【0081】
【発明の効果】本発明の着色用顔料組成物は、顔料含有
率の高低にとらわれず、顔料分散性に優れており、高度
な顔料分散を要求される繊維製品の着色や感熱インキ、
印刷インキ、塗料、トナーなどの現像剤等において、そ
の光沢、色相の鮮明さ及び着色性に大きな効果を発揮す
るものである。また、従来、多かった分散不良によるブ
ツや色ムラ等の塗膜欠陥もなく、良好な塗膜が得られる
等、塗加工性にも優れており、良好な塗膜物性を得られ
るものである。特に成形材料である熱可塑性樹脂の着色
に対しても極めて有効であり、高分散、高発色を示し、
色ムラのない着色も可能となるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 安章 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 井口 昭義 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸な
    いしその無水物と他のα,β不飽和二重結合を有するモ
    ノマーとを、JIS K−7206に定められたビカッ
    ト軟化温度が300℃以下の樹脂またはワックスの存在
    下で共重合して得られる共重合体(a)と、二塩基酸な
    いしその無水物と反応し得る官能基を有するポリアルキ
    レンオキサイド化合物(b)とを反応させてなる共重合
    体(A)、および顔料(B)を含有することを特徴とす
    る着色用顔料組成物。
  2. 【請求項2】JIS K−7206に定められたビカッ
    ト軟化温度が300℃以下の樹脂またはその誘導体
    (C)を含有することを特徴とする請求項1記載の着色
    用顔料組成物。
  3. 【請求項3】共重合体(A)5〜80重量%,顔料
    (B)0.01〜90重量%,およびJIS K−72
    06に定められたビカット軟化温度が300℃以下の樹
    脂またはその誘導体(C)5〜94重量%を含有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の着色用顔料組成物。
  4. 【請求項4】他のα,β不飽和二重結合を有するモノマ
    ーが、共重合可能なα−オレフィン,スチレン,ビニル
    エーテル,ビニルスルフィド,ジオレフィンおよびそれ
    らの誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーを含
    有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載
    の着色用顔料組成物。
  5. 【請求項5】α,β不飽和二重結合を有する二塩基酸な
    いしその無水物が無水マレイン酸であることを特徴とす
    る請求項1ないし4いずれか記載の着色用顔料組成物。
  6. 【請求項6】共重合体(A)の酸価が3〜500mgK
    OH/gの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし
    5いずれか記載の着色用顔料組成物。
  7. 【請求項7】二塩基酸ないしその無水物と反応しうる官
    能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)の
    分子量が10000以下であることを特徴とする請求項
    1ないし6いずれか記載の着色用顔料組成物。
  8. 【請求項8】二塩基酸ないしその無水物と反応しうる官
    能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)
    が、分子内に少なくとも1つの水酸基またはアミノ基を
    有し、かつポリオキシメチレン鎖、ポリオキシエチレン
    鎖またはポリオキシプロピレン鎖を有する化合物である
    ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の着色
    用顔料組成物。
JP7293879A 1995-11-13 1995-11-13 着色用顔料組成物 Pending JPH09137031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7293879A JPH09137031A (ja) 1995-11-13 1995-11-13 着色用顔料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7293879A JPH09137031A (ja) 1995-11-13 1995-11-13 着色用顔料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09137031A true JPH09137031A (ja) 1997-05-27

Family

ID=17800341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7293879A Pending JPH09137031A (ja) 1995-11-13 1995-11-13 着色用顔料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09137031A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001059041A (ja) * 1999-08-23 2001-03-06 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色組成物及びその利用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05202234A (ja) * 1992-01-24 1993-08-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用組成物
JPH0687980A (ja) * 1992-09-04 1994-03-29 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用組成物
JPH07216290A (ja) * 1994-02-04 1995-08-15 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物
JPH07228785A (ja) * 1993-12-24 1995-08-29 Marubishi Yuka Kogyo Kk 樹脂・ゴム用改質剤

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05202234A (ja) * 1992-01-24 1993-08-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用組成物
JPH0687980A (ja) * 1992-09-04 1994-03-29 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用組成物
JPH07228785A (ja) * 1993-12-24 1995-08-29 Marubishi Yuka Kogyo Kk 樹脂・ゴム用改質剤
JPH07216290A (ja) * 1994-02-04 1995-08-15 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001059041A (ja) * 1999-08-23 2001-03-06 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色組成物及びその利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940007357B1 (ko) 카본 블랙-그라프트 중합체, 그 제조방법 및 그 용도
US6187439B1 (en) Encapsulated magnetic pigments, processes for their preparation and their uses
EP0978766B1 (en) Toner for electrostatic image development containing polyolefin resin having cyclic structure
KR930011308B1 (ko) 착색구상 미립자, 그 제조방법 및 그 용도
US6210852B1 (en) Toner development of electrostatically charged image
US20110008725A9 (en) Marking liquid
CA2305002C (en) Toner for development of electrostatically charged image
US6153347A (en) Developing agent and method of manufacturing the same
CN1408079A (zh) 用于静电图像显影的调色剂
JPH09137031A (ja) 着色用顔料組成物
JP3622324B2 (ja) 被覆顔料、それを含む着色用顔料組成物ならびに被覆剤
JPH09249839A (ja) グラビアインキ組成物
JP3269337B2 (ja) 着色樹脂組成物
KR100360989B1 (ko) 유동성과 대전능력이 우수한 비자성 일성분계 토너 조성물및 그 제조방법
JPH09202861A (ja) 着色用顔料組成物
JP3463509B2 (ja) 耐塩素含有水性着色樹脂組成物及びその成形品
US20080057432A1 (en) Toner composition and method of preparation
JPH10338772A (ja) 耐塩素含有水性着色樹脂組成物及びその成形品
JPS6151392A (ja) 熱転写用インク原料組成物
JP4623549B2 (ja) インクジェットプリンター用インク
AU2004273102B2 (en) Marking liquid method of preparation and product produced thereby
US20020197550A1 (en) Random copolymers used as compatibilizers in toner compositions
JPH09235504A (ja) 着色用樹脂組成物
JPH05289396A (ja) フルカラー用黒トナーおよびその製造法
JP2002309000A (ja) 着色樹脂組成物の製造方法およびその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041019