JPH07227963A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気流と静電力を利用したインクジェット記
録装置に関するものであり、インク吐出精度を劣化させ
るインク吐出口近傍の余分な電界を除去する。 【構成】 液滴を吐出するインク吐出口６を有するイン
クノズル板２と、空気流が流出する空気吐出口７を有す
る空気ノズル板３とを、ステンレス等の金属よりなる間
隙形成部材１１により所定の空隙をもって配置してい
る。インクノズル板２と空気ノズル板３との間の電気力
線が間隙形成部材１１にも伸び、インクを吐出するため
の電界を乱すことを防止するため、間隙形成部材１１を
接地する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、静電力と空気流の力に
よってインク液を噴射させ、被記録物に文字、図形、画
像等を記録するインクジェット記録装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】図１は、特開昭５７−１２０４５２号公
報に示されるような、空気流と静電力を利用したインク
ジェット記録装置を示している。図において、１はヘッ
ド部のボディ部材であり、インク供給源１４から供給さ
れるインクを保持するインク室１３と、空気供給源１５
及び圧力調製機構１６を通して供給される空気の通路と
なる空気室１０とが形成されている。２はインク室１３
前面を覆って取り付けられたインクノズル板であり、イ
ンクを吐出するための複数のインク吐出口６が形成され
ている。

【０００３】インク室１３側のインク吐出口６周辺に
は、制御電極５が配置されている。３はインクノズル板
２との間に所定の空隙を形成するよう、間隙形成部材１
１を介して配置された空気ノズル板であり、インク吐出
口６と対向してそれぞれ空気吐出口７が形成されてい
る。４は共通電極であり、空気吐出口７の周辺に形成さ
れている。

【０００４】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。空気供給源１５からの
加圧空気は空気室１０に流入し、空気ノズル板３とイン
クノズル板２との間の空気層８を通って、空気吐出口７
より流出している。この空気流は空気吐出口７の近傍で
急激に変化しているため、インク吐出口６より空気吐出
口７に至る空間には、急激な圧力勾配が生じている。一
方、インク室１３はインク供給源１４とインク供給路を
介し連通しており、インク供給源１４内のインクは、空
気供給源１５により一定の空気圧力が印加されている。

【０００５】インク吐出口６と空気吐出口７の間隙を流
れる空気の圧力と、インク吐出口６内に保持されている
インクの圧力をほぼ同一に設定し、制御電極５に信号電
圧が印加されないときにはインク吐出がなく、インク吐
出口６にインクのメニスカスが形成された状態で安定保
持されるように設定されている。

【０００６】バイアス電源９は空気吐出口７の周辺に設
けられた共通電極４に、複数の信号源１２は、各インク
吐出口６のインク室１３に面した周辺に設けられた制御
電極５に各々接続されている。制御電極５に信号電圧を
印加すると、共通電極４と制御電極５との間の電位差に
より静電力が生じる。

【０００７】インクは電気抵抗の高い油性であるので、
インク吐出口６に形成されたメニスカスは、静電力によ
って空気吐出口７の方向に引き伸ばされる。インクメニ
スカスは一定以上引き伸ばされると、前記圧力勾配によ
り加速され空気吐出口７より飛翔し記録が行われる。

【０００８】ところで、上記構成のインクジェット記録
装置においては、複数の空気吐出口７からの空気の流出
特性を均一にしてインク吐出特性を向上させるため、イ
ンクノズル板２と空気ノズル板３との間隙を精度よく調
整する必要がある。そこで従来は、ステンレス等の金属
により形成した間隙形成部材１１を介して、ボディ部材
１に接着したインクノズル板２を空気ノズル板３と接着
していた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、共通電極４と制御電極５に印加される電位
差により生じる電気力線が間隙形成部材１１に伸びて、
インク吐出口６近傍の電界を乱したり弱めたりするな
ど、インクのメニスカス近傍の電界分布に悪影響を及ぼ
す。このためインクの吐出方向と電気力線が一致せず、
電界がインク吐出口６に集中しなくなり、インクのメニ
スカスを効率よく引き伸ばすことができなくなってイン
クの吐出量が減少する。

【００１０】本発明は上記従来の問題点を解消するもの
であり、電界の乱れによりインクの吐出量や方向が変化
しないようにすることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のインクジェット記録装置は、空気ノズル板
に形成された複数の空気吐出口と、一方がインク室に連
通するようインクノズル板に形成された複数のインク吐
出口とが、所定の間隙をもって対向するよう、金属より
なる間隙形成部材を介して、前記空気ノズル板とインク
ノズル板とが接着されるとともに、空気を前記間隙を通
して前記空気吐出口より継続的に流出せしめた状態で、
前記空気吐出口とインク吐出口の周辺に設けられた電極
間に電圧を断続的に印加せしめることにより、前記イン
ク吐出口からのインクを前記空気流とともに前記空気吐
出口より断続的に吐出せしめて前記記録媒体上に印字す
るインクジェット記録装置において、前記間隙形成部材
を接地したことを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】上記構成によれば、空気ノズル板とインクノズ
ル板間にある間隙形成部材の電位を接地することによ
り、空気吐出口とインク吐出口近傍の電界を安定させ、
インクのメニスカスを引き伸ばす方向の力をインクに効
率よく与えることができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図１
で説明したインクジェット記録装置の構成と同一の構成
については説明を略し、以下異なる点についてのみ説明
をする。従来の構成と異なる点は、間隙形成部材１１を
接地している点である。

【００１４】すなわち間隙形成部材１１を接地すること
により、インクを効率よくインク吐出口６から引き伸ば
すために、空気吐出口７とインク吐出口６間で形成され
た電界の分布が乱されることがなくなり、インク液滴の
吐出精度が向上する。

【００１５】間隙形成部材１１を接地するには、インク
ノズル板２に設けられる制御電極５の電気配線ととも
に、間隙形成部材１１をインクジェット記録装置本体に
接地する電気配線を設けることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明は、複数の空気吐出
口を形成した空気ノズル板と、空気吐出口にそれぞれ対
向してインク吐出口が形成されたインクノズル板とを、
所定の間隙をもって配置するための金属よりなる間隙形
成部材を接地したので、インク吐出口近傍の電界の分布
を安定させ、安定したインクの吐出を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるインクジェット記録装置の
構成図

【符号の説明】

１ ボディ部材 ２ インクノズル板 ３ 空気ノズル板 ４ 共通電極 ５ 制御電極 ６ インク吐出口 ７ 空気吐出口 １０ 空気室 １１ 間隙形成部材 １２ 信号源 １３ インク室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気ノズル板に形成された複数の空気吐
   出口と、一方がインク室に連通するようインクノズル板
   に形成された複数のインク吐出口とが、所定の間隙をも
   って対向するよう、金属よりなる間隙形成部材を介し
   て、前記空気ノズル板とインクノズル板とが接着される
   とともに、空気を前記間隙を通して前記空気吐出口より
   継続的に流出せしめた状態で、前記空気吐出口とインク
   吐出口の周辺に設けられた電極間に電圧を断続的に印加
   せしめることにより、前記インク吐出口からのインクを
   前記空気流とともに前記空気吐出口より断続的に吐出せ
   しめて前記記録媒体上に印字するインクジェット記録装
   置において、前記間隙形成部材を接地したことを特徴と
   するインクジェット記録装置。