JPH07227885A - 成形機用金型装置 - Google Patents

成形機用金型装置

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JPH07227885A
JPH07227885A JP4636594A JP4636594A JPH07227885A JP H07227885 A JPH07227885 A JP H07227885A JP 4636594 A JP4636594 A JP 4636594A JP 4636594 A JP4636594 A JP 4636594A JP H07227885 A JPH07227885 A JP H07227885A
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mold opening
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Takanori Miyahisa
孝則 宮久
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Sanjo Seiki Seisakusho KK
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YAMASHIRO SEIKI SEISAKUSHO KK
Sanjo Seiki Seisakusho KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/03Injection moulding apparatus
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    • B29C45/0441Injection moulding apparatus using movable moulds or mould halves involving a rotational movement
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    • B29C2045/0483Injection moulding apparatus using movable moulds or mould halves pivotally mounted mould halves

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型開き行程中に、型開閉動作を利用して、金
型の一方を旋回揺動させて、これを傾斜ないし横転姿勢
とすることで、作業容易化を図る。その際に、型開閉位
置対旋回揺動角度の関係をカム交換で変更容易にする。 【構成】 型開時には、旋回ブロック7が降下する。旋
回ブロック7の回転軸8に固定された案内子61がカム
62の案内面64に沿って降下する。案内子61が案内
面64の直線部分64A沿いに案内される型開行程の初
期には、可動型11が固定型2に対する正対姿勢のまま
型開方向に降下する。案内子61が案内面64の傾斜部
分64B沿いに案内される旋回揺動行程では、可動型1
1が旋回ブロック7と一体的に旋回揺動して、可動型1
1の型合せ面11Aが側面に向けられるような傾斜ない
し横転姿勢に至る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、合成樹脂材料などを
成形するための射出成形機などにおける金型装置に関連
し、特に、型開閉動作を利用して型開き時に金型を旋回
揺動させる金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機などにおける金型装置
においては、成形後に成形品を金型から取り出すに際し
ては、型開きした金型空間にクランプと称する一種の工
業用ロボットを進入させ、これで成形品を把持して、金
型空間から後退させ、所定の回収個所にて成形品を回収
することが行われていた。即ち、型開き、クランプ進
入、クランプによる成形品の把持、クランプ後退、クラ
ンプからの成形品の解放、そして成形品の回収から成る
一連の作業工程によって成形品が取り出されるものであ
った。
【0003】上記従来技術は、成形品の取り出しをクラ
ンプと称する一種の工業用ロボットを用いて行うもので
あって、ロボットの設置空間とそれの作動空間も必要と
なることから、装置全体が大型化し、さらに該ロボット
の複雑高度な動作の故に勢い装置全体も複雑高度なもの
となり、必然的に設備費が嵩むという問題点があった。
【0004】上記問題点を解決するためには、型開行程
において、金型の一方を旋回揺動させ、金型の成形面を
型締型開方向から外れた方向に向ける動作を行わせるこ
とにより、インサート物の挿入、成形品の回収、成形面
のITV監視などを行い易くして、成形作業の合理化を
図ることが考えられる。
【0005】そこで、本願出願人は、特開平5−387
34号により、上記問題点を解決し得る金型装置とし
て、図11〜図24に示す金型装置を開示している。ま
ず、この金型装置における第1の構成について説明すれ
ば以下のとおりである。
【0006】図11及び図13において、上部固定型板
1に固定型2が取り付けられており(図11では、図示
が省略されている)、一方、型締シリンダー3の型締ピ
ストン4には、可動型板5が設けられている。
【0007】可動型板5上には、ブロック支持板6が着
脱自在に固着されており、該ブロック支持板6には、旋
回ブロック7が水平軸廻りに旋回揺動可能に支持されて
いる。即ち、旋回ブロック7の水平回転軸8が軸受9に
よりブロック支持板6上に支持されることで、旋回ブロ
ック7が水平軸廻りに旋回揺動可能になっているもので
ある。なお、水平回転軸8は、型締力の受圧中心と一致
させるのが好適である。図11及び図12で明らかなよ
うに、旋回ブロック7上には、該ブロック上面より外方
にその周縁部がフランジ様に突出して、取付テーブル1
0が固設され、該テーブル10上に可動型11が着脱自
在に装着可能である。
【0008】これらブロック支持板6、旋回ブロック7
及び取付テーブル10がユニット化されていて、旋回金
型支持ユニットを構成している。旋回ブロック7の回転
軸8の一端には、ピニオン12が冠着されていて、該ピ
ニオン12は、地面に対する固定部材、即ち、この構成
では、型締シリンダー3に取り付けられて、垂直方向に
延びる操作杆13に形成されたラック14と噛合してい
るが、この場合、操作杆13は、ブロック支持板6に穿
設されたガイド孔15を貫通して、型締シリンダー3か
ら上方に伸延するものである。
【0009】そして、該操作杆13の基部には、雄ネジ
13aが螺刻されており、そこに螺合する2個の調節ナ
ット13b、13bが該シリンダー3と一体のフランジ
部3aを挟持するようにして、これにより該操作杆13
は型締シリンダー3に対して上下位置調節可能に取り付
けられている。これら操作杆13、ラック14、ピニオ
ン12が旋回ブロック7のための旋回揺動手段を構成す
る。
【0010】図13で明らかなように、ブロック支持板
6上には、ストッパー16が突設されていて、旋回ブロ
ック7が旋回揺動して水平姿勢に復帰したときに、該ブ
ロック7に対して、即ちこの構成では、取付テーブル1
0のフランジ様に突出した周縁部下面に対して、該スト
ッパー16の上面が当接して、図13に示すように、該
ブロック7のそれ以上の旋回揺動を阻止するものであ
る。
【0011】また、旋回ブロック7の下面は側面視で半
円形状をなしていて、その旋回揺動動作に支障をきたす
ことがないようになっている。この場合、旋回ブロック
7の下面形状はこれに限られるものではなく、旋回時に
他の部材、特にブロック支持板6と干渉しない限り、他
の形状の採用も可能である。
【0012】そして、該旋回ブロック7内部には、可撓
性作動油菅経由で供油可能な成形品突出し用の突出しシ
リンダー(図示せず)が内設されており、それのピスト
ンに連結された突出しピン18が取付テーブル10を貫
通して、可動型11の型彫空間(図示せず)底面に対し
て出没自在に伸延している。なお、17はメインステー
で、可動型板5、ブロック支持板6を貫通し上方の固定
型板に連結されて、これを支持している。
【0013】上記構成において、図13に示す型締位置
では、旋回ブロック7の取付テーブル10のフランジ様
周縁部下面がストッパー16の上面に当接し、旋回ブロ
ック7のそれ以上の回転が阻止されて該ブロックが水平
姿勢になっている。
【0014】この位置から型開きをする際に、型締シリ
ンダー3の型締ピストン4が後退降下して、旋回ブロッ
ク7も一体的に降下し始めるが、初期の段階では、固定
操作杆13先端の遊び部分14a(ラックが刻設されて
いない部分)に対してピニオン12が接触しているの
で、該ピニオンは回転することなく滑って、従って、旋
回ブロック7も旋回揺動することなく、水平姿勢のまま
で、若干距離降下し、更に型締ピストン4の後退降下が
続行すると、図14に示すように、ピニオン12が固定
操作杆13のラック14に噛合して回動駆動され、これ
に応じて旋回ブロック7が図で時計方向に旋回揺動を開
始する。
【0015】次いで、更に型締シリンダー3が後退降下
して、旋回ブロック7が、より一層後退降下すると、図
15に示すように、旋回ブロック7が更に旋回揺動し、
可動型11が、ほぼ横転するまで転倒傾斜する。かかる
横転姿勢の状態下で、突出しシリンダーに給油を施して
突出しピン18を型彫空間底面に突出させると、突出さ
れた成形品が該可動型11から離脱して、シュート19
経由で回収箱等に重力依存で落下回収されるものであ
る。なお、旋回ブロック7の横転姿勢の状態下で、取付
テーブル10の周縁部がブロック支持板6に当接するよ
うにしておくことによって、安定した位置規制作動を確
保することができる。
【0016】また、調節ナット13a、13bの操作に
より、操作杆13の型締シリンダー3に対する上下位置
を調節したり、さらには、ピニオン12の歯数と旋回ブ
ロック7の昇下量を調整することによって、可動型11
の旋回角度つまり転倒傾斜角度を適宜に選定することが
できる。
【0017】型閉動作においては、上述と逆の作動が確
保されて、図15、図14、図13図に示す順序に従っ
て、旋回ブロック7の取付テーブル10の周縁部下面が
ストッパー16の上面に当接するまで、該ブロック7が
旋回揺動し、この位置で、ピニオン12のラック14に
対する噛合が解かれて、該ピニオンが遊び部分14aに
対面するので、該旋回ブロック7の旋回揺動が停止し、
そのまま水平姿勢で該ブロック7が上昇し、従って可動
型11が固定型2に正対して型閉じが完了し、その後、
該可動型がその姿勢を維持したままで、型締め作業が行
われるものである。なお、上記構成では、ストッパー1
6は取付テーブル10のフランジ状周縁部下面に当接す
るものであるとしたが、旋回ブロック7自体の一部に当
接するものであってもよい。また、垂直操作杆13は型
締シリンダー3に固定されるものであるとしたが、他の
適宜の静止部材に固定するものであってもよい。
【0018】図16は第2の構成を示すものであり、前
記第1の構成では、下側で上下動する可動型が旋回ブロ
ックに取り付けられて、旋回ブロックとともに上下動し
ながら所定角度だけ旋回揺動するものであったが、この
構成では、上側で上下動する可動型に対して、下側の固
定型が旋回ブロックに取り付けられるものである。
【0019】即ち、基台20に装着された固定型板1
に、ブロック支持板6を介して、旋回ブロック7が取り
付けられ、該ブロック7に固定型2が固定されているも
のである。また、上方の可動型板5には、可動型11が
装着されていて、該可動型11は、型締シリンダー3の
ピストンロッド4に取り付けられたクロスヘッド21と
メインステー17により上下駆動されて型開閉する。
【0020】そして、この構成では、ラック14の刻設
された操作杆13は、それの上端が可動型板5に調節ナ
ット13a、13bにより取り付けられて下方に向かっ
て垂設され、固定型板1のガイド孔15を貫通して下方
に伸延している。この場合、操作杆13上のラックの形
成されない遊び部分14aは、根元側、即ち、上方側に
形成されているものである。
【0021】その作動を説明すると、図示の型締位置で
は、旋回ブロック7のピニオン12が操作杆13の遊び
部分14aに接触しており、ラック14とは噛合ってい
ない。型締シリンダー3に駆動されて、型開き時に、上
部の可動型板5が上昇すると、操作杆13も一体的に上
昇するが、その時点では、ラック14がピニオン12と
噛合っていないので、両者が噛合うようになるまでの
間、旋回ブロック7が旋回されることはなく、固定型2
と可動型11が正対した姿勢のままで型開きする。その
後、ラック14がピニオン12と噛合うようになると、
旋回ブロック7は可動型11の上昇に伴って旋回してゆ
くものである。それ以後の動作は、既述の第1の構成の
ものと同様である。
【0022】次に、第3の構成を図17、図18、図1
9に基づいて説明すれば、以下の通りである。第1、第
2の構成にあっては、旋回ブロック7を旋回揺動するた
めの旋回揺動手段を構成する操作杆13が、取付部材
(第1の構成では、型締シリンダー3、第2の構成で
は、可動型板5)に対して固定的に固着されているが、
以下の第3の構成では、取付部材に対して、所定距離だ
け、型開閉方向への移動を許容するように取り付けられ
ている点で相違する。即ち、ここでは、取付部材として
の型締シリンダー3、に対して追従シリンダー22が設
けられていて、操作杆13の下端部23の先端に形成さ
れたピストン24が追従シリンダー22内に緩挿されて
いる。追従シリンダー22はピストン24と一体的に上
下動する操作杆13の所定距離のストロークのみを許容
するものであり、ストッパー25により、それ以上の下
方への移動が規制される。
【0023】そして、この構成の場合には、第1、2の
構成における操作杆13の遊び部分14aに相当するも
のを設ける必要がないので、ラック14は旋回ブロック
7のピニオン12と常に噛合う状態にある。
【0024】次に、その作動を説明すると、図17に示
す型締位置では、操作杆13は上方に引上げられ、ピス
トン24もシリンダー22内で上方位置にある。この状
態下では、シリンダー22の上部室(ロッド室)22a
及び下部室(ヘッド室)22bに対して、作動油の流出
入がフリーになるように弁操作される。
【0025】この動作状態から型開動作に入り、型締シ
リンダー3によって可動型11を降下させると、この場
合、ピストン24がシリンダー22内を自由に上下動可
能であるので、ピニオン8に対してそのラック7が噛合
っている操作杆13も一体的に降下動作を開始し、旋回
ブロック7は旋回されることなく、可動型11が固定型
1に正対したままの姿勢で降下する。
【0026】型開動作が所定距離だけ進行すると、操作
杆13のストッパー25が型締シリンダー3の上面に当
接して、図18に示すように、操作杆13のそれ以上の
降下がそこで規制される。
【0027】この動作状態から更に型開きが進行する
と、操作杆13のラック14とピニオン12の作用によ
って旋回ブロック7が水平回転軸8の回りに旋回揺動さ
れ始めるが、この場合、すでに可動型11が、固定型2
に対して所定距離だけ離れているので、両金型2、11
の動作が干渉することはなく、旋回ブロック7の旋回揺
動は、図19に示すように、可動型11が横転姿勢とな
るまで続行し、そこで停止する。
【0028】次いで、型閉動作を説明すると、旋回ブロ
ック7及び可動型11が、図19に示されるような横転
姿勢の状態下で、追従シリンダー22は、上部室22a
及び下部室22bへの作動油の流出入が阻止されるよう
に弁操作されて操作杆13がその位置にロックされる。
この間、可動型板5が上昇して型閉動作に入るが、この
場合、操作杆13は追従シリンダー22のロックにより
上昇することがないので、ラック14とピニオン12の
作用によって旋回ブロック7が旋回される。
【0029】そして、図18に示されるように、可動型
11が固定型2の下方に正対する位置に復帰すると、旋
回ブロック7はストッパー16によってその復帰位置が
規制される。この動作状態下で追従シリンダー22を弁
操作して作動油のロックを解除し、シリンダー22への
作動油の流出入を自由にすると、可動型板5の上昇につ
れて操作杆13も一体的に上昇して、図17に示される
ように、可動型11の固定型2への型閉じが完了するも
のである。
【0030】図20、図21、図22には、更に別の、
第4の構成が示されており、ここでは、旋回ブロック7
を旋回揺動させる旋回揺動手段が、既述の第1〜第3の
構成とは相違するものである。
【0031】図において、旋回ブロック7に旋回アーム
27が固着されていて、該アーム27には、長孔28が
形成されており、操作杆13に植設されたピン29が該
長孔28内に摺動自在に嵌入されている。なお、旋回ア
ーム27は、旋回ブロック7の回転軸8の端部に形成さ
れた角柱部8aに係合させるなどの機構によって、回転
軸8に対して相対回転不能に取り付けられているもので
ある。
【0032】また、この構成でも、図17、図18、図
19に示す第3の構成と同様に、操作杆13の端部に
は、追従シリンダー22が備えられているが、型開閉動
作時の弁操作に関しては、第3の構成の場合と同様であ
るので、ここでは、説明を省略する。
【0033】図20の型閉状態から型開きを開始する
と、図21に示すように、操作杆13は旋回ブロック7
と一体的に降下して、旋回ブロック7は旋回せずに、可
動型11は、固定型2と正対したままの姿勢で降下す
る。
【0034】図21の位置まで降下すると、操作杆13
のそれ以上の降下が、ストッパー25により、規制さ
れ、可動型板5及び旋回ブロック7の更なる降下に伴っ
て、ピン29が長孔28内を摺動しつつ旋回アーム27
を回転させるので、図22に示すように、旋回ブロック
7は旋回揺動して、可動型11が横転姿勢になって、金
型面が作業空間外に臨むようになるものである。
【0035】型閉動作での追従シリンダー22の弁操作
も図17、図18、図19の第3の構成の場合と同様で
あって、型閉じの初期に旋回ブロック7が旋回揺動させ
られ、可動型11が固定型2と正対した後は、操作杆1
3も旋回ブロック7と一体的に上昇して型閉じが完了す
るように作動することが容易に理解されよう。
【0036】図23、図24には、第5の構成が示され
ていて、この構成においては、旋回アーム27と操作杆
13との連結手段としてリンク棒を用いた点で図20、
図21、図22の第4の構成と相違するものである。
【0037】図において、旋回ブロック7の旋回アーム
27と操作杆13とはリンク棒30によって連結されて
いるものである。即ち、リンク棒30は、操作杆13と
ピン31によって枢着され、旋回アーム27とはピン3
2によって枢着されていて、旋回アーム27とリンク棒
30によりリンク機構が形成されている。
【0038】型閉動作に際して、その初期には、図23
に示すように、操作杆13が旋回ブロック7と一体的に
降下するので、旋回アーム27とリンク棒30の連結位
置関係は不変である。やがてストッパー25により操作
杆13の降下が規制されると、リンク棒30により旋回
アーム27が時計方向に回転駆動されて、図24に示す
ように、旋回ブロック7が旋回揺動して、可動型11は
横転姿勢となる。
【0039】型閉動作での追従シリンダー22の動作も
図17、図18、図19及び図20、図21、図22に
基づいて説明済みの第3、第4の構成の場合と全く同様
である。
【0040】以上説明した図17〜図19、図20〜図
22、図23〜図24の第3、第4、第5の各構成にあ
っては、上方固定型2に対して下方可動型11の方を型
開閉しながら旋回揺動させる構成としたものであるが、
図16の第2の構成のように、上方可動型11の型開閉
動作によって下方固定型2の方を旋回揺動させる構成と
してもよいことは勿論であって、この場合には、追従シ
リンダー22は、上方可動型板5に取り付ける構成と
し、ストッパー25に関しては、上方可動型板5を介し
てシリンダー22の反対側に設ければ足りることは当然
である。
【0041】また、上記いずれの構成でも竪型成形機に
ついて説明をしたが、横型成形機に適用できることは自
明であり、横型成形機における旋回ブロックの旋回方向
に関しては、水平面内で垂直軸廻りに旋回して金型面を
作業者側に向ける態様と、垂直面内で水平軸廻りに旋回
して金型面を下方に向ける態様とが採用可能である。そ
して、後者の下方を向ける態様の場合には、重力応用の
異物放出や廃液の水切りが可能である故、金型面の清掃
が容易になるという付随的な実益を有するものである。
【0042】以上のように、先に開示した特開平5−3
8734号の構成によれば、型板に取り付けられたブロ
ック支持板に旋回ブロックを旋回揺動可能に支持し、該
旋回ブロックに固定型または可動型の一方を装着し、可
動型の開閉動作に応じて旋回ブロックを旋回させる操作
杆を備える構成としたことにより、成形後の型開動作に
際して一方の金型が旋回揺動して、金型面を作業空間外
に臨ませ、ここで突出されて金型から離脱した成形品が
重力落下するので、成形品取り出しのために工業用ロボ
ットを必要とすることがなく、装置全体の大型化を阻止
できるばかりか、旋回ブロックを揺動駆動するのに型開
閉動作を利用しているので、他に特段の駆動装置を必要
とせず、構成が極めて簡潔になり、格段のコスト低減が
図れる。
【0043】また、旋回ブロックの旋回揺動動作に関し
ては、これが型開き作業期間中に同時進行で行われるの
で、成形品取り出し作業期間が型開き作業期間内に繰り
込まれて、その分だけ全体的な作業期間が短縮するとい
う利点がある。
【0044】また、旋回ブロックの旋回揺動動作で金型
表面が作業空間外に臨むことになるので、作業空間内に
設置困難な工業用テレビジョン(ITV)による自動監
視が作業空間外の設置で非常に容易になるばかりか、金
型へのインサート物の挿入作業も容易になる。
【0045】特に、竪型成形機に適用した場合には、型
開き状態で側方側に適宜の傾斜角度に傾斜させて、作業
者に対面する姿勢とすることも可能であるので、この場
合には、とりわけインサート挿入作業に有利となる。
【0046】そして、操作杆に追従シリンダーを備えた
ことにより、型開閉時に該操作杆が所定距離だけ移動可
能であるので、型開き動作の初期には、可動型の型開き
動作に連動して操作杆が移動して、旋回ブロックが旋回
することがない。
【0047】従って、可動型と固定型が相当に大なる所
定距離だけ離れるまでは、互いに正対した姿勢に維持さ
れ、その後に旋回ブロックの旋回揺動が始まるので、旋
回揺動に際して両金型が干渉したり、衝突したりするこ
とがない。
【0048】また、型閉じ時には、両金型が正確に正対
した姿勢になった後に型閉じ、型締めが行われるので、
金型に不自然な力が付与されることもない。
【0049】さらに、旋回金型支持ユニットが、一纏り
のユニットになっているので、種々の金型装置に対応で
きるばかりか、金型の旋回方向も自由にレイアウト可能
である。
【0050】加うるに、旋回ブロックに当接するストッ
パーを設けることにより、型閉じ終了時点で可動型と固
定型を正確に正対させることができるので、そこに介在
する旋回ブロック自体が、後続の型締作業工程での高圧
の型締圧を固定型に対して安定的に伝達させるための導
圧部材として有効に機能するという利点もある。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1、第2の構成では、型開から旋回揺動に移る時点にお
けるピニオン12とラック14との噛合始点に対する位
相調整に熟練を要するほか、噛合始点での歯形破損事故
が生ずるなどの不都合があり、上記第3、第4、第5の
構成では、型開から旋回揺動に移る時点、または、その
逆行程の時点に対する追従シリンダー22内の流体圧力
の微細な調整に熟練を要するなどの不都合がある。
【0052】また、このほか、旋回揺動での旋回速度
は、例えば、型開の近くでは速く、旋回揺動の終点に近
付くに従って遅くするといった不等速度にした方が、成
形物のとり出しとシュートからの排出に好適な動作が確
保されるが、そうした不等速度の動作が行い得ないとい
う不都合がある。
【0053】このため、上記の種々の不都合点を解消し
たものを提供することで、装置の製造者、使用者双方の
便益を改善向上させるという課題があった。
【0054】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記従前の
成形機用金型装置による旋回揺動手段中のラック対ピニ
オンの噛合始点に係る不都合や油圧微調整に係る不都合
を解消するという課題に鑑み、型開閉方向に対して平行
に直線的に配置された直線部分と、これに連続して、型
開閉方向に対して傾斜するように配置された曲線または
直線の傾斜部分とを備えたカム沿いに案内される案内子
により、型開閉方向への金型の直線移動を利用して、旋
回ブロックを旋回揺動させる構成を旋回揺動手段として
採用することで、上記の課題を解決し、ラック対ピニオ
ンの噛合始点での位相調整の熟練作業の必要がなく、歯
形破損事故を被る恐れもなく、さりとて、追従シリンダ
での流体圧力の微妙な調整作業をも必要としない優れた
成形用金型装置を提供するものである。
【0055】
【作用】請求項1記載の発明は、図1に示されるよう
に、型閉時に、固定型2に対して正対姿勢で対向する可
動型11が旋回ブロック7上に支持されていて、型開時
には、旋回ブロック7が型開閉方向に駆動されて直線移
動するのを利用して、旋回揺動手段Mが、旋回ブロック
7を正対姿勢で降下させ、又は、旋回揺動中心8Cに対
して、旋回揺動させて、可動型11の型合せ面11Aを
型開閉方向に対して側面方向に向けた傾斜状態ないし横
転状態にするが、このような旋回ブロック7、ひいて
は、可動型11の、正対姿勢のままでの型開閉方向への
直線移動と旋回揺動とが、旋回ブロック7に対して相対
的に固定されたカム62上に、型開閉方向に対して平行
に直線的に配置された直線部分64Aと、この直線部分
64Aに連続して、型開閉方向に対して傾斜するように
配置された傾斜部分64Bとに沿って、旋回ブロック7
に固定された案内子61を案内することにより実現され
るように作用する。請求項2記載の発明は、旋回ブロッ
ク7上に支持されている固定型2に対して、型閉時に、
正対姿勢で対向する可動型11が、型開時には、型開閉
方向に駆動されて直線移動するのを利用して、旋回揺動
手段Mが、旋回ブロック7を正対姿勢の状態に維持し、
又は、旋回揺動中心8Cに対して旋回揺動させて、固定
型2の型合せ面2Aを型開閉方向に対して側面方向に向
けた傾斜状態ないし横転状態にするが、このような旋回
ブロック7、ひいては、固定型2の正対姿勢維持と旋回
揺動とが、可動型11に連動して、旋回ブロック7に対
して、型開閉方向に相対的に直線移動するカム62上
に、型開閉方向に対して平行に直線的に配置された直線
部分64Aと、この直線部分64Aに連続して、型開閉
方向に対して傾斜するように配置された傾斜部分64B
とに沿って、旋回ブロック7に固定された案内子61を
案内することにより実現されるように作用する。請求項
3記載の発明は、図10に示されるように、旋回揺動手
段Mが、旋回ブロック7の回転軸8の両端側に分割配置
されていて、型開初期の型開方向への直線移動時には、
回転軸8の一端側で旋回ブロック7に固定された第1の
案内子61’が、旋回ブロック7に対して相対的に固定
された第1のカム62Aの直線部分64Aに沿って、旋
回ブロック7の直線移動を案内し、一方、型開初期以降
の旋回揺動時には、回転軸8の他端側で旋回ブロック7
に固定された第2の案内子61が、旋回ブロック7に対
して相対的に固定された第2のカム62Bの傾斜部分6
4Bに沿って、旋回ブロック7の旋回揺動を案内するよ
うに作用する。請求項4記載の発明は、旋回揺動手段M
が、旋回ブロック7の回転軸8の両端側に分割配置され
ていて、型開初期の型開方向への直線移動時には、回転
軸8の一端側で旋回ブロック7に固定された第1の案内
子61’が、旋回ブロック7に対して、型開方向に相対
的に直線移動する第1のカム62Aの直線部分64Aに
沿って、旋回ブロック7の正対姿勢を案内し、一方、型
開初期以降の旋回揺動時には、回転軸8の他端側で旋回
ブロック7に固定された第2の案内子61が、旋回ブロ
ック7に対して、型開方向に相対的に直線移動する第2
のカム62Bの傾斜部分64Bに沿って、旋回ブロック
7の旋回揺動を案内するように作用する。請求項5ない
し6記載の発明は、図3に示されるように、旋回ブロッ
ク7の旋回揺動中心8C、典型的には、旋回ブロック7
の回転軸8と案内子61と間の距離Rを半径とする円弧
軌跡の曲率よりも小さい曲率の曲線ないし傾斜直線で形
成されている傾斜部分64Bに沿って、案内子61又は
第2の案内子61を案内することで、旋回ブロック7を
旋回揺動させる旋回揺動手段Mが、型開閉動作を旋回揺
動動作に変換する際に、傾斜部分64Bの全域に対応し
て、型開閉位置対旋回揺動角度の関係を広範囲の種々の
関数に従って制御できるように作用する。請求項7記載
の発明は、図3に示されるように、直線部分64Aの長
手方向軸心と旋回ブロック7の旋回揺動中心8Cとの間
の距離をDrとし、該中心8Cと案内子61又は第2の
案内子61との間の距離をRとし、該中心8Cと案内子
61の終点Eとの間の距離をDsとして、 Dr≦0.95R Ds≦0.95R が成立するように形成された直線部分64Aと傾斜部分
64Bとに沿って案内子61又は第2の案内子61を案
内することで、旋回ブロック7を旋回揺動させる旋回揺
動手段Mが、型開閉動作を旋回揺動動作に変換する際
に、傾斜部分64Bの全域に亙って、案内子61又は第
2の案内子61が旋回揺動の逆戻り現象やノック現象を
伴うことなしに、円滑に案内されるように作用する。
【0056】
【実施例】次に、この発明の実施例を図1〜図10に基
づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、図1〜
図10において、図11〜図24の符号と同一符号で示
す部分は図11〜図24で説明した同一符号の部分と同
一の機能をもつ部分である。
【0057】また、図1は、図13の構成中のピニオン
12、操作杆13及びラック14相当の旋回揺動手段M
として、この発明のカム機構による旋回揺動構成、つま
り、符号61〜65の部分が付設されたものであり、図
11の斜視状態に対応する状態を示すものである。な
お、図1の場合、旋回ブロック7の旋回方向が上記の第
1〜第5の構成の場合と反対方向に旋回するようになっ
ている。即ち、可動型11の上面が図1の左斜め奥側に
傾くように旋回揺動するものである。
【0058】図1、図2において、レバー63は、旋回
ブロック7の旋回揺動中心8C、典型的には、回転軸8
に対して固定してあり、回転軸8の中心から半径として
の距離Rだけ隔たった箇所に案内子61が植設されてい
る。即ち、案内子61は、旋回揺動の中心からの距離R
を半径とする円弧軌跡沿いに旋回し得るようになってい
る。
【0059】カム62には、板状体の中央部分に、型開
閉方向に対して、つまり、型締ピストン4の上下動方向
に対して平行に直線的に配置された直線部分64Aと、
該直線部分に連続して、型開閉方向に対して傾斜するよ
うに配置された曲線または直線でなる傾斜部分64Bと
を備えた案内面64を形成するためのスリット65が穿
設されている。カム62の下方部分には、取付ボルト6
6用の長穴67が穿設されていて、カム62は、取付ボ
ルト66によって型締シリンダー3のフランジ部3aに
固定されることで、旋回ブロック7に対して相対的に固
定される。
【0060】また、カム62の案内面64では、図3、
図4及び図5に示されるように、直線部分64Aに関し
ては、その長手方向軸心が、旋回揺動中心8C、典型的
には、回転軸8の中心に対して、距離Drだけ偏寄して
型開閉方向に延在する直線として形成されていて、該直
線部分に連続する傾斜部分64Bに関しては、旋回ブロ
ック7の旋回揺動中心8Cと案内子61との間の距離R
を半径とする円弧軌跡の曲率よりも小さい曲率Srの曲
線として形成されている。また、この傾斜部分64B
は、後述のように、S字状に曲がった曲線または実質的
に直線となる極めて小さな曲率の曲線で形成されていて
もよい。
【0061】そして、案内子61がカム62のスリット
65内に嵌め込まれて案内されるようなカム機構が構成
されていて、案内子61は、型締ピストン4の上下動に
連動し、旋回ブロック7の旋回揺動中心の型開閉方向へ
の直線移動に追従して、スリット65内に形成された案
内面64沿いに案内されながら上下動するものである。
【0062】そして、ここでの上下動の際に、直線部分
64Aは、旋回ブロック7上の可動型11の型開閉方向
への直線移動を確保し、一方、傾斜部分64Bは、旋回
ブロック7の型開閉方向への直線移動を利用すること
で、旋回ブロック7上の可動型11に旋回揺動を行わせ
る。
【0063】このような型開閉動作における要部の各状
態を、図3、図4、図5および図6に基づいて以下に説
明する。図3は、可動型11が型閉している状態を示し
ている。
【0064】そして、図3の状態では、回転軸8の中心
と案内子61の中心とを結ぶ方向線61Aの方向、つま
り、レバー63の長手軸方向は、直線部分64Aの偏寄
距離Drの存在によって、回転軸8の中心の上下動軌跡
8Aの方向に対して角度−θ1だけ傾いた方向に位置付
けられている。
【0065】まず、可動型11が固定2(図3では省略
されている)に対して正対姿勢で閉じている型閉状態、
つまり、図3の状態から、型締ピストン4の下降により
旋回ブロック7の回転軸8が下降して行く場合の型開動
作について説明する。
【0066】図3の型閉状態から旋回ブロック7の回転
軸8が下降すると、案内子61は案内面64の直線部分
64Aに沿って型開閉方向に移動するので、回転軸8は
回転せずに、可動型11が固定型2に対して正対姿勢を
維持したまま旋回ブロック7と一体的に上下動軌跡8A
沿いに下降する。そして、やがて、旋回ブロック7が型
開のための距離L1の直線移動行程を終了すると、図4
の状態になる。
【0067】さらに旋回ブロック7の回転軸8が下降し
てゆくと、案内子61が今度は傾斜部分64B沿いに移
動するので、レバー63が矢印αの方向に回転してゆ
き、旋回ブロック7が旋回揺動行程を開始し、やがて、
図5の状態、つまり、方向線61Aが上下動軌跡8Aと
一致し、旋回ブロック7が上下動軌跡8Aに対して角度
+θ1だけ傾いた方向に位置付けられた状態となる。さ
らに、旋回ブロック7の回転軸8が下降してゆくと、図
6の状態、つまり、方向線61Aが上下動軌跡8Aに対
して角度+θ2だけ傾き、旋回ブロック7の姿勢が角度
+θ3だけ傾いた方向に位置付けられた状態となる。そ
して、θ3=(θ1)+(θ2)である。
【0068】したがって、旋回ブロック7が所要の旋回
揺動角度θt=θ3だけ旋回揺動して、可動型11の型
合せ面11Aが側面方向に向けられた傾斜状態ないし横
転状態になるので、標榜の目的が達せられるわけであ
る。そして、回転軸8の中心は、図4の旋回揺動行程の
開始から図6の旋回揺動行程の終了までの間に、上下動
軌跡8A沿いに距離L2だけ移動したことになる。
【0069】次に、可動型11の型合せ面11Aが側面
方向に向けられた横転状態から、型締ピストン4の上昇
により旋回ブロック7の回転軸8が上昇してゆく場合の
型閉動作について説明する。型閉動作では、上記の型開
動作を全くそのまま逆に進んで、図6→図5→図4の状
態の順序に従って案内子61が上昇移動し、それに伴っ
て、可動型11が矢印αとは逆方向の旋回動揺行程を終
了した後に、図4→図3の状態で直線移動行程を進行す
ることにより、可動型11が固定型2に対して正対姿勢
を維持したまま型閉状態になるわけである。
【0070】ここで、重要なことは、型開動作時の下降
移動における旋回ブロック7の旋回揺動行程の開始点、
つまり、案内子61が図4の位置に置かれた場合の方向
線61Aの方向に相当する−θの方向と、型閉動作時の
上昇移動における旋回ブロック7の旋回揺動行程の開始
点、つまり、案内子61が図6の位置に置かれた場合の
方向線61Aの方向に相当する+θ2の方向とが、それ
ぞれ案内面64の傾斜部分64Bの面の方向に対して、
クサビ効果によるノック現象を起こしたり、旋回揺動方
向の逆戻り現象を起こしたりしないような角度条件に選
定されていなければならないということである。
【0071】因みに、直線部分64Aの長手方向軸心と
旋回ブロック7の旋回揺動中心8C、典型的には、回転
軸8との間の偏寄量としての距離Drが該回転軸と案内
子61との間の距離Rに等しい場合には、図4に相当す
る状態では、−θ1=−90°になり、方向線61Aは
時計方向、反時計方向、いずれの方向にも回転できるの
で、旋回揺動行程中に旋回ブロック7が逆方向に回転し
てしまう逆戻り現象が起きうるわけである。さらに、こ
れとは別に、傾斜部分64B沿いに案内される案内子6
1の終点Eと回転軸8の中心との間の距離Dsが距離R
に等しいか、それより大きい場合には、図6に相当する
状態で、+θ2=+90°になり、方向線61Aは時計
方向、反時計方向、いずれにも回転できるので、ここで
も旋回揺動行程中に旋回ブロック7が逆方向に回転して
しまう逆戻り現象が起きうるわけである。
【0072】また、偏寄量としての距離Drが距離Rよ
りも僅かに小さい場合には、図4の状態から図3の状態
に移行する際に、案内子61と直線部分64Aとの間の
摩擦によってクサビ効果が生じ、回転軸8の反力によっ
て案内子61が直線部分64Aに食い込んで、旋回揺動
が不能になるというノック現象が生じてしまう。さら
に、距離Dsが距離Rよりも僅かに小さい場合には、案
内子61と傾斜部分64Bとの間の摩擦により、同様に
して、クサビ効果によるノック現象が生じてしまう。
【0073】したがって、上記の逆戻り現象とノック現
象とを避けるためには、案内子61と案内面64との間
の摩擦如何によって多少異なるが、一般的には、|θ1
|≦80°、θ2≦80°とする程度、つまり、Dr≦
0.95R、Ds≦0.95Rとなるように選定してお
くことが好ましい。
【0074】また、所要の旋回揺動角度θtが、θt=
80°のように90°よりも相当に少ない旋回揺動角度
で済ませられる場合には、偏寄量としての距離Drを零
にして、直線部分64Aを回転軸8の中心に一致させる
ように構成してもよい。
【0075】ここで、型開方向への直線移動行程から旋
回揺動行程に移行する行程移行位置、つまり、図4の状
態になる位置を変更する調整を行いたい場合には、取付
ボルト66を緩めると、カム62を長穴67の範囲だけ
上下動できるので、所要の位置に調整することができ
る。
【0076】また、旋回揺動行程中の旋回速度つまり、
型開閉位置対旋回揺動角度の関係を所望の関数に制御し
たい場合には曲率Srをそれに対応するように変えた傾
斜部分64Bを有する種々のカム62を用意して交換す
ればよく、また、旋回速度を途中で変化させたい場合に
は、曲率Srをそれに対応するように途中で変化させた
傾斜部分64Bを有するカム62を用意して交換すれば
よいことになる。この傾斜部分64Bは、必要に応じ
て、図7に示されるように、所要部分をS字状に曲げて
形成してもよい。さらには、図8に示されるように、傾
斜部分64Bを直線にして形成することもできる。ま
た、図8に示されるように、傾斜部分64Bの終点、つ
まり、距離Dsの点から上下動軌跡8Aに平行な案内面
部分64Cを設けて形成することにより、旋回ブロック
7が横転状態のまま下降するようにして、横転状態での
安定を与えるようにすることもできる。
【0077】因みに、各部の具体値例を挙げると、図6
の横転状態における旋回ブロック7の回転軸8の中心か
らの可動型11側の重心距離をDw、その重心重量をW
t、型締ピストン4の上昇力をPuとした場合に、次の
ような条件に選定している。
【0078】Wt=150kg Dw=170mm Dr=25mm Pu=4ton R=70mm Dr=10mm Ds=半径90mmの円弧 Sr=50mm L1=20mm L2=50mm 程度に選定してある。
【0079】〔変形実施〕この発明は次のように変形し
て実施することを含むものである。
【0080】(1)図1、図2に示されるように、円柱
状の案内子61に代えて、小径のピンに装着されたロー
ラー又はボールベアリングが案内子として、案内面64
を形成するスリット65内に転動自在に嵌め込まれた構
成とすることにより、案内子61が案内面64に対して
転がり接触にして、ここでのカム動作における分力成分
が減少する。その結果、案内動作の円滑化が図られる。
【0081】(2)図9(A)に示されるように、案内
子61の先端部分には、図9(C)に抽出して拡大図示
されるような凹溝61aが形成されていて、これに対し
て、カム62上には、図9(B)に抽出して拡大図示さ
れるような凸条64′が案内面64として形成されてい
て、案内子61の凹溝61aがカム面64としての凸条
64′に嵌合して、カム面64沿いに案内されるように
構成される。
【0082】(3)図10に示されるように、旋回揺動
手段Mが、旋回ブロック7の回転軸8の両端側に分割配
置されていて、同図奥手側に現われている回転軸8の一
端側に固定されたレバー63上に植設された第1の案内
子としてのピン61’が、旋回ブロック7に対して相対
的に固定された第1のカム62A上の直線部分64Aの
スリットに係合しており、一方、同図手前側に現われて
いる回転軸8の他端側に固定されたレバー63上に植設
させた第2の案内子としてのピン61が、同様に旋回ブ
ロック7に対して相対的に固定された第2のカム62B
上に、第1のカム62A上の直線部分64Aに連続的に
対応するように設けられた傾斜部分64Bに係合してい
る。これにより、型開初期の型開方向への直線移動時に
は、第1の案内子61’が第1のカム62A上の直線部
分64A沿いに、旋回ブロック7の正対姿勢を維持した
ままでの直線移動を案内し、一方、型開初期以降の旋回
揺動時には、第2の案内子61が第2のカム62B上傾
斜部分64B沿いに、旋回ブロック7の旋回揺動を案内
する。
【0083】(4)上記(1)(3)の実施態様では、
カム62は、型開閉方向に直線移動する旋回ブロック7
に対して、相対的に固定されていれば足りるので、カム
62がメインステー17により支持された固定型板1自
体又はこれを保持するための固定部材に取付けられる構
成であってもよい。さらには、カム62の上端縁側に
も、取付ボルト66用の長穴67が配置されていて、カ
ム62のこの部分も、メインステー17により支持され
た固定型板1自体又はこれを保持するための固定部材に
取り付けられるようにした堅固な構成であってもよい。
【0084】(5)図16のような逆配置の従来装置に
対応する構成とすることもできる。即ち、旋回ブロック
7上には、固定型2の方が支持されていて、かかる固定
型2に対して上方の可動型11が型開閉方向に直線移動
する構成であり、この場合、カム62は、可動型11の
型開閉方向への直線移動に連動して、旋回ブロック7に
対しても、型開閉方向に相対的に直線移動する。これに
より、型開初期には、旋回ブロック7に固定された案内
子61が、カム62の直線部分64A沿いに旋回ブロッ
ク7の正対姿勢を案内し、その結果、該ブロック上の固
定型2が、可動型11の型開方向への直線移動中に、該
可動型に対して正対姿勢を維持するが、型開初期以降の
旋回揺動時には、カム62の傾斜部分64B沿いに旋回
ブロック7の旋回揺動を案内し、その結果、型開終了時
には、旋回ブロック7上の固定型2の型合せ面2Aが型
開閉方向に対して側面方向に向けられた傾斜状態ないし
横転状態に至る。
【0085】(6)上記(3)に実施態様に対応する逆
配置の構成とすることもできる。即ち、第1、第2のカ
ム62A、62Bが、各別に、旋回ブロック7の回転軸
8の両端側に分割配置されていて、第1のカム62A上
には、直線部分64Aが設けられていて、これに対し
て、第1の案内子61’が係合し、第2のカム62B上
には、第1のカム62A上の直線部分64Aに連続的に
対応する傾斜部分64Bが設けられていて、これに対し
て、第2の案内子61が係合する構成であり、この場
合、第1、第2のカム62A、62Bは、共に、可動型
11側に取り付けられていて、該可動型の型開閉方向へ
の直線移動に連動して、旋回ブロック7に対して型開閉
方向に相対的に直線移動する。
【0086】(7)横型成形機における旋回ブロックに
適用した構成としてもよい。この場合、上記の従来技術
と同様に、旋回ブロック7の旋回揺動方向に関しては、
水平面内で垂直軸廻りに旋回揺動して金型面を作業者側
に向ける態様と、垂直面内で水平軸廻りに旋回揺動して
金型面を下方に向ける態様とが採用可能である。
【0087】(8)樹脂材として粉末状態のものを用
い、固定型2と可動型11とを加熱状態にして、樹脂材
を型内で加熱圧縮して成型する形式の成形機、つまり、
プレス成形型の成形機に適用した構成としてもよい。
【0088】(9)旋回ブロック7の側面7A上の案内
子61の位置に対応する部分を軸受9を越えて、図1の
構成の場合のレバー63の先端位置に対応する位置まで
突出させた突出部分を形成するとともに、この突出部分
の先端に案内子61を固定することにより、レバー63
を廃止した構成としてもよい。
【0089】
【発明の効果】この発明によれば、直線部分64Aと曲
線部分64Bとを連続させた案内面64をもつカム62
に案内される案内子61によって旋回ブロック7を旋回
揺動するように構成したことにより、型開閉方向への直
線移動行程から旋回揺動行程への移行位置の調整に関し
ては、単にカムの取付位置を調整するための目視的で機
械的な調整作業のみで済むので、また、旋回揺動行程中
の速度の変更に関しては、曲線部分64Bの曲率Srの
異なる種々のカムを用意して、これと交換する作業のみ
で済むので、調整に熟練を要することなく、多種多様の
行程変化を行わせ得るという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
図1〜図10はこの発明の実施例を、また、図11〜図
24は従来技術を示し、各図の内容は次のとおりであ
る。
【図1】要部斜視図
【図2】要部断面平面図
【図3】下降動作開始点における要部側面図
【図4】動作途中における要部側面図
【図5】動作途中における要部側面図
【図6】下降動作終点における要部側面図
【図7】変形構成の要部形状図
【図8】変形構成の要部形状図
【図9(A)】変形構成の要部断面平面図
【図9(B)】変形構成の構成部品斜視図
【図9(C)】変形構成の構成部品斜視図
【図10】変形構成の要部斜視図
【図11】要部斜視図
【図12】要部斜視図
【図13】第1の構成の下降動作開始点における全体構
成要部断面正面側面図
【図14】第1の構成の下降動作途中における全体構成
要部断面正面側面図
【図15】第1の構成の下降動作終点における全体構成
要部断面正面側面図
【図16】第2の構成の下降動作開始点における全体構
成要部断面正面側面図
【図17】第3の構成の下降動作開始点における全体構
成要部断面正面側面図
【図18】第3の構成の下降動作途中における全体構成
要部断面正面側面図
【図19】第3の構成の下降動作終点における全体構成
要部断面正面側面図
【図20】第4の構成の下降動作開始点における全体構
成要部断面正面側面図
【図21】第4の構成の下降動作途中における全体構成
要部断面正面側面図
【図22】第4の構成の下降動作終点における全体構成
要部断面正面側面図
【図23】第5の構成の下降動作開始点における全体構
成要部断面正面側面図
【図24】第5の構成の下降動作終点における全体構成
要部断面正面側面図
【符号の説明】
1 上部固定型板 2 固定型 3 型締シリンダー 4 型締ピストン 5 可動型板 6 ブロック支持板 7 旋回ブロック 8 回転軸 8A 移動線 8a 角柱部 9 軸受 10 取付テーブル 11 可動型 12 ピニオン 13 操作杆 13a 調節ナット 13b 調節ナット 14 ラック 14a 遊び部分 15 ガイド孔 16 ストッパー 17 メインステー 18 突出しピン 19 シュート 22 追従シリンダー 22a 上部室 22b 下部室 23 下端部 24 ピストン 25 ストッパー 27 旋回アーム 28 長孔 29 ピン 30 リンク棒 31 ピン 32 ピン 61 案内子 61A 方向線 62 カム 63 レバー 64 案内面 64A 平行部分 64B 傾斜部分 65 スリット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型2に対して、型閉時に、正対姿勢
    で対向する可動型11と、 旋回揺動中心に対して旋回揺動可能に可動型11を支持
    し、該中心が、型開閉方向に駆動されて、直線移動する
    旋回ブロック7と、 旋回ブロック7の旋回揺動中心の型開閉方向への直線移
    動を利用して、型開時に、可動型11の型合せ面11A
    が型開閉方向に対して側面方向に向けられた傾斜状態な
    いし横転状態となるように、旋回ブロック7を旋回揺動
    させる旋回揺動手段Mとを備えた成形用金型装置におい
    て、 上記旋回揺動手段Mは、 旋回ブロック7に固定されて、該旋回ブロックの型開閉
    方向への直線移動と旋回揺動とを案内する案内子61
    と、 旋回ブロック7に対して相対的に固定されて、型開閉方
    向に対して、平行に直線的に配置された直線部分64A
    と該直線部分に連続して、型開閉方向に対して傾斜する
    ように配置された傾斜部分64Bとに沿って案内子61
    を案内するカム62とを含んで成る成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 固定型2に対して、型閉時に、正対姿勢
    で対向し、型開閉方向に駆動されて、直線移動する可動
    型11と、 固定型2を旋回揺動可能に支持する旋回ブロック7と、 可動型11の型開閉方向への直線移動を利用して、型開
    時に、固定型2の型合せ面が型開閉方向に対して側面方
    向に向けられた傾斜状態ないし横転状態になるように、
    旋回ブロック7を旋回揺動させる旋回揺動手段Mとを備
    えた成形用金型装置において、 上記旋回揺動手段Mは、 旋回ブロック7に固定されて、該旋回ブロックの旋回揺
    動を案内する案内子61と、 可動型11に連動して、旋回ブロック7に対して、型開
    閉方向に相対的に直線移動し、型開閉方向に対して、平
    行に直線的に配置された直線部分64Aと該直線部分と
    連続して、型開閉方向に対して傾斜するように配置され
    た傾斜部分64Bとに沿って案内子61を案内するカム
    62とを含んで成る成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 前記旋回揺動手段Mが、 旋回ブロック7に固定されて、該旋回ブロックの型開閉
    方向への直線移動を案内する第1の案内子61′と、 旋回ブロック7に固定されて、該旋回ブロックの旋回揺
    動を案内する第2の案内子61と、 旋回ブロック7に対して相対的に固定され、型開閉方向
    に対して平行に直線的に配置された直線部分64Aに沿
    って第1の案内子61′を案内する第1のカム62A
    と、 旋回ブロック7に対して相対的に固定され、直線部分6
    4Aに連続的に対応して、型開閉方向に対して傾斜する
    ように配置された傾斜部分64Bに沿って第2の案内子
    61を案内する第2のカム62Bとを含んで成る請求項
    1記載の成形用金型装置。
  4. 【請求項4】 前記旋回揺動手段Mが、 旋回ブロック7に固定されて、可動型11に対して固定
    型2が正対するような旋回ブロック7の正対姿勢を案内
    する第1の案内子61′と、 旋回ブロック7に固定されて、該旋回ブロックの旋回揺
    動を案内する第2の案内子61と、 可動型11に連動して、旋回ブロック7に対して、型開
    閉方向に相対的に直線移動し、型開閉方向に対して、平
    行に直線的に配置された直線部分64Aに沿って第1の
    案内子61′を案内する第1のカム62Aと、 可動型11に連動して、旋回ブロック7に対して、型開
    閉方向に相対的に直線移動し、直線部分64Aに対して
    連続的に対応して、型開閉方向に対して傾斜するように
    配置された傾斜部分64Bに沿って第2の案内子61を
    案内する第2のカム62Bとを含んで成る請求項2記載
    の成形用金型装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜部分64Bは、 旋回ブロック7の旋回揺動中心8Cと案内子61との間
    の距離Rを半径とする円弧軌跡の曲率よりも小さい曲率
    の曲線ないし傾斜直線として形成される請求項1又は請
    求項2記載の成形用金型装置。
  6. 【請求項6】 前記傾斜部分64Bは、 旋回ブロック7の旋回揺動中心8Cと第2の案内子61
    との間の距離Rを半径とする円弧軌跡の曲率よりも小さ
    い曲率の曲線ないし傾斜直線として形成される請求項3
    又は請求項4記載の成形用金型装置。
  7. 【請求項7】 前記傾斜部分64Bと前記直線部分64
    Aとは、 直線部分64Aの長手方向軸心と旋回ブロック7の旋回
    揺動中心8Cとの間の距離をDrとし、該中心8Cと案
    内子61又は第2の案内子61との間の距離をRとし、
    該中心8Cと案内子61の終点Eとの間の距離をDsと
    して、 Dr≦0.95R, Ds≦0.95R が成立するように形成される請求項1又は請求項2又は
    請求項3又は請求項4記載の成形用金型装置。
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JP2007160898A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Canon Electronics Inc 昇降駆動機構
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