JPH07226486A - 半導体装置の保護回路 - Google Patents

半導体装置の保護回路

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JPH07226486A
JPH07226486A JP1832994A JP1832994A JPH07226486A JP H07226486 A JPH07226486 A JP H07226486A JP 1832994 A JP1832994 A JP 1832994A JP 1832994 A JP1832994 A JP 1832994A JP H07226486 A JPH07226486 A JP H07226486A
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JP
Japan
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region
conductivity type
type
conductivity
main surface
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JP1832994A
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Yutaka Tajima
豊 田島
Toshiaki Shinohara
俊朗 篠原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、入力保護抵抗及び後段に接続され
る入力保護ダイオード等の破壊を防止することを目的と
する。 【構成】 半導体基板10の主面に入力保護抵抗となる
第1導電型領域12を絶縁物領域11で周囲と絶縁分離
して形成し、第1導電型領域12主面の一端に第1の第
1導電型高濃度領域14を形成してこれを入力端子7に
接続し、他端には第2の第1導電型高濃度領域15を形
成し、第1、第2の第1導電型高濃度領域14,15の
間における第1導電型領域12主面にこの第1導電型領
域12主面を横断するように第2導電型領域16,17
を2個以上形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サージ耐量の大きい半
導体装置の保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置の保護回路としては、
例えば図10に示すようなものがある(特開昭59−2
28251号公報)。同図は半導体装置の保護回路にお
ける入力保護抵抗の断面構造を示しており、N型基板1
の主面にP型ウェル2が形成され、入力保護抵抗100
は、このP型ウェル2により形成されている。P型ウェ
ル2主面の一端にはP+ 型領域3が形成され、他端には
+ 型領域5が形成され、P型ウェル2主面の中央部に
はN+ 型領域4が形成されている。またN型基板1の主
面にN+ 型領域6が形成されている。P+ 型領域3は入
力端子7に接続され、P+ 型領域5はプルアップダイオ
ード60、プルダウンダイオード61及び被保護半導体
装置としての図示省略の内部回路に接続されている。P
型ウェル2とN+ 型領域4からなる接合及びP型ウェル
2とN型基板1からなる接合において、P+ 型領域3側
にそれぞれ寄生ダイオード101と103、P+ 型領域
5側にそれぞれ寄生ダイオード102と104が形成さ
れる。各寄生ダイオード101,102,103,10
4はプルアップダイオードとして働く。
【0003】このような構成の入力保護抵抗に過電圧サ
ージ(以下、単にサージと記す)が加わると、次のよう
に作用して内部回路が保護される。(a)電源端子8に
対して入力端子7に正のサージが印加された場合は、各
寄生ダイオード101,102,103,104が順バ
イアスされ、サージ電流は入力端子7から電源端子8へ
流れる。(b)電源端子8に対して入力端子7に負のサ
ージが印加された場合は、各寄生ダイオード101,1
02,103,104が逆バイアスされ、やがて降伏に
至り、サージ電流は電源端子8から入力端子7に流れ
る。この際、各寄生ダイオード101,102,10
3,104による空乏層がP型ウェル2の内部に伸び、
やがてピンチオフする。このため入力保護抵抗100の
値が大きくなり内部回路へのサージ電流の流入が防止さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の半導体装置の保護回路にあっては、以下に述
べるような問題点があった。(a)電源端子8に対して
入力端子7に正のサージが印加された場合。P+ 型領域
3からの距離は、寄生ダイオード102,104の方が
寄生ダイオード101,103よりも大きく、P+ 型領
域3から寄生ダイオード102,104へ流れる電流は
抵抗100を通らなければならないため、抵抗100が
寄生ダイオード102と104の寄生抵抗となって大部
分のサージ電流が、P+ 型領域3に対して寄生ダイオー
ド102,104よりも近い寄生ダイオード101,1
03に集中する。このため、サージによる寄生ダイオー
ド101と103の破壊が起き易くなる。またP型ウェ
ル2の内部に空乏層が伸びないために、入力保護抵抗1
00の値は変化しない。したがって内部回路にサージに
よる過大電流が流れ込むおそれがある。(b)電源端子
8に対して入力端子7に負のサージが印加された場合。
上記(a)の場合と同様に、抵抗100が寄生ダイオー
ド102と104の寄生抵抗となるために、大部分のサ
ージ電流が寄生ダイオード101と103に集中する。
そして寄生ダイオード101と103には、サージ電流
の大きさを制限する抵抗が無いため大きなサージ電流が
流れる。したがってサージにより破壊され易い。
【0005】以上により、この従来例にあっては、第1
に、サージ電流が保護回路内部の寄生ダイオードに集中
する。よって入力保護抵抗が破壊され易い。第2に、サ
ージの極性によっては入力保護抵抗の値が十分に大きく
ならない。よって内部回路を保護する働きが不十分にな
る。第3に接地端子と入力端子間に印加されたサージに
対する保護作用がない。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、サージ電流の大きさを制限して入
力保護抵抗及び後段に接続される入力保護ダイオード等
の破壊を防止することができる半導体装置の保護回路を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、半導体基板の主面上に入力保護
抵抗となる第1導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分
離して形成し、前記第1導電型領域主面の一端に第1の
第1導電型高濃度領域を形成して該第1の第1導電型高
濃度領域を入力端子に接続し、前記第1導電型領域主面
の他端に第2の第1導電型高濃度領域を形成し、前記第
1の第1導電型高濃度領域と第2の第1導電型高濃度領
域の間における前記第1導電型領域主面に当該第1導電
型領域主面を横断するように第2導電型領域を2個以上
形成してなることを要旨とする。
【0008】第2に、上記第1の構成において、前記第
1導電型領域の底部に第2導電型埋込領域を形成してな
ることを要旨とする。
【0009】第3に、上記第1又は第2の構成におい
て、前記第2導電型領域の隣り合う2個を抵抗で接続し
てなることを要旨とする。
【0010】第4に、上記第1又は第2の構成におい
て、前記第2導電型領域の隣り合う2個を抵抗で接続
し、該2個の第2導電型領域の間における前記第1導電
型領域を第2の絶縁物領域で絶縁分離し、前記2個の第
2導電型領域のうちの一方の第2導電型領域と前記第2
の絶縁物領域の間の前記第1導電型領域主面に第1のコ
ンタクト領域を形成し他方の第2導電型領域と前記第2
の絶縁物領域の間の前記第1導電型領域主面に第2のコ
ンタクト領域を形成し、前記第1のコンタクト領域と第
2のコンタクト領域を接続してなることを要旨とする。
【0011】第5に、前記第1乃至第4の何れかの構成
において、前記第2導電型領域の端部に接して該第2導
電型領域よりも深いトレンチ型絶縁物領域又は低濃度ガ
ードリング領域の何れかを形成してなることを要旨とす
る。
【0012】第6に、前記第1乃至第5の何れかの構成
において、前記第1の第1導電型高濃度領域及び第2の
第1導電型高濃度領域のそれぞれに最も近い前記第2導
電型領域が前記絶縁物領域に接することなく、当該第1
の第1導電型高濃度領域及び第2の第1導電型高濃度領
域をそれぞれ取り囲むように形成されていることを要旨
とする。
【0013】第7に、半導体基板の主面上に入力保護抵
抗となる第1導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離
して形成し、前記第1導電型領域の底部に第2導電型埋
込領域を形成し、前記第1導電型領域主面の一端に第1
の第1導電型高濃度領域を形成して該第1の第1導電型
高濃度領域を入力端子に接続し、前記第1導電型領域主
面の他端に第2の第1導電型高濃度領域を形成し、前記
第1の第1導電型高濃度領域と第2の第1導電型高濃度
領域の間における前記第1導電型領域主面に当該第1導
電型領域主面を横断するようにトレンチ型絶縁物領域を
2個以上形成してなることを要旨とする。
【0014】第8に、前記第1乃至第7の何れかの構成
において、前記第2の第1導電型高濃度領域を被保護内
部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低電位端子の
うちの少なくとも1つに接続してなることを要旨とす
る。
【0015】第9に、半導体基板の主面上に第1導電型
領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形成し、前記第
1導電型領域の底部に第2導電型埋込領域を形成し、前
記第1導電型領域主面の一端に第1の第2導電型低濃度
領域を前記第2導電型埋込領域に接するように形成し、
前記第1導電型領域主面の他端に第2の第2導電型低濃
度領域を前記第2導電型埋込領域に接するように形成
し、前記第1の第2導電型低濃度領域主面に第1のコン
タクト領域を形成して該第1のコンタクト領域を入力端
子に接続し、前記第2の第2導電型低濃度領域主面に第
2のコンタクト領域を形成して該第2のコンタクト領域
を被保護内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低
電位端子のうちの少なくとも1つに接続し、前記第1、
第2の第2導電型低濃度領域及び前記第2導電型埋込領
域で入力保護抵抗を形成してなることを要旨とする。
【0016】第10に、上記第9の構成において、前記
半導体基板の主面上に前記第1導電型領域を複数個形成
し、当該各第1導電型領域内に形成された複数個の前記
入力保護抵抗は直列に接続し、複数個の前記第1導電型
領域は抵抗で相互に接続してなることを要旨とする。
【0017】
【作用】上記構成において、第1に、第1導電型領域に
おいて各第2導電型領域の下方に抵抗が形成され、これ
らの抵抗が入力保護抵抗として作用する。また各第2導
電型領域と第1導電型領域とのPN接合により、各第2
導電型領域の角部にそれぞれ寄生ダイオードが形成され
る。入力端子・接地端子間あるいは入力端子・電源端子
間に正極性又は負極性のサージが印加された場合、サー
ジ電流により上記各抵抗に電圧降下が生じ、各第2導電
型領域の角部にそれぞれ形成された寄生ダイオードの何
れか一方が順バイアスされ、何れか他方が逆バイアスさ
れる。そして逆バイアスされた寄生ダイオードのPN接
合の空乏層により抵抗の断面積が小さくなり抵抗値が大
きくなる。これによりサージ電流の大きさが制限され
る。また、第2導電型領域は第1導電型領域主面に複数
個形成されているので、逆バイアスされた寄生ダイオー
ド1個当りの逆バイアス電圧が小さくなって降伏が起り
にくくなる。仮りに逆バイアス状態の何れかの寄生ダイ
オードが降伏してもその前段に位置する抵抗が降伏した
寄生ダイオードの寄生抵抗として作用するので降伏電流
が過大になることがない。さらに第1導電型領域は絶縁
物領域で半導体基板と絶縁分離されているので、入力保
護抵抗領域と半導体基板との間には寄生素子が生じるこ
とがなく、この寄生素子の降伏という現象は全く生じな
い。したがって入力保護抵抗及び後段に接続される入力
保護ダイオード等の破壊が防止される。
【0018】第2に、第1導電型領域の底部に第2導電
型埋込領域が形成されることにより、第1導電型領域と
第2導電型埋込領域とのPN接合で第2導電型埋込領域
側にも寄生ダイオードが形成される。この寄生ダイオー
ドはPN接合が平面接合であるため降伏電圧は十分高
い。サージ電圧が大きい場合、この第2導電型埋込領域
側の寄生ダイオードと第2導電型領域側の寄生ダイオー
ドとの協働により、入力保護抵抗内部のサージ電流路が
ピンチオフして過大電流の流れることが抑えられ、一層
入力保護抵抗等の破壊が防止される。
【0019】第3に、複数個形成された第2導電型領域
のうち、隣り合う2個を抵抗で接続することにより、サ
ージ電流の電流方向後段側の第2導電型領域の電位が、
高電位である前段側の第2導電型領域の電位と等しくな
る。この結果、後段側の第2導電型領域部に形成された
寄生ダイオードのうち、逆バイアスとなる寄生ダイオー
ドの個数が増えるとともにその逆バイアスの程度が大き
くなり、より低いサージ電圧で入力保護抵抗内部のサー
ジ電流路がピンチオフして過大電流の流れることが一層
確実に抑えられる。
【0020】第4に、第2導電型領域の隣り合う2個を
抵抗で接続し、その2個の第2導電型領域の間における
第1導電型領域を第2の絶縁物領域で絶縁分離し、分離
した第1導電型領域をコンタクト領域を通じて接続する
ことにより、上記第3の作用に加えてさらに、第1導電
型領域の底部に第2導電型埋込領域が形成されている場
合に、分離された各第1導電型領域底部の第2導電型埋
込領域部にそれぞれ寄生ダイオードが形成されるととも
に逆バイアス状態となる寄生ダイオードの個数が増え、
入力保護抵抗内部のサージ電流路が一層確実にピンチオ
フして過大電流の流れることが抑えられる。
【0021】第5に、第2導電型領域の端部に接して該
第2導電型領域よりも深いトレンチ型絶縁物領域又は低
濃度ガードリング領域の何れかを形成することにより、
各第2導電型領域の下部に生じる寄生ダイオードが平面
接合により形成されて降伏電圧が高くなる。これによ
り、サージ印加による入力保護抵抗等の破壊が一層起り
にくくなる。
【0022】第6に、第1の第1導電型高濃度領域及び
第2の第1導電型高濃度領域のそれぞれに最も近い第2
導電型領域が絶縁物領域に接することなく、その第1の
第1導電型高濃度領域及び第2の第1導電型高濃度領域
をそれぞれ取り囲むように形成されることにより、絶縁
物領域の側面に欠陥が存在しても上記第2導電型領域部
に生じる寄生ダイオードにリーク電流が生じない。した
がって、これらの寄生ダイオードが逆バイアスされたと
き、第1導電型領域内に確実に空乏層が伸びて入力保護
抵抗の値をほぼ設計通りに増大させることが可能とな
る。
【0023】第7に、第1導電型領域主面上に、第2導
電型領域に代えてトレンチ型絶縁物領域を形成した場合
には、第2導電型埋込領域側に形成された寄生ダイオー
ドの空乏層が第1導電型領域内に伸びて入力保護抵抗の
抵抗値が増大し、サージに対する入力保護抵抗等の保護
作用が生じる。さらに、この場合にはトレンチ型絶縁物
領域側には寄生ダイオードは形成されず、したがってそ
の降伏は起きないので、より一層、サージによる入力保
護抵抗等の破壊は起りにくくなる。
【0024】第8に、第2の第1導電型高濃度領域は、
被保護内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低電
位端子のうちの少なくとも1つに接続される。高電位端
子又は低電位端子に接続されたときは、入力保護抵抗
は、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗として動作し、
この場合においてもサージに対するプルアップ抵抗、プ
ルダウン抵抗等の破壊が防止される。
【0025】第9に、第1導電型領域の底部に第2導電
型埋込領域を形成し、第1導電型領域主面の一端に第1
の第2導電型低濃度領域を第2導電型埋込領域に接する
ように形成し、他端には第2の第2導電型低濃度領域を
第2導電型埋込領域に接するように形成し、第1、第2
の第2導電型低濃度領域及び第2導電型埋込領域で入力
保護抵抗を形成することにより、第1導電型領域と第1
の第2導電型低濃度領域とのPN接合及び第1導電型領
域と第2の第2導電型低濃度領域とのPN接合によりそ
れぞれ寄生ダイオードが形成される。サージが印加され
た場合、これらの寄生ダイオードのPN接合の空乏層の
抵抗部分への張り出し、あるいは高電界効果によるキャ
リア移動度の低下により、入力保護抵抗の抵抗値が増大
してサージ電流の大きさが制限される。
【0026】第10に、半導体基板主面に第1導電型領
域を複数個形成し、第1、第2の第2導電型低濃度領域
及び第2導電型埋込領域で形成した複数個の上記入力保
護抵抗を直列に接続し、複数個の第1導電型領域は抵抗
で相互に接続することにより、前記第3の場合と同様
に、逆バイアスとなる寄生ダイオードの個数が増えると
ともにその逆バイアスの程度が大きくなり、より低いサ
ージ電圧で入力保護抵抗部分がピンチオフして過大電流
の流れることが一層確実に抑えられる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1乃至図3は、本発明の第1実施例を示す図で
ある。まず、図1、図2を用いて保護回路の構成を説明
する。半導体基板10の主面上には、周囲がSiO2
らなる第1の絶縁物領域11で絶縁分離されたP型領域
12が設けられている。P型領域12主面の一端側には
第1のP+ 型領域14が形成され、他端側には第2のP
+ 型領域15が形成されている。またP型領域12の底
部にはN型埋込領域13が設けられている。さらに、第
1、第2のP+ 型領域14と15の間におけるP型領域
12の主面には、そのP型領域12の主面を横断するよ
うに2個のN型領域16,17が形成されている。第1
のP+ 型領域14は入力端子7に接続され、第2のP+
型領域15は入力保護ダイオードであるプルアップダイ
オード、プルダウンダイオード及び内部回路に接続され
ている。上述のような構成における本実施例の等価回路
を説明する。P型領域12内部においてN型領域16の
下部に抵抗20が形成され、N型領域17の下部に抵抗
21が形成されている。この両抵抗20と21が入力保
護抵抗として働く。またN型領域16とP型領域12と
の接合により、第1のP+ 型領域14側にダイオード2
2が形成され、第2のP+ 型領域15側にダイオード2
3が形成されている。かつN型領域17とP型領域12
との接合により、第1のP+ 型領域14側にダイオード
24が形成され、第2のP+ 型領域15側にダイオード
25が形成されている。さらにP型領域12とN型埋込
領域13との接合により、第1のP+ 型領域14の下方
にダイオード26が形成され、第2のP+ 型領域15の
下方にダイオード27が形成されている。
【0028】次に、上述のように構成された保護回路の
作用を、図3を用いて説明する。(A)電源端子あるい
は接地端子に対して入力端子7に正のサージが印加され
た場合。サージ電流は、第1のP+ 型領域14から抵抗
20と21を流れ、第2のP+ 型領域15へ至る。ここ
で抵抗20と21には、サージ電流により電位差が生じ
る。抵抗20の部分においては、ダイオード22側の方
がダイオード23側よりも電位が高い。このため、ダイ
オード22が順バイアスされるとともにダイオード23
が逆バイアスされる。同様に抵抗21の部分においても
ダイオード24が順バイアスされるとともにダイオード
25が逆バイアスされる。またP型領域12とN型埋込
領域13からなる接合においても、抵抗20と21での
電圧降下のために、ダイオード26が順バイアスされ、
ダイオード27が逆バイアスされる。したがって逆バイ
アスされたダイオード23のPN接合の空乏層により抵
抗20部分のP型領域12の断面積が小さくなって抵抗
20の値が大きくなる。また逆バイアスされたダイオー
ド25と27のPN接合の空乏層により抵抗21部分の
P型領域12の断面積が小さくなって抵抗21の値が大
きくなる。さらにサージ電圧が大きくなると、ダイオー
ド23,25,27の逆バイアスの程度が大きくなり、
ダイオード25の空乏層とダイオード27の空乏層が図
3中のA点において接触する。即ち、抵抗21部分がピ
ンチオフする。ここでピンチオフ点であるA点の電位を
a 、第1のP+ 型領域14の電位をVs 、抵抗20の
値をR20とすると、電流Ip の大きさは次式で導出され
る。
【0029】 Ip =|Vs −Va |/R20 …(1) したがってピンチオフ後に入力保護抵抗を流れる電流の
大きさはこのIp までであるので、入力保護抵抗や保護
ダイオードに過大電流が流れることがなく、サージによ
る半導体装置の破壊を防止することができる。
【0030】また、本実施例では、次のような作用、効
果が得られる。第1にP型領域12の主面に複数のN型
領域16,17が設けられているために、N型領域1個
当りの逆バイアス電圧は小さくなる。したがってダイオ
ード23又は25の降伏は起きにくい。また、例えば過
大電圧サージが印加されてダイオード25の逆バイアス
電圧が大きくなり、降伏に至ってもダイオード25の降
伏電流はダイオード24と抵抗20を流れ、この抵抗2
0がダイオード25の寄生抵抗として働くので、降伏電
流は過大にならない。ダイオード23が降伏した場合
も、同様にして過大な降伏電流は流れない。したがって
ダイオード23又は25は破壊されない。第2にダイオ
ード27は平面接合であるため降伏電圧は十分に高く降
伏しない。したがってダイオード27による空乏層が適
切に形成されて前述したように入力保護抵抗等に過大電
流が流れることがない。さらに、入力保護抵抗は絶縁物
領域11によって半導体基板10と絶縁分離されている
ため、入力保護抵抗と半導体基板10との間に寄生素子
が生じない。したがって従来例のように、寄生素子を通
じて半導体基板部分にサージ電流が流れることがない。
第3に、サージ電流の値は前記(1)式の値にクランプ
されるが、ダイオード23の空乏層により抵抗20の値
20は一層大きくなるので、サージ電流の大きさはより
一層制限される。
【0031】(B)電源端子あるいは接地端子に対して
入力端子7に負のサージが印加された場合。サージ電流
は、第2のP+ 型領域15から抵抗21と20を経て第
1のP+ 型領域14に達する。ここで抵抗20と21と
の電圧効果により、ダイオード22,24,26が逆バ
イアスされる。したがって、(A)の場合と同様にして
ダイオード22と26の空乏層が接触し、抵抗20部分
がピンチオフするので、サージ電流の大きさが制限され
る。また(A)の場合の第1、第2、第3の効果と同様
な効果も生じる。
【0032】以上より本実施例は従来例と比較してサー
ジ印加時に入力抵抗の値を十分に大きくでき、かつサー
ジ電流が寄生ダイオードに集中することがないので、サ
ージ電流の大きさを十分に小さく制限し、サージによる
入力保護抵抗や後段の入力保護ダイオードの破壊を防止
することができる。
【0033】なお、前述の第1と第3の効果は、P型領
域12の主面に形成するN型領域の数が多いほど顕著に
なる。またN型領域16,17の代りにトレンチ型Si
2領域を設けた場合も、ダイオード26又は27の空
乏層がこのトレンチ型SiO2 領域に達することにより
抵抗20又は21がピンチオフする。従ってサージに対
する保護作用が生じる。しかもこの場合はダイオード2
2,23,24,25の降伏は起らないので、より一層
サージによる破壊が起りにくくなる。
【0034】図4には、本発明の第2実施例を示す。本
実施例は、上記第1実施例の構成において、さらに両N
型領域16,17間が抵抗28で接続されている。
【0035】次に、上述のように構成された本実施例の
作用を説明する。(A)電源端子あるいは接地端子に対
して入力端子7に正のサージが印加された場合。サージ
電流は、第1のP+ 型領域14から抵抗20と21を経
て第2のP+ 型領域15へ流れる。ここで抵抗20と2
1にはサージ電流により電位差が生じ、抵抗20の方が
高電位になる。第1実施例と同様にダイオード22は順
バイアス、ダイオード23は逆バイアスされる。N型領
域16の電位は抵抗20における第1のP+ 型領域14
側の電位とほぼ等しくなっている。ここで抵抗28によ
り、N型領域17の電位は抵抗21部分よりも高電位で
あるN型領域16の電位と等しくなる。よってダイオー
ド24と25はともに逆バイアスされる。また第1実施
例と同様に、ダイオード26は順バイアス、ダイオード
27は逆バイアスされる。したがってサージ印加により
ダイオード24,25,27の空乏層が接触して抵抗2
1の部分がピンチオフする。よってサージ電流Ip の値
は、第1実施例の(1)式に示した値に制限される。
【0036】さらに、本実施例では、第1実施例の第2
と第3の作用、効果に加えて以下に述べるような作用、
効果がある。第1に、N型領域16の高電位がN型領域
17へ伝達されるので、第1実施例と比べてダイオード
24,25の逆バイアスの程度を大きくできる。即ち、
より低いサージ電圧で抵抗21部分がピンチオフするの
で内部回路の保護がより一層確実になる。第2に、過大
なサージ電圧によりダイオード24及び25が降伏して
も、その降伏電流は全て抵抗28を流れる。抵抗28の
値を大きくすれば、この降伏電流を小さくできるのでダ
イオード24及び25の破壊をより一層防ぐことができ
る。これを数値例により、さらに説明する。ダイオード
24及び25が破壊される際の、ダイオード24あるい
は25を流れる降伏電流の大きさを100mAと仮定す
る。抵抗28の値を5kΩとすれば、サージ電圧500
Vが印加されてもダイオード24及び25は破壊されな
い。抵抗28の値を10kΩとすれば、サージ電圧1k
Vが印加されてもダイオード24,25は破壊されな
い。第3に、抵抗21部分をピンチオフさせる際に、抵
抗21における電位差を大きくする必要はない。よって
N型領域17を長くして抵抗21の値を大きくしなくて
もよく素子面積を過大にすることがない。第4に、抵抗
28の値の設計により、抵抗21がピンチオフする時間
を制御できる。即ち、抵抗28の値を大きくすれば、抵
抗21がピンチオフするまでの時間を長くすることがで
きる。このため、周波数が高く、エネルギーの低いサー
ジは、保護抵抗値が低いままバイパスし、一方、周波数
が低く、エネルギーが高いサージに対しては、抵抗値の
高い入力保護抵抗を形成することができる。これを数値
例により、さらに説明する。一般に、周波数が高い(1
MHz以上)、あるいは放電時間が短い(数μs以下)
サージは、500V〜1kVまで高くなる場合が多い。
このため抵抗20と21の値を大きくしておくと、入力
端子7のパッド絶縁膜(図示せず)が絶縁破壊するおそ
れが大きい。このため、抵抗20と21及び保護ダイオ
ードからなる保護回路のインピーダンスを低くしてサー
ジをバイパスする必要がある。一方、放電時間が長い
(数10μs以上)サージは、電圧が100〜300V
程度である場合が多い。しかし放電時間が長いためサー
ジのエネルギーは大きい(約1J以上)。このため、抵
抗20及び21の値が小さいままであると、抵抗20,
21及び保護ダイオードが焼損するおそれがある。よっ
て抵抗20,21の値を大きくしてサージによる電流の
大きさを制限する必要がある。ここでN型領域17の面
積を1000μm2 、P型領域12の不純物濃度を1×
1016cm-3と仮定すると、N型領域17とP型領域12
とがなすPN接合の空乏層容量、即ちダイオード24及
び25の空乏層容量は約400pFとなる。よって抵抗
28を25kΩとすると、抵抗21がピンチオフする時
間は、400(pF)×25(kΩ)=10(μs)と
なる。このため、周波数が高いあるいは放電時間が短い
サージが印加された場合は、抵抗21がピンチオフしな
いため、抵抗21の値は低いままである。よってサージ
は速かにバイパスされる。また放電時間が長いサージが
印加された場合は、抵抗21がピンチオフするため、抵
抗21の値は高くなる。よってサージによる過大電流が
制限され、保護回路は破壊されない。
【0037】(B)電源端子あるいは接地端子に対して
入力端子7に負のサージが印加された場合。サージ電流
は、第2のP+ 型領域15から抵抗20と21を経て第
1のP+ 型領域14へ達する。(A)の場合と同様にし
て抵抗20部分がピンチオフしてサージ電流が制限され
る。また(A)で述べた各作用、効果と同様の作用、効
果も生じる。以上より、本実施例ではサージ電流による
入力保護抵抗及び入力保護ダイオードの破壊をより一層
防止できる。
【0038】図5には、本発明の第3実施例を示す。本
実施例は、上記第2実施例において、両N型領域16,
17の間のP型領域12とN型埋込領域13がSiO2
からなる第2の絶縁物領域30で分離されている。そし
てN型領域16と第2の絶縁物領域30の間に第1のP
+ 型コンタクト領域31を設けるとともにN型領域17
と第2の絶縁物領域30の間に第2のP+ 型コンタクト
領域32を設け、第1、第2のP+ 型コンタクト領域3
1と32が配線で接続されている。
【0039】次に、上述のように構成された本実施例の
作用を説明する。本実施例は、前記第2実施例の作用、
効果に加えて、次のような作用、効果がある。即ち、P
型領域12とN型埋込領域13からなる接合には、4個
のダイオード33,34,35,36が形成される。そ
して入力端子7に正のサージが印加された場合には、ダ
イオード34と36が逆バイアスされる。また入力端子
7に負のサージが印加された場合には、ダイオード33
と35が逆バイアスされる。このため第2実施例と比較
してP型領域12とN型埋込領域13からなる接合の降
伏が起りにくくなる。したがってサージによる入力保護
抵抗の破壊が一層起りにくくなる。
【0040】なお、上述の第1、第2及び第3の実施例
において、N型埋込領域13を形成しない場合において
もサージに対する保護効果が生じる。即ち、ダイオード
22,23,24あるいは25の空乏層がP型領域12
内部へ拡がり、第1の絶縁物領域11と接触することに
より、抵抗20あるいは21がピンチオフする。これに
よりサージ電流の大きさを制限することができる。
【0041】図6には、本発明の第4実施例を示す。本
実施例は、前記第1実施例の構成において、各N型領域
16,17の端部に接して、それぞれN型領域16,1
7よりも深いSiO2 からなるトレンチ型絶縁物領域5
0,51を設けたものである。トレンチ型絶縁物領域5
0,51を設けると、ダイオード22,23,24及び
25は平面接合のみにより構成される。したがって各ダ
イオード22,23,24及び25は降伏電圧が高くな
り、サージ印加による入力保護抵抗の破壊が一層起りに
くくなる。なお、本実施例は、第2、第3実施例及び第
1、第2、第3実施例においてN型埋込領域13を形成
しない構成に対しても適用できる。
【0042】図7には、本発明の第5実施例を示す。本
実施例は、前記第1実施例の構成において、各N型領域
16,17の端部に接して、それぞれN型領域16,1
7よりも深く、かつ低不純物濃度のN型ガードリング領
域52,53を設けたものである。N型ガードリング領
域52,53を設けると、ダイオード22,23,24
及び25の降伏電圧が高くなり、第4実施例と同様にサ
ージ印加による入力保護抵抗の破壊が一層起りにくくな
る。なお、本実施例は、第2、第3実施例及び第1、第
2、第3実施例においてN型埋込領域13を形成しない
構成に対しても適用できる。
【0043】図8には、本発明の第6実施例を示す。本
実施例は、前記第1実施例において、N型領域16が第
1の絶縁物領域11に接することなく第1のP+ 型領域
14を取り囲むように形成され、同様にN型領域17が
第1の絶縁物領域11に接することなく第2のP+ 型領
域15を取り囲むように形成されている。この構造によ
り第1の絶縁物領域11の側面、特に側面上部に欠陥が
存在しても、ダイオード22,23,24,25(図1
等参照)にリーク電流が生じない。したがってダイオー
ド22,23,24,25が逆バイアスされれば、P型
領域12の内部に空乏層が伸びて入力保護抵抗の値を設
計通りに増大させることができる。なお、本実施例は第
2乃至第5実施例及び第1乃至第5実施例においてN型
埋込領域13を形成しない構成に対しても適用できる。
【0044】なお、第1乃至第6実施例において、入力
保護抵抗は、何れの場合も第2のP+ 型領域を高電位端
子あるいは低電位端子へ接続すれば、プルアップ抵抗あ
るいはプルダウン抵抗として働く。そして、この場合も
サージに対する同様の効果が生じる。また、各実施例は
何れもP型領域12の主面において、N型領域あるいは
トレンチ型絶縁物領域が2個形成された場合について説
明した。N型領域あるいはトレンチ型絶縁物領域を3個
以上形成すれば、P型領域12内部のより広い部分にお
いて入力保護抵抗の断面積が小さくなる。このため入力
保護抵抗の値が大きくなり、サージに対する保護効果が
一層高くなる。
【0045】図9には、本発明の第7実施例を示す。本
実施例では、P型領域12主面の一端にN型領域40が
N型埋込領域13に接するように設けられ、P型領域1
2の他端にはN型領域41がN型埋込領域13に接する
ように設けられている。またN型領域40の主面にはN
+ 型コンタクト領域42が形成され、N型領域41の主
面にはN+ 型コンタクト領域43が形成されている。N
+ 型コンタクト領域42は入力端子7に接続され、N+
型コンタクト領域43は保護ダイオード及び内部回路に
接続されている。両N型領域40と41の内部にそれぞ
れ抵抗44と45が形成され、N型埋込領域13内部に
抵抗48が形成される。これらの抵抗44,45,48
が入力保護抵抗となる。また、P型領域12とN型領域
40によりダイオード46が形成され、P型領域12と
N型領域41によりダイオード47が形成される。
【0046】次に、上述のように構成された本実施例の
作用を説明する。(A)電源端子あるいは接地端子に対
して入力端子7に正のサージが印加された場合。サージ
電流は、N+ 型コンタクト領域42から抵抗44,48
及び45を流れてN+ 型コンタクト領域43へ達する。
ここでN型領域40の電位はN型領域41の電位より高
いので、ダイオード46は逆バイアスされ、ダイオード
47は順バイアスされる。よってダイオード46の空乏
層がN型領域40の内部に伸び、サージ電圧が大きくな
ると、やがて抵抗44部分がピンチオフする。したがっ
てサージ電流の大きさは、第1実施例と同様に、ピンチ
オフ電圧と抵抗45と48で決まる値に制限される。ま
た本実施例では、抵抗45と48の内部全体をサージ電
流が一次元的に均一に流れるので、抵抗45と48内部
で電流集中を起すことなく、抵抗部分の電子移動度が高
電界効果により減少する現象が顕著になる。よって抵抗
45と48の値が増加し、サージ電流の大きさがより一
層小さくなる。
【0047】(B)電源端子あるいは接地端子に対して
入力端子7に負のサージが印加された場合。サージ電流
は、N+ 型コンタクト領域43から抵抗45,48及び
44を経てN+ 型コンタクト領域42に達する。この場
合、ダイオード46が順バイアスされ、ダイオード47
が逆バイアスされる。よって(A)の場合と同様に、抵
抗45部分がピンチオフして、サージ電流はピンチオフ
電圧と抵抗44,48で決まる値に制限される。そして
抵抗44と48の値が高電界効果による電子移動度の低
下により大きくなるので、サージ電流がより一層小さく
なる。
【0048】以上より、本実施例によれば、入力保護抵
抗及び後段の保護ダイオードに過大なサージ電流が流れ
ないので半導体装置の破壊を防止できる。
【0049】なお、N+ 型コンタクト領域43を高電位
端子に接続すれば、抵抗44,45,48はプルアップ
抵抗となる。またN+ 型コンタクト領域43を低電位端
子に接続すれば、抵抗44,45,48はプルダウン抵
抗となる。これらの場合においても、サージ印加による
プルアップ抵抗あるいはプルダウン抵抗の破壊を防止で
きる。また、本実施例の入力保護抵抗を複数個直列に接
続し、かつ入力保護抵抗部分のP型領域12主面中央に
+ 型コンタクト領域を設け、これらのP+ 型コンタク
ト領域を抵抗で相互に接続すれば、第2実施例の場合と
同様の作用、効果が生じる。
【0050】以上述べた各実施例において、通常の信号
入力時には印加電圧が低いため入力保護抵抗が形成され
る部分に殆んど空乏層が拡がらない。このため入力保護
抵抗の値が過大にならず内部回路の動作に悪影響を与え
ない。なお以上述べた各実施例において、全ての不純物
領域のP型とN型を入れ換えても、同様の効果を生じ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1に、半導体基板の主面上に入力保護抵抗となる第1
導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形成し、
前記第1導電型領域主面の一端に第1の第1導電型高濃
度領域を形成して該第1の第1導電型高濃度領域を入力
端子に接続し、前記第1導電型領域主面の他端に第2の
第1導電型高濃度領域を形成し、前記第1の第1導電型
高濃度領域と第2の第1導電型高濃度領域の間における
前記第1導電型領域主面に当該第1導電型領域主面を横
断するように第2導電型領域を2個以上形成したため、
入力端子・接地端子間あるいは入力端子・電源端子間に
正極性又は負極性のサージが印加された場合、サージ電
流により各第2導電型領域下方の第1導電型領域部分に
形成された各抵抗に電圧降下が生じて各第2導電型領域
と第1導電型領域とのPN接合により各第2導電型領域
の角部にそれぞれ形成された寄生ダイオードの何れか一
方が順バイアスされ、何れか他方が逆バイアスされる。
そして逆バイアスされた寄生ダイオードのPN接合の空
乏層により抵抗部の断面積が小さくなり、入力保護抵抗
の値が増大してサージ電流の大きさを制限することがで
きる。また、第2導電型領域は複数個形成されているの
で、逆バイアスされた寄生ダイオード1個当りの逆バイ
アス電圧が小さくなって降伏が起りにくくなる。さらに
第1導電型領域は絶縁物領域で半導体基板と絶縁分離さ
れているので、入力保護抵抗領域と半導体基板との間に
は寄生素子が生じることがなく、この寄生素子の降伏と
いう現象は生じ得ない。したがって入力保護抵抗及び後
段に接続される入力保護ダイオード等の破壊を防止する
ことができる。
【0052】第2に、前記第1導電型領域の底部に第2
導電型埋込領域を形成したため、第1導電型領域と第2
導電型埋込領域とのPN接合で第2導電型埋込領域側に
も寄生ダイオードが形成される。この寄生ダイオードは
PN接合が平面接合のため降伏電圧は十分高い。サージ
電圧が大きい場合、この第2導電型埋込領域側の寄生ダ
イオードと前記第2導電型領域側の寄生ダイオードとの
協働により入力保護抵抗内部のサージ電流路がピンチオ
フし、過大電流の流れることが抑えられて一層入力保護
抵抗等の破壊を防止することができる。
【0053】第3に、前記第2導電型領域の隣り合う2
個を抵抗で接続したため、サージ電流の電流方向後段側
の第2導電型領域の電位が、高電位である前段側の第2
導電型領域の電位と等しくなり、後段側の第2導電型領
域部に形成された寄生ダイオードのうち逆バイアスとな
る寄生ダイオードの個数が増えるとともにその逆バイア
スの程度が大きくなってより低いサージ電圧で入力保護
抵抗内部のサージ電流路がピンチオフし、過大電流が流
れるのを一層確実に防止することができる。さらに抵抗
の値をある程度大きくすることにより、寄生ダイオード
の降伏電流を小さくして、寄生ダイオードの破壊をより
一層防ぐことができる。
【0054】第4に、前記第2導電型領域の隣り合う2
個を抵抗で接続し、該2個の第2導電型領域の間におけ
る前記第1導電型領域を第2の絶縁物領域で絶縁分離
し、前記2個の第2導電型領域のうちの一方の第2導電
型領域と前記第2の絶縁物領域の間の前記第1導電型領
域主面に第1のコンタクト領域を形成し、他方の第2導
電型領域と前記第2の絶縁物領域の間の前記第1導電型
領域主面に第2のコンタクト領域を形成し、前記第1の
コンタクト領域と第2のコンタクト領域を接続したた
め、上記第3の効果に加えてさらに、第1導電型領域の
底部に第2導電型埋込領域が形成されている場合に、分
離された各第1導電型領域底部の第2導電型埋込領域部
にそれぞれ寄生ダイオードが形成されるとともに逆バイ
アス状態となる寄生ダイオードの個数が増え、入力保護
抵抗内部のサージ電流路が一層確実にピンチオフして過
大電流が流れるのを抑えることができる。
【0055】第5に、前記第2導電型領域の端部に接し
て該第2導電型領域よりも深いトレンチ型絶縁物領域又
は低濃度ガードリング領域の何れかを形成したため、各
第2導電型領域の下部に生じる寄生ダイオードが平面接
合で形成されて降伏電圧が高くなり、サージ印加による
入力保護抵抗等の破壊を一層確実に抑えることができ
る。
【0056】第6に、前記第1の第1導電型高濃度領域
及び第2の第1導電型高濃度領域のそれぞれに最も近い
前記第2導電型領域が前記絶縁物領域に接することな
く、当該第1の第1導電型高濃度領域及び第2の第1導
電型高濃度領域をそれぞれ取り囲むように形成されるこ
とにより、絶縁物領域の側面に欠陥が存在しても第2導
電型領域部に形成される寄生ダイオードにリーク電流が
発生せず、これらの寄生ダイオードが逆バイアスされた
とき、第1導電型領域内に確実に空乏層が伸びて入力保
護抵抗の値をほぼ設計通りに増大させることができる。
【0057】第7に、半導体基板の主面上に入力保護抵
抗となる第1導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離
して形成し、前記第1導電型領域の底部に第2導電型埋
込領域を形成し、前記第1導電型領域主面の一端に第1
の第1導電型高濃度領域を形成して該第1の第1導電型
高濃度領域を入力端子に接続し、前記第1導電型領域主
面の他端に第2の第1導電型高濃度領域を形成し、前記
第1の第1導電型高濃度領域と第2の第1導電型高濃度
領域の間における前記第1導電型領域主面に当該第1導
電型領域主面を横断するようにトレンチ型絶縁物領域を
2個以上形成したため、第1導電型領域と第2導電型埋
込領域とのPN接合で第2導電型埋込領域側に形成され
た寄生ダイオードの空乏層が第1導電型領域内に伸びて
入力保護抵抗の値が増大し、サージ電流の大きさが制限
されて入力保護抵抗等の破壊を防止することができる。
またトレンチ型絶縁物領域側は寄生ダイオードは形成さ
れず、その降伏という現象は起きないので、より一層サ
ージによる入力保護抵抗等の破壊を防止することができ
る。
【0058】第8に、前記第2の第1導電型高濃度領域
を被保護内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低
電位端子のうちの少なくとも1つに接続するようにした
ため、高電位端子又は低電位端子に接続されたときは、
入力保護抵抗はプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗とし
て動作し、この場合においてもサージに対するプルアッ
プ抵抗、プルダウン抵抗等の破壊を防止することができ
る。
【0059】第9に、半導体基板の主面上に第1導電型
領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形成し、前記第
1導電型領域の底部に第2導電型埋込領域を形成し、前
記第1導電型領域主面の一端に第1の第2導電型低濃度
領域を前記第2導電型埋込領域に接するように形成し、
前記第1導電型領域主面の他端に第2の第2導電型低濃
度領域を前記第2導電型埋込領域に接するように形成
し、前記第1の第2導電型低濃度領域主面に第1のコン
タクト領域を形成して該第1のコンタクト領域を入力端
子に接続し、前記第2の第2導電型低濃度領域主面に第
2のコンタクト領域を形成して該第2のコンタクト領域
を被保護内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低
電位端子のうちの少なくとも1つに接続し、前記第1、
第2の第2導電型低濃度領域及び前記第2導電型埋込領
域で入力保護抵抗を形成したため、第1導電型領域と第
1の第2導電型低濃度領域とのPN接合及び第1導電型
領域と第2の第2導電型低濃度領域とのPN接合により
それぞれ寄生ダイオードが形成され、サージが印加され
た場合、これらの寄生ダイオードのPN接合による抵抗
部分への空乏層の張り出し、あるいは高電界効果による
キャリア移動度の低下により入力保護抵抗の値が増大し
てサージ電流の大きさを制限することができる。
【0060】第10に、前記半導体基板の主面上に前記
第1導電型領域を複数個形成し、当該各第1導電型領域
内に形成された複数個の前記入力保護抵抗は直列に接続
し、複数個の前記第1導電型領域は抵抗で相互に接続し
たため、前記第3の効果と同様に、逆バイアスとなる寄
生ダイオードの個数が増えるとともにその逆バイアスの
程度が大きくなり、より低いサージ電圧で入力保護抵抗
部分がピンチオフして過大電流が流れるのを一層確実に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の保護回路の第1実施
例を示す縦断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】上記第1実施例の作用を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第7実施例を示す縦断面図である。
【図10】従来の半導体装置の保護回路を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
10 半導体基板 11 第1の絶縁物領域 12 P型領域 13 N型埋込領域 14,15 第1、第2のP+ 型領域 16,17 N型領域 28 抵抗 30 第2の絶縁物領域 31,32 第1、第2のP+ 型コンタクト領域 50,51 トレンチ型絶縁物領域 52,53 N型ガードリング領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の主面上に入力保護抵抗とな
    る第1導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形
    成し、前記第1導電型領域主面の一端に第1の第1導電
    型高濃度領域を形成して該第1の第1導電型高濃度領域
    を入力端子に接続し、前記第1導電型領域主面の他端に
    第2の第1導電型高濃度領域を形成し、前記第1の第1
    導電型高濃度領域と第2の第1導電型高濃度領域の間に
    おける前記第1導電型領域主面に当該第1導電型領域主
    面を横断するように第2導電型領域を2個以上形成して
    なることを特徴とする半導体装置の保護回路。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型領域の底部に第2導電型
    埋込領域を形成してなることを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置の保護回路。
  3. 【請求項3】 前記第2導電型領域の隣り合う2個を抵
    抗で接続してなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の半導体装置の保護回路。
  4. 【請求項4】 前記第2導電型領域の隣り合う2個を抵
    抗で接続し、該2個の第2導電型領域の間における前記
    第1導電型領域を第2の絶縁物領域で絶縁分離し、前記
    2個の第2導電型領域のうちの一方の第2導電型領域と
    前記第2の絶縁物領域の間の前記第1導電型領域主面に
    第1のコンタクト領域を形成し他方の第2導電型領域と
    前記第2の絶縁物領域の間の前記第1導電型領域主面に
    第2のコンタクト領域を形成し、前記第1のコンタクト
    領域と第2のコンタクト領域を接続してなることを特徴
    とする請求項1又は2記載の半導体装置の保護回路。
  5. 【請求項5】 前記第2導電型領域の端部に接して該第
    2導電型領域よりも深いトレンチ型絶縁物領域又は低濃
    度ガードリング領域の何れかを形成してなることを特徴
    とする請求項1,2,3又は4記載の半導体装置の保護
    回路。
  6. 【請求項6】 前記第1の第1導電型高濃度領域及び第
    2の第1導電型高濃度領域のそれぞれに最も近い前記第
    2導電型領域が前記絶縁物領域に接することなく、当該
    第1の第1導電型高濃度領域及び第2の第1導電型高濃
    度領域をそれぞれ取り囲むように形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の半導体装置
    の保護回路。
  7. 【請求項7】 半導体基板の主面上に入力保護抵抗とな
    る第1導電型領域を絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形
    成し、前記第1導電型領域の底部に第2導電型埋込領域
    を形成し、前記第1導電型領域主面の一端に第1の第1
    導電型高濃度領域を形成して該第1の第1導電型高濃度
    領域を入力端子に接続し、前記第1導電型領域主面の他
    端に第2の第1導電型高濃度領域を形成し、前記第1の
    第1導電型高濃度領域と第2の第1導電型高濃度領域の
    間における前記第1導電型領域主面に当該第1導電型領
    域主面を横断するようにトレンチ型絶縁物領域を2個以
    上形成してなることを特徴とする半導体装置の保護回
    路。
  8. 【請求項8】 前記第2の第1導電型高濃度領域を被保
    護内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低電位端
    子のうちの少なくとも1つに接続してなることを特徴と
    する請求項1乃至7の何れかに記載の半導体装置の保護
    回路。
  9. 【請求項9】 半導体基板の主面上に第1導電型領域を
    絶縁物領域で周囲と絶縁分離して形成し、前記第1導電
    型領域の底部に第2導電型埋込領域を形成し、前記第1
    導電型領域主面の一端に第1の第2導電型低濃度領域を
    前記第2導電型埋込領域に接するように形成し、前記第
    1導電型領域主面の他端に第2の第2導電型低濃度領域
    を前記第2導電型埋込領域に接するように形成し、前記
    第1の第2導電型低濃度領域主面に第1のコンタクト領
    域を形成して該第1のコンタクト領域を入力端子に接続
    し、前記第2の第2導電型低濃度領域主面に第2のコン
    タクト領域を形成して該第2のコンタクト領域を被保護
    内部回路、保護ダイオード、高電位端子又は低電位端子
    のうちの少なくとも1つに接続し、前記第1、第2の第
    2導電型低濃度領域及び前記第2導電型埋込領域で入力
    保護抵抗を形成してなることを特徴とする半導体装置の
    保護回路。
  10. 【請求項10】 前記半導体基板の主面上に前記第1導
    電型領域を複数個形成し、当該各第1導電型領域内に形
    成された複数個の前記入力保護抵抗は直列に接続し、複
    数個の前記第1導電型領域は抵抗で相互に接続してなる
    ことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の保護回
    路。
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