JPH0722461Y2 - 建物内に別の部屋を構築する吊下連結具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、建物内に別の部屋を構築する吊下連結具に
関し、とくに、鴨居と廻り縁とを設ける吊下連結具に関
する。

【従来の技術】

最近、住宅における和室の割合が減少している。現在の
構築される多くの住宅は、ひとつの和室に設計されてい
る。さらに、和室を有効に利用するために、洋室内に和
室を設けた間取りが採用されている。この間取りは、和
室と洋室とを、柱のない引違戸で区画している。柱がな
いので、引違戸を開けると、和室は洋室の一部として使
用できる。 このことを実現するには、和室の鴨居を、天井躯体から
吊下て固定する必要がある。通常の和室のように、鴨居
を柱で支持することはできない。 このため、鴨居に1.8メートル以下の間隔で吊束を固定
し、吊束で鴨居を天井躯体に固定している。

【考案が解決しようとする課題】

吊束で鴨居を固定する構造は、施工に著しく手間がかか
り、鴨居を正確に水平に固定するのが難しい欠点があ
る。それは、天井躯体の下面が必ずしも正確に水平面で
ないので、鴨居を水平に支持するために、吊束の長さを
微妙に調整するからである。 さらに、鉄筋コンクリート作りの洋室内に和室を構築す
る場合、天井躯体に吊束を固定するのが難しい欠点もあ
った。 この考案は、これ等の欠点を解決することを目的に開発
されたもので、この考案の重要な目的は、簡単かつ容易
に、しかも正確に鴨居を固定できる建物内に別の部屋を
構築する吊下連結具を提供するにある。

【課題を解決する為の手段】

この考案の建物内に別の部屋を構築する吊下連結具は、
前述の目的を達成するために、下記の構成を備えてい
る。 （ａ）吊下連結具は、天井躯体８に固定される固定片１
と、この固定片１に上端が連結されるネジ棒２と、ネジ
棒２の下端に連結される基台３とを備えれいる。 （ｂ）ネジ棒２の上端は、回転自在に固定片１に連結さ
れている。 （ｃ）基台３は、ネジ棒２をねじ込むナット４を備えて
いる。 （ｄ）基台３は、上部に廻り縁７の固着片５を、下部に
鴨居６の固着片５を備えている。 （ｅ）固定片１が天井躯体８に固定され、この固定片１
にネジ棒２の上端が連結され、ネジ棒２がナット４にね
じ込まれる基台３が連結され、基台３に廻り縁７と鴨居
６とが固定されるように構成されている。

【作用】

この考案の建物内に別の部屋を構築する吊下連結具は、
下記の状態で鴨居を天井躯体に固定する。 以下、施工状態を判りやすくするために、この考案の好
ましい実施例を示す第１図に基づいて説明する。 アンカーボルト９を使用して、固定片１を天井躯体８
の下面に固定する。 固定片１にネジ棒２の上端を回転自在に連結する。 ネジ棒２の下端に、基台３のナット４をねじ込んで、
ネジ棒２に基台３を連結する。 このようにして、一定の間隔で吊下連結具を天井躯体
８の下面に直線状に固定する。 基台３を横一列に水平にするために、ネジ棒２を回転
させる。ネジ棒２を回転すると、基台３が上下方向に移
動する。 基台３を水平に調整した後、基台３の下部に鴨居６
を、上部に廻り縁７を固定する。 鴨居６と廻り縁７とを連結した後にも、ネジ棒２を回転
して、鴨居６の水平調整をすることができる。

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。但
し、以下に示す実施例は、この考案の技術思想を具体化
する為の吊下連結具を例示するものであって、この考案
の吊下連結具は、構成部品の材質、形状、構造、配置を
下記の構造に特定するものでない。この考案の吊下連結
具は、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲に於て、種
々の変更が加えられる。 更に、この明細書は、実用新案登録請求の範囲が理解し
易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、
「実用新案登録請求の範囲の欄」、「従来の課題を解決
する為の手段の欄」および「作用の欄」に示される部材
に付記している。ただ、実用新案登録請求の範囲に示さ
れる部材を、実施例の部材に特定するものでは決してな
い。 第１図および第２図に示す建物内に別の部屋を構築する
吊下連結具は、天井躯体８に固定される固定片１と、こ
の固定片１に上端が連結されるネジ棒２と、ネジ棒２の
下端に連結された基台３とを備えている。 固定片１は、リップ薄形鋼を短く切断したものである。
この固定片１は、これを貫通するアンカーボルト９で天
井躯体８に固定される。 ネジ棒２の上端は、２枚の挟着板10と、２個のナット1
1、12とを介して、回転自在に固定片１に連結されてい
る。 ２枚の挟着板10が、固定片１にリップを挟着して、ネジ
棒２を固定片１に連結する。挟着板10は中心にネジ棒２
を貫通する孔が穿設されている。。リップの上面を挟着
する挟着板10は、リップの幅よりも狭く加工されてい
る。リップの下面を挟着する挟着板10は、両側に折曲片
が設けられている。折曲片は、第２図に示すように、こ
の間に固定片１を嵌入し、挟着板10を位置ずれなく、固
定片１に連結する。 ２枚の挟着板10は、ナット11を締め付けて固定片１のリ
ップを挟着する。ネジ棒２の上端にねじ込まれたナット
12は、ネジ棒２に溶接されている。挟着板10の下面に位
置するナット11はネジ棒２に固定されず、これを締め付
けて、挟着板10をリップに挟着する。 この構造によると、ネジ棒２を回転しても、上方のナッ
ト12が上下に移動しない。このため、ナット11でもって
挟着板10を簡単に挟着できる特長がある。 この構造の固定片１は、第１図と第２図とに示すよう
に、固定片１の溝を、鴨居６や廻り縁７と直交する方向
に延長して天井躯体８に固定する。この構造で天井躯体
８に連結される吊下連結具は、ナット11を緩めて挟着板
10を固定片１のリップに沿って移動させ、挟着板10の固
定位置を自由に調整できる特長がある。 ネジ棒２は、簡単に回転できるように、中間にナット13
を溶接して固定している。 基台３は、ネジ棒２をねじ込むナット４を固定してい
る。ナット４は、基台３上端の中心に固定されている。
基台３は、上部に廻り縁７の固着片５を、下部に鴨居６
の固着片５を備えている。 固着片５は、基台３の上下両端の両側に、垂直に延長し
て設けられている。 固着片５は、角材14を介して鴨居６と廻り縁７とを固定
する。すなわち、固着片５の内側に、固着片５を貫通す
るビスでもって角材14をネジ止し、この角材に、鴨居６
と廻り縁７とを、ネジ止、接着等の方法で固定する。 基台３は、金属製の角パイプ、あるいは、水平断面がコ
字状の型鋼が使用できる。 吊下連結具は、固定片１が天井躯体８に固定され、この
固定片１にネジ棒２の上端が連結され、ネジ棒２がナッ
ト４にねじ込まれる基台３が連結され、基台３に廻り縁
７と鴨居６とが固定されるように構成されている。

【考案の効果】

この考案の建物内に別の部屋を構築する吊下連結具は、
鴨居と廻り縁とを簡単かつ容易に、しかも水平な直線状
に固定できる特長がある。それは、鴨居と廻り縁とを基
台に固定し、基台をネジ棒を介して固定片に連結するか
らである。 このため、この考案の建物内に別の部屋を構築する吊下
連結具は、鴨居を正確に水平に固定できて、引違戸をス
ムーズに移動できる特長がある。 さらにまた、この考案の吊下連結具は、鴨居と廻り縁と
を一体として上下に移動させるので、鴨居を上下しても
廻り縁の間隔が変化しない特長がある。このため、鴨居
と廻り縁との間にパネルを調整する場合、パネルの施工
が簡単で、しかもこの部分を綺麗に仕上げることができ
る特長も実現する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示す建物内
に別の部屋を構築する吊下連結具の使用状態を示す断面
図および正面図、第３図は吊下連結具の斜視図である。 １…固定片、２…ネジ棒、３…基台、４…ナット、５…
固着片、６…鴨居、７…廻り縁、８…天井躯体、９…ア
ンカーボルト、10…挟着板、11、12、13…ナット、14…
角材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下記の構成を有する建物内に別の部屋を構
   築する吊下連結具。 （ａ）吊下連結具は、天井躯体に固定される固定片
   （１）と、この固定片（１）に上端を連結するネジ棒
   （２）と、ネジ棒（２）の下端に連結される基台（３）
   とを備えている。 （ｂ）ネジ棒（２）の上端は回転自在に固定片（１）に
   連結されている。 （ｃ）基台（３）は、ネジ棒（２）をねじ込むナット
   （４）を備えている。 （ｄ）基台（３）は、上部に廻り縁の固着片（５）を、
   下部に鴨居の固着片（５）を備えている。 （ｅ）固定片（１）が天井躯体（８）に固定され、この
   固定片（１）にネジ棒（２）の上端が連結され、ネジ棒
   （２）がナット（４）にねじ込まれて基台（３）が連結
   され、基台（３）に廻り縁（７）と鴨居（６）とが固定
   されるように構成されている。