JPH07224243A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JPH07224243A
JPH07224243A JP1613994A JP1613994A JPH07224243A JP H07224243 A JPH07224243 A JP H07224243A JP 1613994 A JP1613994 A JP 1613994A JP 1613994 A JP1613994 A JP 1613994A JP H07224243 A JPH07224243 A JP H07224243A
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JP
Japan
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group
resin
alkyl
coating film
composition
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JP1613994A
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Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Hiroshi Minamisono
広志 南園
Yoji Fujii
洋治 藤井
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Shinagawa Refractories Co Ltd
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Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のコーティング組成物は、(1)一般
式(A) 【化1】 (式中、R2 はエポキシ基を含有する有機基、Rはメチ
ル基またはエチル基を表す。n=0,1,2)で表され
るエポキシ基含有アルコキシシランから選ばれた1種ま
たは2種以上の部分加水分解縮合物、および(2)フェ
ノール樹脂、クレゾール樹脂、ポリビニルフェノール、
ビニルフェノール共重合体から選ばれた1種または2種
以上のフェノール系ポリマー、及び(3)アルキルエー
テル化メラミン樹脂(アルキル基の炭素数1〜4)とか
らなるものである。 【効果】 本発明のコーティング組成物は、150℃以
下の低温領域で硬化し、外観、硬度、耐熱性、密着性、
耐薬品性等の塗膜性能や塗装性に優れた有機−無機複合
塗膜を形成するので、ガラス、木材、セラミックス、金
属などの保護や表面改質のほか、無機質塗料のバインダ
ーなど幅広い用途に適用でき、とくにその優れた高温密
着性により金属の保護や表面処理用として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明のコーティング組成物は、
耐熱性、密着性などの塗膜性能や硬化性に優れた特性を
有し、木材、ガラス、セラミック、金属などの保護や表
面改質などの用途のほか、無機質塗料のバインダー等に
利用しうるコーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコキシシランなどの金属アルコキシ
ドを主成分として、これに有機ポリマーを配合し、ゾル
−ゲル法によりコーティング組成物を得る方法について
いくつか文献が見受けられる。例えば、アルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物にアルキルエーテル化メラミン
を配合してゾル−ゲル法によりポリカーボネードなどの
プラスチックの表面改質を行う方法(特開昭56−15
2872号公報、米国特許第3,868,343号明細
書)や、アルコキシシラン加水分解縮合物に水酸基を有
するフッ素共重合体を配合した組成物(特開平4−65
476号公報、特開平4−275379号公報、特開平
5−25422号公報)が提案されている。前者の場
合、メラミン配合の目的は硬化速度の促進や染色性の改
善にある。また、後者の場合、アルコキシシランの硬化
時の収縮による亀裂の発生を避けるために塗膜の可とう
性を付与することが主目的とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリカ
ーボネートなどのプラスチックの表面改質を主目的とし
た前者の場合、エポキシ基含有アルコキシシラン−メラ
ミン樹脂系組成物は、180℃の高温下でも硬化速度が
非常に遅いという問題がある。そのため実用上望ましい
150℃以下の低温領域で硬化させるには、特開昭56
−152872号公報に提案されているように適切な硬
化促進剤の添加が必要である。また、該組成物は、25
0℃以上の温度で塗膜に亀裂が発生し、基材から剥離す
るなど耐熱性や密着性に欠ける。
【0004】また、後者の場合、フッ素ポリマーの配合
によって、硬化時の収縮等による亀裂の発生を抑制する
ことができるが、高温下では、前者の場合と同様に亀裂
や剥離を生じ、高温密着性に欠けるという問題がある。
【0005】本発明の目的は、以上の問題点を改良し、
エポキシ基含有アルコキシシラン或いはその加水分解縮
合物本来の優れた耐熱性を生かしながら、外観や高温密
着性の優れた塗膜を形成し、かつ150℃以下の低温領
域でも硬化の可能なコーティング組成物を提供するにあ
る。利用分野として特に金属系素材が適している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のコーティング組
成物は、(1)一般式(A)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R2 はエポキシ基を含有する有機
基、Rはメチル基またはエチル基を表す。n=0,1,
2)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランから選
ばれた1種または2種以上の部分加水分解縮合物、およ
び(2)フェノール樹脂、クレゾール樹脂、ポリビニル
フェノール、ビニルフェノール共重合体から選ばれた1
種または2種以上のフェノール系ポリマー、及び(3)
アルキルエーテル化メラミン樹脂(アルキル基の炭素数
1〜4)とからなることを特徴とする。
【0009】また、本発明のコーティング組成物は、
(1)上記一般式(A)で示されるエポキシ基含有アル
コキシシランから選ばれた1種または2種以上と、一般
式(B) R1 n Si(OR)4-n (式中R1 はC1 〜C4 のアルキル基またはフェニル
基、Rはメチル基またはエチル基を表す。n=1,2)
で表される炭化水素基置換アルコキシシランから選ばれ
た1種または2種以上との混合物の部分加水分解縮合
物、および(2)フェノール樹脂、クレゾール樹脂、ポ
リビニルフェノール、ビニルフェノール共重合体から選
ばれた1種または2種以上のフェノール系ポリマー、及
び(3)アルキルエーテル化メラミン樹脂(アルキル基
の炭素数1〜4)とからなることを特徴とする。
【0010】本発明のコーティング組成物における
(1)成分であるエポキシ基含有アルコキシシラン
(A)、或いはエポキシ基含有アルコキシシラン(A)
とアルコキシシラン(B)との混合物の部分加水分解縮
合物は、アルコキシ基と水酸基(シラノール基)との脱
アルコール反応や水酸基とエポキシ基との付加反応によ
って硬化することが知られているが、これらの成分のみ
では硬化速度が遅い上に、硬化塗膜が脆いために亀裂を
生じ易く、密着性にも欠ける。これらの欠点を改良する
ために、上記のアルコキシシラン(A)、(B)の硬化
剤として水酸基を有する各種有機ポリマーに着目し、配
合・焼付条件等について検討した結果、フェノール樹脂
などのポリフェノール類とアルキルエーテル化メラミン
樹脂の混合物が有効であり、本発明の目的を満足させる
ことを見い出した。
【0011】即ち、エポキシ基含有アルコキシシラン
(A)とポリフェノール類とアルキルエーテル化メラミ
ン樹脂とを必須成分とする本発明の組成物は、特開昭5
6−152872号公報等におけるエポキシ基含有アル
コキシシラン/アルキルエーテル化メラミン樹脂系組成
物に比して優れた硬化特性や塗膜性能(耐熱性、密着性
等)を示すと共に、本発明者等が先に提案したエポキシ
基含有アルコキシシラン/ポリフェノール類系組成物の
高温密着性を更に向上させ、塗膜の柔軟性を向上させう
ることを見出し、本発明を完成した。
【0012】また、エポキシ基含有アルコキシシラン
(A)とアルコキシシラン(B)との混合物とポリフェ
ノール類とアルキルエーテル化メラミン樹脂とを必須成
分とする本発明の組成物とすると、更に硬化特性に優れ
るものとできる。
【0013】本発明における、エポキシ含有アルコキシ
シラン(A成分)の具体例として、β−グリシドキシエ
チルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピル(ジメチル)メトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピル(エチル)ジメトキ
シシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリ
メトキシシランなどを挙げることができる。
【0014】また、炭化水素基置換アルコキシシラン
(B成分)の具体例としては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキ
シシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが
挙げられる。
【0015】次に、本発明のコーティング組成物におけ
る(2)成分であるフェノール樹脂等のフェノール系ポ
リマーとしては、レゾールあるいはノボラック型のフェ
ノール樹脂およびクレゾール樹脂、ポリビニルフェノー
ルおよびその共重合体などが挙げられる。ビニルフェノ
ール共重合体のコモノマーとしてアクリロニトリル、ス
チレン、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、マレ
イミドなどが挙げられる。特に、スチレン/ビニルフェ
ノール系共重合体が望ましい。また、共重合体中のビニ
ルフェノールの組成は50モル%以上であることが望ま
しい。
【0016】アルキルエーテル化メラミン樹脂として
は、一部又は全部をアルキルエーテル化したメチロール
メラミンが用いられるが、例えばヘキサキスメトキシメ
チルメラミン、ヘキサメチロールメラミンテトラメチル
エーテル、テトラメチロールメラミントリメチルエーテ
ル、ヘキサキスブトキシジメチルメラミン、テトラメチ
ロールメラミントリブチルエーテル等を挙げることがで
きる。
【0017】本発明の組成物に好適な溶媒としては、ア
ルコール、ケトン、エステル、セロソルブ、環状エーテ
ルなどが挙げられる。アルコールでは、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコ
ール、ケトンではアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、エステルでは酢酸エチル、酢酸ブ
チル、セロソルブではメチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、環状エーテルではテトラヒド
ロフラン、1,4ジオキサンなどが単独もしくは混合溶
媒として用いることができる。これらの溶媒中の組成物
の濃度は、目的に応じ任意に調整できるが、通常40〜
70重量%のワニスとして用いる。
【0018】本発明の組成物におけるエポキシ基含有ア
ルコキシシラン(A)成分とアルコキシシラン(B)成
分の混合比(B/A、重量比、以下同じ)は5以下、好
ましくは4以下であることが望ましい。
【0019】また、エポキシ基含有アルコキシシラン
(A)成分とフェノール系ポリマー(C)成分との混合
比(A/C)は0.5〜4の範囲にあることが望まし
い。
【0020】更に、フェノール系ポリマー(C)成分と
アルキルエーテル化メラミン樹脂(D)成分との混合比
(C/D)は0.5〜10の範囲にあることが望まし
い。
【0021】これらの各成分の配合比が上記範囲を超え
ると、相溶性が低下して塗膜が不透明化したり、また、
塗膜が脆くなったり、耐熱性などの塗膜性能が低下す
る。
【0022】本発明のコーティング組成物の調製方法に
ついて説明する。まず、A成分単独、またはA/B成分
を所定の組成比で混合した後、前記有機溶媒から選択さ
れた1種または2種以上の溶媒に溶解させ、所定濃度の
ワニスとする。ついで、塩酸でpH2に調整した蒸留水
を添加して加水分解し、同時に縮合反応を起こさせる。
蒸留水の添加量はA、B両成分に対して等モルあるいは
それ以下とする。加水分解および縮合反応は通常室温で
実施されるが、副生するアルコールを留去したり、縮合
度を高めて高粘度化することが必要な場合には約130
℃を上限として加熱してもよい。次いで所定量のフェノ
ール系ポリマーおよびアルキルエーテル化メラミン樹脂
を加え均一溶液とする。以上の操作においてA成分とB
成分を別個に加水分解した後に混合してもよく、また、
B成分のみを加水分解して、これにA成分を添加しても
よい。但し、A成分のみを単独で使用する場合には、必
ずしも加水分解しなくともよい。
【0023】上記組成物にシリカ、アルミナ、酸化チタ
ンなどの無機質フィラーを25〜75重量%の範囲で配
合することも可能である。
【0024】次に、本発明のコーティング組成物の塗布
方法及び硬化方法について説明する。本発明の組成物の
コーティングには、通常行われる浸漬法、噴霧法、ロー
ラコーティング法またはフローコーティング法を適用す
ることができる。これらの方法によって塗布された塗膜
は、加熱硬化させる場合、風乾後、通常130〜150
℃の温度で、30分ないし3時間オーブン中で焼付け、
硬化させることができるが、勿論150℃以上に加熱し
て短時間で硬化を終了させることもできる。焼付け後の
塗膜の肉厚は、基材の表面処理を目的とする場合のよう
な5μ以下から、プライマーあるいはトップコート用の
20〜30μの範囲で目的に応じて制御することが望ま
しい。以上によって得られた硬化塗膜は外観(光沢、透
明性等)、硬度、密着性、耐熱性、耐薬品性等に優れた
特性を有している。
【0025】
【作用】本発明における硬化反応では、原料組成物中の
アルコキシ基と水酸基間の脱アルコール反応、水酸基間
の脱水反応、水酸基によるエポキシ基の開環付加反応な
どが複合的に起こり、ポリシロキサンと有機ポリマー間
の架橋結合を含む硬度の網目構造を形成する。この場
合、本発明の組成物の硬化反応がエポキシ基含有アルコ
キシシラン−アルキルエーテル化メラミン樹脂系の硬化
(比較例1、2)に比して速いことから、前者の組成物
中のフェノール系ポリマーが架橋反応に関与するだけで
なく、これを媒介としてメラミン樹脂の共硬化反応が促
進されるものと考えられる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を説明する。
なお、実施例中「部」は「重量部を示す。
【0027】(実施例1)ジメチルジメトキシシラン3
3.3部とγ−グリシドキシトリメトキシシラン33.
3部の混合物にメチルエチルケトン90部を加えて希釈
し、室温下で攪拌しながら、pH2に調整した蒸留水
7.5部を滴下し、約30分間反応を行った。この溶液
にフェノールノボラック樹脂16.7部とブチルエーテ
ル化メチロールメラミン16.7部を添加し、均一に溶
解させてコーティング用ワニスとした。
【0028】表面をアセトンで清浄にした鉄鋼板(4.
5cm×7cm×1mm)に上記ワニスを浸漬法によっ
て塗布し、風乾後150℃、2時間加熱することによっ
て均一、透明な硬化膜を得た。
【0029】この塗膜について、上記の評価方法によ
り、その表面硬度、密着性、光沢、耐熱性、耐薬品性等
を調べ、結果を表1に示した。このようにして得られた
塗膜は高硬度(6H)で耐熱温度は400℃であり、高
温密着性に優れた特性を示した。
【0030】(実施例2〜10)実施例1において、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランはそのまま
用い、それ以外のアルコキシシランおよびフェノール系
ポリマー、及びアルキルエーテル化メラミンの種類や配
合比、硬化条件等を表1または2に記載のごとく変えて
実施例1と同様の方法で検討を行い、結果を同様に表1
または2に示した。ただし、有機ポリマー成分としてト
リメチルエーテル化メラミン樹脂やレゾール型フェノー
ル樹脂を用いた場合は、溶媒としてエタノール等のアル
コールを使用した。このようにして得られた塗膜の硬度
は4〜8Hで、耐熱温度は350℃〜400℃となり、
高温密着性に優れた特性を示した。
【0031】(比較例1)ジメチルジメトキシシランと
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合物
(1/1)66.6部にpH2の蒸留水5.9部を添加
して得られた部分加水分解縮合物に、ブチルエーテル化
メチロールメラミン33.3部及びメチルエチルケトン
100部を添加し、ワニスを調製した。このワニスを用
いて実施例1と同様にして鉄鋼板に塗布した後、180
℃、4時間焼き付けた。得られた塗膜の性状を測定し、
結果を表2に示す。この塗膜の硬度は2Hで、耐熱温度
は250℃となり、実施例と比較して塗膜性能は劣るも
のであった。
【0032】(比較例2)フェニルトリメトキシシラン
とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合
物(1/1)を用い、比較例1と同様にして部分加水分
解縮合物を得、次いでブチルエーテル化メチロールメラ
ミンを使用して比較例1と同様にしてワニスを調製後、
同様にして硬化性及び塗膜性状を調べたところ、比較例
1と同様の結果が得られた。結果を表2に示す。
【0033】尚、表中、1)は、モノマー組成、p−ビニ
ルフェノール/スチレン=76/24(モル比)のも
の、2)の密着性は、ごばん目盛り試験結果であり、○は
100/100のもの、3)の光沢は、60°反射率、4)
の耐薬品性、耐水性は、○は良い、△は普通、×は不良
を示す。また、配合割合で( )の値はフェノールレゾ
ールを示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】上記の実施例中で使用したメチルトリメト
キシシランは多摩化学(株)製、ジメチルジメトキシシ
ラン(商品名、KBM22)、フェニルトリメトキシシラン
(KBM103)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(KBM403)は信越シリコーン(株)製、フェノールノ
ボラック(51050B、Mn=750 )は住友デュレス(株)
製、フェノールレゾール(RM210)は旭有機材(株)製、
ポリ−p−ビニルフェノール(マルカリンカ-M、Mn=1700、Mw
=4900)、p−ビニルフェノール/スチレン共重合体(C
ST50、Mn=2500, Mw=4000、モノマー組成(p−ビニル
フェノール/スチレン=56/44モル比)は丸善石油
化学(株)製、メチルエーテル化メチロールアミン(SM
-850、蒸発残=80%)は、昭和高分子(株)製、ブチ
ルエーテル化メチロールアミン(L-117-60、蒸発残=5
0%、溶媒n−ブタノール/キシレン)は、大日本イン
キ(株)製である。
【0037】また、塗膜の物性はJIS K5400に
準拠し、鉛筆硬度、密着性、光沢、耐薬品性等について
試験した。また、塗膜の耐熱性を評価するために焼付け
後の塗膜の肉厚が20〜30μになるように塗布した試
験片(鋼板等)を200〜450℃の範囲で一定温度に
保持したオーブン中で1時間加熱して、亀裂の発生がな
く、密着性がごばん目盛試験で95/100以上が得ら
れる上限温度を求め、この温度を耐熱温度と定義した。
測定温度は200℃を基準として50℃間隔で設定し
た。また、上限温度で加熱後の塗膜の光沢を測定し、熱
処理前の光沢を基準とした光沢減少率を求めた。
【0038】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物は、アルコ
キシシラン誘導体とフェノール系及びメラミン系熱硬化
性樹脂からなるものであり、150℃以下の低温領域で
硬化し、外観、硬度、耐熱性、密着性、耐薬品性等の塗
膜性能や塗装性に優れた有機−無機複合塗膜を形成す
る。以上の諸特性により、本発明の組成物は、ガラス、
木材、セラミックス、金属などの保護や表面改質のほ
か、無機質塗料のバインダーなど幅広い用途に適用でき
るが、とくにその優れた高温密着性により金属の保護や
表面処理用として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一般式(A) 【化1】 (式中、R2 はエポキシ基を含有する有機基、Rはメチ
    ル基またはエチル基を表す。n=0,1,2)で表され
    るエポキシ基含有アルコキシシランから選ばれた1種ま
    たは2種以上の部分加水分解縮合物、および(2)フェ
    ノール樹脂、クレゾール樹脂、ポリビニルフェノール、
    ビニルフェノール共重合体から選ばれた1種または2種
    以上のフェノール系ポリマー、及び(3)アルキルエー
    テル化メラミン樹脂(アルキル基の炭素数1〜4)とか
    らなるコーティング組成物
  2. 【請求項2】 (1) 一般式(A) 【化2】 (式中、R2 はエポキシ基を含有する有機基、Rはメチ
    ル基またはエチル基を表す。n=0,1,2)で表され
    るエポキシ基含有アルコキシシランから選ばれた1種ま
    たは2種以上と、 一般式(B) R1 n Si(OR)4-n (式中R1 はC1 〜C4 のアルキル基またはフェニル
    基、Rはメチル基またはエチル基を表す。n=1,2)
    で表される炭化水素基置換アルコキシシランから選ばれ
    た1種または2種以上との混合物の部分加水分解縮合
    物、および(2)フェノール樹脂、クレゾール樹脂、ポ
    リビニルフェノール、ビニルフェノール共重合体から選
    ばれた1種または2種以上のフェノール系ポリマー、及
    び(3)アルキルエーテル化メラミン樹脂(アルキル基
    の炭素数1〜4)とからなるコーティング組成物
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