JPH07224124A - ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の製造方法

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JPH07224124A
JPH07224124A JP1553494A JP1553494A JPH07224124A JP H07224124 A JPH07224124 A JP H07224124A JP 1553494 A JP1553494 A JP 1553494A JP 1553494 A JP1553494 A JP 1553494A JP H07224124 A JPH07224124 A JP H07224124A
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JP
Japan
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vinyl aromatic
polymer
rubber
polymerization
solution
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JP1553494A
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Inventor
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
Akihiro Kanayama
明弘 金山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続相の分子量分布と分岐構造を制御するこ
とにより、流動性と耐衝撃強度のバランスに優れたゴム
変性ビニル芳香族樹脂組成物を製造し得る効率的な製造
方法を提供する。 【構成】 ゴム状重合体のビニル芳香族単量体溶液を調
整し、ゴムにビニル芳香族重合体がグラフトするに充分
な転化率までラジカル重合させ、残存するビニル芳香族
単量体をアニオン重合させる。アニオン重合の開始剤及
びまたは停止剤によって分岐度を制御し得る。ついで回
収工程で不活性溶媒の回収を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた衝撃強度と流動
性のバランスを有し、複雑な形状を有する成形品や大型
成形品の成形に適したゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【本発明が解決しようとする課題とその解決手段】HI
PSに代表されるゴム変性ポリスチレンは、衝撃強度、
成形性、寸法安定性、電気絶縁性に優れるため、家電製
品、事務機器、工業部品、日曜雑貨など多岐に渡る分野
で使用されるに至っている。近年これらの分野におい
て、成形品が薄肉化、大型化の傾向にあり、このため以
前にも増して衝撃強度、剛性、流動性が求められるよう
になった。
【0003】一般に、ゴム変性ポリスチレンは、ゴム状
重合体の存在下にスチレンをラジカル重合して得られ
る。こうして得られるゴム変性ポリスチレンは、線状
(リニアー型)のポリスチレンが成す連続相に、ゴム状
重合体が分散相として存在する形態を成している。周知
のごとく、ゴム変性ポリスチレンの衝撃強度を高めるた
めには、樹脂組成物中のゴム状重合体の含量を上げるこ
とが有効であるが、反面剛性及び流動性が低下するとい
う問題があった。このためゴム変性ポリスチレンの衝撃
強度と剛性のバランス及び流動性を高めるためには、で
きるだけ少量のゴム状重合体を用いて高い衝撃強度を達
成することが肝要であった。
【0004】ゴム状重合体重量一定の下で、衝撃強度と
流動性のバランスをより一層高めるため、従来より連続
相のポリスチレン部分の分子量や分子量分布を制御する
手法も試みられているが未だ満足できる結果が得られて
いない。このため、ゴム変性ポリスチレンの衝撃強度と
剛性を損なうことなく、流動性を一層高めるゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂組成物が求められている。
【0005】本発明者などは、先に特定の分子量分布を
有するビニル芳香族重合体中にゴム状重合体が分散して
なるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物、または特定の分
岐構造を有するビニル芳香族重合体中にゴム状重合体が
分散してなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物が、上記
課題を解決することを見いだし、各々について特許出願
を行った(特願平4−141663号、特願平5−21
8602号)。
【0006】しかしながら、上記出願になるゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂組成物を得るには、従来技術によるラジ
カル重合により得られたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
物と別途アニオン重合により調整した、ビニル芳香族重
合体または分岐構造のビニル芳香族重合体を配合する必
要があり、最終的に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂
組成物の連続相に占めるアニオン重合によるビニル芳香
族重合体成分の含量を高めることが困難なこと、かつ上
記した配合(溶融混練)操作を要するなどの改良点を残
していた。
【0007】上記に鑑み、本発明者などは、アニオン重
合によるビニル芳香族重合体成分が高含量で含まれた連
続相中にゴム状重合体が分散してなるゴム変性ビニル芳
香族樹脂組成物を、直接に効率よく得る方法を見いだ
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ビニル芳
香族重合体の連続相中にゴム状重合体よりなるゴム状重
合体が分散相として存在してなるゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物を得る方法において、 1.ゴム状重合体のビニル芳香族単量体、またはゴム状
重合体のビニル芳香族単量体と不活性溶媒の溶液を調整
する第1の工程、 2.第1の工程を経た溶液に必要に応じ有機過酸化物を
加え、ビニル芳香族単量体をラジカル重合させ、ゴム状
重合体にビニル芳香族重合体をグラフトさせる第2の工
程、 3.第2の工程を経た重合体の溶液に、アニオン重合開
始剤を加え未反応のビニル芳香族単量体の重合を行い、
ビニル芳香族重合体を生成させる第3の工程、 4.第3の工程を経た重合液に揮発性成分除去操作を施
し、未反応単量体または不活性溶媒を除去する第4の工
程、を有することを特徴とするゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0008】また本発明は、好ましい場合においては、
第3の工程にて、下式; M−(P)n ──(1) (式中、Mは多官能化合物残基またはポリビニル芳香族
化合物残基の分岐核、Pはビニル芳香族重合体、nは3
〜8の整数であり、Mにて結合しているビニル芳香族重
合体Pの本数を示す。)によって示される分岐状ビニル
芳香族重合体を生成させ、衝撃強度と流動性のバランス
に一層優れたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の製造方
法を提供するものである。
【0009】以下本発明の方法についてその詳細を説明
する。周知のごとく、ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
は工業的には、ゴム状重合体をスチレンなどのビニル芳
香族単量体に溶解し、必要に応じ不活性溶媒や有機過酸
化物などを加えた重合原液を、ラジカル重合機構によ
り、塊状重合、塊状・懸濁重合または溶液重合条件下に
実施されることが多い。上記重合においては、重合初期
には該ゴム状重合体とビニル芳香族単量体(及び溶媒)
よりなる相(以後ゴム相と称する。)が連続相を形成
し、該ビニル芳香族単量体の重合体とビニル芳香族単量
体(及び溶媒)よりなる相(以後樹脂相と称する。)が
分散相を形成しているが、重合の進行に伴い樹脂相の体
積が増大していき、ついにはゴム相の体積を上回るよう
になって樹脂相が連続相となり、ゴム相が分散粒子とな
る(ゴム状重合体が粒子化する)いわゆる相転現象を呈
する。なお良く知られているように相転が起こるために
は剪断力が必要である。一般的にはゴム状重合体重量の
約2〜3倍量のビニル芳香族重合体が形成されると相転
が起こる。またこのような相転現象は、重合初期の重合
溶液を、重合が十分に進んだ(ビニル芳香族単量体の転
化が十分に進行している)重合液に投入することにより
一気に起こさせることもできる。
【0010】一方上記重合の進行の過程で、ビニル芳香
族単量体の一部は、ゴム状重合体へグラフト重合し、ゴ
ム状重合体がビニル芳香族重合体中に粒子として、安定
に存在するのを助け、他方最終的にはゴム変性ビニル芳
香族樹脂組成物中のゴム状重合体粒子とビニル芳香族重
合体の樹脂相の接着性を高め、ゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物の衝撃強度を更に高める効果を奏する。
【0011】本発明において、前記第1の工程は、ゴム
状重合体とビニル芳香族単量体及び必要に応じ不活性溶
媒を加えてなる重合原液を調整する工程であり、第2の
工程は、ゴム状重合体へのビニル芳香族単量体のグラフ
ト重合を行う工程であり、第3の工程は、本発明のゴム
変性ビニル芳香族樹脂組成物の連続相を形成するビニル
芳香族重合体の主成分をアニオン重合により形成させる
工程である。また第4の工程は、未反応のビニル芳香族
単量体及び不活性溶剤を除去する工程であり、かつゴム
状重合体の架橋反応を行う工程でもある。後記するよう
に、本発明においてはゴム状重合体の粒子化(相転)
は、第2の工程または第3の工程のいずれにおいてもで
きる。以下本発明の方法を各工程ごとに説明する。
【0012】第1の工程においては、公知のゴム状重合
体をビニル芳香族単量体に溶解して調整することができ
る。このとき必要に応じ不活性溶媒を加えても良い。上
記のゴム状重合体とは、そのガラス転移温度が−30℃
以下のものを言う。具体例としてポリブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)などのジエン系重合体、
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アク
リルゴム、シリコーンゴムなどを挙げることができる。
またポリブタジエンゴムとしては、ハイシスポリブタジ
エンゴム、ローシスポリブタジエンゴムともに好適に用
いることができる。さらに上記のポリブタジエンゴム、
SBR、NBRはその不飽和2重結合の一部または全量
を水素添加したものも用いられる。一般にはジエン系重
合体やその(部分)水添物およびEPDMが用いられ
る。
【0013】なお上記ゴム状重合体は、後記する第3の
工程のアニオン重合を阻害する化合物を含まないことが
好ましい。そのため例えばアルキルリチウム触媒により
得られるローシスポリブタジエンゴムにあっては、水ま
たはフェノール系安定剤を含まないものが好適である。
本発明の方法においては、ビニル芳香族単量体は第3の
工程を経てほぼ全量が重合することになるので、最終的
に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物中のゴム状
重合体のおよその含量は、第1の工程で調整される液中
に占めるゴム状重合体とビニル芳香族単量体の重量比率
により決まる。したがって、第1の工程でのゴム状重合
体とビニル芳香族単量体の合計重量に占めるゴム状重合
体の割合は、定法に従いおよそ2〜15重量%となるよ
うに調整される。
【0014】上記のビニル芳香族単量体としては、スチ
レンのほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核ア
ルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル
−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン
などを挙げることができるが、代表的なものとしてはス
チレンの単独もしくは、その一部をスチレン以外の上記
ビニル芳香族単量体で置き換えた単量体混合物である。
【0015】なお上記ビニル芳香族単量体は、後記する
第3の工程のアニオン重合を阻害する化合物を含まない
ことが好ましい。そのため例えばターシャリーブチルカ
テコールなどの重合禁止剤などは、あらかじめ吸着処理
などにより除去しておくことが好ましい。また上記の不
活性溶媒とは、第2及び第3の工程の重合に対して不活
性な溶媒であり、好ましいものとして、オクタン、イソ
オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素、あるいはトルエン、エチル
ベンゼンなどの芳香族炭化水素などまたはこれらの混合
物である。これらのうちシクロヘキサン、トルエン、エ
チルベンゼンが好ましい。
【0016】不活性溶媒はゴム状重合体とビニル芳香族
単量体の合計100重量部に対して、10〜200重量
部の範囲で加えられるが、第2の工程での重合熱除去及
び第3の工程での重合速度、重合液粘度、第4の工程で
の溶媒除去とのバランスより、50〜150重量部の範
囲が好ましい。第1の工程の別法として、下記の方法を
採用することもできる。
【0017】すなわち共役ジエン単量体を不活性溶媒と
ともにアニオン重合開始剤によりアニオン重合を行い、
実質的に共役ジエン単量体の重合を完結させた後、アニ
オン重合開始剤と当量の重合停止剤を添加して重合を停
止させ、次いで所望量のビニル芳香族単量体を加える方
法である。この方法により、共役ジエンゴム、ビニル芳
香族単量体及び不活性溶媒よりなる重合原液を、該共役
ジエンゴムの回収、仕上げ(ベール化、包装)、溶解と
いう操作を経ることなく、直接得ることができ、極めて
合理的であり経済性に富む。
【0018】上記方法を採用する場合において、共役ジ
エン単量体としては、1,3−ブタジエンのほか、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどがあるが、一般的には
1,3−ブタジエンまたは1,3−ブタジエンとイソプ
レンの混合単量体が用いられる。共役ジエン単量体を不
活性溶媒とともにアニオン重合開始剤によりアニオン重
合し、ゴム状重合体を得ることは既知の事がらに属する
ので、その詳細は省略する。
【0019】かくして第1の工程を経た液は、引き続き
第2の工程に送られる。第2の工程での重合に際して
は、必要に応じ有機過酸化物を加えることもできる。有
機過酸化物としては1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパ
ーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類、ベン
ゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド
などのジアシルパーオキサイド類、ジミリスチルパーオ
キシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート
類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートな
どのパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキ
サイドなどのケトンパーオキサイド類を挙げることがで
きる。これらの有機過酸化物は、その分解物がアルコー
ル、ケトンを形成するが、これらの分解物は第3の工程
にて用いるアニオン重合開始剤を失活させる作用を有す
る。このため上記有機過酸化物としては、分解物が低沸
点のアルコール、ケトンを形成するものが特に好まし
い。そのような有機過酸化物としては、ジ−t−ブチル
パーオキサイド(分解物はt−ブチルアルコール、アセ
トン)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト(分解物はt−ブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、アセトン)を挙げることができる。
【0020】前述の不活性溶媒として(シクロ)ヘキサ
ンを用いる場合には、t−ブチルアルコール、イソプロ
ピルアルコールおよびアセトンは共に(シクロ)ヘキサ
ンと共沸系を形成するため、減圧操作により容易に除去
することができる。上記の有機過酸化物は通常ビニル芳
香族単量体重量100重量部に対して、0.001〜
0.1重量部の範囲で加えられる。好ましくは0.00
5〜0.05重量部である。 かくして調整された重合
液は、通常80〜160℃の温度にて、1〜5時間を要
してラジカル重合される。ビニル芳香族単量体の転化率
は、所望のグラフト率、ゲル含量に応じ、調整される。
一般に重合温度を高め、有機過酸化物を多く加え、重合
速度を高め、ビニル芳香族単量体の転化率を高めるに伴
い、ジエン系重合体へのグラフト率が高くなり、ゲル含
量が高くなる。ゲル含量が高くなると衝撃強度は高くな
るが、適正レベルを越えると衝撃強度と剛性共に低下す
るようになるので、通常はゲル含量を、投入したジエン
系重合体の1.5〜3.5倍の範囲に調整される。また
第2の工程にて生成するフリー(非グラフト)のビニル
芳香族重合体の重量平均分子量は、定法に従い10〜4
0万、好ましくは15〜30万の範囲に調整される。分
子量の調整は、不活性溶媒濃度のほかα−メチルスチレ
ン2量体などのアニオン重合に対して不活性な連鎖移動
剤を添加することによっても調整できる。
【0021】前記したようにゴム状重合体の粒子化は第
2の工程または次の第3の工程にて行われる。粒子化を
第2の工程にて行う場合には、該工程でのビニル芳香族
重合体の生成量を重合液中のゴム状重合体の重量の2〜
4倍、好ましくは2.5〜3.5倍とする。なお粒子化
が第2の工程で行われる場合、粒子径は該工程での重合
系に加えられる剪断力、グラフト率などにより調整され
る。
【0022】また粒子化を第3の工程にて行う場合に
は、第3の工程でのビニル芳香族重合体の生成量を重合
液中のゴム状重合体の重量の0.1〜2倍、好ましくは
0.5〜1.5倍とする。この場合粒子化は第3の工程
にて、ビニル芳香族重合体の生成量が重合液中のゴム状
重合体の重量の2〜4倍に達した時点で起こる。粒子径
は定法に従い0.2〜10μm、好ましくは0.6〜3
μmの範囲に調整される。
【0023】以上の第1及び第2の工程を経た反応液中
には、一般には水やアルコール類などの第3の工程のア
ニオン重合を阻害するプロトン供与体を含有しており、
これらをできる限り除去あるいは不活性化してから第3
の工程を行うのが好ましい。除去の方法としては、蒸留
および吸着が一般的であるが、ゴム濃度の高い反応液は
粘度が高く、吸着に適さない場合が多い。第2の工程を
沸騰式反応装置で低沸点成分を蒸留除去しながら行え
ば、除熱とプロトン供与体の除去を同時に行うことがで
きるので合理的である。この場合、主なプロトン供与体
と共沸系を形成する不活性溶媒を添加しておくことが好
ましい。不活性化の方法としては、ビニル芳香族単量体
を重合させない有機金属化合物などを添加する方法があ
る。具体的にはスチレンに対してはグリニヤ試薬などが
用い得る。また第3の工程に先立ってアニオン重合開始
剤により予備重合を極僅かな転化率だけ行うこともでき
る。
【0024】第2の工程を経た重合液は引き続き第3の
工程に送られる。第3の工程では、アニオン重合開始剤
により、アニオン重合機構によりビニル芳香族重合体が
形成される。第2の工程でのビニル芳香族単量体の転化
率およびグラフト効率(ラジカル重合したビニル芳香族
単量体のうち、ゴム状重合体にグラフトしたビニル芳香
族単量体の割合)により、それぞれ第3の工程にてアニ
オン重合機構により重合し得るビニル芳香族単量体の重
量および第2の工程にて生成したフリー(非グラフト
性)のビニル芳香族重合体重量が決まり、従って最終的
に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の連続相を
形成するビニル芳香族重合体に占めるアニオン重合によ
るビニル芳香族重合体の割合(以後、アニオン重合体比
率と略称する。)が定まる。
【0025】すなわち、アニオン重合体比率は、下式に
より求まる。 A/(A+R)=(S−C)/(S−C×f) ここに、 A/(A+R):ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の連
続相に占めるアニオン重合によるビニル芳香族重合体の
割合(分率表示) A:連続相中のアニオン重合によるビニル芳香族単量体
の重量 R:連続相中のラジカル重合によるビニル芳香族単量体
の重量 S:第2及び第3の工程を経たビニル芳香族単量体の最
終転化率 C:第2の工程でのビニル芳香族単量体の転化率(分率
表示) f:第2の工程で重合したビニル芳香族単量体のゴム状
重合体へのグラフト効率(分率表示) 一般に、Sは0.9以上Cは0.1〜0.6、fは0.
2〜0.9の範囲の値を取り得るので最終的にアニオン
重合体比率は、0.45〜0.98の範囲の値となる。
【0026】本発明の目的からは、アニオン重合体比率
が高くなるよう、第2の工程の重合条件が調整される。
また、最終的に得られる樹脂組成物中のゴム状重合体の
割合を所望の割合に調整しうる範囲で、第2の工程の後
にビニル芳香族単量体を追加することもできる。また第
3の工程の好ましい場合においては、アニオン重合機構
により前記の(1)式で示される分岐状ビニル芳香族重
合体が形成される。
【0027】第3の工程では下記1)〜3)の方法によ
り、アニオン重合機構により、リニアー型または分岐状
ビニル芳香族重合体が生成される。 1)重合液中のビニル芳香族単量体をモノアニオン重合
開始剤化合物を用いて重合して片末端活性ビニル芳香族
重合体とし、重合停止剤を加えて活性末端を不活性化す
る方法。 2)重合液中のビニル芳香族単量体を単官能アニオン重
合開始剤を用いて重合して片末端活性ビニル芳香族重合
体とし、次いで多官能化合物により結合させる方法。 3)重合液中のビニル芳香族単量体を多官能アニオン重
合開始剤化合物を用いて重合し、重合停止剤を加えて活
性末端を不活性化する方法。
【0028】上記1)の方法により、リニアー型ビニル
芳香族重合体が得られ、2)、3)の方法により、分岐
状ビニル芳香族重合体が得られる。上記1)、2)の方
法において用いる単官能アニオン重合開始剤としては、
n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ベンジル
リチウム、フェニルリチウム、ヘキシルリチウムなどの
有機リチウム、クミルカリウムなどの有機カリウム、ナ
フチルナトリウムなどの有機ナトリウムの他、アルカリ
金属類、アルカリアミド類を挙げることができる。2)
の方法において用いる多官能化合物は、成長末端アニオ
ンと反応して結合を形成し得る官能基を3〜8個、好ま
しくは3〜6個有する低分子量化合物であり、下記に限
定するものではないが、例えば、 a)ポリハロゲン化合物 b)ポリエポキシ化合物 c)ポリカルボン酸エステル d)ポリイソシアネート化合物 e)ポリアジリジニル化合物(ポリエチレンイミン) f)ポリアルデヒド化合物 g)ポリケトン化合物 h)ポリカルボン酸無水物 i)ポリカルボン酸アミド j)ポリカルボン酸イミド などを挙げることができる。
【0029】a)のポリハロゲン化合物としては、 a1)シリコンテトラクロライド、シリコンテトラブロ
マイド、シリコンテトラアイオダイドのごときシリコン
テトラハライド。 a2)トリフルオロシラン、トリクロロシラン、トリク
ロロエチルシラン、トリブロモベンジルシランなどのご
ときトリハロシラン。 a3)ヘキサクロロジシランなどのヘキサハロジシラ
ン。 a4)1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼン、
2,5,6,9−テトラクロロ−3,7−デカジエンな
どのポリハロゲン置換炭化水素。 a5)メチルトリクロロ錫、ドデシルトリクロロ錫、ベ
ンジルトリクロロ錫、テトラアリル錫、フッ化第二錫、
塩化第二錫、臭化第二錫、ヨウ化第二錫などの錫化合
物。 などを例示することができる。
【0030】b)のポリエポキシ化合物としては、エポ
キシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、1,2,5,6,
9,10−ヘキサエポキシデカン、テトラグリシジル
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−
P−フェニレンジアミン、テトラキス(グリシジルオキ
シフェニル)エタン、テトラグリシジルメタキシレンジ
アミンなどを例示することができる。
【0031】c)のポリカルボン酸エステルは、一価ア
ルコールと多塩基カルボン酸とのエステルであり、シュ
ウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジプロピ
ル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピ
ン酸ジエチル、ピメリン酸ジヘキシル、セバシン酸ジオ
クチル、フタール酸ジメチル、テレフタール酸ジエチ
ル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、ピロメ
リット酸テトラメチル、および1分子中にアクリル酸エ
ステル単位を2〜4個含有するオリゴマーなどを例示す
ることができる。
【0032】d)のポリイソシアネート化合物として
は、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ベンゼン
−1,2,4−トリイソシアネート、ベンゼン−1,
3,5−トリイソシアネート、ナフタレン−1,3,7
−トリイソシアネート、ナフタレン−1,2,5,7−
テトライソシアネートなどを例示することができる。
e)のポリアジリジニル化合物(ポリエチレンイミン)
としては、トリ(1−アジリジニル)ホスフィンオキサ
イド、トリ(2−メチル−1−アジリジニル)ホスフィ
ンオキサイド、トリ(2−エチル−3−デシル−1−ア
ジリジニル)ホスフィンサルファイド、トリ(2−フェ
ニル−1−アジリジニル)ホスフィンオキサイド、トリ
(2−メチル−3−シクロヘキシル−1−アジリジニ
ル)ホスフィンサルファイド、2,4,6−トリ(アジ
リジニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ
(2−メチル−1−アジリジニル)1,3,5−トリア
ジン、2,4,6−トリ(1−アジリジニル)2,4,
6−トリホスファ−1,3,5−トリアジン、2,4,
6−トリ(2−メチル−n−ブチル−アジリジニル)
2,4,6−トリホスファ−1,3,5−トリアジンな
どを例示することができる。
【0033】f)のポリアルデヒド化合物としては、
1,4,7−ナフタレントリカルバルデヒド、1,7,
9−アンスラセントリカルバルデヒド、1,1,5−ペ
ンタントリカルバルデヒドなどを例示することができ
る。g)のポリケトン化合物としては、2,3−ジアセ
トニルシクロヘキサノン、1,3,6−ヘキサントリオ
ン、1,4,9,10−アンスラセンテトラオンなどを
例示することができる。
【0034】h)のポリカルボン酸無水物としては、ピ
ロメリット酸二無水物などを例示することができる。
i)のポリカルボン酸アミドとしては、N,N−ジエチ
ルシュウ酸アミド、N,N−ジブチルアジピン酸アミ
ド、N,N,N′,N′−テトラブチルアジピン酸アミ
ドなどを例示することができる。
【0035】j)のポリカルボン酸イミドとしては、ピ
ロメリット酸ジイミドや、分子中にN−置換マレイミド
単位を3〜8個含有するオリゴマーなどを例示すること
ができる。1)、2)の方法を実施するに際して、前記
の単官能アニオン重合開始剤は、ビニル芳香族単量体1
モル当たり0.0001〜0.010モル加えられる。
【0036】また2)の方法において上記の多官能化合
物は、単官能アニオン重合開始剤の0.5〜1.5当量
を添加して反応させる。多官能化合物を単官能アニオン
重合開始剤の、当量を加えると片末端活性ビニル芳香族
重合体の全量が分岐状ビニル芳香族重合体となり、当量
未満を加えると片末端活性ビニル芳香族重合体の一部が
分岐状ビニル芳香族重合体となり、結果的に線状ビニル
芳香族重合体と分岐状ビニル芳香族重合体の混合物が得
られる。他方、多官能化合物を単官能アニオン重合開始
剤の当量を越えて加えると1分子停止または2分子停止
の頻度が増し、この場合にも線状ビニル芳香族重合体と
分岐状ビニル芳香族重合体の混合物が得られる。従っ
て、一般には多官能化合物を単官能アニオン重合開始剤
の当量を加える。多官能化合物を単官能アニオン重合開
始剤の当量以上を加える場合には、多官能化合物が重合
停止剤の役を果たす。
【0037】次ぎに上記3)の方法において用いる多官
能アニオン重合開始剤化合物としては、アニオン重合の
反応開始点を3〜8個、好ましくは3〜6個有する化合
物であり、2,2’,2”−トリリチオ−p−ターフェ
ニル、1,3,5トリリチオベンゼン、1,3,5−ト
リリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン、α,
α’,α”−トリポッタシオ−1,3,5−トリエチル
ベンゼンなどを挙げることができる。上記の他、特開昭
48−103690号公報に記載の単官能アニオン重合
開始剤とポリビニル芳香族化合物との反応化合物や、西
独特許2,003,384号公報に記載の、単官能アニ
オン重合開始剤とモノビニル芳香族化合物を反応させた
のち、ポリビニル芳香族化合物を反応させた反応生成物
や、単官能アニオン重合開始剤とモノビニル芳香族化合
物とポリビニル芳香族化合物を反応させた反応生成物も
好適に用いることができる。上記に言うポリビニル芳香
族化合物とは、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,
3,5−トリビニルナフタレン、3,4,5−トリビニ
ルビフェニルなどであり、モノビニル芳香族化合物と
は、スチレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼ
ン、ビニルキシレン、ビニルナフタレンなどであるが、
特にスチレンが一般的に用いられる。
【0038】3)の方法を実施するに際して、上記の多
官能アニオン重合開始剤化合物は、重合液中のビニル芳
香族単量体100重量部当たり0.10〜0.50重量
部加えられる。また1)、3)の方法の重合終了後添加
する重合停止剤としては、水、アルコールなどのアニオ
ン重合開始剤の活性末端基を失活させる水酸基含有化合
物が用いられる。アルコールとしては、メタノール、エ
タノールなどの低級アルコールが好ましい。また不活性
溶媒として、(シクロ)ヘキサンが用いられる場合、重
合停止剤としてメタノールを用いると、(シクロ)ヘキ
サンとメタノールが共沸系を形成するため、減圧操作に
より、重合液に残留している重合停止剤を極めて効率よ
く除去することができる。重合停止剤は多官能アニオン
重合開始剤化合物の当量を加える。
【0039】第3の工程にて形成されるビニル芳香族重
合体の重量平均分子量は、それがリニアー型のビニル芳
香族重合体である場合には、3〜40万が好ましく、5
〜35万が更に好ましく、8〜30万が最も好ましい。
また第3の工程にて形成されるビニル芳香族重合体が、
前記(1)式で示される分岐状ビニル芳香族重合体であ
る場合には、その重量平均分子量は、5〜60万が好ま
しく、8〜40万が更に好ましく、最も好ましくは10
〜35万である。
【0040】上記の重量平均分子量は、アニオン重合開
始剤の量により調整できる。周知のごとくスチレンに代
表される多くのビニル芳香族単量体のアニオン重合は、
リビング機構で重合が進行するため、分子量は重合液中
のアニオン重合開始剤とビニル芳香族単量体の比率でほ
ぼ一意的に定まる。上記第3の工程の重合を行う温度と
しては、周知のアニオン重合に従い、30〜100℃の
範囲で実施される。
【0041】重合時間は不活性溶媒濃度や重合温度にも
よるが、通常数分〜数時間である。また2)の方法の重
合終了後の、多官能化合物による片末端活性ビニル芳香
族重合体の結合反応、および1)、3)の方法の重合終
了後の、重合停止剤によるビニル芳香族重合体の活性末
端の不活性化反応はともに、通常数秒〜数分で終了す
る。
【0042】また1)の方法の重合終了後の、多官能化
合物による片末端活性ビニル芳香族重合体の結合反応、
および2)の方法の重合終了後の、重合停止剤による分
岐状ビニル芳香族重合体の活性末端の不活性化反応はと
もに、通常数秒〜数分で終了する。次に第3の工程の具
体的な方法について説明する。
【0043】第3の工程では重合はラジカル重合と比較
して極めて高速度で進行し、かつビニル芳香族単量体が
実質的に無くなるまで進行させることができるため、反
応時間を調節することにより、ビニル芳香族単量体の転
化率を所望のレベルに保つことができる。一般には反応
時間を30分〜3時間の範囲で調整することにより、ビ
ニル芳香族単量体の転化率を90%以上、更には95%
以上、最も好ましくは99%以上とすることもできる。
【0044】第3の工程は、回分式、または連続式に実
施することも可能であるが、半回分式に実施することに
より、重合速度の制御と形成させるビニル芳香族重合体
の分子量制御を容易に実施することができる。上記に言
う半回分式とは、第2の工程を経た液を、アニオン重合
開始剤またはアニオン重合開始剤の不活性溶媒希釈液を
仕込んだ次工程の反応装置に連続的に注いで第3の工程
を実施するものである。前記したようにアニオン重合は
極めて速く進行するため、重合熱の除去が肝要である
が、上記の半回分式に従い重合を行う場合、重合熱は第
3の工程の反応装置に注ぎ込まれた液中のビニル芳香族
単量体の重合熱の総量を越えることがないので、重合熱
の制御が極めて容易である。好適には、第2の工程を経
たビニル芳香族単量体を含む液を、第3の工程の反応装
置の除熱速度に見合うだけ注げば良い。加えて、上記半
回分式に従い重合を行う場合、形成されるビニル芳香族
重合体の分子量は、重合がリビング的に進行するため、
注いだビニル芳香族単量体の重量により、容易に制御で
きる。
【0045】すなわち、重合中のビニル芳香族重合体の
分子量が所望の分子量に達していない場合には、更にビ
ニル芳香族単量体を追添加して重合を継続して分子量を
高めることにより、随意に制御できる。第3の工程によ
り形成されるビニル芳香族重合体の分子量は、一般的に
は第2の工程を経た重合液中の未反応ビニル芳香族単量
体重量と第3の工程での反応液中のアニオン重合開始剤
のモル数の比率により決まる。 次ぎに第3の工程を、
並列につないだ複数個の反応機により構成される第二の
反応装置を用いて上記半回分式に実施する場合には、第
2〜第4の工程を半連続式に実施することができる。
【0046】すなわち、第2〜第4の工程を実施するに
際し、ゴム状重合体がビニル芳香族単量体及び必要に応
じ不活性溶媒を加えた液に溶解してなる液を、第2の工
程として連続的に第一の反応装置に送り、該反応装置に
て上記のゴム状重合体溶液中のゴム状重合体が粒子化す
るまでビニル芳香族単量体をラジカル重合し、次いで第
一の反応装置出口より連続的に取り出した重合液を、第
3の工程として、所望量のアニオン重合開始剤またはア
ニオン重合開始剤の不活性溶媒希釈液をあらかじめ仕込
んである並列につないだ複数個の反応機により構成され
る第二の反応装置に送って重合を行い、該反応機群の各
々の反応装置内にて所望の分子量にまで重合を進行させ
た反応液を順次取り出して、連続的に第4の工程に送る
方法である。
【0047】上記において、第3の工程の重合終了のの
ち加える多官能化合物や重合停止剤は、第二の反応装置
を構成する反応機群に順次加えることもできるし、別途
該反応機群の後に設置した共通の重合停止釜に加えるこ
ともできる。上記の「並列につないだ複数個の反応機
群」を構成する反応機の数としては2〜4の範囲が簡便
であり好ましい。
【0048】上記半連続式の方法により、重合熱除去の
困難な第3の工程を極めて精度良く実施でき、しかも第
2〜第3の工程を経済的に実施できる利点を有する。
なお、上記半連続式の方法において、半回分式の第3の
工程と連続式の第4の工程をスムーズに接続するため、
第3の工程をなす前記の「並列につないだ複数個の反応
機群」の後にバッファータンクを設置することもでき
る。更に該バッファータンクを前記した重合停止釜とし
て使用し、前記の重合停止剤や多官能化合物を加えるこ
ともできる。
【0049】かくして第3の工程にて、アニオン重合に
よりリニアー型または前記(1)式にて表示される分岐
状のビニル芳香族重合体が形成される。なお、第2及び
第3の工程の反応装置のタイプに制約はなく、層流式、
完全混合型いずれの反応装置も使用できるが、第3の工
程に用いる反応装置としては、重合熱除去、混合性の観
点から、特に完全混合型反応装置、高循環式管型反応装
置が好ましい。さらに、沸騰式の完全混合型反応装置を
用いれば、重合熱除去が一層容易となる。また高循環式
管型反応装置はその内部に静的攪拌装置を備えたものも
好適に使用できる。なお、高循環式管型反応装置の運転
に際して、循環比(還流液流量/投入液流量)は、通常
1〜50の範囲、好ましくは5〜20の範囲で実施され
る。
【0050】更に第2及び第3の工程の反応装置は、単
槽式、多槽式(多段式)いずれも適用できる。かくして
第2及び第3の工程を経た重合液は、引き続き第4の工
程に送られる。第4の工程では、不活性溶媒及び少量の
未反応ビニル芳香族単量体が揮発性成分除去装置にて除
かれる。一般には第3の工程を経た液を高温・高真空の
条件に保持する工程よりなる。具体的には定法に従い2
00〜260℃、1〜20mmHgにて実施される。
【0051】揮発性成分除去装置の型式に制約はなく、
フラッシュタンク、フィルムエバポレーター、脱揮押し
出し機など公知の装置を採用できる。また第4の工程で
は、ゴム状重合体粒子の架橋度が調整される。一般に
は、ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物中のゲル成分(該
樹脂組成物のトルエン不溶分)のトルエンに対する膨潤
指数が7〜14、好ましくは8〜13の範囲となる様に
調整される。上記膨潤指数は、揮発性成分の除去の際の
温度及び時間にて調整される。これらは公知の事がらに
属するため、その詳細は省略する。
【0052】第4の工程を経た後、要すれば定法に従い
ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物はペレット化される。
第1〜第4の工程を実施する態様を図1〜2に示す。以
下、実施例にて本発明を具体的に説明する。
【0053】
【実施例】以下の実施例、参考例において、分析、評価
は次の方法による。 ・ゴム粒子径はコールターカウンター(コールターカウ
ンターは、米国コールター社の分散粒子径測定機の商
標)により、ジメチルホルムアミドを分散剤として測定
し、重量平均値を求める。 ・連続相であるビニル芳香族樹脂の重量および数平均分
子量は標準ポリスチレンで較正したゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフより、直鎖ポリスチレン換算値として
求める。 ・ゲル含量は、約1グラムの樹脂を約20mlのメチル
エチルケトン/メタノール(90/10容積比)混合液
に溶解させ、高速遠心分離後、上澄みをデカンテーショ
ンにより除いた残さを真空乾燥器で160℃1時間乾燥
させた重量をもとの樹脂の重量で除して重量%として求
める。 ・ゲルの膨潤度は約1グラムの樹脂を約20mlのトル
エンに溶解させ、高速遠心分離後、上澄みをデカンテー
ションにより除いた残さの重量を、これを真空乾燥器で
160℃1時間乾燥させた重量で除して求まる値であ
る。 ・アイゾット衝撃強度(ノッチ付き):ASTM D2
56に準拠。 ・メルトフローレート:ISO−R1133に準拠。2
00℃、5kg荷重 ・ビカット軟化点:ASTM D1525に準拠。 ・曲げ弾性率:ASTM D790に準拠。 ・デュポン式ダート衝撃強度:7cm×5cm×2mm
の平板試験片50枚を射出成形し、これに一定荷重を備
えた先端曲率1/4インチのミサイルを高さを変えて落
下させ、試験片が50%破壊する高さより破壊エネルギ
ーを求める。
【0054】
【実施例1】本発明の方法を半回分式に行う例である。 [第1の工程]攪拌棒を備えたオートクレーブに、ポリ
ブタジエンゴム8重量部、スチレン92重量部、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.0
2重量部および少量のα−メチルスチレン2量体を仕込
む。(ポリブタジエンゴムは、アルキルリチウム触媒に
より、アニオン重合して、メタノールにて重合停止し、
乾燥して得られたポリブタジエンゴムである。スチレン
は水及びターシャリーブチルカテコールを除去したもの
である。) [第2の工程]第1の工程で仕込んだ重合原液を100
℃より始めて115℃に昇温し、3時間かけて重合を行
う。スチレンの転化率は24%であり、その段階でポリ
ブタジエンゴムは粒子化している。ゴム粒子の重量平均
粒子径は2.5μmである。メチルエチルケトン/メタ
ノール(90/10容積比)混合液により分別して求ま
る生成ポリスチレン中に占めるフリーポリスチレン(非
グラフトポリスチレン)の重量比は81%である。また
生成ポリスチレンの重量平均分子量及び数平均分子量
は、各々18.3万、10.2万である。ついで上記の
反応液を80℃に下げ、第3の工程を実施する。
【0055】[第3の工程]n−ブチルリチウムの0.
03モルを含んだシクロヘキサン溶液を2リットルを満
たした攪拌棒付き反応機に、(I)の工程を経た上記反
応液を4.0キログラム/毎時の割合で連続的に1時間
加え、反応液添加終了と同時にメタノールの3.0モル
/リットル濃度のシクロヘキサン溶液を10.0ミリリ
ットル加え、片末端活性ポリスチレンの不活性化反応を
5分間行う。
【0056】スチレンの転化率は98%に達している。
また反応液の一部を採取し、10倍量のメチルエチルケ
トン/メタノール(90/10容積比)混合液に投入し
て、ゲル成分を不溶分として除去する。ポリスチレン部
分の重量平均分子量及び数平均分子量は、各々12.7
万、9.9万である。 [第4の工程]第3の工程を経た上記の重合体溶液を2
20℃、20mmHgの条件にて30分の間、脱揮・乾
燥処理を行い、ゴム変性ポリスチレンを得る。
【0057】ゴム変性ポリスチレン中のポリブタジエン
含量は8.1重量%、ゲル含量は23.4%、またトル
エンに対する膨潤指数は10.3である。かくして得ら
れるゴム変性ポリスチレンを粉砕し、圧縮成形により試
験片を作成し、物性測定を行う。その結果、アイゾット
衝撃強度は9.6kgf・cm/cm、メルトフローレ
ートは6.3g/10分、ビカット軟化点は108℃で
ある。
【0058】
【実施例2】本発明の方法を半回分式に、かつ第3の工
程で分岐状ポリスチレンを形成させる例である。 [第1〜第2の工程]実施例1の第2の工程を経た反応
液を用いる。 [第3の工程]n−ブチルリチウムの0.058モルを
含んだシクロヘキサン溶液を2リットルを満たした攪拌
棒付き反応機に、第2の工程を経た上記反応液を4.0
キロラム/毎時の割合で連続的に1時間加え、反応液添
加終了と同時に一部の反応液を採取し、直ちにテトラグ
リシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以
下、TEDの略称を用いる。)の0.2モル/リットル
−スチレン溶液を57ミリリットル加え、片末端活性ポ
リスチレンの結合反応を5分間行う。
【0059】この時点でスチレンの転化率は99%に達
している。またTED添加前に採取される反応液中のポ
リスチレン部分の重量平均分子量及び数平均分子量は、
各々8.4万、5.9万である。また最終的に得られる
反応液中の生成ポリスチレンの重量平均分子量及び数平
均分子量は、各々15.4万、11.6万である。 [第4の工程]第3の工程を経た上記の重合体溶液を2
20℃、20mmHgの条件にて30分の間、脱揮・乾
燥処理を行い、ゴム変性ポリスチレンを得る。
【0060】ゴム変性ポリスチレン中のポリブタジエン
含量は8.2重量%、ゲル含量は23.8%、またトル
エンに対する膨潤指数は10.1である。実施例1と同
様にして、得られたゴム変性ポリスチレンの物性測定を
行う。その結果、アイゾット衝撃強度は10.6kgf
・cm/cm 、メルトフローレートは12.6g/1
0分、ビカット軟化点は107℃である。
【0061】
【参考例1】実施例1の第2の工程を経た反応液85重
量部にエチルベンゼン15部を加え、引き続き第3の工
程に対応する重合をラジカル重合により実施する。なお
重合終了時の固形分(ゴム状重合体と生成ポリスチレン
の和)濃度が83重量%となるように反応を調整する。
次いで実施例1と同様にして第4の工程を実施する。
【0062】ポリスチレン部分の重量平均分子量及び数
平均分子量は、各々16.4万、7.1万である。ゴム
変性ポリスチレン中のポリブタジエン含量は8.2重量
%、ゲル含量は23.6%、またトルエンに対する膨潤
指数は10.8である。実施例1と同様にして、得られ
たゴム変性ポリスチレンの物性測定を行う。その結果、
アイゾット衝撃強度は7.6kgf・cm/cm 、メ
ルトフローレートは4.3g/10分、ビカット軟化点
は106℃である。
【0063】
【実施例3】実施例2のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
物を半連続式に製造する例である。 [第1の工程]下記組成になる重合原液を調整する(単
位は重量部数)。なおポリブタジエン及びスチレンは実
施例1で使用するものと同様のものを用いる。 ・ポリブタジエンゴム・・・・・・・・・ 9.8 ・スチレン・・・・・・・・・・・・・・90.2 ・t−ブチルパーオキシピバレート・・・ 0.03 ・α−メチルスチレン2量体・・・・・・ 0.04
【0064】[第2の工程]上記の重合原液を、第一の
反応機として内容積が6.2リットルの撹拌機付きの塔
式反応機に2.4キログラム/毎時の流量にて連続的に
送液する。反応機出口の固形分(ゴム状重合体及びポリ
スチレンの合計)濃度が38重量%となるように反応機
内温度を調整する。
【0065】反応機出口にて採取する重合液中のポリブ
タジエンゴムは粒子化しており、かつゴムの重量平均粒
子径は、2.2μmである。生成ポリスチレン中に占め
るフリーポリスチレン(非グラフトポリスチレン)の重
量比は86%である。またゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーにより求まる生成ポリスチレンの重量平均
分子量及び数平均分子量は、各々19.2万、9.1万
である。 [第3の工程]第二の反応機群として内容積が各々2
0.0リットルの完全混合型反応機A,B,Cの3機を
並列に接続し、第3の工程を以下の手順で継続する。
【0066】反応機Aにn−ブチルリチウムの0.04
5モルを含むシクロヘキサン溶液を6リットル仕込む。
ついで第2の工程を経た前記反応液を2.4キログラム
/毎時の流量にて2時間連続的に送液する。この間反応
機内温度は90℃に制御される。反応液添加終了と同時
に一部の反応液を採取し、次いでテトラグリシジル1,
3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以下、TEDの
略称を用いる。)の0.2モル/リットル−スチレン溶
液を52ミリリットル加え、片末端活性ポリスチレンの
結合反応を5分間行う。
【0067】この時点でスチレンの転化率は99%に達
している。またTED添加前に採取した反応液中のポリ
スチレン部分の重量平均分子量及び数平均分子量は、各
々11.1万、7.6万である。また最終的に得られる
反応液中の生成ポリスチレンの重量平均分子量及び数平
均分子量は、各々19.9万、13.6万である。以上
第2の工程を経た液をAの反応機に2時間を要して、
4.8キログラム仕込み、2時間5分を要して反応を終
了させる。
【0068】ついでAの反応機より、重合液を連続的に
2.4キログラム/毎時の流量にて第4の工程に送る。
他方、Aの反応機に第2の工程からの液の添加終了と同
時に、第2の工程を経た反応液をBの反応機(n−ブチ
ルリチウムを0.045モル含んだシクロヘキサン溶液
を6リットル仕込んでおく。)に2.4キログラム/毎
時の流量にて送液し、上記Aの反応機と同様の操作を行
い重合を行う。以下上記Aの反応機に対して行うと同様
の操作を行う。
【0069】上記の操作を、A、B、C3機の反応機を
順次使用して継続する。 [第4の工程]第3の工程を経たA、B、C3機の反応
機からの液を、順次連続的に220℃、真空度5mmH
gに制御した揮発分除去装置に導き、不活性溶媒および
未反応スチレンを除去し、連続的にペレット化する。
【0070】かくして得られるゴム変性ポリスチレンの
ペレットより、射出成形により試験片を作成し、物性測
定を行う。結果を表1に示す。
【0071】
【参考例2】従来技術によりラジカル重合により、ゴム
変性ポリスチレンを製造する。なお、分子量と重合速度
を調整するため、不活性溶媒をエチルベンゼンとし、重
合原液の組成を下記とする。 ・ポリブタジエンゴム・・・・・・・・・ 7.7 ・スチレン・・・・・・・・・・・・・・77.3 ・エチルベンゼン・・・・・・・・・・・15.0 ・t−ブチルパーオキシピバレート・・・ 0.03 ・α−メチルスチレン2量体・・・・・・ 0.01 上記組成の液を実施例2で用いる第一の反応機と同一容
量の第二の反応機及び第三の反応機よりなる3槽式の塔
式反応機により、ゴム変性ポリスチレンを得た。ゴム変
性ポリスチレンのポリブタジエンゴム含量は10.2重
量%、ゲル含量は28.1重量%、またトルエンに対す
る膨潤指数は9.7である。またポリスチレン部分の重
量平均分子量及び数平均分子量は、各々19.3万、
7.8万である。このゴム変性ポリスチレンの物性測定
を行う。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例1、2と参考例1により得られるゴ
ム変性ポリスチレン、及び実施例3と参考例2により得
られるゴム変性ポリスチレンの物性比較より明らかなよ
うに、本発明の方法により得られるゴム変性ビニル芳香
族樹脂組成物は、その連続相に占める特定分子量または
特定分岐構造のビニル芳香族重合体を多く含んでいるた
め、従来技術のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物より
も、衝撃強度と流動性が優れている。特に本発明の方法
により、その連続相に特定分岐構造のビニル芳香族重合
体を多く含ませたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物は、
従来技術のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物よりも、衝
撃強度と流動性がはるかに優れている。加えて本発明の
特定の方法によれば、上記特性のゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物を半連続式に効率よく製造することができ、
工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を第2の工程を連続式に、第3の
工程を半回分式に、第4の工程を連続式に行う場合のプ
ロセスフローである。なお、第二の反応機群は、3機の
反応機を用いる場合で示してある。
【図2】本発明の方法を第2の工程を連続式に、第3の
工程を半回分式に、第4の工程を連続式に行う場合のプ
ロセスフローである。なお、第二の反応機群は、3機の
反応機を用いる場合で示し、かつその後にバッファータ
ンクを設置してある。
【符号の説明】
R0: ゴム溶解槽 R1: 第一の反応機 R2: 第二の反応機群(仕切り弁は省略してある。) B: バッファータンク D: 揮発性成分除去装置 I: アニオン重合開始剤(初期仕込み) S: 重合停止剤または多官能化合物(重合終了後添
加)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族重合体の連続相中にゴム状
    重合体が分散相として存在するゴム変性ビニル芳香族樹
    脂組成物を得る方法において、下記第1〜第4の工程を
    有することを特徴とするゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
    物の製造方法。 1.ゴム状重合体のビニル芳香族単量体の溶液、または
    ゴム状重合体のビニル芳香族単量体と不活性溶媒の溶液
    を調整する第1の工程。 2.第1の工程を経た溶液中のビニル芳香族単量体をラ
    ジカル重合させ、ゴム状重合体にビニル芳香族重合体を
    グラフトさせる第2の工程。 3.第2の工程を経た重合体の溶液に、アニオン重合開
    始剤を加え未反応のビニル芳香族単量体の重合を行い、
    ビニル芳香族重合体を生成させる第3の工程。 4.第3の工程を経た重合液に揮発性成分除去操作を施
    し、未反応単量体または不活性溶媒を除去する第4の工
    程。
  2. 【請求項2】 第2の工程または、第2の工程から第3
    の工程に到る間でプロトン供与体を除去または不活性化
    する請求項1に記載のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 第3の工程にて、下式; M−(P)n (式中、Mは多官能化合物残基またはポリビニル芳香族
    化合物残基の分岐核、Pはビニル芳香族重合体、nは3
    〜8の整数であり、Mにて結合しているビニル芳香族重
    合体Pの本数を示す。)によって示される分岐状ビニル
    芳香族重合体を生成させる請求項1、2に記載のゴム変
    性ビニル芳香族樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の工程を経た液を、アニオン重合開
    始剤またはアニオン重合開始剤の不活性溶媒希釈液を仕
    込んだ反応装置に連続的に注ぐことにより第3の工程を
    実施する請求項1〜3に記載のゴム変性ビニル芳香族樹
    脂組成物の製造方法。
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