JPH07222551A - しらす包装体の製造方法 - Google Patents

しらす包装体の製造方法

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JPH07222551A
JPH07222551A JP6275373A JP27537394A JPH07222551A JP H07222551 A JPH07222551 A JP H07222551A JP 6275373 A JP6275373 A JP 6275373A JP 27537394 A JP27537394 A JP 27537394A JP H07222551 A JPH07222551 A JP H07222551A
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JP
Japan
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container
shirasu
heat
whitebait
minutes
Prior art date
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Pending
Application number
JP6275373A
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English (en)
Inventor
Mikiharu Nagamatsu
幹晴 永松
Yasuyuki Kino
康行 木野
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 しらすを、耐熱性でガスバリヤー性を有する
プラスチック製容器に充填し、密封した後、加熱殺菌処
理することを特徴とする、しらす包装体の製造方法。 【効果】 長期保存性に優れたしらす包装体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期保存性に優れたし
らす包装体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】しらすは、かたくちいわしの稚魚を煮沸
後、水切り、放冷、乾燥したもので、しらす干しとも呼
ばれ、日本では古くから食されている水産加工品の一つ
である。
【0003】しらすは、地域の違いや水分量の違いなど
により、「釜あげ」、「ちりめんじゃこ」とも称されて
いる。
【0004】しらすは、水分量が40〜90%あり腐敗
が早く、また脂質含量が高く酸化されて褐色に変色しや
すいため長期保存には向いておらず、長期保存する場合
は冷凍保存が最も適していると言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、包装して販
売する際も、ストレッチ包装でチルド販売の場合は2日
程度、やや水分量の少ないものを袋詰め常温販売する場
合でも10日程度がその販売期限となっているのが現状
であり、しらすの流通販売地域は産地近辺に限られ、全
国へ流通させることは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するためのものであって、しらすを、耐熱性でガスバ
リヤー性を有するプラスチック製容器に充填し、密封し
た後、加熱殺菌処理することを特長とする、しらす包装
体の製造方法である。しらすをプラスチック製容器に充
填し密封した後、加熱殺菌処理するので長期保存性に優
れる。
【0007】また、しらすを前記プラスチック製容器に
充填する前に、酸化防止剤で前処理され、乾燥してある
と加熱殺菌処理による酸化が防止される。
【0008】さらにプラスチック製容器に充填し、密封
する際、容器内を窒素ガスで置換することによりさらに
酸化防止効果が高くなる。
【0009】そしてしらすを加熱殺菌する際、当該容器
の中心部にあるしらすが少なくとも70〜105℃×1
0〜30分の熱履歴を受けるように加熱殺菌がなされて
いることにより、しらすの腐敗が無く、極めて長期保存
性に優れたしらす包装体が得られる。
【0010】本発明で用いるプラスチック製の容器は、
耐熱性があり、ガス、特に酸素バリヤー性を有するもの
であれば特に限定はされない。
【0011】一般には、ガスバリヤー性能に優れたエチ
レン・ビニルアルコール共重合体樹脂やポリ塩化ビニリ
デン樹脂の両側に接着性樹脂を介してポリプロピレン樹
脂を積層したいわゆる共押出しシートを加熱成形した容
器が使用される。
【0012】プラスチック製容器として所定形状に成形
してある成形容器を用いれば流通時の外圧などの応力を
受け止めて、しらすに応力がかからず、しらすが団子状
になって商品価値を失ってしまうのを防ぐ効果がある。
【0013】成形方法は、一旦コイル状に巻き取った共
押し出しシ−トを再加熱軟化させて成形する方法が一般
的であるが、成形時の残留歪みにより加熱殺菌時に変形
しやすいため、加熱処理して残留歪みを取り除く等の工
程を必要とする。複数の押出し機より共押出しした溶融
シートを冷却せずそのまま成形する、いわゆるインライ
ン成形法で成形した容器は高温で成形するため残留歪み
が生じにくく耐熱性に優れるので好ましい。
【0014】容器の密封方法は既知のものが採用できる
が、一般的には、成形容器の場合は容器の開口部に熱シ
ールのための幅5mm程度のフランジ部を設け、ここ
に、耐熱性とガスバリヤー性を有するフイルム状の蓋材
を熱シールする方法がとられる。また、加熱殺菌時や輸
送時にこの熱シール部分が剥離して問題となる場合に
は、成形容器の開口部を金属缶と同様のフランジ形状に
成形し、金属製の巻締め用蓋を巻締める方法も採用でき
る。
【0015】本発明において、しらすは一般に長さ3c
m程度のかたくちいわしの稚魚を95〜98℃の熱水中
に約3分間通し煮沸した後水切りしたものが使用でき
る。
【0016】さらに前述の水切りしたしらすを酸化防止
剤で前処理するためには、例えば、水切りした後、直ち
に後述する酸化防止剤含有水溶液に浸漬し、水切り後乾
燥させるか、前述の水切りしたしらすを一旦乾燥させ、
容器へ充填する直前に酸化防止剤含有水溶液に浸漬し、
水切り後乾燥させる方法が採用される。製造工程の簡素
化からいえば水切りしたしらすを直ちに後述する酸化防
止剤含有水溶液に浸漬する方法がよいが、豊漁により工
程が追いつかない時などは一旦乾燥させ、冷凍保存等に
より保存したものを酸化防止剤含有水溶液に浸漬すると
工程調節の効果がある。
【0017】本発明において酸化防止剤は、ビタミンC
(アスコルビン酸)とビタミンE(トコフェロール)を
主剤とした市販の水産加工品用酸化防止製剤が採用でき
る。一般には、重炭酸塩・リンゴ酸塩・クエン酸塩や他
の食品素材とともに混合した水溶液製剤として販売され
ている。
【0018】この製剤を、冷水または冷海水に1〜10
%濃度、望ましくは2〜5%濃度となるように加え、こ
れに前述のしらすを1〜30分、望ましくは5〜10分
浸漬し、そのまま水切りする。
【0019】この時あまり高濃度・長時間の浸漬を行な
うと、変色防止には効果的であるが、製剤の影響やしら
すからの塩分の流出により風味が損なわれ好ましくな
い。
【0020】その後の乾燥は熱風乾燥など既知の方法が
採用でき、商品のコンセプトに合わせ、最終水分量が4
0〜90%程度となるように乾燥すればよい。
【0021】容器内を窒素ガスで置換する方法として
は、巻き締めによる密封を行なう場合には、通常のガス
置換用巻締め装置を用いて行なうことができ、巻締め装
置のチャンバー内をいったん真空ポンプで真空状態に
し、その後窒素ガスを導入して常圧〜微減圧状態まで戻
しただちに巻締めを行なう方法が採用できる。
【0022】加熱殺菌としては、通常の煮沸等が採用で
きるが、殺菌容器中心部のしらすの温度が70〜105
℃望ましくは70〜90℃で、20〜30分間の熱履歴
を受ける条件で行なうのが、充分な殺菌を行なえるとと
もに光熱によるしらすの変色もないから好ましい。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を述べるが、実験に使
用したサンプル、条件等は以下の通りである。
【0024】しらすとして愛媛県沖産の体長3〜4cm
のかたくちいわしの稚魚を、97℃×3分間煮沸し、水
切りして乾燥した後、冷凍保存しておいたものを使用し
た。
【0025】前記しらすの前処理としては、酸化防止剤
としてハイペロン社製「アミー21TAN」(ビタミン
C・ビタミンE主剤の水溶液製剤)を水道水に対し3容
量%となるよう混合して処理溶液とし、前述のしらすを
解凍し、170gを3分間浸漬し、水切りした後水分量
が約70%になるまで熱風乾燥した。この条件で前処理
したしらすの成状は;水分量=72.4%、pH=6.
7、塩分濃度=1.6%、水分活性(Aw)=0.94
であった。
【0026】プラスチック製容器として、中心層にエチ
レン・ビニルアルコール共重合体、両外面層にポリプロ
ピレン樹脂を配した複合シートを共押し出し法により溶
融押出しし、溶融状態の間に圧空成形した、外径75.
5mm×高さ50.5mm×内容量194ccの直缶型
成形容器を準備し、このプラスチック製容器を密封する
ために、金属缶用アルミ製#301径のFOE蓋を準備
し、この蓋を巻き締めるために東邦産業株式会社製のガ
ス置換巻締め装置 FCA型を使用した。
【0027】加熱殺菌装置としては日阪製作所製 RC
S−40RTGN型を用いた。
【0028】容器中央部のしらすの熱履歴については、
エラブ社製サーモプロセッサCMC821型を用いて温
度を継続的に測定して評価した。
【0029】以下実験の手順を説明する。
【0030】
【実験No.1〜7】まずしらすを調整するにあたり、
前記しらす80gを解凍してそのままの前処理無しのも
の(No.1)、又は前処理として酸化防止剤を含有す
る水溶液に浸漬し、乾燥したもの(No.2〜7)を準
備した。
【0031】つぎに、調整したしらすをNo.1〜7と
も、前記成形容器に充填し、前記巻締め装置で巻締めを
行ない、密封包装体とした。
【0032】この時、No.4のものは通常の大気状態
のまま巻締めを行ない、容器内の酸素濃度は大気と同一
とした。
【0033】またNo.1〜3およびNo.5〜7のも
のは窒素ガス置換巻締めを行ない、直後の容器内の残存
酸素濃度は0.9〜1.2%に調整した。
【0034】つぎにこの密封包装体のうちNo.7は加
熱処理をせず、No.1〜6のものは前記加熱殺菌装置
を用いて殺菌処理した。
【0035】この時No.1のものは熱水温度105
℃、処理槽内圧力2.0〜2.3kg/cm2 で25分
間加熱殺菌を行ない、容器中央部のしらすは95℃×1
5分の熱履歴を受けるようにした。
【0036】No.2のものは熱水温度100℃、処理
槽内圧力1.9〜2.1kg/cm2 で35分間加熱殺
菌を行ない、容器中央部のしらすは90℃×8分の熱履
歴を受けるようにした。
【0037】No.3のものは熱水温度75℃、処理槽
内圧力は無加圧状態で50分間加熱殺菌を行ない、容器
中央部のしらすは70℃×30分の熱履歴を受けるよう
にした。
【0038】No.4,5のものは熱水温度105℃、
処理槽内圧力2.0〜2.3kg/cm2 で35分間加
熱殺菌を行ない、容器中央部のしらすは100℃×10
分の熱履歴を受けるようにした。
【0039】No.6のものは熱水温度120℃、処理
槽内圧力2.2〜2.4kg/cm2 で50分間加熱殺
菌を行ない、容器中央部のしらすは115℃×25分の
熱履歴を受けるようにした。
【0040】このようにして得られた実験No.1〜7
のしらす包装体を室温に1ケ月保存した後、外観観察し
てから開封して色調、食味、香りを検査した結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】 表1に示すように、充填し、密封した後、加熱殺菌処理
したNo.1〜6のものは、いずれも1ケ月経過後も腐
敗もなく保存性が良好であった。
【0042】その中で、しらすを前処理しないが窒素ガ
ス置換したNo.1のものおよび逆に前処理したが、窒
素ガス置換はしていないNo.4のものは色調が、僅か
に褐色となる程度であった。
【0043】さらに前処理と窒素ガス置換とを併用した
No.3,5のものは全く変色がなく良好であり、N
o.3のものはドリツプの発生もなかったがNo.5の
ものはドリツプが発生し、やや好ましくなかった。
【0044】また、熱履歴が115℃で25分のNo.
6のものはやや褐色を呈し、ややこげたような異臭が感
じられ、90℃で8分のNo.2のものは食味、香りと
もやや劣っていた。
【0045】これに対し、加熱処理のないNo.7のも
のは容器が膨脹し、開封してみると腐敗していた。
【0046】
【発明の効果】本発明はしらすを、耐熱性でガスバリヤ
ー性を有するプラスチック製容器に充填し、密封した
後、加熱殺菌処理することを特長とする、しらす包装体
の製造方法であるので、長期保存性に優れたしらす包装
体が得られるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】しらすを、耐熱性でガスバリヤー性を有す
    るプラスチック製容器に充填し、密封した後、加熱殺菌
    処理することを特長とする、しらす包装体の製造方法。
  2. 【請求項2】しらすは、前記プラスチック製容器に充填
    する前に、酸化防止剤で前処理され、乾燥してあること
    を特長とする請求項1のしらす包装体の製造方法。
  3. 【請求項3】プラスチック製容器に充填し、密封する
    際、容器内を窒素ガスで置換することを特長とする請求
    項1または請求項2のしらす包装体の製造方法。
  4. 【請求項4】しらすを加熱殺菌する際、当該容器の中心
    部にあるしらすが少なくとも70〜105℃×10〜3
    0分の熱履歴を受けるように加熱殺菌がなされているこ
    とを特長とする請求項1、請求項2または請求項3のし
    らす包装体の製造方法。
JP6275373A 1993-12-13 1994-11-09 しらす包装体の製造方法 Pending JPH07222551A (ja)

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JP6275373A JPH07222551A (ja) 1993-12-13 1994-11-09 しらす包装体の製造方法

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JP31215093 1993-12-13
JP5-312150 1993-12-13
JP6275373A JPH07222551A (ja) 1993-12-13 1994-11-09 しらす包装体の製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017205044A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 株式会社木村海産 小型魚介類の加熱処理方法、小型魚介類の包装食品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017205044A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 株式会社木村海産 小型魚介類の加熱処理方法、小型魚介類の包装食品

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