JPH0722164Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は化粧収納皿を容器本体内で安定させると共にこ
れを簡単に差し替えすることを可能としたコンパクト容
器に関するものである。

〈従来の技術〉 最近になって化粧方法が進歩し、きめ細かい化粧が実施
されるよになって来た為に、同種の化粧品でも色彩を異
にする複数の化粧品が使い分けられるようになって来て
いる。

従って、色の異なる化粧料を夫々ドラムを介して収納し
た数種類の化粧料収納皿を用意し、これ等を必要に応じ
てその都度１個のコンパクト容器に差し替えながら収納
して、使用するようになって来た。

従来一般に使用されているコンパクト容器に於いては、
化粧料収納皿がコンパクト容器本体に緊密に嵌着されて
いるので、化粧料収納皿を簡単に交換することは極めて
困難であった。

最近になって、前述の従来のコンパクト容器の欠点を改
善する為に、例えば実公昭63-3603号公報（第１公知技
術）に示す如く、コンパクト容器本体の底面の前後部両
側に周りから独立した舌片状の弾性片を起立し、かつ化
粧品収納ドラムの前後壁面に設けた嵌合部に前記弾性片
を嵌着させることによって、化粧品収納ドラムをコンパ
クト容器本体に比較的簡単に着脱して化粧料を差し替え
ることが出来るようにした新しい技術が開発されてい
る。

更に、実開平1-157609号公報（第２公知技術）、実開昭
63-153906号公報（第３公知技術）に示す如く、化粧料
収納皿の位置を決めたり、或いは支持する技術も開発さ
れている。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、前述の第１公知技術の弾性片を化粧品収納ドラ
ムの嵌合部に嵌着させる技術においては、化粧品収納ド
ラムを一対の弾性片によって前後方向のみから挟持する
ようにしたので、コンパクト容器を落下したりしてコン
パクト容器に横方向からの衝撃が加わったような場合に
は、化粧品収納ドラムと弾性片との嵌合が解除されて化
粧品収納ドラムが容器本体から簡単に脱落してしまう等
の問題があった。

また、前記の第１公知技術は化粧品収納ドラムを容器本
体の底面より起立した一対の弾性片で両側から支持する
ようにしたので、化粧品収納ドラムの差し替え頻度が多
くなると前記弾性片が疲労し、これによって弾性片によ
る化粧品収納ドラムの挟持力が弱まり、化粧品収納ドラ
ム容器本体より簡単に脱落してしまう等の問題があっ
た。

更に、前述の第２公知技術では、容器本体の底面に設け
た位置決め突起を受皿の底面に設けて溝に嵌入するに過
ぎないので、受皿を支持する力が弱く、かつ位置決め突
起は弾性変形しないので、簡単にはずれてしまう問題が
あった。

また、第３公知技術では、容器本体の底面に起立した突
起で中皿の一面のみを支持するに過ぎないので、コンパ
クトに衝撃があった場合には、中皿が回転して簡単に抜
け落ちる問題があった。

本考案に係るコンパクト容器は従来の上述の諸問題に鑑
み開発された全く新規な技術であり、特に化粧料収納皿
を容器本体内で長期間に亘って安定させることが出来、
かつコンパクト容器全体の成形を容易にし、更に化粧料
収納皿を簡単に着脱することが出来る全く新しいコンパ
クト容器を提供しようとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係るコンパクト容器は前述の従来の問題点を根
本的に改善するために考案された技術であって、その本
考案の要旨は、化粧料収納皿と、該化粧料収納皿が嵌入
し得る皿収納部を内部に有する容器本体と、該容器本体
に蝶着された蓋体とよりなる容器に於いて、前記化粧料
収納皿のコーナー部を両側面より支持し得るＲ状弾性片
を周りから独立させて容器本体の底面に起立突設し、か
つ化粧料収納皿のコーナー部に、前記Ｒ状弾性片と係合
し得るＲ状係合壁を周りから独立させて設けて構成した
ことを特徴としたコンパクト容器である。

〈作用〉 本考案に係るコンパクト容器に於いては、容器本体の底
面に周りから独立してＲ状弾性片を起立突設したので、
容器本体内に収納された化粧料収納皿の隅部両側面をこ
のＲ状弾性片によって安定した状態で支持することが出
来る。従って、前後或いは左右のいずれの方向から衝撃
が加わっても、化粧料収納皿が回転したりして簡単に脱
落する恐れはない。

また、Ｒ状弾性片は腰が強く安定しており、かつ弾性変
形するので化粧料収納皿の差し替え頻度を多くしても疲
労することがなく、半永久的に化粧料収納皿を弾力的に
支持することが出来る。

化粧料収納皿のコーナー部に周りの壁面より独立したＲ
状係合壁を吊り下げたので、この係合壁を前述Ｒ状弾性
片と弾力的に係合せしめることによって、化粧料収納皿
を容器本体により強固に嵌着固定することが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係るコンパクト容器の一実施例を具体
的に説明すると、第１図は本考案に係る容器の構成要部
を示す斜視説明図、第２図はその構成部品の斜視図、第
３図及び第４図は化粧料収納皿を容器本体に嵌着させる
状態を示す断面説明図である。

第１図乃至第４図に於いて、１はコンパクト容器の容器
本体であり、蝶番２を介して蓋体３がその片側部に開閉
自在に蝶番されている。この容器本体１にはパフ等の化
粧具（図示せず）を収納し得る化粧具収納部1aと、後述
の化粧料収納皿を嵌入し得る皿収納部1bとが夫々並列し
て設けられており、化粧具収納部1aと皿収納部1bとの境
部の左右には円弧状に湾曲したＲ状弾性片4a,4b夫々所
定の間隔を保って起立突設されている。これ等のＲ状弾
性片4a,4bの内周面には凸リブ５が突設され、かつその
外周面には支持片６が取り付けられている。また、皿収
納部1bの蝶番２側の内周壁面の左右には夫々係合突起7
a,7bが突設されている。

８は化粧料収納皿であって、前記容器本体１の皿収納部
1bに嵌入し得る寸法を持って形成され、かつこの化粧料
収納皿８内には化粧料が充填されたドラム（図示せず）
が嵌入されるように構成されている。

該化粧料収納皿８の蝶番側に位置する奥内側面には前記
係合突起7a,7bと係合し得る係止突起9a,9bが夫々所定位
置に突設されている。

また、化粧料収納皿８の前外側面中央上部には手掛片10
が設けられ、かつこの前側面から左右側面に移る湾曲コ
ーナー壁部に夫々所定の間隔を保って一対のスリット11
が側壁及び底壁に亘って穿設され、周りの壁面から独立
したＲ状係合壁12a,12bが化粧料収納皿８のフランジ部
より吊り下げられている。

該Ｒ状係合壁12a,12bの前面に、これ等のＲ状係合壁12
a,12及びその周りのスリット11等を被覆する為のカバー
片13a,13bが設けられている。更にＲ状係合壁12a,12bの
外周面には前記Ｒ状弾性片4a,4bの突リブ５と係合し得
る係合リブ14が設けられている。

本考案に係るコンパクト容器の容器本体１に化粧料収納
皿８を収納するに当たっては、第３図及び第４図に示す
如く、化粧料収納皿８を傾斜させながら皿収納部1bに挿
入し、化粧料収納皿８の係止突起9a,9bを係合突起7a,7b
に係合した後、手掛片10を押し下げることによってＲ状
係合壁12a,12bの係合リブ14をＲ状弾性片4a,4bの突リブ
５に自動的に係合し、化粧料収納皿８のコーナー部をＲ
状弾性片4a,4bで抱え込んで、この化粧料収納皿８を容
器本体１に安定した状態で嵌着することが出来る。

上記実施例に於いては容器本体１の底面より円弧状に湾
曲したＲ状弾性片4a,4bを起立突設したが、このＲ状弾
性片4a,4bは必ずしも円弧状である必要がなく、化粧料
収納皿８のコーナー部の両側壁面を支持するものであれ
ばカギ状に急角度に折れ曲がったものでも良い。

〈考案の効果〉 本考案に係るコンパクト容器は上述の如く、容器本体の
底面より独立して起立突設したＲ状弾性片で化粧料収納
皿のコーナー部の両側側面図を、即ち２面を同時に抱え
込んで安定して支持するようにしたので、コンパクト容
器にいずれの方向からの衝撃が加わっても、化粧料収納
皿が容器本体より簡単に脱落することを防止することが
出来る。

また、Ｒ状弾性片は従来の直線状弾性片と異なり、腰が
極めて強く安定しているので、化粧料収納皿の差し替え
頻度を多くしても疲労することなく、半永久的に化粧料
収納皿を弾力的に支持することが出来る。

更に化粧料収納皿のコーナー部に周りから独立したＲ状
係合壁を吊り下げたので、この係合壁と容器本体のＲ状
弾性片とを弾力的に係合せしめることが出来、化粧料収
納皿の差し替え作業をよりスムーズに行うことが出来
る。しかもＲ状係合壁とＲ状弾性片との係合によって、
差し替え頻度が多くとも化粧料収納皿の挟持力を弱める
ことがない等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る容器の構成の要部を示す斜視説明
図、第２図はその構成部品の斜視図、第３図及び第４図
は化粧料収納皿を容器本体に嵌着させる状態を示す断面
説明図である。 １は容器本体、1aは化粧具収納部、1bは皿収納部、２は
蝶番、３は蓋体、4a,4bはＲ状弾性片、５は突リブ、６
は支持片、7a,7bは係合突起、８は化粧料収納皿、9a,9b
は係止突起、10は手掛片、11はスリット、12a,12bは係
合壁、13,13bはカバー片、14は係合リブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料収納皿と、該化粧料収納皿が嵌入し
   得る皿収納部を内部に有する容器本体と、該容器本体に
   蝶着された蓋体とよりなる容器に於いて、前記化粧料収
   納皿のコーナー部を両側面より支持し得るＲ状弾性片を
   周りから独立させて容器本体の底面に起立突設し、かつ
   化粧料収納皿のコーナー部に、前記Ｒ状弾性片と係合し
   得るＲ状係合壁を周りから独立させて設けて構成したこ
   とを特徴としたコンパクト容器。