JPH07220273A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH07220273A
JPH07220273A JP713094A JP713094A JPH07220273A JP H07220273 A JPH07220273 A JP H07220273A JP 713094 A JP713094 A JP 713094A JP 713094 A JP713094 A JP 713094A JP H07220273 A JPH07220273 A JP H07220273A
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Ryoichi Hiratsuka
亮一 平塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇華性材料を用いた場合においても真空蒸着
により連続的に膜形成を行うことができ、生産性の向上
を図ることが可能な磁気記録媒体の製造方法を提供す
る。 【構成】 基体上に真空蒸着により蒸発材料16からな
る薄膜を形成する際に、前記蒸発材料16を回転用モー
タ14により回転させつつ、該蒸発材料16を加熱せし
めるための電子ビームが照射される側の下側より迫り出
すようにして蒸発材料16を供給し、連続的に真空蒸着
を行う。上記蒸発材料16として、石英等の昇華性物質
が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華性物質等を蒸発材
料とし真空蒸着法により膜形成を行う磁気記録媒体の製
造方法に関し、特に保護膜形成に適用して好適な磁気記
録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気テープ等の磁気記録媒体とし
ては、非磁性支持体上に、酸化物磁性粉末或いは合金磁
性粉末等の磁性粉末材料を塩化ビニル─酢酸ビニル系共
重合体やポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等の有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を
塗布、乾燥することにより製造される塗布型の磁気記録
媒体が広く使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりとともに、Co─Ni合金、Co─Cr合金、C
o─O等の金属磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によりポリエステルフィルムやポリアミドフィ
ルム、ポリイミドフィルム等からなる非磁性支持体上に
直接被着せしめて磁性層を形成する、いわゆる金属磁性
薄膜型の磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力や角形比等に優れ、短波長域における電磁変換特性
に優れるばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄くでき
るため記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと
や、磁性層中に非磁性材料であるバインダー等を混入す
る必要がないため磁性材料の充填密度を高めることがで
きること等、数々の利点を有する。従って、このような
金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、磁気特性の優位さ故
に、今後高密度磁気記録の分野において主流になるもの
と考えられる。
【0005】かかる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体にお
いては、電磁変換特性を向上させ、より高出力化を図る
ために、磁気記録媒体の磁性層を形成する際に、磁性材
料を非磁性支持体の表面に対して斜め方向から蒸着させ
る、いわゆる斜方蒸着法が採用されている。
【0006】このような磁気記録媒体においては、更な
る高密度記録化に伴って磁気記録媒体のトラック密度や
記録密度の増加が図られるとスペーシングロスが大きく
なるので、その悪影響を防止するために磁気記録媒体の
表面は平滑化される傾向にある。ところが、磁気記録媒
体表面の平滑化が進められると、磁気ヘッドと媒体が吸
引を起こして摩擦力が増大し、媒体に生ずる剪断応力が
大きくなる。この結果、磁気記録媒体が大きな損傷を受
け、摺動耐久性の劣化が問題となる。
【0007】そこで、良好なスチル特性を確保するため
に、上記磁性層表面に保護膜を形成する方法が提案され
ている。この保護膜としては、例えばカーボン膜や石英
(SiO2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等が検討さ
れており、ハードディスクにおいては既に実用化され生
産されているものもある。
【0008】また、これら保護膜の成膜方法としては、
スパッタリング法やCVD法等が使用されている。上記
スパッタリング法は、電場や磁場を利用してArガス等
の不活性ガスの電離(プラズマ化)を行い、次いで電離
されたArイオンを加速して、その運動エネルギーによ
りターゲットの原子を弾き出し、その弾き出された原子
が対向配置される基板上に堆積するようになすことによ
って目的とする膜を形成するという物理的プロセスであ
る。特に、交流電場を用いたRFスパッタリング法にお
いては、ターゲット材として金属、非金属の固体物質が
いずれでも使用可能であるため、多くの種類の膜形成が
可能である。
【0009】一方、CVD法は、電場や磁場を用いて発
生させたプラズマのエネルギーを利用して原料となる気
体に化学反応を起こさせて膜形成を行うという化学的プ
ロセスである。特に、最近では上記CVD法によりカー
ボン膜を成膜する技術において、より硬度な膜であるダ
イヤモンドライクカーボン(DLC)膜等の形成が開発
されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらスパ
ッタリング法やCVD法等により保護膜を形成する方法
は、磁性層を形成する際に使用される塗布法や真空蒸着
法と比較すると、成膜速度が著しく遅く、生産性の点か
らすると極めて効率が悪い。
【0011】即ち、上記真空蒸着法においては、電子ビ
ームや抵抗加熱、誘導加熱等で加熱された金属は融解し
液相になるので、小ペレット状の金属材料をこの融解液
中に供給することによって上記融解液を一定に保つこと
ができ、更には連続蒸着が可能となる。
【0012】これに対し、昇華性がある材料を蒸発源に
用いる場合、最初に投入した材料の分量以上に連続して
蒸着を行うことはできない。これは、これら材料が抵抗
加熱や誘導加熱では蒸発し難く、加熱手段が電子ビーム
加熱に限られることによる。電子ビーム加熱では、前記
昇華性のある材料は電子ビームが照射された部分のみで
しか蒸発せず、その部分にだけ材料を供給することは困
難である。また、高融点材料は、本質的に真空蒸着法に
向いていない。
【0013】一般に保護膜材料として使用されているカ
ーボンや石英は昇華性があり、またジルコニアは高温融
解性であることから、これら物理的性質のために、保護
膜形成方法としては、生産性において不利ではあるもの
の、スパッタリング法やCVD法が採用されているのが
実情である。
【0014】そこで、本発明は、この問題を解決するこ
とを目的として提案されたものであり、昇華性材料を用
いた場合においても真空蒸着により連続的に膜形成を行
うことができ、生産性の向上を図ることが可能な磁気記
録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体の
製造方法は、上述の目的を達成するために、例えば蒸発
材料回転部と蒸発材料移動用外部動力モータとから構成
されてなる材料供給装置を用い、蒸発材料を回転させな
がら突き出して連続的に供給し、基体上にこの蒸発材料
の膜を真空蒸着法により成膜することを特徴とするもの
である。
【0016】この場合、蒸発材料を加熱する手段として
電子銃を用い、この電子銃より発せられる電子ビームを
蒸発材料の上面に対し半径方向に走査しながら照射する
ことが好ましい。
【0017】また、本発明は、磁気記録媒体の製造にお
いて、例えば保護膜形成のように蒸発材料が昇華性物質
である場合に適用して好適であり、蒸発材料の形態を棒
状とすることにより容易に連続供給することができる。
なお、蒸発材料を棒状とする場合、その断面形状を多角
形若しくは円形とすることで、効率的に電子ビームを照
射することができる。
【0018】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁
性支持体上に真空蒸着により強磁性金属材料からなる金
属磁性薄膜を形成して磁気記録媒体原反を作成した後、
これを所定の寸法に裁断することによって磁気テープを
得るものである。
【0019】ここで使用される強磁性金属材料として
は、通常の蒸着テープに使用されるものであれば如何な
るものであっても良い。例示するならば、Fe,Co,
Ni等の強磁性金属、Fe─Co,Co─Ni,Co─
Ni─Pt,Fe─Co─Ni,Fe─Cu,Co─C
u,Co─Au,Co─Pt,Mn─Bi,Mn─A
l,Fe─Cr,Ni─Cr,Fe─Co─Cr,Fe
─Ni─B,Fe─Co─B,Co─Ni─Cr,Fe
─Co─Ni─Cr,Fe─Co─Ni─B等の面内磁
化記録強磁性合金や、Co─Cr,Co─O等の垂直磁
化記録強磁性合金等が挙げられる。
【0020】特に、面内磁化記録強磁性合金を使用する
場合には、予め非磁性支持体上にBi,Sb,Pb,S
n,Ga,In,Si,Ti等の低融点非磁性材料から
なる下地膜を形成しておき、上記強磁性金属材料を垂直
方向から蒸着あるいはスパッタし、金属磁性薄膜中にこ
れらの低融点磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消して
面内等方性を確保するとともに抗磁力を向上するように
しても良い。
【0021】上記磁性層は、これら強磁性金属材料から
なる金属磁性薄膜の単層膜であっても良いし、多層膜で
あっても良い。更には、非磁性支持体と金属磁性薄膜
間、或いは多層膜の場合には、各層間の付着力向上、並
びに抗磁力の制御等のため、下地層又は中間層を設けて
も良い。また、例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改善等の
ために酸化物となっていても良い。
【0022】また、上記磁性層表面には、耐摩耗性、摺
動耐久性の向上を図る目的から保護膜を形成する。上記
保護膜材料としては、この種の磁気記録媒体において保
護膜材料として一般に使用されているものであれば如何
なるものであっても良い。例示すれば、カーボン、Al
2 3 ,SiO2 ,Si3 4 ,SiC,TiC,Ti
N等が挙げられる。これらの単層膜であっても良いし、
多層膜や複合膜であっても良い。
【0023】勿論、磁気記録媒体の構成は、これに限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
の変更、例えば必要に応じてバックコート層を形成した
り、非磁性支持体表面に下塗層を形成したり、或いは潤
滑剤層、防錆剤層等の各種機能層を形成することは何等
差支えない。この場合、バックコート層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤、或いは潤滑剤層、防錆剤層に含ま
れる材料としては従来公知のものがいずれも使用可能で
ある。
【0024】上記非磁性支持体の材質としては、この種
の磁気記録媒体において通常使用されている材料であれ
ば特に限定されず、具体的に例示するならば、ポリエス
テル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル
系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネー
ト等に代表されるような高分子材料により形成される高
分子支持体等がいずれも使用可能である。
【0025】
【作用】本発明においては、蒸発材料を回転させながら
突き出して連続的に供給するようにしているので、蒸発
材料が昇華性を有したり高融点材料であっても、その蒸
発量が一定に保たれ、基体上にこの蒸発材料の膜が真空
蒸着法により連続的に成膜される。
【0026】特に、蒸発材料を加熱する手段として電子
銃を用い、この電子銃より発せられる電子ビームを蒸発
材料の上面に対し半径方向に走査しながら照射すること
で、蒸発材料がムラなく蒸発され、効率的に蒸着が行わ
れる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面や実験結果をもとに詳細に説明する。
【0028】先ず、本実施例で使用した真空蒸着装置の
構成について説明する。図1に示すように、この真空蒸
着装置においては、頭部と底部にそれぞれ設けられた排
気口1a,1bから排気されて内部が真空状態となされ
た真空室(蒸着機本体)1内に、図中時計廻り方向に定
速回転する送りロール3と、図中時計廻り方向に定速回
転する巻取りロール4とが配設されており、これら送り
ロール3から巻取りロール4に向かってテープ状のベー
スフィルム2が順次走行されるようになされている。
【0029】これら送りロール3から巻取りロール4側
に上記ベースフィルム2が走行する中途部には、上記各
ロール3,4よりも大径となされたクーリングキャン5
が配設されている。このクーリングキャン5は、上記ベ
ースフィルム2を図1中下方に引き出すように設けら
れ、図中時計廻り方向に定速回転する構成とされる。ま
た、このクーリングキャン5には、内部に冷却装置(図
示せず。)が設けられており、上記ベースフィルム2の
温度上昇による変形等を抑制し得るようになされてい
る。
【0030】なお、上記送りロール3、巻取りロール4
及びクーリングキャン5は、それぞれ上記ベースフィル
ム2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであ
る。
【0031】従って、上記ベースフィルム2は、上記送
りロール3から順次送り出され、上記クーリングキャン
5の周面に沿って移動走行され、更に上記巻取りロール
4に順次巻き取られていくようになされている。なお、
上記送りロール3と上記クーリングキャン5との間及び
該クーリングキャン5と上記巻取りロール4との間に
は、小径のガイドロール6,7がそれぞれ配設され、上
記ベースフィルム2が上記送りロール3から上記クーリ
ングキャン5及び該クーリングキャン5から上記巻取り
ロール4に亘って走行する際に、該ベースフィルム2に
対して所定のテンションを与え、円滑な走行が得られる
ようになされている。
【0032】また、上記真空室1内には、上記クーリン
グキャン5の下方に材料供給装置9が配設される。この
材料供給装置9は、図2及び図3に示すように、内部に
蒸発材料16を収納してなる角型の箱体状の本体部12
と外部動力モータ13とから構成されてなる。
【0033】上記本体部12内には、外部動力伝達部1
8を介して上記外部動力モータ13と接続されたリング
17に回転自在に軸支されるスピンドル軸14aと、こ
のスピンドル軸14aを回転せしめる回転用モータ14
と、該回転用モータ14に取り付けられた略円盤状の材
料台15とが配設され、この材料台15上に上記蒸発材
料16が固定されて配設される。
【0034】また、上記本体部12の上面には、円形の
開口部12aが形成されており、該開口部12aを介し
て上記蒸発材料16が後述のように回転しながら押し上
げられるようにして供給されるようになされている。上
記蒸発材料16は、円柱形の棒状ロッドであり、例えば
石英等の昇華性物質からなる。
【0035】この蒸発材料16は、上記本体部12の下
方側より該本体部12内に差し込まれ、その頭部が上記
開口部12aより上記真空室1内に露出するかたちで配
設される。
【0036】即ち、この材料供給装置19においては、
上記外部動力モータ13及び上記回転用モータ14が駆
動されると、上記蒸発材料16が上記材料台15ととも
に図3中矢印a方向に回転操作されると同時に、図12
中矢印b方向に押し上げられるようになされている。こ
れにより、上記蒸発材料16は、上記本体部12の開口
部12aを介して螺旋状に迫り出すようにして連続的に
供給される。従って、後述の電子銃10より発せられる
電子ビームXが常に新しい材料面(上記蒸発材料16の
上面)に照射されるようになされるので、上記蒸発材料
16を偏ることなく蒸発せしめることができ、連続蒸着
を行うことが可能となる。
【0037】一方、上記真空室1の図中左下方の外壁部
には、上記材料供給装置9内の蒸発材料16を加熱蒸発
させるための電子銃10が取り付けられる。この電子銃
10は、該電子銃10より発せられる電子ビームXが上
記材料供給装置9内の蒸発材料16に照射されるような
位置に配設される。そして、この電子銃10より発せら
れる電子ビームXは、上記蒸発材料16の上面の半径部
分(図3中線A)にライン状に掃引照射され、上記蒸発
材料16を加熱蒸発せしめる。更に、この加熱蒸発せし
められた上記蒸発材料16が上記クーリングキャン5の
周面を定速走行するベースフィルム2上に蒸着され、薄
膜層が形成される。
【0038】この時、上記蒸発材料16が上述のように
回転しながら供給されるので、上記電子銃10より発せ
られる電子ビームXの照射面は図3中斜線部分で示すよ
うに円形になる。このように、上記電子ビームXを効率
良く照射すると、上記蒸発材料16の上面全面が偏るこ
となく蒸発せしめられ、常に新しい材料面が供給される
ので、連続蒸着が可能となり、生産性の向上が図られ
る。
【0039】また、上記クーリングキャン5と上記材料
供給装置9との間であって前記クーリングキャン5の近
傍には、シャッタ8が配設されている。このシャッタ8
は、上記クーリングキャン5の周面を定速走行するベー
スフィルム2の所定領域を覆うかたちで形成され、これ
により上記蒸発せしめられた蒸発材料16が上記ベース
フィルム2の表面に対して所定の角度範囲で斜めに蒸着
されるようになされている。
【0040】更に、上記真空室1内には、上記クーリン
グキャン5の下方側と上方側を分断する如く仕切り板1
1が設けられている。従って、この仕切り板11によっ
て上記送りロール3から送り出されたベースフィルム2
が該仕切り板11を通過した時点より蒸着が行われ、該
仕切り板11よりも上方側には上記蒸発せしめられた蒸
発材料16が拡散されることがないようになされてい
る。
【0041】なお、本実施例においては、上記蒸発材料
16として断面形状が円形のもの(図4中斜線部分)を
使用したが、これに限定されるものではなく、断面形状
が1つの角度が90°以上である多角形のものであれば
良い。例示するならば、断面形状が正方形、正五角形、
正六角形のもの等がいずれも使用可能である。
【0042】例えば、図4に示すように、断面形状Pが
正方形である場合、電子ビームを半径方向に走査しなが
ら照射すると、照射領域Qは図中斜線領域となる。本装
置では蒸発材料を回転しながら電子ビームを照射するの
で、照射領域Qは必ず円形になる。
【0043】これに対して、上記蒸発材料16として断
面形状が1つの角度が90°未満である多角形のものを
使用すると、例えば図5(ここでは、90°未満の角を
2つ有する平行四辺形のものを示す。)から明らかなよ
うに、図4に示した場合と同等の照射領域Qとなるよう
に蒸発材料面(蒸発材料の上面)に対して上記電子ビー
ムXを照射すると、電子ビームXの一部は上記蒸発材料
面から漏れてしまい、蒸発材料以外に照射されてしま
う。逆に、上記電子ビームXが上記蒸発材料面から漏れ
ないように照射すると、照射領域Rは図5中斜線部分で
示すように小さくなり、図4に示すものに比べて非効率
的である。
【0044】そこで、このような構成を有する真空蒸着
装置を用い、ベースフィルム上にSiO2 膜を蒸着形成
してサンプルテープを作製した。また、比較のために、
上述のような材料供給装置を使用せず、蒸着ルツボ中に
石英粒子を充填して蒸着を行う従来型の真空蒸着装置を
用いて比較テープを作製し、これらサンプルテープと比
較テープの成膜時における膜厚の時間依存性を調べた。
【0045】なお、蒸着条件を下記に示す通りである。 <蒸着条件> 電子銃パワー :1kW 真空度 :3×10-3Pa 入射角度 :−7〜+7° 蒸着材料 :石英(SiO2 ) 蒸着材料の形状 :円柱(半径50mm,長さ70m
m)
【0046】この結果、図6に示すように、本実施例の
真空蒸着装置を用いて作製したサンプルテープでは、安
定した膜厚を有するSiO2 膜を連続的に蒸着形成する
ことができた。これに対して、比較テープでは、最初に
蒸着ルツボ内に充填された石英粒子が無くなるにつれて
膜厚が減少し、時間t1 (約10分)を越えると連続的
に膜形成を行うことはできなくなった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、蒸発材料を連続的に供給することができる
ので、溶融せずに気化してしまうような、いわゆる昇華
性の物質を蒸発材料として用いた場合でも、連続真空蒸
着により膜形成を行うことが可能となる。
【0048】従って、本発明によれば、昇華性のある保
護膜材料等の膜形成を従来のようなスパッタリング法や
CVD法等の成膜技術により行う場合と比較して、非常
に効率良く行うことができ、生産性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法におい
て使用した真空蒸着装置の一構成例を示す模式図であ
る。
【図2】上記真空蒸着装置における材料供給装置の一構
成例を示す要部拡大断面図である。
【図3】上記真空蒸着装置における材料供給装置の一構
成例を示す要部拡大平面図である。
【図4】断面形状が円形である蒸発材料の電子ビーム照
射面を示す要部拡大平面図である。
【図5】断面形状が1つの角度が90°未満の多角形で
ある蒸発材料の電子ビーム照射面の一例を示す要部拡大
平面図である。
【図6】蒸着開始からの経過時間と規格化膜厚との関係
を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・真空室 2・・・ベースフィルム 5・・・クーリングキャン 8・・・シャッタ 9・・・材料供給装置 10・・・電子銃 12・・・本体部 13・・・外部動力モータ 14・・・回転用モータ 15・・・材料台 16・・・蒸発材料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発材料を回転させながら突き出して連
    続的に供給し、基体上にこの蒸発材料の膜を真空蒸着法
    により成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 蒸発材料を加熱する手段として電子銃を
    用い、この電子銃より発せられる電子ビームを蒸発材料
    の上面に対し半径方向に走査しながら照射することを特
    徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸発材料が昇華性物質であり、その形態
    が棒状とされていることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸発材料の断面形状が多角形若しくは円
    形であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
JP713094A 1994-01-26 1994-01-26 磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH07220273A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0887435A1 (en) * 1997-06-23 1998-12-30 The Boc Group, Inc. Free-standing rotating evaporation source

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0887435A1 (en) * 1997-06-23 1998-12-30 The Boc Group, Inc. Free-standing rotating evaporation source

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