JPH07220274A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH07220274A
JPH07220274A JP6007593A JP759394A JPH07220274A JP H07220274 A JPH07220274 A JP H07220274A JP 6007593 A JP6007593 A JP 6007593A JP 759394 A JP759394 A JP 759394A JP H07220274 A JPH07220274 A JP H07220274A
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vapor deposition
magnetic
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crucible
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Hidetoshi Honda
秀利 本多
Taizo Suzuki
耐三 鈴木
Taketoshi Sato
武俊 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドロップアウトの原因物の発生を抑え、良好
な画質を得ることができる磁気記録媒体の製造装置を提
供する。 【構成】 真空室1内に外周面に沿って非磁性支持体2
が走行される冷却キャン5が配設され、該冷却キャン5
と対向して蒸着用ルツボ6が配設されるとともに、該蒸
着用ルツボ内に供給される金属磁性材料7を溶融せしめ
る溶融炉が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体上に磁性
層として金属磁性薄膜を蒸着形成する磁気記録媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダ(VTR)
等の分野においては、高画質化を図るために、高密度記
録化が一層強く要求されており、これに対応する磁気記
録媒体として、金属或いはCo─Ni合金、Co─Cr
合金等の合金からなる金属磁性材料をメッキや真空薄膜
形成技術(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等)により非磁性支持体上に直接被着せし
めて磁性層を形成する、所謂金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体が提案され実用化されている。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力や角形比等に優れ、短波長域における電磁変換特性
に優れるばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄くでき
るため記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと
や、磁性層中に非磁性材料であるバインダー等を混入す
る必要がないため磁性材料の充填密度を高めることがで
きること等、数々の利点を有する。
【0004】かかる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体を製
造する方法としては、一般に真空蒸着法が使用され、中
でも蒸着せしめられた磁性材料を非磁性支持体の表面に
対して斜め方向から入射して被着させる、所謂斜方蒸着
法が主流になっている。
【0005】この斜方蒸着法を行うに際しては、真空室
内に所定の方向に回転可能な冷却キャンを配設し、該冷
却キャンの外周面に沿って非磁性支持体を所定の速度で
移動走行させながら、ルツボより蒸発せしめられた強磁
性金属材料を上記非磁性支持体の表面に対してある角度
をなす方向から入射させ、該非磁性支持体上に蒸着させ
ることによって磁性層を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この斜方蒸
着法において、図5に示すように、上記強磁性金属材料
24は、上記長方体状のルツボ21の上方に配設された
原材料供給装置22より固体状のまま上記ルツボ21内
に投入され、電子ビームXを放出する電子銃23等の加
熱手段により溶解、蒸発せしめられている。
【0007】ところが、この場合、長尺な磁気テープを
作製しようとすると、最初からルツボ内に充填されてい
た強磁性金属材料だけでは不足するので、蒸着中に原材
料を適宜追加してゆく必要があり、この際原材料中に不
純物が混入されるという問題が起こっている。この結
果、原材料中に含まれた不純物が蒸発する時にドロップ
アウトの原因物が発生し、画質の劣化を招いてしまう。
【0008】そこで、本発明は、この問題を解決するこ
とを目的として提案されたものであり、ドロップアウト
の原因物の発生を抑え、良好な画質を得ることができる
磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、蒸着中に原材料を
供給する際に混入される不純物から発生するガス等の蒸
発物をルツボ以外の場所で発生させることにより、ドロ
ップアウトの原因物の発生を抑えることができることを
見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】即ち、本発明の磁気記録媒体の製造装置
は、真空室内に外周面に沿って非磁性支持体が走行され
る冷却キャンが配設され、上記冷却キャンと対向配置さ
れる蒸着用ルツボと該蒸着用ルツボ内に供給される金属
磁性材料を溶融せしめる溶融炉とを備えてなる蒸着装置
によって製造することを特徴とするものである。
【0011】本発明の磁気記録媒体の製造方法により製
造される磁気記録媒体は、非磁性支持体上に真空蒸着に
より強磁性金属材料からなる金属磁性薄膜を形成して磁
気記録媒体原反を作成し、これを所定の寸法に裁断する
ことによって得られるものである。
【0012】ここで使用される強磁性金属材料として
は、通常の蒸着テープに使用されるものであれば如何な
るものであっても良い。例示するならば、Fe,Co,
Ni等の強磁性金属、Fe─Co,Co─Ni,Co─
Ni─Pt,Fe─Co─Ni,Fe─Cu,Co─C
u,Co─Au,Co─Pt,Mn─Bi,Mn─A
l,Fe─Cr,Ni─Cr,Fe─Co─Cr,Fe
─Ni─B,Fe─Co─B,Co─Ni─Cr,Fe
─Co─Ni─Cr,Fe─Co─Ni─B等の面内磁
化記録強磁性合金や、Co─Cr,Co─O等の垂直磁
化記録強磁性合金等が挙げられる。
【0013】特に、面内磁化記録強磁性合金を使用する
場合には、予め非磁性支持体上にBi,Sb,Pb,S
n,Ga,In,Si,Ti等の低融点非磁性材料から
なる下地膜を形成しておき、上記強磁性金属材料を垂直
方向から蒸着あるいはスパッタし、金属磁性薄膜中にこ
れらの低融点磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消して
面内等方性を確保するとともに抗磁力を向上するように
しても良い。
【0014】上記磁性層は、これら強磁性金属材料から
なる金属磁性薄膜の単層膜であっても良いし、多層膜で
あっても良い。更には、非磁性支持体と金属磁性薄膜
間、或いは多層膜の場合には、各層間の付着力向上、並
びに抗磁力の制御等のため、下地層又は中間層を設けて
も良い。また、例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改善等の
ために酸化物となっていても良い。
【0015】また、上記非磁性支持体上に形成された金
属磁性薄膜上には、保護膜が形成されていても良く、ま
たその材料としては、通常の金属磁性薄膜用保護膜材料
として一般に使用されているものであれば如何なるもの
であっても良い。例示すれば、カーボン、Al2 3
SiO2 ,Si3 4 ,SiC,TiC,TiN等が挙
げられる。これらの単層膜であっても良いし、多層膜や
複合膜であっても良い。
【0016】勿論、磁気記録媒体の構成は、これに限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
の変更、例えば必要に応じてバックコート層を形成した
り、非磁性支持体表面に下塗層を形成したり、或いは潤
滑剤層、防錆剤層等の各種機能層を形成することは何等
差支えない。この場合、バックコート層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤、或いは潤滑剤層、防錆剤層に含ま
れる材料としては従来公知のものがいずれも使用可能で
ある。
【0017】上記非磁性支持体としては、この種の磁気
記録媒体において通常使用されている材料であれば特に
限定されず、具体的に例示するならばポリエステル類、
ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、
ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート等に代
表されるような高分子材料により形成される高分子支持
体等がいずれも使用可能である。
【0018】
【作用】蒸着中に原材料を供給する際に、予め溶融炉に
て金属磁性材料を溶融せしめた後、この溶融された金属
磁性材料を蒸着用ルツボ内に供給することにより、上記
原材料に含まれる不純物の蒸発が上記蒸着用ルツボ内以
外で行われる。従って、上記不純物から発生するガス等
の蒸発物が非磁性支持体上に直接蒸着することがなくな
り、ドロップアウトの原因物の発生が抑えられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面や実験結果をもとに詳細に説明する。
【0020】先ず、本発明の製造方法を実施するための
真空蒸着装置の構成について説明する。図1に示すよう
に、この真空蒸着装置においては、内部が真空状態(こ
こでは10-3Paとした。)となされた真空室(蒸着機
本体)1内に、図中反時計廻り方向に定速回転する送り
ロール3と、図中反時計廻り方向に定速回転する巻取り
ロール4とが配設されており、これら送りロール3から
巻取りロール4に向かってテープ状のベースフィルム2
が順次走行されるようになされている。
【0021】これら送りロール3から巻取りロール4側
に上記ベースフィルム2が走行する中途部には、上記各
ロール3,4よりも大径となされたクーリングキャン5
が配設されている。このクーリングキャン5は、上記ベ
ースフィルム2を図中左側方に引き出すように設けら
れ、図中時計廻り方向に定速回転する構成とされる。ま
た、このクーリングキャン5には、内部に冷却装置(図
示せず。)が設けられており、上記ベースフィルム2の
温度上昇による変形等を抑制し得るようになされてい
る。
【0022】なお、上記送りロール3、巻取りロール4
及びクーリングキャン5は、それぞれ上記ベースフィル
ム2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであ
る。
【0023】従って、上記ベースフィルム2は、上記送
りロール3から順次送り出され、上記クーリングキャン
5の周面に沿って移動走行され、更に上記巻取りロール
4に順次巻き取られていくようになされている。
【0024】また、上記真空室1内には、上記クーリン
グキャン5の下方にルツボ6が配設され、このルツボ6
内に強磁性金属材料7が充填されている。上記ルツボ6
は、上記クーリングキャン5の幅と略同一の幅を有して
なる。
【0025】一方、上記真空室1の図中左上方の外壁部
には、上記ルツボ6内に充填された強磁性金属材料7を
加熱蒸発させるための電子ビーム発生装置8が取り付け
られる。この電子ビーム発生装置8は、該電子ビーム発
生装置8より放出される電子ビームXが、磁界を利用し
たフォーカス装置9及びスキャンニング装置10を介し
て上記ルツボ6内の強磁性金属材料7に照射されるよう
な位置に配設される。そして、この電子ビーム発生装置
8によって加熱蒸発せしめられた上記強磁性金属材料7
が上記クーリングキャン5の周面を定速走行するベース
フィルム2上に蒸着され、磁性層である金属磁性薄膜が
形成されるようになっている。
【0026】上記電子ビームXのパワーは、蒸着レート
に応じて適宜設定されることが好ましいが、通常の蒸着
テープ製造可能なパワーとして約8kW以上が必要であ
る。但し、この値は装置により変化するものであり、こ
れに限定されない。なお、ここでは、上記電子ビームX
のパワーを12kWとした。
【0027】また、このような蒸着に際し、図示しない
酸素ガス導入口を介して上記ベースフィルム2の表面付
近に酸素ガスが供給されており、得られる金属磁性薄膜
の磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図られている。
【0028】更に、上記真空室1内には、図2に示すよ
うに、上記ルツボ6の近傍に溶融炉12が配設される。
この溶融炉12の上方には、該溶融炉12内に原材料で
ある上記強磁性金属材料7を投入するための原材料供給
装置11が配設され、蒸着中に上記ルツボ6内の強磁性
金属材料7が不足すると、上記原材料供給装置11より
固体状のままの上記強磁性金属材料7が上記溶融炉12
内に適宜供給されるような構成とされている。
【0029】上記溶融炉12は、非磁性体であるSiO
2 系のセラミクスからなり、内径が縦200mm×横3
00mm×深さ150mm、厚み25mmの長方体状を
なす。この溶融炉12は、高周波加熱器13上に配置さ
れ、上記原材料の融点以上に加熱されるようになされて
いる。
【0030】上記高周波加熱器13は、図3に示すよう
に、上記溶融炉12の底部に接して配設される高周波加
熱器電源部13aと、上記溶融炉12の周囲に配設され
る電磁誘導線13bとから構成されてなるものであり、
この電磁誘導線13bに電流を流して磁力線を発生させ
ることによって上記溶融炉12の内部に投入された原材
料が加熱溶融される。
【0031】このような高周波加熱器13として、本実
施例では溶融炉専用タイプのものを使用し、その出力は
6kWで、1時間当たり約30kgの原材料(Co−N
i合金)を溶融可能とするものである。1時間当たり約
30kgの原材料を溶融するために必要な高周波加熱器
13の出力は、使用する溶融炉の形状に応じて変化する
が、本実施例の場合で3kW以上であり、実際に溶融し
た強磁性金属材料7が後述のようにスムーズに上記ルツ
ボ6内に移動するには4.5kW以上のパワーが必要で
あった。
【0032】但し、この値は、溶融炉の形状の他、一度
の溶融させる原材料量にも依存して最低量が変化するの
で、適宜選定することが望ましい。
【0033】なお、ここでは、上記溶融炉12を加熱す
るための熱源として、上述のように高周波加熱器13を
使用したが、この他に熱源としては電子ビームやレーザ
ービーム、或いは電気炉等、強磁性金属材料7を溶融で
きるものであればいずれも使用可能であり、特に限定さ
れない。
【0034】また、上記溶融炉12の一方の側壁面に
は、底面から125mmの高さの位置に原材料供給パイ
プ14が取り付けられている。この原材料供給パイプ1
4は、上記ルツボ6と接続されており、上記高周波加熱
器13により溶融された上記溶融炉12内の原材料が重
力により該原材料供給パイプ14を介して上記ルツボ6
中に移動するようになされている。
【0035】この原材料供給パイプ14は、上記溶融炉
12と同じ材質からなる角形パイプであり、上記原材料
が該原材料供給パイプ14内を移動する際に再凝固する
ことを防止するために、その周囲に上記電磁誘導線13
bが配設される。
【0036】このように、蒸着中に原材料である強磁性
金属材料7を供給する際に、予め溶融炉12内で原材料
を溶融した後、この溶融された強磁性金属材料7をルツ
ボ6内に供給しているので、原材料中に含まれる不純物
から発生するガス等の蒸発物が上記ベースフィルム2上
に直接蒸着することがなくなり、ドロップアウトの原因
物の発生を抑えることができる。
【0037】なお、上記溶融炉12の大きさ、形状及び
材質に関しては、耐熱性、原材料との反応性等の問題を
考慮しつつ、目的に応じて適宜選定されれば良く、上述
の大きさ、形状及び材質に限定されるものではない。例
えば材質としては、Al2 3 、Ti−Zr−O系セラ
ミクス、W系セラミクス等の原材料よりも耐熱温度の高
い材料であればいずれも使用可能である。
【0038】また、大きさについては、本実施例では1
時間に30kgの原材料を溶融することを目的として設
計したが、この他目的に応じて適宜選定すれば良い。
【0039】形状に関しては、本実施例のような角型に
限定されず、例えば円筒型、楕円型等でも良く、エネル
ギー効率の観点からは円筒型のものが好適であると考え
られる。但し、本実施例で使用した角型のものは、溶融
した原材料の移動経路の確保の点で有利である。
【0040】このようにして溶融炉12で溶融された
後、上記ルツボ6内に供給された強磁性金属材料7は、
最初から上記ルツボ6内に充填されていた強磁性金属材
料7と同様に上記電子ビーム発生装置8によって加熱蒸
発せしめられ、上記クーリングキャン5の周面を定速走
行するベースフィルム2上に蒸着されて磁性層である金
属磁性薄膜として形成される。この時の上記電子ビーム
Xのパワーは、15kWとした。
【0041】そこで、このような構成を有する真空蒸着
装置を用い、ポリエチレンテレフタレート(PET)か
らなるベースフィルム上に金属磁性薄膜を蒸着形成し
て、これを所定のテープ幅に裁断してサンプルテープを
作製した。
【0042】図4に、得られた磁気テープの構成を示し
た。即ち、この磁気テープにおいては、ベースフィルム
21上に上述のような真空蒸着により成膜された膜厚
0.5μm以下の金属磁性薄膜からなる磁性層22が形
成されてなる。ここで、上記ベースフィルム21の厚み
は7.2μmとしたが、これに限定されるものではな
く、この他例えば3μm厚のポリイミド製のものや20
μm厚のポリエチレンテレフタレートからなるもの等、
種々のベースフィルム材料を使用した場合において同様
の効果を得ることができた。
【0043】上記磁性層22は、表面に比較的大きな粒
径を有する第1の表面突起23と、比較的小さな粒径を
有する第2の表面突起24とをそれぞれ有する。これら
磁性層22表面に形成された2種類の表面突起23,2
4は、上記ベースフィルム21の表面形状を反映して形
成されたものであり、上記第1の表面突起23は、上記
ベースフィルム21表面内に内添されるかたちで形成さ
れた粒径95nm±15nmの第1の粒子25によるも
のである。
【0044】この第1の粒子25として、本実施例では
SiO2 粒子を使用し、これが上記ベースフィルム21
上に密度2.0×104 個/mm2 で形成されるように
した。
【0045】一方、上記第2の表面突起24は、粒径2
8nm±5nmの第2の粒子26によるものであり、上
記ベースフィルム21上に分散され、バインダー樹脂等
により定着されて形成されたものである。この第2の粒
子26として、本実施例ではSiO2 粒子を使用し、こ
れが上記ベースフィルム21上に密度900×104
/mm2 で形成されるようにした。
【0046】以上のような構成を有するサンプルテープ
と、比較のために、上述のような溶融炉を使用せず、蒸
着中に原材料を直接ルツボ内に供給する従来型の蒸着装
置をを用いて作製したサンプルテープ(比較例1,2と
する。)について、数分間の走行後におけるドロップア
ウトの発生状況を調べた。
【0047】なお、ドロップアウトの測定に際しては、
ソニー社製のHi8ビデオデッキ(商品名,EV−S9
00)を使用し、白50%信号を記録再生し、ビデオデ
ッキからのRF波形をシバソク(Shibasoku)
社製ドロップアウトカウンター(商品名,VH−OIC
Z)により計測した。また、データの集計は、1分毎に
得られるデータを10分単位に計算した。この結果を下
記の表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示すように、本実施例の蒸着装置を
用いて作製したサンプルテープでは、10分単位で測定
したトータルドロップアウトの発生個数が180分間連
続走行を行った後でも安定して少ない値を示したのに対
して、従来の蒸着装置を用いて作製したサンプルテープ
では、時々ドロップアウトの非常に多い部分が発生し
た。
【0050】また、これらサンプルテープの表面を顕微
鏡により観察したところ、比較例1,2のサンプルテー
プについては、ドロップアウトが発生した部分で原因物
が発生していた。更に、この原因物を成分分析したとこ
ろ、Co−Ni以外の成分であるFeが検出され、これ
がドロップアウトに悪影響を与えていることが判った。
【0051】一方、本実施例の蒸着装置を用いて作製し
たサンプルテープについては、上述のようなドロップア
ウトの原因物が殆ど発見されず、飛んでしまったものが
大半であったが、僅かに上記原因物が残存している部分
を分析した結果、大気中に浮遊する塵の成分であるSi
が殆どであり、比較例1,2で見られたような蒸着時の
不純物による原因物は検出されなかった。
【0052】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、蒸着用ルツボ以外に溶融炉を設け、蒸着
中に上記蒸着用ルツボ内に金属磁性材料を追加する際
に、予め上記溶融炉に原材料を供給し、該溶融炉内で前
記原材料を溶融させてから、この溶融された金属磁性材
料を上記蒸着用ルツボ内に移しているので、上記原材料
に含まれた不純物は上記溶融炉内で蒸発し、上記蒸着用
ルツボからは発生しないようになされる。
【0053】このため、上記不純物より発生するガス等
の蒸発物が非磁性支持体上に蒸着してドロップアウトの
原因物を発生する虞れがなくなる。従って、本発明によ
れば、良好な画質を有する磁気記録媒体を製造すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施するための真空蒸着装
置の一構成例を示す模式図である。
【図2】蒸着用ルツボと溶融炉の構成を説明するための
要部拡大斜視図である。
【図3】溶融炉の構成を示す要部拡大斜視図である。
【図4】本発明の製造方法によって製造される磁気記録
媒体の一構成例を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の製造方法で使用する真空蒸着装置の一構
成例を示す要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1・・・真空室 2・・・ベースフィルム 3・・・送りロール 4・・・巻取りロール 5・・・クーリングキャン 6・・・ルツボ 7・・・強磁性金属材料 8・・・電子ビーム発生装置 9・・・フォーカス装置 10・・・スキャンニング装置 11・・・原材料供給装置 12・・・溶融炉 13・・・高周波加熱器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に外周面に沿って非磁性支持体
    が走行される冷却キャンが配設され、 上記冷却キャンと対向配置される蒸着用ルツボと該蒸着
    用ルツボ内に供給される金属磁性材料を溶融せしめる溶
    融炉とを備えてなる蒸着装置によって製造することを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP6007593A 1994-01-27 1994-01-27 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH07220274A (ja)

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