JPH04219622A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04219622A
JPH04219622A JP3021147A JP2114791A JPH04219622A JP H04219622 A JPH04219622 A JP H04219622A JP 3021147 A JP3021147 A JP 3021147A JP 2114791 A JP2114791 A JP 2114791A JP H04219622 A JPH04219622 A JP H04219622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
iron
thin film
recording medium
magnetic support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3021147A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kanazawa
實 金澤
Masato Funahashi
舟橋真人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3021147A priority Critical patent/JPH04219622A/ja
Priority to EP91113656A priority patent/EP0471360A1/en
Publication of JPH04219622A publication Critical patent/JPH04219622A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/657Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing inorganic, non-oxide compound of Si, N, P, B, H or C, e.g. in metal alloy or compound
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/85Coating a support with a magnetic layer by vapour deposition

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度記録に適した金属
薄膜型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録に対して高密度記録への
要求が高まっており、これに伴って記録波長が短くなる
傾向にある。
【0003】磁気記録方式としては、高密度領域での減
磁の小さい垂直磁化方式が好ましいとされているが、リ
ングヘッドと組み合わせた場合、磁性層が完全に垂直磁
化膜であると再生出力をあまり大きくできないという問
題がある。そして、リングヘッドを使用する場合、面内
方向に若干傾いた磁化容易軸を有する磁性薄膜の方が高
密度記録という面からは好ましいといえる。
【0004】記録密度を高めるためには強磁性薄膜系の
磁気記録媒体を使用することが有利である。しかしなが
ら、一般に強磁性薄膜には腐食されやすいという欠点が
あることが知られている。
【0005】特に、特公昭41−19389号、米国特
許第4477489 号に記載されるCo−Ni斜め蒸
着層を用いた金属薄膜型磁気記録媒体は酸化や腐食を受
けやすく、耐候性に劣り、材料コストが高いものであっ
た。
【0006】それに対し、特開昭61−54023号、
特開昭63−152017 号、特開昭63−1520
19 号、特開昭63−241718 号に記載される
窒化鉄薄膜は耐候性が極めて良好であり、かつ安価であ
るという利点を有している。しかしながら、一般に、窒
化鉄薄膜には成膜速度が遅いという問題があった。
【0007】特公昭62−49725号、特開昭60−
28028号等に開示されているイオンプレーティング
法による窒化鉄薄膜の製造方法では、鉄蒸気流の非磁性
支持体上への入射角を50°以上とすることによって良
好な磁気特性が得られると報告されているが、成膜時の
真空度が低く、膜質が低下するため、Co−Ni系の強
磁性薄膜ほどの高い磁気特性は得られなかった。
【0008】特開昭62−1121 号、特開昭63−
237219 号、特開昭63−281225 号に記
載されるイオンアシスト蒸着法による窒化鉄薄膜の製造
方法においては、成膜速度が遅く、大面積の膜を高速に
製造することは困難であった。
【0009】特開昭59−228705 号、特開昭6
1−110328号には窒化鉄を用いた垂直磁気記録媒
体のスパッタ法による成膜が記載されているが、これも
成膜速度が遅いものであった。
【0010】第13回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1989)、p.408 にはイオンアシスト蒸着法
による垂直磁化窒化鉄薄膜の製造が記載されているが、
成膜速度がCo−Ni蒸着膜に比べて遅く、異方性磁界
がCo−Cr蒸着膜に比べて劣り、また、垂直磁化膜で
あるため、リングヘッドを用いる水平磁化方式には不向
きであった。
【0011】また、窒化鉄薄膜を構成する結晶粒子はそ
の形状が平板状となりやすく、そのため、磁化容易軸は
平板内で2次元的に変動し、磁化容易軸の非磁性支持体
に対する傾きは結晶粒子の非磁性支持体に対する実際の
傾きよりも小さくなる傾向にあった。したがって、磁化
の垂直成分がそれだけ少ないことになり、出力は充分に
大きくできなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑み、耐腐食性に優れ、かつS/N
比の大きい金属薄膜型磁気記録媒体およびその製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体は
非磁性支持体および該非磁性支持体上に設けられた窒化
鉄系強磁性薄膜を有するものであって、この窒化鉄系強
磁性薄膜が、前記非磁性支持体に対する入射角が30°
以上となるように鉄蒸気流を前記非磁性支持体に差し向
けると同時に200 V以下の加速電圧で前記非磁性支
持体上における電流密度が0.3mA/cm2 以上で
ある窒素を主体とするイオン流を前記非磁性支持体に照
射することによって形成されていることを特徴とするも
のである。
【0014】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記
非磁性支持体に対する入射角が30°以上となるように
鉄蒸気流を前記非磁性支持体に差し向けると同時に20
0 V以下の加速電圧で前記非磁性支持体上における電
流密度が0.3mA/cm2 以上である窒素を主体と
するイオン流を前記非磁性支持体に照射することによっ
て前記窒化鉄系強磁性薄膜を形成することを特徴とする
ものである。
【0015】本発明によれば、耐腐食性に優れた窒化鉄
系強磁性薄膜を有する磁気記録媒体を安価かつ高速に製
造することができる。本発明においては、成膜速度の向
上により、連続成膜によるテープ作製が可能である。
【0016】また、本発明によって得られる磁気記録媒
体の窒化鉄系強磁性薄膜は垂直磁化成分に富み、高密度
記録に適したものである。特に、磁化容易軸の傾きの方
向が従来の窒化鉄系薄膜に比較してより垂直な方向に傾
いており、高記録密度領域においてリングヘッドと組み
合わせた時の記録再生を有利に行うことができる。この
ような効果が得られる作用機構は充分に解明されていな
いが、窒素を主体とするイオン流を低エネルギ(低加速
電圧)かつ高電流密度で非磁性薄膜に照射しつつ成膜す
ることが関与しているものと考えられる。
【0017】また、このような製造方法により製造され
る磁気記録媒体のうち、特に好ましいものは、前記強磁
性金属薄膜が窒化鉄系柱状粒子により構成され、該柱状
粒子の短径が200 〜1000オングストローム、長
径が1000〜3500オングストロームの範囲にあり
、前記非磁性支持体上に立てた法線と前記柱状粒子の軸
とのなす角度が45〜85°の範囲にあるものである。
【0018】この磁気記録媒体は強磁性金属薄膜を窒化
鉄系柱状粒子により構成したため、耐腐食性に優れてい
る。また、柱状粒子の大きさを上記のように特定したこ
とにより、ノイズを下げるとともに出力を大きくするこ
とが可能である。
【0019】本発明において、柱状粒子の大きさは、短
径および長径ともに、小さすぎると出力を余り大きくす
ることができず、大きすぎると粒子が板状に近づいて磁
化容易軸の傾きが実際の粒子の傾きよりも小さくなって
出力の低下とノイズの増大を招くため、上記の範囲とす
ることが好ましい。
【0020】強磁性薄膜の厚さは、厚すぎると薄膜の表
面性が低下して電磁変換特性が充分に得られず、薄すぎ
ると充分な磁気特性が得られないため、好ましくは0.
02〜5.0 μm、より好ましくは0.05〜2.0
 μmの範囲とする。
【0021】本発明において「窒化鉄系強磁性薄膜」と
はα−Fe,α”−Fe8 N,γ′−Fe4 N,ε
−Fe2−3 N,およびζ−Fe2 N(以上は窒化
鉄の結晶型)のうちの少なくとも1種の結晶構造を有す
る鉄と窒素との化合物を主成分とする強磁性薄膜を意味
する。この薄膜には、鉄および窒素以外の成分として、
酸素、CoおよびNi等の強磁性金属元素、Cr,Ti
,Al等の耐腐食性元素等を適量混入させることもでき
る。
【0022】本発明の強磁性薄膜は、例えば、鉄蒸気流
と窒素イオン流とを用いるイオンアシスト蒸着法により
製造することができる。
【0023】鉄蒸気流は、上記のようなCo,Ni等の
元素を含むものとすることができるが、鉄を主成分とす
ることが好ましい。鉄蒸気流は、電子ビーム加熱、高周
波誘導加熱等によって、鉄を含有する金属材料を真空中
で加熱蒸発せしめることにより得ることができる。本発
明においては、非磁性支持体に対する入射角が30°以
上となるように鉄蒸気流を蒸着させることが、良好な磁
気特性を得る上で必要である。特に、鉄蒸気流の非磁性
支持体に対する入射角は40〜90°の範囲となるよう
にすると非磁性支持体上に立てた法線と前記柱状粒子の
軸とのなす角度が45〜85°の範囲になることが認め
られた。なお、本発明において「入射角」とは非磁性支
持体上に立てた法線と鉄蒸気流の中心線とがなす角度で
ある。
【0024】鉄蒸気流の蒸発速度は望ましい製造速度(
下限)と窒化鉄の充分な生成度(上限)とによって決ま
るが、好ましくは5〜200 オングストローム/秒、
より好ましくは10〜200 オングストローム/秒の
範囲とする。
【0025】本発明において「窒素を主体とするイオン
流」とはイオン種として窒素を50%以上含有するイオ
ン流を意味する。窒素の他には酸素、アルゴン等の不活
性ガス等、任意の成分を含有することができる。本発明
においては窒素を60%以上含有するイオン流を用いる
ことが好ましい。
【0026】窒素イオン流は公知のイオン生成手段によ
り形成することができるが、200 V以下の加速電圧
で非磁性支持体上における電流密度が0.3mA/cm
2 以上となるように前記非磁性支持体に照射する。エ
ンドホール型(end−Hall type) イオン
ガンは、低加速電圧で高い電流密度を達成することがで
きるため、特に好ましいイオン生成手段である。
【0027】エンドホール型イオンガンは、従来一般的
に使用されていたカウフマン型イオンガンと比較して、
グリッドを有していないという点に大きな特徴がある。 グリッドを有していないイオンガンは、グリッドを有す
るイオンガンに比べて、照射されるイオン、励起分子、
励起原子、電子等、膜の窒化を促進する活性種が多いた
め、高速成膜に適している。また、グリッドを有するカ
ウフマン型イオンガンにおいてはイオンガンから照射さ
れるイオンはグリッドに印加される電圧で決定される一
定のエネルギを帯びるのに対し、エンドホール型イオン
ガンにおいてはエネルギ分布を有するイオンが発生する
ものと推定され、これが、より好ましい効果を生じさせ
るためになんらかの寄与をするものと考えられる。
【0028】本発明においては、鉄蒸気流に比較して窒
素イオン流を大きくし、かつ成膜速度をある程度抑える
ことにより、非磁性支持体上に形成される結晶粒子の形
状を上記のように特定することができる。
【0029】非磁性支持体に照射される窒素イオン流の
入射角は任意のものとすることができるが、その方向は
非磁性支持体上に差し向ける時に鉄蒸気流と平行もしく
はほぼ平行であるとより好ましい結果が得られる。
【0030】成膜時の雰囲気には窒素以外の成分として
酸素を混入させることが好ましい。その含有量は雰囲気
全体の40体積%以下とすることが好ましい。酸素を混
入させると窒素100 %の場合に比べて膜面の垂直方
向の保磁力や角型比が向上し、異方性磁界も向上する。 これは、窒化鉄と同時に酸化鉄も形成されるために単磁
区を構成する結晶粒子が微細化されるためと考えられる
【0031】本発明によって得られる磁気記録媒体の強
磁性薄膜の膜面に垂直な方向に外部磁場を印加して測定
される磁気特性の望ましい値は、保磁力が600 〜2
000Oe、より好ましくは800 〜2000Oe、
飽和磁束密度が2000〜8000G、より好ましくは
3000〜6000G、角型比が0.1 以上、より好
ましくは0.4 以上である。特に、飽和磁束密度が大
きすぎると耐腐食性が低下する。また、強磁性薄膜の膜
面と平行で図1において紙面と垂直な方向で測定したB
−H曲線より求めた異方性磁界Hkは好ましくは1kO
e以上、より好ましくは2kOe以上である。
【0032】本発明における非磁性支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、
ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、ポリカーボネート
、ポリエチレンナフタレートのようなプラスチックを用
いることが好ましいが、特に、窒化鉄系薄膜の成膜時に
非磁性支持体が高温にさらされることがあるため、耐熱
性に優れた材料であるポリイミドやポリアミドやポリエ
チレンテレフタレート等で非磁性支持体を形成すること
が好ましい。非磁性支持体の厚さは一般に5〜20μm
、好ましくは6〜15μmの範囲にある。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0034】実施例1 図1にその概略を示すイオンアシスト蒸着装置を用い、
厚さ50μmのポリイミド樹脂フィルムを非磁性支持体
1として磁気記録媒体を製造した。
【0035】イオンガンとしてはコモンウェルス社(C
ommonwealth)製のエンドホール型イオンガ
ンMARK−IIを使用した。非磁性支持体1とエンド
ホール型イオンガン2との間の距離は30cmとし、ガ
ス導入口3からは窒素ガスを導入し、加速電圧は100
 Vとした。
【0036】蒸発源となる電子線加熱蒸発装置としては
日本電子社製JEBG−102UBを用い、鉄4を電子
線5によって加熱溶融されるようにマグネシア製ルツボ
6に入れた。非磁性支持体1と蒸発源との間の距離は4
0cmとし、非磁性支持体1に対する鉄蒸気流の入射角
が65°となるように配置した。
【0037】装置を収容した真空槽は5×10−5To
rrまで予備排気した。電子線5によってマグネシア製
ルツボ6中の鉄4を加熱溶融する一方、水晶発振式膜厚
モニタ(INFICON社製XTM)を用いて鉄の蒸発
速度をモニタし、後述の所定の蒸発速度となるように電
子線の電流値を調節した。
【0038】非磁性支持体1に含まれる水分の除去およ
び該支持体表面のクリーニングのためにイオンガン2に
より電流密度が0.5mA/cm2 である窒素イオン
流を約2分間照射した後、蒸発源の上にあるシャッタ7
を開けて成膜を開始し、窒素イオン流は継続して照射し
た。膜厚が2000オングストロームに達したところで
シャッタ7を閉じて成膜を終了し、同時に窒素イオン流
照射も停止した。
【0039】鉄蒸気流と窒素イオン流の支持体1への入
射角および窒素イオン流の電流密度を一定にし、鉄の蒸
発速度を10オングストローム/秒、30オングストロ
ーム/秒、70オングストローム/秒、100 オング
ストローム/秒と変化させて上記の工程を行い、成膜し
た。
【0040】実施例2 鉄蒸気流の入射角を75°とした以外は実施例1と同様
にして成膜した。
【0041】実施例3 鉄蒸気流の入射角を30°とした以外は実施例1と同様
にして成膜した。
【0042】比較例1 鉄蒸気流の入射角を10°とした以外は実施例1と同様
にして成膜した。
【0043】比較例2 図2にその概略を示すように、イオンガンとしてコモン
ウェルス社製カウフマン型イオンガン8を用い、窒素イ
オン流の電流密度を0.1mA/cm2 とし、鉄の蒸
発速度を10オングストローム/秒とした以外は実施例
1と同様にして成膜した。
【0044】以下、上記の実施例および比較例で作製し
た窒化鉄系強磁性薄膜について評価した結果を説明する
【0045】図3は実施例1において鉄の蒸発速度を3
0オングストローム/秒とした時の面内方向および垂直
方向のB−H曲線を示すグラフである。測定は振動試料
型磁力計(TOEI社製VSMP−1)で行った。ここ
で面内方向とは膜面内にあって図1において紙面と平行
な方向である。垂直方向における反磁界の補正は行わな
かった。磁束密度Bの算出に用いた膜厚は触針式表面粗
さ計(Sloan社製DEKTAK−2A)で測定した
。 この強磁性薄膜は面内方向よりも垂直方向に近く配向し
ていることがこの結果から認められる。
【0046】図4は実施例1〜3および比較例1におけ
る鉄の蒸発速度と垂直方向の保磁力との関係を示すグラ
フであり、横軸に鉄の蒸発速度、縦軸に垂直方向の保磁
力Hcを表したものである。この結果から、垂直方向の
抗磁力が900Oe程度の優れた磁気特性を有した磁性
膜が得られることが認められる。
【0047】図5は実施例1において、鉄の蒸発速度を
30オングストローム/秒とし、膜面と直交する面内で
方向を変えてB−Hを測定した際のHcを表すグラフで
ある。ここで、膜面方向は0°および180 °であり
、垂直方向は90°である。完全な面内磁化膜であれば
90°の方向で抗磁力は最小となる。実際には、反磁界
の影響を考慮すると、磁化容易軸は膜面よりも約45°
立ち上がっていることが認められる。
【0048】図6は比較例2における面内方向および垂
直方向のB−Hを示すグラフである。この結果から、垂
直方向よりも面内方向に配向したものであることが認め
られる。
【0049】図7は比較例2において膜面と直交する面
内で方向を変えてB−Hを測定した際のHcを表すグラ
フである。ここで、膜面方向は0°および180 °で
あり、垂直方向は90°である。この結果から、磁化容
易軸は膜面よりも約20°立ち上がっていることが認め
られる。
【0050】上記実施例においては鉄の蒸発速度が10
0 オングストローム/秒であっても耐腐食性に優れた
膜を得ることができたが、比較例においては鉄の蒸発速
度がオングストローム/秒でも耐腐食性が劣っていた。
【0051】実施例4 非磁性支持体1に対する鉄蒸気流の入射角の範囲、窒素
イオン流の電流密度、および鉄の蒸発速度を表1のよう
に変化させた以外は実施例1と同一の条件で窒化鉄系強
磁性薄膜が非磁性支持体上に成膜された磁気記録媒体の
試料A、B、C、D、Eを製造した。
【0052】
【表1】
【0053】こうして得られた強磁性薄膜の構造および
その面内方向の磁気特性を評価した結果を表2に示す。
【0054】ここで、強磁性薄膜の構造(窒化鉄柱状粒
子の短径および長径、ならびに非磁性支持体上に立てた
法線と柱状粒子の軸とのなす角度)は、得られた磁気記
録媒体の非磁性支持体の強磁性薄膜の形成されていない
面に剃刀で切込みを入れ、それに沿って強磁性薄膜が外
側になるように磁気記録媒体を折り曲げ、その時にでき
る強磁性薄膜の亀裂部分(強磁性薄膜の断面)を走査型
電子顕微鏡(日立製作所製S−800)により倍率50
00倍の写真として撮影し、その断面写真を画像解析装
置(カールツァイス社製Ibas−I)で測定すること
によって明らかにした。
【0055】また、面内方向の磁気特性は実施例1と同
様にして評価した。
【0056】
【表2】
【0057】次に、これら試料の支持体側にバック層を
塗布し、強磁性薄膜表面にはステアリン酸を10mg/
m2 となるようにMEKの溶液にして塗布した。その
後、これらサンプルを8mm幅に裁断して、8ミリビデ
オ用カセットに組み込み、電磁変換特性を測定した。
【0058】測定には、富士フイルム製Hi−8ムービ
ーM870HRを改造したものを用い、さらにヒューレ
ットパッカード社製スペクトラムアナライザー3585
Aを用いてC/N比を求めた。なお、キャリヤー周波数
は7MHz、ノイズ周波数は4MHzであった。測定結
果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】表3から明らかなように、サンプルB,C
,DはサンプルA,Eに比較して、出力が大きく、ノイ
ズが低く、C/N比が大きくなっており、良好な特性が
得られた。
【0061】
【発明の効果】実施例より明らかなように、本発明の磁
気記録媒体は高密度記録に適した良好な磁気特性を有し
ており、また、窒化鉄系薄膜自体の特性である優れた耐
腐食性を有しており、その産業上の利用価値は極めて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いられたイオンアシスト蒸
着装置を示す概略図
【図2】比較例2で用いられたイオンアシスト蒸着装置
を示す概略図
【図3】実施例1において鉄の蒸発速度を30オングス
トローム/秒とした時の面内方向および垂直方向のB−
H曲線を示すグラフ
【図4】実施例1〜3および比較例1における鉄の蒸発
速度と垂直方向の保磁力との関係を示すグラフ
【図5】
実施例1において、鉄の蒸発速度を30オングストロー
ム/秒とし、膜面と直交する面内で方向を変えてB−H
を測定した際のHcを表すグラフ
【図6】比較例2にお
ける面内方向および垂直方向のB−Hを示すグラフ
【図7】比較例2において膜面と直交する面内で方向を
変えてB−Hを測定した際のHcを表すグラフ
【符号の説明】
1  非磁性支持体 2  エンドホール型イオンガン 3  ガス導入口 4  鉄 5  電子線 6  ルツボ 7  シャッタ 8  カウフマン型イオンガン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性支持体および該非磁性支持体上
    に設けられた窒化鉄系強磁性薄膜を有する磁気記録媒体
    の製造方法において、前記非磁性支持体に対する入射角
    が30°以上となるように鉄蒸気流を前記非磁性支持体
    に差し向けると同時に200 V以下の加速電圧で前記
    非磁性支持体上における電流密度が0.3mA/cm2
     以上である窒素を主体とするイオン流を前記非磁性支
    持体に照射することによって前記窒化鉄系強磁性薄膜を
    形成することを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】  前記非磁性支持体に対する鉄蒸気流の
    入射角が40°〜90°の範囲にあることを特徴とする
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1もしくは2記載の製造方法に
    より製造された磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】  非磁性支持体と該非磁性支持体上に設
    けられた強磁性金属薄膜とからなる磁気記録媒体におい
    て、前記強磁性金属薄膜が窒化鉄系柱状粒子により構成
    され、該柱状粒子の短径が200 〜1000オングス
    トローム、長径が1000〜3500オングストローム
    の範囲にあり、前記非磁性支持体上に立てた法線と前記
    柱状粒子の軸とのなす角度が45〜85°の範囲にある
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
JP3021147A 1990-08-14 1991-02-14 磁気記録媒体およびその製造方法 Withdrawn JPH04219622A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3021147A JPH04219622A (ja) 1990-08-14 1991-02-14 磁気記録媒体およびその製造方法
EP91113656A EP0471360A1 (en) 1990-08-14 1991-08-14 Magnetic recording medium and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-214552 1990-08-14
JP21455290 1990-08-14
JP26207490 1990-09-28
JP2-262074 1990-09-28
JP3021147A JPH04219622A (ja) 1990-08-14 1991-02-14 磁気記録媒体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04219622A true JPH04219622A (ja) 1992-08-10

Family

ID=27283307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3021147A Withdrawn JPH04219622A (ja) 1990-08-14 1991-02-14 磁気記録媒体およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP0471360A1 (ja)
JP (1) JPH04219622A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080236481A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-02 Intevac Corporation Method of and apparatus for monitoring mass flow rate of lubricant vapor forming lubricant coatings of magnetic disks

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5173370A (en) * 1989-08-10 1992-12-22 Sanyo Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium having a magnetic thin film with both paramagnetic phase and ferromagnetic phase iron nitride with paramagnetic phase zeta Fe2 N as its largest component

Also Published As

Publication number Publication date
EP0471360A1 (en) 1992-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5453886A (en) Digital recording method using a specified magnetic recording medium
US4731300A (en) Perpendicular magnetic recording medium and manufacturing method thereof
GB2175014A (en) Perpendicular magnetic recording medium
GB2175013A (en) Perpendicular magnetic recording medium
JPH0721560A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH04219622A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2579184B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS60195737A (ja) 磁気記録体及びその製造法
JP2004046928A (ja) 磁気記録媒体
JPH04238109A (ja) 磁気記録媒体
JP3520751B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法及びそれを使用した記憶装置
JPH04209312A (ja) 磁気記録媒体
JPH0311531B2 (ja)
JP3531679B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH07182644A (ja) 磁気記録媒体
JP2004039195A (ja) 磁気記録媒体
JP2001143236A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH04291016A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH04221419A (ja) 磁気記録媒体
JPH0479043B2 (ja)
JP2006048840A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体の記録再生方法
JPH07282431A (ja) 磁気記録媒体と磁気記録媒体の製造装置および製造方法
JPS63138519A (ja) 垂直磁気記録媒体
JPH04337520A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPS63152018A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19980514