JPH11185255A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH11185255A
JPH11185255A JP896398A JP896398A JPH11185255A JP H11185255 A JPH11185255 A JP H11185255A JP 896398 A JP896398 A JP 896398A JP 896398 A JP896398 A JP 896398A JP H11185255 A JPH11185255 A JP H11185255A
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magnetic
magnetic film
film
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halogen lamp
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JP896398A
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Hitoshi Wakao
仁志 若生
Hiroshi Yatagai
洋 谷田貝
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Sony Corp
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性膜中の酸素濃度を減少させることのでき
る磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性支持体1上に真空蒸着法を用いて磁性膜を形
成し、その後、該磁性膜に対してハロゲンランプ光を照
射することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着により磁
性膜が形成されてなる磁気記録媒体に関し、特に、該磁
性膜中の酸素濃度を減少させることが可能とされた磁気
記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野においては、記録すべき
情報量の増加に伴って、年々、高密度記録化が強く要求
されてきている。これに伴い、磁気記録媒体としては、
従来の磁性粒子をバインダー中に分散させて塗布してな
る、いわゆる塗布型磁気記録媒体に代わって、強磁性金
属を真空薄膜形成手段(真空蒸着法、スパッタ法、イオ
ンプレーティング法等)により成膜した、いわゆる薄膜
型磁気記録媒体が主流になりつつある。
【0003】この強磁性金属を成膜した薄膜型磁気記録
媒体は、保磁力や角形比等に優れ、塗布型磁気記録媒体
のように磁性層中に非磁性材であるバインダーを混入す
る必要がないため磁性材料の充填密度(言い換えると、
単位体積当たりの磁化量)を高めることができる。ま
た、この薄膜型磁気記録媒体は、塗布型磁気記録媒体に
比べ磁性層厚を極めて薄くできるため、短波長領域にお
ける電磁変換特性に優れる。さらに、この薄膜型磁気記
録媒体は、記録減磁も著しく小さいといった特徴を有す
る。薄膜型磁気記録媒体は、塗布型磁気記録媒体と比較
して様々な優位さを有するため、今後、高密度記録用の
磁気記録媒体として主流となると考えられる。
【0004】ところで、このような磁気記録の分野にお
いて、薄膜型磁気記録媒体としては、斜方蒸着法により
磁性層を形成した磁気記録媒体を挙げることができる。
この斜方蒸着法により形成された磁気記録媒体とは、移
動走行する非磁性支持体(ポリエステルフィルムやポリ
アミド、ポリアミドフィルム等の高分子フィルム)上に
非磁性支持体の表面に対して斜め方向から磁性金属を堆
積させることにより磁性膜を形成したものである。この
磁気記録媒体では、蒸着方向を斜め方向とすることによ
り、磁性粒子が非磁性支持体の表面に対して斜めに配向
することとなり、磁性粒子を長手方向に配向させた従来
の磁気テープに比べ高密度な記録が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな磁気記録媒体において、磁性膜を構成する材料とし
ては、例えば、CoNi等の強磁性金属を挙げることが
できる。これらの材料は、真空中で電子銃等により加熱
され、溶解して蒸気となる。そして、蒸気となった材料
に酸素ガスを導入しながら、非磁性支持体上に堆積させ
ることにより磁性膜が形成される。
【0006】このように、酸素ガスを導入しながら磁性
膜を形成することにより、磁性膜の保磁力が向上すると
ともに媒体ノイズが低下することとなる。すなわち、酸
素ガスを導入しながら磁性膜を形成することにより、磁
性膜にはCo酸化物、Ni酸化物等の非磁性酸化物が存
在することとなり、その結果、磁性膜の磁気特性が向上
するのである。
【0007】しかしながら、このように酸素を導入しな
がら磁性膜を形成すると、過剰な量の非磁性酸化物が形
成されてしまうことがあり、この場合、磁性膜の飽和磁
化量が低下してしまう。このような、過剰量の非磁性酸
化物が存在する磁性膜を有する磁気記録媒体は、高密度
記録に適したものとならないばかりでなく、出力も低下
してしまうといった不都合を生じてしまう。
【0008】このように、従来、磁気記録媒体を製造す
るに際して、磁性膜中に存在する非磁性酸化物の量をコ
ントロールすることは困難を極め、酸素導入量や酸素導
入方向を制御する等の手段しかなかった。このため、従
来の手法では、一旦、過剰量の非磁性酸化物を有するよ
うな磁性膜を形成してしまった場合、高密度・高出力磁
気記録媒体として使用することができないといった問題
点があった。
【0009】そこで、本発明は、磁性膜中の酸素濃度を
減少させることのできる磁気記録媒体の製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
目的を達成するために鋭意検討し、非磁性酸化物を有す
る磁性膜を所定の温度で加熱することにより、この非磁
性酸化物を分解し、非磁性酸化物から酸素原子を解離さ
せることができ、磁気特性に優れた磁気記録媒体を製造
することができるといった知見を得るに至った。
【0011】そこで、本発明に係る磁気記録媒体の製造
方法は、非磁性支持体上に真空蒸着法を用いて磁性膜を
形成し、その後、該磁性膜に対してハロゲンランプ光を
照射することを特徴とするものである。
【0012】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体の製造方法では、磁性膜に対してハロゲンラン
プを照射することにより、磁性膜を昇温している。これ
により、この手法によれば、磁性膜中の過剰量の非磁性
酸化物を分解することができ、所望量の非磁性酸化物を
有する磁性膜を形成することができる。
【0013】なお、この磁性膜に対するハロゲンランプ
の照射を、特に還元性雰囲気中で行うと非磁性酸化物の
還元反応が促進され、非磁性酸化物の量をより適正な量
とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】先ず、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法により製造される磁気記録媒体は、図1に示すよう
に、非磁性支持体1と、この非磁性支持体1上に真空蒸
着されてなる磁性膜2とを備える。なお、この磁気記録
媒体は、磁性膜2上に、保護膜やトップコート層及び非
磁性支持体1の磁性膜2が形成された面とは反対の面に
バックコート層を有するような構成であってもよい。
【0016】この磁気記録媒体において、非磁性支持体
1としては、例えば、ポリエステル類、セルロース誘導
体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリ
カーボネート等に代表されるような高分子材料により形
成される高分子支持体等が挙げられる。
【0017】また、この磁気記録媒体において、磁性膜
2は、詳細は後述するが斜方蒸着法を用いて成膜される
磁性薄膜であり、金属磁性材料を用いて薄膜形成され
る。金属磁性材料としては、Fe、Co、Ni等の強磁
性金属や、FeーCo、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−P
t、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co
−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−Cr等
の強磁性合金が挙げられる。また、この磁性膜2は、こ
れら材料からなる単層膜であってもよいし、多層膜であ
ってもよい。さらに、この磁性膜2の表面には、耐蝕性
を改善するために酸化物となっていてもよい。
【0018】さらに、この磁気記録媒体において、磁性
膜2上に形成される保護層としては、一般に使用される
材料であればいかなる材料であってもよいが、例えば、
カーボン、CrO2、Al23、BN、Co酸化物、M
gO、SiO2、Si34、SiN、SiC、SiNX
SiO2、ZrO2、TiO2、TiC等を挙げることが
できる。この保護層は、これらの材料からなる単層膜で
あってもよいし、多層膜や金属との複合膜であってもよ
い。
【0019】さらにまた、この磁気記録媒体において、
非磁性支持体1の磁性膜2が形成された面とは反対の面
に形成されるバックコート層は、従来より用いられてい
る非磁性顔料、樹脂結合剤及び潤滑剤であれば、いかな
る材料を用いてもよい。なお、非磁性支持体1上には、
磁性膜2を形成する面に、下塗層や潤滑層、防錆層を形
成してもよい。
【0020】上述したように構成された磁気記録媒体に
おいて、磁性膜2は、斜方蒸着法により形成されるた
め、その磁化容易軸が非磁性支持体1の表面に対して斜
めに形成されている。このため、磁気記録媒体では、現
行の水平記録方式と比較して高密度に磁気信号を記録す
ることができる。
【0021】一方、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、いわゆる真空蒸着法が用いられる。また、このと
き、この手法では、非磁性支持体1の表面に対して、金
属磁性材料が斜め方向から堆積するようになされた真空
斜方蒸着法が好ましく用いられる。このとき、本手法で
は、磁性膜2を形成するに際して、図2に示すような蒸
着装置20により形成される。
【0022】この蒸着装置20は、真空排気装置21を
有する真空チャンバ22内に、磁性膜2を形成する面が
外側になるように非磁性支持体1が掛け渡された冷却キ
ャン23と、非磁性支持体1を巻回してこの冷却キャン
23に送り出す送出ロール34と、非磁性支持体1を巻
き取る巻取りロール25と、金属磁性材料を入れる坩堝
26と、冷却キャン23に掛け渡された非磁性支持体1
と対向して配されるシャッタ27と、冷却キャン23に
掛け渡されて外方に露出した部分に酸素ガスを吹き付け
る酸素ガス導入管28と、非磁性支持体1の走行路上に
おける冷却キャン23及び巻取りロール25の間に配設
されたハロゲンランプ照射部29とが配されてなるよう
な構成とされる。また、この蒸着装置20は、非磁性支
持体1を所定のテンションで冷却キャン23に掛け渡す
ため、冷却キャン23及び送出ロール24の間と冷却キ
ャン23及び巻取りロール25の間に一対のテンション
ローラ30を備えている。さらに、この蒸着装置20
は、坩堝26に対して電子線Xを照射する電子銃31を
備えている。
【0023】また、この蒸着装置20において、ハロゲ
ンランプ照射部29は、内部を真空状態とするための真
空排気装置(図示せず。)と、所定のパワーを有するハ
ロゲンランプ32とを備える。このハロゲンランプ32
は、非磁性支持体1の磁性膜2が形成される面側を照射
するように配される。
【0024】さらに、この蒸着装置20は、坩堝26が
冷却キャン23に対して斜めに位置するように構成され
ている。言い換えると、この蒸着装置20は、冷却キャ
ン23に掛け渡された非磁性支持体1のうちで、シャッ
タ27により外方へと露出されている部分と坩堝26と
が所定の角度を以て対向するように構成されている。具
体的には、この蒸着装置20では、坩堝26から飛散す
る金属磁性材料の粒子が非磁性支持体1の外方へ露出す
る部分に所定の入射角をもって堆積することとなる。
【0025】このとき、入射角とは、金属磁性粒子が飛
散する方向と半径方向とがなす角度のことである。ま
た、ここでは、入射角の中で最も低角度のものを最低入
射角θLとする。本手法に用いられる蒸着装置20で
は、その最低入射角θLが45゜〜90゜となるように
構成されている。
【0026】このような蒸着装置20を用いて非磁性支
持体1の一表面に磁性膜2を形成する際には、坩堝26
内の金属磁性材料を加熱することによって、非磁性支持
体1の表面に金属磁性材料を蒸着させる。このとき、蒸
着装置20では、真空排気装置21により真空チャンバ
22内が1×10-4[Torr]となるように排気され
る。そして、この状態で、電子銃31から出射された電
子線Xが坩堝26内の金属磁性材料に照射される。これ
により、この蒸着装置20では、シャッタ27により遮
蔽される部分を除き、非磁性支持体1の外方へと露出し
ている部分に磁性膜2を成膜することができる。このと
き、蒸着装置20では、酸素ガス導入管28から酸素ガ
スが導入される。この酸素導入量は所望の磁気特性に合
わせて適宜選定され、例えば250cm3/minとさ
れる。
【0027】これにより、非磁性支持体1の一表面に
は、非磁性支持体1が送出ロール24から巻取りロール
25に向かって走行されることによって、順次、磁性膜
2が成膜されることとなる。そして、このとき、酸素ガ
スが導入されながら磁性膜2が形成されるために、磁性
膜2は所定量の非磁性酸化物を含有することとなる。
【0028】そして、この手法では、磁性膜2が形成さ
れた後、磁性膜2が形成された非磁性支持体1がハロゲ
ンランプ照射部29内を走行することとなる。このと
き、ハロゲンランプ照射部29内は、上述した真空チャ
ンバ22内を真空排気する真空排気装置21とは別個
に、真空状態とされる。また、このハロゲンランプ照射
部29内において、ハロゲンランプ32は、磁性膜2と
対向する位置に配されているため、ハロゲンランプ照射
部29内を走行する非磁性支持体1上に形成された磁性
膜2を照射することとなる。
【0029】この手法では、上述したように、酸素ガス
を導入しながら磁性膜2を形成するため、磁性膜2中に
非磁性酸化物が形成されることとなる。この非磁性酸化
物は、過剰に形成されてしまうと、磁性膜2の飽和磁化
量を低下させてしまい、磁性膜2の磁気特性を劣化させ
る原因となる。この手法では、このようにハロゲンラン
プ光を磁性膜2に照射することにより、磁性膜2におけ
る過剰量の非磁性酸化物を分解することができる。具体
的には、金属磁性材料としてCoを用いた場合には非磁
性酸化物としてCo−Oが形成されるが、ハロゲンラン
プ光を磁性膜2に照射することによって、Co−OがC
oとO2とに分解される。
【0030】これにより、ハロゲンランプ照射部29内
を走行した磁性膜2は、過剰量の非磁性酸化物が分解さ
れ、所望量の非磁性酸化物を有することとなる。これに
より、磁性膜2は、高い保磁力を有したまま、飽和磁化
量を向上させることができる。したがって、この磁性膜
2は、良好な磁気特性を示すこととなる。
【0031】このとき、ハロゲンランプ32は、磁性膜
2表面を150〜300℃に加熱するのが好ましい。磁
性膜2表面の温度が150℃を下回ると、過剰量の非磁
性酸化物を分解するに足る熱エネルギを磁性膜2に与え
ることができず、また、磁性膜2表面の温度が300℃
を上回ると、非磁性支持体1を熱により損なう虞れがり
好ましくない。
【0032】具体的に、ハロゲンランプ光の照射量を5
00〜1000W/m2secとすることが好ましい。
ハロゲンランプ光の照射量を500W/m2secより
小とすると、上述したように、過剰量の非磁性酸化物を
分解するに足る熱エネルギを磁性膜2に与えることがで
きず、また、ハロゲンランプ光の照射量を1000W/
2secより大とすると、非磁性支持体1を熱により
損なう虞れがあり好ましくない。
【0033】なお、このような磁性膜に対するハロゲン
ランプ光の照射は、還元性雰囲気で行うようにしても良
い。
【0034】この場合、図3に示すように上記ハロゲン
ランプ照射部29に、還元性ガスを導入するためのガス
導入口33とガス排気口34を設け、ガス導入口33か
ら適当な流量で還元性ガスを導入するようにすれば良
い。これにより、非磁性酸化物の還元反応が促進され、
より磁気特性に優れた磁性膜が得られる。
【0035】このハロゲンランプ照射部に導入する還元
性ガスとしては、水素、一酸化炭素、硫化水素等が挙げ
られる。
【0036】また、還元性ガスを用いる場合、それによ
って還元反応が促進されるので、磁性膜の加熱条件を比
較的緩和な条件に設定しても良い。例えば、ハロゲンラ
ンプ光の照射量は250〜1000W/m2sec、ハ
ロゲンランプ照射による磁性膜表面の加熱温度は100
〜300℃の範囲とするのが適当である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を適用して実際に磁気記録媒体
を製造し、その特性を評価した。ここでは、実施例1か
ら実施例8を作製し、これと比較するために比較例を作
製した。
【0038】実施例1 本実施例1では、非磁性支持体としてポリエチレンテレ
フタレートを用い、このポリエチレンテレフタレートの
一表面に磁性膜を形成した。この磁性膜を形成する際に
は、図2に示したような蒸着装置20を用いて斜方蒸着
法により金属磁性材料を蒸着して成膜した。ここでは、
金属磁性材料として100重量%のCoを用いた。
【0039】このときの成膜条件を下記に記す。
【0040】成膜条件 ・インゴット:Co100 ・入射角度:45゜〜90゜ ・真空度:7×10-2Pa(蒸着室) 9×10-1Pa(巻取り室) ・非磁性支持体送り速度:25m/min ・酸素導入量:250cm2/min 以上のような成膜条件で非磁性支持体上に磁性膜を形成
することにより、磁性膜は、磁性粒子としてCoが堆積
するとともに非磁性酸化物としてCo−Oが堆積するこ
とにより形成される。
【0041】そして、この実施例1では、蒸着された磁
性膜に対して、300W/m2secの照射量でハロゲ
ンランプ光を照射した。このとき、磁性膜の温度は、約
120℃となっていることが確認された。
【0042】そして、次に、磁性膜上に、パーフルオロ
ポリエーテルを塗布することによりトップコート層を形
成した。さらに、磁性膜が形成された側とは反対側の非
磁性支持体の表面には、カーボン及びウレタンバインダ
を混合してなるバックコート層を形成した。このとき、
バックコート層は、厚みを0.6μmとし、非磁性支持
体の送り速度を150m/分として塗布された。その
後、8mm幅に裁断し、実施例1の磁気記録媒体を完成
した。
【0043】実施例2 実施例2では、ハロゲンランプ光の照射量を500W/
2secとした以外は実施例1と同様にして磁気記録
媒体を作製した。なお、この実施例2で作製した磁気記
録媒体において、磁性膜は、ハロゲンランプ光により約
150℃まで加熱された。
【0044】実施例3 実施例3では、ハロゲンランプ光の照射量を700W/
2secとした以外は実施例1と同様にして磁気記録
媒体を作製した。なお、この実施例3で作製した磁気記
録媒体において、磁性膜は、ハロゲンランプ光により約
210℃まで加熱された。
【0045】実施例4 実施例4では、ハロゲンランプ光の照射量を1000W
/m2secとした以外は実施例1と同様にして磁気記
録媒体を作製した。なお、この実施例4で作製した磁気
記録媒体において、磁性膜は、ハロゲンランプ光により
約295℃まで加熱された。
【0046】比較例 比較例では、ハロゲンランプ光の照射を行わずに磁性膜
を形成した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を
作製した。なお、この実施例2で作製した磁気記録媒体
において、磁性膜の温度は、約20℃となっているのが
確認された。
【0047】特性評価 以上のようにして作製された実施例1乃至実施例4及び
比較例に関して、磁性膜の磁気特性及び磁気記録媒体と
しての電磁変換特性を評価した。
【0048】磁性膜の磁気特性に関しては、試料振動式
磁気特性測定器(VSM)を用いて、磁性膜の保磁力
(Hc)及び飽和磁化量(Ms)を測定した。また、磁
気記録媒体としての電磁変換特性に関しては、記録再生
装置(商品名:EV−S900、ソニー株式会社製)を
用い、比較例の磁気記録媒体を基準とした相対出力(Y
−out)及びCN比(Y−C/N)を測定した。
【0049】結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】この表1の結果から分かるように、実施例
1乃至実施例4は、比較例と比較すると、保磁力(H
c)がほぼ同等の高い値となっており、飽和磁化量(M
s)が比較例より向上している。このことから、磁性膜
に対してハロゲンランプを照射して磁性膜を加熱するこ
とにより、磁性膜の磁気特性を向上させることができる
ことが分かった。その結果、実施例1乃至実施例4で
は、比較例に比べて、電磁変換特性も向上している。
【0052】このように、本発明に係る磁気記録媒体の
製造方法によれば、良好な磁気特性を有する磁性膜を形
成することができ、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体
を製造することができる。
【0053】実施例5 実施例5では、ハロゲンランプ照射部に0.1リットル
/minの流量で水素ガス(還元性ガス)を導入するこ
と以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0054】実施例6 実施例6では、ハロゲンランプ照射部に0.2リットル
/minの流量で水素ガスを導入すること以外は実施例
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0055】実施例7 実施例7では、ハロゲンランプ照射部に0.5リットル
/minの流量で水素ガスを導入すること以外は実施例
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0056】実施例8 実施例8では、ハロゲンランプ照射部に1.0リットル
/minの流量で水素ガスを導入すること以外は実施例
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0057】特性評価 以上のようにして作製された実施例5乃至実施例8に関
して、磁性膜の磁気特性及び磁気記録媒体としての電磁
変換特性を上述と同様にして評価した。結果を表2に示
す。また、表2には上述の実施例3及び比較例の結果を
併せて示す。
【0058】
【表2】
【0059】この表2の結果からわかるように、ハロゲ
ンランプ照射部に還元性ガスを導入した実施例5乃至実
施例8は、比較例とほぼ同等の保磁力(Hc)が得ら
れ、また、飽和磁化量(Ms)は、還元性ガスを用いて
いない実施例3に比べて向上している。
【0060】このことから、磁性膜に対するハロゲンラ
ンプの照射を還元性雰囲気で行うと、磁性膜の磁気特性
がさらに向上し、より電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体が得られるようになることがわかった。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気記録媒体の製造方法では、蒸着により磁性膜を
形成した後に、該磁性膜に対してハロゲンランプ光を照
射している。これにより、この手法では、磁性膜を所望
の温度に加熱することができ、磁性膜中の過剰量の非磁
性酸化物を分解することができる。このため、この手法
によれば、良好な磁気特性を有する磁性膜を形成するこ
とができ、その結果、電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体を製造することができる。また、この磁性膜に対する
ハロゲンランプ光の照射を特に還元性雰囲気中で行う
と、より電磁変換特性に優れた磁性膜を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法により製
造される磁気記録媒体の要部縦断面図である。
【図2】本発明に使用される蒸着装置の一例を示す概略
構成図である。
【図3】本発明に使用される蒸着装置の他の例を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性膜、20 蒸着装置、29
ハロゲンランプ照射部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に真空蒸着法を用いて磁
    性膜を形成し、 その後、該磁性膜に対してハロゲンランプ光を照射する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 真空蒸着法を用いて磁性膜を形成するに
    際して、酸素を導入することを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ハロゲンランプ光を磁性膜に照射す
    ることにより、磁性膜を150〜300℃に加熱するこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記ハロゲンランプ光は、500〜10
    00W/m2secの照射量で照射されることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁性膜に対するハロゲンランプ光の照射
    を、還元性雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の真空槽内で、上記磁性膜が形成さ
    れるとともに、この第1の真空槽とは異なる真空排気装
    置を有する第2の真空槽内で、ハロゲンランプ光が照射
    されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第2の真空槽に、還元性ガスを導入
    することを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
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