JPH07220228A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

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Publication number
JPH07220228A
JPH07220228A JP897194A JP897194A JPH07220228A JP H07220228 A JPH07220228 A JP H07220228A JP 897194 A JP897194 A JP 897194A JP 897194 A JP897194 A JP 897194A JP H07220228 A JPH07220228 A JP H07220228A
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JP
Japan
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front core
magnetic
joint
core
leg
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JP897194A
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English (en)
Inventor
Masahiko Yamazaki
昌彦 山崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントコアの脚部の反りの発生が抑えら
れ、バックコアとの磁気的接続が良好になされてバック
ギャップのばらつきが抑えられ、電磁変換特性が良好と
なる。 【構成】 バックコアとの磁気的接続をするための脚部
を有するフロントコアをトラック幅方向から挟持するよ
うにしてフロントコアに対して接合され、このフロント
コアとともに磁気記録媒体摺接面を構成する一対のスラ
イダー部材のうち、フロントコアの脚部を補強するスラ
イダー部材をフロントコアに対して磁気記録媒体摺接面
側の接合部と脚部側の接合部においてガラス接合し、脚
部側の接合部における磁気ギャップのデプス方向の接合
長さの合計を磁気記録媒体摺接面側の接合部における磁
気ギャップのデプス方向の接合長さの合計よりも小とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフレキシブルデ
ィスクに対して情報信号の書込み・読出しを行うのに好
適な磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルディスクに対して情報信号
の書込み又は読出し或いはその両方を可能なものとする
フレキシブルディスクドライブ装置としては、例えば以
下に示すようなものが挙げられる。該フレキシブルディ
スクドライブ装置は、主に、記録再生用,消去用磁気ギ
ャップを有し、情報の記録再生を行う磁気ヘッド装置
が、板バネによって構成される支持板であるジンバルに
固着されて構成される。すなわち、上記フレキシブルデ
ィスクドライブ装置においては、ジンバルの弾性によっ
て磁気ヘッド装置を該磁気ヘッド装置の磁気ギャップの
臨む磁気記録媒体摺接面が記録媒体であるフレキシブル
ディスクに対向するように圧接させて、該磁気ヘッド装
置によりフレキシブルディスクに対して情報の記録再生
が行われるようにしている。
【0003】このとき、上記磁気ヘッド装置は、磁気ギ
ャップを有し、閉磁路を構成する磁気ヘッド部と、この
磁気ヘッド部を挟持する一対のスライダー部材により構
成され、該磁気ヘッド装置の外周部には磁気シールド部
材が配される。
【0004】すなわち、上記磁気ヘッド部は、図10に
示すように、主として記録再生用,消去用磁気ギャップ
の形成されるフロントコア101と、このフロントコア
101とともに閉磁路を構成するバックコア102と、
これらフロントコア101とバックコア102に組み込
まれて磁気回路部を構成し、駆動コイルの巻装された一
対のコイルボビン103,104とから構成されてい
る。
【0005】なお、上記フロントコア101は、その一
主面が磁気ギャップの臨む磁気記録媒体摺接面101a
とされ、その反対側に脚部101b,101c,101
dが形成されている。一方のバックコア102はこれに
対応した形状となされており、フロントコア101との
対向面側に脚部102a,102b,102cが形成さ
れている。
【0006】従って、上記フロントコア101とバック
コア102は、フロントコア101の両側脚部101
b,101d及びバックコア102の両側脚部102
a,102cを各コイルボビン103,104に挿入
し、各コイルボビン103,104内においてフロント
コア101の脚部101b,101dにバックコア10
2の脚部102a,102cを磁気ギャップのトラック
幅方向から当接させることにより、磁気的に接続される
ようになされている。なお、このとき、バックコア10
2とともにバネ部材であるコア押さえ部材105をコイ
ルボビン103,104内に挿入し、フロントコア10
1とバックコア102の接続を確実なものとしている。
【0007】上記のように各コイルボビン103,10
4内においてフロントコア101の脚部101b,10
1dにバックコア102の脚部102a,102cを磁
気ギャップのトラック幅方向から当接させると、バック
コア102の中央の脚部102bもフロントコア101
の中央の脚部101cにトラック幅方向から当接される
こととなる。従って、この部分においてもフロントコア
101とバックコア102の磁気的接続がなされる。な
お、このとき、脚部101c,102bの接続を良好な
ものとするために、脚部102bをトラック幅方向から
押さえつけるコア押さえ部材106も配するようにして
いる。
【0008】また、上記一対のスライダー部材107,
108はフロントコア101を磁気ギャップのトラック
幅方向から挾み込むことにより、形成される磁気ヘッド
部を挟持するとともに、該磁気ヘッド部のフレキシブル
ディスクに対する当たりを確保している。そして、一対
のスライダー部材107,108のうち、バックコア1
02の当接される側に配されるスライダー部材108
は、磁気記録媒体摺接面101a側のみにおいてフロン
トコア101と接合されている。一方、バックコアの当
接されない側に配されるスライダー部材107は、フロ
ントコア101に対して、磁気記録媒体摺接面101a
側と脚部101b,101c,101d側において接合
されており、脚部101b,101c,101dを補強
するようになされている。
【0009】そして、上記磁気ヘッド部への外部電磁誘
導ノイズを防ぐために磁気ヘッド部とスライダー部材1
07,108よりなる磁気ヘッド装置の外周部には、枠
状の磁気シールド部材109が配される。
【0010】ところで、上記磁気ヘッド装置は以下のよ
うにして製造される。先ず、図11に示すように、磁気
ギャップを有するフロントコア111を一対のスライダ
ー部材112,113により磁気ギャップのトラック幅
方向から挟み込んで融着ガラスにより接合一体化する。
その結果、図12に示すように、フロントコア111の
磁気ギャップの臨む磁気記録媒体摺接面111aととも
に、一対のスライダー部材112,113の磁気記録媒
体摺接面となる面112a,113a(以下、磁気記録
媒体摺接面112a,113aと称する。)により、製
造される磁気ヘッド装置の磁気記録媒体摺接面が構成さ
れることとなる。
【0011】このとき、一対のスライダー部材112,
113のうちの一方のスライダー部材113において
は、フロントコア111に対する接合部を磁気記録媒体
摺接面113a側のみに設けている。そして、他方のス
ライダー部材112においては、図6に示すように、磁
気記録媒体摺接面112a側にフロントコア111に対
する第1の接合部113を設け、その反対側の底面11
2b側、すなわち脚部側に第2の接合部114を設けて
いる。なお、磁気記録媒体摺接面112a側の接合部1
13の磁気ギャップのデプス方向の接合長さL1 と底面
112b側、すなわち脚部側の接合部114の磁気ギャ
ップのデプス方向の接合長さL2 は同等となされてい
る。
【0012】そして、図13に示すように、接合一体化
されたフロントコア111、スライダー部材112,1
13を磁気記録媒体摺接面111a,112a,113
aが下側となるように裏返す。
【0013】次に、図14に示すように、後工程におい
てコイルボビンを配設するための空間を形成するととも
にコイルボビンに挿入されるフロントコアの脚部を形成
するべく、接合一体化されたフロントコア111、スラ
イダー部材112,113の磁気記録媒体摺接面111
a,112a,113aの反対側の底面111b,11
2b,113bに、磁気ギャップのトラック幅方向に第
1の溝部114a,114bを形成する。その結果、接
合一体化されたフロントコア111、スライダー部材1
12,113は底面111b,112b,113b側に
おいて3分割される。
【0014】続いて、図15に示すように、第1の溝部
114a,114bに直交する第2の溝部115をフロ
ントコア111に近接し、スライダー部材112の接合
されない側の主面111cが露呈するように形成する。
すなわち、コイルボビンを配する空間が形成されるとと
もにフロントコア111に3本の脚部116,117,
118が形成され、各脚部116,117,118にス
ライダー部材112が接合されて補強されている状態と
なる。
【0015】このようにして、図16に示すような、磁
気記録媒体摺接面111aに臨んで磁気ギャップが形成
され、脚部116,117,118を有するフロントコ
ア111と、前記フロントコア111を磁気ギャップの
トラック幅方向から挟持するようにして接合一体化され
る一対のスライダー部材112,113よりなる部材を
完成する。
【0016】そして、上記部材のフロントコア111の
両側脚部116,118及び図10中に示したようなバ
ックコア102の両側脚部102a,102cを同図中
に示したような各コイルボビン103,104に挿入
し、各コイルボビン103,104内においてフロント
コア111の脚部116,118のスライダー部材11
2の配されない側の主面111cにバックコア102の
脚部102a,102cを磁気ギャップのトラック幅方
向から当接させてこれらを磁気的に接続する。なお、こ
のとき、バックコア102とともにバネ部材であるコア
押さえ部材105をコイルボビン103,104内に挿
入し、フロントコア111とバックコア102の接続を
確実なものとする。
【0017】さらに、上記のように各コイルボビン10
3,104内においてフロントコア111の脚部11
6,118にバックコア102の脚部102a,102
cを磁気ギャップのトラック幅方向から当接させると、
バックコア102の中央の脚部102bもフロントコア
111の中央の脚部117にトラック幅方向から当接さ
れることとなる。従って、この部分においてもフロント
コア111とバックコア102の磁気的接続がなされ
る。なお、このとき、脚部117,102bの接続を良
好なものとするために、脚部102bをトラック幅方向
から押さえつけるコア押さえ部材106も配する。
【0018】このようにして、磁気ギャップを有し、閉
磁路を構成する磁気ヘッド部と、この磁気ヘッド部を挟
持する一対のスライダー部材により構成される磁気ヘッ
ド装置を完成する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な製造方法により製造される磁気ヘッド装置において
は、バックギャップにばらつきが生じ易く、場所によっ
てバックギャップが著しく大きくなり磁気ヘッド装置の
電磁変換特性の低下が生じ易いという不都合が生じる。
【0020】上記製造方法においては、フロントコア1
11と一対のスライダー部材112,113の接合一体
化が、融着ガラスの融着により行われる。しかしなが
ら、このとき、フロントコア111の構成材料として一
般的なフェライトの熱膨張係数とスライダー部材11
2,113の構成材料として一般的なチタン酸カルシウ
ムの熱膨張係数と融着ガラスの熱膨張係数は大きく異な
る。例えばフェライトの温度100℃〜350℃におけ
る熱膨張係数は116(×10-7/℃)であり、チタン
酸カルシウムの温度50℃〜400℃における熱膨張係
数は110(×10 -7/℃)であり、融着ガラスの温度
100℃〜300℃における熱膨張係数は99(×10
-7/℃)である。従って、これら熱膨張係数の差により
フロントコア111に反りが生じてしまう。
【0021】さらに、後工程において接合一体化したフ
ロントコア111、スライダー部材112,113に第
1の溝部114a,114b及び第2の溝部115を形
成して、フロントコア111を分割して脚部116,1
17,118を形成する。しかし、このとき、フロント
コア111の分割によって形成される脚部116,11
7,118においては、反りが助長されることとなる。
【0022】そして、このようにフロントコア111の
脚部116,117,118に反りが生じたままの状態
で、これらにバックコア102の脚部102a,102
b,102cを当接させ、これらを磁気的に接続する
と、これらの間に形成されるバックギャップにばらつき
が生じ易く、場所によってバックギャップが著しく大き
くなり、製造される磁気ヘッド装置の電磁変換特性を大
きく損なうこととなる。
【0023】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、フロントコアの脚部の反りの発生が
抑えられ、バックコアとの磁気的接続が良好になされて
バックギャップのばらつきが抑えられ、電磁変換特性の
良好な磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討した結果、フロントコアの脚
部におけるスライダー部材との接合面積を少なくするこ
とにより、該脚部に対する接合時の熱膨張係数の差の影
響を低減し、この部分の反りの発生を抑えることができ
ることを見いだした。
【0025】すなわち、本発明は、磁気記録媒体摺接面
に臨んで磁気ギャップが形成されるとともに脚部を有す
るフロントコアと、前記脚部に当接されフロントコアと
ともに閉磁路を構成するバックコアとからなる磁気ヘッ
ド部と、上記フロントコアをトラック幅方向から挟持す
るようにしてフロントコアに対して接合され、このフロ
ントコアとともに磁気記録媒体摺接面を構成する一対の
スライダー部材とを備えてなり、上記フロントコアの脚
部に一方のスライダー部材が接合され補強されてなる磁
気ヘッド装置において、上記スライダー部材をフロント
コアに対して磁気記録媒体摺接面側の接合部と脚部側の
接合部においてガラス接合し、脚部側の接合部における
磁気ギャップのデプス方向の接合長さの合計を磁気記録
媒体摺接面側の接合部における磁気ギャップのデプス方
向の接合長さの合計よりも小とし、フロントコアの脚部
におけるスライダー部材との接合面積を少なくするもの
である。
【0026】また、本発明においてフロントコアの脚部
の反りを更に確実に抑え、フロントコアとスライダー部
材の接合強度を確保するためには、脚部側の接合部を1
箇所以上の接合箇所により構成し、各接合箇所における
磁気ギャップのデプス方向の接合長さを0.2mm〜
0.4mmとすることが好ましい。
【0027】
【作用】本発明においては、フロントコアをトラック幅
方向から挟持するようにフロントコアに対して接合され
る一対のスライダー部材のうち、フロントコアの脚部を
補強しているスライダー部材の脚部側のフロントコアに
対する接合部の磁気ギャップのデプス方向の接合長さの
合計を磁気記録媒体摺接面側のフロントコアに対する接
合部の磁気ギャップのデプス方向の接合長さの合計より
も小さくしているため、フロントコアの脚部におけるス
ライダー部材との接合面積が少なくなり、該脚部に対す
る接合時の熱膨張係数の差の影響が低減され、この部分
の反りの発生が抑えられる。
【0028】また、本発明において、脚部側の接合部を
1箇所以上の接合箇所により構成し、各接合箇所におけ
る磁気ギャップのデプス方向の接合長さを0.2mm〜
0.4mmとすれば、フロントコアの脚部の反りが更に
確実に抑えられ、且つフロントコアとスライダー部材の
接合強度が確保される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づいて説明する。本実験例において
は、スライダー部材のフロントコアに対する接合部の形
成位置,磁気ギャップのデプス方向の接合長さを変化さ
せてこれらの接合を行い、フロントコアに生じる反りを
評価した。
【0030】すなわち、前述の磁気ヘッド装置の製造方
法に従って磁気ヘッド装置を製造する際に、図11に示
すようなスライダー部材112のフロントコア111に
対する接合部の形成位置,磁気ギャップのデプス方向の
接合長さを変化させて製造を行う。そして、図15に示
すように第1の溝部114、第2の溝部115を形成
し、脚部116,117,118を形成した後のフロン
トコア111のスライダー部材112の接合されない側
の主面111c、すなわち、バックコアの当接面の表面
形状を測定してフロントコアに生じる反りを評価した。
【0031】本実験例においては、スライダー部材のフ
ロントコアに対する接合部の形成位置,デプス方向の接
合長さを以下のように変化させて磁気ヘッド装置の製造
を行った。先ず、図1に示すように、デプス方向の接合
長さDが2.8mmのスライダー部材1に対して、磁気
記録媒体摺接面1a側から脚部側となる底面1b側にわ
たってデプス方向の接合長さL1 が2.5mmである図
中斜線部で示す接合部2を設け、製造される磁気ヘッド
装置をサンプル1とした。次に、図2に示すように、サ
ンプル1で使用したものと同様のスライダー部材11に
対して、磁気記録媒体摺接面11a側から脚部側となる
底面11b側にわたってデプス方向の接合長さL1
1.8mmである図中斜線部で示す接合部12を設け、
製造される磁気ヘッド装置をサンプル2とした。さら
に、図3に示すように、サンプル1で使用したものと同
様のスライダー部材21に対して、磁気記録媒体摺接面
21a側にデプス方向の接合長さL1 が1.1mmであ
る図中斜線部で示す接合部22を設け、製造される磁気
ヘッド装置をサンプル3とした。
【0032】次に、図4に示すように、サンプル1で使
用したものと同様のスライダー部材31に対して、デプ
ス方向の接合長さL1 が1.1mmである磁気記録媒体
摺接面31a側の図中斜線部で示す接合部32を設け、
デプス方向の接合長さL2 が0.4mmである底面31
b側、すなわち脚部側の図中斜線部で示す接合箇所33
を設け、製造される磁気ヘッド装置をサンプル4とし
た。すなわち、上記フロントコアにおいては、脚部側の
接合部を1箇所の接合箇所によって構成するものとし
た。
【0033】そして、図5に示すように、サンプル1で
使用したものと同様のスライダー部材41に対して、デ
プス方向の接合長さL1 が1.1mmである磁気記録媒
体摺接面41a側の図中斜線部で示す接合部42を設
け、デプス方向の接合長さL2が0.3mmである底面
41b側、すなわち脚部側の図中斜線部で示す接合箇所
43を設け、さらに接合部42と接合箇所43の間にデ
プス方向の接合長さL3が0.3mmである脚部側の図
中斜線部で示す接合箇所44を設け、製造される磁気ヘ
ッド装置をサンプル5とした。すなわち、上記フロント
コアにおいては、脚部側の接合部を2箇所の接合箇所に
よって構成するものとした。
【0034】また、図6に示すように、サンプル1で使
用したものと同様のスライダー部材112に対して、デ
プス方向の接合長さL1 が1.1mmである磁気記録媒
体摺接面112a側の図中斜線部で示す接合部113を
設け、デプス方向の接合長さL2 が1.1mmである底
面112b側、すなわち脚部側の図中斜線部で示す接合
部114を設け、製造される磁気ヘッド装置をサンプル
6とした。
【0035】そして、本実験例においては、フロントコ
アに生じる反りの評価を以下のようにして行った。すな
わち、先ず、図7に示すように、各サンプルのフロント
コア51の脚部52,53,54のスライダー部材の接
合されない側の主面51cの図中斜線部で示す部分を測
定部55,56,57とし、この部分の表面形状を東京
精密社製3次元測定機により測定した。
【0036】測定結果の一例としてサンプル4の結果を
図8に模式的に示す。図8中x軸は磁気ギャップのデプ
ス方向を示し、これは図7中矢印xで示す方向と一致
し、x軸の零点は図7に示すフロントコア51の測定部
55,56,57の媒体摺接面51a側のエッジE1
相当する。また、図8中y軸は、図7中矢印yで示すフ
ロントコア51の測定部55,56,57配列方向と一
致し、y軸の零点は測定部57の外側のエッジE2 に相
当する。さらに、図8中z軸は、x軸,y軸に直交する
方向であり、図7中紙面に直交する方向と一致する。す
なわち、z軸の値の変化により測定部55,56,57
の表面の凹凸が示される。
【0037】続いて、フロントコアに生じる反りの評価
を行った。ここでも例としてサンプル4の結果を示す。
すなわち、図7に示すような各サンプルのフロントコア
51の測定部55,56,57上に図示しない平板を配
した場合の図中矢印Aで示す方向から平板の面と測定部
55,56,57の面を観察し、これらの関係からフロ
ントコアの反り量を導きだした。例えば、図9に示すよ
うに、平板の面が図中Gの線で示され、測定部55の面
が図中Eの線で示され、測定部56の面が図中Fの線で
示される場合、図中Gの線とE或いはFの線の間が最も
離れている部分の距離Hをフロントコアの反り量とし
た。
【0038】各サンプルの結果を表1に示す。各サンプ
ルともn=5で測定を行い、その平均値を求めた。な
お、表1中の数値の単位はnmとする。
【0039】
【表1】
【0040】表1中サンプル1〜3を比較すると、接合
部のデプス方向の接合長さを短くすることにより、フロ
ントコアの反り量を減少させることが可能であることが
わかる。また、従来の磁気ヘッド装置であるサンプル6
の結果と比較すると、接合部の配設位置もフロントコア
の反り量に関係があることがわかる。しかしながら、サ
ンプル3のように、磁気記録媒体摺接面側のみでスライ
ダー部材を接合し、接合部のデプス方向の接合長さが短
いものにおいては、フロントコアとスライダー部材の接
合強度が確保できないといった問題が生じる。
【0041】さらに、表1中サンプル4,5において
は、フロントコアの反り量が減少していることがわか
る。また、これらサンプルにおいては、フロントコアと
スライダー部材の接合強度も確保されている。なお、こ
れらサンプルにおけるフロントコアの反り量は0.23
μmであり、従来の磁気ヘッド装置に相当するサンプル
6のフロントコアの反り量0.42と比較すると、半分
に低減している。
【0042】すなわち、サンプル4のように、スライダ
ー部材31に磁気記録媒体摺接面31a側に接合部32
を設け、脚部側に接合箇所33を設け、脚部側の接合箇
所33の磁気ギャップのデプス方向の接合長さ(L2
を磁気記録媒体摺接面31a側の接合部32の磁気ギャ
ップのデプス方向の接合長さ(L1 )よりも短くすれ
ば、フロントコアの脚部でのスライダー部材との接合面
積が少なくなり、該脚部に対する接合時の熱膨張係数の
差の影響が低減され、この部分の反りの発生が抑えられ
ることが確認された。さらにこのとき、接合箇所33の
デプス方向の接合長さを0.2mm以上,0.4mm以
下としているため、脚部の反りが確実に抑えられ、且つ
フロントコアとスライダー部材の接合強度が確保されて
いることが確認された。
【0043】また、サンプル5のように、スライダー部
材41の脚部側の接合箇所43,44の磁気ギャップの
デプス方向の接合長さの合計(L2 +L3 )を磁気記録
媒体摺接面41a側の接合部42の磁気ギャップのデプ
ス方向の接合長さの合計(L 1 )よりも短くしても、フ
ロントコアの脚部でのスライダー部材との接合面積が少
なくなり、該脚部に対する接合時の熱膨張係数の差の影
響が低減され、この部分の反りの発生が抑えられること
が確認された。さらにこのとき、接合箇所43,44の
1箇所当たりの磁気ギャップのデプス方向の接合長さを
0.2mm以上,0.4mm以下としているため、脚部
の反りが確実に抑えられ、且つフロントコアとスライダ
ー部材の接合強度が確保されていることが確認された。
【0044】すなわち、本実験例の結果から、磁気記録
媒体摺接面に臨んで磁気ギャップが形成されるとともに
脚部を有するフロントコアと、前記脚部に当接されフロ
ントコアとともに閉磁路を構成するバックコアとからな
る磁気ヘッド部と、上記フロントコアをトラック幅方向
から挟持するようにしてフロントコアに対して接合さ
れ、このフロントコアとともに磁気記録媒体摺接面を構
成する一対のスライダー部材とを備えてなり、上記フロ
ントコアの脚部に一方のスライダー部材が接合され補強
されてなる磁気ヘッド装置において、上記スライダー部
材をフロントコアに対して磁気記録媒体摺接面側の接合
部と脚部側の接合部においてガラス接合し、脚部側の接
合部における磁気ギャップのデプス方向の接合長さの合
計を磁気記録媒体摺接面側の接合部における磁気ギャッ
プのデプス方向の接合長さの合計よりも小とすれば、フ
ロントコアの脚部におけるスライダー部材との接合面積
が少なくなり、該脚部に対する接合時の熱膨張係数の差
の影響が低減され、この部分の反りの発生が抑えられる
ことが確認された。従って、本発明の磁気ヘッド装置に
おいては、バックコアとの磁気的接続が良好になされて
バックギャップのばらつきが抑えられ、電磁変換特性が
良好となる。
【0045】また、本実験例の結果から、上記のような
磁気ヘッド装置の脚部側の接合部を1箇所以上の接合箇
所により構成し、各接合箇所における磁気ギャップのデ
プス方向の接合長さを0.2mm〜0.4mmとすれ
ば、フロントコアの脚部の反りが更に確実に抑えられ、
且つフロントコアとスライダー部材の接合強度が確保さ
れることが確認された。すなわち、このような磁気ヘッ
ド装置においては、バックコアとの磁気的接続が更に良
好になされてバックギャップのばらつきが更に抑えら
れ、電磁変換特性が更に良好となる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は、磁気記録媒体摺接面に臨んで磁気ギャップが形成
されるとともに脚部を有するフロントコアと、前記脚部
に当接されフロントコアとともに閉磁路を構成するバッ
クコアとからなる磁気ヘッド部と、上記フロントコアを
トラック幅方向から挟持するようにしてフロントコアに
対して接合され、このフロントコアとともに磁気記録媒
体摺接面を構成する一対のスライダー部材とを備えてな
り、上記フロントコアの脚部に一方のスライダー部材が
接合され補強されてなる磁気ヘッド装置において、上記
スライダー部材をフロントコアに対して磁気記録媒体摺
接面側の接合部と脚部側の接合部においてガラス接合
し、脚部側の接合部における磁気ギャップのデプス方向
の接合長さの合計を磁気記録媒体摺接面側の接合部にお
ける磁気ギャップのデプス方向の接合長さの合計よりも
小としているため、フロントコアの脚部におけるスライ
ダー部材との接合面積が少なくなり、該脚部に対する接
合時の熱膨張係数の差の影響が低減され、この部分の反
りの発生が抑えられる。従って、本発明の磁気ヘッド装
置においては、バックコアとの磁気的接続が良好になさ
れてバックギャップのばらつきが抑えられ、電磁変換特
性が良好となる。
【0047】また、本発明の磁気ヘッド装置において、
脚部側の接合部を1箇所以上の接合箇所により構成し、
各接合箇所における磁気ギャップのデプス方向の接合長
さを0.2mm〜0.4mmとすれば、フロントコアの
脚部側の反りが更に確実に抑えられ、且つフロントコア
とスライダー部材の接合強度が確保される。すなわち、
このような磁気ヘッド装置においては、バックコアとの
磁気的接続が更に良好になされてバックギャップのばら
つきが更に抑えられ、電磁変換特性が更に良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンプル1に使用するスライダー部材を示す側
面図である。
【図2】サンプル2に使用するスライダー部材の接合部
を模式的に示す側面図である。
【図3】サンプル3に使用するスライダー部材の接合部
を模式的に示す側面図である。
【図4】サンプル4に使用するスライダー部材の接合部
と接合箇所を模式的に示す側面図である。
【図5】サンプル5に使用するスライダー部材の接合部
と接合箇所を模式的に示す側面図である。
【図6】サンプル6に使用するスライダー部材の接合部
と接合箇所を模式的に示す側面図である。
【図7】フロントコアの測定部を模式的に示す平面図で
ある。
【図8】表面形状の測定結果を示す模式図である。
【図9】平板の面と測定部の面の関係を示す相関図であ
る。
【図10】磁気ヘッド装置と磁気シールド部材を示す分
解斜視図である。
【図11】磁気ヘッド装置の製造方法を工程順に示すも
のであり、フロントコアと一対のスライダー部材を接合
一体化する工程を示す斜視図である。
【図12】接合一体化されたフロントコアとスライダー
部材を示す斜視図である。
【図13】接合一体化されたフロントコアとスライダー
部材を裏返す工程を示す斜視図である。
【図14】接合一体化されたフロントコアとスライダー
部材に第1の溝部を形成する工程を示す斜視図である。
【図15】接合一体化されたフロントコアとスライダー
部材に第2の溝部を形成する工程を示す斜視図である。
【図16】接合一体化されたフロントコアとスライダー
部材によって構成される部材を示す視図である。
【符号の説明】
31,41 スライダー部材 31a,41a 磁気記録媒体摺接面 31b,41b 底面 32,42 接合部 33,43,44 接合箇所 L1 ,L2 ,L3 デプス方向の接合長さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体摺接面に臨んで磁気ギャッ
    プが形成されるとともに脚部を有するフロントコアと、
    前記脚部に当接されフロントコアとともに閉磁路を構成
    するバックコアとからなる磁気ヘッド部と、 上記フロントコアをトラック幅方向から挟持するように
    してフロントコアに対して接合され、このフロントコア
    とともに磁気記録媒体摺接面を構成する一対のスライダ
    ー部材とを備えてなり、 上記フロントコアの脚部に一方のスライダー部材が接合
    され補強されてなる磁気ヘッド装置において、 上記スライダー部材はフロントコアに対して磁気記録媒
    体摺接面側の接合部と脚部側の接合部においてガラス接
    合され、 脚部側の接合部における磁気ギャップのデプス方向の接
    合長さの合計が、磁気記録媒体摺接面側の接合部におけ
    る磁気ギャップのデプス方向の接合長さの合計よりも小
    であることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 脚部側の接合部が1箇所以上の接合箇所
    からなり、各接合箇所における磁気ギャップのデプス方
    向の接合長さが0.2mm〜0.4mmであることを特
    徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
JP897194A 1994-01-31 1994-01-31 磁気ヘッド装置 Withdrawn JPH07220228A (ja)

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