JPH07220191A - 緊急通報システム - Google Patents

緊急通報システム

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JPH07220191A
JPH07220191A JP6012798A JP1279894A JPH07220191A JP H07220191 A JPH07220191 A JP H07220191A JP 6012798 A JP6012798 A JP 6012798A JP 1279894 A JP1279894 A JP 1279894A JP H07220191 A JPH07220191 A JP H07220191A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自車の事故検出時及び他車の事故発
見時に、車両から所定連絡先に事故情報が通報される緊
急通報システムに関し、同一事故に付いての重複した通
報を防止することを目的とする。 【構成】 所定連絡先に向けて他車から事故情報が通報
されているかを判別し(ステップ100)、通報があれ
ば事故位置と通報時刻とを記憶する(ステップ10
2)。自車に緊急通報すべき要求が発生したかを判別し
(ステップ104)、発生していればその起因となった
事故と記憶した事故の同一性を判断すべく両者の位置と
時刻を比較する(ステップ106,110)。距離、時
刻の何れかが離れている場合は別個の事故として新たに
事故情報を通報し(ステップ108)、何れも接近して
いる場合は通報せずに処理を終了する(ステップ11
2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緊急通報システムに係
り、特に自車の事故発生時、及び他車の事故発生発見時
に、車両から所定連絡先に、事故発生位置等の事故情報
が通報される緊急通報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】交通事故発生時における迅速な事後処理
を可能とするために、従来より、車両等の事故発生時
に、予め登録された連絡先に向けて緊急通報を行うシス
テムの検討が行われている。
【0003】かかる緊急通報システムとしては、例えば
特開平4−57198号公報に、個々の車両に電話、フ
ァクシミリ等の移動体通信装置を搭載し、これらと事故
発生時に作動するエアバッグ等とを連動させて、自車の
事故発生が検出された場合には、自動的に警察署等の所
定連絡先に緊急通報を行わしめるシステムが提案されて
いる。
【0004】また、近年では、事故に対する緊急通報の
確保をより確実ならしめる観点から、自車の事故発生に
ついての通報のみでなく、他車の事故を発見した際にも
緊急通報を可能とすべく、自車の事故発生が検出された
場合のみならず、運転者が所定の操作を行うことによっ
ても緊急通報を行い得るシステムが提案されている。
【0005】このようなシステムによれば、例えば事故
車両が緊急通報システムに対応した車両でない場合、又
はエアバッグ等の機器が作動しないモードの事故である
場合、更に緊急通報システムを構成する通信装置等をも
破壊される程の事故である場合等においても、その周囲
を走行中の車両から事故の発生が通報される場合があ
り、迅速な事後処理が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のシ
ステムの如く、車両から所定連絡先にむけてされる緊急
通報が、当該車両の事故発生時に加えて他車の事故発見
時にも行われるシステムにおいては、多数の車両が事故
発生現場に遭遇するような場合に、同一の事故について
多数の事故情報が連絡先に向けて別個に通報される事態
が生じ得る。
【0007】この場合、通報を受信する警察署等におい
ては、通報されてくる多数の事故情報が同一の事故に起
因するものであるか、異なる事故に起因するものか等の
判断をする必要がある。また緊急通報回線がこれら同一
の事故に起因する通報で占領された場合、他の事故に起
因する緊急通報の妨げともなる。
【0008】このように上記従来のシステムは、事故の
発生に対する緊急通報の確保を確実ならしめる観点では
優れているものの、その反面多数の車両が同一の事故現
場に遭遇するような場合には、却って迅速な対応を妨げ
る可能性があるという問題を有するものであった。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、自車の事故発生時に加え他車の事故発見時にも
緊急通報を行い得る機能と、同一の事故に起因する事故
情報が既に所定連絡先に通報されている場合には緊急通
報を禁止する機能とを併せて実現することにより、上記
の課題を解決する緊急通報システムを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する緊急通報システムの原理構成図を示す。すなわち
上記の目的は、図1(A)に示すように、予め登録され
た連絡先に事故情報を通報する通報手段M2を備え、自
車の事故を検出した際、及び所定の操作がなされた際
に、所定の事故情報を通報すべく車両に搭載された事故
情報通報装置M1と、通報された事故情報を受信する通
報受信手段M7を備え、不特定の前記事故情報通報装置
から通報される事故情報を適宜受信すべく前記連絡先に
設置された事故情報受信装置M6とからなる緊急通報シ
ステムであって、前記事故情報通報装置M1は、他車が
通報した事故情報を受信して記憶する他車通報受信手段
M3と、事故情報を通報すべき要求が自車に生じたこと
を検出する自車要求検出手段M4と、該自車要求検出手
段M4によって事故情報を通報すべき要求の発生が検出
された際に、当該要求の起因となった事故に関する事故
情報が、前記他車通報受信手段M3によって既に受信さ
れている場合には、前記連絡先への通報を禁止する通報
許否判定手段M5とを備える緊急通報システムにより達
成される。
【0011】また、上記の目的は、同図(B)に示すよ
うに、予め登録された連絡先に事故情報を通報する通報
手段M2を備え、自車の事故を検出した際、及び所定の
操作がなされた際に、所定の事故情報を通報すべく車両
に搭載された事故情報通報装置M1と、通報された事故
情報を受信する通報受信手段M7を備え、不特定の前記
事故情報通報装置から通報される事故情報を適宜受信す
べく前記連絡先に設置された事故情報受信装置M6とか
らなる緊急通報システムであって、前記事故情報受信装
置M6は、前記通報受信手段M7が受信した事故情報を
記憶する通報情報記憶手段M8と、前記通報受信手段M
7が事故情報を受信した際に、当該事故情報の起因とな
った事故と、既に前記通報情報記憶手段M8に記憶され
ている事故情報の起因となった事故との同一性を判定す
る同一性判定手段M9と、該同一性判定手段M9によっ
て同一性を有することが判定された場合には、前記通報
受信手段M7に対して、受信済の回答後受信を終了する
旨の指示を行う回線カット指示手段M10とを備える緊
急通報システムによっても達成される。
【0012】
【作用】本発明に係る緊急通報システムにおいて、図1
(A)に示す事故条項通報装置M1は、前記通報許否判
定手段M5によって通報が許容された場合にのみ前記通
報手段M2によって所定の事故情報を、前記事故情報受
信装置M6に向けて通報する。
【0013】また、前記他車通報受信手段M3は、他車
から前記事故情報受信装置M6に向けて通報される事故
情報を受信して、自車と無関係に発生している事故に関
する情報を記憶する。そして、前記通報許否判定手段M
5は、前記自車要求検出手段M4が通報要求の発生を検
出した場合に、当該要求の起因となった事故が、既に前
記他車通報受信手段M3に記憶されている事故情報の起
因となった事故と同一性を有しない場合にのみ通報を許
容する。
【0014】従って、自車が事故に遭遇するに先立っ
て、当該事故についての通報が既に他車によりなされて
いる場合には、前記事故情報受信装置M6に対して、改
めて同一事故についての事故情報が通報されることはな
い。
【0015】また、図1(B)に示す緊急通報システム
において前記事故情報受信装置M6は、車両に搭載され
る前記事故情報通報装置M1から個々に通報される事故
情報を通報受信手段M7によって個々に受信する。この
際、前記通報情報記憶手段M8には、以前に受信された
事故情報が記憶されている。
【0016】前記同一性判定手段M9は、前記通報受信
手段M7が事故情報の受信を開始すると、通報中の事故
情報と前記通報情報記憶手段M8に記憶されている情報
とを比較することにより先ず事故の同一性について判定
する。
【0017】そして、通報中の事故情報の起因となった
事故と、既に受信済の事故情報の起因となった事故との
同一性が判定された場合は、前記回線カット指示手段M
10により回線カットの指示がなされ、その時点で強制
的に通報が終了される。
【0018】
【実施例】図2は、本発明に係る緊急通報システムの概
念図を示す。同図において車両2,4は、走行中に追突
事故を起こした事故車両である。車両4は、前記した事
故情報通報装置M1に相当する装置(以下、単に事故情
報通報装置と称す)を搭載しており、所定の場合には車
載アンテナ6を介して事故情報の通信を行う。
【0019】また、図2中地上アンテナ8は、車両4か
ら送信される事故情報を受信すべくインフラストラクチ
ャとして設置されたアンテナである。本実施例において
は、緊急通報を電話やファクシミリ等の移動体通信機器
を用いて行うことを想定しており、従って、これら移動
体通信機器についての中継用アンテナが地上アンテナ8
に相当する。
【0020】地上アンテナ8は、交通事故についての緊
急通報の連絡先として予め登録された所定連絡先、例え
ば警察署等に設置された前記事故情報受信装置M6に相
当する装置(以下、単に事故情報受信装置と称す)10
に接続されている。そして、地上アンテナ8が事故情報
を受信した場合、その情報が事故情報受信装置10に送
信されるように構成されている。
【0021】図3は、事故情報通信装置20の全体構成
を表すブロック構成図を示す。同図に示すように、事故
情報通信装置20は、事故通報コンピュータ22を主体
として構成される。
【0022】事故通報コンピュータ22は、それぞれ運
転者に関する情報、及び他車によって通報された事故情
報中事故位置と発生時刻とを記憶する領域22a,22
bを有するメモリ22を備えている。
【0023】また、事故通報コンピュータ22車両に生
ずる加速度を検出する加速度センサ24、運転者により
操作される事故通報スイッチ26、及び自車の現在位置
を検出する現在地センサ28が接続され、これらより必
要な情報の供給を受けている。
【0024】この場合において、加速度センサ24は、
例えば事故発生時に作動するエアバッグ等の作動判定装
置として公知である事故検出装置を構成し、衝突時に発
生する異常な加速度を検出する。事故通報スイッチ26
は、オン・オフの切替えスイッチであり、その状態は随
時事故通報コンピュータ22によって監視されている。
【0025】また、現在地センサ28は、人工衛星を用
いた自己位置標定システムとして公知であるGPS等を
用いたナビゲーション装置によって実現される。ここ
で、現在地センサ28から事故通報コンピュータ22へ
は、現在地センサ28が記憶する地図データ上に自車の
現在位置を特定するのに必要なデータが供給される。
【0026】これらの入力装置の他、事故通報コンピュ
ータ22には、上記の車載アンテナ6に接続される通信
機30が接続されている。この通信機30は、電話又は
ファクシミリ等の移動体通信機器からなる装置であり、
移動体電話の回線を用いて外部の通信機器、及び他車に
搭載される移動体通信機器と通話することが可能であ
る。
【0027】以下、図4〜図6を参照して、本実施例の
緊急通報システムの動作について説明する。
【0028】図4は、本実施例の緊急通報システムの特
徴的動作を実現すべく事故通報コンピュータ22が実行
する処理内容のフローチャートを示す。同図に示すルー
チンにおいては、先ずステップ100において、他車か
ら事故情報受信装置10に向けてされる緊急通報が存在
するかを判別する処理を行う。
【0029】すなわち、本実施例の緊急通報システムに
おいては、車両から事故情報受信装置10へ緊急通報を
行う場合、事故情報受信装置10の電話番号として予め
登録した番号を呼び出す必要があることから、事故情報
が通報される場合、その通報が開始されるに先立って、
車載の通信機から必ず所定の電話番号に相当する電磁波
が発せられる。
【0030】従って、走行中に自車の周辺にかかる電磁
波が存在するかを監視することにより、他車からの緊急
通信の有無を判断することが可能であり、本実施例の事
故通報コンピュータ22は、かかる手法により上記ステ
ップ100の判別を行っている。
【0031】このようにして、他車からの緊急通報の有
無を判断した結果、緊急通報がなされていると判別され
た場合は、ステップ102へ進んで事故情報の傍受、及
び記憶を行う。以後、自車の緊急通報の要求が生じた際
に、その要求の起因となった事故が、他車からなされた
事故情報の起因となった事故と同一のものであるかを判
断するためである。
【0032】ここで、本実施例の緊急通報システムにお
いては、事故情報受信装置10へ通報する事故情報に
は、通報者、すなわち事故の当事者又は事故の発見者に
関する情報、事故の発生位置(以下、事故位置と称す)
に関する情報、及び通報を行った時刻(以下、通報時刻
と称す)に関する情報を含めることとしている。これら
の情報は、以後の迅速な事後処理を行うために特に必要
な情報だからである。尚、事故の当事者に関する情報に
は、住所・氏名等の他、血液型等の情報も含まれる。
【0033】ところで、これらの情報のうち、事故位置
と通報時刻とが判明すれば、複数の緊急通報がなされた
場合にも、個々の事故情報の起因となった事故の同一性
を判断することができる。同時期に通報されたものであ
ってもその事故位置が大きく異なっている場合、又は事
故位置は近接しているが通報時刻が大幅に異なっている
場合は、それらは別個の事故と判断すべきであり、一
方、事故位置、通報時刻共に近接していれば、それらは
同一の事故に起因するものと判断すべきだからである。
【0034】このため、本実施例においては、上記ステ
ップ102の処理が実行される場合、同ステップでは、
他車から通報される事故情報のうち事故位置と通報時刻
とを記憶する事としている。尚、これらの情報は、通信
機30によって傍受され、事故通報コンピュータ22の
メモリ22に記憶される。この意味で、これらは前記し
た他車通報受信手段M3に相当することになる。
【0035】上記の処理の実行を終えたら、または上記
ステップ100において他車からの通報が判別されなか
った場合はその判別を終えたら、次にステップ104へ
進んで自車に緊急通報の要求が発生しているかを判別す
る。本実施例は、同一事故に起因する事故情報の重複通
報を排除することを目的としているため、そもそも自車
に緊急通報すべき要求が発生していない場合には、何ら
の調整も施す必要がないからである。
【0036】従って、本ステップにおいて要求未発生と
判別される場合は、以後要求発生が判別されるまで上記
ステップ100以降の処理を繰り返し実行する。尚、本
実施例においては、加速度センサ24が衝突時にのみ発
生するような異常な加速度を検出した場合、及び車両の
運転者が他車の事故を発見して事故通報スイッチ26を
オンとした場合に上記要求が発生したと判断する。この
意味で、これら加速度センサ24、及び事故通報スイッ
チ26は、前記した自車要求検出手段M4に相当してい
る。
【0037】上記ステップ104において要求発生が判
別された場合は、後述するステップ110と共に前記し
た通報許否判定手段M5を構成するステップ106へ進
み、自車4の現在地とメモリ22内に記憶されている事
故位置との距離が500m以上であるかの判別を行う。
ここで、過去において他車によってなされた緊急通報を
1度も傍受していない場合は、メモリ22内に何ら事故
位置に関するデータが記憶されていない事態を生ずる
が、この場合は自車周辺で事故が発生していないという
意味で、上記距離は500m以上であると判別される。
【0038】上記したように、自車に通報要求が生じた
位置が他車によってなされた事故情報の起因となった事
故位置から大きく離れている場合は、今回の要求の起因
となった事故は既に通報された事故とは異なる事故であ
ると判断することができる。ここで、上記ステップ10
6における500mは、その同一性の判定に用いる判定
距離として設定した距離であるが、現在地とメモリ22
に記憶されている事故位置との距離が500m以上であ
る場合には、両事故を異なるものとして把握すべきであ
る。
【0039】このため、上記ステップ106においてか
かる判定がなされた場合には、以後ステップ108へ進
んで自車に発生した通報要求に従って、現在地、通報時
刻等の事故情報の通報を実施して今回の処理を終了す
る。尚、この場合、事故情報の通報は通信機30によっ
てなされる。この意味で、通信機30は前記した通信手
段M2にも相当することになる。
【0040】一方、現在地とメモリ22内の事故位置と
の距離が500mに満たないと判別された場合は、同一
事故の可能性があるため、ステップ110へ進んで現在
時刻とメモリ22内に記憶されている通報時刻との差が
15分以上であるかを判別する。この15分は、同一性
の判断の基準として設定した値であり、他車からの緊急
通報後15分を越えて自車に通報要求が生じた場合に
は、両者の起因となった事故を異なる事故として扱うこ
ととしたものである。
【0041】従って、上記ステップ110において現在
時刻とメモリ22内の通報時刻とが15分以上離れてい
る場合には、自車の通報要求に従って緊急通報を行うべ
く上記ステップ108を実行して今回の処理を終了す
る。
【0042】一方、15分に満たないと判別された場合
は、事故位置も通報時刻も近接しており、両緊急通報の
起因となった事故は同一の事故であると判断すべきであ
る。このため、かかる判別がなされた場合は、ステップ
112へ進み、通報不実施の表示を行って事故情報受信
装置10への通報を行わないで今回の処理を終了するこ
ととした。
【0043】車両に搭載される事故情報通信装置20そ
れぞれが、上記の処理を行う場合、事故の当事者が緊急
通報を行い得ないような状況における他車からのバック
アップを確保しつつ、必要な事故情報がなされた後に、
同一の事故に起因する同一の事故情報が重複して事故情
報受信装置10に向けて通報されることを防止すること
ができる。
【0044】このため、緊急通報を受けた所定連絡先に
おいて、不要な通報に対する対処を強いられることがな
く、迅速な事後処理を図ることができると共に、同時期
に発生した他の事故に起因する緊急通報が、不要な通報
によって妨害されることがなく、緊急通報システムに要
求される機能を有効に果たすことが可能となる。
【0045】ところで、上述した実施例は、緊急通報シ
ステムを構成すべく車両側に搭載される事故情報通報装
置20側の対処によって重複した緊急通報を排除する構
成であるが、これにより所望の機能を確保するために
は、かかる構成の事故情報通報装置20を広く普及させ
る必要があり、その実現は必ずしも容易ではない。
【0046】図5は、かかる点を考慮し、所定連絡先側
で必要な手当てを施して上記実施例と同様の効果を享受
すべく事故情報受信装置10が実行する処理のフローチ
ャートを示す。
【0047】すなわち、同図に示す処理が起動すると、
先ずステップ200において不特定の車両から事故情報
が通報されるのを待ち、事故情報の通報が検出されたら
ステップ202へ進む。
【0048】尚、事故情報受信装置10は、電話回線に
接続された通信機を内蔵しており、上記ステップ200
においては、この通信機を通話状態とする処理をも併せ
て行う。この意味で、上記ステップ200は、本実施例
において前記した通報受信手段M7の一部に相当するこ
とになる。
【0049】ステップ202は、本実施例において後述
するステップ204と共に前記した同一性判定手段M9
を構成するステップであり、過去において受信済の事故
情報と、今回新たに受信した事故情報とを比較し、両者
の事故位置が500m以下であるかを判別するステップ
である。
【0050】ここで、両者の距離が500m以下である
と判別された場合は、今回通報を受けた事故情報は既に
受信した事故情報と同一の事故に起因する可能性があ
り、この場合は更に現在時刻とメモリ内に記憶されてい
る通報時刻との差が15分以内であるかを判別すべくス
テップ204を実行する。
【0051】そして、これらの処理を行った結果、今回
の事故情報が既に受信されている事故情報とは異なる事
故に起因していると判断できる場合、すなわち上記ステ
ップ202において事故位置の距離が500m以上であ
ると判別されるか、上記ステップ204において通報時
刻の差が15分を越えていると判別される場合に限り、
ステップ206へ進んで事故情報を受信し、及び表示
し、更にステップ208へ進んで事故位置と通報時刻と
を記憶する処理を行う。
【0052】一方、上記ステップ202、204におい
て、何れも事故の同一性が認められた場合は、ステップ
210へ進み、事故情報を最後まで受信することなく既
に受信済である旨を回答し、かつ緊急通報の回線をカッ
トする処理を行い、その後上記ステップ200以後の処
理を繰り返す。
【0053】尚、本実施例においては、上記ステップ2
08が前記した通報情報記憶手段M8を実現し、また上
記ステップ210が前記した回線カット指示手段M10
を実現している。
【0054】事故情報受信装置10がかかる処理を行う
場合、不特定の車両から、同時期に、同一の事故に起因
する緊急通報が行われた場合、最初に受けた緊急通報に
ついては全ての事故情報を受信し終えるまで通話状態が
維持されるが、以後順次なされる緊急通報については、
その事故情報が既に受信した事故情報と同一である限り
新たな情報として事故情報受信装置10において記憶さ
れ、また表示されることがなく、所定連絡先において不
要な事故情報に対する対応を強いられることがない。
【0055】また、不要な緊急通報については、事故情
報受信装置10との間で長期間通話状態が持続されるこ
とがなく、従って多数の緊急通報が一時期に集中して
も、短期間で正常状態に復帰することができ、同時期に
発生した他の事故に起因してなされる緊急通報が妨害さ
れることがない。
【0056】このように、所定連絡先に設置される事故
情報受信装置10が上記の処理を行う場合には、不特定
の車両に搭載される事故情報通報装置から、重複した事
故情報の通報がなされる場合においても、緊急通用シス
テムに要求される性能を最大限有効に発揮し得る状況を
維持することができる。
【0057】ところで、本実施例に示す如き緊急通報シ
ステムにおいては、緊急時になされる通報を速やかに受
信するため、不要な通報でその回線を占領すべきでない
ことは前記した通りである。従って、有効な事故情報の
通報であっても、その情報の通報後は速やかに回線を空
け渡すべく通話状態を終了する必要がある。
【0058】一方、事故情報が通報され、その事故に対
して迅速かつ適切な事後処理を施すためには、所定連絡
先において更に詳細な事故情報を得たい場合があり、こ
のような状況において、事故情報の通報者に再度連絡を
取ることができれば極めて便利である。
【0059】図6は、かかる機能を満たすべく事故情報
受信装置10が実行する処理の内容を示すフローチャー
トである。すなわち、図6(A)は、事故情報の通報受
信と共に起動する処理であり、起動後先ずステップ30
0において通話元の電話番号を記憶する。次いでステッ
プ302において事故情報を表示する処理を行って処理
を終了する。
【0060】また、図6(B)は、事後的に事故情報の
通報者に連絡を取るために成される処理であり、事故情
報受信装置10が備える折り返し通信用スイッチがオン
とされることにより起動する。
【0061】そして、ステップ304において、上記ス
テップ300で記憶した通話元電話番号を読みだす処理
を行い、ステップ306で当該電話番号を呼出し、ステ
ップ308において通話が確認されることを条件に処理
を終了する。
【0062】事故情報受信装置10が上記の処理を行う
場合、コンピュータ情報受信装置10のオペレータが必
要に応じて折り返し通信用スイッチを操作するだけで確
実に事故情報の通報者にコンタクトをとることができ、
実用上極めて有用な機能を実現することができる。
【0063】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、自車が事故に遭遇し、前記連絡先に向けて緊急通報
すべきとの要求が生じた場合においても、当該事故に関
する事故情報が、既に他車によって所定連絡先に通報さ
れている場合には、その通報が行われることがない。
【0064】このため、従来の緊急通報システムの如く
所定連絡先に設置される事故情報受信装置に、同一の事
故に関する事故情報が多数通報されることがなく、不要
な事故情報に対する対応を強いられることがなく、迅速
に事後処理を遂行することが可能となる。
【0065】請求項2記載の発明によれば、既に受信済
の情報と同一の事故情報が通報された場合、受信の開始
後、事故情報の同一性が判断された時点で受信が終了さ
れる。
【0066】このため、同一の事故情報に関する緊急通
報が多数の車両からなされた場合、最初の通報について
は詳細な事故情報の受信を行うが、以後の通報について
は早期に受信が終了され、所定連絡先において不要な事
故情報に対する対応を強いられることがない。
【0067】また、緊急通報の回線が同一の事故情報で
占領されないため、当該事故情報の起因である事故に対
して迅速な事後処理が図れると共に、同時期に他の事故
が発生した場合においても、即座にその事故についての
緊急通報を受信することができ、同様に迅速な事後処理
を図ることができる。
【0068】更に、本発明に係る緊急通報システムは、
所定連絡先に設置する事故情報受信装置について新たな
機能を付加するのみで実現することができるため、上記
請求項1記載の発明に比べて実現が容易であるという特
長をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緊急通報システムの原理構成図で
ある。
【図2】本発明の一実施例である緊急通報システムの概
念図である。
【図3】本実施例の緊急通報システムのブロック構成図
である。
【図4】本実施例の事故情報通報装置が実行する処理の
フローチャートである。
【図5】本実施例の事故情報受信装置が実行する処理の
フローチャートである。
【図6】本実施例の事故情報受信装置が実行する別の処
理のフローチャートである。
【符号の説明】
M1,20 事故情報通報装置 M2 通報手段 M3 他車通報受信手段 M4 自車要求検出手段 M5 通報許否判定手段 M6,10 事故情報受信装置 M7 通報受信手段 M8 通報情報記憶手段 M9 同一性判定手段 M10 回線カット指示手段 4 車両 22 事故通報コンピュータ 24 加速度センサ 26 事故通報スイッチ 28 現在地センサ 30 通信機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め登録された連絡先に事故情報を通報
    する通報手段を備え、自車の事故を検出した際、及び所
    定の操作がなされた際に、所定の事故情報を通報すべく
    車両に搭載された事故情報通報装置と、通報された事故
    情報を受信する通報受信手段を備え、不特定の前記事故
    情報通報装置から通報される事故情報を適宜受信すべく
    前記連絡先に設置された事故情報受信装置とからなる緊
    急通報システムであって、 前記事故情報通報装置は、他車が通報した事故情報を受
    信して記憶する他車通報受信手段と、 事故情報を通報すべき要求が自車に生じたことを検出す
    る自車要求検出手段と、 該自車要求検出手段によって事故情報を通報すべき要求
    の発生が検出された際に、当該要求の起因となった事故
    に関する事故情報が、前記他車通報受信手段によって既
    に受信されている場合には、前記連絡先への通報を禁止
    する通報許否判定手段とを備えることを特徴とする緊急
    通報システム。
  2. 【請求項2】 予め登録された連絡先に事故情報を通報
    する通報手段を備え、自車の事故を検出した際、及び所
    定の操作がなされた際に、所定の事故情報を通報すべく
    車両に搭載された事故情報通報装置と、 通報された事故情報を受信する通報受信手段を備え、不
    特定の前記事故情報通報装置から通報される事故情報を
    適宜受信すべく前記連絡先に設置された事故情報受信装
    置とからなる緊急通報システムであって、 前記事故情報受信装置は、前記通報受信手段が受信した
    事故情報を記憶する通報情報記憶手段と、 前記通報受信手段が事故情報を受信した際に、当該事故
    情報の起因となった事故と、既に前記通報情報記憶手段
    に記憶されている事故情報の起因となった事故との同一
    性を判定する同一性判定手段と、 該同一性判定手段によって同一性を有することが判定さ
    れた場合には、前記通報受信手段に対して、受信済の回
    答後受信を終了する旨の指示を行う回線カット指示手段
    M10とを備えることを特徴とする緊急通報システム。
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