JP2021033574A - 通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システム - Google Patents

通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システム Download PDF

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達也 西井
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Abstract

【課題】素早い事故対応を可能とする通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システムを提供する。【解決手段】通報処理装置は、事故に関する通報を受信する受信部と、受信部で受信した通報の優先度を決定する優先度決定部と、受信部で受信した通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する同一事故判定部と、同一事故判定部で同一の事故に関すると判定された複数の通報から、通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する通報選定部とを有する。【選択図】図9

Description

本発明は、通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システムに関する。
近年、事故等が発生した場合に、エアバック展開等に連動して予め登録された外部の事故対応センターへ緊急通報を送信する車載通信装置を備えた車両が普及しつつある。事故対応センターに設置されたサーバは、車両から緊急通報を受信すると、事故対応センターに待機するオペレーターの通話端末を車両の車載通信装置に接続し、オペレーターが車両の乗員と通話して事故対応することを可能とする。
例えば、特許文献1には、事故認識手段による衝突の認識をトリガとして、自車両の現在の位置情報を、通信手段を介して外部の通報センターへ通報する事故通報装置が記載されている。
特開2010−286884号公報
しかし、同一の事故に対して複数の車両から通報が送信されると、事故対応センターのオペレーターは、同一の事故に対して複数の通報に対応する必要があり、優先度の高い通報への対応が遅れてしまうことがある。特に、更に他の事故が発生すると、オペレーターは他の事故に対応できなくなってしまう。
そこで、本発明は、素早い事故対応を可能とする通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システムを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る通報処理装置は、事故に関する通報を受信する受信部と、受信部で受信した通報の優先度を決定する優先度決定部と、受信部で受信した通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する同一事故判定部と、同一事故判定部で同一の事故に関すると判定された複数の通報から、通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する通報選定部とを有することを特徴とする。これにより、素早い事故対応を可能とする通報処理装置が提供される。
上記の通報処理装置において、通報選定部は、同一の事故に関する複数の通報のうち、最も優先度が高い通報を、事故対応対象の通報として選定することが好ましい。これにより、オペレーターは、同一の事故において最も優先度の高い通報だけに対応すればよいため、素早い事故対応が可能となる。
上記の通報処理装置において、優先度決定部は、事故の発生に連動して車両から自動で送信された通報を、事故車両から送信された通報と判定して、優先度を最も高く決定することが好ましい。これにより、オペレーターは、事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性の高い事故車両を、優先して対応することができる。
上記の通報処理装置において、優先度決定部は、車両の乗員の操作により手動で送信された通報を、事故車両以外から送信された通報と判定し、自動で送信された通報より優先度を低く決定することが好ましい。これにより、オペレーターは、事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性の高い車両を、優先して対応することができる。
上記の通報処理装置において、優先度決定部は、停止している車両から送信された通報の優先度を、移動している車両から送信された通報の優先度より高く決定することが好ましい。これにより、オペレーターは、事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性の高い車両を、優先して対応することができる。
上記通報処理装置において、受信部は、車両の位置情報を受信し、同一事故判定部は、事故車両と判定された車両から所定半径内に存在する車両から受信した通報を、事故車両と同一の事故に関する通報であると判定するとともに、事故車両と判定された車両から所定半径内に存在しない又は事故車両との距離が不明である車両から受信した通報であって、互いの車間距離が所定距離未満である複数の車両から受信した通報を、同一の事故に関する通報であると判定することが好ましい。これにより、同一の事故に関する通報であるか否かが簡素な方法で速く判定される。
本発明の一実施形態に係る通報処理方法は、プロセッサを有し、プロセッサは、車両から受信した事故に関する通報の優先度を決定し、通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定し、同一の事故に関すると判定された複数の通報から、通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定することを特徴とする。これにより、素早い事故対応を可能とする通報処理方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る事故対応システムは、ネットワークを介して相互に通信可能に構成された車載通信装置と通報処理装置とを備える事故対応システムであって、車載通信装置は、事故に関する通報を通報処理装置へ送信し、通報処理装置は、車載通信装置から通報を受信し、通報の優先度を決定し、通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定し、同一の事故に関すると判定された複数の通報から、通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定することを特徴とする。これにより、素早い事故対応を可能とする事故対応システムが提供される。
一実施形態に係る事故対応システム1の構成の一例を示した図である。 車両2に搭載された車載通信装置20のハードウェア構成を、車両2の他の車載装置とともに示したブロック図である。 車載通信装置20のメモリ210及びプロセッサ220の構成の一例を示したブロック図である。 事故対応センターに設置されたサーバ30のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。 サーバ30のメモリ310及びプロセッサ320の構成の一例を示したブロック図である。 事故発生時における車載通信装置20とサーバ30との間の通信の一例を示したシーケンス図である。 サーバ30における優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の一例を示した図である。 サーバ30における優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の他の例を示した図である。 サーバ30のプロセッサ320において実行される優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、各図において同一、又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
図1は、一実施形態に係る事故対応システム1の構成の一例を示した図である。事故対応システム1は、車両2に搭載された車載通信装置20と、オペレーター31が待機する事故対応センターに設置されたサーバ30を備える。車載通信装置20とサーバ30は、ネットワーク40を介して相互に通信可能に構成される。ネットワーク40としては、例えば、電話通信網、インターネット通信網、ITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)用の通信網等、又はこれらの通信網を組み合わせたものが用いられる。図1中の上方向を向いた2台の車両2のうち、前方の車両2は事故を起こして停止しており、後方の車両2は事故車両の周辺に停止している。
車載通信装置20は、事故等が発生した場合に、事故に関する通報を、ネットワーク40に接続された無線基地局41を介してサーバ30へ送信する。車載通信装置20が送信する通報の種類には、事故の発生に連動して車両2から自動で送信される自動通報と、車両2の乗員の操作により手動で送信される手動通報がある。
サーバ30は、通報処理装置の一例であり、車載通信装置20から事故に関する通報を受信すると、受信した通報の優先度を決定するとともに、受信した複数の通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する。そして、サーバ30は、同一の事故に関する複数の通報のうち最も優先度が高い通報を、オペレーター31による事故対応対象の通報として選定し、選定した通報を送信した車載通信装置20を、オペレーター31の通話端末32に接続する。なお、オペレーター31との通話回線は、1つであってもよいし、図1に示すように複数であってもよい。
これにより、オペレーター31は、同一の事故に対して複数の車両2から通報が送信された場合でも、同一の事故において優先度の高い通報から順に対応すればよいため、素早い事故対応が可能となる。また、オペレーター31は、他に発生した事故に対応することも可能となる。
図2は、車両2に搭載された車載通信装置20のハードウェア構成を、車両2の他の車載装置とともに示したブロック図である。車両2は、車内ネットワークを介して相互に接続された、車載通信装置20、測位センサ21、エアバック22、車内カメラ23、車外カメラ24、通話装置25、及び操作装置26等を有する。車内ネットワークは、例えば、CAN(Controller Area Network)規格に準拠した通信ネットワークとされる。
車載通信装置20は、例えば、図1に示したように無線基地局41を介してネットワーク40に接続され、サーバ30と通信可能に構成される。また、車載通信装置20は、事故対応センターに待機するオペレーター31の通話端末32とネットワーク40を介して接続されて、車両2の乗員がオペレーター31と通話することを可能とする。車載通信装置20は、例えば、TCU(Telematics Communication Unit)等とされる。
車載通信装置20は、メモリ210、プロセッサ220、車外通信I/F(インターフェース)230、及び車内通信I/F240を有する。車載通信装置20には、後述する他の車載装置が有する機能の全部又は一部が統合されてもよい。
メモリ210は、HDD(Hard Disk Drive)、光記録媒体、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ、又はこれらを組み合わせた記憶媒体を有する。メモリ210は、車載通信装置20の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等を記憶する。例えば、メモリ210は、サーバ30のIPアドレス(Internet Protocol Address)等の情報を記憶する。コンピュータプログラムは、公知のセットアッププログラム等により、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体又は通信回線を介して、メモリ210に記憶されてもよい。
プロセッサ220は、一以上の演算回路及びその周辺回路を有し、メモリ210に記憶されたコンピュータプログラムを実行する。プロセッサ220は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されてもよい。
車外通信I/F230は、プロセッサ220を、無線基地局41等を介してネットワーク40に接続するための通信I/F回路を有し、車載通信装置20がサーバ30と通信とすることを可能とする。車外通信I/F230は、無線基地局41と無線通信するための無線アンテナ等を有する。
車内通信I/F240は、プロセッサ220を、車内ネットワークに接続するための通信I/F回路を有し、車載通信装置20が車両2の他の車載装置と通信することを可能とする。車内ネットワーク用の通信プロトコルとしては、例えば、CAN規格に準拠した通信プロトコルが用いられる。
測位センサ21は、車両2の現在地を示す位置情報を取得して車載通信装置20に出力する。測位センサ21としては、車両2に設置されたカーナビゲーションシステムのGPS(Global Positioning System)、又はGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機等が用いられる。
エアバック22は、衝突等により車両2に生じた衝撃を検知すると、車両2のハンドル、ダッシュボード、ドアなどに組み込まれた緩衝用袋を展開して車両2の乗員を保護する。この時、エアバック22が展開されたことを示す信号が、エアバック22から車載通信装置20に出力され、この出力信号に連動して、車載通信装置20によりサーバ30へ自動通報が送信される。
車内カメラ23は、車内の人又は物を撮影し、撮影した画像又は映像を車載通信装置20に出力する。車内カメラ23により撮影された画像又は映像は、例えば、車内の様子をオペレーター31に伝えるために、車載通信装置20からサーバ30へ送信される。車内カメラ23は車内に複数設置されてもよい。車内カメラ23は、車内の人及び物が明瞭に撮影されるように、例えば、車両2の前方の天井等に設置される。
車外カメラ24は、車外の人又は物を撮影し、撮影した画像又は映像を車載通信装置20に出力する。車外カメラ24により撮影された画像又は映像は、例えば、車外の様子をオペレーター31に伝えるために、車載通信装置20からサーバ30へ送信される。車外カメラ24は車内又は車外に複数設置されてもよい。車外カメラ24は、車外の人及び物が明瞭に撮影されるように、例えば、車両2のフロントガラスの周辺に車両2の前方に向けて設置される。
通話装置25は、車両2の乗員が、事故対応センターに待機するオペレーター31と通話するために用いられるスピーカ、マイクロフォン等を有する。車載通信装置20は、オペレーター31の通話端末32と通話回線が接続されている間、サーバ30から受信したオペレーター31の音声を通話装置25により再生するとともに、通話装置25により信号化された車両2の乗員の音声をサーバ30へ送信する。
操作装置26は、車両2の乗員が手動で事故に関する通報をサーバ30へ送信するときに操作される。操作装置26としては、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、操作ボタン等が用いられる。車両2の乗員が操作装置26を操作すると、操作装置26が操作されたことを示す信号が、操作装置26から車載通信装置20に出力され、車載通信装置20によりサーバ30へ手動通報が送信される。
図3は、車載通信装置20のメモリ210及びプロセッサ220の構成の一例を示したブロック図である。メモリ210は、送信プログラム211を、ソフトウェアモジュール又はファームウェア等として記憶する。プロセッサ220は、メモリ210に記憶された各プログラムを読み出して実行し、送信部221として機能する。
図4は、事故対応センターに設置されたサーバ30のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。サーバ30は、メモリ310、プロセッサ320、及び通信I/F330を有する。
メモリ310は、HDD(Hard Disk Drive)、光記録媒体、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ、又はこれらを組み合わせた記憶媒体を有する。メモリ310は、サーバ30の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等を記憶する。例えば、メモリ310は、車載通信装置20から受信した車両2の識別情報、及び車両2の位置情報等の情報を記憶する。コンピュータプログラムは、公知のセットアッププログラム等により、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体又は通信回線を介して、メモリ310に記憶されてもよい。
プロセッサ320は、一以上の演算回路及びその周辺回路を有し、メモリ310に記憶されたコンピュータプログラムを実行する。プロセッサ320は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されてもよい。
通信I/F330は、受信部の一例であり、プロセッサ320を、ゲートウェイ等を介してネットワーク40に接続するための通信I/F回路を有し、サーバ30が車両2の車載通信装置20と通信とすることを可能とする。
図5は、サーバ30のメモリ310及びプロセッサ320の構成の一例を示したブロック図である。メモリ310は、優先度決定プログラム311、同一事故判定プログラム312、及び通報選定プログラム313を、ソフトウェアモジュール又はファームウェア等として記憶する。プロセッサ320は、メモリ310に記憶された各プログラムを読み出して実行し、優先度決定部321、同一事故判定部322、及び通報選定部323として機能する。
図6は、事故発生時における車載通信装置20とサーバ30との間の通信の一例を示したシーケンス図である。図6に示す2つの車載通信装置20のうち、一方は、図1に示した事故車両に搭載された車載通信装置20であり、他方は、図1に示した事故車両の後方の停止車両に搭載された車載通信装置20である。つまり、どちらの車載通信装置20も、同一の事故に対して通報を行った時のシーケンスである。このシーケンス図において、車載通信装置20とサーバ30との間の通信は、ネットワーク40を介して行われる。
事故等が発生すると(ステップS101)、事故車両に搭載された車載通信装置20の送信部221は、例えば、車両2のエアバック22の展開に連動して、事故が発生したことを示す自動通報R1を、車外通信I/F230を介してサーバ30へ送信する(ステップS102)。この時、送信部221は、自車両の識別情報、位置情報、及び通報が自動で送信された通報であることなどを示す情報をサーバ30へ併せて送信する。車両2の識別情報は、例えば、車載通信装置20に付与されたシリアル番号とされる。また、車両2の位置情報は、例えば、車両2の現在地の経度と緯度の組み合わせにより指定される。
サーバ30の優先度決定部321は、通信I/F330を介して自動通報R1を受信すると、事故車両から送信された通報である可能性が高いと判定し、自動通報R1の優先度を「高」に決定する(ステップS103)。
他方、事故車両以外の車両2の乗員が事故を目撃すると(ステップS104)、送信部221は、車両2の乗員による操作装置26の操作により、事故が発生したことを示す手動通報R2を、車外通信I/F230を介してサーバ30へ送信する(ステップS105)。この時、送信部221は、自車両の識別情報、位置情報、及び通報が手動で送信された通報であることなどを示す情報をサーバ30へ併せて送信する。
サーバ30の優先度決定部321は、通信I/F330を介して手動通報R2を受信すると、事故車両以外から送信された通報である可能性が高いと判定し、手動通報R2の優先度を「中」又は「低」に決定する(ステップS106)。
次に、サーバ30の同一事故判定部322は、受信した複数の通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する(ステップS107)。そのために、同一事故判定部322は、サーバ30が受けた複数の通報がそれぞれ同一か否かを判定する。また、同一事故判定部322は、受けた複数の通報を、事故ごとに分類してもよい。この同一事故の判定方法については、後で図7及び図8を参照しながら説明する。
次に、サーバ30の通報選定部323は、同一の事故に関する複数の通報のうち最も優先度が高い通報を、オペレーター31による事故対応対象の通報として選定する(ステップS108)。例えば、衝突した2台の事故車両がともに自動通報を送信したような場合には、優先度が「高」である2台の事故車両から送信された自動通報がともに事故対応対象として選定される。或いは、衝突した2台の事故車両がいずれも車載通信装置20を搭載していないような場合には、事故車両以外から送信された優先度が「中」又は「低」である手動通報が事故対応対象として選定される。そして、通報選定部323は、事故対応対象として選定した通報を送信した事故車両の車載通信装置20を、オペレーター31の通話端末32に接続する(ステップS109)。
これにより、オペレーター31は、同一の事故において優先度の高い通報から順に対応すればよいため、素早い事故対応が可能となる。また、オペレーター31は、他に発生した事故に対応することも可能となる。
その後、オペレーター31は、事故車両の乗員と通話して(ステップS110)、事故車両の乗員から事故状況を聞いて事故対応を行う。通話が終了すると、オペレーター31又は事故車両の乗員は、通話端末32又は操作装置26を操作して通話を切断する(ステップS111)。
なお、図6に示したシーケンス図では、通報選定部323は、受信した複数の通報をステップS108でまとめて処理したが、通報選定部323は、通報を受信する度に受信した通報を処理してもよい。この場合、先に受信した優先度の低い通報が事故対応対象として選定されることもあるが、通常、同一の事故については、優先度の高い自動通報が優先度の低い手動通報よりも先に送信されるため、実際上あまり問題とはならない。また、後から受信した優先度の高い通報のための接続可能なオペレーター31との回線が存在しない場合には、図9のフローチャートで説明するように、より優先度が低い通話中の回線を切断して回線を空けるようにしてもよい。
図7は、サーバ30における優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の一例を示した図である。図7は、図1と概ね同じ事故現場を示しており、車両2aと車両2bが互いに衝突しており、車両2cは車両2aの後方に停止し、車両2dは事故現場を通過しようとしている。車両2a〜2dは、いずれも車載通信装置20を搭載している。
車両2aと車両2bが互いに衝突すると、車両2a、2bに搭載された車載通信装置20は、自動通報とともに、自車両の識別情報、位置情報、及び通報が自動通報であることを示す情報等をサーバ30へ送信する。これにより、サーバ30の優先度決定部321は、自動通報を送信した車両2a、2bが事故車両である可能性が高いと判定することができる。また、優先度決定部321は、受信した車両2a、2bの位置情報から、事故現場の位置を判定することができる。優先度決定部321は、事故に関する重要な情報を提供できる可能性が最も高い事故車両である車両2a、2bから送信された自動通報の優先度を「高」に決定する。
次に、事故現場の周辺に停止している車両2cの乗員が、事故を目撃し、手動通報とともに、自車両の識別情報、位置情報、及び通報が手動通報であることを示す情報等をサーバ30へ送信する。これにより、優先度決定部321は、手動通報を送信した車両2cが事故車両以外である可能性が高いと判定することができる。また、優先度決定部321は、受信した車両2cの位置情報から、例えば、車両2cの位置情報が所定時間以上変化しておらず、車両2cは事故現場の周辺に停止している停止車両である可能性が高いと判定することができる。優先度決定部321は、停止車両は事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性が高いと判定し、車両2cから送信された手動通報の優先度を「中」に決定する。なお、車両2cが停止しているか否かをサーバ30で判定する代わりに、車両2cの車載通信装置20が判定してサーバ30へ送信してもよい。
次に、事故現場を通過しようとしている車両2dの乗員が、事故を目撃し、手動通報とともに、自車両の識別情報、位置情報、及び通報が手動通報であることを示す情報等をサーバ30へ送信する。これにより、優先度決定部321は、手動通報を送信した車両2dが事故車両以外である可能性が高いと判定することができる。また、優先度決定部321は、受信した車両2dの位置情報から、例えば、事故車両でも停止車両でもない車両2dは移動している移動車両である可能性が高いと判定することができる。優先度決定部321は、移動車両は事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性が低いと判定し、車両2dから送信された手動通報の優先度を「低」に決定する。なお、車両2dが移動しているか否かをサーバ30で判定する代わりに、車両2dの車載通信装置20が判定してサーバ30へ送信してもよい。また、優先度決定部321は、事故車両に近づいている移動車両の優先度を、事故現場から遠ざかっている移動車両の優先度よりも高く決定してもよい。
これにより、オペレーター31は、事故に関する有用な情報を提供したり事故対応に協力したりできる可能性の高い車両2を、優先して対応することができる。
次に、サーバ30の同一事故判定部322は、事故車両であると判定された車両2aから所定半径R内に存在する車両2b、2c、2dから受信した通報を、車両2aと同一の事故に関する通報であると判定する。或いは、同一事故判定部322は、事故車両であると判定された車両2bから所定半径R内に存在する車両2a、2c、2dから受信した通報を、車両2bと同一の事故に関する通報であると判定する。この所定半径Rは、例えば、車両2の乗員が事故車両を目撃することができ、かつ、事故車両に関する情報を提供したり事故対応に協力したりすることができる事故車両からの最大距離として予め決定される。これにより、同一事故判定部322は、同一の事故に関する通報であるか否かを簡素な方法で速く判定することができる。
そして、サーバ30の通報選定部323は、同一の事故に関する通報と判定された車両2a〜2dからの複数の通報のうち最も優先度が高い車両2a及び車両2bからの通報を、オペレーター31による事故対応対象の通報として選定する。
図8は、サーバ30における優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の他の例を示した図である。図8は、図7と概ね同じ事故現場を示しているが、事故車両である車両2a、2bがいずれも車載通信装置20を搭載していない点が異なる。他方、車両2c、2dは、いずれも車載通信装置20を搭載している。
事故車両である車両2a、2bがいずれも車載通信装置20を搭載していない場合には、自動通報がサーバ30へ通報されない。このため、サーバ30の同一事故判定部322は、事故車両及び事故現場の位置を判定することができない。
この場合、同一事故判定部322は、事故車両との距離が不明である車両2c、2dから通報を受信すると、互いの車間距離Dが所定距離未満である複数の車両2c、2dから受信した通報を、同一の事故に関する通報であると判定する。また、同一事故判定部322は、例えば図7において、事故車両と判定された車両2a、2bから所定半径R内に存在しない車両から通報を受信した場合も同様に、互いの車間距離D及び所定距離に基づいて、同一の事故に関する通報であるか否かを判定してもよい。この所定距離は、例えば、図7に示した所定半径Rと同じ距離とすることができる。
図9は、サーバ30のプロセッサ320において実行される優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理の一例を示したフローチャートである。プロセッサ320の優先度決定部321、同一事故判定部322、及び通報選定部323は、以下のフローチャートに従って優先度決定処理、同一事故判定処理、及び通報選定処理を実行する。なお、図6〜図8の説明と重複する内容については説明を省略することもある。
サーバ30の通信I/F330は、車両2から事故に関する通報を受信する(ステップS201)。
次に、優先度決定部321は、受信した通報の優先度を決定する(ステップS202)。なお、サーバ30の優先度決定部321の代わりに、車両2の車載通信装置20が通報の優先度を決定し、決定した通報の優先度をサーバ30へ送信してもよい。この場合、優先度決定部321は、車載通信装置20から受信した通報の優先度を、そのまま通報の優先度として決定してもよい。
次に、同一事故判定部322は、受信した複数の通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する(ステップS203)。同一事故判定部322は、例えば、図7又は図8に示した同一事故判定処理を実行するで、複数の通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定することができる。
次に、通報選定部323は、同一の事故に関する複数の通報のうち最も優先度が高い通報を、オペレーター31による事故対応対象の通報として選定する(ステップS204)。ここで、通報選定部323は、同一の事故に関する複数の通報のうち最も優先度が高い通報以外については、事故対応対象の通報として選定しないようにしてもよい。これにより、オペレーター31は、同一の事故において最も優先度の高い通報だけに対応すればよいため、より素早い事故対応が可能となる。
或いは、通報選定部323は、接続可能なオペレーター31との回線に余裕があるような場合には、同一の事故に関する優先度がより低い通報についても、事故対応対象の通報として優先度順に選定してもよい。この場合でも、オペレーター31は、同一の事故において優先度の高い通報から順に対応すればよいため、素早い事故対応が可能となる。
次に、通報選定部323は、接続可能なオペレーター31との回線が存在するか否かを判定する(ステップS205)。接続可能なオペレーター31との回線が存在しない場合(ステップS205でNo)、通報選定部323は、選定した通報よりも優先度が低い通報の通話中の回線が存在するか否かを判定する(ステップS206)。優先度が低い通話中の回線が存在しない場合(ステップS206でNo)、通報選定部323は処理を終了する。
一方、優先度が低い通話中の回線が存在する場合(ステップS206でYes)、通報選定部323は、優先度が低い通話中の回線を切断して(ステップS207)、選定した優先度の高い通報のために回線を空ける。
接続可能なオペレーター31との回線が存在する(ステップS205でYes)、又は回線が空いた場合、通報選定部323は、選定した通報を送信した車両2の車載通信装置20を、オペレーター31の通話端末32に接続する(ステップS208)。
以上のように、本実施形態の通報処理装置は、事故に関する通報を受信する受信部と、受信部で受信した通報の優先度を決定する優先度決定部と、受信部で受信した通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する同一事故判定部と、同一事故判定部で同一の事故に関すると判定された複数の通報から、通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する通報選定部とを有することを特徴とする。これにより、素早い事故対応を可能とする通報処理装置、通報処理方法、及び事故対応システムが提供される。
上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、車両2の車載通信装置20は、携帯電話等を操作して事故が発生したことを通報している他車両の乗員又は道路上の通行人を車外カメラ24等により検知した場合には、車両2の乗員の操作により手動で通報が送信されないようにしてもよい。これにより、手動通報がサーバ30に多数送信されることが抑制される。
車載通信装置20は、携帯電話等を操作して事故を通報している人を検知するために、例えば、機械学習技術を利用できる。具体的には、車載通信装置20は、映像が入力されたときに、映像から事故を通報している人を検出するように予め学習させた例えばDNN(Deep Neural Network)等の検出器を利用することができる。具体的には、車載通信装置20は、車外カメラ24等により撮影された映像を検出器に入力し、事故を通報している人を検知したことを示す出力値が検出器から出力されたときに、事故を通報している人を検知したと判定する。
1 事故対応システム
2 車両
20 車載通信装置
21 測位センサ
22 エアバック
23 車内カメラ
24 車外カメラ
25 通話装置
26 操作装置
30 サーバ(通報処理装置)
31 オペレーター
32 通話端末
40 ネットワーク
41 無線基地局
50 携帯端末
210 メモリ
211 送信プログラム
220 プロセッサ
221 送信部
230 車外通信I/F
240 車内通信I/F
310 メモリ
311 優先度決定プログラム
312 同一事故判定プログラム
313 通報選定プログラム
320 プロセッサ
321 優先度決定部
322 同一事故判定部
323 通報選定部
330 通信I/F(受信部)

Claims (8)

  1. 事故に関する通報を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した前記通報の優先度を決定する優先度決定部と、
    前記受信部で受信した前記通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定する同一事故判定部と、
    前記同一事故判定部で同一の事故に関すると判定された複数の前記通報から、前記通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する通報選定部と、
    を有することを特徴とする通報処理装置。
  2. 前記通報選定部は、同一の事故に関する複数の前記通報のうち、最も優先度が高い前記通報を、事故対応対象の通報として選定する、
    請求項1に記載の通報処理装置。
  3. 前記優先度決定部は、事故の発生に連動して車両から自動で送信された前記通報を、事故車両から送信された通報と判定して、優先度を最も高く決定する、
    請求項1又は2に記載の通報処理装置。
  4. 前記優先度決定部は、車両の乗員の操作により手動で送信された前記通報を、事故車両以外から送信された通報と判定し、自動で送信された前記通報より優先度を低く決定する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の通報処理装置。
  5. 前記優先度決定部は、停止している車両から送信された前記通報の優先度を、移動している車両から送信された前記通報の優先度より高く決定する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の通報処理装置。
  6. 前記受信部は、車両の位置情報を受信し、
    前記同一事故判定部は、
    事故車両と判定された車両から所定半径内に存在する車両から受信した前記通報を、事故車両と同一の事故に関する通報であると判定するとともに、
    事故車両と判定された車両から所定半径内に存在しない又は事故車両との距離が不明である車両から受信した前記通報であって、互いの車間距離が所定距離未満である複数の車両から受信した前記通報を、同一の事故に関する通報であると判定する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の通報処理装置。
  7. プロセッサを有し、プロセッサは、
    車両から受信した事故に関する通報の優先度を決定し、
    前記通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定し、
    同一の事故に関すると判定された複数の前記通報から、前記通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する、
    ことを特徴とする通報処理方法。
  8. ネットワークを介して相互に通信可能に構成された車載通信装置と通報処理装置とを備える事故対応システムであって、
    前記車載通信装置は、事故に関する通報を前記通報処理装置へ送信し、
    前記通報処理装置は、
    前記車載通信装置から前記通報を受信し、
    前記通報の優先度を決定し、
    前記通報が同一の事故に関する通報であるか否かを判定し、
    同一の事故に関すると判定された複数の前記通報から、前記通報の優先度に基づき事故対応対象の通報を選定する、
    ことを特徴とする事故対応システム。
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