JPH07218838A - 複写用変倍光学系 - Google Patents

複写用変倍光学系

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JPH07218838A
JPH07218838A JP6226562A JP22656294A JPH07218838A JP H07218838 A JPH07218838 A JP H07218838A JP 6226562 A JP6226562 A JP 6226562A JP 22656294 A JP22656294 A JP 22656294A JP H07218838 A JPH07218838 A JP H07218838A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 拡大倍率側での倍率色収差を抑えるとともに
像面湾曲も補正することができる、低コストな複写用変
倍光学系を得ること。 【構成】 負、正、負のパワーを持つ第1、2、3群か
らなり、等倍を含む縮小領域から拡大領域に至る変倍時
には、第1ないし第3レンズ群すべてが移動するととも
に、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔D1 、第2レン
ズ群と第3レンズ群の間隔D2 がともに変化し、かつ、
物像間距離は常に一定である光学系において、拡大側倍
率域では、条件式(1)を満足する複写用変倍光学系。 (1)0.60<|(Dm1−De1)/(Dm2−De2)|
<0.85 但し、Dmi:最大拡大時のDi (i=1,2)、Dei
等倍時のDi (i=1,2)、である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、複写機に用いられる変倍光学系
に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】等倍(1倍)近傍で使用さ
れる複写用変倍光学系は、倍率色収差や歪曲収差を気に
しないでよい対称型が好ましいことが知られている。ま
た対称形では、変倍時に像面湾曲やコマ収差が発生しや
すいため、特開平1−123210号および特開平4−
296710号に示されているように、変倍時には対称
形を崩して非対称とすることにより、像面湾曲やコマ収
差を補正することが知られている。しかし、非対称化を
強くし過ぎると、倍率色収差、コマ収差等が発生するた
め、コントラストの低下等、像性能が悪化する原因とな
る。
【0003】
【発明の目的】本発明は、特に拡大倍率側での倍率色収
差を抑えるとともに、像面湾曲も補正することができる
低コストな複写用変倍光学系を得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明の複写用変倍光学系は、負のパワ
ーの第1レンズ群と、正のパワーの第2レンズ群と、負
のパワーの第3レンズ群とからなり、等倍を含む縮小領
域から拡大領域に至る変倍時には、第1ないし第3レン
ズ群すべてが移動するとともに、第1レンズ群と第2レ
ンズ群の間隔D1 、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔
2 がともに変化し、かつ、物像間距離は常に一定であ
る光学系において、拡大倍率域において、次の条件式
(1)を満足することを特徴としている。 (1)0.60<|(Dm1−De1)/(Dm2−De2)|
<0.85 但し、Dmi:最大拡大時のDi (i=1,2)、Dei
等倍時のDi (i=1,2)、である。
【0005】第2レンズ群は、複数のレンズにより、該
第2レンズ群の中心に関して略対称な形状をなし、第1
レンズ群と第3レンズ群は、それぞれ単レンズにより、
略相似形の形状とすることが好ましく、かつこの第1レ
ンズ群と第3レンズ群は、等倍時には、第2レンズ群に
対して略対称な位置に配置することが好ましい。その上
で、さらに、次の条件式(2)を満足することがより好
ましい。 (2)νd >60 但し、νd :第1レンズおよび第3レンズのd線のアッ
ベ数、である。
【0006】また、第2レンズ群は、5枚以上のレンズ
により、該第2レンズ群の中心に関して完全対称な形状
とすることが好ましい。
【0007】本発明の複写用変倍光学系はさらに、縮小
倍率域において、次の条件式(3)を満足することが好
ましい。但し、 (3)0.3<|(Dr2−De2)/(Dr1−De1)|<
1.0 但し、Dri:最小縮小時のDi (i=1,2)、Dei
等倍時のDi (i=1,2)、である。
【0008】図13は、以上の本発明の条件式のDi
(Dmi、Dei、Dri)を図をもって示したものである。
【0009】
【発明の実施例】本発明は、負、正、負の3つのレンズ
群から構成された複写用変倍光学系において、変倍時の
第1レンズ群と第2レンズ群の間隔および第2レンズ群
と第3レンズ群の間隔を、拡大倍率域において、条件式
(1)で規定するものである。これにより、拡大倍率域
での倍率色収差、コマ収差を抑えて、像面湾曲も補正で
きる低コストな複写用変倍光学系が得られる。
【0010】条件式(1)の上限を越えて1に近づく
と、倍率色収差は良くなるが像面湾曲を補正できなくな
る。また、下限を越えると倍率色収差が大きくなり過ぎ
好ましくない。
【0011】本発明の変倍光学系において、その第1レ
ンズ群と第3レンズ群は、複数のレンズにより単独で色
消しにすることは好ましいことであるが、反面コストア
ップ、移動群の重量が重くなる等好ましくないことも多
い。この性能とコストをうまくバランスさせるために
は、第1レンズ群と第3レンズ群は同一形状とし、これ
を、互いに逆向きに配置することが望ましい。
【0012】また、主レンズ群(第2レンズ群)に関し
ては、最低限の構成として3枚が考えられるが、低コス
ト化のために3枚を対称形とすると、変倍域あるいは画
角が狭い範囲でしか十分な性能を得ることが難しい。4
枚構成としても3枚構成と大差なく、0.5から2.0
倍程度まで良好な性能を得るためには、やはり5枚構成
が必要である。5枚構成であれば、対称形の構成として
も、良好な性能を得ることができる。
【0013】一方、5枚構成では、レンズ系の中央にレ
ンズがあるため、可変絞や色分解フィルター等を使用す
る場合問題となることがある。このような場合には、5
枚構成の中央の1枚を2枚に分割して6枚構成とするこ
とが好ましい。この場合5枚構成と像性能は殆ど同じで
ある。
【0014】さらに、縮小倍率域においては、条件式
(3)を満足することが望ましい。この上限を越える
と、第2レンズ群の移動量に対する第3レンズ群の相対
的な移動量が、第1レンズ群のそれより多い状況とな
り、機械設計等に関しては、有利になるものの、性能面
においては像面湾曲が発生するとともに非点隔差がアン
ダーに出るので好ましくない。下限を越える場合は、像
面湾曲についての補正が過剰になるとともにコマ収差の
発生により像性能が低下する。また第1レンズ群のレン
ズ径が増大する。
【0015】次に、具体的な数値実施例を示す。[実施
例1]図1から図6は、本発明の複写用変倍光学系の第
1の実施例を示す。このレンズ系の具体的数値データを
表1に示し、−1.0X、−2.0Xおよび−0.5X
のときのレンズ断面図を図1、図3および図5に示す。
この実施例では、第1レンズ群I と第3レンズ群III は
それぞれ単レンズ、第2レンズ群IIは5枚構成であり、
第2レンズ群の中心に関し対称形状をなしている。この
レンズ系の−1.0X、−2.0Xおよび−0.5Xに
おける諸収差をそれぞれ図2、図4、および図6に示
す。諸収差図中、SAは球面収差、SCは正弦条件、e
線、d線、F線、g線、C線は、それぞれの波長におけ
る、球面収差によって示される色収差と倍率色収差、S
はサジタル、Mはメリディオナルを示している。
【0016】表および図面中、Feは実効Fナンバー、f
は焦点距離、M は倍率を表す。Rは曲率半径、Dはレン
ズ間隔、Ne はe線の屈折率、Nd はd線の屈折率、ν
d はd線のアッベ数を示す。
【0017】
【表1】 Fe=12.4-17.1-8.6 f=263.98-233.49-233.47 M=-1.000 - -2.000 - -0.500 面No. R D Ned νd 1 -107.460 2.80 1.51825 1.51633 64.1 2 -272.500 2.00-13.90-18.85 - - - (-1.0x)-(-2.0x)-(-0.5x) 3 81.262 10.15 1.66152 1.65844 50.9 4 -161.880 8.15 - - - 5 -130.000 3.42 1.63004 1.62588 35.7 6 64.350 4.01 - - - 7 113.000 7.60 1.72794 1.72342 38.0 8 -113.000 4.01 - - - 9 -64.350 3.42 1.63004 1.62588 35.7 10 130.000 8.15 - - - 11 161.880 10.15 1.66152 1.65844 50.9 12 -81.262 3.08-17.36-12.44 - - - (-1.0x)-(-2.0x)-(-0.5x) 13 272.500 2.80 1.51825 1.51633 64.1 14 107.460 - - - -
【0018】[実施例2]図7から図12は、本発明の
複写用変倍光学系の第2の実施例を示すもので、第2レ
ンズ群IIを6枚構成とし、その中央に絞Sを配置してい
る。その他は、第1の実施例と同一である。
【0019】このレンズ系の具体的数値データを表2に
示し、−1.0X、−2.0Xおよび−0.5Xのとき
のレンズ断面図を、図7、図9および図11に示す。−
1.0X、−2.0Xおよび−0.5Xにおける諸収差
をそれぞれ図8、図10、および図12に示す。
【0020】
【表2】 Fe=12.5-17.2-8.6 f=263.86-233.36-233.36 M=-1.000 - -2.000 - -0.5000 面No. R D Ned νd 1 -107.346 2.80 1.51825 1.51633 64.1 2 -272.652 2.00-12.90-19.09 - - - (-1.0x)-(-2.0x)-(-0.5x) 3 81.197 10.16 1.66152 1.65844 50.9 4 -161.842 8.28 - - - 5 -129.898 2.52 1.63004 1.62588 35.7 6 64.386 3.66 - - - 7 112.975 3.28 1.72794 1.72342 38.0 8 ∞ 1.00 - - - 絞 ∞ 1.00 - - - 9 ∞ 3.28 1.72794 1.72342 38.0 10 -112.975 3.66 - - - 11 -64.386 2.52 1.63004 1.62588 35.7 12 129.898 8.28 - - - 13 161.842 10.16 1.66152 1.65844 50.9 14 -81.197 3.78-19.04-12.84 - - - (−1.0x)−(−2.0x)−(−0.5x) 15 272.652 2.80
1.51825 1.51633 64.1 16 107.346 −
− − −
【0021】表3に、各条件式(1)ないし(3)の数
値を、各実施例について示す。
【表3】
【0022】表3から明らかなように、実施例1及び実
施例2の各数値は、条件式(1)ないし(3)を満足し
ている。また本発明の複写用変倍光学系は、諸収差図に
示すように、2倍、等倍、及び0.5倍おいて、それぞ
れ諸収差がよく補正されており、特に2倍の拡大倍率に
おける倍率色収差を小さく抑えることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の複写用変倍光学系によれば、特
に、拡大倍率側での倍率色収差を抑えるとともに像面湾
曲も補正することができる、低コストな複写用変倍光学
系が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複写用変倍光学系の第1の実施例
のレンズ構成図で、−1.0Xの状態を示す図である。
【図2】図1の複写用変倍光学系における諸収差図であ
る。
【図3】図1の変倍光学系の−2.0Xのときのレンズ
構成図である。
【図4】図3の複写用変倍光学系における諸収差図であ
る。
【図5】図1の変倍光学系の−0.5Xのときのレンズ
構成図である。
【図6】図5の複写用変倍光学系における諸収差図であ
る。
【図7】本発明による複写用変倍光学系の第2の実施例
のレンズ構成図で、−1.0Xの状態を示す図である。
【図8】図7の複写用変倍光学系における諸収差図であ
る。
【図9】図7の変倍光学系の−2.0Xのときのレンズ
構成図である。
【図10】図9の複写用変倍光学系における諸収差図で
ある。
【図11】図7の変倍光学系の−0.5Xのときのレン
ズ構成図である。
【図12】図11の複写用変倍光学系における諸収差図
である。
【図13】本発明による複写用変倍系のレンズ群の縮小
から拡大に至る動きを示す図である。
【符号の説明】
I 第1レンズ群 II 第2レンズ群 III 第3レンズ群

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負のパワーの第1レンズ群と、正のパワ
    ーの第2レンズ群と、負のパワーの第3レンズ群とから
    なり、 第1レンズ群と第2レンズ群の間隔をD1 、第2レンズ
    群と第3レンズ群の間隔をD2 とするとき、等倍を含む
    縮小領域から拡大領域に至る変倍時には、第1ないし第
    3レンズ群すべてが移動するとともに、D1 、D2 が変
    化し、かつ、物像間距離は常に一定である複写用変倍光
    学系において、 拡大倍率域において、以下の条件式(1)を満足するこ
    とを特徴とする複写用変倍光学系。 (1)0.60<|(Dm1−De1)/(Dm2−De2)|
    <0.85 但し、Dmi:最大拡大時のDi (i=1,2)、Dei
    等倍時のDi (i=1,2)。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第2レンズ群は、複
    数のレンズにより構成され、該第2レンズ群の中心に関
    して略対称な形状をなし、第1レンズ群と第3レンズ群
    は、それぞれ単レンズにより構成され、略相似形の形状
    をなすとともに、等倍時には、第2レンズ群に対して略
    対称な位置に配置される複写用変倍光学系。
  3. 【請求項3】 請求項2において、第1レンズ群および
    第3レンズ群は、それぞれ単レンズからなり、以下の条
    件式(2)を満足する複写用変倍光学系。 (2)νd >60 但し、νd :第1レンズおよび第3レンズのd線のアッ
    ベ数。
  4. 【請求項4】 請求項1において、第2レンズ群は5枚
    以上のレンズより構成され、該第2レンズ群の中心に関
    して完全対称な形状である複写用変倍光学系。
  5. 【請求項5】 請求項1において、縮小倍率域におい
    て、以下の条件式(3)を満足する複写用変倍光学系。
    但し、 (3)0.3<|(Dr2−De2)/(Dr1−De1)|<
    1.0 但し、Dri:最小縮小時のDi (i=1,2)、Dei
    等倍時のDi (i=1,2)。
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