JPH0721856A - 超電導ワイヤの製造方法 - Google Patents

超電導ワイヤの製造方法

Info

Publication number
JPH0721856A
JPH0721856A JP6083326A JP8332694A JPH0721856A JP H0721856 A JPH0721856 A JP H0721856A JP 6083326 A JP6083326 A JP 6083326A JP 8332694 A JP8332694 A JP 8332694A JP H0721856 A JPH0721856 A JP H0721856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
wire
superconducting
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6083326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3098906B2 (ja
Inventor
Lawrence D Woolf
ドナルド ウールフ ローレンス
William A Raggio
アラン ラッジオ ウィリアム
Robert A Olstad
アラン オルスタッド ロバート
Tihiro Ohkawa
オオカワ チヒロ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Atomics Corp
Original Assignee
General Atomics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by General Atomics Corp filed Critical General Atomics Corp
Publication of JPH0721856A publication Critical patent/JPH0721856A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098906B2 publication Critical patent/JP3098906B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
    • H10N60/0801Processes peculiar to the manufacture or treatment of filaments or composite wires

Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒素の沸点(77°K)近くから100°K
以上までの温度範囲の高臨界温度を有する単層又は多層
の超電導ワイヤの製造方法を提供する。 【構成】 本発明による多層高臨界温度超電導ワイヤは
銀基体を備える。超電導材料と銀との層が交互に電気泳
動によって該銀基体上に付着され、そして焼結される。
この超電導体/銀多層ワイヤは次いで圧延され、そして
熱処理されて、本発明のワイヤを作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高臨界温度超電導デバイ
ス及びその製造方法に関する。特に本発明は、電流を比
較的長距離に亘って伝送する高臨界温度超電導デバイス
を製造する方法に関する。本発明は、限定的にではない
が特に、送電ケーブル又は超電導磁石の巻線に適用でき
る比較的長い高温超電導ワイヤを製造する連続的な製造
プロセスとして有用なものである。
【0002】
【従来の技術】最近発見された高温超電導体は、現在の
ところ多くの人々によって、様々な技術分野での潜在的
な用途があるものと認められている。しかし、これまで
多くの用途において、超電導回路での電流の伝送は、長
さの長い高温超電導ワイヤの製造ができないことによっ
て制約されていた。挑戦は少なくとも2方面で行われて
きた。その第1は、所要の操作長さの全体に沿って超電
導体の粒を適正に配向させるという問題である。第2
は、製造中超電導体を支持し、続いてその超電導体を意
図した操作環境中に支持するという問題である。
【0003】超電導デバイスを製造するための幾つかの
方法が示唆されている。例えば、ウルフ等の発明「金属
基体を備える銀被覆された高温セラミック超電導ファイ
バの製造」に与えられ、本発明と同じ譲受人に譲渡され
た米国特許第5,118,663号は、電気泳動によっ
て超電導材料を金属基体に被覆する方法を開示してい
る。しかしこのウルフ等の特許は、いかにして最終製品
の超電導性性能が、被覆された基体の後続の処理によっ
て更に増進されるのか、ということについて示唆してい
ない。又、ラッジョ等の発明「無水電気泳動銀被覆方
法」に与えられ、そして同じく本発明の譲受人に譲渡さ
れた米国特許第5,073,240号がある。超電導デ
バイスの別の実例として、シガ等の発明「酸化物超電導
体及びその製造方法」に与えられた米国特許第5,10
4,849号は、準備された材料の積層を備えた多層超
電導体を開示している。しかしこのシガ等の特許は、様
々な層を一緒に接合する手段として、積層化以外の手段
を教示又は示唆していない。更にシガ等の特許は、いか
にしてその積層が、所要の最終製品を長さの長い超電導
ワイヤにする連続的なプロセスで製造されるのかを示し
ていない。
【0004】全ての超電導ワイヤは、その超電導体がと
もかくも適正に支持されなければならないという共通の
属性を有する。その支持構造物は基体(substra
te)又はスーパストレイト(superstrat
e)とされようが、超電導セラミック材料の脆性のため
に何等かの支持がなければならないのである。更に、超
電導体をその基体又はスーパストレイトに堅く取付ける
ための何等かの手段もなければならない。超電導体の基
体に関する重要性の実例は、プンの発明「曲げ許容超電
導ケーブル」に与えられ、本発明と同じ譲受人に譲渡さ
れた米国特許第4,994,633号に見られる。追加
の関連する問題として、支持された超電導体が意図され
た操作環境内でよく機能するということがある。
【0005】文献においてよく知られているように、B
iPb2223複合物を使用する高温超電導ワイヤは一
般的に、BiPb2223の粉末を銀の管の中へ注入
し、それから詰込む「管内粉末(powder−in−
tube)」法を使って作られる。粉末を詰込まれた管
は、次に引抜かれて細いワイヤにされる。これら細いワ
イヤは続いて一連のローラ圧延と熱処理を受ける。それ
らワイヤの長さは、容易に粉末を詰込み、それから引抜
くことができる銀の管の寸法(直径と長さ)によって部
分的に限定されていた。
【0006】又、圧延段階中に、超電導材料と接触する
銀の面が不均等又は「ソーセージ状」になることがよく
知られている。銀の内面の非偏平性は最終的には、電流
密度の低い超電導ワイヤを作る結果になる。そこで、高
品質の、偏平な、銀−超電導体界面を有する、長さの長
いワイヤを製造する方法が要望されるのである。
【0007】超電導デバイスに関する非常に重要な考慮
要件は、その超電導体が高い臨界電流密度(Jc)を有
すること、及び、その超電導体が、比較的高い温度、即
ち液体窒素の沸点(77°K)付近で有効に操作できる
ことである。これら両方の目的を考慮する場合、超電導
ワイヤの製造は幾つかの仕様に分けてみなければならな
い。特に、超電導デバイスを製造するためには、(1)
超電導材料中の結晶の良好な整列、(2)超電導材料の
高い密度、及び(3)超電導デバイスの長さに沿ったセ
ラミック超電導体の結晶の連続性、を達成することが必
要である。
【0008】周知のように、超電導材料中の結晶の粒の
成長と、作られた粒の整列とは、銀(Ag)の存在によ
って助長される。特に、周知のように、超電導材料中の
粒の成長と整合は、銀/超電導体界面に隣接する約30
ミクロンの超電導材料の中で達成される。この現象に加
えて、偶々好都合なことに、銀はこれ自体非常に良好な
電導体である。
【0009】しかし、銀が、高温超電導ワイヤの有効な
基体として使用できる充分な強度をもっているか、どう
かについては、疑問視されてきた。従って他の材料も考
慮されていた。特にニッケルとその合金は、その用途に
有効であることを示している。しかし銀の放棄は間違い
であった。早期からの疑問視にも拘らず、銀も又有効な
基体となることが知られた。実際、銀とニッケル及びそ
の合金との間では、既述したようないろいろな理由か
ら、銀の方がより好適である。本発明の目的において、
銀とニッケル及びその合金との両方共が高温超電導ワイ
ヤの適切な基体として認められる。
【0010】最初にニッケルについて考える。ニッケル
及びその合金は、製造プロセス時、及びその後の超電導
体の操作環境における超電導体基体として使用するのを
望ましくする様々な属性を有する金属である。それは優
れた引張強度を備え、そして、典型的には超電導体の製
造中に出合う広い範囲の様々な温度を受けた場合に、多
くの金属に共通するクリープの生じる傾向に対抗する性
能をもっている。ニッケルの他の望ましい特性は非常に
大きい耐酸化性をもっていることである。超電導体基体
としてニッケルを使用する恰好な実例は、ウルフ等の発
明「セラミック超電導体のニッケル・ベース基体」に与
えられ、本発明と同じ譲受人に譲渡された米国特許第
5,006,507号に見られる。
【0011】しかし、高温超電導ワイヤの基体としてニ
ッケル又は何等かのその合金を使用することには、銀を
使用した場合には小さいか又は存在しない幾つかの問題
が出てくる。特に、ニッケルと超電導体との間の界面で
超電導材料の汚染が生じる。このことは、先に示したよ
うに、銀の基体では起らない。実際その逆である。超電
導材料内の粒の成長と整列は、銀−超電導体界面の近傍
で事実上助長される。
【0012】本発明は、セラミック超電導体の創成を助
長する銀の使用が、製造プロセス中に、基体上に被覆さ
れる層としての銀と超電導体とを適正に位置決めするこ
とによって、最も良好に行われることを承認する。更に
本発明は、その同じプロセスが、比較的長い超電導ワイ
ヤの製造に役立つことを承認する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のような観点か
ら、本発明の目的は、窒素の沸点(77°K)近くから
ケルビン目盛100度(100°K)以上までの温度範
囲の高い臨界温度を有する単層又は多層の超電導ワイヤ
を製造する方法を提供することである。本発明の他の目
的は、非常に好く整列した超電導体粒、及び高い超電導
体密度を備える単層又は多層超電導ワイヤの製造方法を
提供することである。本発明の更に他の目的は、実質的
な長さを有する単層又は多層超電導ワイヤの製造方法を
提供することである。本発明の目的は又、本発明の方法
によって製造される高臨界温度の単層又は多層超電導ワ
イヤを提供することである。本発明の目的は更に、製造
が比較的容易であり、使い方が簡単であり、そしてコス
ト効率が比較的よい、単層又は多層超電導ワイヤを提供
することである。本発明の他の目的は、実質的に平らで
あり、そして好く整合した超電導体粒を備えることがで
きる、超電導体/銀界面を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】単層又は多層の高臨界温
度超電導ワイヤを製造する方法は、金属の基体ワイヤ又
はテープを供給スプールと巻取りスプールとの間に延ば
す段階を含む。好適には金属基体は、銀、ニッケル、ニ
ッケル合金、又は鉄合金とされる。ワイヤ基体が両スプ
ール間に進んでいく際に、銀と超電導材料との連続的な
層が交互に基体上に被覆されて多層ワイヤを作る。銀基
体の場合、超電導材料と銀との連続的な層がその基体上
に被覆される。好適に本発明では、超電導材料はBiP
b2223又はBi2212とされる。この多層ワイヤ
はそこで圧延され、続いて1回から3回熱処理されて最
終製品になる。概説すると本発明の方法は、層被覆工程
とワイヤ処理工程とを備える2工程(two−phas
e)プロセスと見ることができる。
【0015】層被覆工程は供給スプールと巻取りスプー
ルとの間で行われる。第1に、ニッケル基体が用いられ
る場合、銀の層が電気泳動によってニッケル含有金属ワ
イヤ基体上に付着される。この第1銀層は次いで、銀を
約910−930℃で焼結することにより稠密化され
る。好適な実施例である銀ワイヤ基体の場合、上記段階
は省略される。次に、その好適な実施例の場合、超電導
材料の層が電気泳動によって銀ワイヤ基体上に付着され
る。ニッケル基体が使用される場合、超電導材料は銀被
覆された基体上に電気泳動で付着される。この超電導材
料層は、約775−850℃で加熱することにより焼結
される。銀と超電導材料との後続の層が電気泳動によっ
てワイヤ上に付着され、そして焼結されて、銀と超電導
材料との交互に重なった層を作る。銀の後続の層は、こ
れらの下の超電導材料の融解又は漏洩を惹起すことのな
い限りのできるだけ高い温度(775−850℃)で稠
密化され、そして超電導材料の層は約775−850℃
で稠密化される。こうして作られる多層ワイヤにおい
て、最後の外側層は銀にされる。この多層ワイヤは巻取
りスプール上に巻取り集積される。本発明において、超
電導体の層は1層、2層、又は3層とすることができ
る。
【0016】ワイヤ処理工程において、巻取りスプール
から多層ワイヤが引出され、継続的にローラ圧延され
て、その円形のワイヤの形態を緩っくりと偏平な多層ワ
イヤの形状へと変形される。この偏平ワイヤは次いで、
超電導材料内の結晶粒の成長を行わせるため、約835
℃で約50−70時間熱処理される。偏平ワイヤは続い
て、超電導材料内の粒の整合と密度を改良するために圧
延される。それから多層ワイヤは又、粒と粒との接触を
改良し、超電導材料をより稠密化し、そして超電導材料
内の結晶粒の成長を更に行わせるため、再び前と同じよ
うに熱処理される。超電導性を最適なものにするため更
に1つの追加の圧延及び加熱段階が必要であり、又それ
以上必要な場合もあろう。本発明によれば、多層ワイヤ
が偏平にされた後、この偏平多層ワイヤの後続の圧延
が、各後続熱処理の間に1回だけ行われる。又、最後の
熱処理は、80−300時間のような長時間行われる。
【0017】最終製品は、銀と超電導材料とが交互にな
った層を備える、実質的に矩形の断面をもった高臨界温
度超電導ワイヤである。この多層ワイヤは、中心の銀又
は銀被覆された基体とこれを包囲する少なくとも1つの
超電導材料層、及び少なくとも1つの銀の保護外側層を
備えるものである。それら銀層の1つは、基体がニッケ
ル又は鉄含有金属である場合、拡散バリヤとして作用す
るように基体上に直接付着され、又銀層の1つは多層ワ
イヤの保護外側層として働く。本発明において、超電導
材料の各層及び銀の各層はそれぞれの直ぐ下に隣接する
層の上に付着され、そしてそれら層は、超電導材料の各
層が銀の引き続く層の間に位置するように、交互に重ね
られる。
【0018】
【実施例】本発明の新規な特徴、又、本発明自体、その
構成と操作が、添付図面と関連して以下に続ける実施例
の記述から最もよく理解されよう。それら図面において
同じ符号は同類の部分を示す。
【0019】最初に図1において、本発明による多層高
臨界温度超電導ワイヤを製造する方法が全体的に10で
指示される。図示のように方法10は全体的に層被覆工
程12とワイヤ処理工程14を備える。更に図1に示さ
れるように、多層ワイヤの成分は、銀をもった基体16
と超電導材料を含む。
【0020】本発明において、基体16は好適には純銀
で作られる。このプロセスで使用されるに充分な高温強
度を備えるため、その銀ワイヤの直径は約0.18から
0.38mm(7から15ミル)の間、最も好適には約
0.25mm(10ミル)にされる。変化形として、基
体16は、ニッケル、ニッケル合金、又は鉄合金(例え
ば、ホスキンス(Hoskins)875)で作ること
もできる。これらワイヤ基体の典型的な直径は50−7
5ミクロンである。基体16に銀が使用されない場合、
基体16として受容できる材料の実例には、市販の、ヘ
インズ(Haynes)214又はジュラニッケル(D
uranickel)301として知られた製品があ
る。重要なのは、基体16が、超電導ワイヤの製造に必
要な引張力と広範囲の温度を受けたとき、良好な引張強
度と耐クリープ性をもっていなければならないことであ
る。更に、基体16は耐酸化性でなければならず、そし
て、非銀基体が用いられる場合、それは銀と実質的に不
反応なものでなければならない。又、本発明の想定する
ワイヤの長さは1から10kmであるから、基体16は
そのようなワイヤの所期の長さ全体に亘って上記のよう
な諸特性を保持するものでなくてはならない。ヘインズ
214とジュラニッケル301はそれらの要件を満たす
ものである。
【0021】先に述べたように、円形又は楕円形の銀ワ
イヤ(約250ミクロンの直径)あるいは銀テープ(約
50ミクロンの厚さ及び1−3mmの幅)が基体16と
して使用するのに好適である。しかし銀が使用される場
合、製造中に基体16に掛かる引張力は、銀の引張強度
とクリープ強度より低く保たれなければならない。この
ために、銀基体に掛かる引張力を許容限度内に維持する
ための有効な方法が、本発明と同じ譲受人に譲渡された
ラッジョ等の米国特許第5,080,296号に記載さ
れている。留意すべきこととして、前述のように、引張
力を小さくする特別な手段が用いられた場合にのみ、そ
して銀ワイヤが250ミクロンのような充分大きい直径
を有するものである場合にのみ、銀ワイヤは有用な基体
となる。
【0022】ニッケル合金基体16が用いられる場合で
も、許容引張力はやはり重要であり、そして上記ラッジ
ョ等の方法はここでも適用できる。製造の層被覆工程1
2においてニッケル合金基体16は銀よりもずっと破損
し難いが、それでも250ミクロン直径の銀は充分な強
度をもったものになる。実際、ニッケル基体の場合、そ
の基体16の次の銀の拡散バリヤ層82は、ワイヤ処理
工程14内の後続の熱処理時の超電導体の汚染を防止す
るに充分な厚さと密度をもっていなければならない。
【0023】本発明の方法10において、基体16が非
銀材料で作られる特別な場合、銀の粉末が基体16上に
付着され、そしてその粉末は好適には純銀(Ag)とさ
れる。銀とその他の金属、例えばパラジウム(Pd)と
の混合物も使用できる。しかしそのような混合物の価格
は非常に高い。前にも示したように、本発明の多層ワイ
ヤで銀を使用する1つの目的は、超電導体内の結晶粒の
成長と整列(これは時時「組織」と称される)を助長す
ることである。いずれの場合にしろ、本発明では、銀の
密度が、約12時間に亘る約800−850℃の焼結温
度での理論的密度の約90%より大きいことが重要であ
る。この密度に達した銀粉末は大きな表面積、例えばグ
ラム当り2から4平方メートル(2−4m2 /g)の表
面積を有し、そして約2分の1ミクロン(0.5μm)
のフイッシャ・サブ−シーブ(Fisher sub−
sieve)寸法を有する。そのような銀粉末はデグッ
サ/メッツ社(Degussa/Metz Corpo
ration)から市販され、K型銀粉末として知られ
ている。
【0024】本発明で使用される超電導材料は好適には
BiPb2223である。方法10において使用され成
功している超電導材料の正確な式はBi1.84Pb0.34
1. 19Ca2.03Cu3.06酸化物である。周知のように、
この特別なBiPb2223材料は、適当な熱処理の
後、高い臨界温度(約105−110°K)を有し、そ
して窒素の沸点(77°K)近くでの優れた有用の技術
的特性(即ち、優れた臨界電流密度Jc)を有する。こ
の材料の粉末はスプレイ乾燥プロセス(spray d
rying process)で作られる。そのような
材料はシアトル・スペシャルティ・セラミックス(Se
attle Specialty Ceramics)
から市販されている。粉末は続いて、空気中で約800
℃で約12時間か焼(高温酸化)され、そして冷却さ
れ、これによって典型的には100−300重量ppm
のように低い炭素含有率をもったものになる。この時点
で、相集合体(phase assemblage)は
主としてBi2212(Bi2Sr2 CaCu2 )酸化
物で構成される。
【0025】層被覆工程12において銀と超電導材料が
基体16上に被覆される。この操作は図2に概略的に示
される。同図で見られるように基体16は回転供給スプ
ール18と回転巻取りスプール20との間に延ばされ
る。そのワイヤ基体16は供給スプール18と巻取りス
プール20との間でプロセス区域22に通して引張ら
れ、引張力が加わる。図1に示されるように、層被覆工
程12は、基体16上に銀と超電導材料を電気泳動で付
着させる段階、その付着した材料から溶剤を除去する段
階、及び材料を焼結する段階を含む。これは、図2に示
されるように所定のシーケンスで基体16上に複数の材
料層を被覆するようにして行われる。
【0026】図2で見られるように、供給スプール18
と巻取りスプール20との間には、逐次的に、銀被覆ス
テーション24(これが備えられるのは非銀基体が使用
される場合で、そうでなければこの銀被覆ステーション
24は省略できる)、超電導体被覆ステーション26、
銀被覆ステーション28、超電導体被覆ステーション3
0、及び銀被覆ステーション32が備えられている。図
2で被覆ステーションは5つだけ示されているが、必要
に応じてもっと多数の被覆ステーションを備えることも
可能であることは理解されよう。又、銀基体16が使用
される場合には、銀被覆ステーションと超電導体被覆ス
テーションとの数は等しくなろう。この場合いずれにし
ても、それぞれの型式の被覆ステーションは1つから3
つ前後になろう。又、非銀基体16が使用される場合に
は、1つから3つ前後の超電導体被覆ステーション、そ
して2つから4つ前後の銀被覆ステーションが備えられ
よう。
【0027】ここで再び銀ステーション24へ話を戻す
と、このステーション24は図2に示されるように、供
給スプール18から巻取りスプール20の方向へと逐次
的に、スラリー・プール34、加熱器36、及び加熱器
38を備える。特にスラリー・プール34は銀粉末と溶
剤とのスラリーを収容し、そしてこのスラリーから銀
が、当該技術で周知のようにして(前記ウルフ等の米国
特許第5,118,663号参照)、電気泳動により基
体16上に付着される。
【0028】スラリー・プール34に通して引かれた
後、銀付着物をもった基体16は加熱器36に通され、
ここで基体16上に残留している溶剤を除去するため約
200−500℃の温度に加熱される。次の段階は、銀
被覆基体を加熱器38に通すことであり、ここで銀粉末
が焼結される。この焼結は約910−930℃の温度で
行われる。
【0029】溶剤の除去時間と付着銀又は超電導体の焼
結時間とが、基体16の送り速度と加熱器36、38、
42、44、48、50、54、56、60、62の寸
法とに応じて決まることは理解されよう。典型的にはワ
イヤ16の送り速度は約0.5m/分である。各加熱器
36、38、42、44、48、50、54、56、6
0、62は50.8から304.8mm(2から12イ
ンチ)長の範囲内のものとされる。これは、各加熱器内
の滞在時間を約5−50秒にする。
【0030】基体16上に付着される銀又は超電導体の
量は、スラリー内の銀粉末の濃度、基体16の送り速
度、及び電気泳動プロセスで使用される電位によって決
まる。それらの変数は全て制御可能であり、そして操作
者の要求に応じて設定できる。火災の事故を少なくし、
又溶剤の望ましくない燃焼の制御を助けるため、加熱器
36、38、42、44、48、50、54、56、6
0、62内のプロセス環境は、好適には5%の酸素(O
2 )と95%の窒素(N2 )である。しかし100%の
ように高い酸素(O2 )とすることもできる雰囲気によ
って作られる。
【0031】以上の記述は被覆ステーション24が含ま
れる場合についてであり、そこで既に言及したように、
銀基体16が使われるときには被覆ステーション24は
省略できることを留意すべきである。
【0032】銀被覆ステーション24に続いて超電導被
覆ステーション26が置かれ、この被覆ステーション2
6は、スラリー・プール40と加熱器42、44によっ
て構成される。ここでのスラリーは、粒体の超電導体B
iPb2223と適当な溶剤(例えば炭酸プロピレン)
及び例えばエタノールアミンなどのチャージング剤(c
harging agent)を含む。これらは全て当
該技術で周知のものである。ここでも材料の付着は電気
泳動プロセスを使って行われる。しかしこの場合、超電
導粒体が銀の基体16又は先に銀被覆された基体16上
に付着される。超電導体被覆ステーション26の加熱器
42は、銀被覆ステーション24の加熱器36と同様
に、付着された超電導粒体から溶剤を除去するのに使わ
れる。又、ステーション26の加熱器44は、ステーシ
ョン24の加熱器38と同様に、超電導粒体を焼結する
のに使われる。しかし超電導体被覆ステーション26の
加熱器44は、超電導粒体を、この被覆された超電導材
料の融点より低い約750−850℃の温度で焼結する
ように調節される。
【0033】プロセス区域22内で超電導体被覆ステー
ション26に続いて銀被覆ステーション28が設けられ
る。図2に示されるように、銀被覆ステーション28
は、スラリー・プール46、溶剤除去加熱器48、及び
焼結加熱器50を含む。この加熱器50の温度は、ここ
でも被覆超電導材料の融点より低い約775−850℃
の範囲内にされる。
【0034】超電導体被覆ステーション30は、スラリ
ー・プール52、溶剤除去加熱器54、及び焼結加熱器
56を備える。全ての主要な特徴に関して超電導体被覆
ステーション30は超電導体被覆ステーション26と同
じである。
【0035】プロセス区域22内の最後のステーション
は図示のように銀被覆ステーション32とされる。勿
論、プロセス区域22内に図2に示されるよりも多数の
銀被覆ステーションと超電導体被覆ステーションを備え
ることができるが、いずれの場合にしても本発明の好適
な実施例では、最終ステーションは銀被覆ステーション
にされる。プロセス区域22内の他のステーションと同
様に銀被覆ステーション32は、既述のようなスラリー
・プール58、溶剤除去加熱器60、及び焼結加熱器6
2を備える。更に、銀の外側層は又保護コーティングと
して働くので、この外側銀層の厚さは下層の銀層より2
から3倍厚くされる。
【0036】以上の結果多層超電導ワイヤ64が作ら
れ、このワイヤは巻取りスプール20上に巻取り集積さ
れる。上記の、又はその他のバッチ熱処理の前に外側銀
層が拡散接着するのを防止するため、多層ワイヤ64が
巻取りスプール20上に巻取られる前にそのワイヤに酸
化マグネシウム(MgO)の粉末を着けるようにしても
よい。それからスプール20上のワイヤはバッチ様式で
熱処理されて銀を理論密度の約95%になるまで焼結
し、これによってワイヤ処理工程中の圧延を行えるよう
になる。その熱処理は典型的には空気中で約800℃で
約12時間行われる。この熱処理プロセスは図1におい
てブロック126で表示される。MgO粉末が着けられ
た場合、この粉末は、その熱処理の後、拭き取られる。
【0037】多層ワイヤ64は次いでワイヤ処理工程1
4でのプロセスを受ける。ワイヤ処理工程において多層
ワイヤ64は最初に、図1のブロック65で示されるよ
うに偏平にされる。図3に見られるように、多層ワイヤ
64の偏平化は、当該技術で周知の型式のローラ圧延装
置66を使って行われる。この圧延装置66において、
これの上側ローラ68は、このローラの逆方向に回転す
る下側ローラ70から離間される。ローラ68と70の
間の離間距離は調節可能でなければならず、そしてこの
調節は10ミクロン(0.010mm)以内の精度で行
えることが必要である。駆動ユニット72が備えられて
ローラ68と70を相互に逆方向に回転駆動する。図3
で見られるように、供給スプール74から多層ワイヤ6
4がローラ圧延装置66へ送られ、そしてこの圧延装置
66から巻取りスプール76へ巻取られる。少なくとも
最初は、ワイヤ処理工程14におけるその供給スプール
74は、層被覆工程12における巻取りスプール20と
同じものにされよう。勿論、もしもそれらスプールがバ
ッチ熱処理において使用されるのなら、それらスプール
は、ヘインズ214又はインコネル601のような適当
な高温材料で作らなければならない。
【0038】ブロック65で表示される、多層ワイヤ6
4を偏平にする段階において、ワイヤ64は20回のよ
うな多数回圧延装置66に通される。特に、圧延装置6
6に通されるその各パスごとのワイヤ又はテープ64の
直径又は厚さの減少率が5%以下であるのが好適であ
る。更に、必ずしもそれが必要ということではないが、
直径/厚さが20%減少するごとにワイヤ/テープ64
を焼鈍するのが好適であることが知られている。この焼
鈍は、多層ワイヤ64を空気中で約500℃で約15分
間加熱することによって効果的に行われる。偏平化段階
(ブロック65)において、多層ワイヤ64は、約1m
mの直径を有する円形の断面から、図5に示されるよう
な約150−250ミクロン(μm)の厚さを有する実
質的に矩形の断面を備えるように偏平化される。
【0039】変化形実施例として、多層ワイヤの初原の
基体を、矩形又は近似矩形の断面をもった形、即ちテー
プの形にすることができる。この場合、偏平化段階(ブ
ロック65)は省略できるか、あるいは又、圧延装置に
通す必要なパスの回数を相当少なくするように著しく改
変することができる。いずれにしろ、多層ワイヤ64が
後の熱処理に回わされる前に、そのワイヤ64が実質的
に矩形の断面をもったものであることは好適なことであ
る。それが好適である理由は、矩形断面である場合、ワ
イヤ64が後に曲げられる際にセラミック超電導材料が
ワイヤ64の中位軸心により近く置かれていることにあ
る。従ってそのセラミック超電導体は、これを亀裂させ
易い引張力を受けることが少なくなる。セラミック超電
導ワイヤの曲げに関連した機械的問題点の突っ込んだ考
察とその解決方法が前出のプンの特許に示されている。
又更に追加の考察として、超電導体が隣接の平らな銀層
により拘束されれば、熱処理工程中に生じる粒の整列が
著しく改良される。
【0040】多層ワイヤ64の本発明による実施例が図
5に示される。図4は、ロール圧延で偏平にされる前の
その実施例を示す。図5で見られるように、偏平にされ
たワイヤ64は距離80で表わされる厚さを有する。段
階65の間、複数の中間段階がワイヤ64の厚さを徐々
に減少させていくことを留意すべきである。特に、段階
65において、その厚さ(距離80)は約150−25
0ミクロン(μm)の範囲に減少される。好適には、サ
イクル94の後、距離80は約100−200ミクロン
(μm)になるようにされ、そしてワイヤ64の縦横比
が約1対10から1対20の間になるようにされる。換
言すると、多層ワイヤ64は、これの幅が厚さの約10
から20倍になるようにされる。図5は又、基体16上
に被覆される第1の銀層が拡散バリヤ82として働く位
置にあることを示す。この拡散バリヤは、ニッケル含有
基体16を、この基体16上に後で被覆される超電導材
料層から効果的に分離するものである。図5は更に、最
外側の銀層が保護コーティング又は層84として働く位
置にあることを示す。前に述べたように、この保護層8
4は、これの厚さを、多層ワイヤ64内の他の銀層の2
又は3倍にすることができる。
【0041】図5に示される特定の形状の多層ワイヤ6
4の拡散バリヤ82と保護層84との間には、銀と超電
導材料との交互になった中間層が幾つか備えられる。具
体的にはこれら中間層は、拡散バリヤ82の次に付着さ
れる超電導材料層86を含む。次は銀層88であり、そ
れからこの銀層88と保護層84との間に別の超電導材
層90が備えられている。本発明において重要なこと
は、超電導材料層が約60ミクロン(μm)より厚くさ
れてはならないことである。その理由は、既述したよう
に、銀/超電導体界面の約30ミクロン(μm)の内に
ある超電導材料が結晶粒の成長と整列を促進するからで
ある。
【0042】図6と図7は、本発明の方法によって製造
される超電導ワイヤ100の好適な実施例を示す。特に
図6は、層被覆工程12に通して層被覆された後、しか
し偏平にされる前のワイヤ100を示している。これに
対し図7は偏平化後のワイヤ100を示す。図6で見ら
れるように、ワイヤ100は、銀基体102、続いてこ
れを包囲する超電導層104、及び銀保護層106を備
える。先に示したように銀ワイヤ基体102の最初の直
径108は約250ミクロンである。超電導層104の
外径110は約450−750ミクロンの範囲であり、
そして銀保護層106を含むワイヤ100の外径112
は約1mmである。一般的に、超電導層は約100−2
50ミクロン厚、外側銀層以外の銀層は約50−150
ミクロン厚、そして外側銀層は約100−300ミクロ
ン厚にされる。いうまでもなく、それらの寸法は全て、
ワイヤ100の偏平化後には変化する。
【0043】図7に示されるように偏平にされた後のワ
イヤ100の厚さ114は約100−200ミクロンで
ある。これは偏平化後のワイヤ64の厚さとほぼ等し
い。
【0044】多層ワイヤ64が偏平にされた後、超電導
体を焼結しなければならない。このプロセスは図1のブ
ロック92で表示されるように開示され、そして、ワイ
ヤ64を空気中で約835℃の温度に約60時間置くこ
とによって行われる。この熱処理は多層ワイヤ64内の
超電導体の粒成長を開始させる。次いでワイヤ64は図
1に示される圧延と熱処理との反復サイクル94に掛け
られる。この後続の圧延/熱処理サイクル94におい
て、好適には、多層ワイヤ64の各熱処理の間にそのワ
イヤ64が圧延装置66に1回だけ通されるパスが行わ
れる。多層ワイヤ64のこの単一パスの重要性は、それ
が超電導体の稠密化を助長し、又それが結晶の整列を助
長してその長軸をテープの面に平行にすることである。
圧延/熱処理サイクル94において、各熱処理は約83
5℃で行われ、そして、最後の熱処理を除いて、約40
−70時間続けられる。後続の圧延を伴なわない最後の
熱処理は70−300時間行われる。典型的には、サイ
クル94において1回から3回のサイクルが実施され
る。
【0045】ワイヤ処理工程14において、サイクル9
4内の各熱処理は好適には空気中で行われる。しかし、
5−10%の酸素分圧のような、その他の酸化性雰囲気
もその目的に適用できることは当該技術者に理解されよ
う。
【0046】ここで、製造プロセスにおいて最も類似的
に使用される2つの超電導材料、BiPb2223とB
i2212とが係わるそれぞれの段階の間に区別を付け
なければならない。BiPb2223超電導材料を有す
る超電導ワイヤ64を製造するプロセスでは、このプロ
セスの諸段階は図1に示されるようになる。これに対
し、Bi2212超電導材料を有する超電導ワイヤ64
を製造するプロセスは、一般的に図8に示される諸段階
に従う。図1と図8を比較して解るように、その区別は
それぞれのワイヤ処理工程にある。
【0047】BiPb2223超電導材料を有するワイ
ヤ64のワイヤ処理工程14は、前に述べたように、1
つの追加の段階を備える。この追加段階は図1に示され
る緩慢な冷却(緩冷)段階116である。本発明によれ
ばこの緩冷段階116はサイクル94の最終の熱処理の
後で行われる。特に、緩冷段階116は、ワイヤ64又
は100を約835℃の焼結温度から約400℃又はこ
れ以下の温度にまで毎時25−50℃の率で緩慢に冷却
することによって行われる。当該技術でよく知られてい
るように、これは、BiPb2223超電導体の酸素含
有量を最適にし、これによって約105−110°Kの
範囲の高臨界温度(Tc)を得るために行われる。
【0048】次に図8に戻ると、同図に見られるよう
に、Bi2212超電導材料を有する超電導ワイヤを製
造する方法200は層被覆工程12′を備える。この工
程12′は全ての重要な点について、方法10の層被覆
工程12と同じである。方法10の場合と同様に、方法
200でも、ワイヤを圧延する前に熱処理することが必
要である。この熱処理段階は図8においてブロック12
6で表示され、そして全ての重要な点について方法10
のブロック126の熱処理段階と同じである。しかし方
法200は、方法10のワイヤ処理工程14と多少異な
るワイヤ処理工程118を備える。特に、ワイヤ処理工
程118は、方法10で既述した偏平化段階と同様の、
ブロック120で表示されるワイヤ偏平化段階を備える
が、ワイヤ処理工程118は又、ブロック122で表示
される溶融プロセスを備え、これが異なる点である。こ
の溶融プロセスは、偏平にされたワイヤを最初空気中で
約886℃の温度で約6分間加熱することにより行われ
る。それからワイヤは約毎時5℃(5℃/時)の率で徐
々に、約836℃の温度になるまで冷却される。
【0049】更に図8に示されるように、ワイヤが徐々
に約836℃まで冷却された後で急速な冷却(急冷)段
階124が行われる。この急冷段階124において、ワ
イヤは約835℃の温度から、約毎時800−1200
℃の率で急速に、約400℃の温度にまで冷却される。
当該技術で周知のように、この急冷段階はBi2212
超電導体の酸素含有量を最適にし、これによって約90
−95°Kの範囲の高臨界温度(Tc)が得られる。
【0050】留意すべきこととして、BiPb2223
とBi2212とのいずれが使用されるにしろ最終製品
の超電導材料は、約0−50体積%の銀を含有してい
る。この銀は銀粉末又は銀フレークのいずれかになろ
う。
【0051】ここに詳細に説明及び図示した多層高臨界
温度超電導ワイヤの製造方法及びそのワイヤ自体は、こ
れまで記述した目的を達成し、長所を備えることができ
るものであるが、それは単なる本発明の好適な実施例の
表示に過ぎず、そして、特許請求の範囲の定義以外に、
ここに示した構造又は設計の詳細に制約されるものでな
いことは理解されるべきである。例えば、基体上に薄い
材料層を形成するのに、電気泳動被覆法以外に、スプレ
ー被覆法、浸漬被覆法、電着法、その他の当該技術で周
知のプロセスを用いることができよう。更に、T1ベー
ス材料のような他の高温超電導材料も考慮されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】BiPb2223超電導材料を使用する本発明
の多層ワイヤの製造方法のブロックダイヤグラムであ
る。
【図2】本発明の多層ワイヤ製造方法の層被覆工程で使
用される被覆ステーションの概略ダイヤグラムである。
【図3】ワイヤ処理工程において圧延装置により圧延さ
れている本発明の多層ワイヤの斜視図である。
【図4】層被覆工程終了後の本発明の多層ワイヤの断面
図である。
【図5】図4の多層ワイヤの、図3の5−5線における
断面図である。
【図6】層被覆工程終了後の本発明の好適な実施例の多
層ワイヤの断面図である。
【図7】ワイヤ処理工程終了後の図6の実施例のワイヤ
の断面図である。
【図8】Bi2212超電導材料を使用する本発明の多
層ワイヤの製造方法のブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
10 多層ワイヤ製造方法 12 層被覆工程 14 ワイヤ処理工程 16 基体 18 供給スプール 20 巻取りスプール 22 プロセス区域 24 銀被覆ステーション 26 超電導体被覆ステーション 28 銀被覆ステーション 30 超電導体被覆ステーション 32 銀被覆ステーション 34 スラリー・プール 36 加熱器 38 加熱器 64 多層ワイヤ 66 圧延装置 82 拡散バリヤ 84 保護層 86 超電導材料層 88 銀層 90 超電導材料層 94 圧延/加熱反復サイクル 100 多層ワイヤ 102 基体 104 超電導材料層 106 保護層 116 緩冷段階 118 ワイヤ処理工程 124 急冷段階 200 多層ワイヤ製造方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート アラン オルスタッド アメリカ合衆国カリフォルニア州サン デ ィエゴ,ピンゾン ウエイ 11036 (72)発明者 チヒロ オオカワ アメリカ合衆国カリフォルニア州ラ ジョ ラ,ラ ジョラ ファームズ ロード 9515

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層高臨界温度超電導ワイヤの製造方法
    において、 金属ワイヤ基体を回転供給スプールと回転巻取りスプー
    ルとの間に延在さすこと、 該ワイヤ基体を該供給スプールから、該ワイヤ基体に所
    定の引張力を掛けて、該ワイヤに銀の層を被覆する少な
    くとも1つの銀被覆ステーションと、該ワイヤに超電導
    材料の層を被覆する少なくとも1つの超電導材料被覆ス
    テーションとを有するプロセス区域に通して、該巻取り
    スプールへ引張ること、 各該超電導材料層を銀で包囲するため該プロセス区域内
    で該銀被覆ステーションを該超電導材料被覆ステーショ
    ンと交互に設置すること、及び、 該巻取りスプールを回転させて該ワイヤを巻取り、該多
    層ワイヤのコイルを形成することの段階を備える方法。
  2. 【請求項2】 該多層ワイヤがもとの形態を有し、そし
    て該方法が更に、 該銀層を約800℃の温度で約12時間焼結すること、 該多層ワイヤのもとの形態を偏平なワイヤへ変形させる
    ため該多層ワイヤの第1の圧延を行うこと、及び、 該超電導材料内の結晶粒の成長を行わせるため該偏平ワ
    イヤの第1の加熱を行うことの段階を備える、請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 該超電導材料がBiPb2223であ
    る、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 該方法が更に、 該超電導材料内の粒の整列と密度を改良するため該偏平
    ワイヤの後続の圧延を行うこと、及び、 該超電導材料内の粒と粒との接触を改良し、該超電導材
    料の電流密度能力を高め、そして該超電導材料内の結晶
    粒の成長を更に行わせるため、該偏平ワイヤの後続の加
    熱を行うことの段階を備える、請求項2の方法。
  5. 【請求項5】 該プロセス区域の該銀被覆ステーション
    の1つが第1の銀被覆ステーションであり、この第1銀
    被覆ステーションによる該ワイヤ基体の被覆が、 溶剤と銀粉末を含むスラリーから該ワイヤ基体上に該銀
    粉末を電気泳動によって付着させること、 該付着した銀粉末から該溶剤を除去するため該付着銀粉
    末の最初の加熱を行うこと、及び、 該付着銀粉末を焼結して該多層ワイヤの該基体上に銀の
    第1層を形成させるため該付着銀粉末の次の加熱を行う
    ことの段階を備える、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 該第1銀被覆ステーションによる該付着
    銀粉末の該最初の加熱が約200−500℃で行われ、
    該第1銀被覆ステーションによる該付着銀粉末の該次の
    加熱が約920℃で行われる、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 該プロセス区域の各該超電導材料被覆ス
    テーションによる該ワイヤの被覆が、 溶剤と超電導粒体を含むスラリーから該ワイヤの銀上に
    該超電導粒体を電気泳動によって付着させること、 該付着した超電導粒体から該溶剤を除去するため該付着
    超電導粒体の最初の加熱を行うこと、及び、 該付着超電導粒体を焼結して該多層ワイヤ上に超電導材
    料の層を形成させるため該付着超電導粒体の次の加熱を
    行うことの段階を備える、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 該超電導粒体の該最初の加熱が約200
    −500℃で行われ、該超電導粒体の該次の加熱が約7
    75−850℃で行われる、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 該プロセス区域の該銀被覆ステーション
    の1つが後設の銀被覆ステーションであり、この後設銀
    被覆ステーションによる該ワイヤの被覆が、 溶剤と銀粉末を含むスラリーから露出した該超電導材料
    層上に該銀粉末を電気泳動によって付着させること、 該付着した銀粉末から該溶剤を除去するため該付着銀粉
    末の最初の加熱を行うこと、及び、 該付着銀粉末を稠密化して該多層ワイヤの該基体上に銀
    の外側層を形成させるため該付着銀粉末の次の加熱を行
    うことの段階を備える、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 該第1銀被覆ステーションによる該付
    着銀粉末の該最初の加熱が約200−500℃で行わ
    れ、該第1銀被覆ステーションによる該付着銀粉末の該
    次の加熱が約775−850℃で行われる、請求項9の
    方法。
  11. 【請求項11】 該偏平ワイヤの該第1加熱段階が、空
    気中で約835℃で約70時間行われる、請求項2の方
    法。
  12. 【請求項12】 該偏平ワイヤの該後続加熱段階が、空
    気中で約835℃で約70時間行われる、請求項4の方
    法。
  13. 【請求項13】 該方法が複数の後続の加熱段階を備
    え、これら後続加熱段階の1つが最終加熱段階であり、
    この最終加熱段階が約835℃で約70から300時間
    行われる、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 該銀被覆ステーションが、該超電導材
    料被覆ステーションより1つ多い、請求項1の方法。
  15. 【請求項15】 該基体が、重量パーセントで、76.
    5%のNi、3%の鉄、16%のCr、及び4.5%の
    Alで構成され、そして直径が約50ミクロンである、
    請求項5の方法。
  16. 【請求項16】 該銀被覆が、グラム当り約2平方メー
    トルより大きい(>2m2 /g)表面積を有する粒をも
    った銀粉末から作られる、請求項1の方法。
  17. 【請求項17】 該超電導材料がBi2212である、
    請求項2の方法。
  18. 【請求項18】 該偏平ワイヤの該第1加熱段階が、空
    気中で約886℃で約6分間行われ、続いて約836℃
    まで冷却が行われ、この冷却が毎時約5℃(5℃/時)
    の温度降下率で行われる、請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 頂面と底面及びこれらの間の1対の対
    向する側面によって囲まれた実質的に矩形の断面を有す
    る多層高臨界温度超電導ワイヤにおいて、 中心の基体、 該基体を包囲して該ワイヤ上に被覆される超電導材料の
    少なくとも1つの層、及び、 該基体を包囲して該ワイヤ上に被覆される銀の少なくと
    も1つの層を備え、各超電導材料層が複数の該銀層の間
    に置かれるように該超電導材料層が該銀層と交互に設置
    される、ワイヤ。
  20. 【請求項20】 該超電導材料がBiPb2223であ
    る、請求項19のワイヤ。
  21. 【請求項21】 該超電導材料がBi2212である、
    請求項19のワイヤ。
JP06083326A 1993-06-22 1994-04-21 超電導ワイヤの製造方法 Expired - Fee Related JP3098906B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8033093A 1993-06-22 1993-06-22
US080330 1993-06-22

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0721856A true JPH0721856A (ja) 1995-01-24
JP3098906B2 JP3098906B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=22156709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06083326A Expired - Fee Related JP3098906B2 (ja) 1993-06-22 1994-04-21 超電導ワイヤの製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0631333B1 (ja)
JP (1) JP3098906B2 (ja)
AT (1) ATE180924T1 (ja)
CA (1) CA2119710A1 (ja)
DE (1) DE69418774T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101037230B1 (ko) * 2008-12-12 2011-05-25 한국산업기술대학교산학협력단 유기 은 착체 화합물을 이용한 박막형 고온초전도체의 은 보호층 형성방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003046151A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Japan Science & Technology Corp 多層膜の形成方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252007A (ja) * 1990-02-28 1991-11-11 Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai 酸化物系超電導体とその製造方法
US5118663A (en) * 1990-09-21 1992-06-02 General Atomics Fabrication of silver coated high temperature ceramic superconductor fiber with metal substrate
JPH04262308A (ja) * 1991-01-21 1992-09-17 Mitsubishi Electric Corp 酸化物超電導線材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101037230B1 (ko) * 2008-12-12 2011-05-25 한국산업기술대학교산학협력단 유기 은 착체 화합물을 이용한 박막형 고온초전도체의 은 보호층 형성방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP0631333B1 (en) 1999-06-02
CA2119710A1 (en) 1994-12-23
DE69418774D1 (de) 1999-07-08
EP0631333A1 (en) 1994-12-28
ATE180924T1 (de) 1999-06-15
JP3098906B2 (ja) 2000-10-16
DE69418774T2 (de) 1999-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3587956B2 (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
JPH01100003A (ja) 超伝導酸化物および超伝導酸化物/金属複合材の作製
EP1021840A2 (en) Decoupling of superconducting elements in high temperature superconducting composites
JP3386942B2 (ja) 酸化物超電導コイル及びその製造方法
US6349226B1 (en) Oxide super conductive wire and a super conductive device
JPH04310597A (ja) 超電導体層を有する金属体からなる物品を製造する方法
JP3098906B2 (ja) 超電導ワイヤの製造方法
US3346467A (en) Method of making long length superconductors
JP3930163B2 (ja) 酸化物超電導体用金属基板の製造方法
JP4128358B2 (ja) 酸化物超電導導体の製造方法
EP0742595B1 (en) Method of making a metal impregnated superconductor
JPH06139848A (ja) 酸化物高温超電導線材の製造方法
JPH0393110A (ja) 超電導線材
JPS63291318A (ja) 酸化物系超電導線の製造方法
JPH0362905A (ja) 超電導コイルの製造方法
JP2575443B2 (ja) 酸化物系超電導線材の製造方法
JPH01137525A (ja) 酸化物超電導成形体の製造方法
JPH03122917A (ja) セラミックス超電導々体の製造方法
JPS63291320A (ja) 酸化物系超電導線の製造方法
JP2599138B2 (ja) 酸化物系超電導線の製造方法
JPH03158203A (ja) セラミックス超電導導体の製造方法
JPH09161573A (ja) 超電導線材の作製方法および超電導線材および超電導マグネット
JPS63291321A (ja) 酸化物系超電導線の製造方法
JPH03102717A (ja) 電流リード用導体の製造方法
JPH01163913A (ja) 酸化物超電導線の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees